JP5218722B2 - 無菌充填包装体の製造方法、及びその装置 - Google Patents

無菌充填包装体の製造方法、及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、無菌充填包装体の製造方法及び製造装置、特に容器の成形から充填密封までを連続して1ステーションで行う無菌充填包装体の製造方法及び製造装置に関する。
従来、連続的に押し出されるパリソンからブロー成形による容器成形に続いて金型内で内容物を充填して密封するまでを連続的に行う技術は一般に知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの技術は、容器成形から充填までパリソン内部を外気に曝すことなく連続的にできるので、衛生性に優れ、特に使いきりの医薬品や輸液等の容器として採用されている。前記従来技術は、一般的には、特許文献1、2に示すように、単に容器をブロー成形に続いて内容物を充填し、その後容器頭部開口部を密封成形するだけであるので、例えば、注出具等を設ける場合は、特許文献2に示すように別工程で注出口付きキャップを成形し、別工程で螺着等により装着する必要があった。
これに対し、特許文献3に示すものは、容器と該容器の口部に一体に連通する筒部を一体にブロー成形し、内容物である溶解液を充填後、口部に漏液防止用ゴム栓と容器密封用合成樹脂製口栓を挿入して、口栓とゴム栓を容器口部と一体化し、且つ筒部に針を嵌挿固定し、上端を剥離可能な保護フイルムで密封することが提案されている。この場合は、容器口部上方に注出用針を嵌挿固定するまで連続的にできるので、前記特許文献1、2の場合と比べてより工程が単純化され、特に注出針等を取付けてある無菌充填包装体の製造工程等において好適な利用が期待できる。しかしながら、この場合でも注出用の針を嵌挿する筒部の密封は保護フイルムで密封しており、そのため別工程でのシールが必要である等、いまだ全ての工程を連続的に行うに至っていない。また、その場合は注出針が収納されている筒部の内部が一旦外気に曝されてからシールされることになるので、容器の完全な無菌化のためには望ましくない。
また、従来のこの種容器は、容器開封のタンパーエビデンス性や注出具の保護性に欠ける等の問題点があった。
特開昭50−107059号公報 特開2002−128126号公報 特開平7−213587号公報
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、連続的に押し出されるパリソンから容器の成形、内容物の充填、注出具の装着、保護ケースの成形までを連続的にでき、無菌性と注出具の保護性及びタンパーエビデンス性に優れた無菌充填包装体と、該包装体を効率よく低コストで製造する方法を先に提案した(PCT/JP2006/301872)。
上記提案した無菌充填包装体の製造方法は、包装体を成形する金型が、包装体の容器本体を成形する部分、容器口部をヒートシールする部分、及び、保護ケースを成形する部分が、上下方向に積み重ねられて構成され、ダイヘッドから中空状のパリソンをその垂直下方に一定の速度で押出しながら、パリソンの押出速度に同期させて下降移動する金型でパリソンを型締めし、次いでパリソン内部を通してダイヘッドの上方からノズルを金型内へ挿入して当該金型内で容器本体をブロー成形する。次いで、ノズルを通して容器本体内に薬液等の内容物を充填し、その後、前記ノズルを上昇退避させて、代わりに下端に注出具を保持させた注出具インサータを、パリソン内を下降させて容器本体の口部へ注出具を装着し、容器本体の口部と注出具との間をヒートシールする。そして、さらに、容器本体上方に注出具を覆う保護ケースを成形した後、完成した充填済みの容器本体、注出具、保護ケースからなる無菌充填包装体を金型を開いて取り出す。
本発明者は上記製造方法についてさらに研究した結果、ダイヘッドから押し出される樹脂の速度が小さいと、上下方向に積み重ねられた金型の各部分の上下寸法の合計に対応する必要長さのパリソンがダイヘッド下方に押し出されてくるまで、金型を待機させる時間が発生するため、包装体製造工程のサイクルタイムが長くなってしまう問題点が見つかった。また、金型内のパリソンに、ノズルにより無菌エアーを吹き込んで容器本体をブロー成形したり、成形された容器内への内容物を充填する工程においては、パリソン内へノズルを出し入れする際に、ノズルがパリソン内壁と接触することを防止するため、パリソンへ無菌エアーを導入してパリソン内部を陽圧に保つ必要がある。しかしながら、パリソン内部を陽圧にすると、パリソンのダイヘッドと金型との間に露出している部分が膨らんで変形してしまい、この部分は、次の包装体の製造に使用できないので切断して除去する必要がある。ところが、ダイヘッドからのパリソンの押し出し速度を大きくすると、これに応じて、1工程中の金型の昇降ストロークが増大するため、パリソンの切断除去する無駄な部分が長くなってしまう問題点が見つかった。
そこで、本発明は、前記提案した技術をさらに改良して前記問題点を解決しようとするものであり、無菌包装体の製造工程における成形、充填、密封のサイクルタイムを短くすることを可能とするとともに、包装体の成形時に無駄になるパリソンの量を低減することのできる、無菌充填包装体の製造方法提供することを目的とするものである。
前記課題を解決する本発明に係る無菌充填包装体の製造方法は、ダイヘッドから下方に押し出されるパリソンに対して、パリソンの押出速度と同期させて金型を下降させながら、無菌状態で内容物が充填された包装体を製造する方法において、パリソンの押出速度を停止域又は低速域から高速域に途中で切り換え、前記停止域又は低速域で、包装体の容器本体をブロー成形する工程、前記容器本体へ内容物を充填する工程、並びに該容器本体を密封する工程の各工程を行うようにし、且つ前記高速域において、容器本体上部に保護ケースを成形する工程を行うようにしたことを特徴とするものである。
前記製造方法においては、前記停止域又は前記低速域において、容器本体上部に注出具をヒートシールする工程、前記高速域において、容器本体上部に保護ケースを成形する工程を有することが望ましい。また、ダイヘッドから押し出されるパリソンの下端を切り口が閉じた状態で切断する工程を含むことも望ましい。
請求項1記載の発明に係る無菌充填包装体の製造方法によれば、パリソンの押出を停止する停止域又は押出速度の小さい低速域から該低速域よりも押出速度が大きい高速域に途中で切り換え、前記停止域又は前記低速域で、包装体の容器本体をブロー成形する工程、前記容器本体へ内容物を充填する工程、並びに当該容器本体を密封する工程の各工程を行うようにしているため、パリソンのダイヘッドから無駄に押し出されて切断除去される部分の長さを短くすることができると共に、ノズルの移動時間を短縮できるので、包装体の製造工程のサイクルタイムを短くすることができる。
さらに、上記効果に加え、保護ケース成形時に、1サイクル終了後、次サイクルに入る際、上下方向に積み重ねられた金型の、上下寸法の合計に対応する長さのパリソンが、ダイヘッド下方に押し出されてくるまでの金型待機時間を短縮することができるので、包装体の製造工程のサイクルタイムを短くすることができる。
また、請求項2記載の発明に係る無菌充填包装体の製造方法によれば、注出具インサータの移動時間を短縮できるので、包装体の製造工程のサイクルタイムを短くすることができる。
また、請求項記載の発明に係る無菌充填包装体の製造方法によれば、ダイヘッドから押し出されるパリソン下端の切り口を閉口状態で切断することにより、パリソンのダイヘッドから押し出されて包装体に使用される部分の内側への異物や雑菌等の侵入を確実に防止することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の無菌充填包装体の製造方法を実施するための無菌充填包装体製造装置(以下、単に包装体製造装置という。)の概略構造図であって、本実施形態の包装体製造装置1は、無菌ボックス20内に、ブロー成形用無菌エアーの供給管P1と内容物供給管P2に接続されたノズル6を具備するノズルユニット21、及び注出具インサータ7と注出具マガジン23を具備する注出具ユニット22を収納してある。ノズルユニット21及び注出具ユニット22は、駆動装置M1によって交互に水平方向に移動して、後述するノズル6及び注出具インサータ7をダイヘッドの軸方向中心部上方に位置するように切替可能に配置されている。即ち、ノズル6と注出具インサータ7は、ダイヘッド2の上方で、ダイヘッド2の中心部に形成された貫通孔2A(図2)の中心軸線上に移動した使用位置と、貫通孔2Aの中心軸線から側方に外れた退避位置の何れか一方の位置に選択的に移動可能に構成されており、且つ、前記使用位置において、それぞれ、駆動装置M3、M2により、ダイヘッドAの貫通孔2Aを通してパリソンPの内部への昇降が可能となっている。また、前記ノズル6は、図示していない無菌エアーの供給源と、ブロー成形された容器本体内に充填する内容物の供給源との何れか一方に対して選択的に連通されるようになっている。一方、注出具インサータ7は、その退避位置において、マガジン23から供給される注出具を下端に着脱自在に保持し、使用位置で後述するようにダイヘッド2の貫通孔2AからパリソンP内に下降して、第1金型5Aで成形された容器本体の口部に注出具を嵌入する動作を行う。
そして、無菌ボックス20の下方には、後で詳述するようにパリソンPを押し出すダイヘッド2及び樹脂供給手段3、及びパリソンPをカットするカッター4が設置されている。ダイヘッド2の内側側面には、無菌ボックス20に向かって上昇気流となるように無菌エアーを出すことができる吹き出し口24と、パリソン内部を加圧してパリソンの形状を安定させるため、下降気流となるように無菌エアーを出すことができる吹き出し口25とが設けられている。そして、その下方にはプラスチック容器本体と注出具の保護ケースを一体成形する金型5が設けられている。
図2は、無菌充填包装体製造装置1の要部拡大図であり、樹脂供給手段3、ダイヘッド2、カッター4及び金型5が模式的に示されている。
上記樹脂供給手段3は、溶融した樹脂を押し出すスクリュー式の押出機8、前記樹脂を一時的に貯留するアキュムレータ9、切り換え弁10、及び溶融樹脂を送るための各流路11、12、13から構成されている。アキュムレータ9は、サーボモータ9Aによって正逆方向に回転駆動されるねじ軸9Bを有しており、このねじ軸9Bには、シリンダ9Cの内部に挿入されたピストン9Dと、このピストン9Dに、シリンダ9Cの外側で一体に動くように連結されたナット部材9Eが螺合している。
そして、サーボモータ9Aを正回転または逆回転させることで、これと一体に定位置で回転されるねじ軸9Bに対して、その軸方向前後にナット部材9Eが移動し、これに伴ってシリンダ9C内でピストン9Dが前後に移動するようになっている。シリンダ9Cに連通する流路12は、切換弁10の切り換えによって、押出機8に連通する流路11と、ダイヘッド2に連通する流路13の何れか一方に選択的に連通することができ、切換弁10を、流路12と流路11とが連通するように切り換えた状態でサーボモータ9Aを回転させてピストン9Dを後退させることにより、押出機8から送り出される溶融樹脂をシリンダ9C内に取り込むことができるようになっている。
また、切換弁10を流路12が流路13に連通するように切り換えた状態で、サーボモータ9Aを回転させてピストン9Dを前進させることにより、シリンダ9C内に貯留された樹脂をダイヘッド2側へ送り出すことができるようになっている。
一方、ダイヘッド2の内部には、貫通孔2Aの周囲を同心状に包囲する環状流路2Bが形成されていて、前記環状流路2Bは、ダイヘッド2の下端面で、貫通孔2Aの開口部の周囲を同心状に囲むように環状に開口しており、通路13からダイヘッド2内へ導入された樹脂は、前記環状の開口からダイヘッド2の下方へ中空状のパリソンPとなって押し出されるようになっている。
なお、樹脂供給手段3は、図示していない駆動制御手段によって、サーボモータ9Aの回転速度を制御し、ダイヘッド2へ供給する樹脂の流量を変えて、ダイヘッド2からのパリソンPの押出速度を停止又は低速と高速の少なくとも二段に切り換えることが可能となっている。また、上記実施形態では、押出機8及びアキュムレータ9を備えた樹脂供給手段3は1組しか示されていないが、異なる樹脂を供給する樹脂供給手段を複数組配置し、且つそれに対応してダイヘッド2の環状流路2Bも同心状に複数配置し、その下端が多重円に接して開口することによって、それぞれの樹脂供給手段から押し出された樹脂が多層に重なった多層パリソンを得ることができる。したがって、例えば中心層となる部分にガスバリア性樹脂を供給し、内側層と外側層となる部分にパリソンを形成する例えばポリエチレン等の主樹脂を供給することによってガスバリア性に優れた成形品を形成することができるパリソンを得ることができる。
金型5は、本実施形態においては、パリソンPから無菌充填包装体(以下、単に包装体という。)の容器本体部分を成形するための第1金型5Aと、成形された容器本体口部をシールし、容器本体口部と注出具をヒートシールするための第2金型5Bと、容器本体の上部に注出具の保護ケースをブロー成形するための第3金型5Cの3つの部分から構成されていて、これらの3つの金型5A、5B、5Cは、上下方向に積み重ねられた状態で、図示していない昇降機構によって一体となって昇降駆動されるようになっている。また、これらの各金型5A、5B、5Cは、これも図示していない金型開閉機構によって、ダイヘッド2から押し出されてくるパリソンPに対して、左右両側からそれぞれ個別に型締め・型開き動作を行うことができるようになっている。なお、前記昇降機構ならびに金型開閉機構は、前述した駆動制御手段により、樹脂供給手段3と連動して制御されるようになっている。
次に、図3は、本実施形態に係る包装体製造装置1によって製造される無菌充填包装体の構造を示す図であって、同図(a)に示すように、包装体Aは、容器本体A1、注出具A2、保護ケースA3の3つの部分から構成されている。本実施形態においては、包装体Aは、内容物として薬液が充填されている使い捨ての注射器として使用するものであって、同図(b)は保護ケースA3を除去した状態を示す図、同図(c)は、さらに注出具A2の鞘管A7を除去して注射針A6を露出させた状態を示す図、同図(d)は、注出具A2の断面構造を示す図である。
図3(d)にその断面を示すように、注出具A2は、容器本体A1の口部に嵌入される栓体A4と、この栓体A4内に嵌装したハブA5に固定支持される注射針A6、及び、その外側を覆うように栓体A4に装着される鞘管A7から構成されている。注出具A2は、予め別体部品として製造され、前述の注出具マガジン23に殺菌洗浄された状態で収納されている。
栓体A4と容器本体A1の口部は、製造時にヒートシールされ、包装体Aが未使用の状態では、栓体A4は前記口部を閉塞しているので、容器本体A1内の薬液は密封されている。また、保護ケースA3は、容器本体A1の上部に、これと一体に連続して注出具A2を覆うように成形されるものであって、注出具A2の保護と同時に、タンパーエビデンス性を持たせている。
包装体Aを注射器として使用する場合には、保護ケースA3と容器本体A1の口部との間の連続部分を指でねじ切って保護ケースA3を取り除いて図2(b)の状態とし、次いで、注出具A2の鞘管A7を、その鍔部A8が栓体A4の上端面に当接するまで栓体A4内へ押し込むことにより、注射針A6の下端を栓体A4を貫通させて容器本体A1内へ突き出す。その後、鞘管A7を上方に引き抜いて栓体A4から取り外して注射針A6を露出させ、患者の腕等に注射針を突き刺して容器本体A1の側面を指で押し潰すことにより、その中の薬液を注射針A6を介して患者に注射することができる。
尚、図示しないが注出具A2は、単に内容物を取り出すスパウト等の注出具のみから構成されていても良い。
次に、上記包装体製造装置1により、包装体Aを製造する工程を図4に基づいて説明する。
同図のS1〜S14は、図1に示す包装体製造装置1による包装体の製造工程中の各過程を経時的に示したものであって、最初の過程S1においては、パリソンの押出速度は低速に切り換えられており、ダイヘッド2からパリソンPが所定長さ下方に押し出されてきた段階で、金型5は開かれた状態で、パリソンPの両側に対向した位置に位置決めされている。
次の過程S2では、図1に示す金型5の下部を構成している第1金型5Aのみが型締めされる。一方、この時点で、ダイヘッド2の上方へノズル6が移動する。なお、この間も金型5は、ダイヘッド2から押し出されるパリソンPの動きと同期して徐々に下降移動している。次の過程S3では、ノズル6は、パリソンPの内部を通って第1金型5Aの上端部まで下降移動し、次いで過程S4で、ノズル6を通して第1金型5A内に加圧された無菌エアーが送り込まれて、パリソンPの一部から容器本体A1がブロー成形される。さらに、次の過程S5で、ブロー成形された容器本体A1内に、ノズル6を通して薬液が充填され、充填完了後の過程S6で、ノズル6はダイヘッド2の上方へ向けて退避し、さらに、上昇停止後に、ダイヘッド2の上方から側方へ退避する。
その後、過程S7で、下端に注出具A2を保持させた注出具インサータ7がダイヘッド2の上方へ移動し、次の過程S8で、注出具インサータ7は、ダイヘッド2を通過してパリソンP内を下降し、先端に保持した注出具A2を、第1金型5A内に支持されている容器本体A1の口部へ挿入する。次いで、過程S9で、第1金型5Aのすぐ上に配置されている第2金型5Bが型締めされて、容器本体A1の口部が、図2に示す注出具A2の栓体A4の周囲にヒートシールされる。その後の過程S10で、注出具A2を残して、注出具インサータ7のみがダイヘッド2の上方へ退避移動する。
さらに、次の過程S11で、第2金型5Bの上に配置されている第3金型5Cが型締めされて、金型上部でパリソンを切断すると共に、カッター4がダイヘッド2から押し出されるパリソンPの下端を切り口が閉口状態となるように切断して、ダイヘッド2と第3金型5Cとの間に押し出されているパリソンPが除去される。第3金型5Cが型締することにより、該型内のパリソンの上端が密閉される。
尚、カッター4によるパリソンの切断に代えて、図5に示すようなワイヤーによる切断が、切断刃への樹脂のこびり付きパリソンへのヒューム等の異物混入を防止する点で好ましい。図5はダイヘッド2の下方からパリソンを見た様子である。図5(a)に示すようにダイヘッドから下向きに押し出されるパリソンPに対し、互いに交差位置で当接するように交差させた一対のワイヤーW1、W2を、水平面内で互いに反対向きに同期させて進退させることにより、前記交差位置をこれらのワイヤーの進退方向に対して横切る方向に移動させ、パリソンを両ワイヤー間で挟圧してパリソンを扁平に押し潰しながらこれらのワイヤーの剪断作用により切断する。
また、剪断作用をより向上させるため、ワイヤー断面形状は、図5(b)に示す円形状だけでなく、図5(c)の三角形状、図5(d)の四角形状、図5(e)のV字形状としてもよい。以上の過程S1〜S11までをパリソンの押出速度の低速域で行なう。
次の過程S12からパリソンPの押出速度は低速から高速に切り換えられて、高速域で行なわれる。また同時にパリソンPの下降速度と同期させて金型5の下降速度も増加される。一方、この間に、第3金型5Cの一方の側面からその中のパリソンPに対して、図示しないブローピンを突き刺してパリソンP内に無菌エアー(0.1〜0.6MP)を導入しながら、これも図示しない吸引手段により、他方の側面から第3金型5C内の空気を吸引排除することにより、金型5が昇降ストロークの下方限界位置へ達する過程S13までの間に、容器本体A1の上部に保護ケースA3が真空圧空成形される。
次の過程S14で、金型5を構成している第1金型5A、第2金型5B、第3金型5Cは一斉に型開きされて、完成した包装体Aが、金型5外に取り出される。その後、金型5は、過程S1にあった原位置まで急速に上昇復帰するとともに、パリソンPの押出速度はもとの低速に切り換えられる。その後は、再び次の包装体Aを成形するために、前述した過程S1から過程S14を繰り返す。
なお、本実施形態では、ノズル6をパリソンP内に出し入れする過程において、ノズル6とパリソンPの内壁とが接触しないように、ノズル6の先端から無菌エアーをパリソンP内に導入しながら行っている。また、注出具インサータ7をパリソンP内に出し入れする過程においても、注出具及び注出具インサータとパリソンPの内壁が接触しないように注出具インサータ側壁部から無菌エアーをパリソンP内に導入している。
また、本実施形態においては、ダイヘッド2を通過してその下方に押し出されるパリソンP内部には、無菌エアーを送り込んで雑菌の侵入を阻止しており、また、前記過程S11において、ダイヘッド2から押し出されたパリソンPをカットする場合に、切り口を閉塞してカットするようにしているため、パリソンPの内側への雑菌等の侵入を確実に防止することができる。したがって、容器本体の成形、内容物の充填、注出具の容器本体へのヒートシール、保護ケースの成形が全て無菌ボックス内とのみ連通するダイヘッドから押し出されるパリソンP内で行われるので、その間パリソンに外気が侵入することがなく、極めて高度の無菌充填包装体が得られる。しかも、従来この種の成形同時充填包装体の製造の場合に避けることの出来なかったパリソンの容器の成形に寄与しない無駄部分の増大を抑制することができ、経済的であると共にサイクルタイムを短くすることができる。
図6は、上記包装体製造装置1により、包装体Aを製造する本発明係る他の実施形態の工程を示している。前記実施形態と同様な部分は同一符号を付しており、各過程は前記実施形態の各過程S1〜S14とそれぞれ対応している。本実施形態の製造方法は、前記実施形態と比較して過程S1〜S11までを停止域で行なうことに特徴を有している。即ち、前記実施形態では、過程S1から過程S12に至るまでをパリソンを低速で押し出し、それと同期して金型を低速で下降させる低速域で行なっていたが、本実施形態では、溶融樹脂がパリソンを成形可能な一定長さまで押し出された状態にある過程S1から第3金型5Cが型閉めされて金型上部でパリソンを溶融樹脂から切断する過程S11までを溶融樹脂の押し出し及び金型の下降を停止させた停止域で行なうようにしたことに特徴を有している。それによって、過程S11で明示するようにパリソンPの容器の成形に寄与しない無駄部分をさらに低減することができる。停止域では、溶融樹脂押出手段3において、まず切替弁10が流路11を流路12に連通する状態に切り替えられて、押出機8から押し出される樹脂をアキュムレータ9に貯留し、アキュムレータからの押し出しを停止して、その状態で停止域における工程が終了するまで待機する。
過程S11で第3金型5Cを型閉めすることによって、金型上端でパリソンを切断すると共にカッター4で切断することによって容器の成形に不要な部分を切断し、その後過程S12に移り、金型5を連続的に所定の高速で下降させると共に、アキュムレータのサーボモータ9Aを駆動して溶融樹脂をダイヘッドに高速で押し出す高速域に切り替えられる。高速域では前記実施形態と同様に、保護ケースA3をブロー成形する工程である過程S13を経て、金型が開いて成形された包装体Aが取り出される工程である過程S14まで高速下降し、その後金型5は開いている状態で上昇し、金型5が所定位置に上昇した状態で溶融樹脂の押出を停止すると共に金型もその位置に保たれて、過程S1に達し、以後停止域に移行する。過程S1では、図に示すように、ダイヘッドから溶融樹脂(パリソンP)が所定長さに押し出された状態にあるので、その状態で過程S2〜S11に示す工程の実施が可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限るものでなく、包装体は必ずしも注出具や保護ケースを有するものに限らない。また、上記実施形態では、溶融樹脂の押出速度及び金型の下降速度を低速域と高速域の組み合わせ、又は停止域と高速域の組み合わせで行なっていたが、必ずしも上記実施形態に限らず、停止域−低速域−高速域の組み合わせで行なうことも可能である。
本発明の無菌充填包装体の製造方法及び製造装置は、無菌性が要求される内容物の充填用包装体の製造に好適に利用でき、特に、薬液や輸液などの開栓注出用注出具を備え、かつ不正開封を防止するためのタンパーエビデント性をもたらす保護ケースを容器本体と一体に成形しているような、無菌充填包装体の製造工程に、好適に利用することができる。また、無菌状態でジュースや流動状の食品等を封入した包装体の製造工程や、液体やジェル状の化粧品を封入した包装体の製造工程においても広く利用可能である。
本発明の無菌充填包装体の製造方法を実施するための、無菌充填包装体製造装置の概略構造図である。 無菌充填包装体製造装置の要部拡大図である。 無菌充填包装体の構造を示す図であって、同図(a)は無菌充填包装体の外観を示す図、同図(b)は保護ケースを除去した状態を示す図、同図(c)は、さらに鞘管を除去して注射針を露出した状態を示す図、同図(d)は、スパウトの断面構造を示す図である。 本発明の無菌充填包装体の製造工程を説明する図である。 パリソンのワイヤーによる切断を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る無菌充填包装体の製造工程を説明する図である。
符号の説明
1 包装体製造装置(無菌充填包装体製造装置)
2 ダイヘッド 2A 貫通孔
2B 環状流路 3 樹脂供給手段
4 カッター 5 金型
5A 第1金型 5B 第2金型
5C 第3金型 6 ノズル
7 注出具インサータ 8 押出機
9 アキュムレータ 9A サーボモータ
9B ねじ軸 9C シリンダ
9D ピストン 9E ナット部材
10 切換弁 11、12、13 流路
20 無菌ボックス 21 ノズルユニット
22 注出具挿入ユニット 23 注出具マガジン

Claims (3)

  1. ダイヘッドから下方に押し出されるパリソンに対して、パリソンの押出速度と同期させて金型を下降させながら、無菌状態で内容物が充填された包装体を製造する方法において、パリソンの押出速度を停止域又は低速域から高速域に途中で切り換え、前記停止域又は低速域で、包装体の容器本体をブロー成形する工程、前記容器本体へ内容物を充填する工程、並びに該容器本体を密封する工程の各工程を行うようにし、且つ前記高速域において、容器本体上部に保護ケースを成形する工程を行うようにしたことを特徴とする無菌充填包装体の製造方法。
  2. 前記停止域又は前記低速域において、容器本体上部に注出具をヒートシールする工程を行うことを特徴とする請求項1記載の無菌充填包装体の製造方法。
  3. ダイヘッドから押し出されるパリソンの下端を閉口状態で切断する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無菌充填包装体の製造方法。
JP2007153004A 2006-09-06 2007-06-08 無菌充填包装体の製造方法、及びその装置 Active JP5218722B2 (ja)

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