JP5225920B2 - 屋根瓦と冷暖房支援システム - Google Patents

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本発明は、通水路を有する屋根瓦と、この屋根瓦を使用した屋根による冷暖房支援システムに関する。
建造物は、夏季、太陽の日差しによって屋根の温度が上昇し、その影響を受けて、室内の温度も上昇することがある。また、積雪地方においては、冬季、屋根の積雪によって、屋根が破損したり、室内の暖房効率が低下したりすることがある。
そこで、従来、屋根に水を散布して、屋根の温度上昇を抑え、室内の温度を下げる冷却システムがある(特許文献1参照)。その従来の冷却システムは、屋根の棟に設置された散水機器で屋根に水を散布して、屋根の温度を下げるようになっている。また、この冷却システムを利用して、屋根に水又は温水を散布することで、屋根に積もった雪を溶かすことも可能である。
特開2004−76541号公報
しかし、従来の冷却システムは、次の課題があった。
(1)散水機器が散布した水が風に煽れて、屋根全体に水を散布することができない。このため、冷却効率や融雪効率が低くかった。また、水が周囲に飛散して、周囲の住民に迷惑を与えることがあった。
(2)散水機器を取付ける屋根の一部分を強固にする必要があった。しかも、散水機器は、強風に耐えられるように強固に設置しなければならないので、施工に手間を要していた。
(3)散水機器を屋根の棟に設置するため、建造物の外観を損ねていた。しかも、散水機器は、屋根の棟に設置されるため、設置位置が高く、外部から目立ち、建造物の外観を損ねていた。
本発明は、屋根の冷却効率,融雪効率を高めた屋根瓦と、屋根に散水機器を取付けることなく屋根を冷却し、また融雪し、しかも、建造物の外観を損なわない冷暖房支援システムとを提供することにある。
本発明(屋根瓦)は、屋根の傾斜に合わせた傾斜状態で整列されて敷設される板状の屋根瓦本体を備えた屋根瓦において、前記屋根瓦本体を、傾斜状態において上側に位置する上端部から下側に位置する下端部に貫通する貫通水路と、前記貫通水路の中間部から分岐して上方に延び、前記屋根瓦本体の表面に開口する分水路と、前記分水路の開口部を覆って前記屋根瓦本体の表面に設けられた貯水部と、前記貯水部の外面に設けられた苔、芝、蓬等の低背植物と、前記貯水部に貫通して設けられて前記貯水部内の水を外部に沁み出して前記低背植物に水を補給する水補給体と、を備えた、ことを特徴としている。
また、本発明(冷暖房支援システム)は、上述の複数の前記屋根瓦を、前記屋根瓦本体の前記上端部の上に、上側に位置する前記屋根瓦本体の前記下端部を重ねて各前記屋根瓦本体の貫通水路同士が連通した状態で配列して形成した屋根に水を供給する冷暖房支援システムであって、前記屋根の最上位の屋根瓦の貫通水路に水を供給するポンプと、各前記屋根瓦の貯水部の上端に貫通して形成された空気抜き孔と、前記貯水部内の水の浮力によって前記空気抜き孔を開閉するフロートと、前記屋根の最下位の屋根瓦の貫通水路の出口に設けられたドレンバルブと、を備え、前記ドレンバルブは、前記貯水部に水が充填されて前記フロートが前記空気抜き孔を塞いだ状態で、前記ポンプの水圧を受けたとき、閉状態から開状態になって、前記屋根に供給された余分な水を排出する、ことを特徴としている。
本発明の屋根瓦は、次の効果を奏する。
(1)夏季、太陽の強い日差しを低背植物によって遮り、かつ屋根瓦に滲み出た水が蒸発するときの気化熱によって屋根瓦を冷やすことができるので屋根の温度上昇を防止して、家屋の室内の温度を下げて、家屋の居住性を高めることができる。
(2)屋根瓦の表面に滲み出た水によって、低背植物を育成することができて、地球温暖化を抑制することができる。
(3)低背植物の緑によって、地球の緑化に貢献することもできる。
(4)貯水部に貯めた水によって、低背植物の育成を助けるとともに、屋根を冷却して、室内の温度を下げることができる。
(5)冬季には、屋根に積もった雪を効率良く融かすことができる。
本発明の冷暖房支援システムは、次の効果を奏する。
(1)水が屋根瓦の貫通水路を通って、貯水部に貯まり、屋根を冷却し、さらに、屋根瓦の表面に水補給体によって滲み出て蒸発するときの気化熱によっても屋根を冷却するようになっているので、従来の散水機器によって水を散布していた場合と比較して、屋根全体を確実に冷却することができて、冷却効率を高めることができる。また、水を有効に使用することができる。さらに、水が周囲に飛散すること少なく、周囲の住民に迷惑をかけることが少なくなる。
(2)散水機器を取付ける必要が無くなり、屋根の一部分を特別に強固にする必要がなくなるので、施工に手間を要しなくなる。
(3)貯水部に水を常時貯めておくことができるので、低背植物に、常時、水を補給することができて、低背植物が枯れるのを防止し、地球温暖化の抑制や、地球の緑化に貢献することができる。
(4)貯水部に貯めた水によって、低背植物の育成を助けるとともに、屋根を冷却して、室内の温度を下げることができる。
(5)ポンプによって、屋根瓦の貯水部に水を貯めるとき、ドレンバルブによって余分な水が排出されるまで、貯水部に水を貯めることができるので、貯水部に水を確実に貯めることができる。
(6)貯水部に貯められた水が少なくなると、ポンプによって水を補給することができる。
(7)冬季には、屋根に積もった雪を効率良く融かすことができる。
冷暖房支援システムの概略図である。 図2は、図1のA−A矢視断面図である。 家屋の屋根の傾斜に沿った屋根瓦の断面図である。 図3の屋根瓦の平面図である。 屋根瓦の重なり合う部分の断面図である。 図5のB−B矢視図である。 ドレンバルブの縦断面図であり、(A)は、ドレンバルブが貫通水路の下端を閉じている図、また、(B)は、ドレンバルブが貫通水路の下端を開いている図である。 ドレンセンサが配設されたドレンバルブの縦断面図であり、(A)は、ドレンセンサがドレン栓を検知しないオフ状態を説明する図、また、(B)は、ドレンセンサがドレン栓を検知したオン状態を説明する図である。
本発明の実施形態における冷暖房支援システム1を図に基づいて説明する。図1は、冷暖房支援システム1全体を模式的に説明する斜視図である。なお、同図においては、相互に逆方向に傾斜した屋根11の一方の面に、屋根11の傾斜方向に沿って4列で、傾斜方向に対して直交する方向に3列の合計12枚の屋根瓦20を敷設した例を示している。図2は、図1のA−A矢視断面図である。
家屋10の屋根11に降った雨水は、雨樋12と、給水パイプ13とを通って、貯水槽14に集められる。貯水槽14の雨水は、ポンプ15によって汲み上げられて、揚水パイプ16を経て、屋根11の棟41内に納められた水平路17に供給される。そして、雨水は、水平路17から屋根瓦20内の貫通水路23を通って、各屋根瓦20のタンク50(貯水部、図2参照)に貯められる。雨水は、タンク50を満たすと、最下位の屋根瓦20に設けられたドレンバルブ70によって雨樋12に排出される。揚水パイプ16の途中には、水量を調節するバルブ18が設けられている。貯水槽14内のオーバーフローした雨水は、オーバーフローパイプ19によって、排出されるようになっている。
次に、屋根瓦20を説明する。図3は、家屋10の屋根11の傾斜に沿った屋根瓦20の断面図、すなわち図3に示す屋根瓦20の拡大図である。図4は、図3の屋根瓦20の平面図である。図5は、屋根瓦20の重なり合う部分の断面図である。図6は、図5のB−B矢視図である。
屋根瓦20には、具体的に粘土瓦、セメント瓦、樹脂瓦等があるが、本発明に係る屋根瓦20は、合成樹脂によって形成するのが好適である。屋根瓦20は、長方形の板状に形成された屋根瓦本体20Aを有している。屋根瓦本体20Aには、屋根瓦20を屋根11に並べたときの上端部の上面(表面)に凹部21が形成されている。屋根瓦本体20Aの下端部の下面(裏面)には、屋根瓦を並べたとき上位隣の屋根瓦本体20Aの凹部21に嵌合する嵌合部22が形成されている。
なお、上位隣の屋根瓦20を上位瓦と言い、下位隣の屋根瓦20を下位瓦と言う。屋根瓦本体20Aには、屋根瓦20を屋根11に並べたとき上端部(一方の端部)20aの凹部21から下端部(他方の端部)20bの嵌合部22に貫通する貫通水路23と、貫通水路23の中間部から屋根瓦本体20Aの表面20cに貫通する分水路24と、貫通水路23の上流端部に連通した上向きの受入孔25と、下位隣の屋根瓦の受入孔25に進入する下向きの環状突起26とが形成されている。ここで、貫通水路23は、屋根瓦本体20A
上端部20aの表面側から屋根瓦本体20Aの厚さ方向の中間部まで延びる給水路23aと、屋根瓦本体20Aの下端部20bの裏面側から屋根瓦本体20Aの厚さ方向の中間部まで延びる排水路23cと、上流端が前記給水路に連結され、中間部が屋根瓦本体20Aに沿って直線状に延び、下流端が前記排水路23cに連結される傾斜水路23bとを有するということもできる。分水路24と貫通水路23(傾斜水路23b)との境目には、水が貫通水路23から分水路24に流入しやすいように、半球状の水貯35が形成されている。環状突起26の内径部26aは、貫通水路23の下流端部を形成している。貫通水路23(図6)は、平行に複数形成されている。また、屋根瓦本体20Aの下端部には、屋根瓦20同士を接続するボルト27の貫通孔28が形成され、屋根瓦本体20Aの上端部には、ボルト27がねじ込まれる雌ねじ孔29が形成されている。屋根瓦本体20Aの上端部になる部分の上面には、屋根瓦本体20Aの上端に平行な突条32が形成され、下端部になる部分の下面には、屋根瓦本体20Aの下端に平行な溝33が形成されている。
屋根瓦20は、屋根に並べられるとき、凹部21と受入孔25とを屋根11の上方に位置させて上向きに置かれる。そして、下位の屋根瓦20の屋根瓦本体20Aの上端部20aの上面に、上位の屋根瓦20の屋根瓦本体20Aの下端部20bの下面を重ねて置かれる。このため、下位の屋根瓦本体20Aの凹部21に上位の屋根瓦本体20Aの嵌合部22が嵌合して重なり合って、下位瓦の突条32と上位瓦の溝33とが嵌合する。突条32と溝33との嵌合によって、屋根瓦20同士のずれを防止している。また、下位の屋根瓦20の受入孔25に上位の屋根瓦20の環状突起26が嵌合する。この結果、上位の屋根瓦20の貫通水路23と下位の屋根瓦20の貫通水路23とが連通する。
貫通水路23同士の連通によって、水漏れが生じないように、環状突起26の外周にはOリング30が装着され、受入孔25の周囲にはパッキン31が装着されている。Oリング30は、受入孔25と環状突起26との隙間を密閉している。パッキン28は、ボルト27を、上位の屋根瓦20の貫通孔28に貫通させて、下位の屋根瓦20の雌ねじ孔29にねじ込んで、互いに接近させられる上位の屋根瓦20と下位の屋根瓦20とに挟まれて、受入孔25と環状突起26との周囲を密閉するようになっている。
屋根瓦20は、上位瓦の屋根瓦本体20Aの下端部と下位瓦の屋根瓦本体20Aの上端部とを重ねて並べると、連通された複数の貫通水路23によって、屋根11(図1)の棟41から屋根11の軒先42に設けた断面U字状の雨樋12までの間に、水路34を形成するようになっている。
ところで、屋根瓦20には、屋根瓦本体20Aの分水路24の出口(開口部)を覆う断面三角形のタンク(貯水部)50が設けられている。タンク50の上面部50aは、屋根瓦20を屋根11に取付けたとき、略水平になるように形成されている。タンク50の下端部50bは、上面50aに対して直角よりやや大きく(約100度)に形成されている。図4において、タンク50の左右方向の両端部50cは、傾斜している。
タンク50の外面には、苔51が設けられている。なお、苔の他に、芝やセダムや這うようにして成長する蓬等の背の低い直物(低背植物)を設けてもよい。タンク50には、上面部50a、下端部50b、両端部50cの各々を貫通して、タンク50内に延びて、タンク50内の水Wを外部に滲み出して、苔51に水を補給する水補給体52が複数設けられている。水補給体52は、毛細管現象によってタンク50内の水を沁み出す繊維状体物である。
タンク50の上面部(上端)50aには、空気抜き孔53が貫通して形成されている。空気抜き孔53には、フロート54の軸部54aが貫通している。フロート54は、タンク内の水Wの浮力によって空気抜き孔53に接近離間するようになっている。フロート54には、空気抜き孔53を開閉する円錐部54bが形成されている。フロート54は、タンク内の水が少なくなったとき、軸部54aが空気抜き孔53から抜け出ないように保持部材55で保持されている。
次に、ドレンバルブ70を説明する。図7は、ドレンバルブ70の断面図である。(A)は、ドレンバルブ70が貫通水路23の下端を閉じている図である。(B)は、ドレンバルブ70が貫通水路23の下端を開いている図である。
最下位の屋根瓦20の貫通水路23の下流には、ドレンバルブ70が装着される装着口37と、装着口37から分岐したドレン水路38とが形成されている。装着口37は、貫通水路23より大径である。
ドレンバルブ70は、先端が円錐状のドレン栓71と、ドレン栓71の先端71aを貫通水路23の下流端23aに押し付けるばね72と、装着口37の出口にねじ込まれてばね72を受け止める止めねじ73とで構成されている。
最下位の屋根瓦20のうちの、少なくとも1つには、図8(A),(B)に示すように、ドレンセンサ74が配設されている。ドレンセンサ74としては、例えば、ねじ込み用の近接スイッチ75を使用することができる。近接スイッチ75は、図7(A),(B)に示す止めねじ73に代えてねじ込まれためくらねじ76の中心を貫通するように取り付けられている。近接スイッチ75の先端75aは、ばね72の内側に少し突設されていて、ドレン栓71の背面(検知面)71bに対面している。図8(A)に示す状態は、各屋根瓦20のタンク50や貫通水路23には、まだ雨水が充填されていない状態であって、貫通水路23の水圧が低いため、ドレン栓71は、ばね72に付勢されて貫通水路23を閉鎖している。このとき、近接スイッチ75の先端75aとドレン栓71の背面71bとの間の距離aが所定に閾値以上であるため、近接スイッチ75は、ドレン栓71を検知しない。したがって、ポンプ15は、作動を続けて、貯水槽14内の雨水を揚水パイプ16を経て屋根1の棟41内に納められた水平路17に供給する。
この供給により、各屋根瓦20のタンク50や貫通水路23に雨水が充填されると、図8(B)に示す貫通水路23の水圧が上昇して、ドレン栓71がばね72の付勢力に抗して押し戻され貫通水路23を開放して、貫通水路23がドレン水路38と連通し、ドレン水路38から雨水が雨樋12に流れる。このとき、押し戻されたドレン栓71の背面71bと、近接スイッチ75の先端75aとの距離bが閾値未満となるため、近接スイッチ75は、ドレン栓71を検知する。これにより、ポンプ15の回転を停止させて、雨水の供給を停止する。これにより、ポンプ15の不要な回転を防止することができる。
屋根瓦20は、屋根11の下端部(軒先42)から棟41に向けて並べられる。屋根瓦20は、軒先42側の屋根瓦20の上端部20aの上に、棟41側の屋根瓦20の下端部20bを重ねて並べられる。このとき、前述したように、下位の屋根瓦20の受入孔25に上位の屋根瓦20の環状突起26を嵌合させて、上位の屋根瓦20の貫通水路23と下位の屋根瓦20の貫通水路23とを連通される。貫通水路23同士が連通されると、屋根11の棟41から、屋根11の軒先42に設けた断面U字状の雨樋12までの間に、水路34が形成される。
家屋10の屋根11に降った雨水は、雨樋12と、給水パイプ13とを通って、貯水槽14に集められる。貯水槽14内のオーバーフローした雨水は、オーバーフローパイプ19によって、排出される。貯水槽14の雨水は、ポンプ15によって汲み上げられて、揚水パイプ16を経て、最上位の屋根瓦20の水平路17に供給される。貫通水路23に供給される雨水の水量は、バルブ18によって調節される。屋根瓦20の貫通水路23に供給される雨水は、最下位の屋根瓦20の貫通水路23まで流れる。このとき、ドレンバルブ70は、ドレン水路38を閉めている。
このため、雨水は、ドレン水路38から排出されることなく、最下位の屋根瓦20の分水路24から最下位の屋根瓦20のタンク50内に流れ込む。分水路24からタンク50内に雨水が流れ込むとき、分水路24の入口に形成された半球状の水貯35内に雨水が流入するので、雨水は、分水路24に容易に流入する。
タンク50内の貯水量が増えて、水位が上がるに従って、タンク50内の空気が空気抜き孔53から排出され、フロート54の円錐部54bが空気抜き孔53に接近する。タンク50が満タン近くなると、フロート54の円錐部54bが空気抜き孔53を塞ぐ。このため、タンク50が密閉状態になり、雨水は、最下位の屋根瓦のタンク50に流入することなく、最下位の屋根瓦の上位隣の屋根瓦20のタンク50に流入する。
そして、雨水は、最下位の屋根瓦20の上位隣の屋根瓦20のタンク50に、最下位の屋根瓦20のタンク50と同様に貯められる。このようにして、最下位の屋根瓦20のタンク50から上位の屋根瓦20のタンク50に順次雨水が貯められていく。そして、棟41に位置する最上位の屋根瓦20のタンク50に雨水が貯められても、ポンプ15が回転を継続して、水路34に雨水が供給され続けていると、ポンプ15の水圧が、ドレンバルブ70のドレン栓71に加わる。ドレン栓71は、ポンプ15の水圧に押されて、ばね72に抗して止めねじ73側に移動し、ドレン水路38を開く。この結果、ポンプ15からの雨水は、余分な雨水として、ドレン水路38から排出されて、雨樋12、給水パイプ13を経て、貯水槽14に回収される。ポンプ15が停止すると、ドレン栓71にポンプ15の水圧が加わらなくなり、ドレン栓71は、ばね72に押されて、ドレン水路38を閉じる。
各タンク50に貯まった水は、水補給体52によってタンク50の表面に滲み出て、タンク50の表面に設けられた苔51に補給される。この結果、苔51が増えて、屋根全体が苔51で覆われて、緑に覆われた状態になる。
各タンク50内の雨水は、水補給体52によってタンク50の表面に常時滲み出ている。このため、日数が経つと、タンク内の水量が減り、水位が下がる。水位が所定の水位よりも下がると、任意の屋根瓦20に設けられている貯水量検知センサ(不図示)によって、水位の低下が検知されて、ポンプ15が自動的に回転する。全ての屋根瓦20のタンク50に雨水が供給されて、各タンク50が満杯になり、ドレンバルブ70のドレン栓71が貫通水路23の下流端23aが離れる動作をして、余分な雨水が排出されるとき、ドレンセンサ74(近接スイッチ75)がドレン栓71の動きを検知する。ポンプ15は、ドレンセンサ74の検知動作によって、停止して、タンク50への雨水の供給を停止する。なお、ポンプ15は、使用者が手動でスイッチ(不図示)をON、OFFして、始動,停止させてもよい。
以上のように、屋根瓦20は、屋根瓦本体20Aに形成された貫通水路23を経て、タンク50に雨水が貯められ、その雨水が水補給体52によって、表面に常時滲み出て屋根11を冷却することができるので、次の効果を奏する。
従来必要とした、散水機器を使用しないで屋根11を冷却することができるので、雨水が風に煽れて飛散することがなく、屋根全体を均一に冷却することができて、冷却効率を高めることができる。また、雨水が飛散することがないことによって、雨水の利用効率を高めることができる。さらに、周囲の住民に迷惑をかけることがなくなる。また、散水機器を設けないので、屋根11を一部分を特別に強固にする必要がなくなる。
屋根瓦20は、その表面に滲み出た水によって、苔51を育成することができて、地球温暖化を抑制することができる。また、苔51の緑によって、地球の緑化に貢献することもできる。さらに、夏季、太陽の強い日差しを苔によって遮り、かつ屋根瓦20に滲み出た水の気化熱によって屋根瓦20を冷すことができて、屋根11の温度上昇を防止し、家屋10の室内の温度を下げることができる。
また、以上の冷暖房支援システム1は、ポンプ15によって、屋根瓦20のタンクに雨水を貯めるとき、ドレンバルブ70によって余分な雨水が排出されるまで、タンク50に水を貯めることができるので、タンク50に雨水を確実に貯めることができる。また、タンク50に貯められた水が少なくなると、ポンプ15によって雨水を補給することができる。このようにして、冷暖房支援システム1は、タンク50に水を常時貯めておくことができるので、雨水の利用効率、屋根11の冷却率を一定して、家屋10の居住性を高めた状態に維持することができる。
以上の説明では、冷暖房支援システム1を、もっぱら屋根11の冷却に使用する場合について説明したが、本発明に係る冷暖房支援システム1は、室内の暖房を支援することもできる。すなわち、雪国においては、積雪時の屋根の雪下ろしが必須の作業となる。そこで、本発明に係る冷暖房支援システム1を利用して、例えば、貯水槽14にヒータ(不図示)を設けて温水を作り、この温水を冷暖房支援システム1によって屋根瓦20に供給するようにすれば、屋根11に積もった雪を効率よく融かすことができるとともに、屋根11の積雪をなくすことにより、室内の暖房効率を高めることができる。さらに、冬場は、積雪のない地方においても、冷暖房冷却システム1に温水を通すことは、凍結防止に有効である。
W 水
1 冷暖房支援システム
10 家屋
11 屋根
13 給水パイプ(回収路)
14 貯水槽
15 ポンプ
16 揚水パイプ(回収路)
18 バルブ
20 屋根瓦
20A 屋根瓦本体
20a 上端部(一方の端部)
20b 下端部(他方の端部)
20c 上面(表面)
23 貫通水路
23a 下流端(出口)
24 分水路
30 Oリング(水漏れ防止体)
31 パッキン(水漏れ防止体)
34 水路
35 水貯
41 棟
42 軒先
50 タンク(貯水部)
51 苔(低背植物)
52 水補給体
53 空気抜き孔
54 フロート
70 ドレンバルブ
71 ドレン栓
72 ばね(弾性体)

Claims (10)

  1. 屋根の傾斜に合わせた傾斜状態で整列されて敷設される板状の屋根瓦本体を備えた屋根瓦において、
    前記屋根瓦本体を、傾斜状態において上側に位置する上端部から下側に位置する下端部に貫通する貫通水路と、
    前記貫通水路の中間部から分岐して上方に延び、前記屋根瓦本体の表面に開口する分水路と、
    前記分水路の開口部を覆って前記屋根瓦本体の表面に設けられた貯水部と、
    前記貯水部の外面に設けられた苔、芝、蓬等の低背植物と、
    前記貯水部に貫通して設けられて前記貯水部内の水を外部に沁み出して前記低背植物に水を補給する水補給体と、を備えた、
    ことを特徴とする屋根瓦。
  2. 前記貫通水路は、前記屋根瓦本体の前記上端部の表面側から前記屋根瓦本体の厚さ方向の中間部まで延びる給水路と、前記屋根瓦本体の前記下端部の裏面側から前記屋根瓦本体の厚さ方向の中間部まで延びる排水路と、上流端が前記給水路に連結され、中間部が前記屋根瓦本体に沿って延び、下流端が前記排水路に連結される傾斜水路と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の屋根瓦。
  3. 前記給水路は、前記屋根瓦本体の上端部の表面側に、上側に位置する前記屋根瓦の下端部の裏面側が重ねられた際に、前記上側に位置する前記屋根瓦の前記排水路に連通される位置に形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の屋根瓦。
  4. 前記水補給体が、毛細管現象によって前記水を沁み出す繊維状体物である、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の屋根瓦。
  5. 前記傾斜水路と前記分水路との間に半球状の水貯を形成した、
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の屋根瓦。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の、複数の前記屋根瓦を、前記屋根瓦本体の前記上端部の上に、上側に位置する前記屋根瓦本体の前記下端部を重ねて各前記屋根瓦本体の貫通水路同士が連通した状態で配列して形成した屋根に水を供給する冷暖房支援システムであって、
    前記屋根の最上位の屋根瓦の貫通水路に水を供給するポンプと、
    各前記屋根瓦の貯水部の上端に貫通して形成された空気抜き孔と、
    前記貯水部内の水の浮力によって前記空気抜き孔を開閉するフロートと、
    前記屋根の最下位の屋根瓦の貫通水路の出口に設けられたドレンバルブと、を備え、
    前記ドレンバルブは、前記貯水部に水が充填されて前記フロートが前記空気抜き孔を塞いだ状態で、前記ポンプの水圧を受けたとき、閉状態から開状態になって、前記屋根に供給された余分な水を排出する、
    ことを特徴とする冷暖房支援システム。
  7. 前記屋根に降った雨を貯める貯水タンクと、
    前記ドレンバルブから排出された水を前記貯水タンクに回収する回収路と、を備え
    前記ポンプが、前記貯水タンクの雨水を前記最上位の屋根瓦の貫通水路に供給する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷暖房支援システム。
  8. 前記貯水部の前記低背植物が設けられた少なくとも一部分が水平に形成されている、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の冷暖房支援システム。
  9. 各前記屋根瓦の貫通水路同士は、水漏れ防止用の水漏れ防止体を介して連通している、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の冷暖房支援システム。
  10. 前記ドレンバルブが、前記最下位の屋根瓦の貫通水路の出口を弾性体に付勢されて塞ぐドレン栓を有し、前記ドレン栓が、前記弾性体に抗した前記ポンプの水圧を受けたとき、前記接続水路の出口を開いて、余分な水を排出する、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の冷暖房支援システム。
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