JP5225142B2 - ディスプレイ支持装置 - Google Patents
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Description
ディスプレイ装置を姿勢変更可能に支持するディスプレイ支持装置であって、
ベース部材と、
前記ベース部材の前後方向中央部より後方に固定される柱部材と、
前記ディスプレイ装置に固定されるディスプレイ固定部材と、
前記柱部材に第一回動軸を中心として回動可能に連結されるとともに、前記ディスプレイ固定部材に第二回動軸を中心として回動可能に連結される連結部材と、を備え、
前記第二回動軸は、前記第一回動軸に対して前方に傾いているものである。
前記柱部材に対する前記連結部材の回動を所定範囲内で許容しつつそれ以上の回動は規制する回動規制機構を備えるものである。
前記ディスプレイ固定部材に固定したディスプレイ装置の画像表示面が前方を向く正対位置または前記ディスプレイ固定部材に固定したディスプレイ装置の画像表示面が後方かつ前記正対位置よりも上方を向く反対位置のいずれかの位置で前記連結部材に対する前記ディスプレイ固定部材の回動を制止可能とする回動制止機構を備えるものである。
前記回動規制機構は、
前記柱部材または前記連結部材の一方に形成される切込みと、
前記柱部材または前記連結部材の他方から突出され、前記切り込みと係合可能な第一ストッパと、
を有するものである。
前記回動制止機構は、
前記連結部材に形成される複数の連結部材側係合部と、
前記ディスプレイ固定部材に形成されて前記連結部材側係合部と連通可能なディスプレイ固定部材側係合部と、
前記連結部材側係合部およびディスプレイ固定部材側係合部に係合可能な第二ストッパと、
を有するものである。
前記第二ストッパは、前記第一ストッパを兼ねるものである。
前記柱部材の上面は前記第一回動軸に垂直な面である柱部材側第一回動面を成し、
前記連結部材の下面は前記柱部材側第一回動面に回動可能に当接する連結部材側第一回動面を成し、
前記連結部材の上面は前記第二回動軸に垂直な面である連結部材側第二回動面を成し、
前記ディスプレイ固定部材の下面は前記連結部材側第二回動面に回動可能に当接するディスプレイ固定部材側第二回動面を成し、
一端部が前記柱部材または前記ディスプレイ固定部材の一方に係止されるとともに前記柱部材側第一回動面、前記連結部材側第一回動面、前記連結部材側第二回動面および前記ディスプレイ固定部材側第二回動面を貫通し、前記連結部材側第一回動面が前記柱部材側第一回動面に当接した状態で前記連結部材を前記柱部材に対して回動可能に軸支するとともに、前記ディスプレイ固定部材側第二回動面が前記連結部材側第二回動面に当接した状態で前記ディスプレイ固定部材を前記連結部材に対して回動可能に軸支する軸部材と、
前記軸部材の他端部に固定され、前記柱部材または前記ディスプレイ固定部材の他方に弾性的に係止される弾性係止部材と、
を備えるものである。
ディスプレイ支持装置100は、ディスプレイ装置10を姿勢変更可能に支持する装置であり、建物の床や家具の上等に載置する形式のものである。
「ディスプレイ装置」は、画像を表示可能な装置を指す。ディスプレイ装置の具体例としては、ブラウン管方式、プラズマ方式、あるいは液晶方式等の種々の方式のテレビジョン、パーソナルコンピュータ用のディスプレイが挙げられる。
図1に示すように、ベース部材1、柱部材2、ディスプレイ固定部材3、および連結部材4は、ディスプレイ支持装置100の主たる構造体を成す。柱部材2に対する連結部材4の回動位置は、回動規制機構5により所定の範囲内に規制(制限)される(図5参照)。連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動位置は、回動制止機構6により所定の位置に制止(保持)される(図6参照)。
ベース部材1は、板状の部材であり、その前後中央部より後方に複数のネジ孔が形成される。ネジ孔の内周面には雌ネジが形成される。ベース部材1は、建物の床や、家具の上等に載置される。
図2および図4に示すように、柱部材2は前面部20(図4参照)、後面部21、右側面部22、左側面部23(図4参照)、上面部24、およびフランジ部25等を有している。
本実施形態の柱部材2は、1枚の金属製の板材を折り曲げて、下面が開口した略直方体形状の箱状に成形される。
前面部20、後面部21、右側面部22および左側面部23の下端部には、外側に張り出したフランジ部25が形成される。フランジ部25には、ネジを貫装するための貫装孔25hが形成される。貫装孔25hは、ベース部材1のネジ孔と重ね合わせることが可能な位置に形成される。
上面部24は、連結部材4との合わせ面を成すものである。上面部24の中央部には、柱部材2を連結部材4に軸支するための孔26が形成される。
また、十分な強度を確保することが可能であれば、柱部材を樹脂材料等により一体成形しても良い。
図1に示すように、ディスプレイ固定部材3は、ディスプレイ装置10に固定される部材である。ディスプレイ固定部材3は、取付ステー30および箱部33を有する。
本実施形態の取付ステー30は、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形される部材である。具体的には、主面部31の下端部から前方に向かって主面部31に対して下面部32が垂直に突出するように成形される。主面部31の長手方向両端部には、ネジを貫装するための複数の貫装孔が形成される。貫装孔は、主面部31の内側寄りと、外側寄り(貫装孔31h)とにそれぞれ複数設けられる。
本実施形態の箱部33は、1枚の金属製の板材を折り曲げて成形される箱状の部材である。具体的には、主面部34の下端部から前方に向かって主面部34に対して底面部35が垂直よりも僅かに大きい角度で(換言すれば、やや前下方に向かって)突出し、主面部34の両端部から前方に向かって主面部34に対して側面部36が垂直に突出し、さらに側面部36の前端部から左右方向内側に向かって側面部36に対して鍔部37が垂直に突出するように成形される。さらに、側面部36の下端部からは左右方向内側に向かって側面部36に対してステー38が垂直に突出するように設けられ、このステー38を介して底面部35と側面部36とが固設される。
前述の如く形成された底面部35は、主面部34に垂直な方向よりも僅かに大きく傾いた方向に設けられる。主面部34と底面部35とが成す角度は、90°に後述の連結部材4の上面41と下面40とが成す角度を足した値と略同じである。底面部35の中央部には、ディスプレイ固定部材3(箱部33)を連結部材4に軸支するための孔39(図4参照)が形成される。孔39は、柱部材2の上面部24の孔26の輪郭を完全に取り囲むことが可能な大きさに形成される。
鍔部37には、複数のネジ孔が形成される。ネジ孔の内周面には雌ネジが形成される。ネジ孔は、取付ステー30の内側寄りの貫装孔と重ね合わせることが可能な位置に形成される。
連結部材4は、柱部材2に回動可能に連結(軸支)されるとともに、ディスプレイ固定部材3に回動可能に連結(軸支)される部材である。図3に示すように、連結部材4は、平面視略長方形状のプレート状の部材であり、下面40と、下面40に対して前方に傾いている(下面40に対して平行な状態から前下がりとなる)上面41とを有している。
上面41は、連結部材4との合わせ面を成すものであり、本発明に係る連結部材側第二回動面の実施の一形態である。
連結部材4の平面視における長手方向および短手方向の寸法は、柱部材2の上面部24の長手方向および短手方向の寸法と略同じである。
第一回動軸は、柱部材2に対する連結部材4の回動軸を成すものである。本実施形態の第一回動軸は仮想的なものであり、ディスプレイ固定部材3の回動方向等によっては軸部材7の軸線方向と第一回動軸の長手方向(軸線方向)が必ずしも平行となるわけではない。
第二回動軸は、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動軸を成すものである。本実施形態の第二回動軸は仮想的なものであり、ディスプレイ固定部材3の回動方向等によっては軸部材7の軸線方向と第二回動軸の長手方向(軸線方向)が必ずしも平行となるわけではない。
軸部材7は、頭部70と軸部71とにより一体的に形成される部材である。頭部70は、略円柱形状の部分である。頭部70の中央部からは、軸部71が突出される。軸部71は、円柱形状の部材の表面の一部を面取りして形成される部材であり、その軸線が頭部70の軸線と一直線となるように設けられる。軸部71の半径は、頭部70の半径に対して縮径されている。軸部71の半径はディスプレイ固定部材3の底面部35の孔39、連結部材4の孔42、および柱部材2の上面部24の孔26の半径よりも小さくなるように設計されており、軸部71の外周面と孔39との内周面との間、軸部71の外周面と孔42の内周面との間、および軸部71の外周面と孔26の内周面との間にはある程度の隙間が形成される。このように構成することにより、軸部材7の軸線方向を、(1)第一回動軸に対しては平行であるが第二回動軸に対しては平行でない状態、(2)第二回動軸に対しては平行であるが第一回動軸に対しては平行でない状態、あるいは(3)第一回動軸および第二回動軸のいずれに対しても平行でない状態の、いずれかにすることが可能である。
軸部71の頭部70と反対側の端部には、後述のナット75を螺装するための雄ネジが形成される。
弾性係止部材76は弾性変形可能な材料(例えば、ゴム、樹脂材料等)からなる。弾性係止部材76は、図1および図4に示すように、平面視略円形状のプレート状の部材であり、上面77と、上面77に対して傾いている(上面77と平行でない)下面78とを有する。上面77に対する下面78の傾斜角度は、連結部材4の下面40に対する上面41の傾斜角度と、略同じである。弾性係止部材76の上面77の半径は、軸部材7の頭部70の半径よりも大きく、かつディスプレイ固定部材3の底面部35の孔39、連結部材4の孔42、および柱部材2の上面部24の孔26の半径よりも大きく設計される。
そして、軸部材7の先端部(下端部)にナット75が螺装されることにより、弾性係止部材76、ディスプレイ固定部材3(箱部33)、連結部材4、および柱部材2が、軸部材7から脱落不能とされるとともに、弾性係止部材76は弾性変形しつつ底面部35の上面および軸部材7の頭部70に当接する。このように、弾性係止部材76はディスプレイ固定部材3に弾性的に係止される。
また、ディスプレイ固定部材3が連結部材4に対して回動したとき、軸部材7の軸線方向に対する第二回動軸の成す角度および向きは変化し得るが、弾性係止部材76は弾性変形可能な材料からなるため、弾性係止部材76の弾性力(元の形状に戻ろうとする力)によりディスプレイ固定部材3は連結部材4に向かって押される形となり、底面部35の下側の面(下面)が連結部材4の上面41に当接した状態が保持される。
このように、軸部材7(軸部71)はその軸線が真っ直ぐな略円柱形状の部材であるにも関わらず、弾性係止部材76と組み合わされることにより、互いに平行でない仮想的な軸である第一回動軸および第二回動軸を兼ねる如き挙動を示すことが可能である。
ただし、本発明はこれに限るものではなく、部品点数の増加を許容するならば、第一回動軸および第二回動軸をそれぞれ実体を有する軸として設けることも可能である。例えば、略円柱形状の第一回動軸を連結部材の下面に固設するように構成し、略円柱形状の第二回動軸を連結部材の上面に固設するように構成しても良い。
なお、以下の説明においては、ディスプレイ支持装置100に取り付けたディスプレイ装置10(の画像表示面)が前方(正面)を向く状態を「正対する」(基本的な姿勢をとる)というものとし、ディスプレイ装置10が正対する状態におけるディスプレイ支持装置100を構成する各部材の位置を、初期の位置と想定して説明する。
図3および図5に示すように、回動規制機構5は、切込み50と、第一ストッパ51とを有している。
切込み50は、連結部材4における柱部材2との合わせ面(連結部材4の下面40)に形成される。本実施形態の切込み50は、連結部材4の前端部に形成される。切込み50は、連結部材4の孔42の中央部(第一回動軸の軸線が下面40を通過する地点)を中心として下面40の周縁部を通過する円を描いたときの円弧に沿って、連結部材4の前端中央部を切り欠いたものである。本実施形態においては、略65°の円弧に亘って切込み50が形成される。
なお、本実施形態の切込み50は、連結部材4の上面41から下面40に貫通するものとしたが、本発明はこれに限らず、後述する第一ストッパ51が干渉しない場合には切込み50の上面41側を閉塞するように形成しても良い。
第一ストッパ51は、柱部材2における連結部材4との合わせ面(柱部材2の上面部24)に形成される。本実施形態の第一ストッパ51は、上面部24の前端部の一部を上方に向かって垂直に折り曲げて成形される。第一ストッパ51の形状は、上面部24の上方に突出した略直方体形状である。連結部材4を柱部材2の上に取り付けたとき、第一ストッパ51は平面視で切込み50に収容される位置に配置される。第一ストッパ51の平面視における左右方向の寸法は、切込み50の平面視における左右方向の寸法と比べて小さくなるように構成されている。
なお、本実施形態の第一ストッパ51は、柱部材2の上面部24と一体的に成形されるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、例えば、第一ストッパを柱部材の上面部に溶接等の方法により固設する(第一ストッパが柱部材と別部材である)ものとしても良い。
一方、図5(b)に示すように、連結部材4を柱部材2に対して初期の位置から平面視で反時計回りに回動させると、所定量回動させたところで第一ストッパ51と切込み50の右側面50bとが当接する。これにより、それ以上(所定量以上)の連結部材4の柱部材2に対する平面視で反時計回りへの回動は規制される。
結果として、ディスプレイ支持装置100により支持されるディスプレイ装置10は、柱部材2に対して許容される連結部材4の回動角度の範囲内で左右に首振りを行う(上下方向の軸を中心として回動する)ことが可能である。
回動制止機構6は、本発明に係る回動制止機構の実施の一形態である。
図4および図6に示すように、回動制止機構6は、正対係合部60、反対係合部61、係合部62、第二ストッパ63、および係止部64を有している。
図3に示すように、正対係合部60および反対係合部61は、連結部材4のディスプレイ固定部材3との合わせ面(連結部材4の上面41)に形成される。本実施形態においては、正対係合部60は上面41の後端中央部に形成され、反対係合部61は上端面41の前端中央部に形成される。
連結部材4を柱部材2に対して初期の位置から180°回動させたとき、正対係合部60の位置は反対係合部61の初期の位置と一致し、反対係合部61の位置は正対係合部60の初期の位置と一致する。
図4および図6に示すように、係合部62は、箱部33の底面部35に形成される。本実施形態の係合部62は、箱部33の鍔部37が設けられる側と孔39を挟んで反対側となる位置に形成される。係合部62は、略四角形状の孔として形成される。係合部62の平面視における大きさは、正対係合部60および反対係合部61の平面視における大きさと略同じである。
図4に示すように、第二ストッパ63は、長辺63aと短辺63bからなる略L字形状の部材である。
本実施形態の第二ストッパ63は、金属製の四角柱形状の棒を直角に折り曲げて成形される。
長辺63aの先端部の、軸線方向に垂直な方向における輪郭は、平面視における係合部62の輪郭により完全に取り囲むことが可能な寸法となっている。すなわち、第二ストッパ63の長辺63aの先端部(下端部)は、係合部62に貫装可能となっている。
短辺63bの先端部の、軸線方向に垂直な方向における寸法は、係止部64の正面視における輪郭により完全に取り囲むことが可能な寸法となっている。すなわち、第二ストッパの短辺63b(後端部)は、箱部33の主面部34の係止部64に貫装可能となっている。
連結部材4の切込み50の下端面から係止部64の下面40までの距離は、長辺63aの長さよりも短くなるように設計される。底面部35(箱部33)の上面から係止部64の上面までの距離は、長辺63aの長さよりも長くなるように設計される。
すなわち、長辺63aを係合部62に貫装し、かつ長辺63aを正対係合部60もしくは反対係合部61に係合し、かつ短辺63bを係止部64に貫装している状態の第二ストッパ63を、手動で係止部64に沿って上方に持ち上げることにより、短辺63bが係止部64に貫装されている状態を保持しつつ、長辺63aの先端部(下端部)をディスプレイ固定部材3(箱部33)の底面部35の下端面よりも上方に移動させることが可能である。
この状態では、第二ストッパ63により連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動が制止され、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の位置(回動角度)が第二ストッパ63により初期の位置(回動角度)に保持される(図6(a)参照)。
次に、ディスプレイ固定部材3を連結部材4に対して初期の位置から上面41と垂直な方向から視て180°回動させると、図7に示すように、ディスプレイ固定部材3の係合部62と、連結部材4の反対係合部61とが重なり合う。
続いて、第二ストッパ63を手動により係止部64に沿って下方に移動させて、第二ストッパ63の長辺63aを係合部62に上方から貫装するとともに、長辺63aの先端部(下端部)を反対係合部61に係合することで、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動が制止され、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の位置(回動角度)が第二ストッパ63により初期の位置から180°回動された位置(回動角度)に保持される(図6(b)参照)。
したがって、例えば第二ストッパを、頭部と軸部とを有するピン状に形成し、頭部を上側に向けて、ディスプレイ固定部材の係合部と、連結部材の係合部(正対係合部または反対係合部)とに貫装するように構成しても良い。
以下、ディスプレイ装置10の画像表示面がディスプレイ支持装置100の前方を向いた姿勢を、本実施形態におけるディスプレイ支持装置100の「正対姿勢」というものとする。
この状態のとき、ディスプレイ装置10の画像表示面の傾斜角度は、正対姿勢における画像表示面の水平面(水平方向)に対する傾斜角度よりも大きくなる。以下、ディスプレイ装置10の画像表示面がディスプレイ支持装置100の前方を向いていたとき(正対姿勢)よりも後方かつ上方を向いた姿勢を、本実施形態におけるディスプレイ支持装置100の「反対姿勢」というものとする。
すなわち、図4に示す如く、ディスプレイ支持装置100の姿勢が正対姿勢であるときにはディスプレイ装置10は柱部材2よりも前方に配置されるため、ディスプレイ装置10の自重に起因して柱部材2に作用する力(モーメント)は、柱部材2を前方に向かって倒そうとする方向に作用することとなる。したがって、水平方向におけるディスプレイ装置10の重心の位置がベース部材1の前側寄りとなる。
また、ディスプレイ支持装置100の姿勢が反対姿勢であるときにはディスプレイ装置10の上端部がディスプレイ装置10の下端部よりも前方かつ柱部材2よりも前方に配置されるため、ディスプレイ装置10の自重に起因して柱部材2に作用する力(モーメント)は、同じく柱部材2を前方に向かって倒そうとする方向に作用することとなる。したがって、水平方向におけるディスプレイ装置10の重心の位置がベース部材1の前側寄りとなる。
したがって、正対姿勢および反対姿勢のいずれの場合においても、ディスプレイ装置10の自重に起因して柱部材2に作用する力を支えるためにはベース部材1を柱部材2の前方に向かってある程度伸びた形状とすれば良く、柱部材2の後方に伸びた形状としなくてもディスプレイ支持装置100およびこれに支持されたディスプレイ装置10が転倒することは無いので、全体としてはベース部材1の前後方向の長さを短く設定することが可能である。
ディスプレイ装置10を姿勢変更可能に支持するディスプレイ支持装置100であって、
ベース部材1と、
ベース部材1の前後方向中央部より後方に固定される柱部材2と、
ディスプレイ装置10に固定されるディスプレイ固定部材3と、
柱部材2に第一回動軸を中心として回動可能に連結されるとともに、ディスプレイ固定部材3に第二回動軸を中心として回動可能に連結される連結部材4と、を備え、
前記第二回動軸は、前記第一回動軸に対して前方に傾いているものである。
このように構成することにより、ディスプレイ装置10を取り付けたディスプレイ支持装置100の姿勢を変更しても、ディスプレイ装置10の自重に起因して柱部材2に作用する力(モーメント)は、柱部材2を前方に向かって倒そうとする方向に作用するので、ベース部材1は柱部材2の後方に長く伸びた形状とせずとも転倒を防止することが可能であり、ディスプレイ支持装置100の水平方向の寸法(特に、前後方向の寸法)をコンパクトに設計することが可能となる。
柱部材2に対する連結部材4の回動を所定範囲内で許容しつつそれ以上の回動は規制する回動規制機構5を備えるものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100に取り付けたディスプレイ装置10の水平方向(左右方向)への回動を、所定範囲内で許容しつつ、それ以上の回動は規制することが可能となる。
ディスプレイ固定部材3に固定したディスプレイ装置10の画像表示面が前方を向く正対位置または前記ディスプレイ固定部材3に固定したディスプレイ装置10の画像表示面が後方かつ前記正対位置よりも上方を向く反対位置のいずれかの位置で連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動を制止可能とする回動制止機構6を備えるものである。
このように構成することにより、ディスプレイ装置10を取り付けたディスプレイ支持装置100の姿勢を、ディスプレイ装置10の画像表示面が前方を向く正対姿勢と、ディスプレイ装置10の画像表示面が後方かつ正対姿勢のときよりも上方を向く反対姿勢とに制止可能となる。したがって、ディスプレイ装置10の画像表示面の水平面に対する傾倒角度(チルト角度)を2つの姿勢に選択的に変更することが可能となる。
回動規制機構5は、
柱部材2または連結部材4の一方に形成される切込み50と、
柱部材2または連結部材4の他方から突出され、切り込み50と係合可能な第一ストッパ51と、
を有するものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置100に取り付けたディスプレイ装置10を、第一回動軸を中心として手動で回動させることにより、ディスプレイ装置10の水平方向(左右方向)の回動位置を簡単に調整することが可能となる。また、このような回動規制機構5を簡単な構成で実現することが可能となる。
回動制止機構6は、
連結部材4に形成される複数の連結部材側係合部である正対係合部60ならびに反対係合部61と、
ディスプレイ固定部材3に形成されて正対係合部60ならびに反対側係合部61と連通可能な係合部62と、
正対係合部60ならびに反対係合部61、および係合部62に係合可能な第二ストッパ63と、
を有するものである。
このように構成することにより、第二ストッパ63を係止部64に沿って上下方向に移動するだけの簡単な操作で、ディスプレイ装置10を取り付けたディスプレイ支持装置100の姿勢を、画像表示面が前方を向く正対姿勢と、画像表示面が後方かつ正対姿勢のときよりも上方を向く反対姿勢とに制止可能となる。
柱部材2の上面部24の上面は第一回動軸に垂直な面である柱部材側第一回動面を成し、
連結部材4の下面40は柱部材側第一回動面に回動可能に当接する連結部材側第一回動面を成し、
連結部材4の上面41は第二回動軸に垂直な面である連結部材側第二回動面を成し、
ディスプレイ固定部材3の底面部35の下面は連結部材側第二回動面に回動可能に当接するディスプレイ固定部材側第二回動面を成し、
一端部が柱部材2またはディスプレイ固定部材3の一方に係止されるとともに柱部材側第一回動面、連結部材側第一回動面、連結部材側第二回動面およびディスプレイ固定部材側第二回動面を貫通し、連結部材側第一回動面が柱部材側第一回動面に当接した状態で連結部材4を柱部材2に対して回動可能に軸支するとともに、ディスプレイ固定部材側第二回動面が連結部材側第二回動面に当接した状態でディスプレイ固定部材3を連結部材4に対して回動可能に軸支する軸部材7と、
軸部材7の他端部に固定され、柱部材2またはディスプレイ固定部材3の他方に弾性的に係止される弾性係止部材76と、
を備えるものである。
このように構成することにより、柱部材2に対する連結部材4の回動軸である第一回動軸と、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動軸である第二回動軸とを、個別に設ける必要がなくなる。したがって、ディスプレイ支持装置100の部品点数を削減することが可能となる。
ディスプレイ支持装置200は、(1)第一ストッパ51を備えていない点、(2)連結部材4に代えて柱部材2に切込み80・81が形成されている点、(3)連結部材側係合部が孔として形成されている点、および(4)第二ストッパ63に代えて第二ストッパ83を備えている点で、第一実施形態に係るディスプレイ支持装置100と主として相違する。
図8に示すように、切込み80・81は、柱部材2における連結部材4との合わせ面(柱部材2の上面部24)に形成される。本実施形態においては、切込み80は柱部材2の前端部に形成され、切込み81は柱部材2の後端部に形成される。切込み80・81は、柱部材2の孔26の中央部(第一回動軸の軸線が上面部24を通過する地点)を中心として上面部24の周縁部を通過する円を描いたときの円弧に沿って、上面部24の前端中央部および後端中央部を切り欠いたものである。本実施形態においては、略65°の円弧に亘って切込み80・81が形成される。切込み80・81の下面側は、閉塞されている。
図8に示すように、正対係合部90および反対係合部91は、連結部材4に形成される。本実施形態においては、正対係合部90は連結部材4の後端中央部に形成され、反対係合部91は連結部材4の前端中央部に形成される。
連結部材4を柱部材2に対して初期の位置から180°回動させたとき、正対係合部90の位置は反対係合部91の初期の位置と一致し、反対係合部91の位置は正対係合部90の初期の位置と一致する。
図8に示すように、第二ストッパ83は、長辺83aと短辺83bからなる略L字形状の部材である。
本実施形態の第二ストッパ83は、金属製の四角柱形状の棒を直角に折り曲げて成形される。
長辺83aの先端部の、軸線方向に垂直な方向における輪郭は、平面視における係合部62の輪郭、正対係合部90の輪郭、および反対係合部91の輪郭により完全に取り囲むことが可能な寸法となっている。すなわち、第二ストッパ83の長辺83aの先端部(下端部)は、係合部62、正対係合部90、および反対係合部91に貫装可能となっている。
第二ストッパ83の短辺83bは、箱部33の主面部34の係止部84に貫装可能となっている。
柱部材2(上面部24)の切込み80・81の下端面から係止部84の下面までの距離は、長辺83aの寸法よりも短くなるように設計される。底面部35(箱部33)の下面から係止部84の上面までの距離は、長辺83aの寸法よりも長くなるように設計される。
すなわち、長辺83aを係合部62に貫装し、かつ長辺83aを正対係合部90もしくは反対係合部91に貫装し、かつ長辺83aを切込み80もしくは切込み81に収容し(到達させ)、かつ短辺83bを係止部84に貫装している状態の第二ストッパ83を、手動で係止部84に沿って上方に持ち上げることにより、短辺83bが係止部84に貫装されている状態を保持しつつ、長辺83aの先端部(下端部)を底面部35の下面よりも上方に移動させることが可能である。
第二ストッパ83が係止部84に沿って下方に移動した状態であり、短辺83bは主面部34の係止部84に貫装され、第二ストッパ83の長辺83aは係合部62に上方から貫装されるとともに正対係合部90に貫装され、長辺83aの先端部(下端部)が後端部側の切込み81に収容される(到達する)。
この状態では、第二ストッパ83により連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動が制止され、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の位置(回動角度)が第二ストッパ83により初期の位置(回動角度)に保持される。
次に、ディスプレイ固定部材3を連結部材4に対して初期の位置から上面41と垂直な方向から視て180°回動させると、図9に示すように、ディスプレイ固定部材3の係合部62と、連結部材4の反対係合部91と、柱部材2の前端部側の切込み80とが重なり合う。
続いて、第二ストッパ83を手動で係止部84に沿って下方に移動させて、第二ストッパ83の長辺83aを係合部62に上方から貫装するとともに、反対係合部91に貫装し、さらに長辺83aの先端部(下端部)を前端部側の切込み80に収容する(到達させる)ことで、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の回動が制止され、連結部材4に対するディスプレイ固定部材3の位置(回動角度)が第二ストッパ83により初期の位置から180°回動された位置(回動角度)に保持される。
一方、ディスプレイ支持装置200が正対姿勢にあるときに、連結部材4を柱部材2に対して平面視で反時計回りに回動させると、所定量回動させたところで第二ストッパ83と後端部側の切込み81の右側面とが当接する。これにより、それ以上(所定量以上)の連結部材4の柱部材2に対する平面視で反時計周りへの回動は規制される。
一方、ディスプレイ支持装置200が反対姿勢にあるときに、連結部材4を柱部材2に対して平面視で反時計回りに回動させると、所定量回動させたところで第二ストッパ83と前端部側の切込み80の左側面とが当接する。これにより、それ以上(所定量以上)の連結部材4の柱部材2に対する平面視で反時計回りへの回動は規制される。
第二ストッパ83は、第一ストッパ51を兼ねるものである。
このように構成することにより、ディスプレイ支持装置200の回動制止機構6に備えられる第二ストッパ83が、回動規制機構5における第一ストッパ51を兼ねることとなる。したがって、第一ストッパ51が不要となる。
2 柱部材
3 ディスプレイ固定部材
4 連結部材
5 回動規制機構
6 回動制止機構
7 軸部材
10 ディスプレイ装置
24 上面部(柱部材側第一回動面)
35 底面部(ディスプレイ固定部材側第二回動面)
40 下面(連結部材側第一回動面)
41 上面(連結部材側第二回動面)
50 切込み
51 第一ストッパ
60 正対係合部(連結部材側係合部)
61 反対係合部(連結部材側係合部)
62 係合部(ディスプレイ固定部材側係合部)
63 第二ストッパ
76 弾性係止部材
100 ディスプレイ支持装置
Claims (7)
- ディスプレイ装置を姿勢変更可能に支持するディスプレイ支持装置であって、
ベース部材と、
前記ベース部材の前後方向中央部より後方に固定される柱部材と、
前記ディスプレイ装置に固定されるディスプレイ固定部材と、
前記柱部材に第一回動軸を中心として回動可能に連結されるとともに、前記ディスプレイ固定部材に第二回動軸を中心として回動可能に連結される連結部材と、を備え、
前記第二回動軸は、前記第一回動軸に対して前方に傾いている、ディスプレイ支持装置。 - 前記柱部材に対する前記連結部材の回動を所定範囲内で許容しつつそれ以上の回動は規制する回動規制機構を備える、請求項1に記載のディスプレイ支持装置。
- 前記ディスプレイ固定部材に固定したディスプレイ装置の画像表示面が前方を向く正対位置または前記ディスプレイ固定部材に固定したディスプレイ装置の画像表示面が後方かつ前記正対位置よりも上方を向く反対位置のいずれかの位置で前記連結部材に対する前記ディスプレイ固定部材の回動を制止可能とする回動制止機構を備える、請求項1または請求項2に記載のディスプレイ支持装置。
- 前記回動規制機構は、
前記柱部材または前記連結部材の一方に形成される切込みと、
前記柱部材または前記連結部材の他方から突出され、前記切り込みと係合可能な第一ストッパと、
を有する、請求項2に記載のディスプレイ支持装置。 - 前記回動制止機構は、
前記連結部材に形成される複数の連結部材側係合部と、
前記ディスプレイ固定部材に形成されて前記連結部材側係合部と連通可能なディスプレイ固定部材側係合部と、
前記連結部材側係合部およびディスプレイ固定部材側係合部に係合可能な第二ストッパと、
を有する、請求項3に記載のディスプレイ支持装置。 - 前記第二ストッパは、前記第一ストッパを兼ねる、請求項5に記載のディスプレイ支持装置。
- 前記柱部材の上面は前記第一回動軸に垂直な面である柱部材側第一回動面を成し、
前記連結部材の下面は前記柱部材側第一回動面に回動可能に当接する連結部材側第一回動面を成し、
前記連結部材の上面は前記第二回動軸に垂直な面である連結部材側第二回動面を成し、
前記ディスプレイ固定部材の下面は前記連結部材側第二回動面に回動可能に当接するディスプレイ固定部材側第二回動面を成し、
一端部が前記柱部材または前記ディスプレイ固定部材の一方に係止されるとともに前記柱部材側第一回動面、前記連結部材側第一回動面、前記連結部材側第二回動面および前記ディスプレイ固定部材側第二回動面を貫通し、前記連結部材側第一回動面が前記柱部材側第一回動面に当接した状態で前記連結部材を前記柱部材に対して回動可能に軸支するとともに、前記ディスプレイ固定部材側第二回動面が前記連結部材側第二回動面に当接した状態で前記ディスプレイ固定部材を前記連結部材に対して回動可能に軸支する軸部材と、
前記軸部材の他端部に固定され、前記柱部材または前記ディスプレイ固定部材の他方に弾性的に係止される弾性係止部材と、
を備える、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のディスプレイ支持装置。
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