JP5224746B2 - 平版印刷用刷版材料 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタを用いて平版印刷用刷版(以下、「刷版」という場合もある)を作製するための材料に関する。
平版印刷では、PS版と呼ばれているアルミニウム支持体の表面に均一に感光性樹脂を塗布したプレートが用いられている。このPS版(印刷原版)は、所望の画像パターンに従ってレーザにより露光して画線部に相当する部分を選択的に硬化させる描画工程、現像液により現像を行う現像処理工程、現像液や不要な感光性樹脂等を洗い流す濯ぎ処理工程、PS版の表面を保護するためにアラビアゴムや澱粉誘導体等の含有液を塗布するガム処理工程、及び乾燥工程等の多くの工程を経て製版されるのが一般的である。
一方、近年、コンピュータから画像信号を印画紙やリスフィルムに出力することなく、電子写真プリンタ、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタなどの出力機により直接製版する刷版方法が提案されている。
そして、直接製版方法の中でも、インクジェットプリンタを用いた製版方法は、装置が小型化できるなどの特徴があり、種々の提案がされている(特許文献1、特許文献2参照)。
インクジェットプリンタを用いた製版方法に用いる平版印刷用刷版材料としては、PS版で用いるような基材を適用することも可能である。しかし、PS版で用いる基材は、表面にインクを保持するのに適した層を有していないため、表面に付着させたインクが滲んでしまい、高解像度の画像を形成することは困難である。
一方、基材の表面にインク吸収層を形成することにより、インクジェット適性に優れた平版印刷用刷版材料を得ることができる。しかし、インク吸収層を形成してインクジェット適性を良好にすると、印刷時に刷版表面の水が不足し、地汚れが発生してしまうという問題がある。
かかる問題を解決するため、インクジェット適性および印刷適性とのバランスを考慮したインクジェットプリンタを用いた製版方法による平版印刷用刷版材料が提案されている(特許文献3参照)。
特開昭56−62157号公報(特許請求の範囲) 特開平5−269958号公報(特許請求の範囲) 特開2007−55052号公報(特許請求の範囲)
特許文献3では確かにインクジェット適性および印刷適性とのバランスを考慮した平版印刷用刷版材料が提案されているが、まだインクジェット適性および印刷適性が十分なものとはいえなかった。
そこで、本発明は、インクジェット適性および印刷適性とのバランスがさらに優れた平版印刷用刷版材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の平版印刷用刷版材料は、支持体上にバインダー樹脂およびマット剤を含む画像受理層を有してなる平版印刷用刷版材料において、バインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールおよび平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の平版印刷用刷版材料は、前記バインダー樹脂として、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の平版印刷用刷版材料は、前記バインダー樹脂中の平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとの重量比が、4:6〜7:3であることを特徴とするものである。
本発明の平版印刷用刷版材料は、支持体上にバインダー樹脂およびマット剤を含む画像受理層を有し、バインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを含むことにより、インクジェット適性および印刷適性(地汚れ防止)とのバランスが優れたものとすることができる。
本発明の平版印刷用刷版材料は、支持体上に、バインダー樹脂およびマット剤を含む画像受理層を有してなる平版印刷用刷版材料において、前記バインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを含むことを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態を説明する。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなるプラスチックフィルムやこれらプラスチックフィルムを表面にラミネート加工した耐水紙、これら樹脂を表面に塗布加工した耐水紙を使用することができる。
特に、機械的強度、寸法安定性、耐化学薬品性、耐水性に優れている点でポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また光学的遮蔽効果を持たせるために、カーボンブラック、酸化チタンなどの隠蔽性顔料を練り混んで製膜したものでもよい。支持体の厚みは、特に限定されないが、通常50〜300μmのものを使用する。
支持体は、画像受理層との接着性を向上させるためにプラズマ処理、コロナ放電処理、遠紫外線照射処理を施してもよい。また画像受理層との間の下引易接着処理として下引き層を設けてもよい。
下引き層は、支持体及び画像受理層を構成する樹脂の双方に対して接着性の良好な樹脂からなることが好ましい。従って、下引き層を構成する樹脂は使用する支持体及び画像受理層の樹脂によって異なるが、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレン、アクリロニトリル等の重合体若しくは共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、水溶性ポリウレタン、イソシアネート系化合物等があげられ、これらのうちの1種若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも画像受理層に含まれるポリビニルアルコールと接着性のよいイソシアネート系化合物をこのような樹脂に混合することが好ましい。下引き層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜10μm程度である。
画像受理層は、インクジェットのインクを吸収して画像を形成することにより、画像受理層表面に親油性部分と親水性部分とを形成し、印刷を可能とする刷版を形成する役割を有するものである。具体的には、画像部は親油性となり印刷インキを保持する一方、非画像部は親水性となって(必要に応じてエッチング処理後に親水性となって)湿し水を保持し、印刷インキを反発するものである。このような画像受理層は、少なくとも、バインダー樹脂およびマット剤からなる。
画像受理層を構成するバインダー樹脂は、少なくとも平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを含むようにする。このようにバインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを含ませることにより、インクジェット適性および印刷適性を向上させることができ、以下のような特別な効果が得られる。
その効果の1として、画像受理層上におけるインクジェットのインクの滲みを小さくすることができ、インクのドット径を小さく形成することができる(インクジェット適性を良好にできる)。
一方、バインダー樹脂として平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを使用した場合は、画像受理層内のマット剤が飽和状態になり、画像受理層にマット剤を増加させて含有させることができない。このため画像受理層のマット剤は、疎らな状態で含有されてしまい、画像受理層で飽和したマット剤が粉状となって画像受理層の表面を覆って形成されることになる。さらにマット剤を増量させても、画像受理層に含有されるマット剤を増加させることができず、画像受理層に含有されなかったマット剤が画像受理層の表面に粉状になって析出してしまう。このような状態の画像受理層の表面は、マット剤の粒子の密度が高いためインクを吸い込みやすい構造にさせている。このため画像受理層の表面は、インクを早く吸収してしまい、多くのインクを吸収することになる。こうして吸収されたインクは、滲みを伴って広がりやすく、画像受理層に大きいドット径となって形成されるため、印刷物の諧調表現に影響を与え好ましくない。
また、上述のように平均重合度が低いポリビニルアルコールを使用した場合には、画像受理層内に含有されるマット剤が疎らに含有された構造になっている。このような構造はマット剤の含有量が少ないためインク受容性が低く、浸透したインクをマット剤が吸収することができずにインクが滲んでしまう。
したがって、滲みを抑えるには、第一に画像受理層上の粉(マット剤)を少なくすること、第二に、画像受理層内にマット剤を多く含ませ、インク受容性を高めることが必要である。
これらの要求を達成するための方法とは、平均重合度の高いポリビニルアルコールを使用することにより、画像受理層に多くのマット剤を含有させることができる。さらに、画像受理層の表面にマット剤が粉状に析出するのを抑制することができる。こうして画像受理層にマット剤を高い密度で含有させて形成することができ、インク受容性を高めることができる。このようにして、上記のインクの滲みを防止する構造にすることができる。
このように、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを含むと、インクジェットのインクの滲みを小さくすることができ、インクのドット径を小さく形成することができるという効果が得られる。
その効果の2として、保水性を良くすることができ、刷版の表面が乾きにくくなる。このためオフセット印刷時に、湿し水が不足することより発生する印刷インクの地汚れを防止することができる(印刷適性を良好にできる)。
平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを使用した場合は、上述したように画像受理層に多くのマット剤を含有させることができず、画像受理層の表面にマット剤が粉状になって析出してしまう。このため、マット剤は密度が低い状態で画像受理層に含有される。
このような状態の画像受理層は、オフセット印刷に必要な保水性が得られず、刷版表面が乾燥しやすい。このためオフセット印刷時には湿し水が不足しやすく、印刷インクの地汚れが発生しやすく印刷物の品質に影響を与えてしまう。
しかし、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを使用した場合は、画像受理層に多くのマット剤を含有させることができ、画像受理層の表面にマット剤が粉状になって析出するのを抑制することができる。こうしてマット剤を画像受理層に密度が高い状態で含有させることができる。
このマット剤は、前述したインクジェットのインク受容性を有するほかに、水の受容性を有する。このため画像受理層内にマット剤を多く含有させることにより、刷版の保水性を高めることができる。
このようにして保水性が高められた画像受理層は、オフセット印刷に必要な保水性が得られ、刷版表面を乾燥しにくくすることができる。また、マット剤は水を受容することができ、画像受理層に含有されるマット剤を増やすことによって保水性が高められ、刷版表面が乾燥しにくいものとなるため、オフセット印刷時の地汚れを防止することができる。
その効果の3として、画像受理層を物理的強度の強い構造にさせることができる。このため、画像受理層の画像部分、非画像部分とを安定して形成させることができ、刷版の耐刷性を向上させることができる。
平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを使用した場合は、上述したように画像受理層の表面が粉状になってしまう。この粉により画像受理層の表面は被膜強度が弱くなってしまう。また、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを使用する割合が多くなると、画像受理層の全体の物理的強度を強めることができない。こうして画像受理層の全体が物理的強度の弱い状態となってしまう。このような刷版は、印刷中に画像受理層が欠落しやすくなり、耐刷性に乏しい刷版となる。
しかし、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを使用した場合は、上述したように画像受理層の表面が粉状になることを抑制することができ、画像受理層の表面の被膜強度が強くなる。また、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを使用することにより、画像受理層の全体の物理的強度が強められる。したがって、印刷中に画像受理層が欠落しにくい構造となり、耐刷性に優れた刷版にすることができる。
以上のように、画像受理層のポリビニルアルコールの平均重合度を2500以上のものを含むことにより、種々の効果を奏することができる。
また、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールは、全バインダー中の40重量%以上を含むことが好ましい。
画像受理層のバインダー樹脂としては平均重合度2500以上のポリビニルアルコールの他に、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを混合させることが好ましい。
上記のように平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを混合させた場合には、画像受理層塗布液のコーティングによる画像受理層の厚みムラ(厚みによる表面の凹凸ムラ)を少なくすることができる。
なお、混合する平均重合度2500未満のポリビニルアルコールの平均重合度は、1800〜2200であることがより好ましい。
このように画像受理層の厚みムラを少なくさせる理由とは、画像受理層のバインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールの他に、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとを混合させることにより、画像受理層塗布液が高粘度となるのを抑えることができるため、コーティングがしやすくなることによる。
こうして、画像受理層の厚みムラを少なくさせると、画像受理層のインクジェットのインクの吸収ムラを抑えることができ、均一なドットを形成できる。
また、平均重合度2500以上と2500未満のポリビニルアルコールを混合させる場合には画像受理層の厚みによる表面の凹凸ムラをさらに少なくさせる観点から、バインダー樹脂中の平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとの重量比が4:6〜7:3とすることが好ましい。
画像受理層のバインダー樹脂中における平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールの合計含有率は、全バインダー樹脂成分のうち70重量%以上、好ましくは100重量%であることが望ましい。
なお、画像受理層の耐水性、機械的強度を向上させるために、前述したポリビニルアルコールに加え、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、アルデヒド化合物、シラン化合物など架橋剤を用いてもよい。
マット剤は、画像受理層中に隙間を形成することにより、インク吸収性を付与するとともに、印刷時には湿し水を保水して地汚れの発生を防止する役割を有する。このような役割を有するマット剤を、画像受理層に増加させて含有させることにより、湿し水を保持させやすい構造とすることが可能となりインク吸収性、保水性にすぐれた刷版材料とすることができる。
本発明によると、マット剤を画像受理層に増加させて含有させることが可能となる。また、保水性を良くすることができる。さらに、画像受理層の被膜を強くさせることができる。
このようなマット剤としては、無機顔料やプラスチックビーズを使用することが可能であるが、マット剤自体でインク吸収性や湿し水の保水性を向上できる無機顔料が好適に使用される。
無機顔料としては、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、アルミナ等があげられる。これらの中でもインク吸収性や湿し水の保水性の観点
からシリカが好適である。
マット剤の粒子径は、1〜12μmのものが好ましい。
マット剤の添加量は、用いるマット剤の種類や粒子径により異なるため一概には言えないが、画像受理層中のバインダー樹脂100重量部に対し35〜100重量部含まれることが好ましく、45〜75重量部含まれることがより好ましい。
画像受理層中には、マット剤の他、平均粒径0.5μm未満の微粒子を含有することが好ましい。微粒子を含有させることにより、インク吸収性や湿し水の保水性を調整しやすくすることができる。
微粒子としては、無機微粒子およびプラスチックビーズを使用することができるが、インク吸収性や湿し水の保水性の観点から無機微粒子が好適に使用される。
無機微粒子としては、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、アルミナ等があげられる。これらの中でも、インク吸収性や湿し水の保水性の観点から酸化チタンが好適である。
微粒子は、画像受理層中のバインダー樹脂100重量部に対し、150〜500重量部含まれることが好ましい。
画像受理層の表面形状は、JIS B0601:1994における算術平均粗さRaが0.9μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。算術平均粗さRaを0.9μm以下とすることにより、画像受理層表面の凸部分と凹部分との高低差を小さくすることができ、凸部から凹部にインクが流れて画像が滲むのを防止することができるとともに、湿し水により非画像部を均一に親水性とすることができ、印刷時の地汚れの発生を防止することができる。
さらに、画像受理層の表面形状は、JIS B0601:1994における局部山頂平均間隔Sが60μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。局部山頂平均間隔Sを60μm以上とすることにより、画像受理層表面の凸部分を少なくすることができ、凸部から凹部にインクが流れて画像が滲むのを防止することができるとともに、画像受理層の表面積が増大して湿し水の吸収性が高くなり過ぎることを防止し、印刷時に刷版表面の水が不足して地汚れが発生することを防止することができる。
画像受理層の厚みは8〜20μmであることが好ましく、10〜15μmであることがより好ましい。厚みを8μm以上とすることにより、インクジェット適性および印刷適性を良好にすることができ、20μm以下とすることにより、湿し水の吸収性が高くなり過ぎることを防止し、印刷時に刷版表面の水が不足して地汚れが発生することを防止することができる。
上述した下引き層および画像受理層中には、上述した性能を阻害しない範囲で、染料、顔料などの着色剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を含有させてもよい。
下引き層および画像受理層を形成する方法としては、各層の構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により支持体上や下引き層上に塗布・乾燥させる方法があげられる。
本発明の平版印刷用刷版材料は、インクジェット記録法で親油性インクを出力して親油性の画像を形成することにより刷版とする。親油性インクを構成する樹脂として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、出力後に電離放射線を照射して刷版とする。このようにして得られた刷版は、画像部は水をはじき印刷インキを載せるインキ受理部となり、画像が形成されていない非画像部は、必要に応じてエッチング処理後に、湿し水が載りインキをはじく親水化部となる。
親油性インクは、少なくとも親油性樹脂および溶媒からなるが、出力後の画像を確認するために、着色顔料を含むことが好ましい。
親油性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などがあげられる。これらの中でも、インクを十分に硬化させることができ、刷版とした際の耐刷性を良好にできる、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂などの電離放射線硬化性樹脂が好適に使用できる。
以下、実施例により本発明を説明する。尚、「部」「%」は特記しない限り、重量基準である。
参考例1]
厚み188μmのポリエステルフィルムからなる支持体上に、下記の組成からなる下引き層塗布液をバーコーティング法により乾燥膜厚2μmとなるように塗布して下引き層を形成した。
<下引き層塗布液>
・ポリエステル樹脂 10部
(エリーテルUE3201:ユニチカ社、固形分100%)
・イソシアネートプレポリマー 2部
(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社、固形分60%)
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
次いで、下記組成の画像受理層塗布液を下引き層上に塗布、乾燥し、厚み12μmの画像受理層を形成し、参考例1の平版印刷用刷版材料を得た。
<画像受理層塗布液>
・ポリビニルアルコール 75部
(ゴーセノールNH26:日本合成化学社)
(固形分5%、平均重合度2500〜2650)
・イソプロピルアルコール 3部
・蒸留水 40部
・マット剤(シリカ) 2.2部
(サイリシア350:富士シリシア化学社)
(平均粒子径3.9μm)
・微粒子(酸化チタン) 11部
(タイペークA100:石原産業社、平均粒子径0.4μm)
[実施例2]
実施例1の画像受理層塗布液を、下記組成の画像受理層塗布液に変更した以外は、参考例1と同様にして、実施例2の平版印刷用刷版材料を得た。
<画像受理層塗布液>
・ポリビニルアルコール 30部
(ゴーセノールNH26:日本合成化学社)
(固形分5%、平均重合度2500〜2650)
・ポリビニルアルコール 45部
(ゴーセノールNH20:日本合成化学社)
(固形分5%、平均重合度2000)
・イソプロピルアルコール 3部
・蒸留水 40部
・マット剤(シリカ) 2.2部
(サイリシア350:富士シリシア化学社)
(平均粒子径3.9μm)
・微粒子(酸化チタン) 11部
(タイペークA100:石原産業社、平均粒子径0.4μm)
[実施例3]
実施例2の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールの添加量を45部、平均重合度2000のポリビニルアルコールの添加量を30部に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例3の平版印刷用刷版材料を得た。
[実施例4]
実施例2の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールの添加量を52部、平均重合度2000のポリビニルアルコールの添加量を23部に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例4の平版印刷用刷版材料を得た。
[実施例5]
実施例2の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールの添加量を26部、平均重合度2000のポリビニルアルコールの添加量を49部に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例5の平版印刷用刷版材料を得た。
[実施例6]
実施例2の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールの添加量を56部、平均重合度2000のポリビニルアルコールの添加量を19部に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例6の平版印刷用刷版材料を得た。
[比較例1]
参考例1の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールを、平均重合度2000のポリビニルアルコール(ゴーセノールNH20:日本合成化学社)に変更した以外は、参考例1と同様にして比較例1の平版印刷用刷版材料を得た。
[比較例2]
参考例1の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールを、平均重合度2000未満のポリビニルアルコール(ゴーセノールMM11:日本合成化学社)に変更した以外は、参考例1と同様にして比較例2の平版印刷用刷版材料を得た。
[比較例3]
参考例1の画像受理層塗布液の平均重合度2500〜2650のポリビニルアルコールを、平均重合度2000未満のポリビニルアルコール(ゴーセノールNL05:日本合成化学社)に変更した以外は、参考例1と同様にして比較例3の平版印刷用刷版材料を得た。
次いで、参考例1、実施例〜6および比較例1〜3で得られた平版印刷用刷版材料について、下記項目の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)画像の滲み(インクジェット適性)
参考例1、実施例〜6および比較例1〜3で得られた平版印刷用刷版材料に、電離放射線硬化性樹脂をインク成分として用いたインクジェットプリンタを用いて画像を出力して平版印刷用刷版を得た。その結果、平版印刷用刷版の画像が滲んでいなかったものを「○」、僅かに滲んだが12ポイント以上の文字がはっきり解読できたものを「△」、滲みがひどく12ポイント以上の文字が解読できなかったものを「×」とした。
(2)諧調表現性(インクジェット適性)
参考例1、実施例〜6および比較例1〜3で得られた平版印刷用刷版材料に、電離放射線硬化性樹脂をインク成分として用いたインクジェットプリンタを用いて画像を出力して平版印刷用刷版を作製し、ドットの大きさのバラツキについて評価を行った。その結果、バラツキがないもの「◎」、バラツキがほとんどないもの「○」、バラツキがあるもの「×」を付した。
(3)地汚れ(印刷適性)
参考例1、実施例〜6および比較例1〜3で得られた平版印刷用刷版材料を何も印字していない状態でオフセット印刷機(RYOBI3200ACD:リョービ社)に取りつけて印刷を行ない、印刷版の地肌の汚れが発生しなくなるまでの枚数を評価した。その結果、30枚刷る前に汚れが発生しなくなったものを「○」、30枚以上50枚未満の間に汚れが発生しなくなったものを「△」、何枚印刷しても汚れがとれなかったものを「×」とした。
(4)耐刷性(印刷適性)
参考例1、実施例〜6および比較例1〜3で得られた平版印刷用刷版材料にインクジェットプリンタを用いて画像を出力した平版印刷版をオフセット印刷機(RYOBI3200ACD:リョービ社)に取りつけて印刷を行ない、印刷物の画像の脱落までの枚数を耐刷性として評価した。その結果、10000枚を超えても画像の脱落が発生しなかったものを「○」、5000枚以上10000枚未満の間に画像の脱落が発生したものを「△」、5000枚未満で画像の脱落が発生したものを「×」とした。
Figure 0005224746
表1の結果から明らかなように、参考例1、実施例〜6の平版印刷用刷版材料は、平均重合度2500以上のポリビニルアルコールを使用したため、滲み、諧調表現性、地汚れ、耐刷性ともに良好であった。特に、実施例2〜6は平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとを混合したため、インクジェットのドットのバラツキが無く参考例1より諧調表現性が優れていた。
さらに、実施例2〜4は平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとの重量比が4:6〜7:3の範囲内であったため、実施例5、6よりさらに諧調表現性に優れていた。
一方、比較例1は、滲み、諧調表現性は優れていたが、平均重合度2000のポリビニルアルコールを使用のため、地汚れ、耐刷性に劣るものであった。
また、比較例2、3は、平均重合度2000未満のポリビニルアルコールを使用のため、いずれも滲み、諧調表現性、地汚れ、耐刷性に劣るものであった。
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば、平版印刷用刷版材料のインクジェット適性及び印刷適性をバランスよくすることができ、良好な平版印刷用刷版材料を得ることができる。

Claims (2)

  1. 支持体上に、バインダー樹脂およびマット剤を含む画像受理層を有してなる平版印刷用刷版材料において、前記バインダー樹脂として平均重合度2500以上のポリビニルアルコールおよび平均重合度2500未満のポリビニルアルコールを含むことを特徴とする平版印刷用刷版材料。
  2. 前記バインダー樹脂中の平均重合度2500以上のポリビニルアルコールと、平均重合度2500未満のポリビニルアルコールとの重量比が、4:6〜7:3であることを特徴とする請求項2記載の平版印刷用刷版材料。
JP2007212723A 2007-08-17 2007-08-17 平版印刷用刷版材料 Active JP5224746B2 (ja)

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