JP5217271B2 - 管体の診断方法及び管体の診断装置 - Google Patents

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本発明は、管体の腐食を診断する方法及び装置であり、特に配管において管台部や埋設部等の外表面が覆われた部分の腐食状態を精度良く診断するための方法及び装置に関するものである。
製鉄所や製油所、発電所等の工場では様々な配管が敷設されており、その多くは管台で支持されている。一般的に、管台は配管の管軸方向で10m程度のピッチで配設されており、管軸方向の幅は200mm程度とされ、形状は平坦又は管の曲率に合わせて半円状とされている。このような管台による配管の支持構造により、管台と配管との接触部分への雨水の浸入により配管の外表面が腐食する場合がある。そして、腐食が進行すると配管に穴があき、ガス漏れ等のトラブルが生じることがある。
その一方で、接触部分の腐食状態を目視で検査するには、管台から配管をジャッキアップする等の大変な労力が必要であり、簡便に腐食状態を検査できる方法が望まれている。それ故、管台と配管とが接触した部分の腐食を非破壊検査する技術が多く提案されている。
特許文献1では、複数の超音波探触子を、管体表面の被検査部の両側に接触させ、このうち一方の超音波探触子から管体に超音波を送信し、他方の超音波探触子によって被検査部を通過してきた超音波を受信し、この受信した超音波の強さを基に、被検査部の損傷、腐食状態を検査している。この方法では、被検査部に腐食部で乱反射され、腐食の程度に応じた分だけ弱められた超音波を基に、腐食の有無、及びその程度を検査している。
また、特許文献2では、表面波探触子を使用して配管の検査すべき部分の透過減衰量を測定し、この測定結果を、予め求めておいたテストピースの透過減衰量と比較して腐食の深さを推定している。この方法によれば、表面波の伝播エネルギーが、配管の外面近傍に集中するため、透過途中で配管外面と配管内面との間で反射がなくなり、専ら外面に関する腐食情報が得られるので、検査結果の精度を高めることができる。
また、特許文献3では、検査対象部を跨いで表面波の送信子と受信子とを配置し、これらの距離をほぼ一定に保ちながら検査対象部を走査し、受信波の到達時間を各走査位置で比較することで検査対象部の減肉等を検査している。この方法によれば、受信波の到達時間を各走査位置で比較し、その到達時間差を利用しているので、送信子及び受信子の接触状況による影響を受けずに、より正確に腐食状況を検査できる。
また、特許文献4では、ガイド波の超音波を用いて、透過法により検査対象物の状態を検査し、その検査結果を画像表示させている。この方法によれば、透過信号を波形のパターンとして表示すると、これまでのAスコープによる表示では識別不能であった音速の速い成分と遅い成分とを目視でき、これらの速い成分と遅い成分との時間差から減肉深さを精度良く測定することができる。
また、特許文献5では、金属構造体の外表面であって、隠蔽外表面部位に近接する露出外表面部位から、第一SH波探触子より、隠蔽外表面部位に向けてSH波を伝播させるとともに、隠蔽外表面部位から反射してくる反射波を第一SH波探触子により腐食部反射信号として受信し、受信した腐食部反射信号を基に、隠蔽外表面部位に発生する腐食を検査している。また、外表面に腐食が無いと見なせる正常外表面部位に対して、第一SH波探触子の反対側部位に第二SH波探触子を配設し、正常外表面部位を跨いで伝播してくる透過信号を正常部透過信号として受信し、正常部透過信号により、腐食部反射信号を正規化している。この方法では、SH波を外表面に沿った波にすることできるため、内面側の状況の情報を拾うことが比較的少ないので、隠蔽外表面部位の最大腐食状況に対応した信号が得られる。
特開昭62−113060号公報 特開2000−55890号公報 特開2002−5905号公報 特開2004−301540号公報 特開2002−243704号公報
しかしながら、以上のような従来技術においても、次のような問題が残されていた。
例えば製鉄所における大型配管の管台部のように、管台が半円状に管を包む形状になっている場合には、配管と管台との微妙な接触状況の違いによって、腐食が全面にわたっている場合もあれば、管台の端の方で腐食が大きい場合もある。さらには、これら両者が混ざっていたり、腐食の激しい所で穴があいていたりすることもある。従来技術では、腐食が管台部において均一か、又は一部分だけが腐食している場合には検査することができたが、前述のような多様な腐食形態が混在している場合には、その腐食状態を精度良く推定することは困難であった。
例えば、引用文献1や引用文献2の方法においては、小さい腐食が管台の全面にわたっている場合と、大きい腐食が一部分にある場合とでは超音波の散乱が同程度になるため、両者を識別することは困難であった。また、引用文献3や引用文献4の方法でも事情は同じであり、小さい腐食が管台の全面にわたっている場合と、大きい腐食が一部分にある場合とでは超音波の伝播時間変化が同程度になるため、両者を識別することは困難であった。また、引用文献5の方法では、探触子に近い腐食については精度良く推定できるが、腐食が探触子から遠い場合や穴があいているような場合にそれらを精度良く検出することは困難であった。
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、多様な腐食形態が混在している場合でも、管台部や埋設部等の外表面が覆われた配管の腐食状態を精度良く診断できる方法及び装置を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明に係る請求項1に記載の管体の診断方法は、管体の被検査部を挟んで少なくとも1対の超音波探触子を対向配置し、前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて、前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得し、これら少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する管体の診断方法であって、前記透過エコーの信号は、前記1対の超音波探触子のうちの一の超音波探触子から送信した超音波を、前記1対の超音波探触子のうちの他の超音波探触子で受信した信号であり、前記反射エコーの信号は、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子から送信した超音波を、該超音波探触子で受信した信号であり、前記透過エコーの信号の減衰状態又は伝播時間変化を基に、前記被検査部の全体腐食を診断し、前記透過エコーの信号の消失状態を基に、穴あきを診断し、前記反射エコーの信号の強度を基に、孔食深さを診断し、前記被検査部の全体腐食の診断、前記穴あきの診断、及び前記孔食深さの診断は、透過法及び反射法の2種類の測定を行って、前記透過エコーの信号及び前記被検査部を挟んで2方向からの前記反射エコーの信号を得るステップと、前記得られた透過エコーの信号のデータに基づいて、前記透過エコーが消失したか否かを判定するステップと、前記透過エコーが消失していると判定した場合、前記被検査部に穴あきがあると判定するステップと、前記透過エコーが存在すると判定した場合、前記透過エコーが変化したか否かを判定するステップであって、透過信号内で、透過エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第一の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値よりも小さいと判定した場合に前記透過エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値以上と判定した場合に前記透過エコーが変化していないと判定するステップと、前記透過エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部において全体腐食があると判定するステップと、前記被検査部に穴あきがあると判定した場合、前記透過エコーが変化していないと判定した場合、及び前記被検査部において全体腐食があると判定した場合、前記反射エコーが変化したか否かを判定するステップであって、反射エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第二の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値以上の場合に前記反射エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値よりも小さい場合に前記反射エコーが変化しないと判定するステップと、前記反射エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部に孔食があると判定するステップと、前記反射エコーが変化しないと判定した場合、前記被検査部に孔食なしと判定するステップと、を含んで実行されることを特徴とする。
た、本発明に係る請求項に記載の管体の診断方法は、求項に記載の管体の診断方法において、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号を測定し、測定して得た複数の信号を基に開口合成による演算をし、前記開口合成による演算で得た信号の強度を基に、孔食深さを診断することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項に記載の管体の診断方法は、求項1又は2に記載の管体の診断方法において、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号の距離振幅特性を測定し、測定して得た複数の距離振幅特性を示す値の平均値を算出し、算出した平均値を基に、距離振幅特性を補正する補正値を算出し、算出した補正値を基に、前記透過エコー及び反射エコーの信号を補正し、前記補正した前記透過エコー及び反射エコーを基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項4に記載の管体の診断装置は、管体の被検査部を挟んで対向配置された少なくとも1対の超音波探触子と、前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得する信号取得手段と、前記信号取得手段が取得した少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する腐食状態推定手段と、を備え、前記信号取得手段は、前記1対の超音波探触子のうちの一の超音波探触子から送信した超音波を、前記1対の超音波探触子のうちの他の超音波探触子で受信した信号を前記透過エコーの信号として取得しており、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子から送信した超音波を、該超音波探触子で受信した信号を前記反射エコーの信号として取得し、前記腐食状態推定手段は、前記透過エコーの信号の減衰状態又は伝播時間変化を基に、前記被検査部の全体腐食を診断し、前記透過エコーの信号の消失状態を基に、穴あきを診断し、前記反射エコーの信号の強度を基に、孔食深さを診断し、前記腐食状態推定手段は、透過法及び反射法の2種類の測定を行って、前記透過エコーの信号及び前記被検査部を挟んで2方向からの前記反射エコーの信号を得るステップと、前記得られた透過エコーの信号のデータに基づいて、前記透過エコーが消失したか否かを判定するステップと、前記透過エコーが消失していると判定した場合、前記被検査部に穴あきがあると判定するステップと、前記透過エコーが存在すると判定した場合、前記透過エコーが変化したか否かを判定するステップであって、透過信号内で、透過エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第一の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値よりも小さいと判定した場合に前記透過エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値以上と判定した場合に前記透過エコーが変化していないと判定するステップと前記透過エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部において全体腐食があると判定するステップと、前記被検査部に穴あきがあると判定した場合、前記透過エコーが変化していないと判定した場合、及び前記被検査部において全体腐食があると判定した場合、前記反射エコーが変化したか否かを判定するステップであって、反射エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第二の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値以上の場合に前記反射エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値よりも小さい場合に前記反射エコーが変化しないと判定するステップと、前記反射エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部に孔食があると判定するステップと、前記反射エコーが変化しないと判定した場合、前記被検査部に孔食なしと判定するステップと、を含んで被検査部の全体腐食の診断、前記穴あきの診断、及び前記孔食深さの診断を実行することを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明に係る請求項に記載の管体の診断装置は、求項に記載の管体の診断装置において、前記腐食状態推定手段が、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号を測定し、測定して得た複数の信号を基に開口合成による演算をし、前記開口合成による演算で得た信号の強度を基に、孔食深さを診断することを特徴とする。
また、本発明に係る請求項に記載の管体の診断装置は、請求項4又は5に記載の管体の診断装置において、前記腐食状態推定手段が、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号の距離振幅特性を測定し、測定して得た複数の距離振幅特性を示す値の平均値を算出し、算出した平均値を基に、距離振幅特性を補正する補正値を算出し、算出した補正値を基に、前記透過エコー及び反射エコーの信号を補正し、前記補正した前記透過エコー及び反射エコーを基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定することを特徴とする。
本発明によれば、管体に対し、被検査部を挟んで少なくとも1対の超音波探触子を対向配置して、透過エコー及び反射エコーの信号について計3組の信号を少なくとも取得し、これら少なくとも3組の信号を基に、被検査部の腐食状態を推定することで、多様な腐食形態が混在している管体でも、その腐食状態を精度良く診断できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
(原理)
本発明の第の実施形態は、本発明を適用した管体の診断装置である。先ず、管体の診断装置が採用している腐食状態の診断原理を説明する。
(1)腐食状態のパターン
先ず、配管(管体)の管台に接触して支持されている部位で、実際に腐食が進んでいるサンプルを採取し、その採取したサンプルの断面方向の腐食状態を観察した。図1(a)は、その観察で確認できた腐食状態を示す。
なお、配管100は、例えば円筒形状であり、その径方向における一部を周方向に沿って管台110により支持されており、図1(a)に示す100aは管台110に接触して支持され、管体の外表面が管台により覆われている隠蔽部位である管台部を示す。
図1(a)に示すように、腐食は、サンプルの管台部100aの全体に広がっている。特に管台部100aの端に近い部分では深い孔食が生じており、場所によっては穴が貫通した状態になっていることが判明した。
そして、このような腐食状態の観察を多数行った。その結果、どの腐食状態も、図1(b)〜(d)に示すような3種類の腐食状態に分解できることが判明した。すなわち、基本的な腐食状態(腐食形態)として、同図(b)に示すように、管台部100aの全体にわたって平均的に腐食が進んでいる全体腐食、同図(c)に示すように、管台部100aで部分的に腐食が進んでいる孔食、同図(d)に示すように、孔食が板厚を貫通することでできた穴あき、の3種類の腐食状態があり、管台部100aで実際に発生している腐食は、これら3種類の腐食状態の組合せからなることが判明した。
このように、本願発明の発明者は、腐食状態を詳細に調査したところ、配管の管台部100aにおける腐食が、全面にわたっている全体腐食、比較的管台の端に多い孔食、それが大きくなり、貫通した穴あき、これら3種類の腐食状態が混在した結果であることを明らかにした。
(2)腐食状態の診断原理
図2に、前述した3種類の腐食状態を診断可能な診断装置の基本構成を示す。
図2に示すように、診断装置として、第1の超音波探触子11と第2の超音波探触子21とを、管台110又は管台部100aを挟んで対向されるように配管100の外周面上に配置している。第1及び第2の超音波探触子11,21はともに、配管100に超音波信号を送信し、かつ超音波信号を受信することができる。
すなわち例えば、第1の超音波探触子11から配管100の管台部100aに超音波信号を送信し、管台部100aを透過した超音波信号を超音波エコーとして第2の超音波探触子21で受信できる。以下、このように、一方の超音波探触子から超音波信号を送信し、管台部100aを透過してきた超音波信号を他方の超音波探触子で受信する方法を透過法と呼び、この透過法により得た超音波エコーを透過エコーと呼ぶ。
さらに、第1の超音波探触子11から送信されて管台部100aで反射された超音波信号を超音波エコーとして、該第1の超音波探触子11で受信できる。以下、このように、一の超音波探触子だけで、超音波信号を送信し、反射される超音波信号を受信する方法を反射法と呼び、この反射法により得た超音波エコーを反射エコーと呼ぶ。
このような構成により、図2(a)に示すように、第1の超音波探触子11から超音波信号を送信した場合、その送信された超音波信号Aは、配管100の管厚内(管台部100a)を多重反射しながら進行していく。このとき、管台部100aに全体腐食がある場合には、第2の超音波探触子21が受信する超音波信号、すなわち透過エコーの超音波信号は、腐食がない場合に比べて、信号強度が低下する、又は伝播時間が変化する。このように、100aに全体腐食がある場合、透過エコーの信号強度が敏感に反応する。
また、図2(b)に示すように、管台部100aに穴あきがあると、第1の超音波探触子11が送信した超音波信号Bは、穴あき部位で完全に遮られることで、管台部100aの途中で消失する。さらに、図2(c)に示すように、反射法による超音波信号C,D、すなわち超音波探触子11,21が送信し、該超音波探触子11,21が自ら受信した超音波信号C,Dは、管厚内の進行途中に腐食がある場合、その腐食部位で反射され、特に孔食部において強く反射される。
以下の示す実施形態の管体の診断装置は、以上のような腐食状態の診断原理及び基本的な装置構成を採用して構成されている。
(第1の実施形態)
先ず第1の実施形態を説明する。
(構成)
第1の実施形態は管体の診断装置である。図3及び図4は、その管体の診断装置の構成を示す。
図3及び図4中、11は第1の超音波探触子であり、12は配管100の周方向に第1の超音波探触子11を走査するためのスキャナーであり、13は第1の超音波探触子11に接続された超音波送信部であり、14は第1の超音波探触子11に接続された超音波受信部である。同様に、21は第2の超音波探触子であり、22は配管100の周方向に第2の超音波探触子21を走査するためのスキャナーであり、23は第2の超音波探触子21に接続された超音波送信部であり、24は第2の超音波探触子21に接続された超音波受信部である。
ここで、スキャナー12とスキャナー22とは管台110を介して互いに対向し、かつ管台110に沿うように、配管100の外周面の周方向に配置されている。これにより、第1の超音波探触子11と第2の超音波探触子21とは、配管100の管台部100a又は管台110を介して対向しつつ、配管100の周方向に走査されるようになる。
また、1は超音波受信部14,24で受信した超音波信号を記憶する記憶部である。記憶部1には、配管100の周方向の位置に対応させて超音波信号が記憶されている。この記憶部1は、図示していないA/D(アナログ/デジタル)変換器とパーソナルコンピュータ等からなる演算手段の一部として構成されている。また、2は透過エコー及び反射エコーの強度や伝播時間変化を計算し、腐食状態を診断する信号処理部であり、3はエコー演算部の演算結果を表示する表示部である。表示部3は、パーソナルコンピュータ等からなる演算手段の一部として構成されている。
以上のような構成において、先ず、超音波送信部13からの送信信号で第1の超音波探触子11を印加し、第1の超音波探触子11から配管100に超音波信号を送信し、配管100の管台部100aを透過した超音波信号を第2の超音波探触子21及び超音波送信部24により透過エコーとして受信する。また、同時に、第1の超音波探触子11から送信されて管台部100aで反射された超音波信号を、該第1の超音波探触子11及び超音波受信部14により反射エコーとして受信する。さらに、超音波送信部23からの送信信号で第2の超音波探触子21を印加し、超音波探触子11から配管100に超音波信号を送信し、配管100の管台部100aで反射された超音波信号を、該第2の超音波探触子21及び超音波受信部24により反射エコーとして受信する。
以上のように、透過法及び反射法の2種類の方法による測定を行い、透過エコーの信号及び2方向からの反射エコーの信号の、計3組の信号を得る。そして、スキャナー12,22により第1及び第2の超音波探触子11,21の配管100の周方向における位置を同期させて少しずつ変化させながら、以上のような測定により透過エコー信号及び2方向からの反射エコーの信号(計3組の信号)を得て、そのようにして得た透過エコーの信号及び反射エコーの信号を該配管100の周方向の位置に対応させて記億部1に記憶する。
そして、信号処理部2が、記憶部1に記憶された超音波信号に基づいて配管100の管台部100aの腐食状態を診断(判定)する。
図5は、信号処理部2における腐食状態の診断のための処理手順を示す。
図5に示すように、先ずステップS1において、透過法及び反射法の2種類の測定を行って、透過エコーの信号及び2方向からの反射エコーの信号を得る(記憶部1にデータを記憶する)。
続いてステップS2において、信号処理部2は、記憶部1に記憶された透過エコーの信号のデータに基づいて、透過エコーが消失した否かを判定(透過エコーの有無を判定)する。具体的には、透過信号(受信した全ての信号)内で、透過エコーが現れる時間帯(区間)にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度(信号の振幅)と所定のしきい値とを比較する。ここで、所定のしきい値は、例えば超音波探触子等の装置構成により発生するノイズレベル以上の所定の値にするのが良い。ここで、ゲート内の信号強度が所定のしきい値以上の場合、透過エコーが存在するとして、ステップS3に進み、ゲート内の信号強度が所定のしきい値未満の場合、透過エコーが消失したとして、ステップS8に進む。
ステップS8では、信号処理部2は、透過エコーがないことから、配管100の管台部100aに穴があるとの判定をし、ステップS4に進み、全体腐食判定のために反射エコーに関する判定を行う。
ステップS3では、信号処理部2は、透過エコーが変化したか否かを判定する。すなわち、ステップS3の処理は、前記ステップS2で透過エコーが存在すると判定した場合に進む処理であり、このようなことから、該ステップS3の処理では、透過エコーの程度を判定している。具体的には、透過信号内で、透過エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号の強度(信号の振幅)と所定のしきい値と比較する。ここで所定のしきい値は、図6に示すように、例えば、健全な部位(腐食がない部位)で得られる透過エコーレベル(信号強度が高い)からノイズレベル(信号強度が低い)までの範囲内で得られる値に設定すれば良く、また、減肉などの腐食の程度を判定するために複数設定しても良い。ここで、ゲート内の信号強度が所定のしきい値以上の場合(すなわち、健全な部位に相当するレベルのままの場合、ステップ3のNo)、ステップ4に進み、ゲート内の信号強度が所定のしきい値よりも小さい場合、腐食ありとして、ステップS7に進む。
ステップS7では、信号処理部2は、透過エコーレベルが小さいことから、配管100の管台部100aが全体的に腐食しているとの判定をする。また、図6に示すように、しきい値を複数設定している場合には、腐食の程度(減肉の量や穴あきなど)も判定する。そして、次のステップS4へ進む。
ステップS4では、信号処理部2は、反射エコーが変化したか否かを判定する。具体的には、反射信号内で、反射エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度(信号の振幅)と所定のしきい値と比較する。ここでの所定のしきい値は、ノイズレベル以上の所定の値に設定すれば良い。また、腐食の程度を判定するために、図7に示すように、複数のしきい値を設定しても良い。ここで、ゲート内の信号強度が所定のしきい値以上の場合(ステップS4のYes)、反射エコーが変化したとして、ステップS6に進み、ゲート内の信号強度が所定のしきい値よりも小さい場合(ステップS4のNo)、反射エコーが変化しない、又は反射エコーがないとして、ステップS5に進む。
ステップS6では、信号処理部2は、配管100の管台部100aに孔食があるとの判定をする。また、図7のように、複数のしきい値を設定しても良い。この場合は、孔食の程度(例えば、大、中、小の違い)を判定することが可能となる。そして、当該図5に示す処理を終了する。
ステップS5では、信号処理部2は、配管100の管台部100aには孔食なしとの判定をする。そして、当該図5に示す処理を終了する。
すなわち、腐食状態の診断では、透過エコーの信号強度が所定のしきい値(例えばノイズレベル相当)未満の場合、透過エコーが消失しているとして、穴あきありと判定している(ステップS2→ステップS8)。また、透過エコーの信号強度が所定のしきい値(例えば健全な部位で得られる透過エコーレベルからノイズレベルまでの範囲内の値相当)未満の場合、全体腐食ありと判定している(ステップS3→ステップS7)。また、反射エコーの信号強度が所定のしきい値(例えばノイズレベル相当)以上の場合、孔食ありと判定している(ステップS4→ステップS6)。それ以外、孔食なしと判定している(ステップS4→ステップS5)。
以上のような処理により信号処理部2で全体腐食、穴あき及び孔食といった腐食状態の有無を同時に診断することができる。そして、表示部3に、そのような腐食状態の診断結果を表示する。これにより、配管100の管台部100aに発生している腐食状態を確認できるようになる。
効果は次のようになる。
前述のように、本願発明の発明者が、腐食状態を詳細に調査したところ、配管の管台部における腐食が、全面にわたっている全体腐食、比較的管台の端に多い孔食、それが大きくなって貫通している穴あき、のこれら3種類の腐食状態が混在したものであることを明らかにし、さらに、この3種類の腐食状態を、管台部100aを挟んで対向配置した1対の超音波探触子を用いて診断することを実現している。これにより、製鉄所における大型配管の管台部が、管台が半円状で配管を包むような形状であるところ、多様な腐食形態が混在して腐食している場合でも、その腐食状態を精度良く診断できるようになる。これにより、例えば、ガス漏れ等のトラブルを防止できる。
また、例えば、管台部100aの片側に超音波探触子を配置し、該超音波探触子により、その片側の部位を含めて、反対側の部位も探傷することは難しく、例えば、反対側の部位から反射エコーを得ても、その信号レベルは弱いものとなる。しかし、本発明を適用したように、管台部100aを挟んで1対の超音波探触子を対向配置し、それら各超音波探触子により反射エコーを得ることで、強い信号レベルによる反射エコーを基に、腐食状態を診断することができ、高い精度で腐食状態を診断できる。
なお、前記実施形態の説明において、1対の超音波探触子11,21は、管体の被検査部を挟んで対向配置された少なくとも1対の超音波探触子を実現しており、超音波送信部及び超音波受信部13,23,14,24は、前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得する信号取得手段を実現しており、信号処理部2は、前記信号取得手段が取得した少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する腐食状態推定手段を実現している。
また、前記実施形態では、管体の被検査部を挟んで少なくとも1対の超音波探触子を対向配置し、前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて、前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得し、これら少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する管体の診断方法を実現している。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を説明する。
(構成)
第2の実施形態は、前記第1の実施形態と同様に、前述した腐食状態の診断原理及び基本的な装置構成を採用して構成されている管体の診断装置である。さらに、第2の実施形態では、腐食状態をさらに高い精度で診断している。
図8は、第2の実施形態の管体の診断装置の構成を示す。
図8に示すように、第2の実施形態の管体の診断装置は、新たな構成として、信号処理部(以下、第2の信号処理部という。)4を備えている。
第2の信号処理部4は、開口合成演算を取り入れた腐食状態の診断及び距離振幅特性を補正した腐食状態の診断を可能にするように構成されている。
(開口合成演算を取り入れた腐食状態の診断を実現する構成)
管周方向に超音波探触子を走査して得た複数の超音波信号を開口合成演算し、開口合成演算を施した反射エコーの強度から腐食状態を診断している。開口合成とは、一般的には、複数の受信素子(受信機や受信装置等)を利用して、高分解能な情報を取得するための技術である。
ここで、開口合成演算の原理を図9で説明する。
図9(a)は、超音波信号を送信する超音波探触子の近くに、欠陥(腐食部位)があり、その欠陥に開口合成演算により超音波信号を仮想的に集束する場合を示す。なお、図7は、周方向の広い領域を走査した走査位置のうち、例えば、5ヶ所を用いて開口合成演算をする例を示したものである。
超音波探触子11を配管100の周方向に走査して開口合成演算を行う場合、各走査位置での超音波探触子11と欠陥との位置関係がそれぞれ異なるので、開口合成演算を行う範囲における各走査位置で反射エコーの伝播距離も異なる。具体的には、開孔合成範囲の両端となる走査位置(図7では、i=+2、i=−2の位置)に近くなるほど、伝播距離が長くなる。
そして、そのような超音波探触子11の各走査位置による伝播距離xiは、下記(1)式により幾何学的に算出できる。
i=√(F2+(i・p)2) ・・・(1)
i=−(N−1)/2〜+(N−1)/2
ここで、Fは焦点距離であり、pは超音波探触子11による周方向の測定間隔(走査ピッチ)である。iは走査位置(測定位置)を示す値であり、開口合成範囲の中心位置(図7の例では、欠陥との距離が一番短くなる超音波探触子11の位置)をi=0として、周方向の全N点(図7ではN=5)の測定位置を示す。
そして、この(1)式により、中心位置を基準として、超音波探触子11の各測定位置iの伝播距離の差分を算出することとし、さらに、音速Cを用いて、下記(2)式により、中心位置を基準とした各測定位置iの伝播時間差tiを算出できる。
i=2・(xi−F)/C ・・・(2)
そして、各測定位置iで超音波探触子11により得た反射エコーの超音波信号に対し、前記(2)式の伝播時間差に相当する遅延時間を設定することで(遅延処理部により遅延処理を行うことで)、各測定位置iで超音波探触子11により得た反射エコーの超音波信号の位相を揃え、これらの信号を加算部31により加算処理を行う。これにより、開口合成演算を取り入れた腐食状態の診断では、焦点距離Fに超音波信号を集束させたと等価な効果によりその腐食状態を診断でき、高い精度で腐食状態を診断できる。
ここで、反射法における反射エコーレベル(振幅)は、欠陥(腐食状態)の断面角度や欠陥面(腐食状態)の形状に影響される。特に、ビームの進行方向(超音波探触子の走査方向)と同一方向の欠陥の断面積は、反射法における反射エコーレベルに大きく影響する。よって、孔食の深さだけでなく、孔食の幅も反射エコーレベルに影響することになり、この結果、孔食の幅は、該孔食の深さの推定精度に大きく影響してしまう。このようなことから、超音波信号のビーム幅を狭くすると、反射エコーレベルと孔食の深さとの相関関係は良くなる。ここで、一般的には、超音波ビームを集束させるために、超音波探触子として、曲面状の振動子を用いた集束型超音波探触子が用いられている。しかしながら、集束型超音波探触子では、焦点位置が固定されるため、管軸方向のある一部分しか超音波信号を集束できない、すなわち、管軸方向の一部の腐食しか検出できない。
これに対して、開口合成演算を取り入れた腐食状態の診断では、前述のように、焦点距離Fに超音波信号を集束させた場合と等価の効果により、その腐食の診断を行うことができ、高い精度で腐食状態を診断できる。
なお、図9(b)は、超音波探触子から遠い位置に欠陥(腐食部位)がある場合を示す。図9(b)に示すように、超音波探触子から遠い位置に欠陥がある場合、焦点距離が長く、各測定位置iの反射エコーの相対的な伝播時間差tiはそれほど大きくはならないので、遅延時間の設定を図7(a)のものから変えることとなる。
そして、以上のような演算を、超音波探触子の距離方向(配管100の肉厚深さ方向)でその距離を数分割し、その分割した各距離を焦点距離として腐食を診断する。これにより、超音波探触子の距離方向で異なる位置に集束した超音波信号で深傷できるようになる。この結果、超音波信号のビーム幅を狭くすることができるので、孔食の深さと良い相関の反射エコーレベルを得ることができる。これにより、孔食の深さを精度良く推定できる。
(距離振幅特性を補正した腐食状態の診断を実現する構成)
反射法における反射エコーレベルは、超音波信号が進行する途中の腐食状態に依存して変化する。具体的には、超音波信号が進行する途中の腐食が少ない場合、反射法における反射エコーレベルへの影響は少なく、超音波信号が進行する途中の腐食が多い場合、反射法における反射エコーレベルへの影響が大きく、反射エコーレベルは小さくなる。すなわち、反射エコーレベルには、距離に依存する距離振幅特性があり、途中の腐食が少ない場合には、距離振幅特性は平坦であり、途中の腐食が多くなると、距離振幅特性は乱れるようになる。さらに、透過法における透過エコーレベルも、超音波信号が進行する途中の腐食状態(全体減肉だけでなく途中の孔食の程度)に依存して変化する。
このように、診断対象の腐食状態が同一でも、その診断対象位置までの途中経路に存在する腐食によりエコーレベルが影響を受けるので、診断対象の腐食状態の推定精度(診断制度)が悪化してしまう。
このようなことから、ここでは、超音波探触子を管周方向に走査して、各測定位置で反射エコーの距離振幅特性(振幅そのもの)を複数測定し、複数の距離振幅特性の平均値を求めて、その平均値から距離振幅補正特性(補正値)を算出している。
図10は、距離振幅補正特性(補正値)を算出する構成の一例を示す。
図10に示すように、超音波探触子11を管周方向に走査して、各測定位置について複数の反射信号(反射された超音波信号)の同期加算平均をとる(加算平均処理部32による処理)。同期加算平均とは、前記図9で説明したような遅延処理を行うことなく、同期して単純に加算平均することである。
そして、同期加算平均で得た信号の振幅の包絡線(y=e-αt)から距離振幅特性を減衰カーブとしてフィッティングして、減衰係数αを算出し、その減衰係数αの逆数として距離振幅補正特性(補正値)G(t)を算出する。この距離振幅補正特性を個々の反射信号に対して、乗算することで距離振幅特性(振幅成分)を補正する。
なお、超音波探触子を管周方向に走査した際の各測定位置で獲られる複数の反射信号には孔食の影響が反映されており、各反射信号の振幅が大きく変化している。しかし、前記同期加算平均により、複数の反射信号を平均したことで、孔食の影響をいわば大まかに捉えることになり、その結果から距離振幅補正特性を得ることができる。
以上のような距離振幅補正特性(補正値)による補正により、超音波信号が進行する途中の腐食が大きく影響して、遠方の反射エコーレベルがより小さくなるような場合には、減衰係数αが大きくなるので、距離振幅補正特性G(t)により距離振幅特性の補正が強くかかるようになる。これにより、超音波信号が進行する途中の腐食が大きく影響して、小さくなった遠方の反射エコーレベルでも、大きくする補正ができる。一方、超音波信号の進行する途中の腐食の影響が小さく、遠方の反射エコーレベルがそれほど小さくならないような場合には、減衰係数αも小さくなるので、距離振幅補正特性G(t)により距離振幅特性は強く補正されない。これにより、超音波信号の進行する途中の腐食の影響が小さい場合には、遠方の反射エコーレベルはそれほど変化しない。
この結果、超音波信号が進行する途中の腐食の程度が異なっていても、その腐食の程度に影響されることなく、孔食深さに対応した反射エコーレベルを得ることができるので、孔食深さを高い精度で推定できる。同様に、腐食の程度に影響されることなく、全体減肉に対応した透過エコーレベルを得ることができるので、全体減肉深さを高い精度で推定できる。
なお、距離振幅補正を施す反射波の信号は、前述の開口合成演算を行った後の信号であっても良く、このように両者を併用した場合、孔食の深さをより高い精度で推定できるようになる。
以上のように、透過エコーや反射エコーによる腐食状態の診断に開口合成演算や距離振幅特性の補正を取り入れることで、種々の腐食が混在している場合においても、それら腐食の影響により透過エコーや反射エコー(レベル)は小さくならないので、より高い精度で腐食状況を推定できる。
なお、前記実施形態を次のような構成により実現することもできる。
すなわち、前記実施形態では、管台110を挟んで対向する1対の超音波探触子11,21を備えている。しかし、これに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、管台110を挟んで対向する2つ(2対)の超音波探触子11a,11b,21a,21bを備えたり、3つ(3対)以上の超音波探触子を備えたりすることもできる。これにより、1つの超音波探触子を透過法の測定用と反射法の測定用とで兼用するのではなく、各超音波探触子毎に透過法の測定用と反射法の測定用とで使い分けることができる。
また、前記実施形態では、反射法の場合には、一の超音波探触子で超音波信号の送信及び受信を行っている。しかし、これに限定されるものではない。例えば、反射される超音波信号を、該超音波信号を送信した超音波探触子のすぐ横に配置した別の超音波探触子で受信することもできる。
また、前記実施形態では、透過エコーレベル又は信号強度(信号の振幅)と所定のしきい値を比較して、腐食状態を判定している。すなわち、透過エコーレベル又は信号強度(信号の振幅)の大きさに基づいて、腐食状態を判定している。しかし、これに限定されるものではない。例えば、透過エコーの伝播時間変化に基づいて、腐食状態を判定することもできる。これは、腐食があると、肉厚が薄くなって伝播時間が短くなるからである。例えば、透過エコーが現れるまでの伝播時間を検出し、検出した伝播時間と健全部における透過エコーの伝播時間との差に基づいて、腐食状態を判定する。
なお、実施形態では、管台に支持される配管の管台に覆われる部位の腐食状態の判定について説明したが、埋設された配管で覆われた部位にも同様に適用できることは言うまでもない。
(実施例)
実施例として、透過法及び反射法による測定を行った。
図12は、その測定結果の一例を示す。
図12(a)は、管周方向の各位置における透過法で得た波形の信号強度のグレイ表示(信号強度0を灰色にし、正の信号強度を白、負の信号強度を黒として表示)であり、同図(a)の横軸は管周方向の位置を示し、500mmの範囲、縦軸は伝播時間を示し、4μsの範囲を示している。図12(b)(c)は、管台部を挟んで、異なる側から反射法で得た波形であり、同図(b)(c)の横軸は透過法と同様であり、縦軸は27μsの範囲である。そして、このように得られた波形について、腐食状態の診断処理(前記図5)を行った結果、前述のゲート内において、図12(a)の右端において灰色のレベルとなって透過信号が消失しており、この位置に穴あきがある(図2(b)の伝播経路)との診断結果を得た。また、図12(a)では、管周方向の全域で、ゲート時間内において、白黒の縞模様の濃淡が変化しているので、透過信号の強度が変化し、かつ濃淡縞模様が直線状でなく歪んでいるので、伝播時間が変化していることが確認でき、全体的に減肉が生じているとの診断結果を得た。さらに、図12(b)(c)より、部分的に孔食(丸で囲う部分、反射法の場合は信号強度大が孔食となる)が発生しており、図12(b)が図12(c)に比べて孔食が多く、図12(b)側において、信号強度も高くなっているので、孔食が特に深くなる診断結果を得た。
そして、このような診断結果の精度を確認すべく、測定材を実際に調査した結果、診断結果と同様な腐食状態を確認できた。
腐食状態の説明に用いた図であり、(a)は一般的な腐食状態を示し、(b)は全体腐食を示し、(c)は孔食を示し、(d)は穴あきを示す。 配管の診断装置の基本構成を示す図である。 第1の実施形態の配管の診断装置の構成を示す斜視図である。 第1の実施形態の配管の診断装置の構成を示すブロック図である。 配管の診断装置の信号処理部の処理手順を示すフローチャートである。 腐食の程度を判定するために、複数のしきい値を設定する場合の例を説明するために使用した図である。 腐食の程度を判定するために、複数のしきい値を設定する場合の他の例を説明するために使用した図である。 第2の実施形態における配管の診断装置の信号処理部の処理手順を示すフローチャートである。 開口合成演算を取り入れた腐食状態の診断の説明に用いた図である。 距離振幅特性を補正した腐食状態の診断の説明に用いた図である。 2対の超音波探触子を備える配管の診断装置の構成を示す斜視図である。 実施例の結果を示す図である。
符号の説明
1 記憶部、2 信号処理部、3 表示部、11,21 超音波探触子、12,22 スキャナー、13,23 超音波送信部、14,24 超音波受信部、100 配管、100a 管台部、110 管台

Claims (6)

  1. 管体の被検査部を挟んで少なくとも1対の超音波探触子を対向配置し、前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて、前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得し、これら少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する管体の診断方法であって、
    前記透過エコーの信号は、前記1対の超音波探触子のうちの一の超音波探触子から送信した超音波を、前記1対の超音波探触子のうちの他の超音波探触子で受信した信号であり、前記反射エコーの信号は、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子から送信した超音波を、該超音波探触子で受信した信号であり、
    前記透過エコーの信号の減衰状態又は伝播時間変化を基に、前記被検査部の全体腐食を診断し、前記透過エコーの信号の消失状態を基に、穴あきを診断し、前記反射エコーの信号の強度を基に、孔食深さを診断し、
    前記被検査部の全体腐食の診断、前記穴あきの診断、及び前記孔食深さの診断は、
    透過法及び反射法の2種類の測定を行って、前記透過エコーの信号及び前記被検査部を挟んで2方向からの前記反射エコーの信号を得るステップと、
    前記得られた透過エコーの信号のデータに基づいて、前記透過エコーが消失したか否かを判定するステップと、
    前記透過エコーが消失していると判定した場合、前記被検査部に穴あきがあると判定するステップと、
    前記透過エコーが存在すると判定した場合、前記透過エコーが変化したか否かを判定するステップであって、透過信号内で、透過エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第一の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値よりも小さいと判定した場合に前記透過エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値以上と判定した場合に前記透過エコーが変化していないと判定するステップと、
    前記透過エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部において全体腐食があると判定するステップと、
    前記被検査部に穴あきがあると判定した場合、前記透過エコーが変化していないと判定した場合、及び前記被検査部において全体腐食があると判定した場合、前記反射エコーが変化したか否かを判定するステップであって、反射エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第二の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値以上の場合に前記反射エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値よりも小さい場合に前記反射エコーが変化しないと判定するステップと、
    前記反射エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部に孔食があると判定するステップと、
    前記反射エコーが変化しないと判定した場合、前記被検査部に孔食なしと判定するステップと、
    を含んで実行されることを特徴とする管体の診断方法。
  2. 前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号を測定し、測定して得た複数の信号を基に開口合成による演算をし、前記開口合成による演算で得た信号の強度を基に、孔食深さを診断することを特徴とする請求項1記載の管体の診断方法。
  3. 前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号の距離振幅特性を測定し、測定して得た複数の距離振幅特性を示す値の平均値を算出し、算出した平均値を基に、距離振幅特性を補正する補正値を算出し、算出した補正値を基に、前記透過エコー及び反射エコーの信号を補正し、前記補正した前記透過エコー及び反射エコーを基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定することを特徴とする請求項1又は2記載の管体の診断方法。
  4. 管体の被検査部を挟んで対向配置された少なくとも1対の超音波探触子と、
    前記1対の超音波探触子を用いて透過エコーの信号を取得するとともに、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子を用いて前記被検査部を挟んで両側から反射エコーの信号をそれぞれ取得する信号取得手段と、
    前記信号取得手段が取得した少なくとも3組の信号を基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定する腐食状態推定手段と、
    を備え、
    前記信号取得手段は、前記1対の超音波探触子のうちの一の超音波探触子から送信した超音波を、前記1対の超音波探触子のうちの他の超音波探触子で受信した信号を前記透過エコーの信号として取得しており、前記1対の超音波探触子および/または別の超音波探触子から送信した超音波を、該超音波探触子で受信した信号を前記反射エコーの信号として取得し、
    前記腐食状態推定手段は、前記透過エコーの信号の減衰状態又は伝播時間変化を基に、前記被検査部の全体腐食を診断し、前記透過エコーの信号の消失状態を基に、穴あきを診断し、前記反射エコーの信号の強度を基に、孔食深さを診断し、
    前記腐食状態推定手段は、
    透過法及び反射法の2種類の測定を行って、前記透過エコーの信号及び前記被検査部を挟んで2方向からの前記反射エコーの信号を得るステップと、
    前記得られた透過エコーの信号のデータに基づいて、前記透過エコーが消失したか否かを判定するステップと、
    前記透過エコーが消失していると判定した場合、前記被検査部に穴あきがあると判定するステップと、
    前記透過エコーが存在すると判定した場合、前記透過エコーが変化したか否かを判定するステップであって、透過信号内で、透過エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第一の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値よりも小さいと判定した場合に前記透過エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第一の所定のしきい値以上と判定した場合に前記透過エコーが変化していないと判定するステップと、
    前記透過エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部において全体腐食があると判定するステップと、
    前記被検査部に穴あきがあると判定した場合、前記透過エコーが変化していないと判定した場合、及び前記被検査部において全体腐食があると判定した場合、前記反射エコーが変化したか否かを判定するステップであって、反射エコーが現れる時間帯にゲートをかけ、そのゲート内の信号強度と第二の所定のしきい値とを比較し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値以上の場合に前記反射エコーが変化したと判定し、前記ゲート内の信号強度が前記第二の所定のしきい値よりも小さい場合に前記反射エコーが変化しないと判定するステップと、
    前記反射エコーが変化したと判定した場合、前記被検査部に孔食があると判定するステップと、
    前記反射エコーが変化しないと判定した場合、前記被検査部に孔食なしと判定するステップと、
    を含んで被検査部の全体腐食の診断、前記穴あきの診断、及び前記孔食深さの診断を実行することを特徴とすることを特徴とする管体の診断装置。
  5. 前記腐食状態推定手段は、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号を測定し、測定して得た複数の信号を基に開口合成による演算をし、前記開口合成による演算で得た信号の強度を基に、孔食深さを診断することを特徴とする請求項4記載の管体の診断装置。
  6. 前記腐食状態推定手段は、前記超音波探触子を前記管体の周方向に走査して各走査位置で前記反射エコーの信号の距離振幅特性を測定し、測定して得た複数の距離振幅特性を示す値の平均値を算出し、算出した平均値を基に、距離振幅特性を補正する補正値を算出し、算出した補正値を基に、前記透過エコー及び反射エコーの信号を補正し、前記補正した前記透過エコー及び反射エコーを基に、前記管体の被検査部の腐食状態を推定することを特徴とする請求項4又は5記載の管体の診断装置。
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