JP5222906B2 - 生体試料の分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分析装置及び分析方法に関し、特に、血液,血清あるいは血漿を試料あるいは検体とし、抗原抗体反応を利用して検体中の微量物質の反応の有無および反応量を知るための分析装置及び分析方法に関する。
免疫学的分析法は抗原とそれに結合する抗体が抗原抗体結合を生成させることを基にした生体物質の特異的測定方法である。その測定原理により、溶液内沈降反応法,担体による凝集反応法,標識抗体法がある。
・溶液内沈降反応法は溶液内で抗原抗体結合により生じる凝集物を光学的に測定し定量する方法であり、免疫比濁法,免疫比ろう法などが知られている。
・担体による凝集反応法は抗体を固相したラテックスなどの担体と試料溶液(抗原)を抗原抗体結合させ、生じた担体の凝集を光学的あるいは画像的に測定して定量する方法であり、ラテックス比濁法,ラテックス比ろう法,粒子カウント,画像処理などにより見かけの粒子径あるいは透過光の減少増加を測定するものである。
・標識抗体法は各種標識物質で標識した抗体を用いて抗原抗体結合をさせ、標識抗体と反応した成分だけを測定する方法であり、その標識物質により、ラジオイッムノアッセイ,エンザイムイムノアッセイ,蛍光イムノアッセイ,化学発光イムノアッセイ,電気化学発光イムノアッセイなどが知られる。
その他に、酵素免疫測定法,蛍光免疫測定法,発光免疫測定法等、開発改良がなされた。
酵素免疫測定法は、放射性同位元素の代わりに、酵素を抗原や抗体に標識した方法で、酵素が持つ基質に対する触媒活性の高さから高感度な測定が可能となっている。
蛍光免疫測定法としては、抗原抗体反応最終産物に励起光をパルス照射し、反応容器等から発生する蛍光が消光する時間が経過してから、この物質の蛍光を測定する時間分解蛍光測定法が開発された。近年、ユーロピウム錯体あるいはサマリウム錯体の蛍光消光時間の比較的長いものあるいは増感剤を必要としないものが開発され、この手法がさらに有効なものとなっている。
発光免疫測定法においては、イソルミノールあるいはアクリジニウムエステルを標識し発光量を測定する手法や、標識物質は酵素であるが基質に発光反応が得られるものを用いるペルオキシダーゼとルミノールとの組み合わせ、あるいは、リン酸基が外れると発光するAMPPD等の基質とアルカリホスファターゼとの組み合わせ、または、標識物質としてルシフェラーゼを用い、基質にルシフェリンを使用する組み合せによる測定系が構築されている。
血液,血清,血漿あるいは体液を試料あるいは検体とし、ホルモン,腫瘍マーカ,感染症病原体マーカ,感染抗体等の微量物質の計測分析を行うとき、タンパク質の分析項目ごとに、抗原抗体結合反応に基づく結合により、試料あるいは検体中のタンパク質等を定性的あるいは定量的に検出する方法が一般的になされている。この場合、分析対象のタンパク質に結合する抗体あるいは抗原は、放射性同位元素,蛍光色素,発光色素,酵素,希土類錯体,金属イオン等を結合され、標識抗原,標識抗体、あるいはトレーサー等と呼称されている。
同様に、試料あるいは検体中の病原体,薬物代謝マーカ等のDNAあるいはRNAを計測分析しようとするとき分析対象物のDNAあるいはRNAに相補的なDNA鎖あるいはRNA鎖をハイブリダイズさせ分析対象物を検出する。このとき、相補的なDNA鎖あるいはRNA鎖は直接あるいは間接に蛍光体あるいは発光体に標識される。
測定が終始溶液状態で行われる方法として均一測定法(ホモジニアス法)が行われていたが、高感度測定が求められるに従い、抗原と抗体とを反応させ反応に関与しなかった遊離の標識抗体(または抗原)を洗浄操作により分離(B/F分離)したのち抗原抗体複合体を測定する方法、すなわち不均一測定法(ヘテロジニアス法)が広く利用されている。今日、蛍光色素とそのクエンチャー(消光色素)との組み合わせ、あるいは第1の蛍光物質から第2の蛍光物質へのエネルギー転移により励起により第2の物質の蛍光を検出するFRET法,酸素チャンネリングを適用するLOCI法,金コロイド粒子の近接と凝集による異なる発色を測定する金粒子法等の開発により、高感度でのホモジニアス法が可能をなってきた。
液体クロマトグラフィは、分子ふるいクロマトグラフィ,順相クロマトグラフィ,逆相クロマトグラフィ等があるが試料中の物質の特性に応じ、物質の分離精製に用いるものである。簡易に用いられるゲルろ過クロマトグラフィ(Gel Filtration Chromatography,GFC)またはゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography,GPC)とも呼ばれ、分析物をそのサイズにより分離する。サイズの小さい分析物ほど固定相であるゲルにとどまりやすく溶出が遅くなる。
混合物で構成される試料を分離するため、一般にカラムはステンレス製の筒の中に、微細な真球状の多孔質シリカゲルをアルキル基等で修飾した物を充填して用いる。シリカゲルの粒子径が小さければ小さいほどピークの分離性は良くなるが、送液に必要なポンプの圧力が高くなる。そのため、ポンプ−インジェクター間、インジェクター−カラム間の配管の耐圧を上げたり、カラム自体を比較的高温の下にさらして溶媒の粘度を下げ、抵抗を小さくする工夫をしている。
ディテクター(検出器)としては目的とする物質の性質に応じて光学的性質(吸光度,屈折率,蛍光等),電気化学的性質,質量分析法などを利用する装置がある。ディテクターから出力された、電気信号を記録し、そこからピークを検出、解釈を行う。結果は、感熱紙等に印字される。インテグレーターとしてPCを用いることが多く、専用設計されているインテグレーター機器もある。
このようなクロマトグラフィを用いた免疫の検出,精製手法として、特許文献1には、AFP(アルファフェトプトテイン)による抗AFP抗体のアフィニティクロマトグラフィによる分離精製法が示されている。AFPをリガンドに結合させ、その後、抗AFP抗体の含まれる免疫グロブリンIgG液を流す。さらに、溶離液を流しAFPと抗体との結合をはずし、抗AFP抗体液を回収する。特異抗体回収率アップのための手法が開示されている。
特許文献2には、血清試料中の抗原検出方法が示された。試料を希釈後液体クロマトグラフィを行うことにより、多量に含まれるタンパク質等の抗原が分離できることが開示されている。
特開平6−160384号公報 特表2004−536278号公報
血液,血清あるいは血漿を試料あるいは検体とし、抗原抗体反応を利用して血中微量物質の分析を行うとき、反応の有無および反応量を知る目的で微量物質の分析を行うことは非常に困難である。
上記特許文献1では、特異抗体精製の一般的な手法を示しており、回収率の改善はあるものの生体由来の試料からの抗原検出を行うことはできない。また、特許文献2では、試料中抗原検出法を示すが、タンパク質等の抗原は試料中で凝集あるいは他の物質と結合していることが多く、また、微量である場合、試料中、近似の分子サイズの物質がノイズとなり、高精度に分析測定することは困難である。
本発明の目的は、血液,血清あるいは血漿を試料あるいは検体とし、抗原抗体反応を利用して、血中微量物質の分析を行うとき、反応の有無および反応量を知る目的で微量物質の分析を高精度かつ高感度で行うことを目的とする。
本発明では、生体由来の試料に含まれる物質の有無,量を分析する分析方法において、同一エピトープに結合する抗体(免疫グロブリン)および/または免疫グロブリンのエピトープに結合する部位の分画,誘導体あるいは変異体のうち、複数のサイズのエピトープ結合分子と、前記試料に含まれる、当該エピトープ結合分子と結合する物質の同定及び定量を行うことを特徴とする分析方法を提供する。
本発明では、同一抗原に結合する複数の分子サイズの抗体を用意し、抗原抗体結合物および未結合の抗体のサイズクロマトグラフィ分離を行い、そのピークの大きさから各々の量を算出する。試料の抗原抗体反応に基づく分析測定を行う時、試料の性状あるいは試料に含まれる被分析物質以外の物質濃度の高低を効果的に推測し、抗原抗体反応に基づき被分析物質濃度を迅速かつ高感度に定量測定することができる。
免疫グロブリン(1)Fab領域,(2)Fc領域,(3)重鎖(N端側からVH,CH1,ヒンジ部,CH2,CH3),(4)軽鎖(N端側からVL,CL),(5)抗原結合部位,(6)ヒンジ部複数のサイズのエピトープ結合分子。 抗体はパパインにより、2つのFab領域と1つのFc領域に分断される。 抗体はペプシンにより、F(ab′)2領域と多数のFc断片に分断される。 免疫分析ユニット構成例。 高速液体クロマトグラフィの構成例 A:溶媒,B:2溶媒切り替えバルブ,C:ポンプ,D:圧力ダンパー,E:ミキサー,F:インジェクター,G:カラム,H:HPLCコントローラー,I:検出器(紫外吸光度計等),J:検出データA/D変換装置(データ出力装置),K:PC(データロガー・データ解析装置として使用),L:プリンター。 血清試料のHPLC分離ピークの例。 血清試料と試薬のHPLC分離ピークの例。 血清試料と試薬とが反応した場合のHPLC分離ピークの例。抗原が凝集している場合。 血清試料と試薬とが反応した場合のHPLC分離ピークの例。抗原が単離している場合。 分析フロー。
本発明についての手順を図10に示す。
(1)抗体文革と複数サイズの抗体が入った試薬の作成。
(2)試料と試薬とを混合して抗原抗体反応を起こす。
(3)HPLCにて溶離。
(4)リテンションタイムより各ピークを同定する。
(1)試薬の作成について
試薬の作成について説明する。
同一エピトープに結合する抗体(免疫グロブリン)および/または免疫グロブリンのエピトープに結合する部位の分画あるいは誘導体を調整する。
抗体として、図1に免疫グロブリン模式図を示す。すべての抗体は基本的には同じ構造を持っており、“Y”字型の4本鎖構造(軽鎖・重鎖の2つのポリペプチド鎖が2本ずつ)を基本構造としている。
軽鎖(L鎖ともいう)にはλ鎖とκ鎖の2種類があり、すべての免疫グロブリンはλ鎖又はκ鎖どちらかを持つが、分子量は約25,000で共通である。
重鎖(H鎖ともいう)にはγ鎖,μ鎖,α鎖,δ鎖,ε鎖の、構造の異なる5種類があり、重鎖がいずれかから構成されるかによって免疫グロブリンの種類が変わる。分子量は50,000〜77,000である。
この軽鎖と重鎖がジスルフィド結合(SS結合)で結びついてヘテロダイマーを形成し、さらにこのヘテロダイマーが左右2つジスルフィド結合で結合して“Y”字型のヘテロテトラマーである免疫グロブリンを形成している。
2本の軽鎖同士、あるいは2本の重鎖同士は全く同一のポリペプチド鎖である。“Y”字の下半分の縦棒部分にあたる場所をFc領域(Fragment,crystallizable)と呼ぶ。左右2つの重鎖からなる。“Y”字の上半分の“V”字の部分をFab領域(Fragment, antigen binding)と呼ぶ。この2つのFab領域の先端の部分で抗原と結合する。2本の軽鎖と2本の重鎖からなる。重鎖のFab領域とFc領域はヒンジ部でつながっている。左右の重鎖はこのヒンジ部がジスルフィド結合している。
タンパク分解酵素パパインはこのヒンジ部を分解して、2つのFabと1つのFc領域に切断する(図2)。またタンパク分解酵素のペプシンはヒンジ部のジスルフィド結合のFc側で切断し、大きなFabが2個結合したF(ab′)2を1つと、多数の小さなFc断片を生成する(図3)。Fab領域のうち先端に近い半分は、多様な抗原に結合、このFab領域の先端に近い半分を可変領域(V領域)といい、軽鎖の可変領域をVL領域、重鎖の可変領域をVH領域と呼ぶ。V領域以外のFab領域とFc領域は、比較的変化の少ない領域であり、定常領域(C領域)と呼ばれる。遺伝子組み換え技術の1つであるファージディスプレイ法によるV領域のみの断片作製が可能である。
本発明では、パパイン等のたんぱく質分解酵素を用い、Fab領域やF(ab′)2領域が試薬中に含まれるように試薬を調整する。Fab領域やF(ab′)2領域は、生体分子であると重なることがないので、液体クロマトグラフィを行ったときに、生体分子のピークに埋もれることなく検出可能となる。
つまり、試薬中に生体分子のピークに埋もれない抗体の分画あるいは誘導体を試薬中に含めることが重要となる。
(2)試料と試薬とを混合して抗原抗体反応を起こす
次に、試料と試薬を混合し、抗原抗体反応を起こす。
一例として、以下の機構により抗原抗体反応を実施する。
図4を参照して、免疫分析ユニット構成例につき説明する。免疫分析装置により分析可能な分析項目に対応する試薬液が収容されている試薬容器102は、回転動作可能な試薬ディスク103上に複数個配列されている。
試料111は回転動作可能な試料ディスク110上に複数個配列されている。
恒温に維持された反応ディスク105は回転動作可能であり、反応ディスク105上には円周に沿って複数の反応位置があり、そこに反応容器106が納められる。反応ディスク105は回転動作により反応容器106を試料吐出位置,試薬添加位置および反応液吸引位置へと移送する。
試薬分注ピペッタ104は試薬ディスク103上の試薬吸引位置上部から試薬添加位置上部までの間を移動でき、また、それぞれの位置で上下移動も可能となっている。試薬ボトル攪拌装置101は、試薬ボトル4上部に移動でき、上下動も可能である。
試料分注ピペッタ109は試料吸引位置上部から試料吐出位置上部まで水平方向に移動でき、また、それぞれの位置で上下移動も可能となっている。
シッパ107は反応液吸引位置上部に移動でき、上下動も可能である。また、シッパ107はチューブを介して検出ユニットへ反応液を送る機能を持っている。
試薬分注プローブ,試薬攪拌棒、および試料分注プローブは、それぞれに対応する各洗浄位置113,112、および114の上部まで水平方向に移動でき、また、それぞれの位置で上下移動も可能となっている。ここで攪拌棒あるいはプローブは洗浄液で洗浄される。
次に免疫分析ユニットにおける処理の流れを説明する。試薬分注ピペッタ104は試薬吸引位置上部へプローブを移動し、試薬ディスク103上の試薬容器102内に下降し、所定量の試薬を吸引する。試薬吸引後にプローブは上昇し、試薬吐出位置まで移動する。そして、プローブを下降して吸入保持していた試薬を反応容器106内に吐き出す。試薬を吐出した後、試薬分注ピペッタ洗浄位置113まで移動し、プローブ洗浄を行う。試薬の吸引に先立ち、試薬ボトル攪拌装置101の攪拌棒は、試薬ボトル4上部に移動しボトル内に下降する。攪拌棒はモーターの回転により試薬ボトル4中の試薬の攪拌を一定時間行う。攪拌の後、攪拌棒は試薬攪拌棒洗浄位置112へ移動し洗浄を行う。
試料分注ピペッタ109は試料吸引位置上部へプローブを移動し、試料ディスク110上の試料111内に下降し、所定量の試料を吸引する。試料吸引後にプローブは上昇し、試料吐出位置まで移動する。そして、プローブを下降して吸入保持していた試料を反応容器106内に吐き出す。試料を吐出した後、試料分注ピペッタ洗浄位置114まで移動し、プローブ洗浄を行う。
反応に要する所定時間が経過した後、反応ディスク105は、反応容器106を反応液吸引位置へ移送する。シッパ107は反応液吸引位置において、ノズルを通して検出ユニットへ反応液を吸引する。反応液を吸引後、シッパ107はノズルを緩衝液吸引位置115へ移動し、緩衝液を吸引する。吸引された緩衝液と反応液はチューブを通じて検出ユニット内の高速液体クロマトグラフィ(HPLC)まで送られ、分析が行われる。
(3)HPLCにて溶離
HPLCでの試料分離例を図5を用いて示す。
F:インジェクターより投入された反応液は、C:ポンプより押し出されるA:溶媒によりG:カラムに流入し、その分子ふるいにより試料中物質の分子サイズに従い分離される。さらにはI:検出器にて280nmと620nmでの吸光度を測定され、その情報はJ:検出データA/D変換装置(データ出力装置),K:PC(データロガー・データ解析装置として使用)を経てL:プリンターに出力される。
(4)リテンションタイムより各ピークを同定する。
以下に分離波形データより、分析対象である試料中抗原を検出測定する方法を示す。
図6は試薬を含まない血清試料の分離波形であり、180,000Da程度の免疫グロブリンIgGのピークが観察される。遅れて大きなピークを形成するのはアルブミンとされ、マイクログロブリンあるいは種々タンパク質とその消化物を含め微小かつ/あるいはなだらかなピークがいくつかみられる。
図7においては、分析対象抗原に対する抗体、IgG,F(ab′)2,Fabを含む試薬と抗原を含まない試料を(2)の抗原抗体反応により反応させ、(3)のHPLCにて溶離を実施した場合の分離波形データを示す。試薬中F(ab′)2,Fabは分離ピークとして認められるものの、IgGは試料中のIgGと重なり分離はなされない。
図8においては、分析対象抗原に対する抗体、IgG,F(ab′)2,Fabを含む試薬と抗原を含む試料を(2)の抗原抗体反応により反応させ、(3)のHPLCにて溶離を実施した場合の分離波形データを示す。抗原は凝集あるいは他のタンパク質等と結合しているものとする。F(ab′)2,Fabのピークは図7と比較すると小さく、これらが抗原と結合し各々ピークの抗体量が低減していることがわかる。抗原は凝集あるいは他のタンパク質等と結合しており、これらは明らかな分子量の凝集塊を形成しないことがあり、抗原抗体結合物もピークとして認められない。IgGも抗原と結合しているが結合物のピークは見られない。
図9においては、分析対象抗原に対する抗体、IgG,F(ab′)2,Fabを含む試薬と抗原を含む試料を(2)の抗原抗体反応により反応させ、(3)のHPLCにて溶離を実施した場合の分離波形データを示す。抗原は単離あるいは他のタンパク質等と結合していないものとする。F(ab′)2,Fabのピークは図7と比較すると小さく、これらが抗原と結合し各々ピークの抗体量が低減していることがわかる。さらには抗原抗体結合物はピークを形作り各々抗体単独よりも高分子側にピークを示す。
分析対象抗原の分子量,試薬中各々抗体の分子量あるいは試薬中に含まれる各々抗体量により、抗体あるいは抗原抗体結合物の分離時間(リテンションタイム)とピーク形状と大きさは異なるものの、これらは事前にデータを収集しておけばよく、未結合の抗体と抗原と結合した抗体の量は算出することができる。また、複数のサイズの抗体を用いることで仮に1種の抗体が試料中の物質によるノイズで至適に検出されないとしても、検出可能である。
試薬中の抗体の数,量は測定対象である抗原の性状に基づき設計すればよい。
これらにより、未標識の抗体を用い、抗原抗体反応に基づき被分析物質濃度を高精度かつ高感度に定量測定することができることがわかった。
102 試薬容器
103 試薬ディスク
104 試薬分注ピペッタ
105 反応ディスク
110 試料ディスク
111 試料
A 溶媒
C ポンプ
G カラム
F インジェクター
J 検出データA/D変換装置(データ出力装置)
K PC
L プリンター

Claims (3)

  1. 生体由来の試料に含まれる物質の有無,量を分析する分析方法において、
    同一エピトープに結合する抗体(免疫グロブリン)および/または免疫グロブリンのエピトープに結合する部位の分画,誘導体あるいは変異体のうち、複数のサイズのエピトープ結合分子と、前記試料に含まれる、当該エピトープ結合分子と結合する物質の同定及び定量を行うことを特徴とする分析方法。
  2. 生体由来の試料に含まれる物質の有無,量を分析する分析方法において、
    同一エピトープに結合するサイズの異なる複数の抗体分子及び/または画分,誘導体,変異体と当該エピトープを含む物質との結合分子を液体クロマトグラフィにより溶出あるいは分離させ、
    その分離時間と、溶出ピークの大きさにより物質の同定及び定量測定を行うことを特徴とする分析方法。
  3. 生体由来の試料に含まれる物質の有無,量を分析する分析方法において、
    同一エピトープに結合するサイズの異なる複数の抗体分子及び/または画分,誘導体,変異体と当該エピトープを含む物質との結合分子を液体クロマトグラフィにより溶出あるいは分離させ、
    その分離時間と溶出ピークの大きさにより物質の同定及び定量測定を行い、
    既知であるサイズの異なる複数の抗体分子とこれに結合したエピトープを含む物質との結合分子との分子数を算出することにより、
    抗体分子に結合する当該物質の物質の同定及び定量測定を行うことを特徴とする分析方法。
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