JP5224264B2 - キトサン誘導体の製造方法 - Google Patents

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本発明はキトサン誘導体の製造方法に関する。
多糖誘導体が優れた光学分割能を示すことは良く知られている(特許文献1、2等)。しかし、これら光学分割能に優れた多糖誘導体を用いても分割することが難しい化合物もある。
多糖誘導体が優れた光学分割能を示すのは、多糖誘導体の高次構造が分割対象たる光学異性体の構造に良好に適合し、両者の間で種々の相互作用が効果的に働くためであると考えられている。
そして、このような光学分割能を示す多糖誘導体の一つとして、キトサン誘導体も研究されてきた(特許文献3、非特許文献1、2等)。
しかし、これまで光学異性体分離用充填剤として用いられてきたキトサン誘導体は、必ずしもその光学分割能は充分とはいえなかった(特許文献3)。
特許第1466384号明細書 特許第1799654号明細書 特公平08-13844号公報 J. Am. Chem. Soc., 106, 5357 (1984) Reactive & Functional Polymers, 37, 183-188(1998)
本発明は、置換基が効率よく導入され、光学分割能が向上したキトサン誘導体の製造方法に関する。
本発明者らはキトサン誘導体の光学分割能を向上させるべく鋭意検討を行った。その結果、原料キトサンの脱アセチル化を十分に行った後に置換基導入反応を行うことで、置換基の導入効率がよく、光学分割能が向上したキトサン誘導体の光学分割能が得られることを見出し、本発明に達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)下記一般式(I)で表されるキトサン誘導体の製造方法であって、塩基性水溶液中で原料のキトサンを加熱処理して脱アセチル化し、脱アセチル化されたキトサンに置換基を導入してキトサン誘導体を得ることを特徴とする方法。
Figure 0005224264
式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香
族炭化水素基を含む置換基を示し、Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基を含む置換基、水素原子、ピリジルアルキル基、ベンジルアルキル基、キトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、Rbは、水素原子、キトサンの窒素原子およびRaとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRaとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、nは5以上の整数を示す。
(2)一般式(I)中、RおよびRaが下記の一般式(II)または(III)のいずれかで表される置換基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、(1)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
(3)一般式(I)中、RおよびRaが下記一般式(IV)で表される置換基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、(1)または(2)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、X は 3,4または5位に導入された1〜3個のメチル基またはハロゲン基を示す。好ましい誘導体としては、3,5-ジメチル、3,5-ジクロロ、3,4-ジクロロ、4-クロロ、4-ブロモ、3-クロロ、3-メチル、および4-メチル等を挙げることができる。また、クロロ基の代わりにフルオロ基でもよい。
(4)一般式(I)中、RおよびRaが下記の一般式(V)で表される置換基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、(1)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、Xは4-メチルまたは3-メチルを示す。
(5)一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raがピリジルアルキル基またはベンジルアルキル基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、(1)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
(6)一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raが、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンを形成する基であることを特徴とする、(1)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
(7)一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raが、キトサンの窒素原子およびRbとともにベンジルイミンを形成する基であることを特徴とする、(1)のキトサン誘導体の製造方法。
Figure 0005224264
式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
(8)塩基性水溶液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかであることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかのキトサン誘導体の製造方法。
(9)(1)〜(8)のいずれかの製造方法によりキトサン誘導体を製造し、得られたキトサン誘導体を用いて光学異性体用分離剤を製造する、光学異性体用分離剤の製造方法。(10)(1)〜(8)のいずれかの製造方法により製造されたキトサン誘導体。
(11)(10)のキトサン誘導体からなる光学異性体用分離剤。
本発明によれば、置換基が効率がよく導入され、光学分割能が向上したキトサン誘導体が得られる。得られたキトサン誘導体は、光学異性体用分離剤として有用である。
本発明においては、塩基性水溶液中で原料のキトサンを加熱処理して脱アセチル化し、
脱アセチル化されたキトサンに置換基を導入することにより、下記一般式(I)で表されるキトサン誘導体を製造する。
Figure 0005224264
一般式(I)において、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含む置換基を示す。
一般式(I)において、Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基を含む置換基、水素原子、ピリジルアルキル基、ベンジルアルキル基、キトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示す。
一般式(I)において、Rbは、水素原子、キトサンの窒素原子およびRaとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRaとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示す。なお、Raが置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基を含む置換基、ピリジルアルキル基、ベンジルアルキル基、または水素原子であるとき、Rbは水素原子である。
一般式(I)において、nは5以上の整数を示す。
炭素数1〜30の脂肪族基は、直鎖脂肪族基でも分岐脂肪族基でもよいし、不飽和結合を有していてもよい。
炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基が置換基を有するとき、置換基の例としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、シアノ基、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキルアミノ基などが挙げられる。なお、置換基は複数でもよい。
好ましくは、RおよびRaは下記の一般式(II)または(III)のいずれかで表される。このときRbは水素原子である。
Figure 0005224264
式中、R’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
式(II)の置換基は、例えば、脱アセチル化されたキトサンを、R’を含むイソシアン酸と反応させることにより導入することができる。
式(III)の置換基は、例えば、脱アセチル化されたキトサンを、R’を含む、カルボン
酸、エステル、酸ハロゲン化物、酸アミド化合物、またはアルデヒドと反応させることにより導入することができる。
より好ましくは、RおよびRaは下記のものである。このときRbは水素原子である。
Figure 0005224264
ここで、Xは、3,4または5位に導入された1〜3個のメチル基またはハロゲン基を示す。
式(IV)の置換基は、例えば、脱アセチル化されたキトサンを、3,5-ジメチル、3,5-ジクロロ、3,4-ジクロロ、4-クロロ、4-ブロモ、3-クロロ、3-メチル、および4-メチルから選択される置換基を有するフェニル基を含む、イソシアン酸と反応させることにより導入することができる。
また、他の好ましい誘導体としては、一般式(I)中、RおよびRaが下記の一般式(V)で表される置換基であり、Rbが水素原子であるものが挙げられる。
Figure 0005224264
式中、Xは4-メチルまたは3-メチルを示す。
なお、Raは、キトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する基であってもよい。Raがキトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する場合、キトサン誘導体の2位には、例えば、下記のような構造を有する基が結合する。
Figure 0005224264
このようなキトサン誘導体は、脱アセチル化されたキトサンに下記のような酸無水物を反応させることにより得ることができる。
Figure 0005224264
なお、このとき、Rは、上記酸無水物が開環して、キトサンの酸素原子とエステル結合を形成した構造となる。
また、一般式(I)において、Rが上記式(II)の置換基であり、Raがピリジルアルキル基またはベンジルアルキル基であり、Rbが水素原子であってもよい。ピリジルアルキル基としてはピリジルメチル基が好ましく、ベンジルアルキル基としてはベンジルメチル基が好ましい。
このような誘導体(下記に例を示す)は、例えば、脱アセチル化されたキトサンを、還元条件下で、2−ピリジンカルボキシアルデヒドまたはベンズアルデヒドと反応させ、次に、R’を含むイソシアン酸と反応させることにより得ることができる。
Figure 0005224264
また、一般式(I)において、Rが上記式(II)の置換基であり、Raが、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンまたはベンジルイミンを形成する基であってもよい。
このような誘導体(下記に例を示す)は、例えば、脱アセチル化されたキトサンを、2−ピリジンカルボキシアルデヒドと反応させ、次に、R’を含むイソシアン酸と反応させることにより得ることができる。
Figure 0005224264
本発明の方法により製造される多糖誘導体において、RおよびRaはすべて上記で例示したような置換基であってもよいが、一部が水素原子のままであってもよい。また、RとRaがともに上記置換基であってもよいが、Rが上記置換基であり、Raは水素原子のままでもよい。例えば、脱アセチル化されたキトサンと、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含むアルコールとを反応させたときは、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含む置換基であるが、RaおよびRbは水素原子である、キトサン誘導体が得られる。
また、一般式(I)において、RおよびRaの種類は、1種類でも複数種類でもよい。
RおよびRaに含まれる、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基は、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
原料のキトサンの重合度は、5以上、好ましくは10以上であり、特に上限はないが500以下であることが取り扱いの容易さから好ましい。
原料のキトサンは市販のものでもよい。
本発明のキトサン誘導体の製造法においては、まず、原料のキトサンを塩基性水溶液中で加熱処理して脱アセチル化する。塩基性水溶液は、pH9〜14が好ましい。塩基性水溶液としては、M(OH)n(但しMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、nは1または2)に代表される水酸化物の水溶液が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。また、キトサンを脱アセチル化するときの塩基性水溶液の濃度は、30wt%〜50wt%が好ましい。加熱処理の時間と温度はキトサンを十分脱アセチル化できる時間と温度であれば特に制限されないが、50℃〜120℃の温度で1〜4時間加熱処理することが好ましい。
なお、原料のキトサンが不純物を含む場合などは、脱アセチル化処理の前に、酢酸などの酸でキトサンを処理し、酸不溶部を除いて酸可溶部のみを脱アセチル化処理に用いてもよい。また、脱アセチル化処理を行った後に、酸で処理して酸不溶部を除いて酸可溶部のみを次の置換基導入反応に用いてもよい。なお、後者の場合、キトサンの再アセチル化を防ぐために得られた酸可溶部を塩基性にすることが好ましい。
上記脱アセチル化処理の後に、キトサンを、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を含むイソシアン酸、カルボン酸、エステル、酸ハロゲン化物、酸アミド化合物、ハロゲン化物、アルデヒド、アルコールなどと反応させることにより、一般式(I)で示されるキトサン誘導体が得られる。反応溶媒としては、例えば、ピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド/リチウムクロライドなどが挙げられる。反応は加熱・撹拌しながら行うことが好ましい。
上記製造方法によって得られたキトサン誘導体を用いて光学異性体用分離剤を作製することができる。例えば、キトサン誘導体を担体に担持させるか、またはキトサン誘導体自体を破砕、又は公知の方法により球状粒子化(例えば、特開平7−285889号公報)することにより光学異性体用分離剤を作製することができる。なお、ここでいう担持とは、担体上にキトサン誘導体が固定化されていることである。担持方法は公知の担持方法を適用することができ、キトサン誘導体と担体との間の物理的な吸着、担体との間の化学結合、キトサン誘導体同士の化学結合、第三成分の化学結合、キトサン誘導体への光照射、ラジカル反応等の方法を適用することができる(例えば、特開平6−93002公報参照)。
担体としては、多孔質有機担体及び多孔質無機担体が挙げられ、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質担体の平均孔径は1nm〜100μmが好ましく、5nm〜5μmがより好
ましい。多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質であり、多孔質無機担体として適当なものは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどである。
特に好ましい担体はシリカゲルであり、シリカゲルの粒径は1μm〜1mm、好ましくは1μm〜300μm、更に好ましくは1μm〜100μmである。
また、担体は、キトサン誘導体との親和性を良くしたり、担体自身の表面の特性を改質するための処理を施したものを用いても良い。表面処理の方法としては有機シラン化合物によるシラン化処理やプラズマ重合による表面処理方法がある。
担体上へのキトサン誘導体の担持量は、光学異性体用分離剤100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、更に5〜60質量部が好ましく、特に10〜40質量部が望ましい。
またキトサン誘導体自体を破砕又は球状粒子化するとき、乳鉢等を用いることで得られた破砕状又は球状のキトサン誘導体は、分級して粒度を揃えておくことが望ましい。
キトサン誘導体から作製される光学異性体用分離剤は、例えば、クロマトグラフィーの固定相として用いることができ、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、電気泳動等に適用することができ、特に(連続式)液体クロマトグラフィー法、薄層クロマトグラフィー、電気泳動に好適である。また、クロマトグラフィー用分離剤のみならず、ホストゲスト分離剤、膜分離、液晶材料への応用もできる。
wako chitosan100を用いて以下の実験を行った。
1.キトサンの精製
*脱アセチル化処理
キトサンの脱アセチル化処理は、50wt%NaOH水溶液中120〜130℃で二時間煮沸し、一度洗浄、溶媒を取り替えて煮沸することを3回行った。
*酸可溶部の回収
キトサン0.5gを1%酢酸水溶液500mlに溶解させ、不溶部を濾過し、可溶部のみをNaOH塩基性条件下(pH10以上)で回収した。
濃NaOH水溶液に注射器でキトサンの酢酸溶液を押し出す方法では、キトサン溶液500mlに対し、1L以上の塩基溶液を必要とし、押し出した形のままキトサン溶液がゲル化した。
逆に、酸性溶液を撹拌しながら塩基性水溶液を滴下し、pH10以上とすることで、繊維状のキトサンが析出したので、これを濾過し、水で洗浄した。
固定相として用いたキトサンの精製は、全て後者の方法で行った。
2. キトサン誘導体の合成
<キトサンのトリスカルバメート、またはN-アシル化3,6-ビスベンゾエート誘導体の合成>
乾燥したキトサンに、脱水ピリジンとイソシアナートまたは酸クロライドを反応部位の1.3等量以上加え、IRで反応の進行を確認しながら約一日反応させ、メタノール中に沈殿させて回収した。
以下、それぞれの誘導体の合成例を示す。
[合成例1]
*chitosan tris(3,5-dimethylphenylcarbamate)
以下のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
<塩基処理キトサン誘導体>
脱アセチル化処理(塩基処理)したキトサン0.51gにpyridine 20mLと3,5-dimethylphenylisocyanate 1.9gを加えて80℃で加熱撹拌し、溶解し始めてから、pyridine10mLを追加した。さらに3,5-dimethylphenylisocyanateを2.5g追加し、IRで反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、2gのガム状の固体を得た。THFに溶解させ再びメタノールで再沈殿させたところ1.8g(92%)の収量を得た(キトサン誘導体1)。
<塩基・酸処理キトサン誘導体>
脱アセチル化処理(塩基処理)し、酢酸水溶液可溶部を回収したキトサン0.48gにpyridine 10mLと3,5-dimethylphenylisocyanate 1.7gを加えて80℃で加熱撹拌し、反応液の様子をIRで確認しながら、3,5-dimethylphenylisocyanateを2.3g加え、メタノール不溶部として回収したところ、2gのガム状の固体を得た。不純物を除くため、THFに溶解させ再びメタノールで再沈殿させたところ0.51g(28%)の収量を得た(キトサン誘導体2)。
<未処理キトサン誘導体>
脱アセチル化処理(塩基処理)を行っていないキトサン(wako chitosan100) 0.50gにpyridine 20mLと3,5-dimethylphenylisocyanate 1.9gを加えて80℃で加熱撹拌し、溶解し始めてからpyridine10mLを追加し、反応液の様子をIRで確認しながら、pyridinie10mLと3,5-dimethylphenylisocyanateを0.69g加え、メタノール不溶部として回収したが、反応系に不溶部が残っていた。不純物を除くため、THF可溶部をメタノールで再沈殿させたところ0.51g(28%)の収量を得た(キトサン誘導体3)。
[合成例2]
*chitosan tris(3,5-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLと3,5-dichlorophenylisocyanate 2.4gを加えて85℃で加熱撹拌し、適宜3,5-dichlorophenylisocyanate 1.0gとpyridineを追加し、IRで反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、1.7g(75%)の収量を得た。 (目的化合物1)
[合成3]
*chitosan tris(3,4-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLと3,4-dichlorophenylisocyanate 2.3gを加えて80℃で加熱撹拌し、IRで反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、1.8g(80%)の収量を得た。 (目的化合物2)
[合成例4]
*chitosan tris(4-chlorophenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLと4-chlorophenylisocyanate 1.9gを加えて85℃で加熱撹拌し、IRで反応の進行を確認しながら、4-chlorophenylisocyanateを適宜追加し、メタノール不溶部として回収したところ、ガム状の固体1.0g(53%)の収量を得た (目的化合物3)。
[合成例5]
*chitosan tris(4-bromophenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLと4-bromophenylisocyanate 2.0gを加えて80℃で加熱撹拌し、IRで反応溶液の様子を確認しながら、4-bromophenylisocyanateとpyridineとを適宜追加した。IRで反応の進行を確認し、メタノール不溶部として回収したところ2.0g(84%)の収量を得た(目的化合物4)。
[合成例6]
*chitosan tris(3-chlorophenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLと3-chlorophenylisocyanate 1.9gを加えて85℃で加熱撹拌し、IRで反応の進行を確認しながら、3-chlorophenylisocyanateとpyridineを適宜加え、メタノール不溶部として回収したところ、ガム状の固体1.9g(99%)の収量を得た(目的化合物5)。
[合成例7]
*chitosan tris(phenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 20mLとphenylisocyanate 1.9gを加えて85℃で加熱撹拌した。IRで反応の進行を確認し、メタノール不溶部として回収し、ガム状の固体1.7g(99%)の収量を得た(目的化合物6)。
[合成例8]
*chitosan tris(4-methylphenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.20gにpyridine 10mLと4-methylphenylisocyanate 0.69gを加えて85℃で加熱撹拌し、IRで反応溶液の様子を確認しながら、適宜4-methylphenylisocyanateを追加した。反応系中の不溶部をメタノールに注ぎ、アセトン可溶部と不溶部に分離したところ、不溶部の反応が進行している様子が確認されたが、収量は微量であった (目的化合物7)。
[合成例9]
*chitosan tris(3-methylphenylcarbamate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.20gにpyridine 10mLと3-methylphenylisocyanate 0.66gを加えて85℃で加熱撹拌し、溶解し始めてからpyridine5mL追加した。さらにpyridineと3-methylphenylisocyanateを適宜追加した。IRで反応溶液の様子を確認し、メタノール不溶部として回収した。アセトン可溶部と不溶部に分離したところ、不溶部の反応が進行している様子が確認されたが、収量は微量であった(目的化合物8)。
[合成例10]
*N-(4-methylbenzoyl)chitosan 3,6-bis(4-methylbenzoate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 10mLと4-methylbenzoyl chloride 1.9gを加えて80℃で加熱撹拌し、4-methylbenzoyl chlorideを1.3g追加した。その後pyridine 20mLを加えた。IRで反応の進行を確認し、固体をメタノールで洗浄して回収したところ、1.6g(98%)の収量で得られた (目的化合物9−1)。これを再び反応させたが溶解性が上がることはなかった(目的化合物9−2)。
[合成例11]
*N-(3-methylbenzoyl)chitosan 3,6-bis(3-methylbenzoate)
次のスキームにしたがって合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン0.50gにpyridine 10mLと3-methylbenzoyl chloride 1.9gを加えて80℃で加熱撹拌し、さらに3-methylbenzoyl chlorideを1.0g追加した。系中の不溶部についてIRで反応の進行を確認し、メタノールで洗浄したところ、1.6g(99%)の収量で得られた (目的化合物10)。
3.キラル固定相の調製
各誘導体を公知の方法でシリカゲルにコーティングして光学異性体用分離剤を作製した。
4.高速液体クロマトグラフィーによる光学分割能の評価
上記合成例1で調製した、未処理、塩基処理、または塩基・酸処理のキトサンに3,5−ジメチルフェニル基が導入されたキトサン誘導体を固定化して作製された光学異性体用分離剤を、それぞれ、内径2.0mmまたは4.6mm、長さ25cmのステンレスカラムに充填し、HPLC用キラル固定相とした。それぞれのHPLC用キラル固定相を用いて下記ラセミ化合物1〜10の光学分割を行った。
Figure 0005224264
なお、HPLCは、(PU-980またはPU-986, 日本分光)を用い、溶離液にはヘキサン/2−プロパノール=90/10、流速は0.5 ml/minとし、UV検出器(UV-970またはMD-2010-plus、日本分光、254 nm)と旋光検出器(OR-990、日本分光)を用いてピークの検出、同
定を行った。なお、理論段数Nはベンゼンのピークから、また溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。
光学分割結果を表1に示す。
表中の値は容量比k1’と分離係数αで、かっこの中の符号は先に溶出したエナンチオマーの旋光性である。なお、容量比k1’、分離係数αは下式で定義される。以下の実施例及び比較例においても同じ式を用いて容量比及び分離係数を算出した。
Figure 0005224264
Figure 0005224264
表1の結果から、塩基による脱アセチル化処理を行ったキトサンを用いて得られたキトサン誘導体は、未処理キトサンを用いて得られたキトサン誘導体に比べて、光学異性体の分離度が向上することが確認できた。
Figure 0005224264
カラム: 25 x 0.20 (i.d.) cm, 流速: 0.1ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温
※) カラム: 25 x 0.46 (i.d.) cm, 流速: 0.5ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温
同様に、上記実施例で得られたキトサン誘導体について、光学分割能の評価を行った。得られたキトサン誘導体は以下のとおりである。
chitosan tris(3,5-dichlorophenylcarbamate) (目的化合物1)
chitosan tris(3,4-dichlorophenylcarbamate) (目的化合物2)
chitosan tris(4-chlorophenylcarbamate) (目的化合物3)
chitosan tris(4-bromophenylcarbamate) (目的化合物4)
chitosan tris(3-chlorophenylcarbamate) (目的化合物5)
結果を表2に示す。表2の結果から、塩基による脱アセチル化処理を行ったキトサンを用いて得られたその他のキトサン誘導体も光学異性体の分離度が向上することが確認できた。
Figure 0005224264
[合成例12]
* chitosan 2-(2-pyridylimine)-3,6-bis(3,5-dimethylphenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。

Figure 0005224264
脱アセチル化処理したキトサン1.0g を2%酢酸水溶液200mL に溶解させ、2-
pyridinecarboxaldehyde 6.7g(10 等量)を水50mL で希釈したものを滴下したところ、ゲル状の粒子が析出した(中間化合物1)。
得られた中間化合物1の0.45 g を乾燥させ、脱水ピリジン15ml と3,5-dimethylphenyl
isocyanateを0.90g 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、収量0.81g を得た(目的化合物11)。
[合成例13]
* chitosan 2-(2-pyridylimine)-3,6-bis(3,5-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物1の0.50g を乾燥させ、ピリジン30ml と3,5-dichlorophenyl isocyanate を0.58g加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認してメタノール不溶部として回収したところ、収量0.94g を得た(目的化合物12)。
[合成例14]
* chitosan 2-(2-pyridylimine)-3,6-bis(3,4-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物1の0.51g を乾燥させ、ピリジン30ml と3,4-dichlorophenyl isocyanate を0.59g加え、80℃で加熱し反応させた。反応の進行を確認し、メタノール不溶部として回収した。最後までピリジン中でゲル化した部分が残ったが、ともに回収し、収量0.66g を得た(目的化合物13)。
[合成例15]
* chitosan 2-(benzylimine)-3,6-bis(3,5-dimethylphenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264

脱アセチル化処理したキトサン1.0g を2%酢酸水溶液100mL に溶解させ、メ
タノール100mL で希釈した。benzaldehyde 12g(20 等量)をメタノール30mLで希釈したものを滴下し、35℃で24 時間熟成させたところ、ゲル化した中間体(中間化合物2)を得た。
中間化合物2を乾燥させ、脱水ピリジン中で3,5-dichlorophenyl isocyanate と80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認してメタノール不溶部として回収した(目的化合物14)。
[合成例16]
* chitosan 2-(benzylimine)-3,6-bis(3,5-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物2の0.20g を乾燥させ、ピリジン10ml と3,5-dichlorophenyl isocyanate を1.0ml 加え、80℃で加熱し反応させた。反応終了後、メタノール不溶部として回収し、収量0.30g を得た(目的化合物15)。
[合成例17]
* chitosan 2-(benzylimine)-3,6-bis(3,4-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物2の0.20g を乾燥させ、ピリジン10ml と3,4-dichlorophenyl isocyanate を1.0ml 加え、80℃で加熱し反応させた。反応終了をIR で確認
した後、メタノール不溶部として回収し、収量0.30g を得た(目的化合物16)。
[合成例18]
* N-(2-pyridyl)methyl chitosan 3,6-bis(3,5-dimethylphenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン2.0g のうち、酢酸水溶液(pH5.1)800mL 可溶部を
ろ別し、シアノトリヒドロホウ素化ナトリウム3.0g を加えた。そこへ、水で希釈した2-pyridinecarboxaldehyde 3.5g(2.5 等量)を加え、室温で5 時間撹拌した。水、エタノール、ヘキサンで洗浄し、乾燥させると白色の粉末が2.4g得られた(中間化合物3)。
中間化合物3の0.73 g を乾燥させ、脱水ピリジン25ml と3,5-dimethylphenyl isocyanateを3.0g 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール/水(95/5)不溶部として回収したところ、収量1.78g を得た(目的化合物17)。
[合成例19]
* N-(2-pyridyl)methyl chitosan 3,6-bis(3,5-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物3の0.73 g を乾燥させ、脱水ピリジン25ml と3,5-dichlorophenyl isocyanateを3mL 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、収量0.99g を得た(目的化合物18)。
[合成例20]
* N-(2-pyridyl)methyl chitosan 3,6-bis(3,4-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
中間化合物3の0.73 g を乾燥させ、脱水ピリジン25ml と3,4-dichlorophenyl isocyanateを3mL 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収したところ、収量1.79g を得た(目的化合物19)。
[合成例21]
* N-benzyl chitosan 3,6-bis(3,5-dimethylphenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
脱アセチル化したキトサン2.0g のうち、酢酸水溶液(pH5.4) 400mL 可溶部をろ別し400mL のエタノール、シアノトリヒドロホウ素化ナトリウム3.0g を
加えた。そこへ、エタノールで希釈した2-pyridinecarboxaldehyde 3.5g (2.5等量)を加えたところ、白色の粉末が析出した。乾燥させると白色の粉末が得られ、収量は2.6g であった(中間化合物4)。
乾燥させた中間化合物4の 0.70 g に脱水ピリジン20ml と3,5-dimethylphenyl isocyanate を2.0g 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール不溶部として回収し、収量2.8g を得た(目的化合物20)。
[合成例22]
* N-benzyl chitosan 3,6-bis(3,5-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
乾燥させた中間化合物4の0.70 g に脱水ピリジン20ml と3,5-dichlorophenyl isocyanate を2mL 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、ヘキサン不溶部として回収し、ヘキサン-2-プロパノール混合溶媒で洗浄、乾燥後収量1.9g を得た(目的化合物21)。
[合成例23]
* N-benzyl chitosan 3,6-bis(3,4-dichlorophenylcarbamate)
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
乾燥させた中間化合物4の0.70 g に脱水ピリジン20ml と3,4-dichlorophenyl isocyanate を2mL 加え、80℃で加熱し反応させた。IR で反応の進行を確認後、メタノール/水(4/1)不溶部として回収し、メタノール、エタノール、ヘキサンを用いてろ紙上で洗浄したところ、大半が溶け出した(目的化合物22)。
[合成例24]
* 2 -位にアミノ基を残したキトサン誘導体
次のスキームに従って合成した。
Figure 0005224264
文献(Y. Wu, T. Seo, S. Maeda, T. Sasaki, S. Irie, K. Sakurai, J. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys.2005, 43, 1354.)を参考に、キトサンを室温でメタンスルホン酸に溶解させた後、氷浴中で撹拌しながらゆっくりとイソシアネートを加えた。徐々に発泡しながら反応が進行し、そのまま0℃で30 分撹拌を続けた。室温に戻して3 時間さらに撹拌した後、−30℃で一晩静置した。
析出した尿素の固体ごとメタノールに溶解させ、水に再沈殿させて固体を分
離した。次に1.4%のアンモニア水で中和した後、水、メタノール、エーテルで
洗浄した。 (参照化合物1)
[固定相の調製]
目的化合物11〜20及び参照化合物1を、表面処理したシリカゲルに公知の方法でコーティングした。それを長さ25cm、内径0.46cmまたは0.20cm のステンレススチール製のカラムにそれぞれスラリー法により充填し、HPLC用キラル固定相とした。それぞれのHPLC用キラル固定相を用いて、前記ラセミ化合物1〜10の光学分割を行った。
[光学分割能の評価]
測定装置は前述の通りである。溶離液は、Hexane-2-propanol(9:1)を用い、内径0.46cm のカラムでは流速0.5ml/min とし、室温で測定を行った。理論段数、t0、αは前述と同様に算出した。
以下に結果を示す。
Figure 0005224264
カラム: 25 x 0.46 (i.d.) cm, 流速: 0.5ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温
a) カラム: 25 x 0.20 (i.d.) cm, 流速: 0.1ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温
Figure 0005224264
カラム: 25 x 0.46 (i.d.) cm, 流速: 0.5ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温
Figure 0005224264
カラム: 25 x 0.20 (i.d.) cm, 流速: 0.1ml/min, 移動相: ヘキサン/2-プロパノール=90/10, 温度: 室温

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)で表されるキトサン誘導体からなる光学異性体用分離剤を製造する方法であって、塩基性水溶液中で原料のキトサンを加熱処理して脱アセチル化し、脱アセチル化されたキトサンに置換基を導入してキトサン誘導体を得て、得られたキトサン誘導体を用いて光学異性体用分離剤を製造することを特徴とする方法。
    Figure 0005224264
    式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を含む置換基を示し、Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の
    脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基を含む置換基、水素原子、ピリジルアルキル基、ベンジルアルキル基、キトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、Rbは、水素原子、キトサンの窒素原子およびRaとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRaとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、nは5以上の整数を示す。
  2. 脱アセチル化したキトサンを酢酸水溶液に溶解させ塩基性水溶液を滴下して酸可溶部を回収する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
  3. 一般式(I)中、RおよびRaが下記の一般式(II)または(III)のいずれかで表される
    置換基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、R'は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香
    族炭化水素基である。
  4. 一般式(I)中、RおよびRaが下記一般式(IV)で表される置換基であり、Rbが水素
    原子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、Xは3,4または5位に導入された1〜3個のメチル基またはハロゲン基を示す。
  5. 一般式(I)中、RおよびRaが下記の一般式(V)で表される置換基であり、Rbが水素
    原子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、Xは4-メチルまたは3-メチルを示す。
  6. 一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raがピリジルアル
    キル基またはベンジルアルキル基であり、Rbが水素原子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、R'は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香
    族炭化水素基である。
  7. 一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raが、キトサンの
    窒素原子およびRbとともにピリジルイミンを形成する基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、R'は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香
    族炭化水素基である。
  8. 一般式(I)中、Rが下記の一般式(II)で表される置換基であり、Raが、キトサンの
    窒素原子およびRbとともにベンジルイミンを形成する基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
    Figure 0005224264
    式中、R'は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は芳香
    族炭化水素基である。
  9. 脱アセチル化に用いる塩基性水溶液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学異性体用分離剤の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法により製造された光学異性体用分離剤であって、光学異性体用分離剤に用いられるキトサン誘導体が下記一般式(I)で表されることを特徴とする光学異性体用分離剤
    Figure 0005224264
    式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を含む置換基を示し、Raは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の
    脂肪族炭化水素基もしくは芳香族炭化水素基を含む置換基、水素原子、ピリジルアルキル基、ベンジルアルキル基、キトサンの窒素原子およびRbとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRbとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、Rbは、水素原子、キトサンの窒素原子およびRaとともにイミド環を形成する基、または、キトサンの窒素原子およびRaとともにピリジルイミンもしくはベンジルイミンを形成する基を示し、nは5以上の整数を示す。
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