本発明は、リーチャビリティを実現するリーチャビリティ実現システムおよびリーチャビリティ実現方法に関する。
リーチャビリティとは、ある人や物への到達性のことをいう。以下、あるリーチャビリティ利用者から、あるサービス顧客へのリーチャビリティ(情報などの到達性)を扱うシステムを考える。特開2003−109160号公報(特許文献1)および”マイブーメラン”、[online]、ブーメランイット・ジャパン、[平成19年2月22日検索]、インターネット<URL:http://www.bij.jp/>(非特許文献1)は、リーチャビリティを扱うシステムを記載している。特許文献1には、利用者、つまりリーチャビリティ利用者の身体に異常が発生したことを検知すると、あらかじめ契約した救助者、つまりサービス顧客に、緊急連絡を行う緊急救助支援システムが記載されている。特許文献1には、利用者と救助者とが直接無線を介して契約を行い、利用者が救助者のプロファイル(リーチャビリティ)をあらかじめ登録することが記載されている。なお、サービス顧客は、リーチャビリティを提示する側、例えばアドレスや電話番号を教える側である。
非特許文献1は、あらかじめ紛失物回収代理サービス会社の連絡先と識別子が記載されたラベルを貴重品に貼り付けておくことを記載している。非特許文献1に記載されたサービスでは、貴重品を紛失しても、発見者がラベルに記載された連絡先に連絡してくれた場合には、紛失物回収代理サービス会社は、発見者から貴重品を回収し、ラベルに記載された貴重品の識別子に基づいて所有者を検索して所有者に届けることができる。また、非特許文献1は、発見者が紛失物回収代理サービス会社に自分の連絡先を伝えることにより、紛失物回収代理サービス会社が貴重品の所有者に代わって謝礼をすることを記載している。
しかし、特許文献1や非特許文献1に記載された方式では、緊急救助支援システム利用者、貴重品所有者等のリーチャビリティ利用者や、緊急救助支援システム、紛失物回収代理サービス会社等のサービス提供者が、救助者や貴重品発見者等のサービス顧客へのリーチャビリティを不正に利用することが可能であるという問題がある。
例えば、特許文献1に記載された方式では、契約を行うことにより、利用者が救助者のプロファイルを取得することができる。そのため、救助者がプロファイルを変更しない限り、利用者によって救助者のプロファイルが不正に利用されたり、つきまとわれたりする可能性がある。
非特許文献1に記載された方式では、紛失物回収代理サービス会社が発見者の連絡先を取得するため、発見者が連絡先を変更しない限り、連絡先を謝礼以外の用途に使用されたり、紛失物回収代理サービス会社から不要な連絡を受けたりする可能性がある。また、非特許文献1に記載された方式では、発見者、紛失物回収代理サービス会社以外の第三者(貴重品所有者)がリーチャビリティを利用することはできない。例えば、リーチャビリティ利用者がサービス顧客に連絡することはできない。
発明の概要
そこで、本発明は、サービス顧客へのリーチャビリティが不正に利用されることがなく、リーチャビリティ利用者がサービス顧客に連絡可能なリーチャビリティ実現システムおよびリーチャビリティ実現方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の視点において、サービスを提供する第1の利用者が保有するサービス提供サーバから第2の利用者が使用する利用者端末へのリーチャビリティを実現するリーチャビリティ実現システムであって、
前記第2の利用者に対して連絡可能な現実の宛先を表す実宛先情報と、前記第1の利用者が前記実宛先情報を特定不能なように変換された実宛先情報である変換後宛先情報と、前記変換後宛先情報が有効であるか無効であるかを表す効力フラグと、を、対応付けて宛先情報記憶部に保存する宛先情報保存部と、
前記サービスを提供する業務において、ビジネスフローに沿って実行される処理の実行状態を表す状態情報と、当該状態情報に応じて、前記第2の利用者が利用する利用者端末にアクセスを求めるアクセス要求を送信する送信処理と、前記効力フラグを、当該状態情報に応じて、前記変換後宛先情報が有効であることを表す有効フラグ若しくは前記変換後宛先情報が無効であることを表す無効フラグのいずれかに更新する更新処理と、当該送信処理及び当該更新処理が実行される実行条件を表す条件情報と、を対応付けて記憶する処理情報記憶部と、
前記第2の利用者の変換後宛先情報を含み、前記サービスの提供において前記第2の利用者に生じたイベントを示すイベント情報を受信する受信部と、
前記受信されたイベント情報で表されるイベントの発生により成立した実行条件を表す条件情報と、前記処理の現在の実行状態を示す状態情報と、に対応付けて前記処理情報記憶部に記憶された更新処理及び送信処理を抽出する処理情報抽出部と、
前記抽出された更新処理を実行することで、前記受信された変換後宛先情報に対応付けられた効力フラグを更新する更新部と、
前記効力フラグが更新された後に、前記効力フラグが有効フラグであると、前記抽出された送信処理に従って、前記受信された変換後宛先情報と当該有効フラグとに対応付けられた実宛先情報に基づき、前記アクセス要求を前記第2の利用者が利用する利用者端末に送信する送信部と、を備える、
ことを特徴とするリーチャビリティ実現システムを提供する。
本発明は、第2の視点において、サービスを提供する第1の利用者が保有するサービス提供サーバから第2の利用者が使用する利用者端末へのリーチャビリティをリーチャビリティ実現システムが実現するリーチャビリティ実現方法であって、
前記リーチャビリティ実現システムが、前記第2の利用者に対して連絡可能な現実の宛先を表す実宛先情報と、前記第1の利用者が前記実宛先情報を特定不能なように変換された実宛先情報である変換後宛先情報と、前記変換後宛先情報が有効であるか無効であるかを表す効力フラグと、を、対応付けて宛先情報記憶部に保存する宛先情報保存ステップと、
前記リーチャビリティ実現システムが、前記第2の利用者の変換後宛先情報を含み、前記サービスの提供において前記第2の利用者に生じたイベントを示すイベント情報を受信する受信ステップと、
前記リーチャビリティ実現システムが、前記サービスを提供する業務において、ビジネスフローに沿って実行される処理の実行状態を表す状態情報と、当該状態情報に応じて、前記第2の利用者が利用する利用者端末にアクセスを求めるアクセス要求を送信する送信処理と、前記効力フラグを、当該状態情報に応じて、前記変換後宛先情報が有効であることを表す有効フラグ若しくは前記変換後宛先情報が無効であることを表す無効フラグのいずれかに更新する更新処理と、当該送信処理及び当該更新処理が実行される実行条件を表す条件情報と、を対応付けて記憶する処理情報記憶部から、前記受信されたイベント情報で表されるイベントの発生により成立した実行条件を表す条件情報と、前記処理の現在の実行状態を示す状態情報と、に対応付けて前記処理情報記憶部に記憶された更新処理及び送信処理を抽出する処理情報抽出ステップと、
前記リーチャビリティ実現システムが、前記抽出された更新処理を実行することで、前記受信された変換後宛先情報に対応付けられた効力フラグを更新する更新ステップと、
前記リーチャビリティ実現システムが、前記効力フラグが更新された後に、前記効力フラグが有効フラグであると、前記抽出された送信処理に従って、前記受信された変換後宛先情報と当該有効フラグとに対応付けられた実宛先情報に基づき、前記アクセス要求を前記第2の利用者が利用する利用者端末に送信する送信ステップと、を有する、
ことを特徴とするリーチャビリティ実現方法を提供する。
本発明の上記、及び、他の目的、特徴及び利益は、図面を参照する以下の説明により明らかになる。
第1の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
第1の実施形態におけるリーチャビリティ管理システムの動作を例示するシーケンス図である。
リーチャビリティ端末を例示するブロック図である。
リーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
リーチャビリティID保持部が、本ID、リーチャビリティIDおよび有効期限を記憶する場合を例示する説明図である。
第2の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
リーチャビリティID保持部が、本ID、リーチャビリティIDおよびサービスIDを記憶する場合を例示する説明図である。
リーチャビリティID保持部が、1つの本IDおよび1つのサービスIDに対して、複数のリーチャビリティIDを記憶する場合を例示する説明図である。
第3の実施形態におけるリーチャビリティID管理サーバを例示するブロック図である。
第4の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
第5の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
リーチャビリティID管理サーバを例示するブロック図である。
リーチャビリティID管理サーバの動作を例示するシーケンス図である。
履歴データを例示する説明図である。
第6の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
第6の実施形態における現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。
第6の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。
第6の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第6の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。
サービス管理テーブルの登録例を示す説明図である。
加入者がサービスの提供依頼を行う場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。
リーチャビリティ活用者が加入者に連絡を取る場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。
イベントが発生した場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。
第7の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
第7の実施形態における現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。
第7の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。
第7の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第7の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。
第8の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第9の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第10の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第11の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。
第12の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
第12の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。
第14の実施形態における現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。
第14の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。
第14の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。
第16の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。
発明の詳細な説明
以下、図面を参照し、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。全ての図面では、同様な要素には同様な符号を付してある。
実施形態1
図1は、本発明の第1の実施形態のリーチャビリティ管理システムのブロック図である。リーチャビリティ管理システムは、リーチャビリティ端末10,20と、端末30と、リーチャビリティ適用サーバ100と、リーチャビリティID管理サーバ200と、サービス提供サーバ300と、外部サービスシステム400とを備える。
リーチャビリティ端末10,20は、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して、リーチャビリティ適用サーバ100およびサービス提供サーバ300と通信可能である。リーチャビリティ端末10,20は、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、モバイル端末等で実現される。リーチャビリティ端末10は、サービス顧客によって使用される。また、リーチャビリティ端末20は、リーチャビリティ利用者によって使用される。
リーチャビリティ端末10は、サービス顧客の本IDとリーチャビリティ利用者の識別子とを含むサービス利用依頼をリーチャビリティ適用サーバ100に送信する。リーチャビリティ端末20は、サービス顧客のリーチャビリティIDを含む連絡依頼をリーチャビリティ適用サーバ100に送信する。リーチャビリティ端末10,20がパーソナルコンピュータで実現される場合、上記の機能は、パーソナルコンピュータに搭載されるCPUが、それらの機能を実現するためのプログラムを実行することによって実現される。
端末30は、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して、リーチャビリティ適用サーバ100からの連絡を受信する。端末30は、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA、モバイル端末等で実現される。端末30は、サービス顧客によって使用される。図1に示す例では、リーチャビリティ端末10と端末30とを異なる装置として記載しているが、同じ装置であってもよい。
リーチャビリティ適用サーバ100は、リーチャビリティID適用部110と、情報配信部120とを含む。リーチャビリティID適用部110は、例えば、通信ネットワークを介して、リーチャビリティID管理サーバ200およびサービス提供サーバ300にアクセス可能に接続される。
リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティ端末10が送信するサービス利用依頼に基づいて、サービス顧客の本IDとリーチャビリティ利用者の識別子とを含むリーチャビリティID取得依頼をリーチャビリティID管理サーバ200に送信し、リーチャビリティIDを受信する。リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティIDとリーチャビリティ利用者の識別子とを含むサービス提供依頼をサービス提供サーバ300に送信する。
本IDは、例えば、サービス顧客の電話番号、e−mailアドレス、住所等のサービス顧客にとって変更が容易ではない情報であって、サービス顧客に連絡を取るための宛先情報である。リーチャビリティIDは、ある人や物へのリーチャビリティの安全性を保証するために払い出される識別子である。リーチャビリティIDは、例えば、電話、e−mailアドレス、住所等の本IDに対応付けて発行される。1つの本IDに対し、複数のリーチャビリティIDが発行されてもよく、また、一時的に発行されてもよい。
本実施形態では、本IDに基づいてリーチャビリティIDを生成可能とする。リーチャビリティIDを生成する演算として、様々なものが知られているが、例えば、ハッシュ値を利用する演算でもよい。例えば、ハッシュ値を利用する演算では、本ID「0312345678」に基づいて、リーチャビリティID「3e977b1c3611a85fece041c55ac01ae3」が生成される。
さらに、リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティ端末20から、リーチャビリティIDを含むサービス顧客への連絡依頼を受信する。また、リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティ端末20からの連絡依頼に基づいて、リーチャビリティIDを含む本ID取得依頼をリーチャビリティID管理サーバ200に送信し、本IDを受信する。情報配信部12は、リーチャビリティID適用部110が受信した本IDに基づいて、サービス顧客によって使用される端末30に連絡を行う。
リーチャビリティID管理サーバ200は、リーチャビリティID管理部210と、リーチャビリティID保持部220とを含む。リーチャビリティID管理サーバ200は、例えば、通信ネットワークを介して、リーチャビリティ適用サーバ100にアクセス可能に接続される。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID適用部110からのリーチャビリティID取得依頼に基づいてリーチャビリティIDを生成する。リーチャビリティID管理部210は、サービス顧客の本IDと生成したリーチャビリティIDとを対応付けてリーチャビリティID保持部220に記憶させるとともに、リーチャビリティID適用部110に送信する。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID適用部110からの本ID取得依頼に基づいて、本IDをリーチャビリティID適用部110に送信する。リーチャビリティID保持部220は、サービス顧客の本IDとリーチャビリティIDとを対応付けて記憶する記憶装置である。
サービス提供サーバ300は、サービス提供フロントエンド310と、連絡先管理部320とを含む。サービス提供サーバ300は、例えば、通信ネットワークを介して、リーチャビリティ適用サーバ100および外部サービスシステム400にアクセス可能に接続される。なお、サービス提供サーバ300は、例えば、電話会社、自治体、介護会社等のサービス提供者によって運用されてもよい。
サービス提供フロントエンド310は、リーチャビリティID適用部110が送信するサービス提供依頼に基づいて、サービス提供依頼に含まれるリーチャビリティIDおよびリーチャビリティ利用者の識別子を連絡先管理部320に記憶させる。また、サービス提供フロントエンド310は、外部サービスシステム400にリーチャビリティ利用者の識別子を含むサービス実行依頼を送信する。連絡先管理部320は、リーチャビリティIDおよびリーチャビリティ利用者の識別子を記憶する記憶装置である。
外部サービスシステム400は、例えば、サービス提供者が各種外部サービスを提供するために運営するサーバである。外部サービスシステム400は、例えば、サービス提供サーバ300が送信するサービス実行依頼を受信し、受信したリーチャビリティ利用者の識別子に基づいて実際のサービスを提供したり、サービス提供のための受付等を行う。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。サービス顧客は、リーチャビリティ端末10を利用して、リーチャビリティ適用サーバ100を介して、外部サービスシステム400が提供するサービスを利用する。そして、リーチャビリティ利用者は、リーチャビリティ適用サーバ100を介してサービス顧客へ連絡をとることができる。
具体的な例では、通報者(サービス顧客)が、リーチャビリティ適用サーバ100を介してレスキューサービスへ緊急救助が必要な患者がいることを通報すると、レスキューサービスが実行され患者が救助される。患者(リーチャビリティ利用者)は、レスキュー通報のお礼をするために、リーチャビリティ適用サーバ100に対し通報者への連絡依頼を行う。リーチャビリティ適用サーバ100は、お礼の連絡を通報者に行う。
ここで、サービス顧客は、患者の識別子を知ることができると仮定する。例えば、患者が常時携帯している名札に識別子が記載されており、或いは、患者が自身の識別子のデータが記録された電子タグを所持しておれば、サービス顧客は、患者の識別子を知ることができる。以下、外部サービスシステム400が提供するサービスがレスキューサービスである場合を例にして説明する。
図2は、第1の実施形態におけるリーチャビリティ管理システムの動作を例示するシーケンス図である。サービス顧客(通報者)が、自身のリーチャビリティ端末10を操作することにより(ステップS1)、リーチャビリティ端末10は、サービス顧客の本ID(例えば、電話番号)とリーチャビリティ利用者(患者)の識別子とを含むサービス利用依頼をリーチャビリティ適用サーバ100に送信する(ステップS2)。なお、ステップS1,S2の処理は、レスキューサービスへの通報にあたる。
リーチャビリティID適用部110は、受信したサービス利用依頼に基づいて、サービス顧客の本IDを含むリーチャビリティID取得依頼をリーチャビリティID管理サーバ200に送信する(ステップS3)。リーチャビリティID管理部210は、受信したサービス顧客の本IDに対応付けてリーチャビリティIDを生成する。リーチャビリティID管理部210は、サービス顧客の本IDと生成したリーチャビリティIDとの対をリーチャビリティID保持部220に記憶させる(ステップS4)。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID適用部110に、生成したリーチャビリティIDを送信する(ステップS5)。
リーチャビリティID適用部110は、サービス顧客のリーチャビリティIDとリーチャビリティ利用者の識別子とを含むサービス提供依頼をサービス提供サーバ300に送信する(ステップS6)。サービス提供フロントエンド310は、受信したサービス提供依頼に基づいて、サービス顧客のリーチャビリティIDと患者の識別子とを連絡先管理部320に記憶させる(ステップS7)。サービス提供フロントエンド310は、外部サービスシステム400にサービス実行依頼を送信する(ステップS8)。本実施例では、患者の救助が行われる。
リーチャビリティ利用者が、自身のリーチャビリティ端末20を操作することにより(ステップS11)、リーチャビリティ端末20は、連絡先管理部320に患者の識別子を含む連絡先取得依頼を送信し(ステップS12)、連絡先管理部320に記憶された通報者のリーチャビリティIDを受信する(ステップS13)。リーチャビリティ端末20は、サービス顧客への連絡依頼をリーチャビリティID適用部110に送信する(ステップS14)。連絡依頼は、サービス顧客のリーチャビリティIDを含む情報である。
リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティID管理部210に、リーチャビリティIDを含む本ID取得依頼を送信する(ステップS15)。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID保持部220に、サービス顧客のリーチャビリティIDを含む本ID取得依頼を出力する(ステップS16)。リーチャビリティID保持部220は、リーチャビリティIDに基づいて、記憶している本IDとリーチャビリティIDの対から該当するサービス顧客の本IDを抽出し、リーチャビリティID管理部210に出力する(ステップS17)。リーチャビリティID管理部210は、サービス顧客の本IDを入力し、リーチャビリティID適用部110に送信する(ステップS18)。
リーチャビリティID適用部110は、情報配信部120に、サービス顧客の本IDを含む連絡依頼を出力する(ステップS19)。情報配信部120は、サービス顧客の本IDに基づいて、端末30に連絡を行い(ステップS20)、サービス顧客は、端末30を用いて連絡を受ける(ステップS21)。本実施例において、本IDが電話番号である場合には、情報配信部120は、サービス顧客に電話をかけてもよい。この場合、端末30は、固定電話機や携帯電話機等であってもよい。
以上に説明したように、第1の実施形態によれば、本IDをサービス提供者(外部サービスシステム400)やリーチャビリティ利用者(患者)が知ることができないので、サービス顧客にとっては、サービスを利用しても本IDを不正に利用されることがないという効果がある。
また、サービス顧客が本IDをトレースされる脅威にさらされることなくサービスを利用することができるので、気軽に本実施形態における通報を行うことができる。さらに、患者が通報者に救助に対するお礼をすることができる。
また、リーチャビリティIDをサービス顧客のサービス利用ごとに生成することにより、単一サービス内においてリーチャビリティIDのトレースが行われることを防ぐことができる。
リーチャビリティ端末10は、本ID解析部11と、サービス利用依頼送信部12とを備えてもよい。図3は、リーチャビリティ端末を例示するブロック図である。本ID解析部11は、サービス顧客の本IDを解析する。本ID解析部11は、例えば、対話形式で画面表示等を行うことにより、サービス顧客に本IDの入力を促す。また、本ID解析部11は、例えば、指紋認証を行うことにより、本IDを検索する。
サービス利用依頼送信部12は、リーチャビリティ適用サーバ100のリーチャビリティID適用部110に、サービス顧客の本IDを含むサービス利用依頼を送信する。なお、図3には、リーチャビリティ管理システムにおけるリーチャビリティ端末10およびリーチャビリティ適用サーバ100のリーチャビリティID適用部110のみが示されている。
リーチャビリティIDは再利用してもよい。リーチャビリティID管理部210は、ステップS4においてリーチャビリティIDを生成する前に、リーチャビリティID保持部220に対し、本IDに対応するリーチャビリティIDを既に記憶しているか否かを問い合わせる。既にリーチャビリティIDが生成され、リーチャビリティID保持部220に記憶されていた場合、リーチャビリティID管理部210は、生成済みのリーチャビリティIDをリーチャビリティID適用部に送信する。リーチャビリティIDをサービス毎に生成することにより、複数サービス間でリーチャビリティIDのトレースが行われることを防ぐことができる。
リーチャビリティ管理システムは、リーチャビリティID管理端末40を備えてもよい。図4は、リーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。なお、図4には、リーチャビリティ管理システムにおけるリーチャビリティID管理端末40およびリーチャビリティID管理サーバ200のみが示されている。
リーチャビリティID管理端末40は、例えば、通信ネットワークを介して、リーチャビリティID管理サーバ200にアクセス可能に接続される。任意のユーザが、リーチャビリティID管理端末40を利用して、リーチャビリティIDを更新してもよい。
また、リーチャビリティID管理部210は、ステップS18の処理の後に、リーチャビリティID保持部220のリーチャビリティIDを更新してもよい。
また、リーチャビリティIDに有効期限を設けてもよい。図5は、リーチャビリティID保持部220が、本ID、リーチャビリティIDおよび有効期限を記憶する場合を例示する説明図である。リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティID保持部220が記憶するリーチャビリティIDのうち、リーチャビリティID有効期限を過ぎたものを更新してもよい。
実施形態2
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図6は、本実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。第2の実施形態のリーチャビリティ管理システムは、第1の実施形態におけるサービス提供サーバ300に代えてサービス提供サーバ300−1,300−2,・・・,300−Nを備える。また、リーチャビリティ適用サーバ100は、リーチャビリティID適用部110と、情報配信部120と、サービス提供者解決部130とを含む。サービス提供サーバ300−1,300−2,・・・,300−Nは、それぞれサービス提供フロントエンド310−1,310−2,・・・,310−Nを含む。
第2の実施形態において、リーチャビリティID適用部110は、複数のサービス提供サーバ300−1,300−2,・・・,300−Nにアクセスしてもよい。さらに、リーチャビリティID適用部110は、サービス提供者解決部130にアクセスしてもよい。なお、図6には、リーチャビリティ管理システムにおけるリーチャビリティ適用サーバ100およびサービス提供サーバ300−1,2,Nのみが示されている。
サービス提供者解決部130は、例えば、サービスを識別可能なサービスIDに対応させて、サービス提供サーバを識別可能なサービス提供サーバIDをあらかじめ記憶する。リーチャビリティ適用サーバ100は、例えば、リーチャビリティ端末10から、サービスIDを含むサービス利用依頼を受信する。
サービス提供者解決部130は、受信したサービスIDに基づいて、記憶するサービス提供サーバIDを選択することにより、リーチャビリティID適用部110がどのサービス提供サーバへアクセスするべきかを判断し、アクセスすべきサービスのアドレスをリーチャビリティID適用部110に出力する。
例えば、サービスID“rescue123456”を入力した場合、サービス提供者解決部130は、サービスID“rescue123456”に対応するサービス提供サーバID”http://www.example.com/ ”を選択する。そして、サービス提供者解決部130は、アクセスすべきサービスのアドレスとして”http://www.example.com/~rescue123456”をリーチャビリティID適用部110に出力する。
リーチャビリティID保持部220は、本ID、リーチャビリティID、サービスIDのセットを記憶してもよい。図7は、リーチャビリティID保持部220が、本ID、リーチャビリティIDおよびサービスIDを記憶する場合を例示する説明図である。例えば、第1の実施形態における例では、サービスIDとしてレスキューサービスを示す識別子が記憶される。
リーチャビリティID管理部210は、1つの本IDに対して複数のリーチャビリティIDを生成してもよい。リーチャビリティID管理部210は、1つの本IDおよび1つのサービスIDに対して、複数のリーチャビリティIDを生成し、リーチャビリティID保持部220に記憶させてもよい。図8は、リーチャビリティID保持部220が、1つの本IDおよび1つのサービスIDに対して、複数のリーチャビリティIDを記憶する場合を例示する説明図である。
また、リーチャビリティID管理部210は、1つの本IDに対して、サービス毎にリーチャビリティIDを生成してもよい。
実施形態3
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図9は、本実施形態におけるリーチャビリティID管理サーバ200を例示するブロック図である。第3の実施形態において、リーチャビリティID管理サーバ200は、リーチャビリティID管理部210と、リーチャビリティID保持部220と、リーチャビリティID利用履歴管理部230とを含む。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID利用履歴管理部230にアクセス可能に接続される。リーチャビリティID利用履歴管理部230は、リーチャビリティID適用部110からリーチャビリティID管理サーバ200へのリーチャビリティID生成依頼(取得依頼)や本ID取得要求を、履歴データとして、例えば、記憶装置(図示せず。)に記憶させる。
実施形態4
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図10は、本実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。第4の実施形態において、サービス提供サーバ300は、サービス提供フロントエンド310と、連絡先管理部320と、連絡先閲覧履歴330とを含む。なお、図10には、リーチャビリティ管理システムにおけるサービス提供サーバ300、外部サービスシステム400およびリーチャビリティ端末20のみが示されている。
連絡先管理部320は、連絡先閲覧履歴330にアクセス可能に接続される。連絡先管理部320は、リーチャビリティ利用者によって使用されるリーチャビリティ端末20が連絡先管理部320からリーチャビリティIDを取得する処理等の一連の利用履歴を連絡先閲覧履歴330に記憶させてもよい。連絡先閲覧履歴330は、利用履歴を記憶する記憶装置である。なお、連絡先閲覧履歴330は、外部からアクセス可能であってもよい。すなわち、連絡先閲覧履歴330は、記憶する利用履歴の閲覧要求を受信する部を有してもよい。例えば、連絡先閲覧履歴330が記憶する利用履歴に基づいて、課金を行うことができる。
実施形態5
次に、本発明の第5の実施形態を図面を参照して説明する。図11は、第5の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。第5の実施形態において、リーチャビリティID管理サーバ200は、リーチャビリティID管理部210と、リーチャビリティID保持部220と、リーチャビリティID有効条件評価部240と、リーチャビリティID有効条件保持部250とを含む。なお、図11には、リーチャビリティ管理システムにおけるリーチャビリティID管理サーバ200およびリーチャビリティID管理端末40のみが示されている。
第5の実施形態では、リーチャビリティIDを利用可能な条件を示すリーチャビリティID有効条件に基づいて、リーチャビリティIDが利用される。リーチャビリティID有効条件は、例えば、[IF C:リーチャビリティ利用者 THEN 本ID変換許可]等のIF THENルールである。すなわち、リーチャビリティID有効条件は、例えば、リーチャビリティ利用者からサービス顧客への連絡が可能となるための条件である。例えば、リーチャビリティID適用部110は、リーチャビリティIDを含むサービス顧客への連絡依頼を受信した場合に、リーチャビリティID有効条件に基づいて、以降の処理を行うか否かを判断する。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効条件評価部240にアクセス可能に接続される。リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID有効条件保持部250にアクセス可能に接続される。サービス提供者は、リーチャビリティID管理端末40を利用して、リーチャビリティID有効条件保持部250が記憶するリーチャビリティID有効条件を更新することができる。また、サービス提供者以外のユーザが、端末を利用してリーチャビリティID有効条件の更新を行ってもよい。
第5の実施形態によれば、リーチャビリティID有効条件を設定することにより、サービス顧客とサービス提供側双方の合意の下でリーチャビリティの安全性を確保して利用することができる。なお、リーチャビリティ有効条件をサービス毎に設けてもよい。また、サービス顧客がサービスを利用する際に、利用するサービスに設定されたリーチャビリティ有効条件を確認してもよい。また、サービス顧客がサービスを利用する際に、利用するサービスに設定されたリーチャビリティ有効条件を更新してもよい。
リーチャビリティID有効条件に状態記述を行うことが可能であってもよい。図12は、リーチャビリティID管理サーバ200を例示するブロック図である。リーチャビリティID管理サーバ200は、リーチャビリティID管理部210と、リーチャビリティID保持部220と、リーチャビリティID利用履歴管理部230と、リーチャビリティID有効条件評価部240と、リーチャビリティID保持部250とを含む。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID利用履歴管理部230およびリーチャビリティID有効条件評価部240にアクセス可能に接続される。リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID有効条件保持部250にアクセス可能に接続される。
次に、図12に例示するリーチャビリティID管理サーバ200の動作について説明する。図13は、図12のリーチャビリティID管理サーバ200の動作を例示するシーケンス図である。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID適用部110からの本ID取得依頼を受けると(ステップS31)、リーチャビリティID有効条件評価部240に対して、リーチャビリティIDと共にリーチャビリティIDの有効条件評価を依頼する(ステップS32)。
リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID有効条件保持部250から、リーチャビリティIDに紐づくリーチャビリティID有効条件を取得する(ステップS33)。リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID利用履歴管理部230から履歴データを取得する(ステップS34)。
リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID有効条件と履歴データとに基づいてリーチャビリティ有効条件を評価する(ステップS35)。リーチャビリティID有効条件は、例えば、リーチャビリティIDの利用制限数であってもよい。図14は、履歴データを例示する説明図である。例えば、リーチャビリティID有効条件が、[IF リーチャビリティID(3e977b1c3611a85fece041c55ac01ae3)利用回数が3回を越えている THEN 本ID変換拒否]であって、履歴データが図14に示すデータである場合、評価結果は偽となる。リーチャビリティID有効条件評価部240は、リーチャビリティID管理部210に評価結果を出力する(ステップS36)。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効条件評価部240が出力した評価結果を、リーチャビリティID適用部110に送信する(ステップS37)。上記の例では、リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID適用部110に本ID取得不可を示す情報を送信する。
上記実施形態によれば、リーチャビリティ利用者は、サービス提供者へのリーチャビリティの安全性を確保してサービス顧客へ連絡をとることができる。また、リーチャビリティIDを任意のタイミングで更新することができる。また、サービス顧客は、リーチャビリティIDを制御することにより、任意のタイミングで、サービス提供者やリーチャビリティ利用者からの連絡を遮断することができる。また、リーチャビリティ利用者は、サービス提供者によって提供されるサービスを利用したサービス顧客に対し、リーチャビリティ管理システムを介して連絡をとることができる。
リーチャビリティ管理システムの運営者は、リーチャビリティ利用履歴をとることにより、例えば、リーチャビリティ利用料をサービス提供者やリーチャビリティ利用者から徴収することができる。例えば、サービス提供者からはリーチャビリティ提供料を、リーチャビリティ利用者からはサービス提供者への連絡送信料を徴収してもよい。
サービス提供者は、リーチャビリティ利用履歴をとることにより、サービス顧客のリーチャビリティ取得料を、リーチャビリティ利用者から徴収することが出来る。また、例えば、モバイル端末を利用したレストラン予約サービスにおいて、レストランの客は、本IDを明かさずにレストランの待ち行列に並ぶことができる。また、レストランの店員は、リーチャビリティIDを利用してレストランの予約に関するお知らせを送ることができる。
例えば、ローンの相談サービスにおいて、ローンの相談者は、本IDを明かさずにローンの相談をすることができ、ローン会社側から連絡を取られることがない。また、ローンの相談者は、一時的に自分のリーチャビリティをローン窓口に渡すことができる。
また、例えば、紛失物回収サービスにおいて、落とし物を拾った人は、本IDを明かさずに紛失物を届けることができるとともに、謝礼を受け取ることができる。また、落とし物をした人は、身元を明かさずに謝礼を行うことができる。
実施形態6
本発明の第6の実施形態を説明する。なお、以下に示す第6の実施形態以降の実施形態では、第1の実施形態〜第5の実施形態と同様に、リーチャビリティとは、ある人や物などサービス顧客への到達性のことをいう。e−mailや電話などのコミュニケーション部は、人へのリーチャビリティを利用したサービスである。また、物へのリーチャビリティを利用したサービスには、カラオケ装置やビデオ装置などへのプログラムやデータなどの配付などがある。
以下に示す第6の実施形態以降の実施形態において、リーチャビリティIDとは、サービス顧客へのリーチャビリティを保証するために、サービス提供者に払い出される「識別子」のことである。リーチャビリティIDの払い出し方法はいくつかある。例えば、サービス顧客がサービス利用依頼を行う度に払い出す方法や、サービス提供者とサービス顧客との組み合わせ毎に払い出す方法等が挙げられる。後者の場合、同じサービス提供者へのサービス利用依頼を複数行っても、リーチャビリティIDは一つだけ払いだされる。前者、後者共にサービス提供者間で共通のリーチャビリティIDが払い出されることはない。
また、以下に示す第6の実施形態以降の実施形態において、用語は以下のように定める。本IDは、リーチャビリティを具体化するシステム(メールシステム、電話サービスなど)の中でサービス顧客毎に払い出される「識別子」である。例えば、本IDは、電話番号や、電子メールアドレス、住所等である。ビジネスフローとは、ある業務におけるビジネスプロセスのことである。例えば、レストラン予約処理業務では、ビジネスフローは、顧客からの予約を受理してから顧客用の席を用意する等の業務における始点から終点までの処理の流れを指す。ビジネスフローテンプレートとは、ビジネスフローを状態遷移モデルに従って実現したものである。なお、以下、ビジネスフローテンプレートを、フローテンプレートと省略して記載することがある。
第6の実施形態以降の実施形態に関連するリーチャビリティを扱うシステムが以下に示す各文献に記載されている。例えば、特許文献1は、救助される側(リーチャビリティ活用者)と、救助を行う側(サービス顧客)とが、直接無線を介して契約のやりとりを行うことを記載している。
特許文献1に記載されたシステムでは、契約を行うことにより、リーチャビリティ活用者にサービス顧客の本IDが知られてしまう。そのため、サービス顧客が本IDを変更しない限り、リーチャビリティ活用者からの迷惑メールなどを受け取ってしまう虞がある。さらに、本IDを無効化することが容易でないため、救助サービスを解約しても、リーチャビリティを無効化することができない。
第1の実施形態〜第5の実施形態には、本IDの代わりに、本IDと関連付けたリーチャビリティIDをサービス提供者に提供するシステムが記載されている。サービス提供者は、そのリーチャビリティIDを利用して、リーチャビリティを制御するシステムにサービス顧客へのリーチャビリティを要求することで、サービス顧客の匿名性を保持する。さらに、リーチャビリティIDの有効性の評価条件として、例えば、「利用回数3回未満」や、「利用期限(2010/01/01)以内」といった値を設定し評価することにより、サービス提供者に対してリーチャビリの利用制限をおこなっている。
非特許文献1に記載された関連サービスでは、サービス提供サーバ(マイブーメラン)側にサービス顧客の本IDが保存されてしまう。そのため、サービス顧客は、本IDを変更しない限り、サービス提供側(レスキューサービス)につきまとわれてしまう可能性がある。さらに、本IDを無効化することが容易でないため、マイブーメランを解約しても、リーチャビリティを無効化することができない。
上記の各文献に記載されている関連するリーチャビリティ制御システムでは、サービスのビジネスフローに応じてリーチャビリティIDの有効性を評価することまではしていない。また、通信事業者(以下、キャリアと呼ぶ)の情報資産(例えば、本ID)を利用したサービスのフローに密接に関わるような細かなリーチャビリティIDの制御を行うキャリアの共通基盤がなかった。
そのため、上記の各文献に記載されている関連するリーチャビリティ制御システムでは、サービスに特化した条件を設定、評価し、条件を満たす場合にリーチャビリティを有効にするような詳細な制御はできない。例えば、リーチャビリティID”A”のサービス顧客がサービス提供者のサービスに入会中でかつ来店しているときのみリーチャビリティを与え、サービス顧客がリーチャビリティを必要とするとき、または迷惑と感じないときに、サービス提供者へリーチャビリティを有効にするような詳細な制御はできない。
さらに、サービス顧客が必要とするときだけ又は迷惑と感じないときだけ、サービス提供者に対してサービス顧客へのリーチャビリティを有効にする制御を行い、或いは、サービス顧客の匿名性を保持したままリーチャビリティを提供するかどうか保証できるようにすることが好ましい。そのためには、サービス提供者毎に、ビジネスフローを取得し検証する。
第6の実施形態では、加入者のリーチャビリティIDとビジネスフローの現在状態を関連付け、ビジネスフローにリーチャビリティの有効性を制御するアクションやそのパラメータを設定することにより、ビジネスフローに応じたリーチャビリティの制御を自動的に行うことが可能となる。
以下、第6の実施形態について説明する。本実施形態では、サービス提供者をレストラン事業者、サービス顧客をキャリアの加入者とし、レストラン事業者から加入者へのリーチャビリティを制御する事業者をキャリアパートナーまたはキャリアとする。
図15は、第6の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。リーチャビリティ管理システムは、レストラン事業者が操作する「サービス運用端末1020」と、加入者が所有する「連絡受信端末1030」および「サービス利用端末1010」と、キャリアパートナーまたはキャリアが運営する「リーチャビリティ適用サーバ100」、「リーチャビリティID管理サーバ200」および「リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300」とを備える。
サービス利用端末1010、サービス運用端末1020、連絡受信端末1030、リーチャビリティ適用サーバ100、リーチャビリティID管理サーバ200およびリーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300は、それぞれプログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。また、サービス利用端末1010、サービス運用端末1020、連絡受信端末1030、リーチャビリティ適用サーバ100、リーチャビリティID管理サーバ200およびリーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300は、それぞれキャリアのネットワークに接続可能である。
サービス利用端末1010および連絡受信端末1030は、加入者1104によって利用される。サービス利用端末1010は、サービス利用依頼部1105を備えている。サービス利用依頼部1105は、リーチャビリティ適用サーバ100に対してサービス利用依頼を送信する機能を備える。サービス利用端末1010は、例えば、非接触ICカードリーダー等で実現される。
連絡受信端末1030は、連絡受信部1106を備えている。連絡受信部1106は、リーチャビリティ適用サーバ100からの連絡を受ける部である。連絡受信部1106は、例えば、e−mail受信機能やIM(インスタントメッセージ)クライアント機能等で実現され、連絡受信端末1030は、これらの機能を備えた携帯端末等で実現される。
リーチャビリティ適用サーバ100は、情報配信部1108と、リーチャビリティID適用部1107とを備えている。情報配信部1108は、本IDを基に連絡受信部1106へ連絡を送信する機能を備えている。リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して本IDとリーチャビリティIDとを相互に変換したり、サービス提供フロントエンド1109にサービス依頼を転送したりする機能を備えている。
リーチャビリティID管理サーバ200は、リーチャビリティID管理部210を備える。
リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを保持するとともに、本IDをキーとしたリーチャビリティID取得要求に対して、リーチャビリティIDを返したり、リーチャビリティIDの有効性を変更したりする機能を持つ。リーチャビリティID有効性管理テーブルについては後述する。
リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300は、サービス提供フロントエンド1109と、フローデータ保持部1101と、フローテンプレート保持部1102と、イベント評価部1110と、アクション実行部1111と、サービスID管理部1112とを備える。サービス提供フロントエンド1109は、サービス提供依頼を受けると、サービスIDに対応するイベント評価部1110に、サービス提供依頼を転送する機能を備えている。
サービスIDは、後述するリーチャビリティID活用アプリケーション1113の識別子である。例えば、リーチャビリティID管理サーバ200がサービスIDを発行、管理してもよい。サービス提供者が複数のリーチャビリティID活用サービスを提供する場合、サービスIDも複数となる。
フローデータ保持部1101、イベント評価部1110およびアクション実行部1111は、自身と対応するサービスIDを保持している。保持するサービスIDは複数であってもよい。フローデータ保持部1101、イベント評価部1110およびアクション実行部1111は、ビジネスフローテンプレート毎に生成される。例えば、レストラン席予約用フローテンプレートを利用するレストランA席予約サービスとレストランB席予約サービスとがある場合、席予約サービス毎にこれら3つの部が生成される。なお、ビジネスフローテンプレートは、ビジネスフローを状態遷移モデルに従って実現したものであって、「フローテンプレート」と省略して記載する場合もある。フローテンプレートについては後述する。
フローデータ保持部1101は、現在状態管理テーブルを保持、管理している。現在状態管理テーブルには、リーチャビリティIDに対応付けて、フローの現在状態が登録されている。以下、現在状態管理テーブルに登録されている情報をフローデータと表記する場合がある。
イベント評価部1110は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113からイベントを受信すると、受信したイベント内の情報と、フローテンプレート保持部1102が記憶するフローテンプレートと、フローデータ保持部1101が記憶するフローデータとに基づいて、実行すべきアクションを決定する。すなわち、イベント評価部1110は、イベント内の情報、フローテンプレートおよびフローデータに基づいて、実行すべきアクションを決定する。なお、イベントとは、例えば、ビジネスフローにおける出来事を意味する。また、ビジネスフローにおける出来事を示す情報を、単にイベントと表記する場合がある。また、イベントは、状態を示す情報として、例えば“来場者が100人になった”ことを示し、或いは、その他の場合として、例えば”1人来場した”情報などを示してもよい。
アクション実行部1111は、イベント評価部1110の決定に基づいて、フローテンプレートに設定されたアクションを実行する。アクションの例として、リーチャビリティID管理部210が記憶するリーチャビリティID有効性管理テーブルに対してリーチャビリティIDを有効に設定する、無効に設定する等の処理が挙げられる。フローテンプレート保持部1102は、ビジネスフローが記述されたフローテンプレートテーブルを保持、管理している。フローテンプレートテーブルについては後述する。
サービスID管理部1112は、サービスIDと、サービス毎の連絡先とが記述されたサービスID管理テーブルを保持、管理している。サービスID管理テーブルについては後述する。サービス運用端末1020は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113を備える。リーチャビリティID活用アプリケーション1113は、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300からイベントを受信する機能、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300に対してイベントを送信する機能、およびリーチャビリティ適用サーバ100にリーチャビリティIDを利用してサービス顧客(本実施例における加入者)に対する連絡依頼を行う機能を備える。
リーチャビリティID活用アプリケーション1113は、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300から受けたイベント通知をトリガとして駆動し、アクションを行うようなフローを運用してもよい。アクションの例として、リーチャビリティ適用サーバ100に対するリーチャビリティIDを利用した加入者への連絡依頼が挙げられる。サービス運用端末1020のリーチャビリティID活用アプリケーション1113は、リーチャビリティ活用者1114によって利用される。
図16は、第6の実施形態におけるフローデータ保持部1101が保持管理している現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。現在状態管理テーブルは、リーチャビリティIDとフローの現在状態とを少なくとも項目に持つ。現在状態管理テーブルは、具体的には、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300のハードディスク装置やメモリ等の記憶装置に記憶される。
図17は、第6の実施形態におけるフローテンプレート保持部1102が保持管理しているフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。図17には、レストラン席予約用フローテンプレートテーブルを例示する。フローテンプレートテーブルは、現在状態、コンディション、アクションおよび遷移先を項目に持つ。アクションの値として、後述するリーチャビリティIDアクションテーブルに登録されている変数を記載してもよい。コンディションは、例えば、イベントに対応する情報である。フローテンプレートテーブルは、具体的には、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300のハードディスク装置やメモリ等の記憶装置に記憶される。
図18は、第6の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。リーチャビリティIDアクションテーブルは、変数およびアクションを項目に持つ。リーチャビリティIDアクションテーブルには、リーチャビリティIDを制御するアクション(有効、無効等)やパラメータ(回数等)が、読みやすさの為に変数に対応付けて登録されていることが好ましい。なお、図18には、アクションのみが登録されている場合を例示する。リーチャビリティIDアクションテーブルに登録されている値は、フローテンプレートテーブルの変数に代入されていてもよい。
図19は、第6の実施形態におけるリーチャビリティID管理部210が保持管理しているリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。リーチャビリティID有効性管理テーブルは、本ID、リーチャビリティIDおよび有効フラグを少なくとも項目に持つ。リーチャビリティID有効性管理テーブルは、具体的には、リーチャビリティID管理サーバ200のハードディスク装置やメモリ等の記憶装置に記憶される。
図20は、サービスID管理部が保持管理しているサービス管理テーブルの登録例を示す説明図である。サービス管理テーブルは、サービスIDと、リーチャビリティID活用アプリケーションの連絡先とを項目に持つ。アクション実行部1111がリーチャビリティID活用アプリケーション1113に対してイベント通知を行う場合などに利用する。サービス管理テーブルは、具体的には、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300のハードディスク装置やメモリ等の記憶装置に記憶される。
次に、第6の実施形態の動作について説明する。リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300には、レストラン用のビジネスフロー(図17参照。)が設定されているものとする。図17に例示するビジネスフローは、レストランの席予約サービスを実現するものである。例えば、アクションとして登録されているdoReachability()関数は、リーチャビリティID管理部1103に、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する処理を実行させるためのプログラムを示す。doReachability()関数は、第1引数にリーチャビリティIDを持ち、第2引数にリーチャビリティIDアクションテーブル(図18参照)の変数カラムの値を持つ。doReachability()関数が実行されると、リーチャビリティID有効性管理テーブルにおいて、第1引数として指定されたリーチャビリティIDに対応付けられた有効フラグに対し、第2引数として指定された変数に対応するアクションが実行される。
また、notify()関数は、第1引数にリーチャビリティIDを持ち、第2引数に通知先の連絡先を持ち、第3引数にメッセージ内容を持つ。notify()関数が実行されると、第1引数に指定したリーチャビリティIDを含む第3引数のメッセージを、第2引数の連絡先に通知するアクションが実行される。以下の説明では、レストランの席予約のサービスIDは”restaurant1234”とする。
以下、加入者が席予約サービスを利用して、レストラン事業者に席の予約依頼を行う動作について説明する。図21は、加入者がサービスの提供依頼を行う場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。加入者1104は、例えば、サービス利用端末1010(この場合非接触ICカードリーダーを備えている)を利用して、レストランの広告に添付された非接触ICカードに書き込まれたサービスIDを読み取るなどして、席の予約サービスを依頼する操作を行う。次に、サービス利用端末1010のサービス利用依頼部1105は、例えば近距離無線等を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、サービス顧客の本ID”tsuta@tsuta.com ”とサービス顧客の希望するサービスID”restaurant1234”と共に「サービス利用依頼」を送信する(ステップS101)。
リーチャビリティID適用部1107は、「サービス利用依頼」を受信すると、リーチャビリティID管理部210に対して、加入者1104の本IDと共に「リーチャビリティID取得依頼」を送信する。リーチャビリティID管理部210は、受け取ったサービス顧客の本IDに対応するリーチャビリティIDを生成して保存し、リーチャビリティID適用部1107にリーチャビリティIDを送信する(ステップS102)。ここでは、リーチャビリティIDは、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とする。
リーチャビリティID適用部1107は、サービス提供フロントエンド1109に対して、加入者1104のリーチャビリティIDとサービスIDと共に「サービス利用依頼」を送信する。サービス提供フロントエンド1109は、「サービス利用依頼」を受信すると、サービスIDに対応するサービスのイベント評価部1110に「サービス利用依頼」を転送する(ステップS103)。
イベント評価部1110は、まず、「サービス利用依頼」から加入者1104のリーチャビリティIDを抽出し、現在状態管理テーブルにリーチャビリティID、初期状態の遷移先の行を追加する(図16(a)参照。)。そして、イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図16(a)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図17参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションとを決定する(ステップS104)。ここでは、現在状態が「予約受付中」であり、コンディションが「サービス利用依頼」なので、遷移先として「予約完了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId,A)」「notify(reachabilityId, to, reachabilityId +”から予約を承っております。”);」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「予約完了」に更新する(図16(b)参照。)。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、ステップS104で決定したアクションを示す情報と、リーチャビリティIDと共にアクション実行依頼を出力する(ステップS105)。今回の場合、アクション実行依頼には、「doReachability(reachabilityId, A)」「notify(reachabilityId, to, reachabilityId+ ”から予約を承っております。”);」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId,A)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”と共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を出力する。この場合、更新とは、リーチャビリティID管理部210が管理しているリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS106)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図19(a)に示すようになる。
アクション実行部1111は、続いて「notify(reachabilityId, to, reachabilityId+”から予約を承っております。”);」を実行する。アクション実行部1111は、サービスID管理部1112からサービスID”restaurant1234”に対応するリーチャビリティID活用アプリケーション1113の連絡先を抽出し、抽出した連絡先にリーチャビリティIDを含むイベントを通知する(ステップS107)。今回の場合、リーチャビリティIDは、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”、連絡先は”restaurant1234@example.com”、メッセージは”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042から予約を承っております”、となる。リーチャビリティID活用アプリケーション1113は、受け取ったリーチャビリティIDを保存する。
次に、レストランにおいて、加入者の席の準備が整ったときに、レストラン事業者が加入者に連絡を取る場合の動作について説明する。図22は、リーチャビリティ活用者が加入者に連絡を取る場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。
レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、サービス運用端末1010のリーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を含む加入者1104への連絡依頼を送信する(ステップS201)。この場合、連絡依頼に含まれるリーチャビリティIDは、リーチャビリティ連絡の送信先のサービス顧客(加入者1104)を指定する為と、サービス顧客がレストランに来店する際にレストラン側で本人確認を行う為とに利用される。
リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して、リーチャビリティIDから本IDへの変換を試みる(ステップS202)。今回の場合、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”は有効となっているので(図19(a)参照。)、本IDへの変換は有効となる。また、上記のリーチャビリティIDは、本ID”tsuta@tsuta.com ”に対応している(図19(a)参照。)。リーチャビリティID適用部1107は、情報配信部1108に対して、本ID”tsuta@tsuta.com ”と共に加入者1104への連絡依頼を送信する。
情報配信部1108は、連絡受信端末1030の連絡受信部1106に対して連絡を行う(ステップS203)。加入者1104は、情報配信部1108を介して、レストランAから本人確認用番号としてリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を含む予約完了の連絡を受け取る。連絡は、例えばe−mailによるものでもよい。
次に、席予約完了の連絡を受けた加入者1104が、レストランに来店した場合の処理について説明する。図23は、イベントが発生した場合のリーチャビリティ管理システムの動作を示すフローチャートである。以下、加入者がレストランに来店したというイベントが発生した場合を例にして説明する。
レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、来店した加入者が予約した加入者1104であることを確認するために、加入者1104が提示するリーチャビリティIDを確認する。確認方法として、加入者1104が提示するリーチャビリティID、
”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”
が記載されたメールを、リーチャビリティ活用者1114が、リーチャビリティID活用アプリケーション1113に保存されているリーチャビリティIDと合致しているかどうか目で照合するなどの方法が考えられる。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、イベント評価部1110に対して「reachabilityIdが来店」イベントをリーチャビリティIDと共に送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図16(b)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図17参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションとを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「予約完了」なので、「reachabilityIdが来店」イベントを受けた場合、遷移先として「来店完了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId,B)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「来店完了」に更新する(図16(c)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Bに対し、アクション「無効」が登録されているため(図18参照。)、doReachability()が選択されるとリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を無効にするアクションが実行される。
イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(reachabilityId,B)」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とが含まれる。アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId,B)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を送信する。この場合、更新とは、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を無効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図19(b)に示すようになる。
この時点で、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者1104に対して、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を利用して連絡を取ろうとしても、リーチャビリティIDは無効となっているので、リーチャビリティID管理部210はリーチャビリティIDから本IDへの変更を適用しない。つまり、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者への連絡は成功しない。
次に、加入者がレストランに忘れ物をし、レストラン側から加入者に忘れ物の連絡をする場合の動作について説明する。まず、図23を参照して、加入者が忘れ物をしたというイベントが発生した場合を例にして説明する。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、加入者1104の忘れ物を発見する。忘れ物が加入者1104のものであるかどうかは、例えば、忘れ物が置いてある席番号から割り出すものとする。リーチャビリティ活用者1114は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、イベント評価部1110に対して「リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”が忘れ物」イベントを送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図16(c)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図17参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションとを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「来店完了」なので、「reachabilityIdが忘れ物」イベントを受けた場合、遷移先として「終了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId,A)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「終了」に更新する(図16(d)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Aに対し、アクション「有効」が登録されているため(図18参照。)、doReachability()が選択されるとリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にするアクションが実行される。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(reachabilityId,A)」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId,A)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を送信する。この場合、更新とは、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図19(a)に示すようになる。
続いて、リーチャビリティ活用者が加入者に連絡を取る場合のリーチャビリティ管理システムの動作について説明する。以下、図22を参照して、リーチャビリティ活用者が加入者に忘れ物があった旨の連絡をする場合を例にして説明する。
レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、サービス運用端末1010のリーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を含む加入者1104への連絡依頼を送信する(ステップS201)。
リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して、リーチャビリティIDから本IDへの変換を試みる(ステップS202)。今回の場合、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”は有効となっているので(図19(a)参照。)、本IDへの変換は有効となる。リーチャビリティID適用部1107は、情報配信部1108に対して、本IDと共に加入者1104への連絡依頼を送信する。情報配信部1108は、連絡受信端末1030の連絡受信部1106に対して連絡を行う。すなわち、加入者1104は、情報配信部1108を介して、忘れ物の連絡を受け取る(ステップS203)。連絡は、例えばe−mailによるものでもよい。
一般的に優れたリーチャビリティとは、データの到達確率の高さや到達時間の速さなどを指標とする。第6の実施形態は、サービス顧客が必要とするときだけ、または迷惑と感じないときだけ、サービス提供者に対してサービス顧客へのリーチャビリティを有効にする制御や、サービス顧客の匿名性を保持したままリーチャビリティを提供することも、優れたリーチャビリティの指標としている。
第6の実施形態によれば、サービスのフローに応じたリーチャビリティIDの有効性評価を行うことにより、キャリアやサービス顧客の意図しない用途でのリーチャビリティID利用を防ぐことが出来る。さらに、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300は、投入されるビジネスフローを検証するため、キャリアやサービス顧客の意図しない用途でのリーチャビリティID利用がないことを保証することができる。これにより、リーチャビリティIDをリーチャビリティID活用者へ提供し、利用してもらうことができる。
また、第6の実施形態によれば、ビジネスフローテンプレートに従ってリーチャビリティが設定される。ビジネステンプレートを活用することにより、ユーザがリーチャビリティID活用アプリケーション1113毎にリーチャビリティを設定したり、条件を確認することができる。サービス提供側がユーザに迷惑メッセージ(スパム)を送信することを、ユーザに代わって、キャリアまたはISPが行うことができる。また、ビジネステンプレートが、「通知」を含むリーチャビリティID、有効、無効等のアクション駆動条件を広いバリエーションで管理することができる。
実施形態7
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。本実施形態では、リーチャビリティをビジネスフローに応じて生成、削除することにより、複数のサービス提供者が協調してビジネスフローを運用する。以下の例では、サービス提供者を、ローン会社および第三者審査会社の2つとする。また、ローン会社のサービスIDを”loan1234”、第三者審査会社のサービスIDを”audit1234 ”とする。
図24は、第7の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。図24は、図15を拡張したものである。なお、第6の実施形態と同様の構成については、図15と同一の符号を付し、説明を省略する。図24において、「:」より前には、「:」より後の記載の具体例が示されている。例えば、リーチャビリティ活用者としてのローン会社は「ローン会社:リーチャビリティ活用者」という表記になっている。
第7の実施形態では、第6の実施形態の構成に加えて、サービス運用端末1021が設けられている。サービス運用端末1021は、「第三者審査会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」を有する。「第三者審査会社:リーチャビリティ活用者1201」は、「第三者審査会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」を利用している。リーチャビリティID活用アプリケーション1202は、審査依頼が来ると、リーチャビリティIDを利用して加入者に連絡をとり本人確認を行う。
「第三者審査会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」は、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300からリーチャビリティIDに対応する加入者の審査依頼を受けたり、審査結果をリーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300に返したり、リーチャビリティ適用サーバ100を介して加入者に連絡する機能を備える。
図25は、第7の実施形態における現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。現在状態管理テーブルは、リーチャビリティIDとフローの現在状態とを少なくとも項目に持つ。図26は、第7の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。図26には、ローン契約ビジネスフローテンプレートテーブルを例示する。リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300には、ローン契約ビジネスフローが設定されているものとする。
図27は、第7の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。図27に示すリーチャビリティIDアクションテーブルには、第6の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブル(図18参照。)のアクションに加えて、それぞれ変数C,Dに対応付けて、生成、削除のアクションが追加されている。
図28は、第7の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。図28(a),(b)に示すリーチャビリティID有効性管理テーブルは、第6の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブル(図19(a),(b)参照。)を拡張したものである。項目「リーチャビリティID2」には、項目「リーチャビリティID」と同じ本IDに対応付けられたリーチャビリティIDが設定される。
次に、第7の実施形態のついて、図21を参照して、加入者がローン会社に貸付依頼を行うまでの動作について説明する。加入者1104は、例えば、サービス利用端末1010(この場合非接触ICカードリーダーを備えている)を利用して、ローン会社の広告添付の非接触ICカードに書き込まれたサービスIDを読み取るなどして、ローンを依頼する操作を行う。次に、サービス利用端末1010のサービス利用依頼部1105は、リーチャビリティID適用部1107に対して、自身の本IDとサービスID(loan1234)と共に「サービス利用依頼」を送信する(ステップS101)。
リーチャビリティID適用部1107は、「サービス利用依頼」を受信すると、リーチャビリティID管理部210に対して、加入者1104の本IDと共に「リーチャビリティID取得依頼」を送信する。リーチャビリティID管理部210は、受け取ったサービス顧客の本IDに対応するリーチャビリティIDを生成して保存し、リーチャビリティID適用部1107にリーチャビリティIDを送信する(ステップS102)。ここでは、リーチャビリティIDは”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とする。
リーチャビリティID適用部1107は、サービス提供フロントエンド1109に対して、加入者1104のリーチャビリティIDとサービスIDと共に「サービス利用依頼」を送信する。サービス提供フロントエンド1109は、「サービス利用依頼」を受信すると、サービスIDに対応するイベント評価部1110に「サービス利用依頼」を転送する(ステップS103)。
イベント評価部1110は、まず、「サービス利用依頼」から加入者1104のリーチャビリティIDを抽出し、現在状態管理テーブルにリーチャビリティID、初期状態の遷移先の行を追加する(図25(a)参照。)。そして、イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図25(a)参照。)とフローテンプレート保持部1102のローンフローテンプレート(図26参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションを決定する(ステップS104)。ここでは、現在状態が「貸付依頼受付中」であり、コンディションが「貸付依頼」なので、遷移先として「貸付準備中」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId1, A)」「notify(reachabilityId1, to1, reachabilityId1+ ”からローン依頼を承っております。”);」が選択される。
doReachability()関数は、第1引数にリーチャビリティIDを持ち、第2引数にリーチャビリティIDアクションテーブルの変数カラムの値を持つ。今回の場合、第1引数には”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”が代入され、第2引数にはAが代入される。doReachability()関数が選択されると、リーチャビリティID有効性管理テーブルにおいて、第1引数として指定されたリーチャビリティIDに対応付けられた有効フラグに対し、第2引数として指定された変数に対応するアクションが実行される。つまり、今回の場合、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にするというアクションが実行される。
また、notify()関数は、第1引数にリーチャビリティIDを持ち、第2引数に通知先の連絡先を持ち、第3引数にメッセージ内容を持つ。今回の場合、第1引数には”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”が代入され、第2引数には”sip:loan1234@aaa.com”が代入される。notify()関数が選択されると、第1引数に指定したリーチャビリティIDを含む第3引数のメッセージを、第2引数の連絡先に通知するアクションが実行される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「貸付準備中」に更新する(図25(b)参照。)。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS105)。今回の場合、アクション実行依頼には、「doReachability(reachabilityId1, A)」「notify(reachabilityId1, to1, reachabilityId1+ ”からローン依頼を承っております。”);」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”と通知先”sip:loan1234@aaa.com”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId1, A)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”と共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を出す。この場合、更新とは、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS106)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図28(a)に示すようになる。
アクション実行部1111は、続いて「notify(reachabilityId1, to1, reachabilityId1 + ”からローン依頼を承っております。”);」を実行する。アクション実行部1111は、サービスID管理部1112からリーチャビリティID活用アプリケーション1113の連絡先を抽出し、抽出した連絡先にリーチャビリティIDを含むイベントを通知する(ステップS107)。今回の場合、リーチャビリティIDは”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”、連絡先は”sip:loan1234@aaa.com”、メッセージは”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042からローン依頼を承っております”、となる。リーチャビリティID活用アプリケーション1113は受け取ったリーチャビリティIDを保存する。
次に、ローン会社において、加入者がローン返済可能か第三者審査会社に審査を委託する場合の動作について説明する。図23を参照して、第三者審査会社への審査依頼を行うというイベントが発生した場合を例にして説明する。「ローン会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1113」は、イベント評価部1110に対して「審査依頼」イベントをリーチャビリティID、
”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”
と共に送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図25(b)参照。)とフローテンプレート保持部1102のローンフローテンプレート(図26参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「貸付準備中」なので、「審査依頼」イベントを受けた場合、遷移先として「審査中」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId1, C)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「審査中」に更新する(図25(c)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Cに対し、アクション「生成」が登録されている(図27参照。)。よって、doReachability()が選択されると、第2引数がCなので新たな第三者審査会社にリリースする為のリーチャビリティIDを生成するアクションが実行される。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(reachabilityId1, C)」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId1, C)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を送信する。この場合、更新とは、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”に対応する本IDに対応付けられたリーチャビリティIDを新規に生成することを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図28(b)に示すようになる。
さらに、アクション実行部1111は、「notify(reachabilityId2, to2, reachabilityId2+”への貸付審査依頼です。”)」を実行する。今回の場合、reachabilityId2は、新規生成された”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”(図28(b)参照。)、to2は、「第三者審査会者:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」への連絡先”audit1234@bbbb.com”(図20参照。)となる。「第三者審査会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」は、受け取ったリーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”を保存する。
次に、第三者審査会社が新規に発行されたリーチャビリティIDを利用して加入者へ連絡をとり、本人確認を行う。以下、図22を参照して、第三者審査会社が加入者の本人確認の連絡をする場合を例にして説明する。「第三者審査会者:リーチャビリティ活用者1201」は、「第三者審査会者:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、リーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”を含む加入者1104への連絡依頼を送信する(ステップS201)。
リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して、リーチャビリティIDの本IDへの変換を試みる(ステップS202)。今回の場合、”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”は有効となっているので(図28(b)参照。)、本IDへの変換は有効となる。また、上記のリーチャビリティIDは、本ID”tsuta@tsuta.com ”に対応している(図28(b)参照。)。リーチャビリティID適用部1107は、情報配信部1108に対して、本IDと共に加入者1104への連絡依頼を送信する。
情報配信部1108は、連絡受信端末1030の連絡受信部1106に対して連絡を行う(ステップS203)。連絡は、例えば、情報配信部1108の電話取次ぎによる第三者審査会社と加入者の通話によるものでもよい。
次に、第三者審査会社が審査結果を報告する場合の動作について説明する。図23を参照して、審査が通らなかったというイベントが発生した場合を例にして説明する。「第三者審査会者:リーチャビリティ活用者1201」は、「第三者審査会者:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」を利用して、イベント評価部1110に対して「審査が通らなかった」イベントをリーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”と共に送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図25(c)参照。)とフローテンプレート保持部1102のローンフローテンプレート(図26参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「審査中」なので、「審査が通らなかった」イベントを受けた場合、遷移先として「終了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId2, D)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「終了」に更新する(図25(d)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Dに対し、アクション「削除」が登録されている(図27参照。)。よって、doReachability()が選択されると、リーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”を削除するアクションが実行される。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(reachabilityId2, D)」とリーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(reachabilityId2, D)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リーチャビリティIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を送信する。この場合、更新とは、リーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”を削除することを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図28(a)に示すようになる。
この時点で、「第三者審査会社:リーチャビリティID活用アプリケーション1202」から加入者1104に、リーチャビリティID”5d40a6adb6ada596d96610b1de9f9053”を利用して連絡を試みても、リーチャビリティIDは削除されているので、リーチャビリティID管理部210は本IDの変換を行わず、連絡を取ることは出来ない。
以上に説明したように、上記の第7の実施形態によれば、リーチャビリティIDをビジネスフローに応じて生成、削除することから、複数のサービス提供者が強調してビジネスフローを運用することができる。
実施形態8
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。本実施形態では、第6の実施形態に対し、リーチャビリティIDを有効にする際に有効期限として回数を設けてもよい。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティIDから本IDへの変換をリーチャビリティID毎にカウントし、カウントが有効回数以下の場合に、リーチャビリティIDから本IDへの変換を行う。
図29は、第8の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。第8の実施形態では、リーチャビリティIDアクションテーブルには、変数に対応付けて、アクションおよび回数が設定されている。リーチャビリティIDアクションテーブルに設定される「回数」は、例えば、「有効」と設定されるアクションに対するパラメータである。例えば、リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルの有効フラグを「有効」に更新する際に、パラメータとして回数「3」を登録する。また、リーチャビリティID管理部210は、例えば、リーチャビリティ活用者114からの連絡依頼に基づいてリーチャビリティIDを本IDに変換する際に、登録された回数「3」を参照し、変換を行うか否かを判断する。
図29を例にする場合、リーチャビリティID管理部210によるリーチャビリティIDから本IDへの変換は3回までとなり、4回目の変換は行われない。つまり、リーチャビリティID活用アプリケーション1113が、上記の期限付きのリーチャビリティIDを利用して、加入者への4回目の連絡を行おうとしても成功しない。
実施形態9
次に、本発明の第9の実施形態を図面を参照して説明する。第9の実施形態では、第6の実施形態に対し、リーチャビリティIDを有効にする際に有効期限として期間を設けてもよい。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティIDが有効となった時刻をリーチャビリティID毎に保持し、リーチャビリティIDから本IDへの変換時刻との差分が、予め設定した期間を越えない場合に、リーチャビリティIDから本IDへの変換を行う。
図30は、第9の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。第9の実施形態では、リーチャビリティIDアクションテーブルには、変数に対応付けて、アクションおよび期間が設定されている。なお、図30に示す例では、期間の単位は分とする。図30に示す例では、リーチャビリティID管理部210によるリーチャビリティIDから本IDへの変換は、リーチャビリティIDを有効にしてから60分までとなり、60分以降は変換が行われない。つまり、リーチャビリティID活用アプリケーション1113が、上記の期限付きのリーチャビリティIDを利用して、加入者への60分以降の連絡を行おうとしても成功しない。
実施形態10
次に、本発明の第10の実施形態を図面を参照して説明する。第10の実施形態では、第6の実施形態に対し、リーチャビリティIDを有効にする際に有効期限として時刻を設けてもよい。例えば、リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティIDから本IDへの変換時刻が、予め設定した時刻を越えない場合に、リーチャビリティIDから本IDへの変換を行う。
図31は、第10の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。第10の実施形態では、リーチャビリティIDアクションテーブルには、変数に対応付けて、アクションおよび時刻が設定されている。なお、図31に示す例では、時刻として日付が設定されている。図31に示す例では、例えば、リーチャビリティID管理部210によるリーチャビリティIDから本IDへの変換は、2010年1月1日23時59分までとなり、それ以降の変換は行われない。例えば、3011年1月1日0時10分に、リーチャビリティID活用アプリケーション1113が、上記の期限付きのリーチャビリティIDを利用して、加入者への連絡を行おうとしても成功しない。
また、例えば、リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティIDから本IDへの変換時刻が、予め設定した時刻を越えた場合に、リーチャビリティIDから本IDへの変換を行う。図31に示す例では、例えば、リーチャビリティID管理部210によるリーチャビリティIDから本IDへの変換は、2010年1月1日23時59分からとなり、それ以前の変換は行われない。例えば、2007年1月1日0時10分に、リーチャビリティID活用アプリケーション1113が、上記の期限付きのリーチャビリティIDを利用して、加入者への連絡を行おうとしても成功しない。
実施形態11
次に、本発明の第11の実施形態を説明する。第11の実施形態では、第6の実施形態に対し、リーチャビリティIDを有効にする際に有効期限として回数、期間、時刻を設けてもよい。図32は、第11の実施形態におけるリーチャビリティIDアクションテーブルの登録例を示す説明図である。第11の実施形態では、リーチャビリティIDアクションテーブルには、変数に対応付けて、アクション、回数、期間および時刻が設定されている。
さらに、リーチャビリティID管理部1103がリーチャビリティIDから本IDへの変換を行うか否かを決定するために、例えば、以下の演算『「回数が期限以内」X「期間が期限以内」X「時刻が期限以内」(XにはAND、または、ORが入る。)』を行ってもよい。演算結果が真の場合変換を行い、偽の場合変換を行わない。
実施形態12
次に、本発明の第12の実施形態を説明する。本実施形態では、サービス顧客が必要とするときだけ、または迷惑と感じないときだけ、サービス提供者に対してサービス顧客へのリーチャビリティを有効にするように制御したり、サービス顧客の匿名性を保持したままリーチャビリティを提供するかどうか保証したりするために、サービス提供者毎にビジネスフローを取得、検証する。
第12の実施形態では、フローテンプレート検証ポリシに従ったフローテンプレートがリーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300に登録される。フローテンプレート検証ポリシとは、フローテンプレートが優れたリーチャビリティを提供するフローになっているか否かを検証するためのポリシである。例えば、フローテンプレート検証ポリシは、フローテンプレートに、無限に本IDを抽出できるような内容が記載されていないことを検証する。
図33は、第12の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。図33は、図15に対する拡張部分を示している。フローテンプレート検証部1121は、フローテンプレート送信部1116から受けたフローテンプレートと、これに対するフローテンプレート検証ポリシとに基づいて、フローテンプレート保持部1102にフローテンプレートを登録するかどうかを判定したり、フローテンプレート保持部1102に送信されたフローテンプレートを登録したりする。
検証ポリシ管理部1122は、フローテンプレート検証ポリシを保持、管理する機能を備える。フローチャート管理者1115は、フローテンプレート送信端末1040内のフローテンプレート送信部1116を利用している。フローテンプレート送信部1116は、フローテンプレートをフローテンプレート検証部1121に送信する。検証ポリシ作成者1125は、ポリシ設定端末1050内のポリシ送信部1123およびフローテンプレート閲覧部1124を利用している。
ポリシ送信部1123は、検証ポリシ管理部1122にフローテンプレート検証ポリシを送信する。フローテンプレート閲覧部1124は、例えば、フローテンプレート保持部1102が記憶するフローテンプレートを受信して、ポリシ設定端末1050に表示させる。
図34は、第12の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。図34には、フローチャート管理者1115がリーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300に登録するフローテンプレートを示している。なお、図34に示すフローテンプレートには、図3に示すフローテンプレートとは違い、リーチャビリティIDを制御するアクション(有効・無効)やパラメータ(回数、期間、時刻)が記述されている。
まず、検証ポリシ作成者1125は、ポリシ設定端末1050内のポリシ送信部1123を利用して、フローテンプレート検証ポリシを検証ポリシ管理部1122に送信する。今回の場合、フローテンプレート検証ポリシには、例えば、「IF doReachability(reachabilityId, 無効)が一つ以上含まれている THEN 真」のようなリーチャビリティを制御するアクションが記載されているものとする。
次に、フローチャート管理者1115は、フローテンプレート送信端末1040のフローテンプレート送信部1116を利用して、フローテンプレートをフローテンプレート検証部1121に送信する。今回の場合、図34に示すフローテンプレートを例にして説明する。フローテンプレート検証部1121は、検証ポリシ管理部1122からフローテンプレート検証ポリシを入力し、フローテンプレート送信部1116によって送信されたフローテンプレートを、入力したポリシに従い評価する。図34に例示するフローテンプレートには、doReachability(reachabilityId, 無効)が1つ以上含まれているので、結果は「真」となる。よって、フローテンプレート検証部1121は、図34に示すフローテンプレートをフローテンプレート保持部1102に登録する。
以上に説明したように、第12の実施形態によれば、サービス提供者1114の利用するビジネスフローテンプレートが、サービス顧客1104が必要とするときだけ、または迷惑と感じないときだけ、サービス提供者1114に対してサービス顧客1104へのリーチャビリティを有効にするように制御したり、サービス顧客1104の匿名性を保持したままリーチャビリティを提供したりするかどうかを、フローテンプレート検証部1121がリーチャビリティIDの主体に代わって一括して検証することにより、リーチャビリティIDの主体が個別にサービス提供者のリーチャビリティ制御方法を検証する手間を省くことが出来る。
実施形態13
次に、本発明の第13の実施形態を説明する。第13の実施形態では、第12の実施形態に対し、フローテンプレートの検証ポリシにリーチャビリティを制御するアクションとパラメータとを記載してもよい。例えば、フローテンプレート検証ポリシとして、「IF (doReachability(reachabilityId, 無効)が1つ以上含まれている) AND (リーチャビリティID有効期限は1回かつ600秒以内かつ2007年6月26日15時までとする) THEN 真」と設定してもよい。
この場合、図34に示すフローテンプレートテーブルへの評価は偽となり、フローテンプレート検証部1121は、フローテンプレート保持部1102にフローテンプレートを登録しない。
実施形態14
次に、本発明の第14の実施形態を説明する。第6の実施形態では、リーチャビリティIDはサービス利用依頼毎に払いだされる。この場合、リーチャビリティID活用アプリケーション1113側では、受信するリーチャビリティID間の関連性がわからない。例えば、リーチャビリティID1とリーチャビリティID2とが同一の加入者であることがわからない。第14の実施形態では、リーチャビリティIDをサービスID毎に再利用し、さらにサービス利用依頼毎に払い出すIDをリーチャビリティID以外に設けることにより、リーチャビリティID間の関連性を持たせる。
図15に示す構成図を参照して、本発明の第14の実施形態の動作について説明する。リーチャビリティID管理部210が、本IDとサービスIDの組み合わせ毎にリーチャビリティIDを割り当てるとする。例えば、本ID”a@b.com ”、サービスID”restaurant1234”と共にサービス提供依頼が送信されると、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”が割り当てられる。再度同様の本ID、サービスIDと共にサービス提供依頼が送信されても、リーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”が割り当てられる。
図35は、第14の実施形態における現在状態管理テーブルの登録例を示す説明図である。第14の実施形態において、現在状態管理テーブルには、リクエスト識別情報(リクエストID)とフローの現在状態とを含む情報が設定されている。図36は、第14の実施形態におけるフローテンプレートテーブルの登録例を示す説明図である。以下、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300には、図36に示すレストラン用のビジネスフローが設定されているものとする。図36に示すビジネスフローは、レストランの席予約サービスを実現するものである。
doReachability()関数は、第1引数にリクエストIDを持ち、第2引数にリーチャビリティIDアクションテーブル(図18参照。)の変数カラムの値を持つ。doReachability()関数を実行すると、リーチャビリティID有効性管理テーブルにおいて、第1引数として指定されたリクエストIDに対応付けられた有効フラグに対し、第2引数として指定された変数に対応するアクションが実行される。
また、notify()関数は、第1引数にリーチャビリティIDを持ち、第2引数にリクエストIDを持ち、第3引数に通知先の連絡先を持ち、第4引数にメッセージ内容を持つ。notify()関数が実行されると、リーチャビリティIDとリクエストIDとを第3引数の連絡先に通知するアクションが実行される。以下の説明では、レストラン席予約のサービスIDは”restaurant1234”とする。
さらに、加入者は、サービスID”restaurant1234”に対してサービス利用依頼を行ったことがあるとする。また、リーチャビリティID管理部210の保持するリーチャビリティID有効性管理テーブルには、図37(a)に例示するようなデータが保存されているとする。
図37は、第14の実施形態におけるリーチャビリティID有効性管理テーブルの登録例を示す説明図である。図37に示すリーチャビリティID有効性管理テーブルには、本ID、サービスID、リーチャビリティID、リクエストIDおよび有効フラグを含む情報が設定されている。図37に示すリーチャビリティID有効性管理テーブルの項目”リクエストID”の値は一意であり、サービス利用依頼毎に割り当てられる。すなわち、リーチャビリティID管理部210は、サービス利用依頼を受信すると、受信した本IDおよびサービスIDに対応するリーチャビリティIDを登録するとともに、サービス利用依頼に応じたリクエストIDを登録する。
次に、図面を参照して第14の実施形態の動作について説明する。以下、図21を参照して、加入者が席予約サービスを利用してレストラン事業者に席の予約依頼を行う動作について説明する。加入者1104は、例えば、サービス利用端末1010(この場合非接触ICカードリーダーを備えている)を利用して、レストランの広告に添付された非接触ICカードに書き込まれたサービスIDを読み取るなどして、席の予約サービスを依頼する操作を行う。次に、サービス利用端末1010のサービス利用依頼部1105は、リーチャビリティID適用部1107に対して、自身の本IDとサービスID”restaurant1234”と共に「サービス利用依頼」を送信する(ステップS101)。
リーチャビリティID適用部1107は、「サービス利用依頼」を受信すると、リーチャビリティID管理部210に対して、加入者1104の本IDとサービスIDと共に「リーチャビリティID取得依頼」を送信する。リーチャビリティID管理部210は、受信したサービス顧客のリーチャビリティIDに対応するリクエストIDを生成して保存し(図37(b)参照。)、リーチャビリティID適用部1107にリーチャビリティID、リクエストIDを送信する(ステップS102)。ここでは、リーチャビリティIDは、”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とし、リクエストIDは”2”とする。
リーチャビリティID適用部1107は、サービス提供フロントエンド1109に対して、加入者1104のリーチャビリティIDとリクエストIDとサービスIDと共に「サービス利用依頼」を送信する。サービス提供フロントエンド1109は、「サービス利用依頼」を受信すると、サービスIDに対応するサービスのイベント評価部1110に「サービス利用依頼」を転送する(ステップS103)。
イベント評価部1110は、まず、「サービス利用依頼」から加入者1104のリーチャビリティIDとリクエストIDとを抽出し、現在状態管理テーブルにリクエストID、初期状態の遷移先の行を追加する(図35(a)参照。)。そして、イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図35(a)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図36参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションとを決定する(ステップS104)。ここでは、現在状態が「予約受付中」であり、コンディションが「サービス利用依頼」なので、遷移先として「予約完了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId, requestId, A);notify(reachabilityId,requestId, to, reachabilityId+”から予約を承っております。”);」が選択される。
イベント評価部1110は、リクエストID”2”の現在状態管理テーブルの現在状態を「予約完了」に更新する(図35(b)参照。)。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、ステップS104で決定した2つのアクションを示す情報と、リーチャビリティIDとリクエストIDと共にアクション実行依頼を出力する(ステップS105)。今回の場合、アクション実行依頼には、「doReachability(requestId, A)」「notify(reachabilityId, requestId, to, reachabilityId+ ”から予約を承っております。”);」とリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とリクエストID”2”が含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(requestId, A)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リクエストID”2”と共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を出力する。この場合、更新とは、リーチャビリティID管理部210が管理しているリクエストID”2”に対応するリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS106)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図37(c)に示すようになる。
アクション実行部1111は、続いて「notify(reachabilityId, requestId, to, reachabilityId+”から予約を承っております。”);」を実行する。アクション実行部1111は、サービスID管理部1112からサービスID”restaurant1234”に対応するリーチャビリティID活用アプリケーション1113の連絡先”restaurant1234@example.com”を抽出し、抽出した連絡先にリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”とリクエストID”2”とを含むイベントを通知する(ステップS107)。リーチャビリティID活用アプリケーション1113は、受け取ったリーチャビリティIDとリクエストIDとを保存する。
次に、図22を参照して、レストランにおいて、加入者の席の準備が整ったときに、レストラン事業者が加入者に連絡を取る場合の動作について説明する。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、サービス運用端末1010のリーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、リクエストID”2”と共に加入者1104への連絡依頼を送信する(ステップS201)。
リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して、リクエストIDから本IDへの変換を試みる(ステップS202)。今回の場合、リクエストID”2”は有効となっているので(図37(c)参照。)、本IDへの変換は有効となる。また、上記のリクエストID”2”は、本ID”tsuta@tsuta.com ”に対応している(図37(c)参照。)。リーチャビリティID適用部1107は、情報配信部1108に対して、本ID”tsuta@tsuta.com ”と共に加入者1104への連絡依頼を送信する。
情報配信部1108は、連絡受信端末1030の連絡受信部1106に対して連絡を行う(ステップS203)。加入者1104は、情報配信部1108を介して、レストランAから本人確認用番号としてリクエストID”2”入りの予約完了の連絡を受け取る。連絡は、例えばe−mailによるものでもよい。
次に、席予約完了の連絡を受けた加入者1104が、レストランに来店した場合の処理について説明する。以下、図23を参照して、加入者がレストランに来店したというイベントが発生した場合を例にして説明する。
レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、来店した加入者が予約した加入者1104であることを確認するために、加入者1104が提示するリクエストIDを確認する。確認方法として、加入者1104が提示するリクエストID”2”が記載されたメールを、リーチャビリティ活用者1114が、リーチャビリティID活用アプリケーション1113に保存されているリクエストIDと合致しているかどうか目で照合するなどの方法が考えられる。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、イベント評価部1110に対して「requestId が来店」イベントをリクエストIDと共に送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図35(b)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図36参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「予約完了」なので、「requestId が来店」イベントを受けた場合、遷移先として「来店完了」が選択され、アクションとして「doReachability(requestId, B)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「来店完了」に更新する(図35(c)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Bに対し、アクション「無効」が登録されているため(図18参照。)、doReachability()が選択されるとリクエストID”2”を無効に設定するアクションが実行される。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(requestId, B)」とリクエストID”2”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(requestId, B)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リクエストIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新設定依頼を送信する。この場合、更新設定とは、リクエストID”2”に対応するリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を無効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図37(d)に示すようになる。
この時点で、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者1104に対して、リクエストID”2”を利用して連絡を取ろうとしても、リクエストID”2”に対応するリーチャビリティIDは無効となっているので、リーチャビリティID管理部210はリーチャビリティIDから本IDへの変更を適用しない。つまり、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者への連絡は成功しない。
次に、加入者がレストランに忘れ物をし、レストラン側から加入者に忘れ物の連絡をする場合の動作について説明する。まず、図23を参照して、加入者が忘れ物をしたというイベントが発生した場合を例にして説明する。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、加入者1104の忘れ物を発見する。忘れ物が加入者1104のものであるかどうかは、例えば、忘れ物が置いてある席番号から割り出すものとする。リーチャビリティ活用者1114は、リーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、イベント評価部1110に対して「リクエストID”2”が忘れ物」イベントを送信する(ステップS301)。
イベント評価部1110は、フローデータ保持部1101の現在状態管理テーブル(図35(c)参照。)とフローテンプレート保持部1102のレストランフローテンプレート(図36参照。)とに基づいて、状態遷移先とアクションとを決定する(ステップS302)。ここでは、現在状態が「来店完了」なので、「reachabilityIdが忘れ物」イベントを受けた場合、遷移先として「終了」が選択され、アクションとして「doReachability(reachabilityId,A)」が選択される。
イベント評価部1110は、現在状態管理テーブルの現在状態を「終了」に更新する(図35(d)参照。)。今回の場合、リーチャビリティIDアクションテーブルの変数Aに対し、アクション「有効」が登録されているため(図18参照。)、doReachability()が選択されるとリクエストID”2”に対応するリーチャビリティID”4d40a4adb5ada496d96610b0dd9f8042”を有効にするアクションが実行される。イベント評価部1110は、アクション実行部1111に対し、アクション実行依頼を出力する(ステップS303)。今回の場合、アクション実行依頼には「doReachability(requestId, A)」とリクエストID”2”とが含まれる。
アクション実行部1111は、「doReachability(requestId, A)」を実行する。すなわち、アクション実行部1111は、リーチャビリティID管理部210に対し、リクエストIDと共にリーチャビリティID有効性管理テーブル更新依頼を送信する。この場合、更新とは、リクエストID”2”を有効にすることを指す。リーチャビリティID管理部210は、リーチャビリティID有効性管理テーブルを更新する(ステップS304)。今回の場合、更新された結果、リーチャビリティID有効性管理テーブルは、図37(c)に示すようになる。
続いて、図22を参照して、リーチャビリティ活用者が加入者に連絡を取る場合のリーチャビリティ管理システムの動作について説明する。以下、リーチャビリティ活用者が加入者に忘れ物があった旨の連絡をする場合を例にして説明する。レストランAのリーチャビリティ活用者1114は、サービス運用端末1010のリーチャビリティID活用アプリケーション1113を利用して、リーチャビリティID適用部1107に対して、リクエストID”2”と共に加入者1104への連絡依頼を送信する(ステップS201)。
リーチャビリティID適用部1107は、リーチャビリティID管理部210を利用して、リーチャビリティIDから本IDへの変換を試みる(ステップS202)。今回の場合、リクエストID”2”は有効となっているので(図37(c)参照。)本IDへの変換は有効となる。リーチャビリティID適用部1107は、情報配信部1108に対して、本IDと共に加入者1104への連絡依頼を送信する。
情報配信部1108は、連絡受信端末1030の連絡受信部1106に対して連絡を行う(ステップS203)。加入者1104は、情報配信部1108を介して、忘れ物の連絡を受け取る。連絡は、例えばe−mailによるものでもよい。
実施形態15
次に、本発明の第15の実施形態を説明する。イベント評価部1110に送信されるイベントは、リーチャビリティ利用フロー管理サーバ1300内から送信されてもよい。さらに、イベント評価部1110に送信されるイベントは、キャリアの情報資産を含んでいてもよい。
実施形態16
次に、本発明の第16の実施形態を説明する。図38は、第16の実施形態のリーチャビリティ管理システムを例示するブロック図である。なお、第6の実施形態と同様の構成部については、図15と同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態では、図38に示すように、加入者1104がサービス利用依頼部1105を利用して、イベント評価部1110に対してイベントを送信してもよい。例えば、イベントには、リーチャビリティID無効(もしくは有効)依頼と加入者のリーチャビリティIDが含まれていてもよい。
第16の実施形態によれば、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者1104への連絡が、加入者1104にとって必要ないものであった場合、加入者1104が自発的にリーチャビリティIDを無効化することが出来る。さらに、ビジネスフローにより無効にされてしまった加入者1104に対応するリーチャビリティIDを、加入者1104が自発的に有効化することにより、リーチャビリティID活用アプリケーション1113から加入者1104への連絡を行うことが出来る。
なお、上記の各実施形態において、連絡受信部1106とサービス利用依頼部1105とは、1つの端末に配置されてもよい。
以上、説明したように、本発明によれば、サービス提供者やリーチャビリティ利用者が本IDを利用することができないため、本IDを不正に利用されることがないという効果がある。また、リーチャビリティ利用者は、本IDのかわりにリーチャビリティIDを利用して、リーチャビリティ提示者に連絡することができるという効果がある。
以上説明したように、本発明は、上記に示した例示的な実施形態において、例えば下記のように実現されている。リーチャビリティ実現サーバは、リーチャビリティID管理サーバ200及びリーチャビリティ適用サーバ100によって実現される。第2利用者端末は、リーチャビリティ端末10によって実現される。実宛先情報受信部は、リーチャビリティID適用部110によって実現される。変換後宛先情報生成部は、リーチャビリティID管理部210によって実現される。リーチャビリティID管理部210は、変換後宛先情報生成部、リクエスト識別情報生成部、宛先情報更新部、及び、実宛先情報抽出部を含む。アクセス要求転送部は情報配信部120によって実現され、また、サービス提供サーバはサービス提供サーバ300によって、サービス提供者記憶部はサービス提供者解決部130によって、リーチャビリティ実現サーバはリーチャビリティ適用サーバ100およびリーチャビリティID管理サーバ200によって実現される。リクエストID生成部はリーチャビリティID管理部210によって、宛先情報記憶部はリーチャビリティID保持部220及びリーチャビリティID有効条件保持部250によって、宛先情報更新部はリーチャビリティID管理部1103によって、更新処理情報記憶部はフローテンプレート保持部1102によって、更新処理情報抽出部はイベント評価部1110によって、実宛先情報受信部はリーチャビリティID適用部110によって、実宛先情報抽出部はリーチャビリティID管理部210によって、第1利用者端末はリーチャビリティ端末20によって、それぞれ実現される。変換後宛先情報生成部はリーチャビリティID管理部210によって、変換後宛先情報送信部はリーチャビリティID適用部110によって、履歴記憶部はリーチャビリティID利用履歴管理部230によって、それぞれ実現される。
上記に示した実施形態において、下記態様のリーチャビリティ実現サーバが例示されている。
(1)相互に面識のない第1の利用者(例えば、リーチャビリティ利用者)から第2の利用者(例えば、サービス顧客)へのリーチャビリティを実現するリーチャビリティ実現サーバ(例えば、リーチャビリティ適用サーバ100およびリーチャビリティID管理サーバ200)であって、第2の利用者が使用する第2利用者端末(例えば、リーチャビリティ端末10)から、第2の利用者に対して連絡可能な現実の宛先情報を受信する実宛先情報受信部(例えば、リーチャビリティID適用部110)と、実宛先情報受信部が受信した実宛先情報に基づいて、第1の利用者が実宛先情報を特定不能な変換後宛先情報を生成する変換後宛先情報生成部(例えば、リーチャビリティID管理部210)とを備えたリーチャビリティ実現サーバ。
(2)変換後宛先情報生成部が生成した変換後宛先情報を、実宛先情報に対応付けて記憶する宛先情報記憶部(例えば、リーチャビリティID保持部220)と、第1の利用者が使用する第1利用者端末(例えば、リーチャビリティ端末20)から、変換後宛先情報を含むアクセス要求を受信すると、受信したアクセス要求に含まれる変換後宛先情報に対応する実宛先情報を宛先情報記憶部から抽出する実宛先情報抽出部(例えば、リーチャビリティID管理部210)と、実宛先情報抽出部が抽出した実宛先情報に基づいて、第1利用者端末からのアクセス要求を第2利用者端末に転送するアクセス要求転送部(例えば、情報配信部120)とを含むリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、第1利用者端末が第2利用者端末に直接アクセスすることなく連絡を取ることができる。
(3)変換後宛先情報生成部が生成した変換後宛先情報を、第2の利用者からの依頼によりサービスを提供するサービス提供サーバ(例えば、サービス提供サーバ300)に送信する変換後宛先情報送信部(例えば、リーチャビリティID適用部110)を含むリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、サービス提供サーバに実宛先情報を送信しなくてよい。
(4)サービスを識別可能な情報に対応付けて、サービス提供サーバを識別可能な情報をあらかじめ記憶するサービス提供者記憶部(例えば、サービス提供者解決部130)を含み、実宛先情報受信部は、サービスを識別可能な情報を実宛先情報とともに受信し、変換後宛先情報送信部は、受信したサービスを識別可能な情報に基づいて、サービス提供者記憶部からサービス提供サーバを識別可能な情報を抽出し、抽出した情報が示すサービス提供サーバに変換後宛先情報を送信するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、サービス提供サーバが複数の場合にも適切に変換後宛先情報を送信することができる。
(5)宛先情報記憶部は、任意のタイミングで更新可能な変換後宛先情報を記憶するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、変換後宛先情報を任意のタイミングで更新することができる。
(6)宛先情報記憶部は、変換後宛先情報の有効期限を示す情報を変換後宛先情報に対応付けて記憶するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、変換後宛先情報の有効期限に基づいて変換後宛先情報を更新することができる。
(7)宛先情報記憶部(例えば、リーチャビリティID有効条件保持部250)は、変換後宛先情報を利用可能な条件を変換後宛先情報に対応付けて記憶し、実宛先情報抽出部は、アクセス要求を受信した場合に、条件に基づいて実宛先情報を抽出するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、リーチャビリティの適切な利用を図ることができる。
(8)変換後宛先情報の生成および実宛先情報の抽出の履歴を記憶する履歴記憶部(例えば、リーチャビリティID利用履歴管理部230)を含み、実宛先情報抽出部は、アクセス要求を受信した場合に、履歴記憶部が記憶する履歴および宛先情報記憶部が記憶する条件に基づいて実宛先情報を抽出するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、リーチャビリティのより適切な利用を図ることができる。
(9)宛先情報記憶部は、更新可能な条件を変換後宛先情報に対応付けて記憶するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、リーチャビリティのより適切な利用を図ることができる。
(10)宛先情報記憶部は、変換後宛先情報を利用可能な条件として、変換後宛先情報を利用した回数の範囲を変換後宛先情報に対応付けて記憶するリーチャビリティ実現サーバ。そのような構成によれば、変換後宛先情報の利用制限数を条件として設定することができる。
(11)ビジネスフローにおける所定の状態に対応付けて、宛先情報記憶部が記憶する情報を更新する処理を示す更新処理情報(例えば、フローテンプレートテーブルのアクションで実現される)を記憶する更新処理情報記憶部(例えば、フローテンプレート保持部1102によって実現される)と、第1利用者端末から、変換後宛先情報および現在の状態を示す情報を含むイベント情報を受信すると、受信したイベント情報に含まれる現在の状態を示す情報に基づいて更新処理情報記憶部から更新処理情報を抽出する更新処理情報抽出部(例えば、イベント評価部1110によって実現される)と、更新処理情報抽出部が抽出した更新処理情報および受信したイベント情報に含まれる変換後宛先情報に基づいて、宛先情報記憶部が記憶する情報を更新する宛先情報更新部(例えば、リーチャビリティID管理部1103によって実現される)とを備えたリーチャビリティ実現サーバ。そのように構成されたリーチャビリティ実現サーバは、ビジネスフローにおける状態に応じて宛先情報記憶部が記憶する情報を更新することができる。
(12)宛先情報記憶部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能か否かを示す抽出可否フラグ(例えば、有効フラグで実現される)を、変換後宛先情報に対応付けて記憶し、更新処理情報記憶部は、宛先情報記憶部が記憶する抽出可否フラグを更新する処理を示す更新処理情報を記憶し、実宛先情報抽出部は、宛先情報記憶部が記憶する抽出可否フラグに基づいて変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出するリーチャビリティ実現サーバ。そのように構成されたリーチャビリティ実現サーバは、ビジネスフローにおける状態に応じて変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能にすることができる。
(13)更新処理情報記憶部は、更新処理情報抽出部が受信したイベント情報に含まれる変換後宛先情報に対応する実宛先情報に対応付けて、宛先情報記憶部が記憶する変換後宛先情報を更新する処理を示す更新処理情報を記憶し、次いで、前記宛先情報記憶部が記憶する変換後宛先情報を生成または削除するリーチャビリティ実現サーバ。
(14)更新処理情報記憶部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な回数を示す情報を含む更新処理情報を記憶するリーチャビリティ実現サーバ。
(15)更新処理情報記憶部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な期間を示す情報を含む更新処理情報を記憶するリーチャビリティ実現サーバ。
(16)更新処理情報記憶部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な時刻を示す情報を含む更新処理情報を記憶するリーチャビリティ実現サーバ。
(17)更新処理情報記憶部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な回数、期間および時刻を示す情報の任意の組み合わせを含む更新処理情報を記憶するリーチャビリティ実現サーバ。
(18)更新処理情報記憶部が記憶する更新処理情報が、リーチャビリティの制御を行う内容(例えば、フローテンプレート検証ポリシで実現される)か否かを検証する検証部(例えば、フローテンプレート検証部1121で実現される)を備えたリーチャビリティ実現サーバ。
(19)検証部は、宛先情報記憶部が記憶する抽出可否フラグを更新する処理を示す更新処理情報が、所定の条件を満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(20)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な条件を含む所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(21)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な回数を示す情報を含む所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(22)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な期間を示す情報を含む所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(23)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な時刻を示す情報を含む所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(24)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な回数、期間および時刻を示す情報の任意の組み合わせを含む所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(25)検証部は、変換後宛先情報に対応する実宛先情報を抽出可能な回数、期間または時刻を示す情報を含む条件のうち、すべてまたはいずれかを満たす旨の所定の条件を、更新処理情報が満たしているか否かを検証するリーチャビリティ実現サーバ。
(26)実宛先情報受信部が実宛先情報を受信する毎に、リクエストIDを生成するリクエストID生成部(例えば、リーチャビリティID管理部210によって実現される)を備え、宛先情報記憶部は、リクエストID生成部が生成したリクエストIDを、変換後宛先情報に対応付けて記憶し、更新処理情報抽出部は、第1利用者端末から、リクエストIDおよび現在の状態を示す情報を含むイベント情報を受信すると、受信したイベント情報に含まれる現在の状態を示す情報に基づいて更新処理情報記憶部から更新処理情報を抽出し、宛先情報更新部は、更新処理情報抽出部が抽出した更新処理情報および受信したイベント情報に含まれるリクエストIDに基づいて、宛先情報記憶部が記憶する情報を更新するリーチャビリティ実現サーバ。
(27)更新処理情報抽出部は、第2利用者端末から変換後宛先情報および更新処理情報を受信し、宛先情報更新部は、更新処理情報抽出部が受信した変換後宛先情報および更新処理情報に基づいて、宛先情報記憶部が記憶する情報を更新するリーチャビリティ実現サーバ。
本出願は、2007年3月7日及び9月14日出願に係る日本特許出願2007−057597号及び2007‐239321を基礎とし且つその優先権を主張するものであり、引用によってその開示の内容の全てを本出願の明細書中に加入する。
本発明は、サービス顧客の連絡先の不正利用を防止するために適用することができ、特に、サービス顧客の連絡先を扱うサービスの普及を支援するために効果的に適用できる。また、本発明は、サービス提供者が通信事業者(キャリア)によって管理されるサービス顧客の情報資産を活用してサービス提供を行う場合に適用できる。また、本発明は、通信事業者(キャリア)によって管理されるサービス顧客に対して短期間のサービスを提供する場合に適用できる。