JP5218104B2 - 音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイス - Google Patents

音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイス Download PDF

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Description

本発明は、音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイスに関する。
圧電振動デバイスの一つとして、基部とこの基部から突出された2つの脚部を有する振動部とからなる音叉型水晶振動片を用いた音叉型水晶振動子がある(例えば、特許文献1参照。)。
上記したような音叉型水晶振動片では、さらに、外部と接合する接合部が、基部の2つの脚部を形成した一端面と対向する他端面から突出形成された突出部に形成されている。この基部の他端面から突出形成された突出部は、基部の他端面から両側面に沿ってT字状に2股に分かれて延出して成形され、それぞれ先端部は、2つの脚部の先端と同じ方向に向いており、この先端部に接合部が形成されている。
この音叉型水晶振動子では、その本体筐体がベースと蓋とから構成され、本体筐体の内部には、ベース上に導電性材料により音叉型水晶振動片の接合部が電気機械的に接合され、この接合された音叉型水晶振動片が本体筐体の内部に気密封止されている。
特開2004−357178号公報
上記したように、特許文献1に記載の音叉型圧電振動子によれば、ベース上に導電性材料により音叉型水晶振動片の接合部が電気機械的に接合されているので、振動部である脚部から、ベースの接合位置までの引回し電極が長くなり、脚部で生じる振動が伝わり難くなる。
しかしながら、その反面、ベースへの接合位置が突出部の先端部に形成された接合部であり、また振動部が脚部であるので、基部を介した振動部から接合部までの実質距離が長くなる。その結果、振動の応力や、当該音叉型水晶振動子を外部から衝撃を加えた時の外力に対して耐え難く、基部や接合部で応力や外力を受けて、水晶振動片が割れ易くなる。また、突出部の平面視全長が長くなるので、平面視全長が長い突出部を搭載するためのベースの搭載領域を確保する必要があり、その結果、水晶振動子の本体筐体の小型化の妨げとなる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、応力や外力に強い小型化に適した音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる音叉型圧電振動片は、少なくとも、圧電振動素板が、振動部である複数本の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、前記圧電振動素板に、一対の励振電極と、前記一対の励振電極からそれぞれ引き出された一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する接合部が形成され、前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、前記接合部では、前記他主面における一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、他方の引出電極が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、応力や外力に強く、音叉型圧電振動片が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことが可能となり、さらに小型化に適している。具体的に、本発明によれば、少なくとも前記圧電振動素板が前記複数本の脚部と前記基部とから構成され、前記圧電振動素板に、前記一対の励振電極と前記一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する前記接合部が形成されるので、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域を外部との接合領域として応力や外力に強い構成とすることが可能となる。また、本発明によれば、同一の主面の一領域に前記接合部が形成されるので、外力(例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型圧電振動片への外力)が当該音叉型圧電振動片に加わったとしても、前記接合部において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えることが可能となる。その結果、本発明によれば、例えば耐衝撃性などの耐久性を向上させることが可能となる。また、本発明によれば、前記接合部では、前記他主面における前記一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、前記他方の引出電極が形成されるので、狭小の領域に異極からなる一対の引出電極を集中した(近接した)状態で、外部と電気的に接合することが可能となり、その結果、良好な特性の当該音叉型圧電振動片を得ることができる。また、本構成によれば、上記した従来技術に示すように突出部を形成する必要がなくなり、前記接合部で応力や外力を受けて当該音叉型圧電振動片が割れるのを防止することが可能となるとともに、当該音叉型圧電振動片の小型化も図ることが可能となる。また、前記接合部では異極となる前記一対の引出電極が近接した構成となるので、前記脚部で生じる振動の漏れを低減することが可能となる。
前記構成において、前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、前記接合部には、前記圧電振動素板の両主面を貫通した貫通部(ビアまたはスルーホール)が形成され、前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回されてもよい。
この場合、前記接合部に前記貫通部が形成され、前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回されるので、前記一対の引出電極を同一の主面の一領域に引回すことが容易である。また、前記貫通部を形成せずに前記圧電振動素板の主面や側面などの表面により一主面に形成された一方の引出電極を他主面に引回す構成と比較して、本構成によれば、前記一方の引出電極を前記一主面から前記他主面に引回す必要がなく、さらに、本構成によれば、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域に前記接合部が形成されているので、上記した従来技術に示すように、先端部に接合部を形成した突出部を別途形成する必要がなくなる。そのため、本構成は、当該音叉型圧電振動片の前記圧電振動素板の小型化に好適である。
また、上記の目的を達成するため、本発明にかかる音叉型圧電振動片は、少なくとも、圧電振動素板が、振動部である複数本の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、前記圧電振動素板に、一対の励振電極と、前記一対の励振電極からそれぞれ引き出された一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する接合部が形成され、前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、前記接合部には、前記圧電振動素板の両主面を貫通した貫通部が形成され、前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回され、前記接合部では、前記他主面における貫通部の端面に形成された前記一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、前記貫通部と同心形状からなる前記他方の引出電極が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、応力や外力に強く、音叉型圧電振動片が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことが可能となり、さらに小型化に適している。具体的に、本発明によれば、少なくとも前記圧電振動素板が前記複数本の脚部と前記基部とから構成され、前記圧電振動素板に、前記一対の励振電極と前記一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する前記接合部が形成されるので、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域を外部との接合領域として応力や外力に強い構成とすることが可能となる。また、本発明によれば、同一の主面の一領域に前記接合部が形成されるので、外力(例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型圧電振動片への外力)が当該音叉型圧電振動片に加わったとしても、前記接合部において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えることが可能となる。その結果、本発明によれば、例えば耐衝撃性などの耐久性を向上させることが可能となる。また、本発明によれば、前記接合部に前記貫通部が形成され、前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回されるので、前記一対の引出電極を同一の主面の一領域に引回すことが容易である。また、前記貫通部を形成せずに前記圧電振動素板の主面や側面などの表面により一主面に形成された一方の引出電極を他主面に引回す構成と比較して、本構成によれば、前記一方の引出電極を前記一主面から前記他主面に引回す必要がなく、さらに、本構成によれば、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域に前記接合部が形成されているので、上記した従来技術に示すように、先端部に接合部を形成した突出部を別途形成する必要がなくなる。そのため、本構成は、当該音叉型圧電振動片の前記圧電振動素板の小型化に好適である。また、本発明によれば、前記接合部では、前記他主面における前記貫通部の端部に形成された前記一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、前記貫通部と同心形状からなる前記他方の引出電極が形成されているので、狭小の領域に異極からなる一対の引出電極を集中した(近接した)状態で、外部と電気的に接合することが可能となり、その結果、良好な特性の当該音叉型圧電振動片を得ることができる。また、本構成によれば、上記した従来技術に示すように突出部を形成する必要がなくなり、前記接合部で応力や外力を受けて当該音叉型圧電振動片が割れるのを防止することが可能となるとともに、当該音叉型圧電振動片の小型化も図ることが可能となる。また、前記接合部では異極となる前記一対の引出電極が近接した構成となるので、前記脚部で生じる振動の漏れを低減することが可能となる。そして更に、本構成によれば、前記他方の引出電極が前記貫通部と同心形状で形成されているので、小面積の前記接合部を形成することが可能となる。これにより、前記振動漏れの影響をより低減することが可能となる。
前記構成において、前記接合部では、前記一対の引出電極上にそれぞれメッキバンプが形成されてもよい。
この場合、前記接合部では、前記一対の引出電極上にそれぞれ前記メッキバンプが形成されるので、前記メッキバンプを当該音叉型圧電振動片に形成する際の位置決め精度を高めて、当該音叉型圧電振動片の接合部が小さい領域であっても、当該音叉型圧電振動片の適切な位置へ接合部材として前記メッキバンプを形成することが可能となる。また、前記メッキバンプの形成を、当該音叉型圧電振動片の他の金属材料(例えば周波数調整用錘など)の形成と一括して行うことが可能となる。
前記構成において、前記複数本の脚部は、前記基部の一端面から突出し、かつ、前記一端面に並設され、前記接合部は、前記基部の一端面と対向する他端面近傍であって、前記他端面の幅方向の中央位置にが形成されてもよい。
この場合、前記接合部が、前記基部の一端面と対向する他端面近傍であって、前記他端面の幅方向の中央位置に形成されるので、外力(例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型圧電振動片への外力)が当該音叉型圧電振動片に加わったとしても、前記接合部において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えるだけでなく、音響リークに対する悪影響を低減させることが可能となる。そのため、当該音叉型圧電振動片を外部(具体的に音叉型圧電振動デバイスの第1封止部材であるベースなど)に搭載するなど、他の部材に当該音叉型圧電振動片を接合したり、外力がかかったりすることで発振周波数のズレなどが生じる場合があるが、本構成によれば、このようなことは生じない。
前記構成において、前記複数本の脚部は、前記基部の一端面から突出し、かつ、前記一端面に並設され、前記基部には、前記基部の一端面と対向する他端面であって、前記他端面の幅方向の中央位置から突出部が突出して設けられ、前記突出部の基部側端部に、前記接合部が形成されてもよい。
この場合、前記複数本の脚部は、前記基部の一端面から突出し、かつ、前記一端面に並設され、前記基部には、前記基部の一端面と対向する他端面であって、前記他端面の幅方向の中央位置から突出部が突出して設けられ、前記突出部の基部側端部に、前記接合部が形成されるので、外力(例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型圧電振動片への外力)が当該音叉型圧電振動片に加わったとしても、前記接合部において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えるだけでなく、音響リークに対する悪影響を低減させることが可能となる。そのため、当該音叉型圧電振動片を外部に搭載するなど、他の部材(具体的に音叉型圧電振動デバイスの第1封止部材であるベースなど)に当該音叉型圧電振動片を接合したり、外力がかかったりすることで発振周波数のズレなどが生じる場合があるが、本構成によれば、このようなことは生じない。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる音叉型圧電振動デバイスは、上記した本発明にかかる音叉型圧電振動片と、前記音叉型圧電振動片を搭載する第1封止部材と、前記第1封止部材に搭載した前記音叉型圧電振動片を本体筐体内に気密封止するための第2封止部材と、が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、上記した本発明にかかる音叉型圧電振動片と、前記音叉型圧電振動片を搭載する第1封止部材と、前記第1封止部材に搭載した前記音叉型圧電振動片を本体筐体内に気密封止するための第2封止部材と、が設けられているので、応力や外力に強く、音叉型圧電振動片が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことが可能となり、さらに小型化に適している。また、本発明によれば、上記した本発明にかかる音叉型圧電振動片が設けられるので、上記した本発明にかかる音叉型圧電振動片と同様の作用効果を有する。
本発明にかかる音叉型圧電振動片、および音叉型圧電振動デバイスによれば、応力や外力に強く、音叉型圧電振動片が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことが可能となる。
図1は、本実施例にかかる水晶振動子の内部を公開した概略平面図である。 図2は、本実施例にかかる水晶振動子のベースの概略平面図である。 図3は、本実施例にかかる水晶振動片の一主面の概略平面図である。 図4は、本実施例にかかる水晶振動片の他主面の概略平面図である。 図5は、本実施例にかかる水晶振動片の接合部における一対の引出電極の概略平面図である。 図6は、本実施例にかかる水晶振動片の接合部における一対の引出電極とビア(貫通部)との関係を示した図5のX−X線概略断面図である。 図7は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の接合部における一対の引出電極の概略平面図である。 図8は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の接合部における一対の引出電極とスルーホール(貫通部)との関係を示した図7のX1−X1線概略断面図である。 図9は、本実施例の他の例にかかる水晶振動子の内部を公開した概略平面図である。 図10は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の一主面の概略平面図である。 図11は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の他主面の概略平面図である。 図12は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の一主面の概略平面図である。 図13は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の他主面の概略平面図である。 図14は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の一主面の概略平面図である。 図15は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の他主面の概略平面図である。 図16は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の一主面の概略平面図である。 図17は、本実施例の他の例にかかる水晶振動片の他主面の概略平面図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、音叉型圧電振動デバイスとして音叉型水晶振動子に本発明を適用した場合を示す。しかしながら、これは好適な例であり、本発明は、音叉型水晶振動子に限定されるものではなく、圧電材料を用いた音叉型圧電振動片を搭載した発振器などの音叉型圧電振動デバイスであってもよい。
本実施例にかかる音叉型水晶振動子1(以下、水晶振動子という)は、図1〜6に示すように、フォトリソグラフィ法で成形された音叉型水晶振動片2(本発明でいう音叉型圧電振動片であり、以下、水晶振動片という)と、この水晶振動片2を搭載する(保持する)第1封止部材であるベース3と、ベース3に搭載した(保持した)水晶振動片2を本体筐体内に気密封止するための第2封止部材である蓋(図示省略)と、が設けられて構成されている。
この水晶振動子1では、ベース3と蓋とが接合されて本体筐体が構成されている。具体的に、ベース3と蓋とが封止材(図示省略)を介して接合され、この接合により本体筐体の内部空間11が形成されている。そして、この本体筐体の内部空間11内のベース3上に、メッキバンプ24を介して水晶振動片2が保持接合されているとともに、本体筐体の内部空間11が気密封止されている。この際、水晶振動片2が、金属材料(例えば金)からなるメッキバンプ24を用いてFCB法によりベース3に超音波接合されるとともに電気機械的に接合されている。
次に、この水晶振動子1の各構成について説明する。
ベース3は、図1,2に示すように、底部31と、この底部31から上方に延出した堤部32とから構成される箱状体に形成されている。また、堤部32は、2層が積層されてなり、内部空間11に段部35が設けられる。このベース3は、セラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板上に、セラミック材料の直方体が積層して凹状に一体的に焼成されている。また、堤部32は、図1に示す底部31の平面視外周に沿って成形されている。この堤部32の上面には、蓋と接合するためのメタライズ層33が設けられている。なお、メタライズ層33は、例えば、タングステン層、あるいはモリブデン層上にニッケル,金の順でメッキした構成からなる。また、セラミック材料が積層して凹状に一体的に焼成されたベース3では、その内部空間11における長手方向の一端部に段部35が形成され、この段部35に、図1に示すように、一対の電極パッド341,342が形成され、これら電極パッド341,342上に水晶振動片2が搭載保持されている。電極パッド341は、図2に示すように、水晶振動片2の引出電極293と電気的に接合する平面視円形の電極パッドである。電極パッド342は、水晶振動片2の引出電極294と電気的に接合する電極パッドであり、段部35表面の電極パッド341の外周囲に輪状の一定の間隙を有して形成されている。また、これら電極パッド341,342は、それぞれに対応した引回電極(図示省略)を介して、ベース3の裏面に形成される端子電極(図示省略)に電気的に接続され、これら端子電極が外部部品や外部機器の外部電極に接続される。なお、これら電極パッド341,342、引回電極、端子電極は、タングステン、モリブデン等のメタライズ材料を印刷した後にベース3と一体的に焼成して形成される。そして、これら電極パッド341,342、引回電極、端子電極のうち一部のものについては、メタライズ上部にニッケルメッキが形成され、その上部に金メッキが形成されて構成される。
蓋は、例えば金属材料からなり、平面視矩形状の一枚板に成形されている。この蓋の下面には、封止材の一部が形成されている。この蓋は、シーム溶接やビーム溶接、加熱溶融接合等の手法により封止材を介してベース3に接合されて、蓋とベース3とによる水晶振動子1の本体筐体が構成される。
次に、内部空間11に配された水晶振動片2の各構成について説明する。
水晶振動片2は、異方性材料の水晶片である水晶素板(図示省略)から、ウエットエッチング形成された水晶Z板である。そのため、この水晶振動片2は量産に好適である。
この水晶振動片2は、図1〜3に示すように、振動部である2本の第1脚部21(本発明でいう脚部)および第2脚部22(本発明でいう脚部)と、第1脚部21および第2脚部22とを突出して設けた基部25とから構成された圧電振動素板20からなる。
基部25は、平面視左右対称形状とされ、図1,3,4に示すように、振動部(第1脚部21,第2脚部22)より幅広に形成されている。また、基部25の一端面251から他端面252にかけて漸次幅狭になるように、基部25の側面28が階段状に段部形成されている。
2本の第1脚部21および第2脚部22は、図1,3,4に示すように、基部25の一端面251から突出して隙間部253を介して一端面251に並設されている。なお、ここでいう隙間部253は、一端面251の幅方向の中央位置(中央領域)に設けられている。これら第1脚部21および第2脚部22の先端部211,221は、第1脚部21および第2脚部22の他の部位と比べて突出方向に対して直交する方向に幅広に成形され、さらにそれぞれ隅部は曲面形成されている。このように先端部211,221を幅広に成形することで、先端部211,221(先端領域)を有効に利用することができ、水晶振動片2の小型化に有用であり、低周波数化にも有用である。また、それぞれ先端部211,221の隅部を曲面形成することで、外力を受けた時などに堤部32などに接触するのを防止することができる。
また、2つの第1脚部21および第2脚部22の両主面26(一主面,他主面)には、水晶振動片2の小型化により劣化する直列共振抵抗値(本実施例ではCI値、以下同様)を改善させるために、溝部27がそれぞれ形成されている。また、水晶振動片2の外形のうち側面28は両主面26に対して傾斜して成形されている。これは、水晶振動片2を湿式でエッチング成形する際に素板材料の結晶方向(X,Y方向)へのエッチングスピードが異なることに起因している。
上記した構成からなる水晶振動片2には、異電位で構成された2つの第1励振電極291および第2励振電極292と、これら第1励振電極291および第2励振電極292を電極パッド341,342に電気的に接続させるためにこれら第1励振電極291および第2励振電極292から引き出された引出電極293(本発明でいう一方の引出電極)および引出電極294(本発明でいう他方の引出電極)とが形成されている。なお、本実施例でいう引出電極293,294は、2つのこれら第1励振電極291および第2励振電極292からそれぞれ引き出された電極パターンのことをいう。
また、2つの第1励振電極291および第2励振電極292の一部は、第1脚部21と第2脚部22との溝部27の内部に形成されている。このため、水晶振動片2を小型化しても第1脚部21および第2脚部22の振動損失が抑制され、CI値を低く抑えることができる。
第1励振電極291は、第1脚部21の両主面26(一主面,他主面)と、第2脚部22の両側面28および先端部221の両主面26に形成されている。第1脚部21の両主面26に形成された第1励振電極291は、基部25に形成された引出電極293を介して第2脚部22の両側面28および先端部221の両主面26に形成された第1励振電極291と繋がっている。すなわち、第1脚部21の両主面26に形成された第1励振電極291と、第2脚部22の両側面28および先端部221の両主面26に形成された第1励振電極291とは直接繋がっていない。なお、さらに第2脚部22の先端部221の両主面26を貫通するビアを形成し、このビアを介して第2脚部22の先端部221の両主面26に形成した第1励振電極291を繋げてもよい。この場合、第2脚部22の両側面28および先端部221の両主面26に形成された第1励振電極291の一部に断線などが生じた場合であっても、第2脚部22の先端部221の両主面26に形成した第1励振電極291を繋げることができる。
同様に、第2励振電極292は、第2脚部22の両主面26(一主面,他主面)と、第1脚部21の両側面28および先端部211の両主面26に形成されている。第2脚部22の両主面26に形成された第2励振電極292は、基部25に形成された引出電極294を介して第1脚部21の両側面28および先端部211の両主面26に形成された第2励振電極292と繋がっている。すなわち、第2脚部22の両主面26に形成された第2励振電極292と、第1脚部21の両側面28および先端部211の両主面26に形成された第2励振電極292とは直接繋がっていない。なお、さらに第1脚部21の先端部211の両主面26を貫通するビアを形成し、このビアを介して第1脚部21の先端部211の両主面26に形成した第2励振電極292を繋げてもよい。この場合、第1脚部21の両側面28および先端部211の両主面26に形成された第2励振電極292の一部に断線などが生じた場合であっても、第1脚部21の先端部211の両主面26に形成した第2励振電極292を繋げることができる。
上記した水晶振動片2の第1励振電極291,第2励振電極292や引出電極293,294は、金属蒸着によって圧電振動素板20の各面(両主面26および側面28)上にクロム層が形成され、このクロム層上に金属が形成されて構成される薄膜である。この薄膜は、真空蒸着法等の手法により圧電振動素板20全面に形成された後、フォトリソグラフィ法によりメタルエッチングして所望の形状に形成される。なお、第1励振電極291,第2励振電極292および引出電極293,294がクロム,金の順に形成されているが、例えば、クロム,銀の順や,クロム,金,クロムの順や,クロム,銀,クロムの順等であってもよい。
さらに、各第1脚部21および第2脚部22の先端部211,221には、周波数調整用錘としての金属膜295がそれぞれ形成されている。具体的に、金属膜295と第1励振電極291と引出電極293とが一体形成され、金属膜295と第2励振電極292と引出電極294とが一体形成されている。
また、本実施例にかかる水晶振動片2には、図4に示すように、上記した基部25の他主面26に、外部(本実施例ではベース3の電極パッド341,342)と接合する接合部23が形成されている。
接合部23は、図4に示すように、同一の主面26(本実施例では他主面26)の一領域において引出電極293,294を外部電極(本発明でいう外部であり、本実施例ではベース3の電極パッド341,342)と電気機械的に接合するためのものである。具体的に、接合部23は、2本の第1脚部21および第2脚部22が突出した基部25の一端面251と対向する他端面252近傍であって、その他端面252の幅方向の中央位置(中間位置)に形成されている。この接合部23は、2本の第1脚部21と第2脚部22との間に配された隙間部253と正対向する位置に形成されている。このように、2本の第1脚部21と第2脚部22との間に配された隙間部253と正対向する他端面252近傍の位置に接合部23が形成されるので、接合部23から第1脚部21および第2脚部22への実質的な距離(直線距離)が、それぞれ同じ距離となっている。
接合部23には、図4〜6に示すように、圧電振動素板20の両主面26(一主面26,他主面26)を貫通した貫通部(本実施例ではビア4)が形成されている。ビア4は、図6に示すように、ビア4の内側面41は両主面26に対して傾斜を有しテーパー状に形成されている。そして、ビア4は、圧電振動素板20の厚さ方向の中間点辺りの位置において狭小の径を有し、ビア4の端部42の径が最大径となる。
このビア4内には、導電性材料である金と錫とを用いて、これら金と錫との溶融拡散を行ない少なくともAu−Sn合金から構成される導電部296が充填されている。なお、導電部296はAu−Sn合金以外に、Auが充填された状態であってもよい。また、ビア4は必ずしも導体が充填された状態である必要はなく、貫通部であればよく、その貫通部の内側面に導体が被着された図7,8に示す形態(いわゆるスルーホール)であってもよい。
そして、この導電部296が、一対の引出電極293,294のうち第1励振電極291から引き出された引出電極293(本発明でいう一方の引出電極)と電気的に接続されている。このように導電部296は引出電極293の一部となっており、導電部296と引出電極293とが電気的に接続され、一主面26に形成された引出電極293がビア4内の導電部296を介して他主面26に引回されている。
また、接合部23では、図5に示すように、他主面26におけるビア4の端部42に形成された引出電極293の他主面26の面方向の周囲に、第2励振電極292から引き出された引出電極294(本発明でいう他方の引出電極)が形成されている。本実施例では、接合部23における引出電極294は、ビア4の端部42の形状に対してビア4と同心円の形状からなり、ビア4の端部42に形成された引出電極293を囲むように輪状に、引出電極293の平面視外周に沿って形成されている。そして、この接合部23に形成された一対の引出電極293,294上には、図6に示すように、ベース3の電極パッド341,342と電気的に接続するためにそれぞれメッキバンプ24が形成されている。
この接合部23へのメッキバンプ24の形成に関して、フォトリソグラフィ法を用いて接合部23を所望形状(本実施例では、平面視円形と輪形状)に露光・現像して開口部を形成し、この開口部のみを電解メッキ法などの手法によってメッキバンプ24を形成する。そしてメッキバンプ24の形成後にアニール処理を施す。このように、バンプにメッキバンプ24を用いることで、安定してベース3上に水晶振動片2をメッキバンプ24を介して電気機械的に接合することができる。具体的に、バンプにメッキバンプ24を用いることで、水晶振動片2を外部(ベース3)に搭載する前に、水晶振動片2にメッキバンプ24を形成することができる。その結果、常に水晶振動片2の所望の形成位置にメッキバンプ24を形成しているので、例えば、水晶振動片2の外部(ベース3)への搭載位置が所望位置からずれた場合であっても、水晶振動片2が外部(ベース3)にバンプがずれた状態で搭載されることを防止することができ、安定したベース3への水晶振動片2の搭載を行うことができる。
なお、上記した構成からなる水晶振動片2には、基部25の予め設定した箇所(本実施例では基部25の平面視中央領域)において、接合部23のビア4と同様の形状からなるビア4が2箇所形成されている。これら2箇所のビア4は、基部25における引出電極293,294をそれぞれ両主面26間において引回すために用いられている。なお、これら2箇所のビア4は一実施形態であって、その数は限定されるものではなく、引出電極293,294の引回し設計に関係する。
上記したように本実施例にかかる水晶振動片2を搭載した水晶振動子1によれば、応力や外力に強く、水晶振動片2が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことが可能となり、さらに小型化に適している。
具体的に、本実施例によれば、少なくとも圧電振動素板20が2本の第1脚部21と第2脚部22と基部25とから構成され、圧電振動素板20に、一対の第1励振電極291、第2励振電極292と、一対の引出電極293,294とが形成され、かつ、圧電振動素板20の同一の主面26(本実施例では他主面26)の一領域において一対の引出電極293,294がそれぞれ電気的に外部と接合する接合部23が形成されるので、圧電振動素板20の同一の主面26の一領域を外部との接合領域として応力や外力に強い構成とすることができる。
また、本実施例によれば、同一の主面26の一領域に接合部23が形成されるので、外力(例えば、水晶振動片2の落下によって生じる水晶振動片2への外力)が水晶振動片2に加わったとしても、接合部23において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えることができる。その結果、本実施例によれば、例えば耐衝撃性などの耐久性を向上させることができる。
また、接合部23に貫通部であるビア4が形成され、ビア4には一対の引出電極293,294のうち一方の引出電極293(具体的に導電部296)が形成され、両主面26のうち一主面26に形成された一方の引出電極293がビア4を介して他主面26に引回されるので、一対の引出電極293,294を同一の主面26の一領域に引回すことが容易である。また、ビア4を形成せずに圧電振動素板20の主面26や側面28などの表面により一主面26に形成された一方の引出電極293を他主面26に引回す構成と比較して、本構成によれば、一方の引出電極293を一主面26から他主面26に引回す必要がなく、さらに、本実施例によれば、圧電振動素板20の同一の主面26(他主面26)の一領域に接合部23が形成されているので、上記した従来技術に示すように、先端部に接合部を形成した突出部を別途形成する必要がなくなる。そのため、本構成は、水晶振動片2の圧電振動素板20の小型化に好適である。
また、接合部23では、一対の引出電極293,294上にフォトリソグラフィ法を用いてそれぞれメッキバンプ24が形成されるので、メッキバンプ24を水晶振動片2に形成する際の位置決め精度を高めることができる。その結果、水晶振動片2の接合部23が小さい領域であっても、水晶振動片2の適切な位置へ接合部材としてメッキバンプ24を形成することができる。また、メッキバンプ24の形成を、水晶振動片2の他の金属材料(例えば金属膜295)の形成と一括して行うことができる。
また、本実施例では、接合部23では、他主面26における一方の引出電極293の他主面26の面方向の周囲に、引出電極294が形成されている。具体的に、貫通部であるビア4の端部42に形成された引出電極293の周囲に、ビア42と同心形状からなる引出電極294が形成されている。そのため、本実施例によれば、狭小の領域に異極からなる一対の引出電極293,294を集中した(近接した)状態で、外部と電気的に接合することができ、その結果、良好な特性の当該水晶振動片2(水晶振動子1)を得ることができる。
また、本実施例によれば、上記した従来技術に示すように突出部を形成する必要がなくなり、接合部23で応力や外力を受けて当該水晶振動片2が割れるのを防止することができるとともに、当該水晶振動片2の小型化も図ることができる。
また、接合部23では異極となる一対の引出電極293,294が近接した構成となるので、第1脚部21、第2脚部22で生じる振動の漏れを低減することができる。
そして更に、本実施例によれば、引出電極294が貫通部であるビア4と同心形状で形成されているので、小面積の接合部23を形成することができ、これにより、振動漏れの影響をより低減することができる。
また、接合部23は、基部25の一端面251と対向する他端面252近傍であって、他端面252の幅方向の中央位置に、接合部23が形成されるので、外力(例えば、水晶振動片2の落下によって生じる水晶振動片2への外力)が水晶振動片2に加わったとしても、接合部23において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えるだけでなく、音響リークに対する悪影響を低減させることができる。そのため、水晶振動片2を外部に搭載するなど、他の部材に水晶振動片2を接合したり、外力がかかったりすることで発振周波数のズレなどが生じる場合があるが、本構成によれば、このようなことは生じない。
また、本実施例にかかる水晶振動子1によれば、本実施例にかかる水晶振動片2と、水晶振動片2を搭載する第1封止部材であるベース3と、ベース3に搭載した水晶振動片2を本体筐体内に気密封止するための第2封止部材である蓋と、が設けられているので、応力や外力に強く、水晶振動片2が割れるなどの不具合が生じるのを防ぐことができ、さらに小型化に適している。また、本実施例にかかる水晶振動子1によれば、上記した本実施例にかかる水晶振動片2が設けられるので、上記した本実施例にかかる水晶振動片2と同様の作用効果を有する。
なお、本実施例では、圧電材料として水晶を用いているが、これは好適な例でありこれに限定されるものではなく、水晶以外の圧電材料、例えば、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等であってもよい。
また、本実施例でいう溝部27は、図1に示すような断面凹形状としているが、これに限定されるものではなく、窪み部であってもよい。
また、本実施例では、第1脚部21および第2脚部22に溝部27を形成しているが、これは好適な例であり、この場合、振動部である第1脚部21および第2脚部22に溝部27の少なくとも一つの主面26に溝部27が形成されるので、水晶振動片2の小型化によって劣化する直列共振抵抗値(本実施例ではCI値)を改善することができる。しかしながら、CI値の改善を図る必要がない場合、例えば、第1脚部21および第2脚部22に溝部が形成されていない水晶振動片2にも本発明を適用することができる。
また、本実施例では、第1脚部21および第2脚部22のそれぞれ両主面26に溝部27を形成しているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく、いずれか一つの主面26に溝部27が形成されても、溝部27を形成することで生じる効果は有する。
また、本実施例では、振動部として第1脚部21および第2脚部22を用いているが、その本数は2本に限定されるものではない。
また、本実施例では、ベース3と蓋とから本体筐体を構成しているが、これに限定されるものではなく、本発明でいう第1封止部材と第2封止部材に対応する部材により、水晶振動片2の第1励振電極291,第2励振電極292を封止することができれば、二つのベース2により本体筐体を構成してもよく、その形態は問わない。なお、メッキバンプ24に対応するベース3側の電極等をフォトリソグラフィ法を用いて高精度に形成する上で、例えばベース3に水晶やガラスを用いる構成が好ましい。
また、本実施例では、基部25の一端面251から他端面252にかけて漸次幅狭になるように、基部25の側面28が階段状に段部形成されているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく、基部25の幅は一端面251から他端面252にかけて同じであってもよい。
また、本実施例では、基部25に接合部23が形成されているが、これに限定されるものではなく、図9に示す形態であってもよい。図9に示す形態では、基部25の他端面252の幅方向の中央位置から突出部5が突出して設けられ、突出部5の基部側端部に接合部23が形成されている。この図9に示す突出部5は、基部25の他端面252に対して平面視垂直方向に突出した短辺部51と、短辺部51の先端部と連なり短辺部51の先端部において平面視直角に折曲されて基部25の幅方向に延出する長辺部52とから構成され、突出部5の先端部53は基部25の幅方向に向いている。すなわち、突出部5は、平面視L字状に成形され、平面視L字状に成形された折曲箇所である折曲部54が短辺部51の先端部に対応し、この折曲部54に接合部23が形成されている。
この場合、外力(例えば、水晶振動片2の落下によって生じる水晶振動片2への外力)が水晶振動片2に加わったとしても、接合部23において物理的および電気的な破断が発生するのを抑えるだけでなく、音響リークに対する悪影響を低減させることができる。そのため、水晶振動片2を外部に搭載するなど、他の部材に水晶振動片2を接合したり、外力を受けたりすることで発振周波数のズレなどが生じる場合があるが、本構成によれば、このようなことは生じない。
また、本実施例では、接合部23における引出電極293の平面視形状はビア4の端部42と同じ円形であり、引出電極294は、ビア4の端部42の形状に対してビア4と同心円の形状からなり、ビア4の端部42に形成された引出電極293を囲むように輪状に引出電極293の平面視外周に沿って形成されているが、これに限定されるものではなく、ビア4の端部42に形成された引出電極293の周囲に、ビア4と同心形状からなる引出電極294が形成されていればよく、具体的に、図10,11に示す形態や、図12,13に示す形態であってもよい。また、本実施例では、ビア4の端部42に形成された引出電極293は、ビア4の端部42と同形状の円形に形成されているが、これに限定されるものではなく、平面視四角形などの多角形であってもよい。
図10,11に示す形態は、本実施例と比べて接合部23における引出電極294の形状が異なるだけで他の構成は同一構成からなる。そのため、ここでは、本実施例と異なる引出電極294の形状のみを説明し、他の構成の説明は省略する。
図10,11に示す引出電極294は、平面視円状に形成された接合部23における引出電極293を囲むように、一部欠けを有する輪状に引出電極293の平面視外周に沿って形成されている。具体的に、ここでいう一部欠けを有する輪状体からなる引出電極294は、2組4つの片から構成され、各組の片がそれぞれ引出電極293の中心点を中心として対向し、これら対向する片を結ぶ線を直交するように4つの片が接合部23に配されている。
図12,13に示す形態は、本実施例と比べて接合部23における引出電極294の形状が異なるだけで他の構成は同一構成からなる。そのため、ここでは、本実施例と異なる引出電極294の形状のみを説明し、他の構成の説明は省略する。
図12,13に示す引出電極294は、ビア4の端部42の形状に対してビア4と同心円の形状からなり、ビア4の端部42に形成された引出電極293を囲むように、一部欠けを有する輪状に引出電極293の平面視外周に沿って形成されている。具体的に、ここでいう一部欠けを有する輪状体からなる引出電極294は、1組2つの片がビア4の中心点を中心として対向配置してなる。
また、図12,13に示す形態では、接合部23にビア4を形成して一主面26に形成された引出電極293をビア4を介して他主面26の接合部23に引回しているが、これに限定されるものではなく、図14,15に示すように圧電振動素板20の側面28を介して一主面26に形成された引出電極293を他主面26の接合部23に引回してもよい。
なお、本実施例の同心円状のメッキバンプ24に関して、内側のバンプとその外側のバンプの間に絶縁材を介在させた状態でメッキバンプ24を形成することによってこれら内側のバンプと外側のバンプとのバンプ間(電極間)の短絡を防止することができる。また、メッキバンプ24の形成領域をエッチングすることによって、内側のバンプとその外側のバンプの間に水晶の突部を形成することができ、この水晶の突部によりバンプ間(電極間)の短絡を防止ことができる。
また、本実施例では、基部25の平面視中央領域において、接合部23のビア4と同様の形状からなるビア4が2箇所形成されているが、これら2箇所のビア4は必ずしも要するものではなく、図16,17に示すように2箇所のビアを形成しない形態であってもよい。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、音叉型圧電振動片、音叉型圧電振動デバイスに適用でき、特に音叉型水晶振動子に好適である。
1 音叉型水晶振動子(音叉型圧電振動デバイス)
2 音叉型水晶振動片(音叉型圧電振動片)
20 圧電振動素板
21 第1脚部(脚部)
22 第2脚部(脚部)
23 接合部
24 メッキバンプ
25 基部
251 一端面
252 他端面
26 主面
291 第1励振電極
292 第2励振電極
293,294 引出電極
296 導電部
3 ベース(第1封止部材)
4 ビア
5 突出部

Claims (7)

  1. 音叉型圧電振動片において、
    少なくとも、圧電振動素板が、振動部である複数本の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、
    前記圧電振動素板に、一対の励振電極と、前記一対の励振電極からそれぞれ引き出された一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する接合部が形成され、
    前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、前記接合部では、前記他主面における一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、他方の引出電極が形成されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の音叉型圧電振動片において、
    前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、
    前記接合部には、前記圧電振動素板の両主面を貫通した貫通部が形成され、
    前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  3. 音叉型圧電振動片において、
    少なくとも、圧電振動素板が、振動部である複数本の脚部と、前記脚部を突出して設けた基部とから構成され、
    前記圧電振動素板に、一対の励振電極と、前記一対の励振電極からそれぞれ引き出された一対の引出電極とが形成され、かつ、前記圧電振動素板の同一の主面の一領域において前記一対の引出電極がそれぞれ電気的に外部と接合する接合部が形成され、
    前記接合部は、前記圧電振動素板の他主面に設けられ、
    前記接合部には、前記圧電振動素板の両主面を貫通した貫通部が形成され、
    前記貫通部には前記一対の引出電極のうち一方の引出電極が形成され、前記両主面のうち一主面に形成された前記一方の引出電極が前記貫通部を介して他主面に引回され、
    前記接合部では、前記他主面における貫通部の端面に形成された前記一方の引出電極の前記他主面の面方向の周囲に、前記貫通部と同心形状からなる前記他方の引出電極が形成されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の音叉型圧電振動片において、
    前記接合部では、前記一対の引出電極上にそれぞれメッキバンプが形成されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の音叉型圧電振動片において、
    前記複数本の脚部は、前記基部の一端面から突出し、かつ、前記一端面に並設され、
    前記接合部は、前記基部の一端面と対向する他端面近傍であって、前記他端面の幅方向の中央位置に形成されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1つに記載の音叉型圧電振動片において、
    前記複数本の脚部は、前記基部の一端面から突出し、かつ、前記一端面に並設され、
    前記基部には、前記基部の一端面と対向する他端面であって、前記他端面の幅方向の中央位置から突出部が突出して設けられ、
    前記突出部の基部側端部に、前記接合部が形成されたことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  7. 音叉型圧電振動デバイスにおいて、
    請求項1乃至6のうちいずれか1つに記載の音叉型圧電振動片と、前記音叉型圧電振動片を搭載する第1封止部材と、前記第1封止部材に搭載した前記音叉型圧電振動片を本体筐体内に気密封止するための第2封止部材と、が設けられたことを特徴とする音叉型圧電振動デバイス。
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