JP5219542B2 - 冷却庫 - Google Patents
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Description
このため本出願人は、製造時間の短縮化を図る等のために、先に提出した特願2006−289202号において、ケーシング内に冷却ファンと冷却器とを前後に配して収めることにより冷却ユニットを形成して、同冷却ユニットを収納室の側方に設けられた設置室に設置した構造とし、冷却ファンの駆動に伴い、収納室の空気が冷却ユニットの前面の吸込口から吸い込まれて冷却器と熱交換することで冷気が生成され、同冷気が冷却ユニットの背面の吹出口から吹き出されたのち同冷却ユニットの側面側に回り込んで収納室に循環供給されるようにしたものを提案した。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、収納室内の上下方向における冷却速度のばらつきを抑えるところにある。
(1)前記冷却ユニットが、前記設置室の底部側に設けられたレールで支持されつつ前方からの出し入れ可能に設置されるようになっている。嵩高の冷却ユニットもレールに沿って比較的容易に設置室内に出し入れすることができる反面、レールを設けることで、冷却ユニットの背面の吹出口の下縁位置が収納室の底面よりも上方に位置し勝ちとなるが、エアガイドを設けたことで、収納室の底部側にも冷気が供給されるようになる。
(2)前記冷却ユニットが、前記冷却ファンの収容部と、前記冷却器の収容部とに分割され、前記冷却ファン収容部が前記冷却器収容部に対して縦軸回りの揺動開閉可能に連結されており、前記エアガイドが、前記冷却器収容部の側面に設けられている。エアガイドは、固定側である冷却器収容部の側面に設けられる。
(4)前記芯温センサが、本体部の先端に被冷却物に差し込まれるセンサ部が突設された形状である一方、前記エアガイドは、概ね細長い板材を斜め姿勢で配することにより形成されており、前記収納部は、前記エアガイドの上面側において、少なくとも前記センサ部を前記上面の領域内に留めた状態で前記芯温センサを収納できる形状に形成されている。芯温センサは、エアガイドの上面側において、センサ部がエアガイドから突出することなく保護された状態で収納される。
(6)前記エアガイドは、概ね細長い板材を斜め姿勢で配することにより形成されており、前記庫内温度センサが前記エアガイドの下面側に取り付けられている。庫内温度センサがエアガイドの裏に隠れた形態で設けられ、庫内温度センサに不必要に触れることが未然に防止できる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図10に基づいて説明する。この実施形態では、急速冷却庫に適用した場合を例示している。
本実施形態の急速冷却庫は、図1に示すように、機械室11の上面に冷却庫本体10(以下、単に本体10という)が載置され、機械室11の底面に配された脚12によって支持されている。本体10は前面が開口された縦長の断熱箱体からなり、同本体10の前面開口部13には、断熱扉14(図3)が正面から見た左側縁を中心として揺動開閉可能に装着されている。
本体10の内部すなわち庫内では、図2及び図3に示すように、正面から見た右側の6割程度の領域が、食品の収納室15とされ、残りの左側の領域が、冷却ユニット20の設置室16となっている。
一方、冷却ファン22は、ファンケース24内に縦方向に2個並んで装置されている。ファンケース24は、その手前側の側面板24Aが、冷却器カバー23の手前側の側面板23Aと面一となった状態で重ねられ、そのとき奥側の側面板24Bの開口縁が、冷却器カバー23における奥側に張り出した部分の正面板23Cに当てられ、上下2箇所においてヒンジ26により揺動開閉可能に取り付けられている。ファンケース24の手前側の側面板24Aと、冷却器カバー23の手前側の側面板23Aとの互いに突き合わされる開口縁同士の間には、上下2箇所において閉鎖状態に施錠する施錠装置27が設けられている。施錠装置27を解錠すると、ファンケース24はヒンジ26を中心として図3の反時計回り方向に90度揺動して開放できるようになっている。
なお、ファンケース24の正面板24Cにおける上下の冷却ファン22の配設位置と対応した位置に、それぞれ庫内空気を吸い込む吸込口28が形成されている一方、冷却器カバー23の背面開口のほぼ全面が、冷気の吹出口29となっている。
下部レール31は、図5に示すように、全体としては階段状に形成され、庫内の左側壁10Lにおける下部位置に取り付けられており、上側の水平部分が載置板31Aとなっているとともに、同載置板31Aの先端から垂下した部分は被取付板31Bとされ、下側の短寸の水平部分が、後記するドレンパン43の受け板31Cとされている。
一方、図4に示すように、冷却器カバー23における上面板23Dの背面側(同図の左側)の端縁には、角形のフック部33が庫内側を向いて形成されている。また、冷却器21の背面の下縁位置には、図5に示すように、摺動板35が背面側に突出して形成されているとともに、取付板36が垂下して形成されている。
図3に示すように、冷却ユニット20が、庫内の奥行きのほぼ中央位置まで押し込まれたところで、上部側では、図4に示すように、フック部33の庫内側の面における手前と奥の2位置において、上部レール30の右側板30Bに対してねじ38で固定される。下部側では、図5に示すように、取付板36の手前と奥の両端が、下部レール31における被取付板31Bに同じくねじ38で固定される。これにより冷却ユニット20が定位置に設置される。
また、冷却器21に出し入れされる冷媒管39が、機械室11内に装備された冷凍装置(図示せず)と循環接続され、冷凍回路が構成される。
上記のように冷却ユニット20が設置された状態では、冷却ユニット20が庫内の底壁10Bから浮いた状態で支持されるとともに、同冷却ユニット20の手前側の側面、奥側の側面、及び背面と、それらと対向する断熱扉14、庫内の奥壁10C、及び同左側壁10Lとの間に、所定幅(冷却器21の厚さの半分強)のスペースが形成されるようになっている。
ドレンパン43は、図6に示すように、収容部40の奥行一杯に収容可能なように、奥行方向に細長い上面開口の角箱形状に形成されていて、手前の面の上縁が延出されて把手44が形成されているとともに、左右の側面の上縁には、外向きのフランジ45が形成されている。したがってドレンパン43は、左右のフランジ45を受け板31C,41に載せつつ収容部40内に出し入れできるようになっている。
特に、ドレンパン43の左右の側面における上縁にフランジ45を設けて、これを受け板31C,41で受ける構造としたから、例えばドレンパン43の底面の左右両側縁部を受け板で受ける場合と比較すると、受け板31C,41の位置ひいては冷却器カバー23の底部位置をより高い位置に設定でき、ドレンパン43を外せば、冷却器カバー23の底部と底壁10Bとの間隔を広く取れるから、掃除する場合に便利となる。
トレイ受け50はステンレス鋼線等の線材を素材として形成され、大まかには、縦長の長方形をなす枠体51を有し、両縦枠52の間に載置棒53が一定のピッチで複数段(図示12段)にわたって差し渡されているとともに、枠体51の四隅の位置に、縦長の環形をなす取付部54が形成されている。
一方、奥壁10Cには、上記したトレイ受け50の取付具56と同じ取付具56が、上下2箇所に装着されていて、トレイガード58は、上下の取付部54を対応する取付具56の溝56Aに掛止することにより、トレイTの収納領域のほぼ全高に亘るようにして装着されている。仮にトレイTが勢い良く入れられたとしても、図3の鎖線に示すように、トレイTの奥側のフランジがトレイガード58に当たるために、奥壁10Cに直接に当たることが回避される。
一方、収納された食品には、芯温センサ80が差し込まれて同食品の芯温(内部温度)が検出され、その検出温度が、予め定められた芯温の設定温度まで低下したら、所定の急速冷却が完了したと見なされて、冷却運転が停止されるようになっている。
図2及び図10に示すように、上記した冷却ユニット20の手前側と奥側の両側面には、冷却ユニット20の背面から吹き出されて収納室15に送り込まれる冷気の流通案内を行うエアガイド60,70が装着されている。
芯温センサ80は、センサ部82が支持部材66に差し込まれつつ、ガイド板61の上面に載せられ、センサ部82との間の段差部となる本体部81の前面が、支持部材66の上側の側縁に掛止されて支持される。このとき、芯温センサ80における本体部81からセンサ部82に至る全長が、ガイド板61の上面の領域内に留まるようになっている。
ここで本実施形態では、冷却ユニット20が、下部レール31で受けられて出し入れされるようになっているとともに、冷却ユニット20の下面側にはドレンパン43の収納空間が確保されていることから、冷却ユニット20の底面が、設置室16の底面(底壁10B)よりも相当量上方に位置している。これはすなわち、冷却ユニット20の背面に設けられた吹出口29の下縁位置が、設置室16ひいては収納室15の底面よりも相当量上方に位置することになる。
一方、奥側ガイド70には、庫内温度センサ75を装着できるようにしたから、別途取付手段を備える場合と比べて、同じく部品点数の削減や構造の簡略化が図られる。また、同庫内温度センサ75は、奥側ガイド70の裏に隠れた形態で設けられているから、ユーザーが庫内温度センサ75に不必要に触れることが未然に防止できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)冷却ユニットの配設位置は、上記実施形態とは逆に、庫内の正面から見た右側に配置されていてもよい。
(2)上記実施形態では、冷却ユニットの背面側に吹き出された冷気が同冷却ユニットの手前側と奥側の両側面に回り込むものを例示したが、片方の側面のみに回り込むものであってもよい。
(3)また、冷却ユニットの手前側と奥側の両面に冷気が回り込む場合においても、エアガイドは一方の面のみに設けるようにしても良い。
(5)上記実施形態では、冷却器カバーに対してファンケースが開閉可能に組み付けられていたが、開閉できないものであってもよい。
(6)冷却ユニットの構造によっては、エアガイドは、手前側と奥側の面における幅方向の任意の位置に設けてよい。
(8)本発明は上記実施形態に例示した急速冷却庫に限らず、庫内の左右一側に被冷却物の収納室が設けられる一方、他側に同収納室と対向するように冷却ユニットが設けられ、冷却ユニットの背面から吹き出された冷気が同冷却ユニットの側面側に回り込んで収納室に循環供給される形式の冷却庫全般に広く適用することができる。
Claims (4)
- 前面開口でかつ同前面開口に扉を装着してなる冷却庫本体の内部には、間口方向の一側に被冷却物を収納する収納室が設けられるとともに、他側に設けられた設置室には、前記収納室と対面する方向の前後に冷却ファンと冷却器とが配されてケーシング内に収められてなる冷却ユニットが設置され、
前記冷却ユニットと前記冷却庫本体の内部の底面との間にドレンパンが設けられ、
前記冷却ファンの駆動に伴い、前記収納室の空気が前記冷却ユニットの前面の吸込口から吸い込まれて前記冷却器と熱交換することで冷気が生成され、同冷気が前記冷却ユニットの背面の吹出口から吹き出されたのち同冷却ユニットの側面側に回り込んで前記収納室に循環供給されるようになっており、
前記冷却ユニットが、前記冷却ファンの収容部と、前記冷却器の収容部とに分割され、前記冷却ファン収容部が前記冷却器収容部に対して縦軸回りの揺動開閉可能に連結されており、
前記冷却器収納部における当該冷却器収納部の高さ中心位置より下方には、前記冷却ユニットの側面側に回り込んだ冷気を斜め下方に向けて流通案内するエアガイドが設けられており、
前記冷却ユニットの手前側の側面にエアガイドが設けられた場合において、当該エアガイドには、被冷却物の内部温度を検出するための芯温センサを収納する収納部が設けられており、
前記設置室の底部側に階段状に形成されたレールを設けており、該レールの上側の水平部分は前記冷却ユニットを前方から出し入れする際に支持するようになっており、該レールの下側の水平部分が前記ドレンパンの受け板となっていることを特徴とする冷却庫。 - 前記芯温センサが、本体部の先端に被冷却物に差し込まれるセンサ部が突設された形状である一方、前記エアガイドは、概ね細長い板材を斜め姿勢で配することにより形成されており、前記収納部は、前記エアガイドの上面側において、少なくとも前記センサ部を前記上面の領域内に留めた状態で前記芯温センサを収納できる形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却庫。
- 前記冷却ユニットの奥側の側面に前記エアガイドが設けられた場合において、当該エアガイドが、庫内温度を検出するための庫内温度センサの取付板を兼用していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却庫。
- 前記エアガイドは、概ね細長い板材を斜め姿勢で配することにより形成されており、前記庫内温度センサが前記エアガイドの下面側に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の冷却庫。
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