JP5226363B2 - 振動溶着装置 - Google Patents

振動溶着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5226363B2
JP5226363B2 JP2008102683A JP2008102683A JP5226363B2 JP 5226363 B2 JP5226363 B2 JP 5226363B2 JP 2008102683 A JP2008102683 A JP 2008102683A JP 2008102683 A JP2008102683 A JP 2008102683A JP 5226363 B2 JP5226363 B2 JP 5226363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
vibration
welding
vibration member
instrument panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008102683A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009248536A (ja
Inventor
研司 久井
周二 金本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008102683A priority Critical patent/JP5226363B2/ja
Priority to US12/367,166 priority patent/US8118957B2/en
Priority to CN2009101185485A priority patent/CN101518950B/zh
Publication of JP2009248536A publication Critical patent/JP2009248536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5226363B2 publication Critical patent/JP5226363B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instrument Panels (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、相対的に振動をする1組の振動部材に樹脂母材と樹脂ワークとを層状に挟み込み、この状態で両者を加圧及び加振することで互いを溶着する振動溶着装置に関する。
樹脂部品同士を加圧及び加振することで互いを接合する振動溶着は従来から周知であり、接着剤が不要である、加熱乾燥等の後工程が不要である等の利点を有することから、広汎に実施されている。例えば、特許文献1には、自動車の内装材であるインストルメントパネルに対して空調ダクト部材を振動溶着によって接合することが記載されている。
特許文献1記載の従来技術の場合、ダクト部材の形状に対応する形状の下治具にダクト部材が支持され、且つインストルメントパネルの形状に対応する形状の上治具にインストルメントパネルが支持される。すなわち、下治具及び上治具の双方は、インストルメントパネル及びダクト部材を全面にわたって支持する。
なお、上治具におけるインストルメントパネル支持面には、ウレタン材からなる保護材が設けられる。結局、インストルメントパネルは、保護材を介して上治具に支持された状態で、ダクト部材とともに下治具と上治具の間に挟まれる。
この状態で、上治具が下治具に接近するように変位するとともに、該上治具が水平方向に往復変位することによって下治具に対して相対的に振動するような制御が行われる。すなわち、インストルメントパネル及びダクト部材が加圧及び加振される。
これに伴ってインストルメントパネル及びダクト部材における摺接部位同士に摩擦熱が発生し、該摺接部位が溶融する。最終的に、溶融した部位が固化することにより、インストルメントパネルとダクト部材が互いに接合される。
特開2001−232686号公報
インストルメントパネルには、ダクト部材の他に別部材が溶着されることもある。これらダクト部材及び別部材が、融点が異なる材質からなる場合、同一の押圧力を付与して同一工程で振動溶着を行おうとすると、低融点の部材の溶け込み量が大きくなってしまう。すなわち、溶着が不均等となる。
溶け込み量の均衡を図るためには、下治具又は上治具のいずれかにおける高融点の部材を支持する部位にスペーサを挿入することが有効であるようにも考えられる。しかしながら、上記したように、下治具及び上治具は全面にわたってダクト部材ないしインストルメントパネルを支持しており、このような場合にスペーサを挿入するためには、インストルメントパネルやダクト部材の寸法の製造誤差を見込んでスペーサの厚み寸法を設定しなければならないため、スペーサの設計時に過度の試行錯誤が必要となる。
また、厚みが過度に大きいスペーサを部分的に挿入した場合、該部位では、押圧力が過度に大きくなる。この場合、インストルメントパネルと高融点の部材との溶着強度は大きくなるものの、インストルメントパネルの意匠面(ユーザーが視認可能な面)にいわゆるデフォームが形成されてしまい、このために美観を損ねるものとなる。
さらに、融点が異なる材質からなる部材同士を別工程で振動溶着する場合、工程数が増加するとともに製品の完成までに長時間を要することになる。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、融点が相違する樹脂部品同士を同一工程で振動溶着した際の溶け込み量を略均等化することが可能であり、このために美観に優れる最終製品を容易に得ることが可能な振動溶着装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、第1振動部材と第2振動部材との間に樹脂母材と樹脂ワークとを層状に挟み込み、この状態で前記第1振動部材及び第2振動部材を相対的に振動させることで前記樹脂母材及び前記樹脂ワークを加圧及び加振して互いを溶着する振動溶着装置であって、
前記第1振動部材における前記第2振動部材に臨む側の端面に、前記樹脂母材の所定部位のみを支持するための複数個の載置部が前記第2振動部材に指向して突出するように設けられ、
前記第2振動部材における前記第1振動部材に臨む側の端面に、前記樹脂母材及び前記樹脂ワークに押圧力を付与するための突起が前記第1振動部材に指向して突出するように設けられ、
少なくとも、前記第1振動部材と前記載置部との間にスペーサが挿入可能であり、
前記スペーサの厚みが調整されることで前記載置部の上端面の位置が設定されることを特徴とする。
本発明においては、載置部の上端面の位置が設定されることに伴って、樹脂母材及び樹脂ワークに作用する押圧力が制御される。スペーサの厚みが大きく上端面の位置が高い部位には大きな押圧力が作用し、スペーサの厚みが小さく上端面の位置が低い部位には小さな押圧力が作用するからである。
従って、高融点の樹脂ワークを接合する部位ではスペーサの厚みを大きくする一方、低融点の樹脂ワークを接合する部位ではスペーサの厚みを小さくすることによって、両樹脂ワークの溶け込み量を略均等にすることができる。場合によっては、低融点の樹脂ワークを接合する部位にスペーサを介装しなくともよい。
なお、融点が同一である樹脂ワークを複数個同時に樹脂母材の平坦面と傾斜面の各々に振動溶着する場合、振動部材による押圧力は、樹脂母材の傾斜面に比して平坦面の方が大きくなり、従って、平坦面の方が溶け込み量が大きくなる。これに対し、傾斜面を支持する載置部を上記のようにしてスペーサで持ち上げ、その上端面を高くすることで当該部位に作用する押圧力を大きくすれば、溶け込み量を略均等にすることが可能となる。すなわち、本発明は、融点が同一である樹脂ワークを複数個同時に樹脂母材の平坦面と傾斜面の各々に振動溶着する場合にも適用することが可能である。
このように、本発明によれば、接合する部位によって必要とされる押圧力が相違する場合であっても、該部位同士を同一工程で接合することができる。このため、工程数が増加することがなく、製品を得るまでの時間が長期化することもない。
いずれの場合においても、樹脂母材の所定の部位のみを支持する載置部を複数個設けているので、一体型の載置部を設けた場合に比して載置部の取り外し・取り付けが容易であり、従って、スペーサを介装する作業が著しく容易である。その上、この場合、樹脂母材や樹脂ワークの寸法の製造誤差を見込んでスペーサの厚み寸法を設定する必要がないので、煩雑な試行錯誤を行う必要もない。
なお、前記載置部の上端面には保護材を設けることが好ましい。振動溶着が行われる最中には、この保護材が前記樹脂母材を保護する。従って、該樹脂母材に擦り傷等が発生することを防止することができる。
この種の保護材の材質としては、ウレタン材が好適である。ウレタン材は潤滑性、適度な強度及び柔軟性を兼ね備えており、このため、樹脂母材に擦り傷等が発生することを有効に防止する。しかも、自身が耐久性に優れるので、交換頻度ないしメンテナンス頻度が低減され、コスト的に有利である。
本発明によれば、第1振動部材と載置部との間にスペーサを介装し、各スペーサの厚みを調整することで押圧力を制御するようにしている。このため、大きな押圧力を必要とする部位における溶け込み量と、小さな押圧力でよい部位における溶け込み量との均衡を図ることができ、溶着程度及び溶着強度を略均等とすることができる。従って、得られた最終製品が美観に優れたものとなる。
しかも、大きな押圧力を必要とする部位と、小さな押圧力でよい部位とを同一工程で接合することが可能であるので、工程数が増加することや、製品を得るまでの時間が長期化することを回避することもできる。
以下、本発明に係る振動溶着装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る振動溶着装置10の要部概略斜視図である。この振動溶着装置10は、第1振動部材としてのベース板12と、第2振動部材としての振動板14とを有し、これらベース板12及び振動板14は、制御部16に電気的に接続されている。また、これらベース板12と振動板14との間には、自動車用のインストルメントパネル(樹脂母材)20と、助手席側SRSエアバッグの収納ボックス(樹脂ワーク)22及びエアコンディショナのダクト部材(樹脂ワーク)24とが挟まれる。後述するように、本実施の形態においては、インストルメントパネル20に対して収納ボックス22及びダクト部材24が振動溶着によって接合される。
先ず、これらインストルメントパネル20、収納ボックス22及びダクト部材24につき説明する。
図1から諒解されるように、インストルメントパネル20は、複雑な曲面を有し且つ相当に広面積の部材である。以下、インストルメントパネル20の横長方向をX方向とする。該X方向は、振動溶着装置10による加振方向である。図1中の参照符号26a、28aは、それぞれ、収納ボックス22を溶着するための溶着リブ部、ダクト部材24を溶着するための溶着部である。
収納ボックス22は、裏面が開口したボックス構造であり、SRSエアバッグを収納可能な構造になっている。収納ボックス22の底部22aは粗いメッシュ形状であり、該底部22aの下端面が溶着部26bとしてインストルメントパネル20の溶着リブ部26aに接合される。
収納ボックス22の底部22aは、エアバッグ動作時に開放可能なヒンジ構造となっている。一方、インストルメントパネル20における溶着リブ部26aは、エアバックの膨脹時に開裂する脆弱部を備えている。
ダクト部材24は、中央送風部24a、端部送風部24b及びデフロスタ送風部24c等を有し、これら中央送風部24a、端部送風部24b及びデフロスタ送風部24cには図示しない送風通路が形成されている。すなわち、ダクト部材24は中空体である。
そして、中央送風部24a、端部送風部24b及びデフロスタ送風部24cの各々の下端面には、インストルメントパネル20の溶着部28aに接合される溶着部28bが突出形成されている。
以上のように構成されたインストルメントパネル20及びダクト部材24は、ポリプロピレン(PP)材からなり、その融点は166℃程度である。一方、収納ボックス22の材質は熱可塑性ポリオレフィン(TPO)材であり、その融点は150℃程度である。
次に、振動溶着装置10につき説明する。
前記ベース板12は、振動溶着装置10のベースとなる部材であり、図2に示すように、複数個のリフタ30が制御部16の制御作用下に動作することに伴って、振動板14に対して接近又は離間するように昇降可能である。
このベース板12には、複数個の載置部32a〜32hが点在している(図1参照)。これら載置部32a〜32hは、インストルメントパネル20の所定部位のみを支持するためのものであり、勿論、振動板14側に向かって延在している。載置部32a〜32hは、例えば、アルミニウム材からなる。
載置部32dのみを代表的に示した図3に示すように、載置部32a〜32hの下端部は、若干突出した幅広部34として形成されている。この幅広部34にはネジ孔36が形成され、載置部32a〜32hは、このネジ孔36に通されたネジ38を介してベース板12に位置決め固定される。
ここで、幅広部34とベース板12の間には、スペーサとして機能するシム40が介装される。このシム40は、幅広部34と略同寸法であり、幅広部34に形成された前記ネジ孔36の位置に対応する位置に、ネジ孔41が形成されている。すなわち、シム40もまた、前記ネジ38を介してベース板12に位置決め固定される。
なお、シム40は、JISに規定される構造用鋼(例えば、SC50材)や、工具鋼(例えば、SK5材)から構成することができる。
各シム40の厚みは、樹脂ワークの支持部位によって異なる。この場合、融点が比較的低いTPOからなる収納ボックス22を支持する載置部32fではシム40の厚みが小さく、融点が比較的高いPPからなるダクト部材24を支持する残余の載置部32a〜32e、32g、32hでは、シム40の厚みが大きく設定されている。このようにしてシム40の厚みを相違させることにより、載置部32a〜32hの上端面の位置が調整されている。
勿論、シム40を1個とする必要は特になく、大きな押圧力が必要な箇所では複数個のシム40を介装するようにしてもよい。また、押圧力を特に小さくしようとする部位を支持する載置部には、シム40を介装しないようにしてもよい。本発明においては、シム40を介装しない場合も「シムの厚みを調整する」ことに含まれるものとする。
図1から諒解されるように、載置部32a、32bは、中央送風部24aにおける前後方向に互いに若干離間した2つの溶着部28bを支持する。載置部32a及び載置部32bに支持される部位は、インストルメントパネル20の最終製品としての使用時の正面下方となり、相当の傾斜を有し、角度θ2が大きくなっている。
一方、載置部32c〜32eは、インストルメントパネル20を介してデフロスタ送風部24cの6個の溶着部28bを順に一対ずつ支持する。デフロスタ送風部24cの6個の溶着部28bは、対応するインストルメントパネル20において一対毎に支持する箇所の角度θ1が異なる。すなわち、図1において、デフロスタ送風部24cにおける右側の2つの溶着部28bを支持する箇所では、インストルメントパネル20の角度θ1はプラス値、左側の2つの溶着部28bを支持する箇所ではマイナス値、中央の2つの溶着部28bを支持する箇所では0である。このような角度θ1の違いに応じて3つの載置部32c〜32eが設けられている。
載置部32fは、上記したように、インストルメントパネル20を介して収納ボックス22を支持する。
また、載置部32g、32hは、インストルメントパネル20を介して、左右の端部送風部24bの溶着部28bを支持する。左右の端部送風部24bが溶着されるインストルメントパネル20の前面部は、所定の送風グリルにより覆われて、最終製品として使用されるときには視認されない。
載置部32a〜32hの各々の上端面には、保護材42が取り付けられている。本実施の形態において、この保護材42は、ウレタン材からなる。
保護材42(ウレタン材)は、潤滑性、適度な強度及び柔軟性を兼ね備え、この特性により、インストルメントパネル20を適切に支持する。また、インストルメントパネル20は、その意匠面20aが保護材42に当接するように載置部32a〜32hに載置されるが、保護材42は、該意匠面20aが振動によって擦れること等を防止する役割を果たす。
振動板14は、ベース板12の上方に設けられており、前記リフタ30(図2参照)の作用下にベース板12が上昇することにより、振動板14とベース板12がインストルメントパネル20の溶着リブ部26aと収納ボックス22の溶着部26bとを層状に挟み込む。同時に、インストルメントパネル20の溶着部28aとダクト部材24の溶着部28bとを層状に挟み込み、所定の押圧力を付与する。この押圧力は、制御部16によって制御可能である。
振動板14は、制御部16及び加振手段43の作用下に、ベース板12に対して相対的に横方向(例えば、インストルメントパネル20の横長X方向)に往復動作する。換言すれば、振動運動を行い、これによりインストルメントパネル20、収納ボックス22及びダクト部材24に対して加振力を付与する。すなわち、振動板14とベース板12は、相対的に振動をする一対の振動部材である。振動板14の振動の振幅、周波数、加振時間等は、制御部16によって制御可能である。
図4に示すように、振動板14におけるベース板12に臨む側の端面には、複数本の押圧突起44がベース板12に指向して突出するように設けられている。この押圧突起44における振動板14に臨む側の端面も幅広部46として形成されており、該幅広部46にはネジ孔48が形成されている。押圧突起44は、このネジ孔48に通されたネジ50を介して振動板14に位置決め固定される。このような構成となっているため、ベース板12と載置部32a〜32hの関係と同様に、必要に応じ、幅広部46と振動板14との間にシム40(スペーサ)を介装することも可能である。ただし、本実施の形態では、押圧突起44と振動板14との間にシム40を介装しない場合を例示して説明する。
なお、押圧突起44は、例えば、載置部32a〜32hと同様にアルミニウム材から構成される。
本実施の形態に係る振動溶着装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
はじめに、載置部32a〜32hの各々にインストルメントパネル20の所定部位を載置する。載置部32a〜32hの各上端面には保護材42が設けられていることから、インストルメントパネル20は、各保護材42を介して載置部32a〜32hに載置される。
次に、インストルメントパネル20の所定位置に収納ボックス22及びダクト部材24を載置する。勿論、収納ボックス22及びダクト部材24を予めインストルメントパネル20に位置決め及び仮固定しておき、その後、該インストルメントパネル20と同時に載置部32a〜32hに載置するようにしてもよい。
このようにして準備が終了した後、振動溶着を実施する。すなわち、先ず、制御部16の制御作用下にリフタ30を付勢し、これによりベース板12を振動板14側に向かって上昇させる。
最終的に、振動板14の押圧突起44とベース板12は、インストルメントパネル20の溶着リブ部26aと収納ボックス22の溶着部26bとを層状に挟み込む。同時に、インストルメントパネル20の溶着部28aとダクト部材24の溶着部28bとを層状に挟み込み、これにより所定の押圧力を付与する。溶着リブ部26aと溶着部26bとの接触面、及び溶着部28aと溶着部28bとの接触面には、シム40の厚みに応じて異なる押圧力が加わることになる。
次に、制御部16の制御作用下に加振手段43を付勢し、振動板14をX方向に所定振幅及び所定周波数で振動させる。これにより、溶着リブ部26aと溶着部26bとの接触面、及び溶着部28aと溶着部28bとの接触面に摩擦熱が発生して振動溶着がなされる。
上記したように、シム40の厚みは、融点が比較的低いTPOからなる収納ボックス22を支持する載置部32fでは小さく、融点が比較的高いPPからなるダクト部材24を支持する載置部32a〜32e、32g、32hでは大きく設定されている。このため、載置部32f(溶着部26b)に付与される押圧力は小さく、一方、載置部32a〜32e、32g、32h(溶着部28b)に付与される押圧力は大きくなる。
この状態で振動溶着がなされることから、低融点の溶着部26bにおける溶け込み量と、高融点の溶着部28bにおける溶け込み量とが略均等となる。すなわち、インストルメントパネル20に対し、収納ボックス22及びダクト部材24を略均一に溶着することができる。
しかも、本実施の形態によれば、大きな押圧力を必要とするダクト部材24と、小さな押圧力でよい収納ボックス22とを、インストルメントパネル20に対して同一工程で接合することができる。換言すれば、ダクト部材24と収納ボックス22を別工程で接合する必要がない。従って、工程数が増加することがなく、製品を得るまでの時間が長期化することもない。
振動溶着作業の最中には、インストルメントパネル20が各保護材42に摺接する。しかしながら、該保護材42が滑らかで且つ適度に柔軟なウレタン材からなり、潤滑性を示すものであるので、インストルメントパネル20の意匠面20aが適切に保護され、該意匠面20aに擦り傷等が発生することが防止される。
所定時間が経過した後、又は所定溶着量に到達した後、振動板14の振動を停止するとともにリフタ30を付勢してベース板12を下降させ、溶着がなされたインストルメントパネル20、収納ボックス22及びダクト部材24を取り出す。取り出された製品では、インストルメントパネル20に対する収納ボックス22の溶着部26b及びダクト部材24の溶着部28bとも、十分な溶け込みが得られており、十分な溶着強度が得られる。しかも、溶け込みは深すぎることがなく、インストルメントパネル20の意匠面20aにデフォームの発生を抑制することができる。
以上の作業を繰り返し行った後、載置部32a〜32hのいずれかの保護材42が摩耗して所定の肉厚以下となったときには、該保護材42のみを交換すればよい。この場合、交換する保護材42が極めて小面積であるので、その交換が容易であるとともに、コスト的にも有利である。
また、インストルメントパネル20とは別形状のインストルメントパネルである場合、すなわち、湾曲面の曲率半径が異なるものである場合や、樹脂ワークが低融点であるために小さい押圧力でよい部位がある場合、樹脂ワークが高融点であるためにさらに大きな押圧力が必要である部位がある場合等は、当該部位を支持する載置部におけるシム40の厚みや個数を変更することによって対応することが可能である。
しかも、載置部32a〜32hが点在しているので、一体型の載置部とベース板12との間にシム40を介装する場合よりも作業が著しく容易である。その上、インストルメントパネルやダクト部材の寸法の製造誤差を見込んでシム40の厚み寸法を設定する必要もない。
なお、上記した実施の形態では、振動板14と押圧突起44との間にシム40を介装していないが、シム40を介装して押圧突起44の突出長さを調整するようにしてもよいことは勿論である。これにより、各部位に対する摩擦力を調整することも可能である。
また、樹脂母材がインストルメントパネル20に特に限定されるものではなく、樹脂ワークが収納ボックス22及びダクト部材24に特に限定されるものではないことはいうまでもない。
さらに、押圧突起44の各先端面にも保護材42を設けるようにしてもよい。この場合には、載置部32a〜32h側の保護材42を省略するようにしてもよい。
さらにまた、載置部32a〜32hとベース板12との間全てにシム40を介装する必要はない。すなわち、押圧力を特に小さくしようとする部位を支持する載置部には、シム40を設けなくともよい。
そして、本発明は、融点が互いに相違する樹脂ワークを同時に樹脂母材に振動溶着する場合に限定されるものではなく、融点が同一である樹脂ワークを複数個同時に樹脂母材の平坦面と傾斜面の各々に対して振動溶着する場合にも適用可能である。シム40が存在しない場合では、押圧突起ないし振動板による押圧力は、傾斜面に比して平坦面の方が大きくなるが、傾斜面に位置する載置部材ないし押圧突起によって挟まれるシム40の厚みを大きくすることにより、押圧力の均衡を図ることができる。
本実施の形態に係る振動溶着装置の要部概略斜視図である。 振動溶着装置によってインストルメントパネルと収納ボックス及びダクト部材を挟持した状態の断面正面図である。 1つの載置部の近傍を拡大した要部拡大斜視図である。 1つの押圧突起の近傍を拡大した要部拡大斜視図である。
符号の説明
10…振動溶着装置 12…ベース板
14…振動板 20…インストルメントパネル
22…収納ボックス 24…ダクト部材
26a…溶着リブ部 26b、28a、28b…溶着リブ部
32a〜32h…載置部 34、46…幅広部
40…シム 42…保護材
43…加振手段 44…押圧突起

Claims (2)

  1. 第1振動部材と第2振動部材との間に樹脂母材と複数個の樹脂ワークとを層状に挟み込み、この状態で前記第1振動部材及び第2振動部材を相対的に振動させることで前記樹脂母材及び前記複数個の樹脂ワークを加圧及び加振して互いを同一工程で溶着する振動溶着装置であって、
    前記第1振動部材における前記第2振動部材に臨む側の端面に、前記樹脂母材の所定部位のみを支持するための複数個の載置部が前記第2振動部材に指向して突出するように設けられ、
    前記複数個の載置部は、前記樹脂母材に対して前記複数個の樹脂ワークを溶着する箇所に配置されたものを含み、
    前記載置部の上端面に保護材が設けられ、
    前記第2振動部材における前記第1振動部材に臨む側の端面に、前記樹脂母材及び前記樹脂ワークに押圧力を付与するための突起が前記第1振動部材に指向して突出するように設けられ、
    少なくとも、前記第1振動部材と、前記複数個の樹脂ワークを溶着する箇所に配置された前記載置部との間にスペーサが挿入可能であり、
    前記スペーサの厚みが、溶着時の押圧力が同一であるときの樹脂ワークの溶け込み量が他の樹脂ワークに比して小さくなる溶着箇所では大きく、且つ他の樹脂ワークに比して溶け込み量が大きくなる溶着箇所では小さく調整されることで前記載置部の上端面の位置が設定されることに伴い、前記複数個の樹脂ワークの溶け込み量が略均等になるように該複数個の樹脂ワークのそれぞれに作用する押圧力が設定されることを特徴とする振動溶着装置。
  2. 請求項記載の振動溶着装置において、前記保護材がウレタン材からなることを特徴とする振動溶着装置。
JP2008102683A 2008-02-27 2008-04-10 振動溶着装置 Expired - Fee Related JP5226363B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102683A JP5226363B2 (ja) 2008-04-10 2008-04-10 振動溶着装置
US12/367,166 US8118957B2 (en) 2008-02-27 2009-02-06 Vibration welding method and vibration welding apparatus
CN2009101185485A CN101518950B (zh) 2008-02-27 2009-02-26 振动焊接方法和振动焊接设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008102683A JP5226363B2 (ja) 2008-04-10 2008-04-10 振動溶着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009248536A JP2009248536A (ja) 2009-10-29
JP5226363B2 true JP5226363B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=41309654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008102683A Expired - Fee Related JP5226363B2 (ja) 2008-02-27 2008-04-10 振動溶着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5226363B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012121156A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Honda Motor Co Ltd 振動溶着方法
JP6046256B2 (ja) * 2013-07-10 2016-12-14 本田技研工業株式会社 振動溶着装置及び振動溶着方法
KR101659067B1 (ko) * 2014-07-29 2016-09-22 롯데케미칼 주식회사 레독스 흐름 전지용 스택 융착 장치
JP6369234B2 (ja) * 2014-09-01 2018-08-08 トヨタ自動車株式会社 部品結合体の製造方法
FR3049204B1 (fr) * 2016-03-25 2018-04-20 Faurecia Interieur Industrie Installation de soudure par vibration et procede d'assemblage de pieces associe

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001232686A (ja) * 2000-02-25 2001-08-28 Toyota Auto Body Co Ltd 振動溶着用治具の製作方法及び振動溶着用治具
JP4501149B2 (ja) * 2004-02-17 2010-07-14 株式会社デンソー 振動溶着装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009248536A (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8118957B2 (en) Vibration welding method and vibration welding apparatus
JP5226363B2 (ja) 振動溶着装置
CN105940240B (zh) 输送设备用部件及板构件
CN1676378B (zh) 气囊罩的制造方法、气囊罩和气囊组件
JP4522058B2 (ja) 素材の成形装置及び成形方法並びに成形された不織布物品
JP2006273057A (ja) ピラー構造
US20120169107A1 (en) Seat frame and method of forming using a laser warmed adjesive
JP6046256B2 (ja) 振動溶着装置及び振動溶着方法
EP2998102B1 (en) Vibration welding device and vibration welding method
JP2010520816A (ja) 車両用パネルのヘミング装置
JP5631258B2 (ja) 自動車のサイドパネルの製造方法
JP6012348B2 (ja) 車両用樹脂製品
JP4990186B2 (ja) 振動溶着方法
JP5046999B2 (ja) 振動溶着方法
JP5966849B2 (ja) 車両用部品の製造方法
RU2659688C2 (ru) Элемент каркаса транспортного средства, верхняя балка для каркаса транспортного средства и способ выполнения верхней балки для каркаса транспортного средства
JP2006036134A (ja) 車体のルーフパネル構造
KR102142092B1 (ko) 고강도 저비중 경량강재를 이용한 차량용 판재 제조방법
JP6679510B2 (ja) 車両用ピラー構成部材
US20170312806A1 (en) Seat frame manufacturing method
JP2007091026A (ja) エアバッグドア部付き車両用内装品
CN110475696B (zh) 旨在焊接在车身元件上的车辆零件
KR200434020Y1 (ko) 에어백의 도어보강판
EP3159140B1 (en) Manufacturing method for joined body
JP6777042B2 (ja) 車両用内装部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5226363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees