JP5222886B2 - 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置 - Google Patents

分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5222886B2
JP5222886B2 JP2010098695A JP2010098695A JP5222886B2 JP 5222886 B2 JP5222886 B2 JP 5222886B2 JP 2010098695 A JP2010098695 A JP 2010098695A JP 2010098695 A JP2010098695 A JP 2010098695A JP 5222886 B2 JP5222886 B2 JP 5222886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
separation membrane
water
separation
reforming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010098695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011224506A (ja
Inventor
草介 小野田
克義 谷田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Kobelco Eco Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco Eco Solutions Co Ltd filed Critical Kobelco Eco Solutions Co Ltd
Priority to JP2010098695A priority Critical patent/JP5222886B2/ja
Priority to PCT/JP2011/052312 priority patent/WO2011105188A1/ja
Priority to CN201180008614.9A priority patent/CN102753255B/zh
Publication of JP2011224506A publication Critical patent/JP2011224506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5222886B2 publication Critical patent/JP5222886B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use
    • Y02A20/124Water desalination
    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Description

本発明は、分離膜の細孔を拡径する分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置に関する。
従来より、海水の淡水化や廃水の浄化処理において、原水からイオン、懸濁物質等の不純物を分離する分離膜(例えば、逆浸透膜(RO膜)、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等)が用いられている。
しかるに、斯かる分離膜は、使用に伴い不純物の目詰まり、薬品による洗浄等により分離機能や強度が低下してしまうため、定期的に交換が必要となってしまい、廃棄物が大量に生じてしまうという問題を有している。
斯かる観点から、例えば、フィルター構造体からなる支持層の上に脱塩機能を有するスキン層を形成してなる分離膜を酸化剤(例えば、塩素、次亜塩素酸、オゾン、第4級アンモニア塩等)で酸化処理することにより、該分離膜のスキン層を除去する逆浸透膜の改質方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
斯かる逆浸透膜の改質方法によりスキン層が除去された逆浸透膜(RO膜)は、例えば、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等として再利用されており、廃棄物量の低減化が図られている。
特開2005−34723号公報
しかしながら、斯かる分離膜の改質方法は、ポリアミド製の分離膜に対するものであり、本発明者らが、酢酸セルロースで形成された分離膜に斯かる方法の適用を試みたところ、斯かる方法では、酢酸セルロースで形成された分離膜を拡径するのに長時間を要し、実用性に乏しいという問題があることがわかった。また、斯かる分離膜の改質方法は、たとえこの分離膜を拡径することができたとしても、この拡径された分離膜が酸化により劣化され、この分離膜の強度が低下し、この分離膜の寿命が短くなってしまうという問題も有している。
斯かる点に対して、本発明者らが鋭意研究したところ、酢酸セルロースで形成された分離膜をアルカリ水溶液に接触させて該分離膜の細孔を拡径することにより、該分離膜の劣化を抑制しつつ短時間でこの分離膜の細孔を拡径し得ることがわかった。斯かる方法によれば、酢酸セルロースのアセチル基のエステル結合がアルカリ水溶液により加水分解されるため、酢酸セルロースで形成された分離膜の細孔を拡径することができる。また、斯かる方法によれば、酸化と異なり加水分解は分離膜にほとんどダメージを与えないため、分離膜が劣化され難い。
しかるに、斯かる方法により所望の径となるように拡径された分離膜では、該分離膜に所定の圧力で被処理水が圧送された際に拡径された割には十分に高い流束が得られず、所望の流束を得るにはより高圧で被処理水を分離膜に圧送する必要が生じることとなる。即ち、該拡径された分離膜では、エネルギー効率良く被処理水を膜分離することが困難であるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、酢酸セルロースで形成された分離膜を短時間で拡径しつつ、劣化が少なく、且つ径の大きさの割にはエネルギー効率良く被処理水を膜分離し得る、拡径された分離膜を得ることができる分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、酢酸セルロースで形成された分離膜をアルコールに接触させることにより該分離膜の細孔を拡径したところ、該分離膜を短時間で拡径しつつ、劣化が少なく、且つ径の大きさの割にはエネルギー効率良く被処理水を膜分離し得る、拡径された分離膜を得ることができることを見出し、本発明の完成を想到するに至った。
尚、酢酸セルロースで形成された分離膜をアルコールに接触させることにより該分離膜の細孔が拡径されるメカニズムは、アルコールにより酢酸セルロースが膨潤して細孔が拡径されると考えられる。
ここで、本明細書において「分離膜の細孔を拡径する」とは、「分離膜のNaClの阻止率を低下させる」ことを意味する。
即ち、本発明は、酢酸セルロースで形成され、且つ海水を膜分離により淡水化して淡水を得るのに用いられた海水淡水化用分離膜をアルコールに接触させることにより、該分離膜のNaClの阻止率を低下させて、中水生成用分離膜を得ることを特徴とする分離膜の改質方法にある。
また、本発明は、酢酸セルロースで形成され、且つ海水を膜分離により淡水化して淡水を得るのに用いられた海水淡水化用分離膜がアルコールに接触されることにより、該分離膜のNaClの阻止率を低下させて、中水生成用分離膜を得るように構成されてなることを特徴とする分離膜の改質装置にある。
本発明によれば、酢酸セルロースで形成された分離膜を短時間で拡径しつつ、劣化が少なく、且つ径の大きさの割にはエネルギー効率良く被処理水を膜分離し得る、拡径された分離膜を得ることができる。
一実施形態に係る分離膜の改質方法で用いる海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)が備えられてなる淡水生成装置、及び一実施形態に係る分離膜の改質方法で作製した中水生成用逆浸透膜(RO膜)が備えられてなる中水生成装置の概略ブロック図。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の分離膜の改質方法は、酢酸セルロースで形成された分離膜をアルコールに接触させることにより、該分離膜の細孔を拡径する。
尚、本明細書において、「分離膜の改質」とは、分離膜の細孔の拡径を意味する。分離膜をアルコールに接触させることにより該分離膜の細孔が拡径されたことは、分離膜をアルコールに接触させることにより分離膜のNaCl阻止率が低下したことで確認することができる。分離膜のNaCl阻止率は、NaCl溶液(原水)を分離膜にて濾過して膜透過水を得て、原水及び膜透過水のNaCl濃度を測定し、次式で算出した値である。尚、NaCl濃度と電気伝導度は直線関係にあることから、NaCl濃度を測定する代わりに、電気伝導度を測定して、NaCl阻止率を算出してもよい。
NaCl阻止率(%)=(1−Cp/Cf)×100
Cf;原水のNaCl濃度、Cp;膜透過水のNaCl濃度
具体的には、本実施形態の分離膜の改質方法は、海水を膜分離により淡水化して飲み水等の淡水を得るのに用いられたことにより分離機能が低下した海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)や所定期間(例えば、数年間)使用された海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径する。そして、本実施形態の分離膜の改質方法は、該海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径することにより、下水が活性汚泥処理槽及び固液分離装置で浄化処理されることにより得られた下水処理水が膜分離されて中水を得るための中水生成用逆浸透膜(RO膜)を得る。
尚、中水生成用逆浸透膜(RO膜)は、海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)と比して、純度の高い透過水を得ることは求められていない一方で、所定量の透過水をより少ない動力で得ることが求められていることから、中水生成用逆浸透膜(RO膜)としては、海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)よりも低動力で濾過可能なものが通常用いられている。したがって、海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径したものは、中水生成用逆浸透膜(RO膜)として好適に用いることができる。
ここで、前記海水淡水化用逆浸透膜(RO膜)が備えられてなる淡水生成装置、及び前記中水生成用逆浸透膜(RO膜)が備えられてなる中水生成装置について図1を参照しつつ説明する。
前記淡水生成装置1は、図1に示すように、限外濾過膜(UF膜)または精密濾過膜(MF膜)を有し且つ海水Aを濾過処理して透過水及び濃縮水Bを得る淡水生成用除濁用膜ユニット11と、逆浸透膜(RO膜)を有し且つ該淡水生成用除濁用膜ユニット11を透過した透過水を濾過処理して透過水及び濃縮水Bを得る淡水生成用第1RO膜ユニット12と、逆浸透膜(RO膜)を有し且つ該淡水生成用第1RO膜ユニット12を透過した透過水を濾過処理して透過水及び濃縮水Bを得る淡水生成用第2RO膜ユニット13とを備えてなる。
また、前記淡水生成装置1は、海水Aを淡水生成用除濁用膜ユニット11に、淡水生成用除濁用膜ユニット11を透過した透過水を淡水生成用第1RO膜ユニット12に、淡水生成用第1RO膜ユニット12を透過した透過水を淡水生成用第2RO膜ユニット13に移送するように構成されてなる。また、前記淡水生成装置1は、淡水生成用の各膜ユニットで生成された濃縮水Bを濃縮水貯留槽(図示せず)に移送するように構成されてなる。さらに、前記淡水生成装置1は、前記淡水生成用第2RO膜ユニット13を透過した透過水を淡水Cとして回収するように構成されてなる。
前記海水Aは、塩を含む水であり、例えば、塩濃度が1.0〜8.0質量%程度の水であり、より具体的には、塩濃度が2.5〜6.0質量%程度の水である。
本明細書において、海水Aは、海に存在する水にのみならず、塩濃度が1.0質量%以上の水であれば、湖(塩湖、汽水湖)の水、沼水、池水等の陸に存在する水も含む。
前記中水生成装置2は、図1に示すように、限外濾過膜(UF膜)または精密濾過膜(MF膜)を有し且つ前記下水処理水Dを濾過処理して透過水及び濃縮水Eを得る中水生成用除濁用膜ユニット21と、逆浸透膜(RO膜)を有し且つ該中水生成用除濁用膜ユニット21を透過した透過水を濾過処理して透過水及び濃縮水Eを得る中水生成用RO膜ユニット22とを備えてなる。
また、前記中水生成装置2は、前記下水処理水Dを中水生成用除濁用膜ユニット21に、中水生成用除濁用膜ユニット21を透過した透過水を中水生成用RO膜ユニット22に移送するように構成されてなる。また、前記中水生成装置2は、中水生成用の各膜ユニットで生成された濃縮水Eを濃縮水貯留槽(図示せず)に移送するように構成されてなる。さらに、前記中水生成装置2は、前記中水生成用RO膜ユニット22を透過した透過水を中水Fとして回収するように構成されてなる。
本実施形態の分離膜の改質方法は、海水Aを膜分離により淡水化して飲み水等の淡水Cを得るのに用いられたことにより分離機能が低下した淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜(RO膜)をアルコール水溶液に接触させることにより、該逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径する。そして、本実施形態の分離膜の改質方法は、該逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径することにより、中水生成用RO膜ユニット22の逆浸透膜(RO膜)を得る。
前記淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜は、酢酸セルロースで形成されたものである。前記酢酸セルロースに於いて、グルコース単位に含まれるアセチル基の数は、特に限定されるものではないが、例えば、1〜3が例示され、酸化度が好ましくは50〜70%、より好ましくはおよそ61%である。
ここで、酸化度は、セルロース単位重量当たりの結合酢酸量を意味し、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定及び計算に従って求めたものである。
また、前記淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜(RO膜)は、例えば直径数十μmm〜数mmの中空糸状に形成されたいわゆる中空糸膜と呼ばれるタイプのものである。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。
本実施形態の分離膜の改質方法は、淡水生成用第1RO膜ユニット12の供給水の供給口からアルコールを流入させ、非透過で分離膜表面にアルコールを接触させることにより、淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径する。尚、淡水生成用第1RO膜ユニットへのアルコール水溶液の供給は、淡水生成用第1RO膜ユニットの濃縮水出口から行うことも可能である。
本実施形態の分離膜の改質方法は、好ましくは10〜90体積%、より好ましくは40〜60体積%のアルコール水溶液を用い、且つ前記接触により淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径する態様に於いては、アルコール水溶液接触時間を、好ましくは5分〜100時間、より好ましくは10分〜50時間とする。
本実施形態の分離膜の改質方法は、上記の如く構成されてなり、本実施形態の分離膜の改質装置は、酢酸セルロースで形成された分離膜がアルコールに接触されることにより、該分離膜の細孔が拡径されるように構成されてなる。
尚、本実施形態の分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置は、上記構成を有するものであるが、本発明の分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、本実施形態の分離膜の改質方法は、逆浸透膜(RO膜)の細孔を拡径するが、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等の分離膜の細孔を拡径してもよい。尚、逆浸透膜は、ナノ濾過膜(NF膜)を含む。
また、本実施形態の分離膜の改質方法では、いわゆる中空糸膜と呼ばれるタイプのものの細孔を拡径するが、本発明の分離膜の改質方法では、該中空糸膜よりも径の太い数cm程度の太さを有するいわゆるチューブラー膜と呼ばれるタイプのものや、使用時に内部にメッシュなどの支持材が配された状態でロール状に巻回されて用いられる封筒状のいわゆるスパイラル膜と呼ばれるものなど公知の分離膜の細孔を拡径してもよい。
さらに、本実施形態の分離膜の改質方法では、海水Aを膜分離により淡水化して飲み水等の淡水Cを得るのに用いられたことにより分離機能が低下した分離膜(具体的には淡水生成用第1RO膜ユニット12の逆浸透膜(RO膜))の細孔を拡径するが、本発明の分離膜の改質方法では、廃水の浄化処理等の種々の用途に用いられたことにより分離機能が低下した分離膜や所定期間(例えば、数年間)使用された分離膜の細孔を拡径してもよい。
また、本実施形態の分離膜の改質方法では、前記拡径により、前記下水処理水Dを膜分離して中水Fを得るための中水生成用逆浸透膜(RO膜)(中水生成用RO膜ユニット22の逆浸透膜(RO膜))を作製するが、本発明の分離膜の改質方法では、細孔が拡径される分離膜よりも細孔の径が大きいものを用いてもよい用途であれば、他の用途で用いるものを作製してもよい。また、本発明の分離膜の改質方法では、逆浸透膜(RO膜)に限らず、細孔が拡径される分離膜よりも細孔の径が大きいものであれば、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等の分離膜を作製してもよい。尚、逆浸透膜(RO膜)は、ナノ濾過膜(NF膜)を含む。
さらに、本実施形態の分離膜の改質方法は、分離膜のNaCl阻止率の変化率を、好ましくは0%より大きく且つ90%以下、より好ましくは0%より大きく且つ80%以下にする。
尚、NaCl阻止率の変化率とは、下記式によって表したものを意味する。
NaCl阻止率の変化率(%) = 〔(拡径前の分離膜のNaCl阻止率(%) − 拡径後の分離膜のNaCl阻止率(%))/拡径前の分離膜のNaCl阻止率(%)〕×100
次に、試験1〜2を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(試験1:アルカリ水溶液と、酸性水溶液、高温水、及び酸化剤含有水溶液との比較)
(例1−1:アルカリ水溶液)
酢酸セルロースで形成された逆浸透膜(RO膜)を有するRO膜ユニット(東洋紡績社製、商品名:ホロセップ(HB10255FI))から切り出した中空糸膜をアルカリ水溶液(pH13の水酸化ナトリウム水溶液)に浸漬し、表1の接触時間で接触させた。尚、下記表において、接触時間0hは、逆浸透膜(RO膜)にアルカリ水溶液を接触させていないことを意味する(例3での接触時間0dayも同様)。
そして、表1の接触時間でアルカリ水溶液に接触された逆浸透膜(RO膜)毎に、表1の圧力(膜間差圧)となるように圧力をかけて、RO膜ユニットの供給水の供給口から純水を、クロスフローろ過で濃縮水の流量が1L/minとなるように供給し、透過水の量が25mLとなるまでの時間(透過時間)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005222886
(例1−2:酸性水溶液)
アルカリ水溶液の代わりに酸性水溶液(5質量%硫酸の水溶液)を用いたこと、及び接触時間を表2のようにしたこと以外は、例1−1と同様な方法で逆浸透膜(RO膜)に酸性水溶液を接触させ、そして例1−1と同様な方法で純水の透過時間を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005222886
(例1−3:高温水)
アルカリ水溶液の代わりに水道水を用い、且つこの水道水を90℃に保った状態で分離膜を90℃の水道水(高温水)に接触させたこと、及び接触時間を表3のようにしたこと以外は、例1−1と同様な方法で逆浸透膜(RO膜)に高温水を接触させ、そして例1−1と同様な方法で純水の透過時間を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0005222886
(例1−4:酸化剤含有水溶液)
アルカリ水溶液の代わりに酸化剤含有水溶液(200ppm次亜塩素酸の水溶液)を用いたこと、及び接触時間を表4のようにしたこと以外は、例1−1と同様な方法で逆浸透膜(RO膜)に酸化剤含有水溶液を接触させ、そして例1−1と同様な方法で純水の透過時間を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0005222886
表1〜4に示すように、アルカリ水溶液を用いた場合では、高温水、酸性水溶液、酸化剤含有水溶液を用いた場合に比べ、酢酸セルロースで形成された分離膜の透過時間を短くすることができたこと、即ち、分離膜を拡径することができたことが示された。
また、アルカリ水溶液を用いた場合では、3時間以降も拡径は進行していると思われるが、物質としての強度が低下し、圧力により中空糸としての形状が保てなくなり、流路が閉塞していると思われる。
(試験2:アルカリ水溶液と、アルコール水溶液との比較)
(例2−1:アルカリ水溶液、接触時間:48h)
三酢酸セルロースで形成された逆浸透膜(RO膜)を有するRO膜ユニット(東洋紡績社製、商品名:ホロセップ(HB10255FI))から切り出した中空糸膜を180本用いて、小型RO膜モジュールを作製した。小型RO膜モジュールの供給水の供給口からアルカリ水溶液(pH:12.7、電気伝導度:5mS/cmのNaOH水溶液)を流入させ、非透過で逆浸透膜(RO膜)にアルカリ水溶液を接触時間48hで接触させた。
そして、改質後の逆浸透膜(RO膜)に表5の操作圧力(膜間差圧)となるように圧力をかけて、RO膜ユニットの供給水の供給口から純水を、クロスフローろ過で濃縮水の流量が1L/minとなるように供給して、10分間に得られた透過水の量(純水Flux)を測定した。
また、改質前及び改質後の逆浸透膜(RO膜)に表5の操作圧力(膜間差圧)となるように圧力をかけて、RO膜ユニットの供給水の供給口からNaCl水溶液(NaCl濃度:6質量%)を、クロスフローろ過で濃縮水の流量が1L/minとなるように供給して、10分間に得られた透過水の量(NaCl−Flux)を測定した。尚、供給水としてのNaCl水溶液の電気伝導度(NaCl電気伝導度)、透過水の電気伝導度も測定した。
また、同様に、改質後の逆浸透膜(RO膜)と同様に改質前の逆浸透膜(RO膜)についても同様な測定を行った。
そして、斯かる試験を合計3回繰り返した。結果を表5に示す。尚、純水Flux増加率は、改質前の逆浸透膜(RO膜)の純水Fluxに対する、改質後の逆浸透膜(RO膜)の純水Fluxの比を示す。他の表においても同様である。
Figure 0005222886
(例2−2:アルコール水溶液、接触時間:20min)
アルカリ水溶液の代わりにアルコール水溶液(50体積%エタノールの水溶液)を用いたこと、及び接触時間を20minにしたこと以外は、例2−1と同様な方法で試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005222886
(例2−3:アルコール水溶液、接触時間:24h)
接触時間を24hにしたこと以外は、例2−2と同様な方法で試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005222886
表5に示すように、アルカリ水溶液を用いて接触時間48hで改質することにより、純水Flux増加率の平均は1.3倍となり、NaCl阻止率の変化率の平均は37.1%となった。一方で、表7に示すように、アルコール水溶液を用いて接触時間24hで改質することにより、純水Flux増加率の平均は1.9倍となり、NaCl阻止率の変化率の平均は29.9%となった。よって、アルコール水溶液を用いた改質では、アルカリ水溶液を用いた改質よりも、径の大きさの割にはエネルギー効率良く被処理水を膜分離し得ることが示された。
また、アルコール水溶液を用いた改質では、アルカリ水溶液を用いた改質と同様に、酢酸セルロースで形成された分離膜の透過時間を短くすることができたこと、即ち、分離膜を拡径することができたことが示された。
さらに、アルコール水溶液を用いた改質では、アルカリ水溶液を用いた改質と同様に、酢酸セルロースで形成された分離膜の劣化が観察されなかった。
1:淡水生成装置、2:中水生成装置、11:淡水生成用除濁用膜ユニット、12:淡水生成用第1RO膜ユニット、13:淡水生成用第2RO膜ユニット、21:中水生成用除濁用膜ユニット、22:中水生成用RO膜ユニット、A:海水、B:濃縮水、C:淡水、D:下水処理水、E:濃縮水、F:中水

Claims (5)

  1. 酢酸セルロースで形成され、且つ海水を膜分離により淡水化して淡水を得るのに用いられた海水淡水化用分離膜をアルコールに接触させることにより、該分離膜のNaClの阻止率を低下させて、中水生成用分離膜を得ることを特徴とする分離膜の改質方法。
  2. 下記式で示されるNaCl阻止率の変化率を0%より大きく且つ90%以下にする請求項1記載の分離膜の改質方法。
    NaCl阻止率の変化率(%) = 〔(改質前の分離膜のNaCl阻止率(%) − 改質後の分離膜のNaCl阻止率(%))/改質前の分離膜のNaCl阻止率(%)〕×100
  3. 改質前に対する改質後の純水Flux増加率が、1.0〜2.1となるようにする請求項1又は2記載の分離膜の改質方法。
  4. 前記海水淡水化用分離膜が逆浸透膜である請求項1〜3の何れか一項に記載の分離膜の改質方法。
  5. 酢酸セルロースで形成され、且つ海水を膜分離により淡水化して淡水を得るのに用いられた海水淡水化用分離膜がアルコールに接触されることにより、該分離膜のNaClの阻止率を低下させて、中水生成用分離膜を得るように構成されてなることを特徴とする分離膜の改質装置。
JP2010098695A 2010-02-25 2010-04-22 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置 Active JP5222886B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010098695A JP5222886B2 (ja) 2010-04-22 2010-04-22 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
PCT/JP2011/052312 WO2011105188A1 (ja) 2010-02-25 2011-02-04 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
CN201180008614.9A CN102753255B (zh) 2010-02-25 2011-02-04 分离膜的改性方法以及分离膜的改性装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010098695A JP5222886B2 (ja) 2010-04-22 2010-04-22 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011224506A JP2011224506A (ja) 2011-11-10
JP5222886B2 true JP5222886B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=45040559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010098695A Active JP5222886B2 (ja) 2010-02-25 2010-04-22 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5222886B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5770670B2 (ja) * 2011-03-31 2015-08-26 公益財団法人 塩事業センター 発電及び希釈法、及び装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5681105A (en) * 1979-12-06 1981-07-02 Teijin Ltd Treatment of membrane
JPH0531337A (ja) * 1991-07-31 1993-02-09 Asahi Chem Ind Co Ltd 中空糸限外濾過膜の親水化方法
JP2005066464A (ja) * 2003-08-25 2005-03-17 Nitto Denko Corp 液体分離膜及びその製造方法
JP4177231B2 (ja) * 2003-11-04 2008-11-05 日東電工株式会社 液体分離膜及びその製造方法
JP4675062B2 (ja) * 2004-06-07 2011-04-20 旭化成ケミカルズ株式会社 中空糸膜カートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011224506A (ja) 2011-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Singh et al. Introduction to membrane processes for water treatment
JP5433633B2 (ja) 正浸透膜を用いた海水淡水化システム
Xu et al. Performance of a ceramic ultrafiltration membrane system in pretreatment to seawater desalination
US20150014248A1 (en) Method and system for generating strong brines
CN107206320B (zh) 盐水浓度
Nataraj et al. Cellulose acetate-coated α-alumina ceramic composite tubular membranes for wastewater treatment
WO2011105188A1 (ja) 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
Abbasi-Garravand et al. Role of two different pretreatment methods in osmotic power (salinity gradient energy) generation
WO2012098969A1 (ja) 膜モジュールの洗浄方法、造水方法および造水装置
JP2008100220A (ja) 造水方法
JP7133429B2 (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP2015077530A (ja) 造水方法および造水装置
CN111867705A (zh) 溶剂分离
JP5024158B2 (ja) 膜ろ過方法
JP2003170165A (ja) 造水方法
JPWO2014010628A1 (ja) 造水方法および造水装置
JP5222869B2 (ja) 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
JP2009034030A5 (ja)
JP2013215640A (ja) 内圧式の中空糸型nf膜とその製造方法
JP5222886B2 (ja) 分離膜の改質方法、及び分離膜の改質装置
JP2001113274A (ja) 脱塩方法
WO2012057176A1 (ja) 水処理方法および造水方法
EP3056258B1 (en) Chemical cleaning method for membrane systems
JP3963304B2 (ja) 逆浸透分離方法
JP4470472B2 (ja) 複合半透膜及びそれを用いた水の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130311

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5222886

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250