JP5217488B2 - 生体情報処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
ロリー量を算出するものがある(例えば、特許文献1参照)。この種の装置では、安静時
脈拍数を予め設定しておく必要がある。このため、事前にユーザが測定した安静時脈拍数
を入力したり、ユーザが入力した年齢から安静時脈拍数の推定値を算出して設定している
。
つもりでも正確な安静時脈拍数を測定できていない場合があり、また、同一年齢であって
も実際の安静時脈拍数には個人差がある。このため、必ずしもユーザに合わせた消費カロ
リーを算出できるわけではなかった。
量を算出できる生体情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
定する脈拍測定部と、前記ユーザの安静時脈拍数及び最大脈拍数の各設定値を記憶する記
憶部と、前記脈拍測定部で測定した脈拍数と、前記記憶部に記憶された安静時脈拍数及び
最大脈拍数の各設定値とに基づいて消費カロリー量を算出する消費カロリー算出部と、前
記脈拍測定部で測定した脈拍数が、安静時脈拍数と推定可能な予め定めた条件を満たすか
否かを判定する判定部とを備え、前記判定部が前記条件を満たしたと判定した場合に、前
記記憶部に記憶された安静時脈拍数の設定値を、前記条件を満たした脈拍数に更新するこ
とを特徴としている。
この構成によれば、脈拍測定部で測定した脈拍数が、安静時脈拍数と推定可能な予め定
めた条件を満たすか否かを判定し、条件を満たす場合に、記憶部に記憶された安静時脈拍
数の設定値を更新するので、ユーザの個人差を反映した安静時脈拍数を設定できる。この
ため、この安静時脈拍数に基づいてユーザに合わせた消費カロリー量を算出することがで
きる。
た安静時脈拍数の設定値を継続して下回ったことにしてもよい。
また、前記ユーザの体動レベルを検出する体動検出部を備え、前記予め定めた条件は、
前記体動検出部が検出した体動レベルが、安静状態と判定可能なレベルの場合に測定され
た脈拍数であることを含むことにしてもよい。
また、前記記憶部に記憶された安静時脈拍数の設定値を更新する場合、この設定値の値
を、前記条件を満たした脈拍数に徐々に近づける値変更処理を行った後に、前記条件を満
たした脈拍数に更新するようにしてもよい。
さらに、前記脈拍測定部は、安静時脈拍数の測定指示を入力する指示入力部を有し、前
記判定部は、安静時脈拍数の測定指示が入力された場合に、前記脈拍測定部で測定した脈
拍数が、安静時脈拍数と推定可能な予め定めた条件を満たすか否かを判定するようにして
もよい。
さらにまた、前記判定部は、前記脈拍測定部で測定した脈拍数が、最大脈拍数と推定可
能な予め定めた他の条件を満たすか否かを判定し、前記判定部が前記他の条件を満たした
と判定した場合に、前記記憶部に記憶された最大脈拍数の設定値を、前記他の条件を満た
した脈拍数に更新するようにしてもよい。
この場合、前記他の条件は、測定した脈拍数が、前記記憶部に記憶された最大脈拍数の
設定値を継続して上回ったことにしてもよい。
拍測定過程と、測定した脈拍数と、記憶部に記憶された安静時脈拍数及び最大脈拍数の各
設定値とに基づいて消費カロリー量を算出する消費カロリー算出過程とを備え、測定した
脈拍数が、安静時脈拍数と推定可能な予め定めた条件を満たすか否かを判定し、前記条件
を満たしたと判定した場合に、前記記憶部に記憶された安静時脈拍数の設定値を、前記条
件を満たした脈拍数に更新することを特徴としている。
図1は、本実施形態に係る生体情報処理装置1を示す図である。この生体情報処理装置
1は、ユーザの脈拍情報である脈波信号を検出し、検出した脈波信号から脈拍数を算出し
、また算出した脈拍数に基づいてユーザの消費カロリーを算出するものである。
生体情報処理装置1は、大別すると、ユーザの手首Lに装着される腕時計型の装置本体
10と、この装置本体10にケーブル20を介して信号通信可能に接続され、ユーザの脈
拍情報である脈波信号を検出する脈波センサ(脈拍測定部)30とを備えている。装置本
体10には、図1に示すように、リストバンド12が設けられており、このリストバンド
12を介して、装置本体10は、ユーザの手首Lに着脱自在に装着される。
置1をユーザに装着した状態において、装置本体10を3時の方向からみた側面図である
。
図2において、装置本体10は、樹脂製の時計ケース11を備えている。時計ケース1
1の表面側には、現在時刻や日付に加えて、ユーザの脈拍数や、消費カロリー、体動のピ
ッチ等を表示するELバックライト付きの液晶表示装置13(表示部)が設けられている
。
液晶表示装置13には、表示面の左上側に位置する第1のセグメント表示領域131、
右上側に位置する第2のセグメント表示領域132、右下側に位置する第3のセグメント
表示領域133、及び左下側に位置するドット表示領域134が構成されており、ドット
表示領域134では、各種の情報をグラフィック表示可能である。
時計ケース11の外周部には、消費カロリーの測定開始等の各種指示を行うためのボタ
ンスイッチ111〜115が設けられ、時計ケース11の表面には、大きめのボタンスイ
ッチ116、117が設けられている。本実施形態では、これらボタンスイッチ111〜
117を利用してユーザが自身の性別・年齢・身長・体重等の個別情報を入力し、登録す
ることができる構成となっている。この登録された個別情報は、後述する消費カロリー計
算時に利用される。
動センサ90は、生体情報処理装置1の装置本体10自体の動きの有無を検出するため、
装置本体10時体の動きのレベルを算出するため、また、ユーザの体動のピッチや、体動
のレベルを算出するために用いられる体動信号を検出するセンサである。
また、時計ケース11の内部には、生体情報処理装置1の各部を中枢的に制御する制御
部5が設けられている。この制御部5は、脈波センサ30が検出した脈波信号に基づいて
脈拍数及び消費カロリーを算出する。また、制御部5は、体動センサ90が検出した体動
信号に基づいて装置本体10の動きの有無を検出し、装置本体10の動きのレベルを算出
し、さらに、ユーザの体動のピッチや体動のレベルを算出する。制御部5は、算出した脈
拍数や、消費カロリー、ユーザの体動のピッチ、体動のレベルを、ユーザの指示に応じて
液晶表示装置13に表示することができる。さらに、制御部5は、計時回路を備えており
、通常時刻なども液晶表示装置13に表示可能となっている。
電池59は、生体情報処理装置1に電力を供給するものである。脈波センサ30には、ケ
ーブル20を介してこの電池59から電力が供給される。時計ケース11の内部において
、電池59に対して9時の方向には、ブザー用の偏平な圧電素子58が配置されている。
電池59は、圧電素子58に比較して重いため、装置本体10の重心位置は、3時の方向
に偏った位置にある。この重心が偏っている側にリストバンド12が接続してあるので、
装置本体10を腕に安定した状態で装着できる。さらに、電池59と圧電素子58とを平
面方向に配置してあるため、装置本体10を薄型化できる。
連結するための連結部121が形成され、6時方向には、リストバンド12の他方の端部
を連結するための連結部122が形成されており、これら連結部121、122を介して
時計ケース11にリストバンド12が連結されている。
また、装置本体10の6時方向には、図3に示すように、裏面部119側へ向かって湾
曲した湾曲部109が形成されており、この湾曲部の6時方向の端部に回転止め部108
が形成されている。そして生体情報処理装置1が手首Lに装着された際には、時計ケース
11の裏面部119が手首Lの上面部L1に密着すると共に、回転止め部108が手首L
の橈骨Rの存在する側の側面である側面部L2に当接する。このため、装置本体10を図
3の矢印Aまたは矢印Bの方向に回転しようとしても、裏面部119及び回転止め部10
8によって回転が阻まれ、装置本体10が手首Lの周りを不必要にずれることがない。特
に、本実施形態では、ユーザが生体情報処理装置1を装着した状態で運動することが想定
されているが、上記構成によりユーザが運動した場合であっても装置本体10が手首Lの
周りを不必要にずれることがないため、ユーザの快適性の向上を図ることができる。
の断面図である。なお、図5では、図5における上方向が、脈波センサ30が指に装着さ
れたときに、指が位置する方向である。
脈波センサ30は、ユーザの脈拍情報である脈波信号を検出するためのセンサであり、
センサ固定用バンド40によって遮光された状態でユーザの指の根元から指関節までの間
に装着される。このように、脈波センサ30は指の根元に装着されるため、装置本体10
と脈波センサ30との距離が近くなり、ケーブル20が短くて済み、ケーブル20の緩み
や弛みを防止することができ、ユーザの運動中にケーブル20が邪魔にならない。また、
掌から指先までの体温の分布を計測すると、寒いときには、指先の温度が著しく低下する
のに対し、指の根元の温度は比較的低下しない。従って、指の根元に脈波センサ30を装
着した場合、外気の温度に比較的影響されること無く、ユーザの脈波信号を検出すること
ができる。
02が被されることによって、内側に部品収納空間400が形成されている。部品収納空
間400には、回路基板35が配置されている。回路基板35には、LED31、フォト
トランジスタ32、その他の電子部品が実装されている。脈波センサ30には、ブッシュ
493によってケーブル20の端部が固定され、ケーブル20の各配線は、各回路基板3
5のパターン上にはんだ付けされている。
センサ枠36の上面部分には、ガラス板からなる透光板34が設けられており、この当
光板の下方には、この透光板34に対して発光面を向けた状態でLED31が配置される
と共に、受光面を向けた状態でフォトトランジスタ32が配置される。この構成のため、
脈波信号を検出するべく脈波センサ30を指に装着したときに、LED31が発した光が
透光板34を介して指に照射され、指から反射した光を透光板34を介してフォトトラン
ジスタ32が受光することができる。ここで、透光板34の外側表面441と指表面との
密着性を高めるため、透光板34の外側表面441は、その周囲部分461から突出して
いる構造になっている。
た光をフォトトランジスタ32にて受光することによって脈波信号を検出する。この脈波
信号の検出にあたって、本実施形態では、発光波長領域が300nm〜700nmまでの
範囲にあるLED44と、受光波長領域が700nm以下のフォトトランジスタ45とを
用いている。これにより、外光に含まれる光のうち、波長領域が700nm以下の光は、
指を導光体としてフォトトランジスタ45にまで到達しない一方、300nm以下の光は
、皮膚表面でそのほとんどが吸収されるため、外光の直射の影響を受けることなく脈波の
検出を行うことができる。
図6に示すように、制御部5は、大別すると、脈波センサ30が検出した脈波信号の整
形やA/D変換を行う脈波データ処理部500と、体動センサ90が検出した体動信号の
整形やA/D変換を行う体動データ処理部501と、動作クロック信号を生成するクロッ
ク生成部502と、制御部5全体を制御するコントロール部503とを備えている。
脈波データ処理部500は、脈波信号増幅回路303と、脈波波形整形回路306と、
体動データ処理部501と共有するA/D変換回路305とを備えている。脈波信号増幅
回路303は、脈波センサ30から入力された脈波信号を増幅して生成した脈波増幅信号
をA/D変換回路305及び脈波波形整形回路306に出力する。脈波波形整形回路30
6は、脈波増幅信号の波形整形を行ってコントロール部503に出力する。A/D変換回
路305は、脈波増幅信号のA/D変換を行って脈波データとしてコントロール部503
に出力する。
備える。体動信号増幅回路304は、体動センサ90から入力された体動信号を増幅して
生成した体動増幅信号をA/D変換回路305及び体動波形整形回路307に出力する。
体動波形整形回路307は、体動増幅信号の波形整形を行ってコントロール部503に出
力する。A/D変換回路305は、体動増幅信号のA/D変換を行って体動データとして
コントロール部503に出力する。
クロック生成部502は、発振回路312及び分周回路313を備えている。発振回路
312は、水晶発振器を備え、コントロール部503にクロック信号を基準動作クロック
として供給するとともに、クロック信号から計時用クロック信号を生成させるべく、分周
回路313に供給する。分周回路313は、供給されたクロック信号を分周して、各種の
計時用クロック信号を生成してコントロール部503に供給する。
0と、通信部311とを備えている。MPU308は、ROM310に記憶された制御プ
ログラムに基づいて生体情報処理装置1の各部を中枢的に制御する。RAM309は、M
PU308のワークエリアとして用いられ、MPU308による演算結果や、上述した脈
波データ及び体動データを含む各種データを一時的に記憶する。また、このRAM309
は、ユーザの安静時脈拍数HRrest及び最大脈拍数HRmaxの各設定値及びユーザ
の(測定対象者)の体重W、性別、身長T、年齢AGE等を記憶する記憶部としても使用
される。ROM310は、MPU308によって実行される制御プログラム等の各種デー
タを記憶する。通信部311は、MPU308の制御の下、通信用コネクタを介して接続
された外部機器と、データの送受信を行う。これにより、外部機器に算出データを出力し
たり、外部機器から当該生体情報処理装置1に各種情報の入力を行ったりすることができ
る。
て脈拍数HRを算出し、この脈拍数HRに基づいて消費カロリー量Cを算出する。次に本
実施形態の消費カロリー量Cの算出方法を説明する。
本実施形態では、エネルギー消費時に必ず酸素が使用されることを考慮し、脈拍数から
酸素摂取量を求め、その酸素摂取量から消費カロリー(kcal/mim)を算出する方
法を採用する。その算出式としては以下の式(1)を適用する。
(VO2max−VO2rest)×W×K/t/60……(1)
ここで、HRは脈拍数(回/min)、HRrestは安静時脈拍数(回/min)、
HRmaxは最大脈拍数(回/分)、VO2maxは最大酸素摂取量(ml/min)、
VO2restは安静時酸素摂取量(ml/min)である。また、Kは消費カロリー換
算値(kcal/ml)であり、tは脈拍数HRの計測間隔(s)(本例では4秒)であ
る。
なお、ユーザ(測定対象者)の体重W、性別、身長T、年齢AGEはユーザから入力済
みであるとする。
拍数HRmaxから安静時脈拍数HRrestを引いて心臓の予備力を求め、現在の脈拍
数HRが予備力の何%に相当するかを計算した値であり、これが相対脈拍数RHRを示す
。次に、この相対脈拍数RHRに対し、((VO2max−VO2rest)×W/t/6
0)が乗算されると、計測間隔t間に摂取した酸素摂取量RVO2が算出される。そして
、この算出した酸素摂取量RVO2に対し、消費カロリー換算値Kを乗算して計測間隔t
で除算することによって、計測間隔t間に消費した消費カロリー量C(kcal)が計算
される。
ここで、酸素1リットル使用された場合の消費カロリーが約5kcalに相当すること
から、消費カロリー換算値Kには約(5/1000)の値(cal/mlからkcalの
変換も行う値)が適用される。
性別毎に定義された以下の式(2)又は(3)に体重W、身長T及び年齢AGEを代入す
ることによって算出される。
<男性の場合>
VO2rest=(66.47+(13.75×W)+(5.0×T)−(6.76×
AGE)/24/60/5/W×1000……(2)
<女性の場合>
VO2rest=(66.51+(9.56×W)+(1.85×T)−(4.68×
AGE)/24/60/5/W×1000……(3)
なお、上記式における(/24/60/5×1000)は、1分当たりの安静時酸素摂
取量VO2restに変換する値である。
大酸素摂取量VO2maxとを対応づけたテーブルデータ、及び、性別毎に作成された、
年齢AGEと安静時脈拍数HRrestとを対応づけたテーブルデータを参照することに
よって各々設定値(デフォルト値に相当)が設定される。また、最大脈拍数HRmaxは
、以下の式(4)を用いて年齢AGEから設定値(デフォルト値に相当)が設定される。
HRmax=220−AGE……(4)
なお、これらデフォルトの設定値をユーザが設定するように構成してもよい。
て消費カロリーの測定指示が入力されると、MPU308は、脈拍数HRの計測を開始し
て、計測した脈拍数HRから消費カロリーを算出する。すなわち、MPU308は、消費
カロリー量を算出する消費カロリー算出部として機能する。
脈拍数HRを計測する場合、MPU308は、A/D変換回路305に制御信号を出力
し、脈波増幅信号のA/D変換を行わせ、脈波データを生成させて、この脈波データをM
PU308に出力させる。そして、MPU308は、計測間隔t(本例では4秒)毎に、
脈波データに対し高速フーリエ変換処理によって周波数分析を行い、脈波成分を抽出し、
脈波成分の周波数から脈拍数HRを算出する。この脈拍数HRを算出する際には、同時に
、体動データも算出され、上述の周波数分析の際に、この体動データから算出した体動周
波数を脈波成分の候補から除外することによって、体動成分が脈波成分と誤検出されてし
まう事態を回避する。
また、体動データからユーザの体動レベルを算出し、体動レベルがある一定以上のとき
は、ユーザの体動によって強いノイズが発生し、信頼性の高い脈拍数を算出できないとし
て、一時的に脈拍数HRの算出を停止するようにしてもよい。この構成によれば、信頼性
の高い脈拍数HRを算出することができる。なお、計測された脈拍数HRは、RAM30
9に順次記憶されて履歴情報として保持される。
からユーザの酸素摂取量RVO2を算出し、この酸素摂取量RVO2から消費カロリー量C
を算出する消費カロリー算出処理を開始する。
ところで、上述したように消費カロリー量Cの算出時には、安静時脈拍数HRrest
及び最大脈拍数HRmaxが使用される。これら安静時脈拍数HRrest及び最大脈拍
数HRmaxは、その設定値(デフォルト値)が年齢AGE等から一義的に定めた値であ
るため、ユーザの実際の安静時脈拍数HRrestや最大脈拍数HRmaxと異なる場合
がある。
そこで、本実施形態では、脈拍数HRを計測した場合に、MPU308が、その脈拍数
HRが、ユーザの安静時脈拍数HRrest及び最大脈拍数HRmaxのいずれかである
と推定可能か否かを判定する判定部として機能し、いずれかであると推定可能な場合に、
RAM309に記憶された安静時脈拍数HRrest又は最大脈拍数HRmaxに対応す
る各設定値を更新するようにしている。
拍数HRmaxの設定値更新処理を説明する。
まず、MPU308は、脈拍数HRが計測されているか否かを判定する(ステップS1
)。ここで、脈拍数HRが計測されていない場合とは、脈拍数HRの計測処理を行ってい
るにも関わらず適正範囲内の脈拍数が計測されない場合や、体動レベルが高いために一時
的に脈拍数HRの算出を停止している場合である。
た脈拍数HRが、安静時脈拍数HRrestと推定可能な条件を満たすか否かを判定すべ
く、まず、計測した脈拍数HRが、RAM309に記憶されている安静時脈拍数HRre
stの設定値(デフォルト値を含む)未満の状態か否かを判定する(ステップS2)。よ
り具体的には、このステップS2では、脈拍数HRが予め定めた期間(例えば、数秒)の
間、継続して安静時脈拍数HRrestの設定値を下回っているか否かを判定し、継続し
て下回っていた場合に、続くステップS3の処理へ移行する。
ステップS3では、MPU308は、体動データのレベル(以下、体動レベルという)
が、ユーザが安静状態と判定可能な閾値未満か否かを判定する。ここで、閾値未満の場合
(ステップS3:YES)、つまり、体動レベルが低い安静状態の場合、RAM309に
記憶されている安静時脈拍数HRrestの設定値を、測定した脈拍数HRの値に更新す
る(ステップS4)。
て安静時脈拍数HRrestの設定値を下回っており、かつ、ユーザが安静状態であると
いう条件を満たした場合に、安静時脈拍数HRrestの設定値を脈拍数HRの値に更新
する。このため、年齢AGE等から一義的に設定した安静時脈拍数HRrestの設定値
を、ユーザの実際の安静時脈拍数、若しくは、実際の安静時脈拍数により近い値に設定し
直すことができる。
続いて、MPU308は、測定した脈拍数HRに基づいて消費カロリー量Cを算出する
ことにより(ステップS5)、消費カロリー量Cを算出し、所定の割り込み周期でステッ
プS1の処理へ移行することによって消費カロリー量Cの算出処理を繰り返す。このよう
にして算出した消費カロリー量Cは、MPU308によって累積加算され、消費カロリー
計測開始からユーザが消費した消費カロリー(以後、「累計消費カロリー」という)が算
出され、液晶表示装置13へ表示されてユーザに示される。
今回測定した脈拍数HRに代えて、直前に計測された脈拍数HRに基づいて消費カロリー
量Cを算出する(ステップS11、S5)。すなわち、体動レベルが閾値以上の場合、ユ
ーザが運動中であると予想されるため、かかる運動状態で安静時脈拍数HRrestの設
定値以下の脈拍数HRが測定された場合には、その脈拍数HRを消費カロリー量Cの計算
に用いず、より信頼性が高い直前の脈拍数HRで消費カロリー量Cを算出するようにして
いる。
tの設定値以上であった場合(ステップS2:NO)、MPU308は、計測した脈拍数
HRが、最大脈拍数HRmaxと推定可能な条件を満たすか否かを判定すべく、RAM3
09に記憶されている最大脈拍数HRmaxの設定値を超えているか否かを判定する(ス
テップS6)。より具体的には、このステップS6では、脈拍数HRが予め定めた期間(
例えば、数秒)の間、継続して最大脈拍数HRmaxの設定値を超えているか否かを判定
し、継続して超えていた場合に、続くステップS7の処理へ移行する。
ステップS7では、MPU308は、最大脈拍数HRmaxの設定値を脈拍数HRの値
に更新し、その後ステップS5の処理へ移行して消費カロリー量Cを算出する。すなわち
、本実施形態では、測定した脈拍数HRが継続して最大脈拍数HRmaxの設定値を超え
ている場合は、その脈拍数HRがユーザの実際の最大脈拍数若しくは最大脈拍数により近
い値であると見なし、最大脈拍数HRmaxの設定値をユーザの個人差を反映した値に更
新することができる。これによって、ユーザの個人差を反映した消費カロリー量Cを算出
できる。
設定値以上であって、かつ、最大脈拍数HRmaxの設定値以下の場合には(ステップS
6:NO)、MPU308は、上記設定値の更新処理を行うことなく、ステップS5の処
理へ移行し、消費カロリー量Cを算出する。
また、この生体情報処理装置1では、脈拍数HRが計測できなかった場合には(ステッ
プS1:NO)、MPU308が、所定レベル以上の体動検出中で、かつ、脈が連続して
取れなかった(本例では連続して3回以上取れなかった)直後か否かを判定する(ステッ
プS10)。そして、所定レベル以上の体動検出中で、かつ、脈が連続して取れなかった
直後の場合(ステップS10:YES)、MPU308は、直前に計測された脈拍数HR
に基づいて消費カロリー量Cを算出する(ステップS11、S5)。一方、所定レベル以
上の体動検出中、若しくは、脈が連続して取れなかった直後の少なくともいずれかの条件
を満たさない場合(ステップS10:NO)、過去に計測された脈拍数HRの信頼性も低
いとみなし、MPU308は、消費カロリー量Cを0(零)にする(ステップS12)。
これによって、例えば、生体情報処理装置1が外された場合や、生体情報処理装置1が装
着されているが長時間にわたって脈が計測できなかった場合には、消費カロリー量Cが0
(零)と算出され、それまでに計算した累積消費カロリーに加算されない。
HRrestの設定値を下回っており、かつ、ユーザが安静状態であるという条件を満た
した場合に、安静時脈拍数HRrestの設定値を測定した脈拍数HRに更新するので、
年齢AGE等から一義的に設定した安静時脈拍数HRrestよりもユーザの個人差を反
映した安静時脈拍数HRrestを設定することができる。また、本実施形態では、測定
した脈拍数HRが、最大脈拍数HRmaxの設定値を継続して上回ったという条件を満た
した場合に、最大脈拍数HRmaxの設定値を測定した脈拍数HRに更新するので、年齢
AGE等から一義的に設定した最大脈拍数HRmaxよりもユーザの個人差を反映した最
大脈拍数HRmaxを設定することができる。従って、ユーザの個人差を反映して消費カ
ロリー量Cを精度良く算出することができる。
囲内で任意に変形及び応用が可能である。例えば、上述した実施形態では、測定した脈拍
数HRが安静時脈拍数と推定可能な条件を、脈拍数HRが、継続して安静時脈拍数HRr
estの設定値を下回っており、かつ、ユーザが安静状態であるという条件を満たしたこ
とにした場合を例示したが、これに限らず、例えば、脈拍数HRが、継続して安静時脈拍
数HRrestの設定値を下回ったことだけにする等、種々の条件を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、測定した脈拍数HRが最大脈拍数と推定可能な条件を、
脈拍数HRが、最大脈拍数HRmaxの設定値を継続して上回ったことにした場合を例示
したが、これに限らず、他の条件を適用してもよい。
xの設定値を更新する場合、更新前の値から更新後の値に徐々に近づける値変更処理を行
ってもよい。例えば、安静時脈拍数HRrestの設定値を70から65に値変更する場
合、所定の時間間隔で該設定値を70から1ずつ減算した値に変更していき、65に変更
した時点で該値に固定するようにしてもよい。また、最大脈拍数HRmaxの設定値を1
80から185に値変更する場合、所定の時間間隔で該設定値を180から1ずつ加算し
た値に変更していき、185に変更した時点で該値に固定するようにしてもよい。この構
成によれば、安静時脈拍数HRrest及び最大脈拍数HRmaxの各設定値が短時間で
大きく変化する事態が回避され、脈拍数HRが略一定の状況下で消費カロリー量Cが大き
く変動してしまう事態が回避される。
脈拍数HRが安静時脈拍数か否かを判定する場合について説明したが、これに限らず、例
えば、安静時脈拍数の測定指示を入力する指示入力部(ボタンスイッチ等)を設け、この
指示入力部を介して安静時脈拍数の測定指示が入力された場合に、上記MPU308が、
脈拍数HRの測定を開始させると共に、その脈拍数HRが安静時脈拍数か否かを判定し、
安静時脈拍数と判定した場合に安静時脈拍数HRrestの設定値を更新するようにして
もよい。このように、ユーザ自身が、安静時脈拍数の測定を指示することによって、ユー
ザが安静状態のときの脈拍数HRを計測でき、安静時脈拍数の設定値をより信頼性の高い
ものに設定し直すことができる。
型の生体情報処理装置1に適用した例を説明したが、本発明は、腕時計型の生体情報処理
装置1に限らず、ユーザの身体に装着されて使用される装置(心拍数を計測する装置も含
む)に広く適用することができる。
また、例えば、上述した実施形態では、生体情報処理装置1を制御するための制御プロ
グラムが予めROM310に記憶されている場合について説明したが、各種磁気ディスク
、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に制御用プログラムを予め記憶し、これらの
記録媒体から読み込み、インストールするように構成することも可能である。また、通信
インターフェースを設け、インターネット、LANなどの通信ネットワークを介して制御
用プログラムをダウンロードし、インストールして実行するように構成することも可能で
ある。
部)、90…体動センサ(体動検出部)、308…MPU(消費カロリー算出部、判定部
)、309…RAM(記憶部)。
Claims (8)
- ユーザの脈拍数を測定する脈拍測定部と、
前記ユーザの安静時脈拍数と最大脈拍数の各設定値を記憶する記憶部と、
前記脈拍測定部で測定した脈拍数と、前記記憶部に記憶された安静時脈拍数及び最大脈拍数の各設定値とに基づいて消費カロリー量を算出する消費カロリー算出部と、
前記脈拍測定部で測定した脈拍数が、前記安静時脈拍数の設定値を継続して下回ったか否かを判定する第1判定処理を行う判定部と、
前記脈拍測定部で測定した脈拍数が、前記安静時脈拍数の設定値を継続して下回ったと前記判定部が判定した場合に、前記記憶部に記憶された前記安静時脈拍数の設定値を、前記測定した脈拍数である第1更新値で更新する第1更新処理を行う更新部と、
を有することを特徴とする生体情報処理装置。 - 前記ユーザの体動情報を検出する体動検出部をさらに備え、
前記第1更新値は、前記体動検出部が検出した体動情報が、安静状態と判定可能な場合に測定された脈拍数であることを含むことを特徴とする請求項1に記載の生体情報処理装置。 - 前記更新部の前記第1更新処理において、前記第1更新値に徐々に近づける値変更処理を行なった後に、前記第1更新値に更新することを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の生体情報処理装置。
- 前記脈拍測定部は、前記安静時脈拍数の測定指示を入力する指示入力部をさらに有し、
前記安静時脈拍数の測定指示が入力された場合に、前記判定部による第1判定処理及び前記更新部による第1更新処理を行うこと、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報処理装置。 - 前記判定部は、さらに前記脈拍測定部で測定した脈拍数が、最大脈拍数と推定可能な予め定めた所定の条件を満たすか否かを判定する第2判定処理を行い、
前記更新部は、さらに前記判定部が前記所定の条件を満たしたと判定した場合に、前記測定した脈拍数を第2更新値として、前記記憶部に記憶された前記最大脈拍数の設定値を、前記第2更新値で更新する第2更新処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報処理装置。 - 前記所定の条件は、前記測定した脈拍数が前記記憶部に記憶された前記最大脈拍数の設定値を継続して上回ったことであることを特徴とする請求項5に記載の生体情報処理装置。
- ユーザの脈拍数を測定する脈拍測定過程と、
測定した脈拍数と、記憶部に記憶された安静時脈拍数及び最大脈拍数の各設定値とに基づいて消費カロリー量を算出する消費カロリー算出過程と、
前記測定した脈拍数が前記安静時脈拍数の設定値を継続して下回ったか否かを判定する第1判定処理過程と、
前記測定した脈拍数が、前記安静時脈拍数の設定値を継続して下回ったと判定した場合に、前記安静時脈拍数の設定値を、前記測定した脈拍数である第1更新値に更新する第1更新処理過程と、
を特徴とする生体情報処理装置の制御方法。 - ユーザの脈拍数を測定する脈拍数測定過程と、
測定した脈拍数と、記憶部に記憶された安静時脈拍数及び最大脈拍数の各設定値とに基づいて消費カロリー量を算出する消費カロリー算出過程と、
前記測定した脈拍数と前記各設定値とを比較する過程と、
前記測定した脈拍数が前記安静時脈拍数の設定値よりも継続して下回った場合には、前記安静時脈拍数の設定値を前記測定した脈拍数に基づいて更新し、前記測定した脈拍数が前記最大脈拍数の設定値よりも継続して上回った場合には、前記最大脈拍数の設定値を前記測定した脈拍数に基づいて更新する過程と、
を特徴とする生体情報処理装置の制御方法。
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