以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
なお、本発明は、空調機の運転を制御/管理する空調管理システム及びそのプログラムと、空調機単体に適用されるものであるが、以下の実施形態では、ビル内に設置された空調設備、照明設備、防犯設備、防災設備、昇降設備などの様々な設備を1つの中央監視装置で一括監視することが可能なBACnet準拠のビル管理システムに含まれる空調管理システム及びそのプログラムと、空調機単体に本発明を適用した場合について説明する。
(空調管理システムの構成)
図1は、本発明が適用される空調管理システム1をサブシステムとして含むビル監視システムAの概略構成を示す外観構成図である。
図示のように、このビル監視システムAは、中央監視装置10と、空調設備CF、照明設備IF、防犯設備PF、防災設備(不図示)、昇降設備EFなどの種々のビル設備とを主体に構成され、中央監視装置10と、前記各設備における制御装置{空調制御装置(20)、照明制御装置、防犯制御装置、防災制御装置(不図示)、昇降制御装置など}とはLAN(Local Area Network)ケーブルCを介して相互に通信可能に接続される。
そして、このビル監視システムAでは、中央監視装置10と前記各制御装置との間の通信プロトコルとして国際通信規格であるBACnet(:A Data Communication Protocol for Building Automation and Control Networks)を用いているため、BACnetに対応した装置であればベンダ(メーカや販売会社)を問わず前記各制御装置として用いることができ、コスト、規模、機能などの種々の目的に応じてマルチベンダによる柔軟なシステム構築が可能である。
このため、このビル監視システムAでは、例えば、空調設備の制御装置はA社、照明設備の制御装置はB社、防犯設備の制御装置はC社、防災設備の制御装置はD社、昇降設備の制御装置はE社などのようなマルチベンダによる柔軟なシステム構築が可能であり、更に、前記マルチベンダ形態のように各制御装置が同一のベンダでなくとも全てのサブシステム(空調管理システム、照明管理システム、防犯管理システム、防災管理システム、昇降管理システムなど)を1つの中央監視装置10で一括監視することが可能である。
また、各設備に複数の制御装置(後記の空調制御装置20など)がある場合においても、それら複数の制御装置をマルチベンダによって構成することも可能である。
図2は、図1に示したビル監視システムAに含まれる本発明を適用した空調管理システム1の構成を示すブロック図であり、特に、照度有効ゾーンZを介して照度計50に空調機40が関連付けられている状態を示している。
図示のように、この空調管理システム1は、中央監視装置10と、空調制御装置20と、中継装置30と、空調機40と、照度計50とを主体に構成される。なお、一般的に、この空調管理システム1では、空調制御装置20、中継装置30、空調機40、照度計50などの各構成要素がビルの各階毎に設置されるが、図2の例では、ビルの1階のある空調室に設置される各構成要素(20〜50)のみを図示し、2階以上の他の階に設置される各構成要素(20〜50)については図示を省略した。
ここで、中央監視装置10は、例えば、タワー型などの据置型やノートブックなどの携帯型のパーソナルコンピュータなどで構成され、空調管理システム1を統括的に管理するための装置である。そして、この中央監視装置10は、LANケーブルCを介して空調制御装置20と通信可能に接続されており、BACnetを用いて空調制御装置20との間で空調機40の運転の制御/管理に係るデジタル形式の各種データの通信を行う。なお、この中央監視装置10は、例えば、ビルの管理人室などに設置される。
図3は、中央監視装置10の一構成例を示すブロック図である。
図示のように、この中央監視装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示処理部13と、操作入力処理部14と、音声処理部15と、記憶媒体処理部16と、データ入出力部17と、電源供給部18などを備え、システムバスSB1を介して各構成要素間でデータの送受信が行われるようになっている。
ここで、制御部11は、この中央監視装置10を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成され、後記の記憶部12に記憶されているビル監視用ソフトウエアSなどの各種プログラムを解釈実行する。
記憶部12は、制御部11で解釈実行されるビル監視用ソフトウエアSや、その他、中央監視装置10で使用するソフトウエアや各種データなどを記憶保持するものであり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read-Only Memory)などのメモリや、ハードディスクなどの記憶装置などから構成される。
なお、本実施形態のビル監視用ソフトウエアSは、ビル監視システムAにおける各種制御及び管理を実行するための各種制御プログラムと、その制御プログラムを実行する際に用いられる各種データ(グラフィック画面用の画像データなど)などから構成される。そして、ビル監視用ソフトウエアSは、各サブシステムにおける各種制御及び管理を実行するための制御プログラムと、その制御プログラムを実行する際に用いられる各種データ(画像データなど)から構成される空調管理ソフトウエアS11、照明管理ソフトウエアS12、防犯管理ソフトウエアS13、・・・、昇降管理ソフトウエアS15などを含んでいる。
表示処理部13は、ビル監視システムAの各サブシステム(空調管理システム、照明管理システム、防犯管理システム、防災管理システム、昇降管理システムなど)の監視を行うための各種監視画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode-ray tube)ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置と、その表示装置における表示を制御する表示制御回路などから構成される。なお、この表示処理部13は、本発明に係る空調管理システム1の監視画面として、空調制御装置20における処理のログを表示したり、空調制御装置20が保持する情報の設定や表示を行うための監視画面(後記の設定照度閾値の設定画面131など)を表示する。
図4は、表示処理部13で表示される設定照度閾値の設定画面131の一構成例を示す図である。
図示されるように、この設定照度閾値の設定画面131は、後記の省エネルギー制御処理(図9参照)で実測照度値と比較される設定照度閾値(ルクス)を設定するための設定画面であり、この場合、後記の照度計50毎に関連付けられる設定照度閾値{図7(b)のT24参照}を入力する設定照度閾値入力欄131aと、その設定照度閾値入力欄131aで入力した各設定照度閾値を確定するための確定ボタン131bとを備えている。
なお、本実施形態の設定照度閾値の設定画面131では、空調管理ソフトウエアS11が実行され、例えば、空調管理に係る監視画面のトップ画面が表示され、そのトップ画面に備えられた設定照度閾値を設定する項目がシステム監視者や空調機利用者などの操作者によって選択された場合に表示される態様となっている。
また、この設定照度閾値は、操作者がキーボードなどを用いて任意の値を入力することも可能であるし、予め夏期及び冬期別に用意されている設定照度閾値を選択指定することも可能である。実際には、実際の運用上で試験を繰り返し行いながら適切な設定照度閾値を決定していくことが好ましい。
図3に戻って、操作入力処理部14は、表示処理部13で表示装置に表示された各種監視画面に係る各種設定値などの入力を受け付けるためのものであり、例えば、キーボードやマウスなどの入力装置と、その入力装置からの入力を処理する入力処理回路などから構成される。
音声処理部15は、この中央監視装置10が設置される場所にいるシステム監視者などにシステムの故障や異常を知らせるための警報音や音声を出力処理するものであり、例えば、スピーカと、そのスピーカから発声する音声の出力制御を行う音声処理回路などから構成される。
記憶媒体処理部16は、記憶部12に記憶されるデータであり、ビル監視用ソフトウエアSや、そのビル監視用ソフトウエアSの機能を拡張するための制御プログラムや各種データが記憶されたCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの記憶媒体を読み書きするためのものであり、例えば、CDドライブやDVDドライブなどから構成される。
具体的には、前記記憶媒体として、既存のBACnet準拠のビル管理システムに本発明のプログラムを適用する場合において、本発明のプログラムを適用した後記の省エネ制御プログラム(P)及びその各種データ(空調機情報テーブルT1及び照度計情報テーブルT2)が空調制御装置20にインストールされた際に、中央監視装置10で設定照度閾値の設定画面131を表示させるために空調管理用ソフトウエアの機能を拡張するための制御プログラム及びその各種データが記憶された記憶媒体が想定される。
なお、中央監視装置10がUSB(Universal Serial Bus)メモリに対応している場合には、前記記憶媒体に替えて、空調管理用ソフトウエアの機能を拡張するための制御プログラム及びその各種データが記憶されたUSBメモリが用いられる。
データ入出力部17は、LANケーブルCを介して1または複数の空調制御装置20との間でデータの送受信を行う機能を有する。
電源供給部18は、商業用電流を各構成要素に必要な電流に変換して供給するための電源装置である。
図5は、中央監視装置10の制御部11が、本発明のプログラムが適用された空調管理用ソフトウエアS11を記憶部12のRAM上において展開、実行することにより実現される閾値設定部120の機能構成を示す機能ブロック図である。
図示されるように、この閾値設定部120は、入力受付部121、設定画面表示部122、閾値通知部123などを有する。
ここで、入力受付部121は、操作入力処理部14を介して操作者により設定照度閾値の入力要求を受け付けると、後記の設定画面表示部122に設定照度閾値の設定画面131(図4参照)の表示を指示する。
設定画面表示部122は、入力受付部121からの指示に従って、図4に示した設定照度閾値の設定画面131を表示処理部13で表示させる。具体的には、液晶ディスプレイなどの表示装置に設定照度閾値の設定画面131を表示する。
閾値通知部123は、設定照度閾値の設定画面131で入力確定された設定照度閾値をデータ入出力部17を介して空調制御装置20に通知する。
なお、本実施形態の中央監視装置10は、各空調機40の設定温度を遠隔で変更することが可能である。具体的には、中央監視装置10が、設定温度の数値を示すデジタル形式のデータをLANケーブルC、空調制御装置20、伝送線L1経由で中継装置30に伝送することで、中継装置30が空調機40で受信及び判断可能なアナログ信号などに変換し、伝送線L2経由で該当する空調機40に前記アナログ信号を伝送することにより、空調機40が受信したアナログ信号に基づいて設定温度を変更する。
また、本実施形態の中央監視装置10は、前記設定温度変更機能の他に、従来周知である所定のスケジュール機能に従って空調機40の電源をON/OFFする電源制御機能や、空調機40の状態(電源状態及び運転モード)を監視する状態監視機能や、空調機40の設定温度を監視する監視機能などを備えている。
更に、本実施形態の中央監視装置10では、パルス発信機からのパルスを取るなどして各空調機40の所定期間(時間、日、週、月などの期間)における消費電力量を確認するためのレポートを表示装置や印刷装置などの出力装置を介して出力することが可能であり、これにより、システム監視者や利用者が簡単に各空調機40の消費電力量を確認することが可能である。
図2に戻って、空調制御装置20は、空調機40の運転を制御するための装置であり、自律分散制御装置(Icont)とも呼ばれる。即ち、空調管理システム1内に設置された各空調制御装置20は、それぞれ自律して自己に所属する機器(中継装置30や空調機40)の制御を実行する。このため、いずれかの空調制御装置20に故障が生じた場合でも、他の空調制御装置20が自律して稼働するため、空調管理システム1全体が停止することを未然に防ぐことが可能である。
そして、この空調制御装置20は、前記したようにLANケーブルCを介して中央監視装置10と通信可能に接続されるとともに、伝送線L1を介して複数の中継装置30と通信可能に接続されており、米国エシェロン社が開発した知的分散制御ネットワーク技術であるLonWorks(登録商標)(:Local Operating Network)を用いて各中継装置30との間で空調機40の電源状態及び運転モードを示すデジタル形式のデータと、後記の照度計50で測定され後記の中継装置30で変換された実測照度値を示すデジタル形式のデータなどの通信を行い、それらを受信して管理する。なお、この空調制御装置20は、例えば、ビルの階段下の電気パイプスペース(EPS:Electric Pipe Space)などに設置される。
前記したように、空調制御装置20と各中継装置30との間の通信プロトコルとしてLonWorksを用いているため、LonWorksに対応した装置であればベンダを問わず中継装置30として用いることができ、コスト、規模、機能などの種々の目的に応じてマルチベンダによる柔軟なシステム構築が可能である。
また、各空調制御装置20には、1または複数(例えば、最大で63台など)の中継装置30が接続可能とされており、例えば、小規模のビルなどで中継装置30の必要台数が最大数の範囲内で収まる場合には、1つの空調制御装置20でシステムを構築することが可能であるが、大規模のビルや、空調制御装置20の故障によるシステム停止を考慮する場合などでは、複数の空調制御装置20でシステムを構築することも可能である。
図6は、空調制御装置20の一構成例を示すブロック図である。
図示のように、この空調制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、第1データ入出力部23と、第2データ入出力部24と、電源供給部25などを備え、システムバスSB2を介して各構成要素間でデータの送受信が行われるようになっている。
ここで、制御部21は、この空調制御装置20を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)(請求項のコンピュータに相当するもの)などで構成され、後記の記憶部22に記憶されている空調制御用ソフトウエアS2を解釈実行する。
記憶部22は、制御部21で解釈実行される空調制御用ソフトウエアS2などを記憶保持するものであり、RAMやROMなどのメモリなどから構成される。
なお、本実施形態の空調制御用ソフトウエアS2は、空調制御装置20に接続される各空調機40の制御及び管理を実行するための各種制御プログラムと、その制御プログラムを実行する際に用いられる各種データなどから構成される。そして、空調制御用ソフトウエアS2は、本発明に係る省エネルギー制御処理(図9参照)を実行するための省エネ制御プログラムPと、その省エネ制御プログラムPを実行する際に用いられる空調機情報テーブルT1、照度計情報テーブルT2などから構成される。
図7は、空調機情報テーブルT1及び照度計情報テーブルT2の一構成例を示すテーブル図である。
図7(a)に示すように、この空調機情報テーブルT1は、省エネルギー制御対象の空調機40に関する各種情報を記憶するテーブルであり、例えば、空調機識別情報T11、ゾーン情報T12、電源状態T13、運転モードT14、設定温度T15などの各項目を有している。
ここで、空調機識別情報T11は、空調機40を識別するための情報である。また、ゾーン情報T12は、照度有効ゾーンZを示す情報であり、後記の照度計情報テーブルT2を検索して省エネルギー制御対象の空調機40に関連付けられた照度計50、実測照度値及び設定照度閾値を検出する場合に用いられる情報である。また、電源状態T13は、空調機40の電源状態{ON(運転中)またはOFF(停止中)}を示す情報である。また、運転モードT14は、空調機40の運転モード(暖房運転モードまたは冷房運転モード)を示す情報である。また、設定温度T15は、現在の省エネルギー制御対象の空調機40の設定温度を示す情報である。
また、図7(b)に示すように、照度計情報テーブルT2は、照度計50(図2参照)に関する各種情報を記憶するテーブルであり、例えば、照度計識別情報T21、ゾーン情報T22、実測照度値T23、設定照度閾値T24などの各項目を有している。
ここで、照度計識別情報T21は、照度計50を識別するための情報である。また、ゾーン情報T22は、照度有効ゾーンZを示す情報である。また、実測照度値T23は、照度計50が計測している現在の照度値(即ち、空調制御の指標となる実測照度値)を示す情報である。また、設定照度閾値T24は、照度計50に関連付けられた省エネルギー制御対象の空調機40に対し、本発明に係る省エネルギー制御を実行するか否かの判断、即ち、運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)別に、日差しの強弱によって空調機の省エネルギーが可能な状況であるか否かの判断を行うための設定閾値を示す情報である。
なお、前記設定閾値は、冷房運転モードと暖房運転モードとで異なる閾値、即ち、冷房時用の設定閾値と暖房時用の設定閾値を設定することも可能であるし、両モードで共通の閾値を設定することも可能である。
なお、既存のBACnet準拠のビル管理システムに本発明のプログラムを適用する場合においては、本発明のプログラムを適用した省エネ制御プログラムP及びその各種データ(空調機情報テーブルT1及び照度計情報テーブルT2)をUSB端子などの所定の接続端子(不図示)を介して既存の空調制御装置20にインストールすることで対応することが可能である。
図6に戻って、第1データ入出力部23は、LANケーブルCを介して中央監視装置10との間でデータの送受信を行う機能を有する。
第2データ入出力部24は、伝送線L1を介して中継装置30との間でデータの送受信を行う機能を有する。
電源供給部25は、商業用電流を各構成要素に必要な電流に変換して供給するための電源装置である。
なお、本実施形態の空調制御装置20では、各空調機40の設定温度を変更することが可能である。具体的には、空調制御装置20が、当該空調機40の識別情報とともに設定温度の数値を示すデジタル形式のデータを伝送線L1経由で中継装置30に送信し、中継装置30で空調機40で受信可能なアナログ信号などに変換し、中継装置30が伝送線L2を介して該当する空調機40に前記アナログ信号を送信することにより、空調機40が受信したアナログ信号に応じて設定温度を変更する。
また、本実施形態の空調制御装置20では、照度計50からのアナログ信号に基づき実測照度値を算出する機能を有している。
図2に戻って、中継装置30は、空調制御装置20と、空調機40及び照度計50との間でデジタル形式のデータの送受信の中継を行う装置であり、Lonモジュールとも呼ばれる。
そして、この中継装置30は、伝送線L1を介して空調制御装置20と通信可能に接続されるとともに、伝送線L2を介して空調機40及び照度計50と通信可能に接続されており、伝送線L2経由で空調機40から入力された信号に基づき電源状態及び運転モードを示すデジタル形式のデータを伝送線L1経由で空調制御装置20に送信したり、伝送線L2経由で照度計50から入力された信号に基づき実測照度値を示すデジタル形式のデータを伝送線L1経由で空調制御装置20に送信するなどの通信を行う。なお、この中継装置30は、例えば、前記した空調制御装置20と同様に前記EPSなどに設置される。
なお、この中継装置30は、図示を省略しているが、例えば、伝送線L1を介して空調制御装置20との間で信号の送受信を行う第1送受信回路と、伝送線L2を介して1または複数の空調機40との間で信号の送受信を行うとともに、伝送線L2を介して照度計50から測定信号を受信する第2送受信回路と、前記第1送受信回路及び第2送受信回路で受信した信号を一時的に記憶する一時記憶部と、それらとシステムバスを介して接続され、この中継装置30を統括的に制御する制御部と、それらに必要な電流を供給する電源供給部などを主体に構成することができる。
また、この中継装置30は、例えば、前記第2送受信回路と接続されるポート(端子)を複数個(例えば、デジタルポートなら「16個」、アナログポートなら「8個」など)備えており、各ポートに、1または複数の空調機40及び照度計50と接続される複数の伝送線L2が接続される態様となっている。そして、この中継装置30は、前記制御部の制御のもと、空調機40や照度計50から前記ポート及び第2送受信回路経由で入力されたアナログ信号をデジタル形式のデータに変換し、空調制御装置20に送信する機能を実現している。
より具体的には、各中継装置30の各ポートには、それぞれ空調制御装置20に通知する情報の種類が割り当てられており、例えば、中継装置(1)30の第1ポート(ポート番号「1−1」)には空調機(1)40の電源状態が割り当てられ、中継装置(1)30の第2ポート(ポート番号「1−2」)には空調機(1)40の運転モードが割り当てられ、中継装置(1)30の第3ポート(ポート番号「1−3」)には空調機(1)40の設定温度が割り当てられる、などのようになっている。
そして、例えば、中継装置(1)30は、第1ポート経由で電流が流れてきた場合または所定の信号が入力されてきた場合に、第1ポートがONであることを示す所定のデジタル形式のデータを空調制御装置20に送信する。これにより、空調制御装置20が空調機(1)40の電源状態が「ON」であると判断する。また、例えば、中継装置(1)30は、第3ポート経由で4mAの電流が流れてきた場合に、第3ポートが4mAであることを示すデジタル形式のデータを空調制御装置20に送信する。これにより、空調制御装置20が、所定の変換式(例えば、4mAなら16度、20mAなら30度と判断するための式など)で空調機(1)40の設定温度が「16度」であると判断する。
なお、既存の中継装置30に本実施形態の照度計50を接続する形態において、当該中継装置30のポートが空いていない場合には、デイジーチェーン(複数の機器を数珠繋ぎにつないでいく配線方法)などを用いて中継装置30を増設することで照度計50を接続することが可能である。
空調機40は、空調制御装置20からの制御に基づいて運転する機能を有し、例えば、ダクト式空調機などの周知の空調機で実現され、ビルの部屋R(図2参照)の天井などに設置され、設置部屋Rの温度、湿度を調節したり、換気を行ったりすることで当該設置部屋Rの空気を快適な状態に保つための空気調和機である。
より具体的には、この空調機40は、中央監視装置10やリモコンRCなどで設定された設定温度になるように温度制御を行う機能を有しており、例えば、室内温度測定センサ(不図示)により検知された室内温度に基づき所定の設定温度になるように風量調節などの空調制御を実行する。
なお、図2の例では、室内ユニットのみを図示し、室外ユニット(不図示)は省略した態様となっているが、実際には室外ユニットも中継装置30に通信接続される態様となっている。
また、この空調機40は、前記したように伝送線L2を介して中継装置30と通信可能に接続されるとともに、伝送線L3を介してリモコンRCと通信可能に接続されている。
リモコンRCは、設置部屋Rの壁WL(図2参照)などに設置され、信号線L3を介して空調機40と通信可能に接続されており、ボタン操作などによって設置部屋Rに居る利用者から運転モード(暖房運転モード/冷房運転モード)の切り替え入力及び設定温度の変更入力を受付け、それら受付けた入力を空調機40に送信する機能を有する。
照度計(ルクスメータ)50は、LonWorksに対応した照度(ルクス)を測定する測定器であり、測定した照度を示すアナログ信号を伝送線L2に出力する。なお、本実施形態では、この照度計50は、ビルなどの窓際、特に、日中の日差しや西日などの影響を強く受ける窓Wd(図2参照)の傍(窓際)などに設置される。
なお、この照度計50には、当該照度計50で測定された実測照度値に応じて後記の省エネルギー制御対象となる空調機40が関連付けられる。図2の例では、照度有効ゾーン(1)Zを介して1つの照度計(1)50に2つの空調機(1)40及び空調機(2)40が関連付けられている場合を示しているが、これ以外の関連付けの態様とすることも可能である。ここで、照度有効ゾーンZとは、照度計50を有効とする空調機40の集まりを示すものであり、省エネルギー制御の対象とならない空調機40には関連付けされないものである。
図8は、空調制御装置20の制御部21(図6参照)が、本発明のプログラムが適用された省エネ制御プログラムPを記憶部22のRAM上などにおいて展開、実行することにより実現される省エネ制御部220の機能構成を示す機能ブロック図である。
図示されるように、この省エネ制御部220は、空調機情報記憶処理部221、照度計情報記憶処理部222、電源ON/OFF判定部223、運転モード判定部224、照度値比較判定部225、設定温度変更部226、空調機情報テーブルT1、照度計情報テーブルT2などを有する。
ここで、空調機情報記憶処理部221は、LANケーブルCを介して中央監視装置10から受信したデータや、伝送線L1を介して中継装置30経由で受信したデータ(空調機40からの信号)または後記の設定温度変更部226からの信号に基づいて空調機情報テーブルT1の情報を更新記憶する。
照度計情報記憶処理部222は、LANケーブルCを介して中央監視装置10から受信したデータや、伝送線L1を介して中継装置30経由で受信したデータ(照度計50からの信号)に基づいて照度計情報テーブルT2の情報を更新記憶する。
電源ON/OFF判定部223は、空調機情報テーブルT1の電源状態情報に基づいて省エネルギー制御対象の空調機40の電源状態{ON(運転中)またはOFF(停止中)}を判定する処理を実行する。
運転モード判定部224は、空調機情報テーブルT1の運転モード情報に基づいて省エネルギー制御対象の空調機40の運転モード(暖房運転モード/冷房運転モード)を判定する処理を実行する。尚、運転モードは伝送線L1、L2、中継装置30を介して取得することが可能である。
照度値比較判定部225は、照度計情報テーブルT2の実測照度値情報と設定照度閾値情報とに基づいて、省エネルギー制御対象の空調機40の実測照度値と設定照度閾値とを比較して、実測照度値と設定照度閾値との大小関係を判定し、当該省エネルギー制御対象の空調機40の運転モード(暖房運転モード/冷房運転モード)別に後記の設定温度変更部226に当該空調機40の設定温度を所定温度(例えば、1度など)上げるまたは下げる指示を送出する処理を実行する。なお、ここでいう所定温度とは、システム側で自動的に設定温度を変更した場合でも空調機40を利用する利用者の快適性を損なわないように考慮された任意の変更温度のことであり、本実施形態では、好ましくは「1度」に設定している。
設定温度変更部226は、前記照度値比較判定部225からの指示及び空調機情報テーブルT1の設定温度(例えば、「23度」など)に基づいて、該当する空調機40に対する変更後の設定温度の数値(例えば、「22度」など)を示すデジタル形式のデータを第2データ出力部24を介して送信する処理を実行する。
(空調管理システムの処理動作)
図9は、省エネ制御部220で実行される省エネ制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、この省エネ制御処理は、省エネ制御対象の空調機40毎に実行されるものであり、所定時間が経過する度に行われるものである。なお、所定時間には、任意の時間を設定することが可能であり、例えば、秒単位や分単位などの時間を設定することができる。
また、以下では、図2に示す照度有効ゾーン(1)Zに関連付けられた省エネ制御対象の空調機(1)40に対する具体的な処理についても合わせて説明する。
図示されるように、省エネ制御部220は、ステップS1において、各空調機40毎に、タイマーなどで前回の省エネ制御処理から所定時間が経過したか否かの判定を行い、この判定の結果、所定時間が経過したと判定した場合に、次のステップS2に移行する。
続いて、ステップS2において、電源ON/OFF判定部223が動作して、空調機情報テーブルT1の情報に基づいて当該省エネ制御対象の空調機40の電源状態を判定する。なお、空調機(1)40の場合には、電源ON/OFF判定部223が、空調機情報テーブルT1{図7(a)参照}における空調機(1)40の電源状態情報から当該空調機(1)40の電源状態が「ON」であると判定する。
ステップS2の判定の結果、電源がOFF(即ち、運転停止中)であると判定された場合(ステップS2:電源OFF)には、処理をステップS1に復帰させる。
一方、ステップS2の判定の結果、電源がON(即ち、運転中)であると判定された場合(ステップS2:電源ON)には、続いて、ステップS3において、運転モード判定部224が動作して、空調機情報テーブルT1の情報に基づいて当該省エネ制御対象の空調機40の運転モードを判定する。なお、空調機(1)40の場合には、運転モード判定部224が、空調機情報テーブルT1における空調機(1)40の運転モード情報から当該空調機(1)40の運転モードが「冷房運転モード」であると判定する。
(運転モードが冷房運転モードである場合の処理)
ステップS3の判定の結果、冷房運転モードであると判定された場合(ステップS3:冷房運転)には、続いて、ステップS4において、照度値比較判定部225が動作して、実測照度値が設定照度閾値以上または未満であるかの判定を行う。尚、後述するように、この判定は、設定照度閾値より大きいまたは以下であるかの判定に置き換えても良い。
具体的には、ステップS4の処理では、照度値比較判定部225が、空調機情報テーブルT1における当該省エネ制御対象の空調機40のゾーン情報から、照度計情報テーブルT2を検索して同じゾーン情報が設定されている照度計50を特定する。次いで、照度値比較判定部225が、照度計情報テーブルT2において前記特定された照度計50に対応する実測照度値と設定照度閾値を検出して両者を比較し、実測照度値が設定照度閾値以上または未満であるかの判定を行う。
そして、照度値比較判定部225が、実測照度値が設定照度閾値未満であると判定した場合に、ステップS5に移行する。
このステップS5の処理では、照度値比較判定部225から後段の設定温度変更部226に当該省エネ制御対象の空調機40の設定温度を所定温度(例えば、「1度」など)上げる指示を送出する。
補足すると、ステップS4の処理において、空調機(1)40の場合には、照度値比較判定部225が、空調機情報テーブルT1における空調機(1)40のゾーン情報から当該空調機(1)40のゾーン情報が「1」であると判定し、そのゾーン情報「1」を用いて照度計情報テーブルT2から同じゾーン情報「1」が関連付けられた照度計50として照度計(1)50を特定する。次いで、照度値比較判定部225が、照度計(1)50に対応する実測照度値(39,000)と設定照度閾値(40,000)を検出して両者を比較し、実測照度値が設定照度閾値以上または未満であるかの判定を行う。なお、この場合、照度値比較判定部225で実測照度値(39,000)が設定照度閾値(40,000)未満であると判定されるので(ステップS4:閾値未満)、次のステップS5の処理において、照度値比較判定部225から設定温度変更部226に空調機(1)40の設定温度を所定温度(1度)上げる指示が送出される。この結果、設定温度変更部226が動作し、当該省エネ制御対象の空調機40の設定温度を指示に従って所定温度(例えば、「1度」など)上げる処理が実行される。
他方、ステップS4の処理において、照度値比較判定部225が、実測照度値が設定照度閾値以上であると判定した場合(ステップS4:閾値以上)には、処理をステップS1に復帰させる。
つまり、本実施形態では、ステップS4で実測照度値が設定照度閾値未満と判定されると、空調機40を停止することなくステップS5で設定温度を上げる処理を行い、その一方、ステップS4で実測照度値が設定照度閾値以上と判定されても、設定温度を下げる処理は行わないという、いわば一方向の制御である。この結果、空調機40の作動(運転)が停止されることがないので、空調機40を利用する利用者の快適性を損なわず、且つ、空調機40の設定温度を上げるので、冷房運転時における空調機40の省エネルギー(空調機の電力消費の節約を図ること)が可能となる。ちなみに、前記一方向の制御によりしばらくしてから暑くなってきたと感じた利用者は、自らリモコンRCで空調機40の設定温度を下げる操作を実行することになる。したがって、双方向の制御、すなわち、自動的に温度を下げる制御も行うものと比較すると、本実施形態の方がリモコンRCによる操作を実行するまでの間の分だけ省エネルギーとなる。
(運転モードが暖房運転モードである場合の処理)
一方、ステップS3の判定の結果、暖房運転モードであると判定された場合(ステップS3:暖房運転)には、続いて、ステップS6において、照度値比較判定部225が動作して、前記のステップS4で述べた処理と同様の処理によって実測照度値が設定照度閾値以上または未満であるかの判定を行う。尚、後述するように、この判定は、設定照度閾値より大きいまたは以下であるかの判定に置き換えても良い。
そして、照度値比較判定部225が、実測照度値が設定照度閾値以上であると判定した場合に、ステップS7に移行する。
このステップS7の処理では、照度値比較判定部225から後段の設定温度変更部226に当該省エネ制御対象の空調機40の設定温度を所定温度(例えば、「1度」など)下げる指示が送出される。この結果、設定温度変更部226が動作し、当該省エネ制御対象の空調機40の設定温度を指示に従って所定温度(例えば、「1度」など)下げる処理が実行される。
他方、ステップS6の処理において、照度値比較判定部225が、実測照度値が設定照度閾値未満であると判定した場合(ステップS6:閾値未満)には、処理をステップS1に復帰させる。
つまり、本実施形態では、ステップS6で実測照度値が設定照度閾値以上と判定されると、空調機40を停止することなくステップS7で設定温度を下げる処理を行い、その一方、ステップS6で実測照度値が設定照度閾値未満と判定されても、設定温度を上げる処理は行わないという、いわば一方向の制御である。この結果、空調機40の作動(運転)が停止されることがないので、空調機40を利用する利用者の快適性を損なわず、且つ、空調機40の設定温度を下げるので、暖房運転時における空調機40の省エネルギー(空調機の電力消費の節約を図ること)が可能となる。ちなみに、前記一方向の制御によりしばらくしてから寒くなってきたと感じた利用者は、自らリモコンRCで空調機40の設定温度を上げる操作を実行することになる。したがって、双方向の制御、すなわち、自動的に温度を上げる制御も行うものと比較すると、本実施形態の方がリモコンRCによる操作を実行するまでの間の分だけ省エネルギーとなる。
ここで、一般的に空調機においては、設定温度と外気温との差が大きければ大きいほど消費電力が増加する傾向にある。従って、前記の省エネルギー制御処理のステップS5及びステップS7に示す処理とは、当該省エネルギー制御対象の空調機の省エネルギーのために当該空調機の設定温度を外気温との差が小さくなる方向に変更する処理のことである。
即ち、前記した実施形態によれば、従来の省エネルギー制御機能(間欠運転制御やサイクル運転制御など)を備えていない空調管理システムにおいて、運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)別に、日差しの強弱によって省エネルギー制御対象の空調機の省エネルギーが可能な状況であると判断した場合に、従来の省エネルギー制御(間欠運転制御やサイクル運転制御)のように比較的長い間(例えば、10分、3時間など)当該空調機の運転を停止させることなく、省エネルギーのためシステム側で自動的に当該空調機の設定温度を変更する、即ち、外気温との差が小さくなる方向(省エネルギー方向)に設定温度を変更することで、利用者(日射の影響を受ける利用者及び日射の影響を受けない利用者)の快適性をなるべく損なうことなく空調機の省エネルギーが可能となる。さらに、日差しの強弱が逆になったとしても省エネルギー方向とは逆方向には自動的には設定温度を変更しないことにより、必要な場合は利用者にリモコンRCで設定温度を変更させることとなるので、自動的に設定温度を元に戻すものに比べれば省エネルギーとなる。
また、前記した実施形態によれば、システム監視者(その他、空調機を利用する利用者)にとっては、中央監視装置10で照度閾値を設定するだけという簡単な作業を行うだけで省エネルギー制御機能を簡単に利用することができる。
また、前記した実施形態によれば、従来の省エネルギー制御機能(間欠運転制御やサイクル運転制御など)などの空調機の消費電力の節約を図る省エネルギー制御機能を持たない既存の空調管理システム(即ち、BACnet準拠の空調管理システム)に低コストで省エネルギー制御機能を導入できる。
より具体的には、既存のBACnet準拠の空調管理システムに対し、ハードウエアとして、照度計と、当該照度計を中継装置に接続するための伝送線とを用意し、照度計に伝送線の一端を接続して他端を既存の中継装置の空きポート(端子)に差し込む作業と、ソフトウエアとして、本発明に係る省エネルギー制御機能を実現するためのプログラム及びその各種データ(空調機情報テーブル及び照度計情報テーブル)を既存の空調制御装置にインストールするという作業を行うだけ良いので、ハードウエア自体の代金及び設置工事費などを少なく抑えることができ、これにより、既存のBACnet準拠の空調管理システムを所持する利用者に対して低コストで省エネルギー制御機能を提供することが可能である。
また、前記した実施形態によれば、システム提供者にとっては、既存のBACnet準拠の空調管理システムを利用することで、開発費用を少なく抑えて省エネルギー制御機能を提供することができる。
(空調機単体の構成)
また、本発明に係る省エネルギー制御機能を空調機単体に適用することも可能である。
図10は、本発明を適用した空調機100の一構成例を示すブロック図である。なお、図10の例では、送風機、蒸発器などの熱交換器、圧縮機(コンプレッサ)、冷媒管などの周知の空調機に実装される構成要素については図示を省略し、ここでの説明も省略する。
図示のように、この空調機100は、リモコンRC1から設定温度の変更を受付可能であり、太陽光を受光して空調制御の指標となる所定の実測値(実測照度値など)を測定する測定装置(照度計など)50から、伝送経路(伝送線)L4を介して実測値を入力する入力部110と、当該空調機100の運転モードが冷房運転モードであるとき、入力部110で入力した実測値と空調制御用に設定された冷房時の設定閾値とを比較し、実測値が冷房時の設定閾値以下または設定閾値未満と判定された場合に当該空調機100の設定温度を所定温度上げる処理を実行するとともに、冷房運転モードのときには入力部110からの実測値に基づく空調機100の設定温度の変更は温度を上げる方向のみ行う設定温度変更部120とを具備する。
また、設定温度変更部120は、当該空調機100の運転モードが暖房運転モードであるとき、入力部110で入力した実測値と空調制御用に設定された暖房時の設定閾値とを比較し、実測値が暖房時の設定閾値より大きいまたは設定閾値以上と判定された場合に当該空調機100の設定温度を所定温度下げるとともに、暖房運転モードのときには入力部110からの実測値に基づく空調機100の設定温度の変更は温度を下げる方向のみ行う処理を実行する。
本実施形態の空調機によれば、前記空調管理システムとほぼ同様の効果を奏する。即ち、運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)別に、日差しの強弱によって省エネルギーが可能な場合に、当該空調機の運転を停止させることなく、空調機側で自動的に設定温度を変更するとともに、逆方向には自動では設定温度を変更しないことで、利用者の快適性をなるべく損なうことなく空調機の省エネルギーが可能となる。
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能となる。
例えば、前記した実施形態では、冷房運転モードと暖房運転モードの両モードを備えている空調機を省エネルギー制御対象の空調機として本発明に係る省エネルギー制御を実行する形態について説明したが、これ以外にも、前記冷房運転モード及び暖房運転モードのいずれか一方のみを備えている空調機を省エネルギー制御対象の空調機として本発明に係る省エネルギー制御を実行する形態としても良い。
また、前記した実施形態では、省エネルギー制御対象の空調機が運転中の間は所定時間が経過する毎に本発明に係る省エネルギー制御処理を実行する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、所定の時間帯(例えば、日中の日差しや西日などの影響を強く受ける時間帯など)だけ省エネルギー制御対象の空調機に対して前記省エネルギー制御処理を実行するような形態として良い。なお、前記所定の時間帯を中央監視装置10で任意に設定できるようにすることも可能である。
また、前記した実施形態では、省エネルギー制御処理のステップS6で、実測照度値が設定閾値以上である場合(閾値と同一を含める場合)にステップS7に移行し、他方、実測照度値が設定閾値未満である場合(閾値と同一を含めない場合)に処理をステップS1に復帰させる態様について説明したが、これ以外にも、例えば、省エネルギー制御処理のステップS6において、実測照度値が設定閾値より大きい場合(閾値と同一を含めない場合)にステップS7に移行し、他方、実測照度値が設定閾値以下である場合(閾値と同一を含める場合)に処理をステップS1に復帰させる態様としても良い。
また、前記した実施形態では、設定温度と外気温との差を確認せずに、省エネルギー制御による設定温度の変更を行う形態について説明したが、これ以外にも、設定温度と外気温との差を確認して省エネルギーしなくても良いような設定温度の場合(即ち、省エネルギーにならない状況)には、前記の省エネルギー制御による設定温度の変更を行わないように設定することも可能である。
また、前記した実施形態では、省エネルギー制御処理のステップS4で、実測照度値が設定閾値未満である場合(閾値と同一を含めない場合)にステップS5に移行し、他方、実測照度値が設定閾値以上である場合(閾値と同一を含める場合)に処理をステップS1に復帰させる態様について説明したが、これ以外にも、例えば、省エネルギー制御処理のステップS4において、実測照度値が設定閾値以下である場合(閾値と同一を含める場合)にステップS5に移行し、他方、実測照度値が設定閾値より大きい場合(閾値と同一を含めない場合)に処理をステップS1に復帰させる態様としても良い。
また、前記した実施形態では、太陽光を受光して空調制御の指標となる所定の実測値を測定する測定装置(測定手段)として、照度計50を利用する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、前記照度計50に替えて、日射の強さを測定する日射計などその他の測定装置を適用することも可能である。なお、照度計50に替えて、他の測定装置を適用した場合には、空調制御装置20において、その測定装置から出力された信号に基づいて実測値を算出できるように設定するとともに、その実測値と比較するための設定閾値を予め設定しておく必要がある。例えば、照度計50に替えて日射計を適用した場合には、空調制御装置20が日射計からの信号に基づいて実測日射値を算出し、その実測日射値を用いて省エネルギー制御処理を実行する。
また、前記した実施形態では、照度計50を窓際に設置する態様について説明したが、これ以外にも、例えば、デスクワークをする人の傍など窓際より少し離れた個所ではあるが、日差しの影響を受けるような個所などに照度計50を設置するような形態としても良い。更に、照度計50は窓毎に設置しても良いし、所定の窓にだけ対応させて設置するようにしても良い。
また、前記した実施形態では、ビル監視用ソフトウエアSのもと、各サブシステム用の各ソフトウエア(空調管理用ソフトウエアS11、照明管理用ソフトウエアS12、防犯管理用ソフトウエアS13、・・・、昇降管理用ソフトウエアS15)が動作する態様のソフトウエアについて説明したが、これ以外にも、各サブシステム用の各ソフトウエアが単独で動作する態様のソフトウエアとすることも可能である。
また、前記した実施形態では、中央監視装置10が1つ設置されている場合を例として説明したが、これ以外にも、複数の中央監視装置10が設置される形態とすることも可能である。また、LANケーブルCにクライアント装置が接続されるような形態や、LANケーブルCに接続されたルータを介してインターネット経由で他のクライアント装置と通信接続されるような形態とすることも可能である。なお、そのような形態においては、前記した中央監視装置10の機能と同様の機能を前記クライアント装置に実装することも可能である。
また、前記した実施形態では、1つの中継装置(N)30に、4台の空調機(1)40〜空調機(4)40と1つの照度計(1)50が接続される場合(図2参照)を例として示したが、これ以外の接続形態とすることも可能である。
また、前記した実施形態の空調管理システム1は、ビルなどの建造物の各階の各部屋毎に適用することも可能であるし、それ以外にも、所定の階の所定の部屋だけに適用することも可能である。
また、前記した実施形態では、空調機40としてダクト式空調機を例にした場合について説明したが、これ以外にも、他のタイプの空調機であっても良い。
また、前記した実施形態では、空調機40とリモコンRCとが伝送線L3によって接続される場合を例として説明したが、これ以外にも、無線によって空調機40とリモコンRCとが通信可能に接続される形態としても良い。
その他、前記した実施形態における装置構成、機能構成及びテーブルの構成や、表示画面の態様などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。