JP2006036134A - 車体のルーフパネル構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車体のルーフパネル構造を軽量にすることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る車体のルーフパネル構造を提供する。
【解決手段】 本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材24、26、28に連結されたルーフパネル30を有する車体のルーフパネル構造であって、ルーフパネルは、ルーフパネルの中央領域30bに形成され、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材32により形成された高剛性領域30bと、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成され、高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域30fと、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材24、26、28に連結されたルーフパネル30を有する車体のルーフパネル構造であって、ルーフパネルは、ルーフパネルの中央領域30bに形成され、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材32により形成された高剛性領域30bと、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成され、高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域30fと、を有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車体のルーフパネル構造に係り、特に、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたルーフパネルを有する車体のルーフパネル構造に係る。
一般に、車体のルーフパネルは、車幅方向に延びる複数のルーフレインフォースメントで支持され、これらのルーフレインフォースメントにより、ルーフパネルの面剛性を確保するようにしている。また、ルーフパネルは、これらのルーフレインフォースメントによりクッション材を介して支持され、そのクッション材によりルーフパネルのある程度の変形が許容されるようになっている。これらのルーフレインフォースメントは、車重を増加させ、さらに、車体の重心を高めて車両の運動性能を低下させる要因となる。
一方、ルーフパネルの周縁部は、車体のピラーに連結されたルーフヘッダ及びルーフサイドレールに固定されている。従って、ルーフパネルには、エンジンの振動及びタイヤやサスペンションのロードノイズ振動が、エンジンやサスペンションが連結されたフレーム部材から、ピラーを経由し、さらに、ルーフヘッダ及びルーフサイドレールを経由して伝達される。この伝達された振動により、ルーフパネルが振動し、その音響放射により不快な車室内振動や騒音が発生する。また、車両の走行により車体が変形することにより、ルーフパネルも変形し、この変形に起因する音響放射によっても、不快な車室内振動や騒音が発生する。
ここで、特許文献1に記載の車体フロアパネル構造では、パネルに、曲げ、圧縮、引張りに強い複数のシェル構造の凸部と、これらの凸部の間に縦横に延びる凹部とを形成し、凹部に振動を集中させ、この凹部に制振材を設けることにより振動を減衰させている。
しかしながら、ルーフパネルは、極力凹凸がないように設計されるのが通常であり、また、凹凸を形成すると車室高が減少してしまうので、特許文献1記載の車体フロアパネル構造をルーフパネルに適用することは困難である。
しかしながら、ルーフパネルは、極力凹凸がないように設計されるのが通常であり、また、凹凸を形成すると車室高が減少してしまうので、特許文献1記載の車体フロアパネル構造をルーフパネルに適用することは困難である。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、車体のルーフパネル構造を軽量にすることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る車体のルーフパネル構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたルーフパネルを有する車体のルーフパネル構造であって、ルーフパネルは、ルーフパネルの中央領域に形成され、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材により形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成され、高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材により、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来る。従って、従来のルーフレインフォースメントの代わりに制振材を設けて、車体のルーフパネル構造の軽量化を図ることが出来る。
さらに、ルーフパネルの中央領域に形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成された低剛性領域と、を有するので、それらの剛性差により、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。また、制振材の重量により、高剛性領域は高重量領域としても形成され、低剛性領域は低重量領域としても形成されるので、それらの重量差によっても、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、その振動エネルギが集中した低剛性領域で、ルーフパネルを構成する材質自体の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域の振動エネルギが低減される。
これらの結果、車体の軽量化を図ることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
このように構成された本発明においては、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材により、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来る。従って、従来のルーフレインフォースメントの代わりに制振材を設けて、車体のルーフパネル構造の軽量化を図ることが出来る。
さらに、ルーフパネルの中央領域に形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成された低剛性領域と、を有するので、それらの剛性差により、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。また、制振材の重量により、高剛性領域は高重量領域としても形成され、低剛性領域は低重量領域としても形成されるので、それらの重量差によっても、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、その振動エネルギが集中した低剛性領域で、ルーフパネルを構成する材質自体の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域の振動エネルギが低減される。
これらの結果、車体の軽量化を図ることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、制振材は、所定の硬度を有するアクリルエマルジョン系の制振材である。
このように構成された本発明においては、制振材はアクリルエマルジョン系の制振材であり、このアクリルエマルジョン系の制振材は硬度が比較的高い(所定の硬度)ので、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来ると共に高剛性領域をより確実に形成することが出来る。
このように構成された本発明においては、制振材はアクリルエマルジョン系の制振材であり、このアクリルエマルジョン系の制振材は硬度が比較的高い(所定の硬度)ので、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来ると共に高剛性領域をより確実に形成することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、ルーフパネルの低剛性領域には、高剛性領域の制振材が一体的に延びて設けられ、この低剛性領域の制振材は、その単位面積当たりの量が高剛性領域の制振材よりも少ない。
このように構成された本発明においては、低剛性領域の制振材は、その単位面積当たりの量が高剛性領域の制振材よりも少ないので、高剛性領域よりも剛性の低い低剛性領域を効果的に形成することが出来る。
このように構成された本発明においては、低剛性領域の制振材は、その単位面積当たりの量が高剛性領域の制振材よりも少ないので、高剛性領域よりも剛性の低い低剛性領域を効果的に形成することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、低剛性領域の制振材は、フレーム部材に接続されている。
このように構成された本発明においては、低剛性領域の制振材は、フレーム部材に接続されているので、ルーフパネルの面剛性をより高めることが出来る。
このように構成された本発明においては、低剛性領域の制振材は、フレーム部材に接続されているので、ルーフパネルの面剛性をより高めることが出来る。
また、本発明は、好ましくは、低剛性領域は、高剛性領域の制振材の両端部とフレーム部材との間の全域に制振材が設けられていない領域を有する。
このように構成された本発明においては、低剛性領域は、高剛性領域の制振材の両端部とフレーム部材との間の全域に制振材が設けられていない領域を有するので、高剛性領域よりも剛性の低い低剛性領域を効果的に形成することが出来る。
このように構成された本発明においては、低剛性領域は、高剛性領域の制振材の両端部とフレーム部材との間の全域に制振材が設けられていない領域を有するので、高剛性領域よりも剛性の低い低剛性領域を効果的に形成することが出来る。
また、本発明は、車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたルーフパネルを有する車体のルーフパネル構造であって、ルーフパネルは、ルーフパネルの中央領域の全域に設けられた制振材により形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に、高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ルーフパネルの中央領域の全域に制振材を設けているので、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来る。従って、従来のルーフレインフォースメントの代わりに制振材を設けて、車体のルーフパネル構造の軽量化を図ることが出来る。
さらに、ルーフパネルの中央領域に形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成された低剛性領域と、を有するので、それらの剛性差により、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。さらに、制振材の重量により、高剛性領域は高重量領域としても形成され、低剛性領域は低重量領域としても形成されるので、それらの重量差によっても、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、その振動エネルギが集中した低剛性領域で、ルーフパネルを構成する材質自体の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域の振動エネルギが低減される。
これらの結果、車体の軽量化を図ることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
このように構成された本発明においては、ルーフパネルの中央領域の全域に制振材を設けているので、ルーフパネルの面剛性を確保することが出来る。従って、従来のルーフレインフォースメントの代わりに制振材を設けて、車体のルーフパネル構造の軽量化を図ることが出来る。
さらに、ルーフパネルの中央領域に形成された高剛性領域と、この高剛性領域とフレーム部材との間に形成された低剛性領域と、を有するので、それらの剛性差により、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。さらに、制振材の重量により、高剛性領域は高重量領域としても形成され、低剛性領域は低重量領域としても形成されるので、それらの重量差によっても、低剛性領域に振動エネルギを集中させることが出来る。従って、その振動エネルギが集中した低剛性領域で、ルーフパネルを構成する材質自体の減衰能により振動エネルギが熱エネルギに変換されて、パネル領域の振動エネルギが低減される。
これらの結果、車体の軽量化を図ることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
また、本発明は、好ましくは、さらに、車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びると共にその両端部がフレーム部材に結合されたルーフレインフォースメントと、このルーフレインフォースメントの車幅方向のほぼ中間位置に設けられ、ルーフパネルを支持するクッション材と、を有する。
このように構成された本発明においては、ルーフパネルは、車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びると共にその両端部がフレーム部材に結合されたルーフレインフォースメントを有しているので、ルーフパネルの面剛性をより確実に確保することが出来る。さらに、ルーフレインフォースメントの車幅方向のほぼ中間位置に設けられ、ルーフパネルを支持するクッション材を有しているので、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動、例えば、1×1モードのようなルーフパネルの中央の振幅が大きくなるような振動を抑制することが出来る。従って、ルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
このように構成された本発明においては、ルーフパネルは、車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びると共にその両端部がフレーム部材に結合されたルーフレインフォースメントを有しているので、ルーフパネルの面剛性をより確実に確保することが出来る。さらに、ルーフレインフォースメントの車幅方向のほぼ中間位置に設けられ、ルーフパネルを支持するクッション材を有しているので、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動、例えば、1×1モードのようなルーフパネルの中央の振幅が大きくなるような振動を抑制することが出来る。従って、ルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
本発明によれば、車体のルーフパネル構造を軽量にすることが出来ると共にルーフパネルの振動エネルギを効果的に低減させてルーフパネルからの音響放射を低減することが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態によるルーフパネル構造を備えた自動車のボディの基本構造を説明するための図であり、図2は、本発明の第1実施形態によるルーフパネル構造を示す平面図である。
図1は、本発明の実施形態によるルーフパネル構造を備えた自動車のボディの基本構造を説明するための図であり、図2は、本発明の第1実施形態によるルーフパネル構造を示す平面図である。
図1に示すように、自動車のボディ1は、その下部構造のフレーム部材として、車体前後方向に延びる一対のフロントサイドフレーム2と、これらのフロントサイドフレーム2の後端部に連結され車幅方向に延びるフロント側のクロスメンバ4と、このクロスメンバ4に連結され左右両側で車体前後方向に延びる一対のサイドシル6と、これらのサイドシル6の後端部が連結され車幅方向に延びるリア側のクロスメンバ8と、このクロスメンバ8にその前端部が連結される一対のリアサイドフレーム10と、を有している。
一対のフロントサイドフレーム2には、エンジン12及びフロントサスペンション14が取り付けられ、リアサイドフレーム10には、リアサスペンション16が取り付けられている。
一対のフロントサイドフレーム2には、エンジン12及びフロントサスペンション14が取り付けられ、リアサイドフレーム10には、リアサスペンション16が取り付けられている。
一対のサイドシル6には、それぞれ、車体上下方向に延びるAピラー18及びBピラー20の下端部がそれぞれ連結され、リアサイドフレーム10には、車体上下方向に延びるCピラー22の下端部が連結されている。これらの各ピラー18、20、22は、いずれも車体のサイドボディに沿って延び、その上端部は、それぞれ、車体の上部構造のフレーム部材であるフロントルーフヘッダ24、リアルーフヘッダ26及び一対のルーフサイドレール28に連結されている。
これらの各ルーフヘッダ24、26及び一対のルーフサイドレール28は、閉断面構造のものであり、これらのフレーム部材24、26、28の上面にはルーフパネル30が固定されている。
図2に示すように、フロントルーフヘッダ24は、ルーフの車体前方の端縁部で車幅方向に延び、リアルーフヘッダ24は、車体後方の端縁部で車幅方向に延び、一対のルーフサイドレール28は、車体の車幅方向の端縁部でそれぞれ車体前後方向に延びると共に、それらの長手方向の端部が、それぞれ各ルーフヘッダ24、26の長手方向の端部に連結されている。ルーフパネル30の周縁部は、これらの車幅方向及び車体前後方向に延びる各フレーム部材24、26、28に固定されている。
図2に示すように、フロントルーフヘッダ24は、ルーフの車体前方の端縁部で車幅方向に延び、リアルーフヘッダ24は、車体後方の端縁部で車幅方向に延び、一対のルーフサイドレール28は、車体の車幅方向の端縁部でそれぞれ車体前後方向に延びると共に、それらの長手方向の端部が、それぞれ各ルーフヘッダ24、26の長手方向の端部に連結されている。ルーフパネル30の周縁部は、これらの車幅方向及び車体前後方向に延びる各フレーム部材24、26、28に固定されている。
図1に示すように、このような自動車のボディ1において、エンジン12、フロントサスペンション14及びリアサスペンション16の振動は、それぞれ、フロントサイドフレーム10、リアサイドフレーム10を経由して、各クロスメンバ4、8及びサイドシル6に大きく伝達され、さらに、各ピラー18、20、22に伝達され、これらの振動がルーフパネル30に伝達されて音響放射が生じる。
本発明の実施形態によるルーフパネル構造では、ルーフパネル30に比較的剛性の高い制振材を設け、これらの制振材によりルーフパネル30の面剛性を確保している。さらに、この制振材により形成される振動低減構造により、ルーフパネル30の振動エネルギを低減させるようにしている。また、従来と同様のルーフレインフォースメントを車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けて、ルーフパネル30の大きな振動を抑制するようにしている。
ここで、振動低減構造について説明する。振動低減構造は、フレーム部材などで囲まれたパネルの所定のパネル領域に設けられた、所定の剛性及び/又は重量の高い領域(高剛性領域、高重量領域)と所定の剛性及び/又は重量の低い領域(低剛性領域、低重量領域)とから構成されている。このパネル領域に伝達された振動の振動エネルギは、高剛性領域と低剛性領域との剛性差、及び/又は、高重量領域と低重量領域との重量差により低剛性領域及び/又は低重量領域に集中し、この集中した振動エネルギにより生じる大きな振動ひずみ及びパネルを構成する材質(例えば、鋼板)自体の減衰能により、振動エネルギが低減される(振動低減効果)。このようにして、振動低減構造により、パネルからの音響放射が効果的に低減されるようになっている。
次に、図2及び図3により、本発明の第1実施形態によるルーフパネル構造を具体的に説明する。図3は、ルーフサイドレールとの接続部を含むルーフレインフォースメントの一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
先ず、図2に示すように、ルーフパネル30には、各フレーム部材24、26、28に囲まれたパネル領域30aが形成され、このパネル領域30aには、その中央領域30bに車幅方向に直線状に延びる4つの制振材32が設けられている。これらの制振材は、互いにほぼ平行に且つ離間して延び、それらの両端部は、それぞれ円弧状に形成されている。また、それらの両端部はルーフサイドレール28に接続されておらず、図2で1箇所だけ図示するように、各制振材32の両端部とルーフサイドレール28との間に、制振材を設けない領域30cが形成されている。また、最も車体前方側に位置する制振材32とルーフヘッダ24との間及び最も車体後方側に位置する制振材32とリアヘッダ26との間にも、制振材を設けていない。
先ず、図2に示すように、ルーフパネル30には、各フレーム部材24、26、28に囲まれたパネル領域30aが形成され、このパネル領域30aには、その中央領域30bに車幅方向に直線状に延びる4つの制振材32が設けられている。これらの制振材は、互いにほぼ平行に且つ離間して延び、それらの両端部は、それぞれ円弧状に形成されている。また、それらの両端部はルーフサイドレール28に接続されておらず、図2で1箇所だけ図示するように、各制振材32の両端部とルーフサイドレール28との間に、制振材を設けない領域30cが形成されている。また、最も車体前方側に位置する制振材32とルーフヘッダ24との間及び最も車体後方側に位置する制振材32とリアヘッダ26との間にも、制振材を設けていない。
これらの制振材32は、ルーフパネル30の面剛性を確保することが出来るような比較的剛性が高いものである。本実施形態では、比重が約1.1、硬度が鉛筆硬度で2H程度の塗布型の水性アクリルエマルジョン系制振材(製品名:NTダンピングコートW−250(日本特殊塗料株式会社製))を用いており、ルーフパネル30の内面即ち車室側に塗布されている。
本実施形態では、上述したように制振材32を設けることにより、これらの制振材32が設けられた各領域30dと、それらの領域30dの間の領域30e(図2に1箇所だけ図示)とを含む、4つの制振材32を囲むような領域30b即ち中央領域30bが高剛性領域30bとなるようにしている。一方、上述した制振材を設けない領域30cを形成することにより、高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30f、即ち本実施形態では、パネル領域30aのうち高剛性領域30bの周囲のほぼ全域が、低剛性領域30fとなるようにしている。
次に、図2及び図3に示すように、本実施形態のルーフパネル構造では、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるルーフレインフォースメント40が設けられている。このルーフレインフォースメント40は、鋼板をプレス成形したものであり、図3に示すように、車幅方向の端部が、ルーフサイドレール28に複数の接合面42で溶接されて固定され、図示しないが、その反対側の端部も同様にルーフサイドレール28に固定されている。
ルーフレインフォースメント40は、その端部を除く車幅方向の中央部が断面コ字状に形成されると共にその上部にフランジ部44が形成されている。このルーフレインフォースメント40のフランジ部44の上面には、その車幅方向のほぼ中間に、複数のクッション材46が車幅方向に離間して設けられ、これらのクッション材46によりルーフパネル30を下方から支持するようになっている。また、これらのクッション材46は、上述した低剛性領域30fに接触しないような位置に設けられている。
これらのクッション材46は、ウレタン製であり、所定の厚さ及び大きさに形成したものがフランジ部44に貼り付けられている。これらのクッション材46は、ルーフパネル30の変形をある程度許容しつつルーフパネル30を支持する。
なお、クッション材46は、ブチルゴム等のゴムや接着剤でも良い。ここで、これらのウレタンやブチルゴムでもルーフパネル30の振動を減衰させることが出来るが、より大きく振動を減衰させることが出来る減衰材或いは制振材を設けても良い。また、クッション材44は、フランジ部44のほぼ全面に延びるように設けても良い。
なお、クッション材46は、ブチルゴム等のゴムや接着剤でも良い。ここで、これらのウレタンやブチルゴムでもルーフパネル30の振動を減衰させることが出来るが、より大きく振動を減衰させることが出来る減衰材或いは制振材を設けても良い。また、クッション材44は、フランジ部44のほぼ全面に延びるように設けても良い。
次に、第1実施形態のルーフパネル構造の作用効果を説明する。
先ず、ルーフパネル30の面剛性に関する作用効果を説明する。
本実施形態では、ルーフパネル30に車幅方向に延びる制振材32を設け、さらに、これらの制振材32はルーフパネル30の面剛性を確保することが出来るような比較的剛性が高いものであるので、制振材32が、ルーフパネル30の変形を抑制するように作用する剛性部材として働き、ルーフパネル30の面剛性、特に車幅方向の剛性を確保することが出来る。このように面剛性を確保することが出来るので、ルーフレインフォースメントの代わりに制振材32を設けて、車体の軽量化を図ることが出来る。
先ず、ルーフパネル30の面剛性に関する作用効果を説明する。
本実施形態では、ルーフパネル30に車幅方向に延びる制振材32を設け、さらに、これらの制振材32はルーフパネル30の面剛性を確保することが出来るような比較的剛性が高いものであるので、制振材32が、ルーフパネル30の変形を抑制するように作用する剛性部材として働き、ルーフパネル30の面剛性、特に車幅方向の剛性を確保することが出来る。このように面剛性を確保することが出来るので、ルーフレインフォースメントの代わりに制振材32を設けて、車体の軽量化を図ることが出来る。
次に、ルーフパネル30の振動低減構造の作用効果を説明する。
制振材32は、ルーフパネル30の中央領域30bに互いにほぼ平行に且つ離間して延びるように設けられているので、これらの制振材32が設けられた各領域30d及びそれらの領域30dの間の領域30eを含む中央領域30bの全体を変形しにくくさせることが出来る。その結果、この中央領域30bを高剛性領域30bとして形成することが出来、特に、制振材32が車幅方向に延びているので、車幅方向の剛性を高めることが出来る。さらに、制振材32自身の重量により、この高剛性領域30bを、その重量が高められた高重量領域30bとしても形成することが出来る。
制振材32は、ルーフパネル30の中央領域30bに互いにほぼ平行に且つ離間して延びるように設けられているので、これらの制振材32が設けられた各領域30d及びそれらの領域30dの間の領域30eを含む中央領域30bの全体を変形しにくくさせることが出来る。その結果、この中央領域30bを高剛性領域30bとして形成することが出来、特に、制振材32が車幅方向に延びているので、車幅方向の剛性を高めることが出来る。さらに、制振材32自身の重量により、この高剛性領域30bを、その重量が高められた高重量領域30bとしても形成することが出来る。
一方、パネル領域30a内に制振材を設けない領域30cを形成しているので、この領域30cの剛性が高まらないようにすることが出来ると共に、高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30fの剛性が高まらないようにすることが出来る。その結果、その領域30fを低剛性領域30fとして形成することが出来る。さらに、この低剛性領域30fには制振材32が設けられていないので、低剛性領域30fを、高剛性領域30bより単位面積当たりの重量が低い低重量領域30fとしても形成することが出来る。
このように、ルーフパネル30のパネル領域30aには、高剛性領域30bと低剛性領域30f、及び、高重量領域30bと低重量領域30fが形成されるので、それらの剛性差及び重量差により、低剛性領域30fに振動エネルギを集中させることが出来る。この集中した振動エネルギにより大きなひずみが生じ、ルーフパネル30を構成する鋼板自体の減衰能(内部摩擦等)により、ルーフパネル30に伝達された振動エネルギを低減させることが出来る(振動低減効果)。特に、制振材32は車幅方向に延び、高剛性領域30bは車幅方向の剛性が高められているので、ルーフサイドレール28から伝達される振動を、低剛性領域30fの特にルーフサイドレール28に沿った部分に効果的に集中させることが出来る。さらに、制振材32自体の特性によりルーフパネル30の振動を抑制することが出来る。これらの結果、ルーフパネル30のパネル領域30aからの音響放射を効果的に低減することが出来る。
次に、ルーフレインフォースメント40の作用効果を説明する。
本実施形態では、ルーフレインフォースメント40を1つ設けているので、制振材32によるルーフパネル30の支持に加え、ルーフレインフォースメント40によりルーフパネル30を支持することが出来、その結果、ルーフパネル30の面剛性をより確実に確保することが出来る。
本実施形態では、ルーフレインフォースメント40を1つ設けているので、制振材32によるルーフパネル30の支持に加え、ルーフレインフォースメント40によりルーフパネル30を支持することが出来、その結果、ルーフパネル30の面剛性をより確実に確保することが出来る。
ここで、ルーフパネル30には様々な周波数の振動が入力される。上述した振動低減構造は、このような様々な周波数の振動エネルギを低減することが出来るものであるが、ルーフパネル30はその形状や大きさに依存する固有振動数を有している。ルーフパネル30は、その固有振動数の振動が入力されると共振して大きく振動しようとする。本実施形態では、特に、制振材32により中央領域30bの重量が高められているので、入力される周波数が比較的低い場合に、例えば、1×1モード即ちルーフパネル30全体が一体で上下に大きく振動するような振動が発生することが考えられる。
本実施形態のルーフレインフォースメント40は、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けられて、ルーフパネル30を下方から支持するようになっているので、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動がルーフパネル30に入力されても、ルーフパネル30の振動を抑制することが出来る。特に、クッション材46によりルーフレインフォースメント40の車幅方向のほぼ中間で支持するようになっているので、1×1モードのようなルーフパネル30の中央の振幅が大きくなるような振動モードの振動を抑制することが出来る。
また、ルーフレインフォースメント40は、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けられているので、低剛性領域30fと重なり合う部分の面積を小さくすることが出来、低剛性領域30fの剛性が高まることを防止することが出来る。さらに、本実施形態では、クッション材46は低剛性領域30fに接触しないように設けられているので、低剛性領域30fの剛性が高まることを防止することが出来る。
なお、本実施形態において、パネル領域30a内に高剛性領域30b及び低剛性領域30fを形成することが出来るならば、制振材32は、車体前後方向に延びるように設けても良く、或いは、車幅方向及び車体前後方向の両方で延びるように設けても良く、或いは、斜め方向に延びるように設けても良い。また、複数の制振材32を、互いに平行に直線状に延びるように設けると高剛性領域30bを形成し易くなるが、ルーフパネル30の面剛性を確保出来且つ高剛性領域を形成することが出来るものであれば、互いに平行ではなく或いは曲線状に延びるようにしても良い。さらに、制振材32の両端部は、円弧状以外の例えば矩形状や三角形状に形成しても良い。
次に、図4により、本発明の第2実施形態によるルーフパネル構造を説明する。図4は、本発明の第2実施形態によるルーフパネル構造を示す平面図である。
本実施形態では、制振材32の形状及び配置が、第1実施形態の制振材32と異なり、その他の基本的な構成は第1実施形態と同じであるので、ここでは、主に第1実施形態と異なる構成について説明する。
図4に示すように、パネル領域30aには、互いにほぼ平行に且つ離間して車幅方向に直線状に延びる4つの制振材32が設けられている。制振材32は、上述した第1実施形態と同様の水性アクリルエマルジョン系制振材である。
本実施形態では、制振材32の形状及び配置が、第1実施形態の制振材32と異なり、その他の基本的な構成は第1実施形態と同じであるので、ここでは、主に第1実施形態と異なる構成について説明する。
図4に示すように、パネル領域30aには、互いにほぼ平行に且つ離間して車幅方向に直線状に延びる4つの制振材32が設けられている。制振材32は、上述した第1実施形態と同様の水性アクリルエマルジョン系制振材である。
これらの制振材32は、中央領域30bで延びる中央部32dと、その中央部32dの車幅方向の両側で一体的に延びてフレーム部材28に接続されている接続部32cとを有し、これらの接続部32cには、それぞれ孔34が形成されている。本実施形態では、このような孔34を形成することにより、接続部32cの制振材の単位面積当たりの量が、中央部32dの制振材の単位面積当たりの量よりも少なくなるようにしている。
このように、パネル領域30a内には、各制振材32の中央部32dとルーフサイドレール28との間に、単位面積当たりの制振材の量が制振材32の中央部23dが設けられた領域30dより少ない領域30cが形成される。
このように、パネル領域30a内には、各制振材32の中央部32dとルーフサイドレール28との間に、単位面積当たりの制振材の量が制振材32の中央部23dが設けられた領域30dより少ない領域30cが形成される。
本実施形態では、制振材32の中央部32dが設けられた各領域30d及びそれらの領域30dの間の領域30e(図4に1箇所だけ図示)とを含む中央領域30bが高剛性領域30bとなるようにしている。一方、単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少ない領域30cを形成することにより、高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30f、即ち本実施形態では、パネル領域30aのうち高剛性領域30bの周囲のほぼ全域が低剛性領域30fとなるようにしている。
次に、図4に示すように、第1実施形態と同様に、ルーフレインフォースメント40が設けられている。本実施形態では、それぞれのフランジ部44の上面に設けられ、ルーフパネル30を下方から支持するクッション材44を、車幅方向のほぼ中間で一体的に延びるように形成している。また、低剛性領域30fに接触しないような位置に設けている。
次に、第2実施形態のルーフパネル構造の作用効果を説明する。
先ず、ルーフパネル30の面剛性に関する作用効果を説明する。
本実施形態では、第1実施形態の作用効果で説明したように、制振材32によりルーフパネル30の面剛性を確保することが出来ると共に車体の軽量化を図ることが出来る。さらに、制振材32はフレーム部材28に接続されているので、ルーフパネル30の面剛性をより高めることが出来る。
先ず、ルーフパネル30の面剛性に関する作用効果を説明する。
本実施形態では、第1実施形態の作用効果で説明したように、制振材32によりルーフパネル30の面剛性を確保することが出来ると共に車体の軽量化を図ることが出来る。さらに、制振材32はフレーム部材28に接続されているので、ルーフパネル30の面剛性をより高めることが出来る。
次に、ルーフパネル30の振動低減効果に関する作用効果を説明する。
制振材32は、ルーフパネル30の中央領域30bで互いにほぼ平行に且つ離間して延びる中央部32dを有しているので、第1実施形態と同様に、制振材32の中央部32cが設けられた各領域30d及びそれらの領域30dの間の領域30eとを含む中央領域30bを高剛性領域30bとして形成すると共に、その重量が高められた高重量領域30bとしても形成することが出来る。特に、制振材32が車幅方向に延びているので、高剛性領域30bの車幅方向の剛性を高めることが出来る。
制振材32は、ルーフパネル30の中央領域30bで互いにほぼ平行に且つ離間して延びる中央部32dを有しているので、第1実施形態と同様に、制振材32の中央部32cが設けられた各領域30d及びそれらの領域30dの間の領域30eとを含む中央領域30bを高剛性領域30bとして形成すると共に、その重量が高められた高重量領域30bとしても形成することが出来る。特に、制振材32が車幅方向に延びているので、高剛性領域30bの車幅方向の剛性を高めることが出来る。
一方、パネル領域30aに、単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少ない領域30cを形成しているので、この領域30cの剛性が大きく高まらないようにすることが出来る。その結果、第1実施形態の作用効果で説明したように、その領域30cを含む領域30fを低剛性領域30fとして形成することが出来る。さらに、領域30cの制振材は、その単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少ないので、低剛性領域30fを、高剛性領域30bより単位面積当たりの重量が低い低重量領域30fとしても形成することが出来る。
これらの結果、第1実施形態と同様に、主に、高剛性領域(高重量領域)30b及び低剛性領域(低重量領域)30fによる振動低減効果により、ルーフパネル30に伝達された振動エネルギを低減することが出来、特に、制振材32は車幅方向に延び、高剛性領域30bは車幅方向の剛性が高められているので、ルーフサイドレール28から伝達される振動を、低剛性領域30fの特にルーフサイドレール28に沿った部分に効果的に集中させて低減させることが出来る。その結果、ルーフパネル30のパネル領域30aからの音響放射を効果的に低減することが出来る。
次に、ルーフレインフォースメント40の作用効果を説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けられたルーフレインフォースメント40により、ルーフパネル30の面剛性をより確実に確保し、また、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動を抑制することが出来る、特に、ルーフパネル30は、クッション材46によりルーフレインフォースメント40の車幅方向のほぼ中間で支持されるようになっているので、ルーフパネル30に1×1モードのようなルーフパネル30の中央の振幅が大きくなるような振動モードを抑制することが出来る。
また、ルーフレインフォースメント40は、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間に設けられると共にクッション材46は低剛性領域30fに接触しないように設けられているので、低剛性領域30fの剛性が高まることを防止することが出来る。さらに、クッション材46は、車幅方向のほぼ中間で一体的に延びるように形成されているので、ルーフパネル30をより確実に支持すると共に上述したような大きな振動を抑制することが出来る。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けられたルーフレインフォースメント40により、ルーフパネル30の面剛性をより確実に確保し、また、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動を抑制することが出来る、特に、ルーフパネル30は、クッション材46によりルーフレインフォースメント40の車幅方向のほぼ中間で支持されるようになっているので、ルーフパネル30に1×1モードのようなルーフパネル30の中央の振幅が大きくなるような振動モードを抑制することが出来る。
また、ルーフレインフォースメント40は、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間に設けられると共にクッション材46は低剛性領域30fに接触しないように設けられているので、低剛性領域30fの剛性が高まることを防止することが出来る。さらに、クッション材46は、車幅方向のほぼ中間で一体的に延びるように形成されているので、ルーフパネル30をより確実に支持すると共に上述したような大きな振動を抑制することが出来る。
次に、図5により、第2実施形態のルーフパネル構造の制振材の形状の変形例を説明する。図5は、本発明の第2実施形態の制振材の形状の変形例を示すルーフパネル構造の部分拡大平面図である。
図5に示すように、本変形例では、制振材32の接続部32cが中央部32dより細く延びるように形成されている。即ち、制振材32の長手方向(本実施形態では車幅方向)に直交する方向の幅が、中央部32dより接続部32cの方が小さくなるようにしている。このようにして、単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少ない領域30cを形成して、高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30fが低剛性領域30fとなるようにすることが出来る。
図5に示すように、本変形例では、制振材32の接続部32cが中央部32dより細く延びるように形成されている。即ち、制振材32の長手方向(本実施形態では車幅方向)に直交する方向の幅が、中央部32dより接続部32cの方が小さくなるようにしている。このようにして、単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少ない領域30cを形成して、高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30fが低剛性領域30fとなるようにすることが出来る。
なお、上述した第2実施形態及びその変形例において、領域30cに設ける制振材を、領域30dに設ける制振材よりも薄くして、領域30cの単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少なくなるようにしても良い。また、このように制振材を薄く設ければ、領域30cの全域に制振材を設けても良い。
さらに、上述した第2実施形態及びその変形例において、制振材32をフレーム部材28に接続せずに、制振材32の接続部32cの車幅方向の端部とフレーム部材28との間に、第1実施形態と同様の制振材を設けない領域を形成しても良い。この場合、この制振材を設けない領域と、孔34の形成などにより単位面積当たりの制振材の量が領域30dより少なくなるようにした領域とにより、これらの領域を含む領域30fを低剛性領域30fとして形成することが出来る。
さらに、複数の制振材32は、低剛性領域32fまで延びないようにした制振材32(第1実施形態参照)と、低剛性領域32fまで延び且つその低剛性領域32fで延びる部分の制振材の単位面積当たりの量が高剛性領域で延びる部分の制振材よりも少なくされた制振材32(第2実施形態及びその変形例参照)との両者を含むものであっても、上述したような作用効果を得ることが出来る。
さらに、複数の制振材32は、低剛性領域32fまで延びないようにした制振材32(第1実施形態参照)と、低剛性領域32fまで延び且つその低剛性領域32fで延びる部分の制振材の単位面積当たりの量が高剛性領域で延びる部分の制振材よりも少なくされた制振材32(第2実施形態及びその変形例参照)との両者を含むものであっても、上述したような作用効果を得ることが出来る。
次に、図6により、本発明の第3実施形態によるルーフパネル構造を説明する。図6は、本発明の第3実施形態によるルーフパネル構造を示す平面図である。
本実施形態では、制振材32の形状及び配置が、第1実施形態の制振材32と異なり、その他の基本的な構成は第1実施形態と同じであるので、ここでは、主に第1実施形態と異なる構成について説明する。
本実施形態では、制振材32の形状及び配置が、第1実施形態の制振材32と異なり、その他の基本的な構成は第1実施形態と同じであるので、ここでは、主に第1実施形態と異なる構成について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、ルーフパネル30に、その中央領域30bの全域に延びる制振材32が設けられ、その周囲の領域30bには制振材は設けられていない。制振材32は、上述した第1実施形態と同様の水性アクリルエマルジョン系制振材である。
また、ルーフパネル30には、第1実施形態と同様に、ルーフレインフォースメント40及びクッション部材44が設けられている。
本実施形態では、制振材32が設けられた中央領域30bが高剛性領域30bとなり、この高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30f、即ち本実施形態では、パネル領域30aのうち高剛性領域30bの周囲のほぼ全域が低剛性領域30fとなるようにしている。
また、ルーフパネル30には、第1実施形態と同様に、ルーフレインフォースメント40及びクッション部材44が設けられている。
本実施形態では、制振材32が設けられた中央領域30bが高剛性領域30bとなり、この高剛性領域30bと各フレーム部材24、26、28との間の領域30f、即ち本実施形態では、パネル領域30aのうち高剛性領域30bの周囲のほぼ全域が低剛性領域30fとなるようにしている。
次に、第3実施形態のルーフパネル構造の作用効果を説明する。
先ず、中央領域30bに設けた制振材32により、ルーフパネル30の面剛性を確保することが出来、さらに、車体の軽量化を図ることが出来る。
次に、制振材32を中央領域30bの全域に設けているので、その領域30bの剛性を高めて、高剛性領域30bとして形成することが出来る。特に、制振材32が中央領域30bの全域に設けられているので、車幅方向及び車体前後方向の両方向の剛性を高めることが出来る。さらに、領域30bを、制振材32の重量により、高重量領域30bとしても形成することが出来る。
一方、高剛性領域30bの周囲の領域30fには、制振材が設けられていないので、この領域30fを低剛性領域30fとして形成することが出来、さらに、高剛性領域30bより単位面積当たりの重量が低い低重量領域30fとしても形成することが出来る。
先ず、中央領域30bに設けた制振材32により、ルーフパネル30の面剛性を確保することが出来、さらに、車体の軽量化を図ることが出来る。
次に、制振材32を中央領域30bの全域に設けているので、その領域30bの剛性を高めて、高剛性領域30bとして形成することが出来る。特に、制振材32が中央領域30bの全域に設けられているので、車幅方向及び車体前後方向の両方向の剛性を高めることが出来る。さらに、領域30bを、制振材32の重量により、高重量領域30bとしても形成することが出来る。
一方、高剛性領域30bの周囲の領域30fには、制振材が設けられていないので、この領域30fを低剛性領域30fとして形成することが出来、さらに、高剛性領域30bより単位面積当たりの重量が低い低重量領域30fとしても形成することが出来る。
これらの結果、第1実施形態と同様に、主に、高剛性領域(高重量領域)30b及び低剛性領域(低重量領域)30fによる振動低減効果により、ルーフパネル30に伝達された振動エネルギを低減することが出来、特に、制振材32は中央領域30bの全域に設けられ、高剛性領域30bは車幅方向及び車体前後方向の両方向の剛性が高められているので、ルーフサイドレール28及び各ルーフヘッダ24、26から伝達される振動を、低剛性領域30fに効果的に集中させることが出来る。その結果、ルーフパネル30のパネル領域30aからの音響放射を効果的に低減することが出来る。
次に、ルーフレインフォースメント40は、ルーフパネル30の車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びるように設けられると共にクッション材46は車幅方向のほぼ中間位置に設けられているので、第1実施形態と同様の作用効果を得ることが出来る。例えば、ルーフパネル30の面剛性をより確実に確保し、また、大きな振動振幅を発生させるような周波数の振動、特に、1×1モードのようなルーフパネル30の中央の振幅が大きくなるような振動を抑制することが出来る。
1 自動車のボディ
24、26 ルーフヘッダ(フレーム部材)
28 ルーフサイドレール(フレーム部材)
30 ルーフパネル
30a パネル領域
30b 高剛性領域、中央領域
30f 低剛性領域
32 制振材
34 孔
40 ルーフレインフォースメント
46 クッション材
24、26 ルーフヘッダ(フレーム部材)
28 ルーフサイドレール(フレーム部材)
30 ルーフパネル
30a パネル領域
30b 高剛性領域、中央領域
30f 低剛性領域
32 制振材
34 孔
40 ルーフレインフォースメント
46 クッション材
Claims (7)
- 車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたルーフパネルを有する車体のルーフパネル構造であって、
上記ルーフパネルは、
上記ルーフパネルの中央領域に形成され、互いにほぼ平行に且つ離間して直線状に延びる複数の制振材により形成された高剛性領域と、
この高剛性領域と上記フレーム部材との間に形成され、上記高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域と、
を有することを特徴とする車体のルーフパネル構造。 - 上記制振材は、所定の硬度を有するアクリルエマルジョン系の制振材である請求項1記載の車体のルーフパネル構造。
- 上記ルーフパネルの低剛性領域には、上記高剛性領域の制振材が一体的に延びて設けられ、この低剛性領域の制振材は、その単位面積当たりの量が上記高剛性領域の制振材よりも少ない請求項1又は請求項2記載の車体のルーフパネル構造。
- 上記低剛性領域の制振材は、上記フレーム部材に接続されている請求項3記載の車体のルーフパネル構造。
- 上記低剛性領域は、上記高剛性領域の制振材の両端部と上記フレーム部材との間の全域に制振材が設けられていない領域を有する請求項1又は請求項2記載の車体のルーフパネル構造。
- 車体前後方向及び車幅方向に配設された複数のフレーム部材に連結されたルーフパネルを有する車体のルーフパネル構造であって、
上記ルーフパネルは、
上記ルーフパネルの中央領域の全域に設けられた制振材により形成された高剛性領域と、
この高剛性領域と上記フレーム部材との間に、上記高剛性領域より剛性が低く形成された低剛性領域と、
を有することを特徴とする車体のルーフパネル構造。 - さらに、
車体前後方向のほぼ中間位置で車幅方向に延びると共にその両端部が上記フレーム部材に結合されたルーフレインフォースメントと、
このルーフレインフォースメントの車幅方向のほぼ中間位置に設けられ、上記ルーフパネルを支持するクッション材と、
を有する請求項1乃至6のいずれか1項記載の車体のルーフパネル構造。
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JP2004222248A JP2006036134A (ja) | 2004-07-29 | 2004-07-29 | 車体のルーフパネル構造 |
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-
2004
- 2004-07-29 JP JP2004222248A patent/JP2006036134A/ja active Pending
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