JP5221220B2 - フラットケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、自動車やフラットパネルディスプレイなどの電子機器に用いられる、高温高湿耐性に優れたフラットケーブルに関するものである。
フラットケーブルは、薄く軽いテープ状の電線であり、単数本から数十本の並列した導体を、絶縁性と難燃性とを共有する熱接着性樹脂(以下、単に絶縁性樹脂という)からなる接着層を有するプラスチックフィルム(以下、接着層付きプラスチックフィルムという)で上下から挟み込み、これらを熱ロールなどを用いてラミネートすることにより製造される。
フラットケーブルは、その柔軟性を活かし、電気・電子機器回路間のジャンパ線(固定配線)に用いられてきた。さらに、フラットケーブルの耐屈曲信頼性が向上したことによって、フラットケーブルをFPC(フレキシブルプリント配線板)の廉価版として可動部配線に適用するケースが増加している。特に、低価格化を狙ったパソコン用のインクジェット型プリンタの印字ヘッド部の配線、CDプレーヤ、DVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤやカーナビゲーションシステムのピックアップ部配線などへの適用が進んでいる。
さらに、近年、自動車の居住スペース拡大に伴って、フラットケーブルは、薄くて軽いという特徴を活かし、自動車にも適用されてきている。フラットケーブルは、誤配線しにくいことから、ルーフやスライドドア部などにハーネス化して使用されることもある(例えば、非特許文献1参照)。
また、近年、フラットケーブルは、液晶TVやプラズマTVなどに代表される薄型のFPD(フラットパネルディスプレイ)にも実装され始めている。
自動車やFPDにフラットケーブルを適用するためには、フラットケーブルの基本性能である絶縁性や難燃性を付与するだけでなく、耐熱性や耐湿性を付与する必要がある。
自動車やFPDに適用する場合、フラットケーブルは、高温高湿耐性評価時に、例えば、温度85℃、湿度85%RHの過酷環境下で168時間程度耐える必要がある。自動車の場合、1000〜2000時間の長期間にわたって曝露される場合もある。
一方、難燃性は、自動車向けについてJISやISOで規定された傾斜難燃試験(45°、60°傾斜難燃試験)で評価されることが多く、FPD向けについて電気・電子機器の規格であるUL規格の垂直難燃試験(VW−1)で評価されることが一般的である。
高温高湿環境に耐えるフラットケーブルとしては、接着層の絶縁性樹脂に熱硬化型のポリエステル系樹脂(例えば、非特許文献2参照)を適用したものや、電子線硬化型のポリオレフィン樹脂(例えば、非特許文献3参照)を用いた、いわゆる硬化型のフラットケーブルが存在する。
特開平7−94032号公報 特開2005−317414号公報 藤崎、外1名、「ルーフモジュール用FFCハーネスの開発」、古河電工時報109号、古河電気工業株式会社、2002年1月、p.35〜38 佐圓治生、外3名、「自動車用フラットケーブル」、住友電気131号、住友電気工業株式会社、1987年9月、p.136〜139 田中啓一、外2名、「機器内配線用照射フラットケーブルの開発」、住友電気146号、住友電気工業株式会社、1995年3月、p.73〜77
しかしながら、上述の硬化型のフラットケーブルは、高性能である反面1)樹脂が高価、2)硬化処理設備が必要、3)硬化工数が必要などの理由で、高コストであるという問題がある。
さらに、接着層に熱硬化型のポリエステル系樹脂を用いる場合は、常温で樹脂の硬化が進行しラミネートが困難になるため低温管理が必要となり、コストがかかる。また、接着層に電子線硬化型のポリオレフィン樹脂を用いる場合は、電子線硬化型のポリオレフィン樹脂の弾性が低いため、屈曲用途に不向きであるというデメリットがある。
フラットケーブルの構造を検討したものとして、ケーブル側端に角度を設け、かつ長く伸ばしたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のフラットケーブルは、高温(80℃)における耐折性は高いが、本来の目的である温度85℃、湿度85%RHなど高温高湿環境における耐性評価結果の記載がなく、その有効性は不明である。
また、プラスチックフィルムの表面に防湿層を付着させたフラットケーブルがある(例えば、特許文献2参照)。しかし、このフラットケーブルでは、コスト面や可動時の周辺材料との摩擦による防湿層の剥離の問題も懸念され、完全とは言えない。
そこで、本発明の目的は、温度85℃、湿度85%RHなど高温高湿環境に耐える優れた高温高湿耐性を有し、かつ低コストなフラットケーブルを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、単数もしくは複数の並列した導体を、プラスチックフィルム上に絶縁性樹脂からなる接着層を形成した一対の接着層付きプラスチックフィルムで上下から挟み込み、これらをラミネートして一体化したフラットケーブルにおいて、前記接着層付きプラスチックフィルムの酸素指数が26.0以上であり、前記プラスチックフィルムの厚みをtI、前記接着層の厚みをtA 、前記導体の厚みをt C としてt C が100μm以下であり、0.30≦tA/tI≦0.56かつt A /t C ≧0.40の関係を満たし、温度85℃、湿度85%RHで500時間曝露した後の接着残存率が1/3以上であるフラットケーブルである。
請求項2の発明は、単数もしくは複数の並列した導体を、プラスチックフィルム上に絶縁性樹脂からなる接着層を形成した一対の接着層付きプラスチックフィルムで上下から挟み込み、これらをラミネートして一体化したフラットケーブルにおいて、前記接着層付きプラスチックフィルムの酸素指数が27.0以上であり、前記プラスチックフィルムの厚みをtI、前記接着層の厚みをtA 、前記導体の厚みをt C としてt C が100μm以下であり、0.40≦tA/tI≦0.56かつt A /t C ≧0.40の関係を満たし温度85℃、湿度85%RHで500時間曝露した後の接着残存率が1/3以上であるフラットケーブルである。
請求項の発明は、前記プラスチックフィルムおよび前記接着層がポリエステル系樹脂からなる請求項1または2に記載のフラットケーブルである。
本発明によれば、例えば、温度85℃、湿度85%RHなど高温高湿環境に耐える優れた高温高湿耐性を有し、かつ低コストなフラットケーブルが得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本発明のフラットケーブルは、例えば、自動車や、フラットパネルディスプレイなどの電子機器に用いられるものである。
図1(a)は、本実施形態に係るフラットケーブルの斜視図であり、図1(b)はその1B−1B線断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、フラットケーブル1は、単数もしくは複数(図1(a)、(b)では5本)の並列した導体2を、一対の接着層付きプラスチックフィルム3で上下から挟み込み、これらを熱ロールなどでラミネートして一体化したものである。
本実施形態では、導体2として横断面視が矩形状の平角導体を用いた。導体2はこれに限定されず、横断面視が円形状の丸線(単線あるいは撚線)を用いたものでもよい。
この導体2は、例えば、タフピッチ銅(TPC)からなる。導体2には、耐食性向上のため、めっきを施しても構わない。導体2に施すめっきとしては、SnもしくはSn合金が一般的であるが、信頼性面からAuめっきであっても構わない。ただし、導体2にAuめっきを施す場合、下地としてNiめっきを施すことが必要である。
接着層付きプラスチックフィルム3は、図2に示すように、プラスチックフィルム4と、そのプラスチックフィルム4上に形成された接着層5とからなる。
接着層5は、絶縁性と難燃性とを共有する熱接着性樹脂(以下、単に絶縁性樹脂という)からなる。絶縁性樹脂としては、コスト面からポリエステル系樹脂を用いるとよい。
プラスチックフィルム4としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、またはPPS(ポリフェニレンサルファイド)などのポリエステル系樹脂を用いるとよい。プラスチックフィルム4としては、コスト面からPETを用いるのが好ましいが、耐屈曲など用途に応じて使い分けるとよい。
一般に、フラットケーブルの難燃性は、自動車向けではJISやISOで規定された45°、60°傾斜難燃試験、FPD(フラットパネルディスプレイ)向けでは電子機器に適用されるUL規格の垂直難燃試験(VW−1)を満たすことが求められる。
そこで、本実施形態では、接着層付きプラスチックフィルム3を、その酸素指数が26.0以上となるように形成した。具体的には、接着層5に用いる絶縁性樹脂として、ポリエチレン系樹脂に難燃剤および難燃助剤を添加したものを用い、添加する難燃剤および難燃助剤の量を調整することにより、接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数が26.0以上となるようにする。
難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤などを用いるとよく、難燃助剤としては、例えば、三酸化アンチモンなどを用いるとよい。難燃剤および難燃助剤とポリエステル系樹脂との質量比は、接着力の面から1:1以下にするとよい。また、酸化チタンなどの顔料を微量添加してもよい。
フラットケーブル1を自動車に用いる場合は、接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数が26.0以上となるように、添加する難燃剤および難燃助剤の量を調整する。
フラットケーブル1をFPDなどの電子機器に用いる場合は、接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数が27.0以上、好ましくは28.0以上となるように、添加する難燃剤および難燃助剤の量を調整する。
また、接着層付きプラスチックフィルム3は、プラスチックフィルム4の厚みをtI、ラミネート前の接着層5の厚みをtAとすると、0.30≦tA/tI≦0.56の関係を満たすように形成される。
A/tIを0.30以上とするのは、tA/tIが0.30未満であると、接着層5が薄くなりすぎ、接着力に寄与する樹脂量を十分確保した状態で上述の酸素係数が維持できなくなるためである。プラスチックフィルム4の厚みtIは、例えば、50μmである。
酸素指数を26.0以上とする場合(自動車に用いる場合)は、tA/tIを0.30以上とし、酸素指数を27.0以上とする場合(FPDなどの電子機器に用いる場合)は、tA/tIを0.40以上にするとよい。
A/tIを0.56以下とするのは、tA/tIが0.56を超えると、フラットケーブル1の側端(切断面)から水分が侵入しやすくなり、高温高湿環境下では侵入した水分の影響で接着層5の絶縁性樹脂が加水分解してしまうためである。
本発明者らは、高温高湿環境下で接着層5の絶縁性樹脂が加水分解するメカニズムについて調査を行った結果、フラットケーブルの高温高湿下における不具合(絶縁性樹脂の加水分解)は、フラットケーブル表面(プラスチックフィルム側)からの水分の侵入でなく、主としてフラットケーブル側端(切断面)からの水分の侵入により生じることが多いことを見出した。
従来のフラットケーブルでは、tA/tIが0.6〜2.0の範囲(ノンハロゲン難燃剤品では4.0程度まで存在)にあり、接着層5が厚いため、フラットケーブルの側端から水分が侵入しやすく、高温高湿環境下で接着層5の絶縁性樹脂が加水分解する不具合が発生していた。
そこで、本発明のフラットケーブル1では、tA/tI≦0.56とした(但し、小数点3桁目は四捨五入する)。これにより、接着層5とプラスチックフィルム4の厚みの比が小さくなる(接着層5が薄くなる)ため、フラットケーブル1の側端からの水分の侵入を低減し、絶縁性樹脂の加水分解を防ぐことが可能となる。
また、フラットケーブル1は、導体2の厚みをtCとすると、tA/tC≧0.40の関係を満たすように形成される。
A/tC≧0.40とする理由は、導体2を接着層5の絶縁性樹脂に隙間なく埋め、導体2の腐食原因となる導体2側端へ水分が溜まる不具合を防止する目的のためである。導体2の厚みは100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
本発明のフラットケーブル1では、フラットケーブル1を温度85℃、湿度85%RHの条件下に500時間曝露したときに、接着層5の接着力残存率が初期の接着力の1/2以上である。
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係るフラットケーブル1では、接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数を26.0以上とし、プラスチックフィルム4の厚みをtI、接着層5の厚みをtAとしたとき、0.30≦tA/tI≦0.56の関係を満たしている。
接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数が26.0以上となるように、接着層5の難燃剤および難燃助剤の添加量を調整することにより、JISやISOで規定された45°、60°傾斜難燃試験に合格可能な、高い難燃性を有するフラットケーブル1を製造することができ、自動車に適用することが可能となる。
さらに、接着層付きプラスチックフィルム3の酸素指数が27.0以上となるように、接着層5の難燃剤および難燃助剤の添加量を添加することにより、UL規格の垂直難燃試験(VW−1)に合格可能な、高い難燃性を有するフラットケーブル1を製造することができ、FPDなどの電子機器に適用することが可能となる。
また、フラットケーブル1に用いる接着層付きプラスチックフィルム3として、tA/tI≧0.30(FPDなどの電子機器用ではtA/tI≧0.40)の関係を満たすものを用いることにより、接着層5の接着力を十分に確保しつつ酸素指数を26.0以上(FPDなどの電子機器用では27.0以上)に維持することが可能となる。
さらに、tA/tI≦0.56の関係を満たす接着層付きプラスチックフィルム3を用いることにより、フラットケーブル1の側端から侵入する水分を低減でき、高温高湿環境下で接着層5の絶縁性樹脂が加水分解してしまうのを防ぐことができる。
よって、本実施形態に係るフラットケーブル1によれば、高い難燃性と高温高湿耐性を得ることができ、例えば、温度が85℃、湿度が85%RHの高温高湿環境下に500時間曝露しても、接着層5の接着力残存率を初期の接着力の1/2以上に維持することができ、具体的には、接着剤付きプラスチックフィルム3同士の接着箇所で0.33kg/cm以上、接着剤付きプラスチックフィルム3と導体2との接着箇所で0.50kg/cm以上を維持することができる。
さらに、本実施形態では、プラスチックフィルム4および接着層5に低価格なポリエステル系樹脂を用いており、従来の硬化型のフラットケーブルのような硬化処理を必要としないため、コストを抑制できる。よって、高い高温高湿耐性と低コストを両立したフラットケーブル1が実現できる。
また、フラットケーブル1では、導体2の厚みをtCとしたとき、tA/tC≧0.40の関係を満たすようにしている。これにより、導体2を接着層5の絶縁性樹脂に隙間なく埋めることができるため、導体2側端へ水分が溜まる不具合を防止することができ、導体2の腐食を防ぐことができる。
本発明のフラットケーブル1の構造は、耐屈曲信頼性も十分に高く、かつ低コストであるため、フレキシブルプリント配線板(FPC)の構造に用いることも可能である。
以下、本発明の実施例を説明する。
本発明の効果を確認するため、1)tA/tIの異なる接着層付きプラスチックフィルムのラミネート品単品(接着層付きプラスチックフィルム同士をラミネートしたもの)、および2)tA/tCの異なるフラットケーブルを複数試作し、酸素指数、高温高湿耐性および導体の埋まり性について比較例、従来例と比較評価を行った。
ここでの従来例とは、熱硬化型のポリエステル系樹脂を適用したものや、電子線硬化型のポリオレフィン系樹脂を用いたものでなく、一般的な熱可塑型である。
接着層の絶縁性樹脂は臭素系難燃剤および難燃助剤(三酸化アンチモン)を添加したポリエステル系樹脂とし、UL規格における105℃定格を満たすものを選定した。また、絶縁性樹脂には白色顔料としてTiO2を添加した。ポリエステル系樹脂、難燃剤および難燃助剤、およびTiO2の質量比は、接着力の面から0.5:0.45:0.05とした。
(1)高温高湿耐性
ラミネート品試料は幅を20mmとし、曝露する環境の条件は温度を85℃、湿度を85%RH、また曝露時間は500時間とし、曝露前後の接着力を相対評価した。使用したプラスチックフィルムは厚み50μmの2軸延伸のPETフィルムとした。表1に接着残存率の評価結果を示す。このときの接着力は180°ピール試験で評価した。
Figure 0005221220
表1において接着力は、サンプル数n=5の平均値であり、初期を1.0kg/cm以上として、その1/2以上を○として、1/3以上を△、1/3未満を×とした。実用上適用可能と考えられる0.33kg/cm(△)以上を合格とした。
表1に示すように、tA/tIを0.30〜0.56の範囲に規定した実施例1〜6では、接着力残存率が高く合格ラインを満たしており、酸素指数も26.0以上となっていることが分かる。
これに対して、tA/tIが0.26である比較例7は、接着力残存率が合格ラインを満たしているものの、酸素指数が26.0以下であり、十分な難燃性が得られていないことが分かる。また、tA/tIが0.60以上である従来例8〜10では、酸素指数は高いものの、接着力残存率が合格ラインを満たしておらず、十分な高温高湿耐性が得られていないことが分かる。
(2)導体の埋まり性
フラットケーブルの試料は幅20mmとし、導体を軟質TPC(タフピッチ銅)で幅0.7mm、1mmピッチ、19芯とした。導体の埋まり性の評価は、フラットケーブル試料横断面の顕微鏡観察により行った。表2に埋まり性の評価結果を示す。
Figure 0005221220
表2に示すように、tA/tCが0.40以上である実施例11〜15、および従来例18〜20は、埋まり性が良好であることがわかる。これに対して、tA/tCが0.40以下である比較例16,17は、導体が接着層の絶縁性樹脂で隙間なく埋められておらず、高温高湿環境下では導体に腐食が発生しやすいことが分かる。
以上の結果から、0.30≦tA/tI≦0.56、かつtA/tC≧0.40の関係を満たすようにフラットケーブル1を製造することで、十分な難燃性、高温高湿耐性、および導体の埋まり性が得られることが確認でき、本発明の有効性を検証することができた。
図1(a)は、本発明のフラットケーブルの斜視図であり、図1(b)は、その1B−1B線断面図である。 本発明のフラットケーブルに用いる接着層付きプラスチックフィルムの断面図である。
符号の説明
1 フラットケーブル
2 導体
3 接着層付きプラスチックフィルム
4 プラスチックフィルム
5 接着層

Claims (3)

  1. 単数もしくは複数の並列した導体を、プラスチックフィルム上に絶縁性樹脂からなる接着層を形成した一対の接着層付きプラスチックフィルムで上下から挟み込み、これらをラミネートして一体化したフラットケーブルにおいて、
    前記接着層付きプラスチックフィルムの酸素指数が26.0以上であり、前記プラスチックフィルムの厚みをtI、前記接着層の厚みをtA 、前記導体の厚みをt C としてt C が100μm以下であり、0.30≦tA/tI≦0.56かつt A /t C ≧0.40の関係を満たし、
    温度85℃、湿度85%RHで500時間曝露した後の接着残存率が1/3以上であることを特徴とするフラットケーブル。
  2. 単数もしくは複数の並列した導体を、プラスチックフィルム上に絶縁性樹脂からなる接着層を形成した一対の接着層付きプラスチックフィルムで上下から挟み込み、これらをラミネートして一体化したフラットケーブルにおいて、
    前記接着層付きプラスチックフィルムの酸素指数が27.0以上であり、前記プラスチックフィルムの厚みをtI、前記接着層の厚みをtA 、前記導体の厚みをt C としてt C が100μm以下であり、0.40≦tA/tI≦0.56かつt A /t C ≧0.40の関係を満たし、
    温度85℃、湿度85%RHで500時間曝露した後の接着残存率が1/3以上であることを特徴とするフラットケーブル。
  3. 前記プラスチックフィルムおよび前記接着層がポリエステル系樹脂からなる請求項1または2に記載のフラットケーブル。
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