JP5219397B2 - 角管の管端つぶし加工方法及びその金型 - Google Patents
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Description
しかしながら、近年、森林伐採等の環境破壊,経年変化や品質不良等、木材の持つ諸問題を考慮し、住宅メーカー等では、強度が高くしかも品質が安定しているという理由で、このような根太として、鋼管等の金属角管製のものを用いようとしている。
そこで、本出願人等は、切欠きを設けることなく、すなわち強度低下を伴うことなく段差部を形成した住宅用資材を特許文献1で提案した。
このような住宅用資材は、本来、大引きの上に梁渡される根太用の資材として開発したものである。上面が平らになった段差部が形成されているために、この上面を下にして大引き上に載置すると、安定的な載置構造が得られる。根太用の資材としては極めて有用なものとなっている。
このため、段差部上面と角管の中央側上面をつなぐ斜面及びその近傍に皴等の変形部が生じていることが多い。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、金属製角管の端部に段差部を形成する際、段差部の上面及び角管の中央側上面に皴等の歪みを生じさせることなく、簡便に成形する方法を提供することを目的とする。
なお、被加工角管の管端を外金型に収容した後に管端のつぶし加工を行うことが好ましい。
この内金型と管端加工パンチとで、角管管端のつぶし加工用金型が構成される。
また、被加工管端を収容できる大きさの溝部を有し、上面と前面及び後面が開放された外金型をも備えていることが好ましい。
また、上内金型と下内金型とを相対的にスライドさせることで内金型の上面位置を容易に変更できるため、内金型の被加工角管への挿入や取り出しが容易に行える。
本発明の採用により、形状精度に優れた段差部を有する金属角管製の根太材が低コストで供給でき、基本骨格を金属構造製とした住宅の普及などに寄与できる。
まず、用いる内金型の構造について説明する。
図3に示すように、内金型10は、上内金型11と下内金型12とからなっている。上内金型11は、その上部に、管端加工パンチ押え面13と当該管端加工パンチ押え面13と平行で、しかもこのパンチ押え面13よりも高い押え上面14を有するとともに、側部に被加工角管の内側幅に等しい間隔の平行な側壁面を有し、かつ下部に前記押え上面14側端面の方が、押え上面14とは反対側端面よりも低くなるように傾斜したスライド下面15を有する上内金型を有している。
本発明の角管管端つぶし加工用金型は、上記のような上内金型11と下内金型12とで構成された内金型10と、図3では示されていない、内金型の管端加工パンチ押え面13上に配設される管端加工パンチを備えている。
なお、図3中、19は後記で説明する蛇腹状つば部形成用切り欠き部である。
図4に示すように、上内金型11の略中央に、断面U字形のガイド溝が長手方向に穿設されており、そのガイド溝にガイド棒17が内挿されている。このガイド棒17は、その先端が、ガイド溝の後端で、上下方向に移動可能にピン止めされている。
一方、下内金型12の略中央に、前記ガイド棒の径よりも僅かに大きい内径の断面円形のガイド孔が長手方向に貫通されている。そして、先端が上内金型11の内部で長手方向に移動できないように位置決めされたガイド棒17が、上内金型11のスライド下面15と前記下内金型12のスライド上面16とが接するように、下内金型12のガイド孔を挿通している。なお、18は下内金型12の出し入れを行い易くするための補助棒である。
図4の(a)は、下内金型12を上内金型11に対して離した位置関係を示しており、図4の(b)は、下内金型12を上内金型11に対して最も近づけた位置関係を示している。
この場合、下内金型12のスライド上面16の傾斜の向きも逆になる。また、後記の管端つぶし加工の態様において、上内金型11を所定位置にセットした後、下内金型12を押し込むのではなく、角管の内部から管端に引き戻す形態となる。
被加工角管Mの管端に、内金型10を挿入する(図5の(a))。この際、図4の(b)に示すように、下内金型12を上内金型11に対して離した位置関係のままで管端に挿入する。上内金型11の押え上面14側端面の高さを被加工角管の内側高さよりも低くしておくことにより、容易に角管内に挿入できる。
上内金型11の押え上面14が被加工角管Mの内側上壁に当接するまで下内金型12が押し込まれる(図5の(b))。
上内金型11の押え上面14側端面の高さを被加工角管の形成段差部の内側高さよりも低くしておくことにより(図5の(d))、角管内から、内金型10を容易に抜き出すことができる。この抜き出し工程を経て、角管管端のつぶし加工が終了する。
ところで、意匠面からみると、斜面の段差部上面との境界部及び中央側上面との境界部のR部は小さなコーナーRであることが好ましいが、コーナーRが小さいとひずみがR部に集中し、材料の伸び限界を超えてしまい割れが発生する。製品の意匠性が劣るが、R部のひずみを分散するために上内金型の特に押え上面14の管端パンチ押え面13側コーナーRをできるだけ大きくすることが望ましい。コーナーRの設定には、材料の許容最小曲げ半径以上の値を取ることが望ましい。
被加工角管が加工変形されるとき、外方向への移動も規制されるため、外方向への張り出しがなく、形状結果として成形精度がさらに向上する。
角管管端のつぶし加工が円滑に行わせるために、予め、被加工角管の管端上側部に蛇腹部成形用予備加工を施してもよい。蛇腹部成形用予備加工としては、被加工角管の管端上側部に長尺のエッジを押し当てることが好ましい。
また、上内金型11として、管端加工パンチ押え面13と側面の交差部に、蛇腹状つば部収容用切り欠き部19(図3参照)が設けられているものを用いると、蛇腹状つば部が容易に形成され、その結果として、形状精度に優れた管端つぶし加工が行える。
10:内金型 11:上内金型 12:下内金型 13:管端加工パンチ押え面
14:押え上面 15:スライド下面 16:スライド上面 17:ガイド棒
18:補助棒 19:蛇腹状つば部形成用切り欠き部 20:管端加工パンチ
Claims (4)
- 上部に管端加工パンチ押え面と当該管端加工パンチ押え面と平行で、しかも当該押え面よりも高い押え上面を有するとともに、側部に被加工角管の内側幅に等しい間隔の平行な側壁面を有し、かつ下部に前記押え上面側端面と押え上面とは反対側端面との間で傾斜したスライド下面を有するとともに前記管端加工パンチ押え面と前記側壁面の交差部に、蛇腹状つば部収容用切り欠き部が設けられている上内金型と、下部に上内金型の管端加工パンチ押え面と平行な底面と、側部に被加工角管の内側幅に等しい間隔の平行な側壁面を有し、かつ上部に前記上内金型の傾斜したスライド下面に合致させたとき、前記底面と前記上内金型の前記管端加工パンチ押え面及び押え面とが平行になるように傾斜したスライド上面を有する下内金型から構成されている内金型を、下内金型のスライド上面と上内金型のスライド下面との間で相対的にスライドさせ、上内金型の押え上面と下内金型の底面の間隔を、被加工角管の内側高さよりも小さくした状態で当該被加工角管の管端に挿入した後、下内金型のスライド上面を上内金型のスライド下面に沿ってスライドさせて上内金型の押え上面を被加工角管の内側上壁に押し当てた状態で、被加工角管の被加工部内側上壁が上内金型の管端加工パンチ押え面に押し付けられるように、管端加工パンチを被加工角管の管端に押し当てて管端に段差部を形成し、その後に、管端加工パンチの押圧を解除し、前記下内金型のスライド上面を上内金型のスライド下面に沿ってスライドさせて上内金型の押え上面と下内金型の底面の間隔を、形成された段差部の内側高さよりも小さくした状態で内金型全体を管端から取り出すことを特徴とする角管管端のつぶし加工方法。
- 被加工角管の管端を外金型に収容した後に管端のつぶし加工を行う請求項1に記載の角管管端のつぶし加工方法。
- 上部に管端加工パンチ押え面と当該管端加工パンチ押え面と平行で、しかも当該押え面よりも高い押え上面を有するとともに、側部に被加工角管の内側幅に等しい間隔の平行な側壁面を有し、かつ下部に前記押え上面側端面と押え上面とは反対側端面との間で傾斜したスライド下面を有するとともに前記管端加工パンチ押え面と前記側壁面の交差部に、蛇腹状つば部収容用切り欠き部が設けられている上内金型と、下部に上内金型の管端加工パンチ押え面と平行な底面と、側部に被加工角管の内側幅に等しい間隔の平行な側壁面を有し、かつ上部に前記上内金型の傾斜したスライド下面に合致させたとき、前記底面と前記上内金型の前記管端加工パンチ押え面及び押え面とが平行になるように傾斜したスライド上面を有する下内金型から構成された内金型、及び当該内金型の管端加工パンチ押え面上に配設される管端加工パンチを備えていることを特徴とする角管管端つぶし加工用金型。
- さらに、被加工角管の管端を収容できる大きさの溝部を有し、上面と前面及び後面が開放された外金型を備えている請求項3に記載の角管管端つぶし加工用金型。
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