JP5224549B2 - 乳量計 - Google Patents

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本発明は、搾乳機により搾乳した乳を送る送乳ラインの中途などに接続して乳量を測定する乳量計に関する。
一般に、搾乳時には、送乳ラインの中途に乳量計を接続して乳量の計測を行っており、この種の乳量計としては、特許文献1で開示される乳量計(ミルクメーター)が知られている。この乳量計は、基本的な構成として、送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に配し、かつ貯留される乳の低位置の液面を検知する低位置電極部及び貯留される乳の高位置の液面を検知する高位置電極部を有する液面検知部と、計量容器部の下部に設けた流出口を開閉可能な弁機構部を備えている。しかし、この種の乳量計は、その用途(目的)が乳量の計測に限られるため、必ずしも多機能性(多様性)に優れているとは言えない。
一方、搾乳した乳に対しては、その品質を検査する必要があるため、通常、送乳ラインの中途にサンプリング装置を接続して乳の採取を行っている。したがって、乳量計とサンプリング装置を一体的に構成すれば、全体の多様性(多機能性)を高めることができるとともに、全体の小型化及び低コスト化、更には保管性及び取扱性を有利にできるメリットがある。
従来、乳量計とサンプリング装置を一体的に構成した装置としては、特許文献2で開示される乳サンプル抽出装置が知られており、この乳サンプル抽出装置は、乳絞り用ダクト内に配置された乳流れ測定装置を有する乳サンプリグ抽出装置であって、さらに分析サンプル容器及び乳流れに連結された乳サンプル抽出装置を制御するためのプロセッサユニットとを有し、乳サンプル抽出装置は、電気的制御可能な電磁コイルを有し、該コイルによってシール本体がサンプル分離流れのための流れ貫通開口を塞ぐ第1位置までと当該開口を開放する第2位置まで可動であるように構成されている。
米国特許No.4,391,222 特開平7−167755号公報
しかし、上述した従来の乳量計(ミルクメーター)及びサンプリング装置(乳サンプル抽出装置)は、次のような問題点があった。
第一に、乳量計とサンプリング装置を一体化する観点から見た場合、特許文献1は乳量計に対して別途のサンプリング装置を連結等により接続する必要があるとともに、特許文献2は乳量計とサンプリング装置を一体的に構成するも、基本的には、別々となる乳量計の構造部分とサンプリング装置の構造部分を連結する形態により構成したものであり、小型化及び低コスト化が必ずしも十分に図られるとは言えない。
第二に、サンプリング装置は、乳の全量に対して平均的な乳を採取する必要があることから、搾乳の開始から終了までの搾乳期間において所定の時間間隔毎に少量ずつ採取している。したがって、特許文献2のように、電気的制御可能な電磁コイルや制御用のプロセッサユニットが必要になるなど、サンプリング装置自体の構成が大掛かりとなり、装置の煩雑化,大型化及びコストアップを招くとともに、耐久性及び省エネルギ性においても難がある。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した乳量計の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、送乳ラインLmの中途に接続し、流入口2iから流入する乳Mを貯留可能な計量容器部2と、この計量容器部2の内部に貯留される乳Mの液面Muを検出する液面検出部3と、計量容器部2の流出口2eを開閉可能な弁機構部4と、少なくとも液面検出部3が液面Muを検出したなら弁機構部4を開閉制御する制御系5を備える乳量計1を構成するに際して、円筒状に形成した周面部2fにおける縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部2sdを形成し、この括れ部2sdの内周面を流出口2eとした計量容器部2を備えるとともに、流出口2eの下流側に、流出口2eから流出する乳Mを貯留可能な気液混合緩衝室Rdを備え、括れ部2sdの上に位置する当該計量容器部2における計量室Rmの下面部Rmdを、周面部側が上になる傾斜面にして当該下面部Rmdをテーパ面に形成し、他方、気液混合緩衝室Rdの底面部Rdd又は周面部から起立するとともに、内部に臨む上端部11uに設けて流出口2eから流出した乳Mの一部を採取する分取口10iを、流出口2eを形成する内周縁部2epの直下に位置させ、かつ下端口11dが外部に臨む分取筒11を有するサンプリング手段10を設けたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、気液混合緩衝室Rdは、弁機構部4の開閉により流出口2eから流出した少なくとも一回分の乳量を貯留可能な容積を有するとともに、所定流量Qf以下の流量により乳Mを流出させ、かつ計量容器部2の内部の空気Aに混合して送り出す送出口6fを有する乳送出口部6を設けることができる。また、分取筒11には、分取口10iの周りの一部を囲むことにより、流出口2eから流出する乳Mの一部を分取口10iに導く集流片部12を設けることができる。さらに、分取筒11には、分取口10iにより乳Mを採取する際に当該分取筒11の内部の空気Aを当該分取筒11の外部に排出可能な排気口11rを設けることができる。この排気口11rは、分取口10iに対して連続形成してもよいし、分取口10iに対して非連続となるように別途形成してもよい。
一方、計量容器部2には、周面部2fの縦方向中間部の少なくとも二個所に括れ部2su,2sdを形成することにより、最下部の括れ部2sdよりも下側を気液混合緩衝室Rd、最下部の括れ部2sdとこの括れ部2sdの上に位置する次段の括れ部2su間を計量室Rm、当該次段の括れ部2suよりも上側を気液分離室Rsにそれぞれ構成し、かつ最下部の括れ部2sdの内周面を流出口2eとし、次段の括れ部2suの内周面を中間口2mとするとともに、中間口2mを開閉可能な第一バルブ4u及び流出口2eを開閉可能な第二バルブ4dを有する弁機構部4を設けることができる。さらに、この弁機構部4は、流出口2e及び中間口2mに挿通し、上端口13uを気液分離室Rsの上端に臨ませ、かつ下端口13dを気液混合緩衝室Rdの内部に臨ませることにより、気液分離室Rsと気液混合緩衝室Rdを連通させるパイプシャフト13と、このパイプシャフト13の上端を支持し、かつ当該パイプシャフト13を昇降させる弁駆動部14と、計量室Rm内に位置するパイプシャフト13の外周面13f上側に設けた第一バルブ4u及び外周面13f下側に設けた第二バルブ4dとを備えて構成できる。また、パイプシャフト13の下端には、流出口2eから流出した乳Mが乳送出口部6に直接入らないようにするための傘形カバー13cを設けることができる。なお、計量室Rmの内周面,パイプシャフト13の外周面,傘形カバー13cの外周面,の少なくとも一つ以上に、周方向に所定間隔で配するとともに、軸方向に沿い、かつ径方向に向けて所定幅だけ突出させた複数の整流片部15…,16…を設けることもできる。
このような構成を有する本発明に係る乳量計1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 円筒状に形成した周面部2fにおける縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部2sdを形成し、括れ部2sdの内周面の下方に、流出口2eから流出した乳Mの一部を採取する分取口10iを配し、この分取口10iから採取した乳Mを計量容器部2の外部に導くサンプリング手段10を備えるため、このサンプリング手段10は、乳量計1の構造及び機能の一部をそのまま利用して構成できる。したがって、サンプリング手段10を乳量計1の内部に配することができ、乳量計1の大型化を回避できるとともに、低コストに実施することができる。
(2) 流出口2eの下流側に、流出口2eから流出する乳Mを貯留可能な気液混合緩衝室Rdを設けたため、最下部に位置する気液混合緩衝室Rdにサンプリング手段10を一体化できる。これにより、実施の容易化を図れるとともに、更なるコストダウンに寄与できる。特に、好適な態様により、気液混合緩衝室Rdを、弁機構部4の開閉により流出口2eから流出した少なくとも一回分の乳量を貯留可能な容積を有するとともに、所定流量Qf以下の流量により乳Mを流出させ、かつ計量容器部2の内部の空気Aに混合して送り出す送出口6fを有する乳送出口部6を設けて構成すれば、弁機構部4の開時に発生する乳Mによる送乳路(ミルクチューブ等)の一時的な閉塞状態が回避されるため、送乳ラインLm内の圧力変動(圧力衝撃)が乳頭に付加される不具合を排除でき、乳牛Cに対する無用なストレス要因の解消、更には乳頭に雑菌が入り込むことによる乳房炎等の発生を解消できるとともに、気泡の無用な発生の抑制、更には安定したバランスのよい送乳の確保を実現できる。
(3) 気液混合緩衝室Rdの底面部Rdd又は周面部から起立するとともに、内部に臨む上端部11uに設けて流出口2eから流出した乳Mの一部を採取する分取口10iを、流出口2eを形成する内周縁部2epの直下に位置させ、かつ下端口11dが外部に臨む分取筒11を有するサンプリング手段10を設けたため、気液混合緩衝室Rdの底面部Rdd又は周面部に、比較的単純形状となる単一部品の追加により実施できる。これにより、サンプリング手段10の小型化及びコストダウンを図る観点から最適な形態により実施できるとともに、耐久性及び省エネルギ性にも貢献できる。
(4) 好適な態様により、分取筒11に、分取口10iの周りの一部を囲むことにより、流出口2eから流出する乳Mの一部を分取口10iに導く集流片部12を設ければ、乳量計1が傾斜状態にあっても、集流片部12により流出口2eから流出する乳Mに対して、一定量以上の乳Mを効率的かつ安定に受け取ることができ、採取不足となる不具合を回避できる。
(5) 好適な態様により、分取筒11に、分取口10iにより乳Mを採取する際に当該分取筒11の内部の空気Aを当該分取筒11の外部に排出可能な排気口11rを設ければ、排気口11rを通して分取筒11の内部の空気Aを外部に排出できるため、分取口10iの開口面積が小さい場合であっても乳Mを安定かつ確実に採取できる。
(6) 好適な態様により、排気口11rを、分取口10iに対して連続形成すれば、開口の形成は一個所で足りるため、容易に実施できるとともに、排気口11rを、分取口10iに対して非連続となるように別途形成すれば、排気口11rの形成場所を任意に選択できるため、設計自由度を高めることができるとともに、排気口11rに対する乳Mの流入などを回避することができる。
(7) 好適な態様により、計量容器部2に、周面部2fの縦方向中間部の少なくとも二個所に括れ部2su,2sdを形成することにより、最下部の括れ部2sdよりも下側を気液混合緩衝室Rd、最下部の括れ部2sdとこの括れ部2sdの上に位置する次段の括れ部2su間を計量室Rm、当該次段の括れ部2suよりも上側を気液分離室Rsにそれぞれ構成し、かつ最下部の括れ部2sdの内周面を流出口2eとし、次段の括れ部2suの内周面を中間口2mとするとともに、中間口2mを開閉可能な第一バルブ4u及び流出口2eを開閉可能な第二バルブ4dを有する弁機構部4を設ければ、計量室Rm内の乳Mを気液混合緩衝室Rd内に速やかに流出できるため、計量時間の短縮による計量の効率化に寄与できるとともに、計量室Rmと気液混合緩衝室Rdを連携させた最適な態様により実施可能となり、気液混合緩衝室Rdの有する機能の有効性及び確実性をより高めることができる。
(8) 好適な態様により、弁機構部4を、流出口2e及び中間口2mに挿通し、上端口13uを気液分離室Rsの上端に臨ませ、かつ下端口13dを気液混合緩衝室Rdの内部に臨ませることにより、気液分離室Rsと気液混合緩衝室Rdを連通させるパイプシャフト13と、パイプシャフト13の上端を支持し、かつパイプシャフト13を昇降させる弁駆動部14と、計量室Rm内に位置するパイプシャフト13の外周面13f上側に設けた第一バルブ4u及び外周面13f下側に設けた第二バルブ4dとを備えて構成すれば、パイプシャフト13を、バルブ駆動用シャフトと空気抜き用パイプの双方に兼用できるとともに、さらに、第一バルブ4uと第二バルブ4dのバルブ駆動用シャフトにも兼用できるため、弁機構部4における構成の簡略化,低コスト化及び小型化に寄与できる。
(9) 好適な態様により、パイプシャフト13の下端に、流出口2eから流出した乳Mが乳送出口部6に直接入らないようにするための傘形カバー13cを設ければ、流出口2eから流出した乳Mが乳送出口部6に直接入る不具合を回避できるため、流出口2eから流出した全ての乳Mを気液混合緩衝室Rdに一旦貯留し、乳送出口部6から少しずつ送り出す機能を確実に実行できる。
(10) 好適な態様により、計量室Rmの内周面,パイプシャフト13の外周面,傘形カバー13cの外周面,の少なくとも一つ以上に、周方向に所定間隔で配するとともに、軸方向に沿い、かつ径方向に向けて所定幅だけ突出させた複数の整流片部15…,16…を設ければ、乳量計1が傾斜状態にあっても、整流片部15…,16…により、流出口2eから流出する乳Mが整流(規制)されるため、乳Mの流れが一方に片寄りにくくなり、スムースに気液混合緩衝室Rdへ流入させることができるとともに、分取口10iへ効率的かつ安定に導くことができ、採取が過不足となる不具合を回避できる。
本発明の好適実施形態に係る乳量計の全体を示す側面断面図、 同乳量計の気液混合緩衝室に設ける分取筒及び緩衝筒の斜視図、 同乳量計の計量室の位置で横断した平面断面図、 同乳量計の一部であって弁機構部における第一バルブ及び第二バルブを上昇させた状態を示す側面断面図、 同乳量計をティートカップ自動離脱装置の背面に取付けた状態を示す外観側面図(同乳量計の洗浄及び殺菌時の系統図(仮想線)を含む)、 同乳量計における制御系の全体構成図、 同乳量計の使用説明図、 同乳量計の動作説明用のフローチャート、 同乳量計の動作説明用の模式図、 本発明の第一変更実施形態に係る乳量計の一部を示す側面断面図、 同乳量計の計量室の位置で横断した破断部分を含む平面断面図、 本発明の第二変更実施形態に係る乳量計の一部を示す側面断面図、 同乳量計に用いる分取筒の外観斜視図、 本発明の第三変更実施形態に係る乳量計の一部を示す側面断面図、 同乳量計に用いる分取筒の一部破断部分を含む外観平面図、 本発明の第四変更実施形態に係る乳量計に用いる緩衝筒の斜視図、 本発明の第五変更実施形態に係る乳量計の一部を示す側面断面図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る乳量計1の構成について、図1〜図7を参照して具体的に説明する。
図1は、乳量計1における乳量計本体1mを示す。2は計量容器部であり、透明又は半透明のプラスチック或いはガラス等の素材より全体を円筒状に形成するとともに、周面部2fにおける縦方向中間部の所定位置に、上下二つの括れ部2su,2sd、即ち、最下部の括れ部2sdと、この括れ部2sdの上に位置する次段の括れ部2suを形成する。これにより、括れ部2suよりも上側が気液分離室Rs、括れ部2suと括れ部2sd間が計量室Rm、括れ部2sdよりも下側が気液混合緩衝室Rdになるとともに、括れ部2suの内周面が気液分離室Rsと計量室Rm間を連通させる中間口2mになり、括れ部2sdの内周面が計量室Rmと気液混合緩衝室Rd間を連通させる流出口2eになる。この場合、計量室Rmの容積は、例えば、200〔ミリリットル〕程度に選定できるとともに、気液混合緩衝室Rdの容積は、流出口2eから流出した少なくとも一回分の乳量を貯留可能な容積、例えば、計量室Rmの容積の1.5〜2倍(300〜400〔ミリリットル〕)程度に選定できる。なお、気液分離室Rsにおける周面部2fには、必要により追加的な一又は二以上の括れ部2suを形成しても良い。これにより、周面部2fにおける内周面の実質面積を拡大できるため、乳Mの流速を下げ、泡Mbの発生をより低減することができる。なお、計量容器部2は、複数の分割体を組合わせた構造に構成すれば、括れ部2su,2sdを設けた場合でも、計量容器部2における製造の容易化を図れるとともに、メンテナンス(洗浄,交換等)を容易かつ確実に行うことができる。
気液分離室Rsは、上端付近の周面部2fの外面から接線方向に突出し、上流側のミルクチューブ66を接続可能な流入口2iを備える。これにより、流入口2iから気液分離室Rsの内部に流入した乳Mは、気液分離室Rsにおける周面部2fの内壁面に沿って螺旋状に流れるため、乳Mが気液分離室Rsの内壁面を流れ落ちる際には、流速が小さくなり、乳量測定の誤差要因となる泡の発生や液面Muの波立ちが大きく低減される。また、結果的に乳量計1の小型コンパクト化にも寄与できる。
計量室Rmは、上面部Rmuを周面部側が下になる傾斜面に形成するとともに、下面部Rmdを周面部側が上になる傾斜面に形成する。これにより、計量室Rmの内部は上下がテーパ面に囲まれる形状となるため、計量室Rmに乳Mが貯留される際に計量容器部2(乳量計本体1m)が傾斜した状態であっても空気Aの層が発生することがないとともに、計量室Rmから乳Mが排出される際に計量容器部2(乳量計本体1m)が傾斜した状態であっても乳Mが残留することがなくなる。したがって、この傾斜面の傾斜角度は、実際の使用環境に対応して任意に選定することができる。通常、乳量計1(乳量計本体1m)の使用環境における傾斜角度は、大きくても15〔゜〕程度となるため、傾斜面の水平面に対する角度は、30〔゜〕程度に選定すれば、実用上は十分となる。
このように、上面部Rmuを周面部側が下になる傾斜面に形成し、かつ下面部Rmdを周面部側が上になる傾斜面に形成した計量室Rmを設ければ、実際の使用環境(設置環境)において、乳量計1が傾斜する場合であっても傾斜により発生する測定誤差を排除でき、精度の高い乳量測定を行うことができる。また、ステーにフックを介して吊下げることにより搾乳中に大きく揺れることも多いティートカップ自動離脱装置などにも付設可能になるなど、使用環境(設置環境)の範囲(用途)を飛躍的に拡大することができ、汎用性及び利便性を高めることができる。しかも、ミルクチューブ等の配管の引き回しを少なくできるとともに、可搬式(移動式)として使用することもできる。
さらに、計量室Rmの周面部における内面には、図3に示すように、周方向に90〔゜〕間隔で配した四つの整流片部15…を一体形成する。この場合、各整流片部15…は、計量室Rmの軸方向に沿い、かつ径方向内方に向けて所定幅だけ突出させる。このような整流片部15…を設けることにより、乳量計1が傾斜状態にあっても、流出口2eから乳Mが流出する際に整流片部15…により整流(規制)されるため、乳Mの流れが一方に片寄りにくくなり、スムースに気液混合緩衝室Rdへ流入させることができる。また、整流片部15…により、流出口2eから流出する乳Mを、後述する分取口10iへ効率的かつ安定に導くことができる。なお、計量室Rmの下部、即ち、下面部Rmdの中央に設けられる流出口2eは、流入口2iから流入する乳Mの単位時間当たりの流量を考慮し、計量室Rm内の乳Mが所定時間Te以内に排出される径を選定する。
他方、計量容器部2の内部には弁機構部4を配設する。弁機構部4は、流出口2e及び中間口2mに挿通し、上端口13uを気液分離室Rsの上端に臨ませ、かつ下端口13dを気液混合緩衝室Rdに臨ませることにより、気液分離室Rsと気液混合緩衝室Rdを連通させるパイプシャフト13と、このパイプシャフト13の上端を支持し、かつ当該パイプシャフト13を昇降させる弁駆動部14と、計量室Rm内に位置するパイプシャフト13の外周面13f上側に設けた第一バルブ4u及び外周面13f下側に設けた第二バルブ4dを備える。第一バルブ4u及び第二バルブ4dは、いずれもゴム等の弾性素材により形成する。23は第一バルブ4uと第二バルブ4dをパイプシャフト13の外周面13fに固定するための固定部材である。これにより、第一バルブ4uは計量室Rmと気液分離室Rs間の中間口2mを開閉可能となり、第二バルブ4dは計量室Rmと気液混合緩衝室Rd間の流出口2eを開閉可能となる。このような構成の弁機構部4を設ければ、パイプシャフト13をバルブ駆動用シャフトと空気抜き用パイプの双方に兼用できるとともに、さらに、第一バルブ4uと第二バルブ4dの双方に対するバルブ駆動用シャフトにも兼用できるため、構成の簡略化,低コスト化及び小型化に寄与できる利点がある。
また、弁駆動部14は、パイプシャフト13の上端を支持部材25を介して支持し、かつ気液分離室Rsを閉塞、即ち、計量容器部2の上面部2uに設けた円形の開口部2uhを閉塞して気液分離室Rsの上面部Rsuを形成するダイヤフラム部26と、気液分離室Rsに対して反対側でダイヤフラム部26に臨ませた切換室部Rcを備える。この切換室部Rcは、後述する制御系5(図6)の制御により真空圧又は大気圧に切換えられる。なお、27は切換室部Rcから突出する接続口を示す。さらに、ダイヤフラム部26は、上下に離間した第一ダイヤフラム26uと第二ダイヤフラム26dにより構成し、安定した昇降変位を実現させているとともに、支持部材25は、パイプシャフト13の上端口13uを閉塞しない形態で形成することにより、第二ダイヤフラム26dの中央下面に結合する。このような構成の弁駆動部14を設ければ、搾乳機64(図7)に使用される真空圧(真空ライン)を利用できるため、構成の簡略化による低コスト化及び小型化に寄与できる利点がある。
このように、本実施形態に係る乳量計1では、計量容器部2に、周面部2fの縦方向中間部の少なくとも二個所に括れ部2su,2sdを形成することにより、最下部の括れ部2sdよりも下側を気液混合緩衝室Rd、最下部の括れ部2sdとこの括れ部2sdの上に位置する次段の括れ部2su間を計量室Rm、当該次段の括れ部2suよりも上側を気液分離室Rsにそれぞれ構成し、かつ最下部の括れ部2sdの内周面を流出口2eとし、次段の括れ部2suの内周面を中間口2mとするとともに、中間口2mを開閉可能な第一バルブ4u及び流出口2eを開閉可能な第二バルブ4dを有する弁機構部4を設けたため、計量室Rm内の乳Mを気液混合緩衝室Rd内に速やかに流出させることができ、計量時間の短縮による計量の効率化に寄与できるとともに、計量室Rmと気液混合緩衝室Rdを連携させた最適な態様により実施可能となり、気液混合緩衝室Rdの有する機能の有効性及び確実性をより高めることができる利点がある。
一方、気液混合緩衝室Rdは、上面部Rduを周面部側が下になる傾斜面に形成するとともに、底面部Rddを周面部側が上になる傾斜面に形成し、基本的な形態は計量室Rmと同じになる。したがって、気液混合緩衝室Rdの内部は上下がテーパ面に囲まれる形状となり、気液混合緩衝室Rdから乳Mが送出される際には計量容器部2(乳量計本体1m)が傾斜した状態であっても乳Mが残留することがなくなる。
他方、気液混合緩衝室Rdには、所定流量(第一流量)Qf以下の流量により乳Mを流出させ、かつパイプシャフト13から流入した気液分離室Rsの空気Aに混合して送り出す送出口(第一送出口)6fを有する乳送出口部6を設ける。この場合、より望ましくは、乳送出口部6に、気液混合緩衝室Rdに貯留された乳量が所定量以下のときに第一流量Qf以下の流量により乳Mを送り出す第一送出口6f及び貯留された乳量が所定量を越えたときにQr以上の流量により乳Mを送り出す第二送出口6sを設け、Qf<Qrの条件を満たすように設定する。計量容器部2の下面部2dは、気液混合緩衝室Rdの底面部Rddとなるため、乳送出口部6は、この底面部Rddの中央から起立する円筒形の緩衝筒7により設けることができる。この緩衝筒7は、上端口7uが内部に臨むとともに、下端口7d側は底面部Rddから下方に突出して外部に臨む。
これにより、緩衝筒7の上端口7uを、乳送出口部6の第二送出口6sとして機能させることができるとともに、緩衝筒7の周面部に、上端から軸方向に沿って底面部Rddの位置に至る一つのスリット部7sを形成することにより、乳送出口部6の第一送出口6fとして機能させることができる。したがって、第一送出口6fは、貯留された乳Mの液面Muが緩衝筒7の上端口7uの高さ以下の乳Mが流出、即ち、貯留された乳量が所定量以下のときに第一流量Qf以下の流量により乳Mが流出する。この際、第一流量Qf以下の流量は、スリット部7sの開口面積により設定可能であり、スリット部7sの幅は、流出口2eから流入する任意の流入時における乳Mの全量が次の流入時までに少なくとも全て送出できる開口面積を設定する。例示の形態では、スリット部7sの幅を緩衝筒7の直径(内径)の1/N以下、望ましくは1/6以下に選定できる。また、第二送出口6sは、貯留された乳Mの液面Muが緩衝筒7の上端口7uの高さを越えた乳Mが流出、即ち、貯留された乳量が所定量を越えたときにQr以上の流量により乳Mが流出する。この際、Qr以上の流量は、緩衝筒7における円形の上端口7uの開口面積により設定できる。
このように、乳送出口部6を設けるに際しては、気液混合緩衝室Rd内に緩衝筒7を追加的に設ければ足りるため、容易かつ低コストに実施できる。また、気液混合緩衝室Rdに、所定流量Qf以下の流量により乳Mを流出させ、かつ計量容器部2の内部の空気Aに混合して送り出す送出口6fを有する乳送出口部6を設ければ、弁機構部4の開時に発生する乳Mによる送乳路(ミルクチューブ等)の一時的な閉塞状態が回避されるため、送乳ラインLm内の圧力変動(圧力衝撃)が乳頭に付加される不具合を排除でき、乳牛Cに対する無用なストレス要因の解消、更には乳頭に雑菌が入り込むことによる乳房炎等の発生を解消できるとともに、気泡の無用な発生の抑制、更には安定したバランスのよい送乳の確保を実現できる。特に、乳送出口部6に、気液混合緩衝室Rdに貯留された乳量が所定量以下のときに第一流量Qf以下の流量により乳Mを送り出す第一送出口6f及び貯留された乳量が所定量を越えたときに第二流量Qr以上の流量により乳Mを送り出す第二送出口6rを設ければ、気液混合緩衝室Rdに乳Mが残留しているなどにより、気液混合緩衝室Rdに流入した乳Mの液面Muが、いわば限界レベルを超えた場合であっても、第二送出口6sにより一時的なオーバーフローを速やかに解消できる。
また、気液混合緩衝室Rdの内部に臨ませたパイプシャフト13の下端口13dは、緩衝筒7の上端口7uの真上に位置させるとともに、このパイプシャフト13の下端には、流出口2eから流出した乳Mが乳送出口部6、即ち、第一送出口6f及び第二送出口6sの双方に直接入らないようにするための傘形カバー13cを設ける。傘形カバー13cは、下方が広がるテーパ状に形成する。これにより、緩衝筒7の上端口7uの上方が傘形カバー13cにより覆われるため、流出口2eから流出した乳Mが乳送出口部6に直接入る不具合を回避でき、流出口2eから流出した全ての乳Mを気液混合緩衝室Rdに一旦貯留し、乳送出口部6から少しずつ送り出す機能を確実に実行できる。
さらに、傘形カバー13cの外側の周面には、図3に示すように、90〔゜〕間隔で配した四つの整流片部16…を一体形成する。各整流片部16…は、軸方向に沿い、かつ径方向外方に向けて所定幅だけ突出させる。各整流片部16…の周方向の位置は前述した各整流片部15…の位置に一致させることができる。このような整流片部16…を設けることにより、乳量計1が傾斜状態にあっても、流出口2eから乳Mが流出する際に整流片部16…により整流されるため、乳Mの流れが一方に片寄りにくくなり、スムースに気液混合緩衝室Rdへ流入させることができる。また、整流片部16…により、流出口2eから流出する乳Mを、後述する分取口10iへ効率的かつ安定に導くことができる。なお、整流片部15…と16…は、例示のように、双方を設けてもよいし、或いはいずれか一方を設けてもよい。
そして、流出口2eを形成する内周縁部2epの下方には、流出口2eから流出した乳Mの一部を採取する分取口10iを配し、この分取口10iから採取した乳Mを計量容器部2の外部に導くサンプリング手段10を設ける。サンプリング手段10の具体的な形態としては、図2に示すように、計量容器部2の下面部2dとなる気液混合緩衝室Rdの底面部Rddに一体に設けることにより、試料(乳M)を採取する分取筒11を用いることができる。この分取筒11は底面部Rddから起立し、下端口11dを外部に臨ませ、かつ上端部11uを内部に臨ませる。上端部11uは、図1に示すように、流出口2eの近傍に位置させ、かつ流出口2eを形成する内周縁部2epの直下に位置させるとともに、図3に示すように、前述した二つの整流片部16と16間の中央付近に位置させる。さらに、上端部11uは、図1に示すように、気液混合緩衝室Rdの上面部Rduの傾斜面に沿うように傾斜させ、上端部11uには、図3に示すように、気液混合緩衝室Rdの径方向に沿ったスリット状の分取口10iを形成する。このように、サンプリング手段10を設けるに際しては、計量容器部2の最下部に位置する気液混合緩衝室Rdに一体化できるため、実施の容易化を図れるとともに、コストダウンに寄与できる。
また、分取筒11の下端口11dは、下面部2dから下方に突出させ、サンプリングチューブ101を接続する接続口として形成する。これにより、図1に示すように、下端口11dにはサンプリングチューブ101の一端を接続できるとともに、サンプリングチューブ101の他端は、接続管102を介して試料容器100の容器口100iに接続することができる。
このように、サンプリング手段10に、気液混合緩衝室Rdの底面部Rdd又は周面部から起立し、上端部11uが内部に臨むことにより分取口10iとなり、かつ下端口11dが外部に臨むことにより試料容器100側に対する接続口となる分取筒11を用いれば、気液混合緩衝室Rdの底面部Rdd又は周面部に、比較的単純形状となる単一部品の追加により実施できるため、サンプリング手段10の小型化及びコストダウンを図る観点から最適な形態により実施できるとともに、耐久性及び省エネルギ性にも貢献できる。
一方、計量容器部2には、計量室Rmの上面部Rmuから上方に起立し、上端口28uを気液分離室Rsの上端に臨ませることにより計量室Rmと気液分離室Rsを連通させる給気筒部28を設ける。このような給気筒部28を設けることにより、計量室Rmの乳Mを流出口2eからスムースかつ迅速に流出させることができる。さらに、計量容器部2には、給気筒部28の内部に臨ませた液面検出部3を付設する。液面検出部3には、乳Mの抵抗により乳Mの存在を検出する上下に離間して配した三つの検出電極3a,3b,3c(3cは共通電極)を用いる。検出電極3a,3bは、乳Mが計量室Rmから気液分離室Rsに貯留される際に、乳Mの液面Mu、特に乳Mの泡Mbを除く液面Muが計量室Rmの上方となる所定位置を選定、望ましくは、図1に示すように、気液分離室Rsの下面部から所定高さまで貯留される位置を検出できるように選定する。このように、液面検出部3(検出電極3a,3b)を給気筒部28の内部に臨ませれば、無用な波立ちや泡立ち等の影響を回避した検出を行うことができる。また、液面検出部3に、検出電極3a…を用いれば、比較的な簡易な構造により低コストに実施できるとともに、乳Mの存在を確実に検出できる。
他方、図6は、乳量計本体1mに接続する制御系5を示す。制御系5は、各種制御処理及び演算処理等を行うコンピューティング機能を有するシステムコントローラ31を備える。したがって、システムコントローラ31に内蔵するシステムメモリには、乳量測定に係わる一連のシーケンス制御を実行するための制御プログラム31pを格納するとともに、後述する設定時間Ts等を含む各種設定データ31dが設定される。一方、システムコントローラ31の入力ポートには検出処理部32を接続するとともに、システムコントローラ31の制御出力ポートには電磁三方弁33を接続する。また、検出処理部32の入力部には、所定の接続ケーブル34を介して検出電極3a,3b,3cを接続する。この検出処理部32は、各検出電極3a,3bに所定の電圧を付与し、抵抗値変化を検出することにより、貯留される乳Mの液面Muを検出する機能を有する。
なお、システムコントローラ31は、液面検出信号Sa,Sbの大きさを判別することにより泡Mbの検出をキャンセルする検出キャンセル機能Fcを備える。即ち、検出処理部32からは検出電極3aと3c間の抵抗値に対応する液面検出信号Saと検出電極3bと3c間の抵抗値に対応する液面検出信号Sbが出力し、システムコントローラ31に付与される。この場合、検出電極3aと3b間に乳Mの液体部分が存在すれば、検出電極3aは泡Mbを含む抵抗値を検出し、検出電極3bは乳Mの液体部分のみの抵抗値を検出するが、泡Mbを含む抵抗値と乳Mの液体部分のみの抵抗値は異なるため、システムコントローラ31は、各抵抗値を比較し、抵抗値間の差が所定の大きさ以上のときは、検出電極3aと3b間に液面Muが存在するものと判断し、検出キャンセル機能Fcにより検出を無効にする。
このように構成する制御系5は、少なくとも上述した液面検出部3の検出電極3aが液面Muを検出したなら弁機構部4を制御、即ち、第一バルブ4uを閉じ、かつ第二バルブ4dを開くとともに、所定の復帰条件に従って第一バルブ4uを開き、かつ第二バルブ4dを閉じる機能を備えている。
また、切換室部Rcから突出する接続口27は、真空チューブ35を介して電磁三方弁33のコモンポート33oに接続し、さらに、電磁三方弁33の一方の分岐ポート33aは真空チューブ(真空ポンプ)41に接続するとともに、電磁三方弁33の他方の分岐ポート33bは大気に開放する。これにより、電磁三方弁33を切換制御することにより、上述した切換室部Rcを真空状態又は大気状態に切換えることができる。
一方、第一バルブ4uを閉じ、かつ第二バルブ4dを開いた後、第一バルブ4uを開き、かつ第二バルブ4dを閉じるための所定の復帰条件には、予め設定した設定時間Tsが経過すること,又は流出口2eからの乳Mの排出終了を検出すること,を用いることができる。本実施形態では、予め設定した設定時間Tsが経過することを復帰条件として設定した。この場合、設定時間Tsは、前述した所定時間Teよりも長くなるように設定する。このように、所定の復帰条件として、予め設定した設定時間Tsが経過することにより、第一バルブ4uを開き、かつ第二バルブ4dを閉じる制御を採用すれば、部品点数が少なくなり制御の容易化を図れるため、低コストに実施できる。他方、所定の復帰条件として、流出口2eからの乳Mの排出終了を検出することにより、第一バルブ4uを開き、かつ第二バルブ4dを閉じる制御を行うこともできる。この場合、例えば、流出口2eに前述した検出電極3a…からなる液面検出部3と同様の検出部を付設すればよい。所定の復帰条件として、流出口2eからの乳Mの排出終了を検出することにより、第一バルブ4uを開き、かつ第二バルブ4dを閉じる制御を用いれば、速やかに復帰できるため、計量時間が短くなり効率的な計量を行うことができる。
次に、本実施形態に係る乳量計1の使用方法及び動作(機能)について、図1〜図8を参照して説明する。
乳量計1における乳量計本体1mは、図5に示すように、ティートカップ自動離脱装置51の背面に取付けることができる。この場合、ティートカップ自動離脱装置51は、前述した制御系5におけるコントローラ31,検出処理部32及び電磁三方弁33を内蔵する。なお、ティートカップ自動離脱装置51は、外部ケーシングを有する装置本体52と、この装置本体52の上面から上方に突出したフック53と、装置本体52の下面から突出したワイヤガイドパイプ54を有し、このワイヤガイドパイプ54の下端から離脱ワイヤ55(図7)が繰り出される。この離脱ワイヤ55の先端は、四つのティートカップ61c…を有するミルククロー61に接続する。したがって、装置本体52の内部には離脱ワイヤ55を巻取る巻上機構を備えている。
他方、図7は、乳量計1を使用する搾乳システムWの一例を示す。この搾乳システムWは、レール62に沿って移動する搬送機63を備えており、この搬送機63に搾乳機64を搭載する。また、搬送機63に有するアームステー65にはフック53を引掛けることによりティートカップ自動離脱装置51を吊下げる。図7は、乳牛Cに対して搾乳機64により搾乳している状態を示し、乳牛Cには四つのティートカップ61c…が装着されている。搾乳システムWでは、搾乳時に、ティートカップ61c…により搾乳された生乳(乳M)がミルククロー61からミルクチューブ66を介して乳量計本体1mの流入口2iに供給される。そして、乳量計本体1mを通過した乳Mは排出口2tからミルクチューブ67を介してミルクパイプ68に送られる。したがって、このミルクチューブ66と67が乳量計1を接続する送乳ラインLmとなる。なお、70は真空パイプ、41は真空パイプ70側とティートカップ自動離脱装置51を接続する真空チューブ(図6)、72はティートカップ自動離脱装置51とティートカップ61c…を接続する真空チューブをそれぞれ示す。また、前述したように、各検出電極3a…は接続ケーブル34(図6)を介してティートカップ自動離脱装置51(検出処理部32)側に接続するとともに、切換室部Rc(接続口27)は、真空チューブ35(図6)を介してティートカップ自動離脱装置51(電磁三方弁33の分岐ポート33a)側に接続する。
以下、搾乳時における乳量計1の動作について、図9を参照しつつ図8に示すフローチャートに従って説明する。
搾乳時(計量時)には、送乳ラインLmにおけるミルクチューブ66に搾乳された乳Mが間欠的に送られるため、乳Mは流入口2iから計量容器部2の内部に流入する(ステップS1)。なお、流入初期では第一バルブ4u及び第二バルブ4dは下降位置にあり、中間口2mは開き、かつ流出口2eは閉じている。そして、流入した乳Mは、図9(a)に実線矢印で示すように、気液分離室Rsにおける周面部2fの内壁面に沿って螺旋状に流れる。これにより、良好な気液分離(遠心分離)が行われるとともに、気液分離室Rsの内壁面を乳Mが流れ落ちる際に、流速が小さくなり、乳量測定の誤差要因となる泡Mbの発生や液面Muの波立ちが大きく低減される。この際、分離された空気Aは点線矢印で示すように、パイプシャフト13の内部を通って気液混合緩衝室Rdの内部に流入するとともに、空気Aの分離された乳Mは、中間口2mを通って計量室Rmに流入し、当該計量室Rmに貯留される(ステップS2)。図9(a)はこの状態を示している。
乳Mの流入が進むに従って貯留される乳Mの液面Muは上昇する。そして、検出電極3bの位置まで上昇すれば、検出電極3bと3c間がON状態となる。ところで、液面Muの上には、通常、少なからず泡Mbが存在するため、図9(b)に示すように、液面Muが検出電極3aと3b間に位置した際には、検出電極3aが泡Mbに浸かる状態も発生する。この場合、検出電極3aと3c間の抵抗値を示す液面検出信号Saは検出電極3bと3c間の抵抗値を示す液面検出信号Sbよりも大きくなるため、検出電極3aと3c間はON状態とは見做されず、検出キャンセル機能Fcにより検出はキャンセルされる。これにより、泡Mbによる誤差要因が排除され、より正確で安定した乳量測定を行うことができる。
これに対して、さらに液面Muが上昇し、図9(c)に示すように、検出電極3aが乳Mに浸かる位置まで液面Muが上昇すれば、検出電極3a及び3bの双方が乳Mに浸かるため、液面検出信号SaとSbの偏差が一定許容範囲内になる。したがって、システムコントローラ31は、液面Muが正式に検出電極3aの高さまで上昇したものと判断し、バルブ切換信号Scを電磁三方弁33に付与する。これにより、電磁三方弁33が切換えられ、切換室部Rcに真空圧(負圧)が付与される(ステップS3,S4)。この結果、図9(c)に示すように、ダイヤフラム部26は上方へ変位し、さらに第一バルブ4u及び第二バルブ4dも上昇位置へ変位するため、中間口2mが閉じ、かつ流出口2eが開く(ステップS5)。
これにより、計量室Rm内の乳Mは流出口2eを通って気液混合緩衝室Rdに流入する(ステップS6)。この際、計量室Rm内の乳Mが所定時間Te以内に流出するように流出口2eの径が選定されるため、計量室Rm内の乳Mは速やかに流出する。また、この際、乳量計1が傾斜状態にあっても、流出口2eから乳Mが流出する際に整流片部15…及び16…により整流されるため、乳Mの流れが一方に片寄りにくくなり、スムースに気液混合緩衝室Rdに流入させることができる。なお、流出口2eから流れ出た乳Mは、傘形カバー13cの機能により気液混合緩衝室Rdの周面側に流れ落ちるため、乳Mが乳送出口部6、即ち、第一送出口6f及び第二送出口6sに直接入る不具合は回避されるとともに、通常の搾乳では、気液混合緩衝室Rdに貯留される乳Mの液面Muが緩衝筒7の上端口7u(第二送出口6s)を超えることがないように設定されるため、流出口2eから流出した乳Mは全て気液混合緩衝室Rdに一旦貯留され、第一送出口6fから送出されることになる。そして、気液混合緩衝室Rd内の乳Mは、図9(c)に示すように、スリット7sを通して緩衝筒7の内部に流出し、上端口7uからの空気Aと混合することにより、緩衝筒7の下端口7d(排出口2t)を通して下流側のミルクチューブ67に送出される。この場合、スリット7sの開口面積は第一流量Qf以下の流量により乳Mが流出するように設定されるため、緩和された小流量により少しずつ送出される。
したがって、流出口2eの開時に発生する乳Mによる送乳路(ミルクチューブ等)の一時的な閉塞状態が回避される。これにより、送乳ラインLm内の圧力変動(圧力衝撃)が乳頭に付加される不具合を排除できるため、乳牛Cに対する無用なストレス要因の解消、更には乳頭に雑菌が入り込むことによる乳房炎等の発生を解消できるとともに、計量容器部2から流出した空気Aに対して乳Mを少しずつ送出できるため、気泡の無用な発生の抑制、更には安定したバランスのよい送乳の確保を実現できる。
さらに、図9(c)に示すように、流出口2eから流れ出た乳Mの一部は分取筒11の上端部11uに設けた分取口10iから採取され、分取筒11及びサンプリングチューブ101及び接続管102を通して試料容器100に供給される。この際、乳量計1が傾斜状態にあっても、流出口2eから乳Mが流出する際に整流片部15…及び16…により整流(規制)されるため、乳Mの流れが一方に片寄りにくくなり、流出口2eから流出する乳Mに対して、一定量以上の乳Mを分取口10iへ効率的かつ安定に導くことができ、乳Mの採取に対する過不足を回避できる。
このように、本実施形態に係る乳量計1は、円筒状に形成した周面部2fにおける縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部2sdを形成し、括れ部2sdの内周面の下方に、流出口2eから流出した乳Mの一部を採取する分取口10iを配し、この分取口10iから採取した乳Mを計量容器部2の外部に導くサンプリング手段10を備えるため、このサンプリング手段10は、乳量計1の構造及び機能の一部をそのまま利用して構成できる。したがって、サンプリング手段10を乳量計1の内部に配することができ、乳量計1の大型化を回避できるとともに、低コストに実施することができる。特に、乳量計1の機能の一部をそのまま利用することができる。即ち、サンプリングのタイミングは、弁機構部4の開時のタイミングにより行われるため、サンプリングのための弁機構は不要となり、乳量計1の本体に対して、前述した分取筒11を追加するのみで、搾乳の開始から終了までの搾乳期間において所定の時間間隔毎に少量ずつ採取可能となり、乳Mの全量に対して平均的な乳Mを採取することができる。
一方、計量室Rmの乳Mが気液混合緩衝室Rdに流入する際に、気液混合緩衝室Rdに乳Mが残留しているなどにより、気液混合緩衝室Rdに流入した乳Mの液面Muが緩衝筒7の上端口7uの高さを一時的に超えてしまった場合には、第二送出口6sからQr以上の流量により乳Mが緩衝筒7の内部に流入する。この場合、第二送出口6sは、緩衝筒7の上端口7uとなるため、大流量により速やかに流出され、一時的なオーバーフローが解消される。そして、乳Mの液面Muが緩衝筒7の上端口7uの高さ以下になった時点で第二送出口6sからの流出は停止し、第一送出口6fのみから流出する正常な状態に復帰する。
また、バルブ切換信号Scが出力した後、予め設定した設定時間Tsが経過すれば、システムコントローラ31は、バルブ復帰信号Srを電磁三方弁33に付与する。これにより、電磁三方弁33が切換えられ、切換室部Rcに付与する真空圧が解除されるため、切換室部Rcは大気圧に復帰する(ステップS8,S9)。この結果、ダイヤフラム部26は下方へ変位し、図9(d)に示すように、第一バルブ4u及び第二バルブ4dも下降位置に復帰する。そして、中間口2mは開き、かつ流出口2eは閉じるため、気液分離室Rs内の乳Mは、中間口2mを通って計量室Rm内に流入する(ステップS10)。この後、搾乳が終了するまで、以上の動作(処理)が繰り返される(ステップS11,S1…)。なお、システムコントローラ31では、計量室Rmにより計量した回数をカウントすることにより全乳量、更には流量(速度)等を演算処理により求める。
一方、本実施形態に係る乳量計1は、次のように洗浄及び殺菌を行うことができる。乳量計1を洗浄及び殺菌する際における系統図を図5に仮想線で示す。乳量計1を洗浄及び殺菌する際には、搾乳機64を所定の洗浄エリアに移動させ、乳量計1の排出口2t(ミルクチューブ67)側をミルクパイプ68に接続するとともに、ティートカップ61c…を洗浄液(殺菌液)が収容された洗浄液槽200に浸す。そして、搾乳機64を運転させれば、自動洗浄モードが実行されるため、予め設定された洗浄プログラムに従って自動洗浄が行われる。自動洗浄時には、洗浄液槽200の洗浄液(殺菌液)が、ティートカップ61c…から吸入され、ミルククロー61及びミルクチューブ66等を経由して乳量計1の流入口2iから気液分離室Rsに流入する。この際、弁機構部4により中間口2mを閉じる動作モードにすれば、洗浄液により気液分離室Rsが洗浄されるとともに、洗浄液は、気液分離室Rsに貯留された後、給気筒部28の上端口28uから排出される。また、上端口28uから排出された洗浄液により、計量室Rm、気液混合緩衝室Rd、分取筒11等が洗浄され、この後、洗浄液は排出口2tから排出されるとともに、排出された洗浄液は、ミルクチューブ67及びミルクパイプ68等を経由して洗浄液槽200に戻される。他方、弁機構部4により中間口2mを開く動作モードにすれば、洗浄液を気液分離室Rsと計量室Rmに満たした状態に維持することができる。なお、弁機構部4により中間口2mを閉じる動作モード時には、液質(洗浄状態)を測定することができる。したがって、気液分離室Rsには、検出電極3a,3b,3cに加え、予め温度センサやpHセンサ等を付設する。洗浄(殺菌)には、すすぎ工程,アルカリ洗浄工程,酸リンス工程が含まれており、各工程の処理時間と動作モード等を組合わせた洗浄パターンが実行される。
他方、図10〜図17には、本発明の各種変更実施形態に係る乳量計1…を示す。図10及び図11は第一変更実施形態に係る乳量計1を示す。この乳量計1は、分取筒11に、分取口10iの周りの一部を囲むことにより、流出口2eから流出する乳Mの一部を分取口10iに導く集流片部12を設たものである。この場合、集流片部12は、半円筒形に形成して気液混合緩衝室Rdの中心側に配するとともに、上端の高さは流出口2eを形成する内周縁部2ep付近まで起立させる。この際、集流片部12における流出口2eの内周面に干渉する部分は切欠き形成する。これにより、乳量計1が傾斜状態にあっても、集流片部12により流出口2eから流出する乳Mに対して、一定量以上の乳Mを効率的かつ安定に受け取ることができ、採取不足となる不具合を回避できる。
この集流片部12は、乳量計1の傾斜状態に対する対策として設けたものであるため、このような集流片部12を設ける場合には、前述した整流片部15…及び16…を省略することができる。したがって、図10及び図11は整流片部15…及び16…を省略した場合を示している。なお、集流片部12を設けることに加え、整流片部15…及び/又は16…を一緒に設けてもよい。これにより、乳量計1が傾斜状態にあっても、流出口2eから流出する乳Mを分取口10iに対して確実に導くという効果をより高めることができ、採取が過不足となる不具合を回避する効果をより高めることができる。その他、図10及び図11において、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図12及び図13は第二変更実施形態に係る乳量計1を示す。この乳量計1は、分取筒11に、分取口10iにより乳Mを採取する際に、当該分取筒11の内部の空気Aを当該分取筒11の外部に排出可能な排気口11rを設けたものである。この場合、排気口11rは、図13に示すように、上端傾斜面11ufに形成したスリット状の分取口10iの下端を、さらに下方まで延ばし、分取筒11の周面部にわたって連続形成した。このような排気口11rを設ければ、この排気口11rを通して分取筒11の内部の空気Aを外部に排出できるため、分取口10iの開口面積が小さい場合であっても乳Mを安定かつ確実に採取できる。特に、排気口11rを分取口10iに対して連続形成すれば、開口の形成は一個所で足りるため、容易に実施できる。なお、図12において、空気Aの経路を点線矢印により、乳Mの経路を実線矢印により示した。その他、図12及び図13において、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図14及び図15に示す第三変更実施形態に係る乳量計1も、分取筒11に、分取口10iにより乳Mを採取する際に、当該分取筒11の内部の空気Aを当該分取筒11の外部に排出可能な排気口11rを設けたものであるが、第二変更実施形態に対して、排気口11rを、分取口10iに対して非連続となるように別途形成した点が異なる。第三変更実施形態も第二変更実施形態の場合と同様の基本的効果を享受できるとともに、特に、排気口11rを設ける位置(場所)を任意に選択できるため、設計自由度を高めることができるとともに、分取口10iとの干渉を回避、即ち、排気口11rから内部に乳Mが流入するのを回避できる利点がある。なお、図14及び図15において、12は、図10及び図11に示した集流片部12と同様の機能を有する集流片部を示す。その他、図14及び図15において、図1〜図3と同一部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図16には第四変更実施形態に係る乳量計1を示す。この第四変更実施形態に係る乳量計1は、特に、乳送出口部6の各種変更例を示す。図16(a)〜(d)はいずれも第一送出口6fを変更したものである。図16(a)は、図2に示す乳送出口部6の態様に加えて、切込状に形成した三つのスリット部7s…を追加したものであり、各スリット部7s…は上端口7uの縁部から軸方向へ所定長さ切込み形成するとともに、周方向へ90〔゜〕間隔で設ける。これにより、緩衝筒7における上部の流量が下部の流量に対して大きくなるため、例えば、気液混合緩衝室Rd内の乳Mが通常よりも多めのときに、多めの分を早めに流出させることができる。図16(b)は、図16(a)における切込状に形成した三つのスリット部7s…を追加する代わりに、図2に示したスリット部7sの上部を上広がりとなるV字形スリット7swに形成したものである。これにより、基本的な機能は図16(a)と同じになるが、気液混合緩衝室Rd内の乳Mが通常よりも多めのときに、多めの分を早めに流出できるとともに、液面Muが高くなるに従って流量をより大きくできる。図16(c)及び(d)は、図2に示す乳送出口部6の態様に対して全体を異ならせたものであり、緩衝筒7の上端口7uの縁部に四つのスリット部7s…を軸方向へ所定長さ切込み形成するとともに、周方向へ90〔゜〕間隔で設ける。また、緩衝筒7の周面部てあって底面部Rdd近傍に四つの孔部7h…を軸方向へ形成するとともに、周方向へ90〔゜〕間隔で設けたものであり、緩衝筒7の軸方向中間部分にはスリット部7s及び孔部7hのいずれも設けない。したがって、図2,図16(a)及び(b)の場合には、液面Muが低下するに従って流量も小さくなるが、図16(c)の場合には、緩衝筒7の軸方向中間部分においては、流量をほぼ一定にすることができる。図16(d)は、基本的な機能が図16(c)と同じになるが、各スリット部7s…及び各孔部7h…の長さを一部変更したものであり、液面Muの高さに対して流出させる乳Mの流量を設定し、乳送出口部6の最適化を図ることができる。
このように、スリット部7s…と孔部7h…の組合わせ、更にはその数量及び形状の組合わせにより、様々な送出態様(送出特性)を有する乳送出口部6を容易に設けることができる。この際、第一送出口6fを、緩衝筒7の周面部に形成した少なくとも一以上のスリット部7s…及び/又は孔部7h…を用いれば、スリット部7s…と孔部7h…の組合わせ、更にはその数量及び形状の組合わせにより、様々な送出態様(送出特性)を有する乳送出口部6を容易に設けることができるとともに、乳送出口部6を容易に最適化することができる。その他、図16において、図1及び図2と同一部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図17に示す第五変更実施形態に係る乳量計1は、括れ部2sd,2suの変更例を示す。図1に示した乳量計1は壁部が一定の厚さを有する計量容器部2を想定し、例えば、ガラス素材等で製造する際に、絞り加工により括れ部2sd,2suを形成する場合を示したが、第四変更実施形態のように、プラスチック素材等により一体成形する場合には、計量容器部2の平坦な内壁面に突出部を形成して括れ部2sd,2suを設けてもよい。このような変更実施形態も括れ部2sd,2suの概念に包含される。この場合であっても、計量室Rmの上下に、傾斜した上面部Rmu及び下面部Rmdを設け、計量室Rmが上下のテーパ面により囲まれる形状にすることができ、図1に示した乳量計1と同様の作用効果を享受できる。その他、図17において、図1と同一部分には同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、好適実施形態及び各種変更実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、サンプリング手段10として、気液混合緩衝室Rdの底面部Rddから起立し、下端口11dが外部に臨み、かつ上端部11uが内部に臨むことにより分取口10iとなる分取筒11を用いた場合を示したが、分取筒11は中間部を屈曲させ、気液混合緩衝室Rdの周面部から起立させてもよいし、或いは流出口2eから流出する乳Mの一部を受取ることができるように、斜めに差出した半円筒形のチャンネルを利用して外部に流出させてもよい。また、計量室Rmの上面部Rmuにおける周面部側が下になる傾斜面及び計量室Rmの下面部Rmdにおける周面部側が上になる傾斜面は、テーパ状に形成した場合を示したが曲面であってもよい。したがって、正面断面が偏平な楕円形になるように形成してもよく、傾斜面の形態は例示に限定されるものではない。さらに、弁機構部4は、パイプシャフト13をバルブ駆動用シャフトと空気抜き用パイプの双方に兼用する場合を示したが、バルブ駆動用シャフトを棒材により形成し、別途、空気抜き用パイプを他の位置に設けてもよい。一方、弁駆動部14は、ダイヤフラム部26と真空圧又は大気圧に切換えられる切換室部Rcにより構成する場合を例示したが、ダイヤフラム部26を電磁ソレノイド又はエアシリンダ等のアクチュエータにより直接変位させてもよい。他方、液面検出部3として検出電極3a…を用いた場合を例示したが、液面Muの位置を検出できるものであれば、フロート等を用いた機械式,光センサ等を用いた光学式,静電変化を検出する静電式,電磁変化を検出する電磁式など、他の各種原理に基づく液面検出部を利用可能である。また、制御系5は、制御ボックス等により別途構成することにより、乳量計本体1mなどに付設してもよい。
本発明に係る乳量計1は、例示した搾乳システムWのみならず、各種形式の搾乳システムをはじめ、搾乳以外の用途や各種動物の乳量測定等に係わる各種設置対象部に設置して利用することができる。
1:乳量計,2:計量容器部,2i:流入口,2e:流出口,2m:中間口,2f:周面部,2su:括れ部,2sd:括れ部,2ep:内周縁部,3:液面検出部,4:弁機構部,4u:第一バルブ,4d:第二バルブ,5:制御系,6:乳送出口部,6f:送出口,10:サンプリング手段,10i:分取口,11:分取筒,11u:分取筒の上端部,11uf:上端傾斜面,11d:分取筒の下端口,11r:排気口,12:集流片部,13:パイプシャフト,13u:上端口,13d:下端口,13f:外周面,13c:傘形カバー,14:弁駆動部,15…:整流片部,16…:整流片部,Lm:送乳ライン,M:乳,Mu:液面,A:空気,Rd:気液混合緩衝室,Rdd:底面部,Rm:計量室,Rmd:計量室の下面部,Rs:気液分離室

Claims (10)

  1. 送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に貯留される乳の液面を検出する液面検出部と、前記計量容器部の流出口を開閉可能な弁機構部と、少なくとも前記液面検出部が前記液面を検出したなら前記弁機構部を開閉制御する制御系を備える乳量計において、円筒状に形成した周面部における縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部を形成し、この括れ部の内周面を前記流出口とした計量容器部を備えるとともに、前記流出口の下流側に、前記流出口から流出する乳を貯留可能な気液混合緩衝室を備え、前記括れ部の上に位置する当該計量容器部における計量室の下面部を、周面部側が上になる傾斜面にして当該下面部をテーパ面に形成し、他方、前記気液混合緩衝室の底面部又は周面部から起立するとともに、内部に臨む上端部に設けて前記流出口から流出した乳の一部を採取する分取口を、前記流出口を形成する内周縁部の直下に位置させ、かつ下端口が外部に臨む分取筒を有するサンプリング手段を設けたことを特徴とする乳量計。
  2. 前記気液混合緩衝室は、前記弁機構部の開閉により前記流出口から流出した少なくとも一回分の乳量を貯留可能な容積を有するとともに、所定流量以下の流量により乳を流出させ、かつ前記計量容器部の内部の空気に混合して送り出す送出口を有する乳送出口部を備えることを特徴とする請求項1記載の乳量計。
  3. 前記分取筒は、前記分取口の周りの一部を囲むことにより、前記流出口から流出する乳の一部を前記分取口に導く集流片部を備えることを特徴とする請求項1記載の乳量計。
  4. 前記分取筒は、前記分取口により乳を採取する際に当該分取筒の内部の空気を当該分取筒の外部に排出可能な排気口を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳量計。
  5. 前記排気口は、前記分取口に対して連続形成することを特徴とする請求項4記載の乳量計。
  6. 前記排気口は、前記分取口に対して非連続となるように別途形成することを特徴とする請求項4記載の乳量計。
  7. 前記計量容器部は、前記周面部の縦方向中間部の少なくとも二個所に括れ部を形成することにより、最下部の括れ部よりも下側を前記気液混合緩衝室、最下部の括れ部とこの括れ部の上に位置する次段の括れ部間を計量室、当該次段の括れ部よりも上側を気液分離室にそれぞれ構成し、かつ前記最下部の括れ部の内周面を前記流出口とし、前記次段の括れ部の内周面を中間口とするとともに、前記中間口を開閉可能な第一バルブ及び前記流出口を開閉可能な第二バルブを有する弁機構部を備えることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の乳量計。
  8. 前記弁機構部は、前記流出口及び前記中間口に挿通し、上端口を前記気液分離室の上端に臨ませ、かつ下端口を前記気液混合緩衝室の内部に臨ませることにより、前記気液分離室と前記気液混合緩衝室を連通させるパイプシャフトと、このパイプシャフトの上端を支持し、かつ当該パイプシャフトを昇降させる弁駆動部と、前記計量室内に位置する前記パイプシャフトの外周面上側に設けた前記第一バルブ及び外周面下側に設けた前記第二バルブとを備えることを特徴とする請求項7記載の乳量計。
  9. 前記パイプシャフトの下端に、前記流出口から流出した乳が前記乳送出口部に直接入らないようにするための傘形カバーを備えることを特徴とする請求項8記載の乳量計。
  10. 前記計量室の内周面,前記パイプシャフトの外周面,前記傘形カバーの外周面,の少なくとも一つ以上に、周方向に所定間隔で配するとともに、軸方向に沿い、かつ径方向に向けて所定幅だけ突出させた複数の整流片部を設けたことを特徴とする請求項8〜9のいずれかに記載の乳量計。
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