以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュールの一部を構成する太陽電池素子の実施の形態について説明する。
≪太陽電池素子の構造≫
本実施の形態に係る太陽電池素子10は、一導電型を呈する半導体基板1と、半導体基板1と異なる導電型を有する逆導電型層2と、貫通孔3と、第1の電極4と、第2の電極5と、を備える。
太陽電池素子10は、図1〜図4に示すように、第1の面1F(図3においては上面側)と第1の面1Fの裏側の第2の面1S(図3においては下面側)とを含む半導体基板1を有する。太陽電池素子10においては、第1の面1Fが受光面となる(説明の便宜上、第1の面1Fを半導体基板1の受光面、第2の面1Sを半導体基板1の裏面などと称することもある)。
半導体基板1としては、所定のドーパント元素(導電型制御用の不純物)を有して一導電型(例えば、p型)を呈する単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板等の結晶シリコン基板が用いられる。半導体基板1の厚みは、例えば、250μm以下であるのがより好ましく、150μm以下であるのがさらに好ましい。半導体基板1の形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態のように、四角形状であれば製法上の観点から好適である。
本実施の形態においては、半導体基板1として、p型の導電型を呈する結晶シリコン基板を用いる例で説明する。結晶シリコン基板からなる半導体基板1がp型を呈するようにする場合、ドーパント元素としては、例えば、ボロンあるいはガリウムを用いるのが好適である。
半導体基板1の第1の面1Fの側には、図3に示すように、第1の面1Fにおける入射光の反射を低減させて太陽光を半導体基板1内へより多く吸収させるべく、多数の微細な突起1bからなるテクスチャ構造(凹凸構造)1aが形成されている。なお、テクスチャ構造1aは、本実施の形態において必須の構成ではなく、必要に応じて形成すればよい。
また、半導体基板1には、図3に示すように、第1の面1Fと第2の面1Sの間に複数の貫通孔3が形成されている。貫通孔3は、後述するように、その内表面に第2逆導電型層2bが形成されている。なお、貫通孔3の内表面とは、半導体基板1の貫通孔3が形成されている部位の内壁面を指す。また、貫通孔3の内部には、第1の電極4の導通部4bが形成されている。貫通孔3は、直径が50μm以上300μm以下の範囲で、一定のピッチで形成されるのが好ましい。なお、貫通孔3は、第1の面1Fおよび第2の面1Sに開口する直径が異なっていてもよく、例えば、図3に示すように、第1の面1F側から第2の面1S側に向かって直径が小さくなるような形状であってもよい。
逆導電型層2は、半導体基板1とは逆の導電型を呈する層である。逆導電型層2は、半導体基板1の第1の面1F側に形成された第1逆導電型層2aと、貫通孔3の内表面に形成された第2逆導電型層2bと、半導体基板1の第2の面1S側に形成された第3逆導電型層2cと、を含んでなる。半導体基板1としてp型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、逆導電型層2は、n型の導電型を呈するように形成される。一方で、半導体基板1としてn型の導電型を呈するシリコン基板を使用する場合であれば、逆導電型層2は、p型の導電型を呈するように形成される。
第1逆導電型層2aは、60〜300Ω/□程度のシート抵抗を有するn+型として形成されるのが好適である。この範囲とすることで、第1の面1Fでの表面再結合の増大および表面抵抗の増大を抑えることができる。第1逆導電型層2aは、半導体基板1の第1の面1Fに、0.2μm〜0.5μm程度の深さに形成されることが好ましい。第3逆導電型層2cは、半導体基板1の第2の面1Sのうち、第1の電極4の形成領域およびその周辺部に形成される。この逆導電型層2を有することにより、太陽電池素子10においては、逆導電型層2と半導体基板1のバルク領域(逆導電型層2の非形成領域)との間に、pn接合が形成される。
太陽電池素子10は、半導体基板1の第2の面1Sに半導体層6を有する。半導体層6は、半導体基板1の第2の面1Sの近傍でキャリア再結合が生じることによる発電効率の低下を抑制するために、太陽電池素子10の内部に内部電界を形成することを目的として(いわゆるBSF効果を得ることを目的として)設けられる層である。半導体層6は、半導体基板1の第2の面1Sの側において、第3逆導電型層2cおよび第1の電極4が設けられていない領域(非形成領域)の略全面に形成される。より詳細には、半導体層6は、第2の面1Sの側において、第3逆導電型層2cおよび第1の電極4と接しないように形成されてなる。また、第3逆導電型層2cと半導体層6との間および半導体基板1の第2の面1Sの周縁部にはpn分離領域が設けられており、このようなpn分離領域には半導体基板1のバルク領域が存在する。
半導体層6は、半導体基板1と同一の導電型を呈しているが、半導体基板1が含有するドーパントの濃度よりも高い濃度を有している。ここで、「高濃度」とは、半導体基板1において一導電型を呈するためにドープされてなるドーパント元素の濃度よりも高い濃度でドーパント元素が存在することを意味する。半導体層6は、半導体基板1がp型を呈するのであれば、例えば、第2の面1Sにボロンやアルミニウムなどのドーパント元素を拡散させることによって、これらドーパント元素の濃度が1×1018〜5×1021atoms/cm3程度となるように形成されるのが好適である。これにより、半導体層6は、半導体基板1が呈するp型の導電型よりも高濃度のドーパントを含有してなるp+型の導電型を呈するものとなっており、後述する第1集電部5bとの間にオーミックコンタクトが実現されてなる。
半導体層6は、半導体基板1の第2の面1Sを平面視した場合に、第2の面1Sの全領域の70%以上に形成されることが好ましい。70%以上とした場合には、太陽電池素子10の出力特性を向上させるBSF効果がより多く得られる。
太陽電池素子10は、図1に示すように、半導体基板1の第1の面1F側に反射防止膜7を有する。反射防止膜7は、半導体基板1の表面(第1の面1F)において入射光の反射を低減する役割を有するものであり、第1逆導電型層2a上に形成されている。反射防止膜7は、窒化珪素膜あるいは酸化物材料膜などによって形成されるのが好適である。反射防止膜7の厚みは、構成材料によって好適な値は異なるが、入射光に対して無反射条件が実現される値に設定される。例えば、半導体基板1としてシリコン基板を用いる場合であれば、屈折率が1.8〜2.3程度の材料によって500〜1200Å程度の厚みに反射防止膜7を形成すればよい。なお、反射防止膜7を備えることは、本実施の形態において必須の構成ではなく、必要に応じて形成すればよい。
第1の電極4は、図3に示すように、半導体基板1の第1の面1Fの上に形成された主電極部4aと、主電極部4aと電気的に接続する貫通孔3内に設けられた導通部4bと、第2の面1Sの上に形成され、導通部4bと接続される第1出力取出部4cと、を有している。主電極部4aは、第1の面1F側で生成したキャリアを集電する機能を有する。導通部4bは主電極部4aで集電したキャリアを第2の面1S側に設けた第1出力取出部4cに導く機能を有する。第1出力取出部4cは、隣接する太陽電池素子同士を電気的に接続する配線材と接続される配線接続部としての機能を有する。
一方、第2の電極5は、第1の電極4と異なる極性を有しており、第1の電極4と絶縁されるように配設されている。そのため、例えば、半導体基板1の第2の面1S上において、第2の電極5は、第1の電極4と離間するように配設されている。このような第2の電極5は、図2および図4に示すように、第2出力取出部5aと、第1集電部5bと、第1集電部5b上に、例えば、細線で格子状に設けられる第2集電部5cと、第1出力取出部4cを挟んで両側に位置する第2集電部5cと第2出力取出部5aとを電気的に接続する接続部5dと、を有する。なお、第2集電部5cを備えることは、本実施の形態において必須の構成ではなく、必要に応じて形成すればよい。よって、接続部5dは、第2集電部5cを形成しない場合、第1出力取出部4cを挟んで両側に位置する第1集電部5b同士または第1集電部5bと第2出力取出部5aとを電気的に接続すればよい。
第1集電部5bは、半導体基板1の第2の面1S側に設けられた半導体層6の上に形成されてなり、第2の面1S側で生成したキャリアを集電する。第2出力取出部5aは、隣接する太陽電池素子同士を電気的に接続する配線材と接続される配線接続部としての役割を有する。また、第2出力取出部5aは、その少なくとも一部が第1集電部5bと重なるように構成されることが好ましい。また、太陽電池素子10では、接続部5dを備えることにより、第2出力取出部5aに隣接した第1出力取出部4cを挟んで反対側にある第2の電極5(第1集電部5b、第2集電部5c)によって集められたキャリアを、効率よく第1集電部5bや第2集電部5cを通して、または直接、第2出力取出部5aに伝えることができる。
第1集電部5bは、例えば、アルミニウムで形成されており、第2出力取出部5a、第2集電部5cおよび接続部5dは、例えば、銀で形成されている。なお、接続部5dは、例えば、アルミニウムで形成したもの、もしくは、アルミニウムの上に銀を形成したものであってもよい。
上述のような構成を有することで、本実施の形態に係る太陽電池素子10が実現されてなる。
次に、太陽電池素子10の第1および第2の電極の構造について詳述する。
第1の電極4は、図1に示すように、半導体基板1に形成されている複数の貫通孔3に対応して、複数の導通部4bを有している。この導通部4bは、図3に示すように、半導体基板1の第1の面1F側から第2の面1S側に導出されるように設けられている。なお、図1において、黒丸状に図示している導通部4bの形成位置が貫通孔3の形成位置に対応する。本実施の形態においては、複数の導通部4bが所定の一方向に配列されている。この太陽電池素子10では、図1に示すように、半導体基板1の第1の面1Fの基準辺BSに対して平行な方向に、複数の導通部4bが複数の列(図1では3列)を成すように配列されている。なお、基準辺BSとは、複数の太陽電池素子10を配列させて太陽電池モジュール20を形成する場合に配列方向に平行とされる辺である。以下では、基準辺BSに沿う方向(基準辺BSに平行な方向)を配列方向と称することもある。太陽電池素子10において、導通部4bは、上記配列方向に沿って直線状に設けられており、おおむね均等な間隔で設けられている。なお、本明細書中において平行とは、数学的な定義のように厳密に解すべきものではないことは言うまでもない。
第1の電極4の主電極部4aは、半導体基板1の第1の面1Fの上において、互いに異なる列に属する導通部4bを接続するような複数の線状のパターン(複数の線状導体)を成している。例えば、図1に示した太陽電池素子10では、主電極部4aは3列に配列された導通部4bの列の配列方向に対して、垂直な方向に位置する3つの導通部4bを接続するような線状導体を有している。すなわち、本実施の形態では、線状導体の本数と、一方向に配列された1つの列に属する導通部4bの個数とが同じである。このような形態によれば、より少ない本数の線状導体で収集したキャリアを一つの導通部4bに集中させることなく導通部4bに導くことができるため、受光面積を確保しつつ、主電極部4aの過度な抵抗損失の増大を低減できる。よって、太陽電池素子の出力特性が低下しにくい。
また、主電極部4aの線状導体は、50〜100μm程度の線幅を有するように形成されるのが好適である。また、上述のような複数の線状導体は、互いに略等間隔になるように形成されるのが美観向上の観点からも好ましい。なお、各線状導体の間隔は、例えば、1〜3mm程度であればよい。
また、主電極部4aは、貫通孔3を覆う形で貫通孔3の直径より大きい円状のパターンを有するようにしてもよい。このような形態によれば、主電極部4aの形成位置が少しずれても導通部4bと接続することが可能となる。なお、主電極部4aのパターンは図1に示したものに限られず、種々のパターンを形成可能である。
上述のような主電極部4aを有する太陽電池素子10においては、受光面である第1の面1Fの面全体に比して第1の電極4を構成する主電極部4aの占める割合が非常に小さいものとなっているため、高い受光効率が実現されるとともに、主電極部4aが一様に形成されてなるので、第1の面1Fにおいて発生したキャリアを効率よく集電することができる。
第1の電極4は、図4に示すように、半導体基板1の第2の面1S上において、複数の導通部4b(貫通孔3)の直下の位置に、複数の第1出力取出部4cを有している。この第1出力取出部4cは、導通部4bの配列方向(基準辺BSに沿う方向)に長手方向を有する長尺状を成している。第1出力取出部4cは、導通部4bの配列に対応して、複数列(図2においては3列)形成されてなる。本実施の形態では、1つの第1出力取出部4cで複数の導通部4bと接続されるように構成される。また、第1出力取出部4cは、図3に示すように、半導体基板1の第2の面1S上に露出する導通部4b上に位置する第1領域4dと、導通部4b上を除く半導体基板1の第2の面1S上に設けられる第2領域4eと、を有する。この第1出力取出部4cの第1領域4dは、半導体基板1を第2の面1Sから平面視して、導通部4bと重なっている領域を指す。また、第1出力取出部4cの第2領域4eは、第1領域4dを除く領域を指す。
第2の電極5の第1集電部5bは、第2の面1S上において、第1出力取出部4cおよび第1出力取出部4cの周辺部分、第2の電極5の第2出力取出部5aの一部を除く第2の面1Sの略全面に設けられている。ここで、「略全面」とは、半導体基板1の第2の面1Sを平面視した場合に、第1集電部5bが第2の面1Sの全領域の70%以上に形成されることをいう。第1集電部5bを第1の電極4が形成された領域以外の略全面に設けることは、第1集電部5bで集電されるキャリアの移動距離を短くできるため、ひいては第2出力取出部5aから取り出されるキャリアの量を増加させることになるので、太陽電池素子10の出力特性の向上に寄与するものである。
第2の電極の第2出力取出部5aは、隣接する太陽電池素子(例えば、互いに隣接する第1の太陽電池素子と第2の太陽電池素子)同士を電気的に接続する配線材と接続される配線接続部としての役割を有する。また、第2出力取出部5aは、その少なくとも一部が第1集電部5bと重なるように構成すればよく、このような構成であれば、第1集電部5bで集電されたキャリアを外部に出力できる。そのため、第2出力取出部5aは、図3に示すように、第1集電部5bが形成されていない領域に配置してもよい。複数の(図2においては第1出力取出部4cに対応して3列の)第2出力取出部5aは、複数の第1出力取出部4cのそれぞれに並行する態様にて、第1出力取出部4cと同様の長尺状を成している。また、図2においては、第2出力取出部5aは基準辺BSに沿う方向に複数個形成されているが、帯状に1本で形成されてもよい。
第1出力取出部4cおよび第2出力取出部5aの長手方向の長さは、隣り合う太陽電池素子同士を接続する配線材が接続できる大きさであり、例えば、4〜10mmで設定される。また、第1出力取出部4cおよび第2出力取出部5aの幅は、後述する配線材の幅と同じまたはそれよりも大きければよく、例えば、1.5〜4mmで設定される。
≪太陽電池モジュール≫
次に、本発明の太陽電池モジュールの実施の形態について説明する。本実施の形態に係る太陽電池モジュール20は、例えば、少なくとも2つの太陽電池素子10が互いに隣接するように配置し、さらに互いを配線材で直列に接続して構成される。
太陽電池モジュール20は、図5(a)に示すように、ガラス等からなる透光性部材11と、透明のエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)等からなる表側充填材12と、複数の太陽電池素子10と、EVA等からなる裏側充填材13と、ポリエチレンテレフタレート(PET)や金属箔をポリフッ化ビニル樹脂(PVF)等で挟みこんだ裏面保護材14と、を主として備える。複数の太陽電池素子10は、図5(b)に示すように、隣り合う太陽電池素子10同士が接続部材としての機能を有する配線材15によって互いに直列接続されてなる。
太陽電池モジュール20は、図6に示すように、隣り合う太陽電池素子10の一方の第1出力取出部4cと他方の太陽電池素子10の第2出力取出部5aとが1つずつ、長尺状の(直線状の)配線材15によって接続されてなる。なお、図6に示した形態では、3ヶ所において接続がなされている。なお、以下においては、図6において、配線材15によって接続されてなる2つの太陽電池素子10のうち、第1出力取出部4cに配線材15が接続される太陽電池素子10を第1の太陽電池素子10αと称し、第2出力取出部5aに配線材が接続される太陽電池素子10を第2の太陽電池素子10βと称することとする。
より詳細に言えば、太陽電池モジュール20においては、第1の太陽電池素子10αと第2の太陽電池素子10βが、それぞれの基準辺BSが平行かつ同一直線上にない位置にくるように、かつ、互いに回転対称(より具体的には点対称)の関係となるように配置される。このようにすることで、同じ直線上に位置する全ての第1出力取出部4cと全ての第2出力取出部5aとが、一の配線材15によって接続されることになる。この場合、一の配線材15で接続される関係にある複数の第1出力取出部4cと複数の第2出力取出部5aとの相対的な配置関係は等価である(複数の第1出力取出部4cと複数の第2出力取出部5aとの組が全て並進対称の関係にある)ので、それぞれの第1出力取出部4cと第2出力取出部5aの組の接続に用いる配線材15に、同一形状のものを用いることができる。なお、配線材15の形状は、各々異なっていてもよい。
配線材15としては、例えば、厚さ0.1〜0.4mm程度、幅2mm程度で、その全面が半田材料によって被覆された帯状の銅箔をその長手方向について所定の長さに切断したものを用いることができる。半田材料により被覆された配線材15の場合、ホットエアーや半田鏝等を用いて、あるいはリフロー炉などを用いて、第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cと第2の太陽電池素子10βの第2出力取出部5aとに半田付けされる。また、配線材15は、例えば、銅や銀等の金属で構成し、低温硬化型の銀、ニッケル、カーボン等の導電性フィラーから構成される導電性接着剤で第1出力取出部4cと第2出力取出部5aとを接続するようにしてもよい。
また、図7に示すように、第1出力取出部4cの配列上の第1出力取出部4c以外の領域に酸化膜、樹脂、絶縁テープ等の絶縁層8を設けることが好ましい。このような形態によれば、後述する配線材15が第2の電極5等と接触して短絡することを抑制することができる。このとき、pn分離領域も絶縁層8で覆われることが好ましい。なお、絶縁層8は配線材15に設ける形であってもよい。
また、配線材15が第1出力取出部4cと第2出力取出部5aとの接続領域以外となる非接続領域において半導体基板1から離間するように凹凸形状を有してもよい。このような形態によれば、第1出力取出部4c間にある第2の電極5(接続部5d)と配線材15が接触しないため短絡を抑制することができる。
なお、裏面保護材14として白色等の反射率の高い材質のものを用いれば、太陽電池素子10の間に照射された光が裏面保護材14で乱反射して太陽電池素子10に照射されやすくなるので、太陽電池素子10における受光量がより増大することになる。
そして、本実施の形態では、図8に示すように、配線材15が第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cの第1領域4dの直上に位置するように配置されているが、第2領域4eにのみ接着して接続されている。すなわち、配線材15は、第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cの第1領域4dと接着することなく、第2領域4eの少なくとも一部と接着する構造を有している。このような本実施の形態の構造では、導通部4b上に位置する第1領域4dと配線材15を接着させないため、導通部4bが日々の温度サイクルによる配線材15の伸縮の影響を受けにくくなる。その結果、本実施の形態では、導通部4bに亀裂等のダメージを低減することができ、長期信頼性を向上させることができる。また、本実施の形態では、配線材15を第1出力取出部4cの第1領域4dの直上に位置するように、第1出力取出部4cの長手方向に沿って配置できるため、太陽電池素子の第2の面2S側の電極を簡易な形状とすることができる。その結果、本実施の形態では、複雑な電極形状に起因する太陽電池モジュールの抵抗損失等を抑制することができる。
次に、上述のような配線材15を第1出力取出部4cの第2領域4eにのみ接着する具体的な実施形態について説明する。このような実施形態としては、図8、9に示すように、第1出力取出部4cの第1領域4dに半田レジスト等からなる接着抑制層9を設ける方法がある。このような方法であれば、配線材15の半田を溶融させて配線材15と第1出力取出部4cを接続しても、第1領域4dと配線材15との接着を抑制して、第2領域4eで配線材15を接着することができる。また、接着抑制層9は、第1領域4dと配線材15との接着を抑制できるものであれば、特に限定されず、絶縁材料であっても導電材料であってもよい。例えば、接着抑制層9として半田との濡れ性が低い金属、例えば、アルミニウムを用いてもよい。第1集電部5bにアルミニウムを用いる場合、先に第1出力取出部4cを形成した後、接着抑制層9と第1集電部5bとを同時に形成することにより生産性を向上させることができる。上記のように導電性の接着抑制層9を設け、配線材15と接着抑制層9とが接触することにより、第1領域4dから接着抑制層9を介して配線材15と電気的に接続することができる。また、絶縁層8に半田との濡れ性が低い材料、例えば、ポリイミドを用いる場合、接着抑制層9と絶縁層8とを同時に形成することにより生産性を向上させることができる。また、上記説明においては、第1出力取出部4c側に接着抑制層9を設ける場合について説明したが、予め配線材15側に接着抑制層9を設けても構わない。また、接着抑制層9は第1領域4dだけではなく、図8、図9(b)に示すように、第1領域4dの周辺部に位置する第2領域4eの一部も覆うように設けてもよい。
また、他の実施形態としては、配線材15を第1出力取出部4cの第1領域4d上に位置するようにしつつ、第1領域4dとは離間するように配置する方法がある。このような方法としては、例えば、図10に示すように、第1領域4dの直上に位置する配線材15の部分を凸状にすることで、第1出力取出部4cの第1領域4dと配線材15とを接着しないようにすることができる。このとき、図10に示すように、第1領域4dまたは第1領域4dとその周辺部のみに凸部を形成してもよい。また、図11に示すように、第1領域4dが位置する配線材15の幅方向全てに凸部を形成しても構わない。また、配線材15を第1出力取出部4cの第1領域4dと離間するように配置すると同時に、第1領域4dに接着抑制層9を設けても構わない。
また、本実施の形態では、半導体基板1の第2の面1Sより平面視して、第1領域4dの外周部から離間した全周囲に亘っての第2領域4eと配線材15とを接着するようにすれば、第1領域4dと裏側充填材13との接触を抑制できるため、太陽電池モジュール内に浸入した水分が導通部4bに到達するのを低減することができる。
また、配線材15と第1出力取出部4cとを導電性接着剤で接着する場合には、第2領域4eのみに導電性接着剤を設けることにより、第1領域4dと配線材15との接着を抑制しつつ第2領域4eで配線材15を接着できる。
≪太陽電池素子の製造方法≫
次に、太陽電池素子の製造方法について説明する。
<半導体基板の準備工程>
まず、p型の導電型を呈する半導体基板1を準備する。
半導体基板1として単結晶シリコン基板を用いる場合であれば、FZやCZ法など公知の製法で作製された単結晶シリコンインゴットを所定の厚みに切り出すことで半導体基板1を得ることができる。また、多結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合であれば、キャスト法や鋳型内凝固法などの公知の製法で作製された多結晶シリコンインゴットを所定の厚みに切り出すことで半導体基板1を得ることができる。
以下においては、ドーパント元素としてB(ボロン)あるいはGa(ガリウム)を1×1015〜1×1017atoms/cm3程度ドープして成ることでp型の導電型を呈する結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合を例にとって説明する。
なお、切り出し(スライス)に伴う半導体基板1の表層部の機械的ダメージ層や汚染層を除去するために、切り出した半導体基板1の表面側および裏面側の表層部をNaOHやKOH、あるいはフッ酸と硝酸の混合液などでそれぞれ10〜20μm程度エッチングし、その後、純水などで洗浄することで、有機成分や金属成分を除去しておくようにする。
<貫通孔の形成工程>
次に、半導体基板1の第1の面1Fと第2の面1Sとの間に貫通孔3を形成する。
貫通孔3は、機械的ドリル、ウォータージェットあるいはレーザー加工装置等を用いて形成する。なお、貫通孔3の形成は、受光面となる第1の面1Fの損傷を避けるべく、半導体基板1の第2の面1Sの側から第1の面1Fの側に向けて加工を行うようにする。ただし、加工による半導体基板1への損傷が少なければ、第1の面1Fの側から第2の面1Sの側に向けて加工を行うようにしてもよい。
<テクスチャ構造の形成工程>
次に、貫通孔3が形成された半導体基板1の受光面側に、光反射率の低減を効果的に行うための微細な突起(凸部)1bをもつテクスチャ構造1aを形成する。
テクスチャ構造1aの形成方法としては、NaOHやKOHなどのアルカリ水溶液によるウェットエッチング法や、半導体基板1の材料であるシリコンをエッチングする性質を有するエッチングガスを用いるドライエッチング法を用いることができる。
<逆導電型層の形成工程>
次に、逆導電型層2を形成する。すなわち、半導体基板1の第1の面1Fに第1逆導電型層2aを形成し、貫通孔3の内表面に第2逆導電型層2bを形成し、第2の面1Sに第3逆導電型層2cを形成する。
p型の導電型を呈する結晶シリコン基板を半導体基板1として用いる場合、逆導電型層2を形成するためのn型化ドーピング元素としては、P(リン)を用いることが好ましい。
逆導電型層2は、半導体基板1におけるその形成対象箇所にペースト状態にしたP2O5を塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたPOCl3(オキシ塩化リン)を拡散源として形成対象箇所に拡散させる気相熱拡散法、および形成予定箇所に対して直接に拡散させるイオン打ち込み法などによって形成する。気相拡散法を用いれば半導体基板1の両主面における形成対象箇所と貫通孔3の表面とを同時に逆導電型層2を形成できるので好ましい。
なお、形成対象箇所以外にも拡散領域が形成されるような条件下では、その部分にあらかじめ拡散防止層を形成したうえで逆導電型層2を形成するようにすることにより、部分的に拡散を防止することができる。また、拡散防止層を形成せず、形成対象箇所以外に形成された拡散領域を後からエッチングして除去してもよい。なお、逆導電型層2の形成後、後述するように半導体層6をアルミニウムペーストによって形成する場合は、p型ドーパント元素であるアルミニウムを充分な濃度で充分な深さまで拡散させることができるので、既に形成されていた浅い拡散領域の存在は無視することができる。すなわち、半導体層6の形成予定箇所に存在する逆導電型層2は特に除去する必要がない。また、第1の電極4が形成される領域の周囲や半導体基板1の第2の面1Sの周縁部について、レーザー照射等の公知の方法でpn分離を行ってもよい。
<反射防止膜の形成工程>
次に、第1逆導電型層2aの上に、反射防止膜7を形成する。
反射防止膜7の形成方法としては、PECVD法、蒸着法やスパッタ法などを用いることができる。例えば、SiNx膜からなる反射防止膜7をPECVD法で形成する場合であれば、反応室内を500℃程度としてシラン(Si3H4)とアンモニア(NH3)との混合ガスを窒素(N2)で希釈し、グロー放電分解でプラズマ化させて堆積させることで反射防止膜7が形成される。また、第2逆導電型層2bの上にも反射防止膜7を形成してもよい。
<半導体層の形成工程>
次に、半導体基板1の第2の面1Sに、半導体層6を形成する。
ボロンをドーパント元素とする場合、BBr3(三臭化ボロン)を拡散源とする熱拡散法により、800〜1100℃程度の温度で形成することができる。この場合、半導体層6の形成に先立ち、半導体層6の形成予定箇所以外の領域の上に、例えば、既に形成されている逆導電型層2などの上に、酸化膜などからなる拡散防止層を形成し、半導体層6の形成後にこれを除去するようにするのが望ましい。
また、ドーパント元素としてアルミニウムを用いる場合は、アルミニウム粉末と有機ビヒクル等からなるアルミニウムペーストを印刷法で半導体基板1の第2の面1Sに塗布した後、700〜850℃程度の温度で熱処理(焼成)してアルミニウムを半導体基板1に向けて拡散させることによって、半導体層6を形成することができる。この場合、アルミニウムペーストの印刷面である第2の面1Sだけに所望の拡散領域である半導体層6を形成することができる。しかも、焼成後に第2の面1Sの上に形成されたアルミニウムからなる層を、除去せずにそのまま第1集電部5bとして利用することもできる。
<電極の形成方法>
次に、第1の電極4を構成する主電極部4aと導通部4bとを形成する。
主電極部4aと導通部4bとは、例えば、塗布法を用いて形成される。具体的には、半導体基板1の第1の面1Fに、例えば銀等からなる金属粉末100重量部に対して有機ビヒクルを10〜30重量部、ガラスフリットを0.1〜10重量部を添加してなる導電性ペーストを、図1に示す主電極部4aの形成パターンにて塗布することで塗布膜を形成した後、該塗布膜を最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより、主電極部4aと導通部4bとを形成することができる。なお、この場合、導電性ペーストを塗布する際に貫通孔3にも該導電性ペーストが充填されることで、導通部4bも形成できる。ただし、後述のように第1出力取出部4cを形成する際にも、第2の面1Sの側から導電性ペーストが塗布され、その際に貫通孔3にも導電性ペーストが再度充填された後に焼成がなされるので、第1の面1Fに導電性ペーストを塗布する際に貫通孔3に十分に導電性ペーストが充填されなくてもかまわない。
なお、導電性ペーストを塗布した後、焼成に先だって、所定の温度で塗布膜中の溶剤を蒸散させて該塗布膜を乾燥させるのが好ましい。また、あらかじめ貫通孔3にのみ導電性ペーストを充填・乾燥し、その後、上述の場合と同様に図1に示す主電極部4aのパターンにて導電性ペーストを塗布したうえで焼成するなど、主電極部4aと導通部4bとを別々に塗布・焼成して形成するようにしてもよい。
また、上述したように、主電極部4aの形成に先立って、反射防止膜7を形成する場合は、パターニングされた領域に主電極部4aを形成するか、あるいは、ファイヤースルー法によって主電極部4aを形成することになる。一方で、主電極部4aを形成した後に、反射防止膜7を形成してもかまわない。この場合、反射防止膜7をパターニングする必要もなく、またファイヤースルー法を用いる必要もないため、主電極部4aの形成条件が緩やかなものとなる。このような工程であれば、例えば、800℃程度の高温で焼成を行わずとも、主電極部4aを形成することができる。
続いて、半導体基板1の第2の面1S上に、第1集電部5bを形成する。
第1集電部5bについても、塗布法を用いて形成することができる。具体的には、半導体基板1の第2の面1Sに、例えばアルミニウムまたは銀等からなる金属粉末100重量部に対して有機ビヒクルを10〜30重量部、ガラスフリットを0.1〜5重量部を添加してなる導電性ペーストを、図2に示す集電部5bの形成パターンにて塗布することで塗布膜を形成した後、該塗布膜を最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより、第1集電部5bを形成することができる。なお、前述したように、アルミニウムペーストを用いる場合は、半導体層6と第1集電部5bとを同時に形成することができる。
さらに、半導体基板1の第2の面1Sに、第1出力取出部4c、第2出力取出部5a、第2集電部5cおよび接続部5dを形成する。
第1出力取出部4c、第2出力取出部5a、第2集電部5cおよび接続部5dは、例えば、塗布法を用いて同時に形成することができる。具体的には、半導体基板1の第2の面1Sに、例えば銀等からなる金属粉末100重量部に対して有機ビヒクルを10〜30重量部、ガラスフリットを0.1〜10重量部を添加してなる導電性ペーストを、図2、図4に示すような電極パターンにて塗布することで塗布膜を形成した後、該塗布膜を最高温度500〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより形成できる。なお、それぞれの構成部を別々に形成したり、相異なる組成の導電性ペーストを用いて形成してもよい。また、アルミニウムペーストを用いて半導体層6と第1集電部5bとを同時に形成した場合、第2出力取出部5aは第3逆導電型層2c上に形成されるが特に問題ない。
本実施の形態に係る太陽電池素子10は、以上のような手順で作製することができる。
なお、必要に応じて、半田ディップ処理によって第1出力取出部4cと第2出力取出部5aの上に、半田領域(図示せず)を形成してもよいが、第1出力取出部4cの第1領域4dには半田領域が形成されないように、第1領域4d上に半田レジストを形成することが好ましい。
また、上述したような絶縁層8を設ける場合は、例えば、CVD等の薄膜形成技術を用いて形成する態様であってもよいし、樹脂ペーストなどからなる絶縁性ペーストを塗布し、熱処理することによって形成する態様であってもよいし、市販の絶縁テープを貼り付けることで形成する態様であってもよい。なお、絶縁性ペーストを熱処理する際には、電極形成のときに、同時に熱処理して形成することも可能である。
また、上述したような接着抑制層9を設ける場合は、例えば、アルミニウムペーストを塗布し、熱処理することによって形成する態様であってもよいし、UV硬化型または熱硬化型の半田レジストを塗布し、硬化させることによって形成する態様であってもよい。
≪太陽電池モジュールの製造方法≫
次に、上述のように形成される太陽電池素子10を用いて太陽電池モジュール20を製造する方法について説明する。
まず、あらかじめ、厚さ0.1〜0.4mm程度、幅2mm程度の銅箔の全面を半田材料によって被覆したものを長手方向について所定の長さに切断することによって、配線材15を作製しておく。また、配線材15を第1出力取出部4cの第1領域4dと離間するように配置する場合には、予め所定の位置を凸状に成形しておくことが好ましい。
そして、図6に示すように、複数の太陽電池素子10をそれぞれ第2の面1Sを上にして所定の距離で離間させて載置し、第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cと第2の太陽電池素子10βの第2出力取出部5aとの間に、上方から配線材15を接触させる。この状態で、ホットエアーや半田鏝を用いて、あるいはリフロー炉を用いて、配線材15の表面の半田を溶融させることで、配線材15と第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cの第2領域4eおよび第2の太陽電池素子10βの第2出力取出部5aとを接続させる。このとき、配線材15は、第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cの第1領域4dに接着されないようにする。係る方法によれば、高い生産性で、太陽電池素子10同士を接続することができる。また、エポキシ、シリコーン、ポリイミド、ポリウレタン系樹脂等をバインダとし、銀、ニッケル、カーボン等の導電性フィラーから構成される低温硬化型の導電性接着剤を用いて配線材15を接続してもよく、第1出力取出部4cの第2領域4eと第2出力取出部5aに導電性接着剤を設け、その上に配線材15を接触させた後、150〜250℃程度で熱処理することで、配線材15と第1出力取出部4cおよび第2出力取出部5aとを接続させる。
その後、透光性部材11の上に、表側充填材12と、配線材15によって互いに接続された複数の太陽電池素子10と、裏側充填材14と、裏面保護材15とを順次に積層することで得られるモジュール基体を、ラミネータの中で脱気、加熱して押圧することによって一体化させることによって、太陽電池モジュール20が得られる。
そして、図5(b)に示すように、上述した太陽電池モジュール20の外周には、必要に応じてアルミニウムなどの枠16がはめ込まれる。また、図5(a)に示すように、直列接続された複数の太陽電池素子10のうち、最初の太陽電池素子10と最後の太陽電池素子10の電極の一端を、出力取出部である端子ボックス17に、出力取出配線18によって接続する。
上述した手順によって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール20を得ることができる。
<変形例>
また、図4に示すように半導体基板1の周縁部に位置する第2出力取出部5aの半導体基板1の周縁部側においては、第1集電部5bと接続せずに半導体基板1と接続させることが好ましく、太陽電池モジュールを屋外に設置したときにおける日々の温度サイクルによる配線材15の伸縮の影響を受け、第2出力取出部5aの剥がれる可能性を低減することができる。
また、第1出力取出部4cと第2出力取出部5aの基準辺BSに沿う方向の長さは異なっていても同じであってもよい。
また、逆導電型層2および半導体層6の形成態様は、上述したものに限定されるものではない。例えば、薄膜形成技術を用いて、水素化アモルファスシリコン膜や微結晶シリコン膜を含む結晶質シリコン膜などを形成してもよい。
なお、太陽電池素子10においては、上述の配列状態をみたすとともに配線材15による接続態様が実現可能である限りにおいて、第1出力取出部4cと第2出力取出部5aとをそれぞれ上述したものと異なる形状(例えば、台形状、円形状、楕円形状、半円形状、扇型形状、あるいはそれらの複合形状など)に形成する態様であってもよい。また、上述した実施の形態では、第1の太陽電池素子10αの第1出力取出部4cに対する配線材15の接着態様について説明してきたが、第2の太陽電池素子10βでも同様である。すなわち、本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、配線材で接続される太陽電池素子同士が上述したような配線材の接続構造を有していればよい。