JP5217031B2 - ドリルチャック及びドリル研磨機 - Google Patents

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発明の詳細な説明
利用分野
本発明は、ドリルの締付け及び締付け解除の操作が工具無しで簡単に行なえ、爪の姿勢安定性に優れた簡易な構造のドリルチャックと、このドリルチャックで挟持したドリルの先端部を研磨するドリル研磨機に関する。
従来技術
ドリルを挟持するドリルチャックには各種構造のものがあり、工具に用いられるドリルチャックでは、例えば、特許文献1に記載の錐挟持具、特許文献2に記載のドリルチャック、特許文献3に記載の第1図に示すキーレスドリルチャックなど、各種のものがある。
ところで、ドリルは使用に伴ってその先端が磨耗して次第に切れ味が低下する。このため、ドリルの先端をドリル研磨機で研磨して切れ味を回復させる必要がある。ドリル研磨機は、従来、ドリルを指先で持ってドリル研磨機内に向けるもの(第1のタイプのもの)、ドリルの太さに合わせて数種類の大きさのチャックを使用するもの(第2のタイプのもの)、電動ドリルなどの工具に装着されているチャックを取り外して、このチャックでドリルを挟持したものを使用するもの(第3のタイプのもの)などが市販されている。
実公昭13−7309号公報 特開昭53−34183号公報 実開昭53−147483号公報の第1図
発明が解決しようとする課題
しかしながら、特許文献1の錐挟持具は、同文献の第2図に示すように、爪に相当する挟持片7を、ばね10の付勢力によって固定螺子3の傾斜した内壁面に押し付ける構造であるため、固定螺子3内にばね10,10とともに挟持片7,7を組み付ける作業に手間と時間を要するという不具合があった。また、この挟持片7及び特許文献2の第3図に示す爪1、特許文献3の第3図に示す爪1は、いずれも複雑な立体形状であるため、製造コストが高くなる不具合があった。さらに、これらの挟持片7,爪1,1の支持が片寄った位置で行なわれているため、進退移動を伴った開閉移動で傾き方向の力が作用して、このための摩擦抵抗や引っ掛りが生じて、その移動が円滑に行なわれない事態になる不具合があった。
従来のドリル研磨機のうち、上記第1のタイプのものは、ドリルが指先から滑って使いにくく、指先に負担が掛かる不具合があり、上記第2のタイプのものは、チャックを数種類揃えるためのコストが大きいという不具合があり、上記第3のタイプのものは、電動ドリルからチャックを着脱する作業が必要であり、チャックの種類によっては、ドリル研磨機に対応できない形状や大きさのものがあるなどの不具合があった。
本発明は、上記不具合を解消するドリルチャックと、ドリル研磨機を提供することを解決課題とする。
課題を解決するための手段とその作用
請求項1に係る発明のドリルチャックは、 筒内の後部壁面に雌ねじ溝が形成され、該筒内の前部壁面に3又は4条の傾斜溝が等間隔毎に振り分けられて形成されたチャック本体と、該各傾斜溝によって夫々支持案内される3又は4枚の爪と、前部の外周壁面に前記雌ねじ溝と螺合する雄ねじ溝が形成され、後部に回転操作部が形成された締付け雄ねじとを有し、前記チャック本体と前記締付け雄ねじとを相反する回転方向に操作させると前記締付け雄ねじが前記チャック本体に対して進退移動して、前記各爪が前記各傾斜溝に沿う方向の進退移動を伴って近接離反方向に移動するドリルチャックであって、
該ドリルチャックは、挟持するドリルの先端近傍部分を前記チャック本体の下端から所定長さに突出させる調整(長さ調整)と、ドリル研磨機の保持部に対する180°の向きの位置決めが可能なドリル研磨機対応型であり、
前記各傾斜溝は上方に向かうに従って深く形成され、
前記ドリルを挟持する前記各爪は略直角三角形板で形成され、該各爪には前記各傾斜溝の傾斜角と並行な長孔が夫々設けられ、各長孔内に前記傾斜溝を横切る方向に固定されたガイドピンが夫々位置しているところに特徴がある。
本発明のドリルチャックは、ドリル研磨機でドリルの先端部を研磨する際のドリル挟持用に好適とされるドリルチャックであるが、必ずしもドリル研磨用のドリルチャックに限定されず、例えば、携帯型ドリル工具のドリルチャック等とすることも可能である。また、ドリル以外にも、軸棒やパイプを挟持するクランプの部品とすることも可能である。
このドリルチャックでドリルを挟持させる場合には、チャック本体の操作部を片手で持ち、締付け雄ねじの操作部を他方の片手で持ち、チャック本体と締付け雄ねじとを相反する一方の回転方向に操作する。このようにすると、各爪が前進を伴った閉じる方向に移動して、各爪で囲まれた内側空間内に挿入したドリルを強く挟持させることができる。この操作において、各爪は、上方に向かうに従って深くなっている傾斜溝内にその多くの部分が位置しているため、安定した姿勢で、傾斜溝の両壁と溝底に沿う方向に円滑にスライドする。とくに、傾斜溝を横切る方向に固定されているガイドピンが前記長孔内に突入して、爪の移動を各長孔の長さ及び傾斜方向の範囲内に規制させているため、爪は上記方向(閉じる方向)及び開く方向に正確に案内される。
請求項2に係るドリル研磨機は、請求項1に記載のドリルチャックに挟持されたドリルの先端部を研磨する電動式のドリル研磨機であって、
テーブル上に安定姿勢で載置可能な形状を有するハウジング内に、電動モータの駆動又は手動によるハンドル操作で回転する砥石が装備され、該ハウジングの上部に前記ドリルを挟持したドリルチャックの前部を突入させる平面視円形の凹段部が設けられ、該凹段部の中央に前記ドリルの径よりも大きな開孔部が設けられており、前記砥石の上面に形成された内向きの傘状リング面を有する砥石面が前記ドリルの先端部の一方の逃げ面を研磨する向きに位置しており、前記凹段部又は前記上板面に前記ドリルチャックを所定の回転方向の向きで係止させる位置決め手段が設けられているところに特徴がある。
このドリル研磨機は、ドリルの先端が磨耗して切れ味が低下したときに、ドリル先端の2箇所の逃げ面を順に研磨して切れ味の良い切れ刃に再生するために使用する。このドリル研磨機でドリルの先端を研磨する際には、ドリルを請求項1に記載のドリルチャックで挟持して、ドリルチャックの前部をドリル研磨機の凹部内に配置させる。このようにすると、ドリル先端の逃げ面が前記凹部下方の砥石面に接触し、高速回転する砥石でこの逃げ面を研磨することができる。ドリル先端の逃げ面は軸を中心にした180°の方向に2箇所あり、このうちの一方の逃げ面の研磨を終えると、ドリルチャックの向きを180°廻して、他方の逃げ面を研磨する。上記位置決め手段はこの180°の向きを決めるためにあり、例えば、チャック本体に形成した突部又は凹部に係合する凹部又は突部で構成される。
発明の効果
請求項1に係る発明のドリルチャックによれば、前記チャック本体と前記締付け雄ねじとを相反する回転方向に操作させて、前記各爪を近接離反(開閉)させる構造とした結果、その締め付け操作が工具無しで簡単かつ容易に行なえるようになった。
また、前記各爪を略直角三角形板とした結果、従来の爪よりも製造コストを抑えることが出来るようになった。
また、前記各傾斜溝を上方に向かうに従って深くなる形状にした結果、板状の爪の両側を傾斜溝の両壁面で支持させて、各爪の姿勢を安定させ、移動も円滑にさせることが出来るようになった。
また、前記各爪の途中面に前記各傾斜溝の傾斜角と並行な長孔を夫々設け、各長孔内に前記傾斜溝を横切る方向に固定したガイドピンを夫々突入させた結果、前記各爪の進退移動を伴う各爪相互の近接離反方向の移動が、前記各長孔の長さの範囲内で、前記傾斜方向に円滑に行なわれるようになった。
請求項1に係る発明のドリルチャックは、ドリル研磨機でドリルの先端部を研磨する際のドリル挟持用とすることができ、このドリル挟持用とする際には、前記チャック本体の下端から該ドリルの先端近傍部分を所定長さに突出させる調整(長さ調整)と、ドリル研磨機の保持部に対して該ドリルチャックの向きの位置決めができるため、該ドリルチャックで挟持したドリルの2箇所の逃げ面を、ドリル研磨機内に設けられている砥石の研磨面に位置合わせできるようになった。
請求項2に係る発明のドリル研磨機によれば、請求項1に記載のドリルチャックでドリルを挟持した状態で、ドリルの先端を研磨する構造にした結果、ドリルの姿勢を安定させ、ドリルの先端の位置をドリル研磨機内の砥石面が位置する高さ及び箇所に正確に案内して、ドリルの先端を正確に研磨することが出来るようになった。また、上面に内向きの傘状リング面を有する砥石面が形成された砥石をドリル先端部の一方の逃げ面を均等に研磨する向きに傾斜させ、且つ前記ドリルの中心位置かオフセットした位置に設けた結果、研磨が必要なドリルの先端の逃げ面の形伏及び向きに研磨面を向けて、逃げ面を均等に研磨し、切れ味の良い切れ刃に再生することが出来るようになった。また、前記凹段部又は前記上板面に、ドリルチャックの回転方向の向きを、前記ドリルの逃げ面が前記砥石面に接する向きに係止させる位置決め手段を設けた結果、ドリル先端に2箇所ある逃げ面の向きを、正確に砥石面に向けることが出来るようになった。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施形態のドリルチャックと、ドリル研磨機である。
図1(a)は本発明の1実施形態によるドリルチャックの斜視図、(b)はその先端部から爪を突出させて示した部分斜視図、図2はこのドリルチャックの分解斜視図である。
図1及び図2に示すドリルチャック1は、チャック本体2と、略筒形状を有する締付け雄ねじ3と、4個の爪4,4・・と、4本のガイドピン5,5・・と、平面視ドーナツ形状を有する引上げ板材6と、複数本の連結ピン7,7・・とが組み付けられた作業工具であり、後述するドリル研磨機でドリルの先端部を研磨する際にドリル挟持して研磨に必要な安定した姿勢と向きを確保するために用いられる。連結ピン7,7・・の替わりに埋込ねじを用いることも可能である。このドリルチャック1には引上げ板材6が用いられているが、締付け雄ねじ3の先端に引上げ板材6に相当するリング板面を一体形成して、引上げ板材6と連結ピン7,7・・を不要にしてもよい。
図3(a)はチャック本体の平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(C)は(a)におけるB−B線切断部端面図、(d)はチャック本体の底面図である。
図1〜図3において、チャック本体2は、大径筒部2aの外周面に滑り止め用の凸状2bが等間隔毎に形成された操作部2Aと、大径筒部2aよりも若干小径を有する中段部2Bと、中段部2Bの下面から小径の筒部2cの外周面を周方向に4等分する箇所の上端から下端に向かうに従って横方向の突出高さが低くなる三角翼形状の傾斜壁2d,2d・・が振り分けられて設けられた下部2cとが一体形成された外観形状を有する。傾斜壁2d,2d・・は後述する傾斜溝を設けるためにある。
図3(a)〜(d)に示すように、操作部2Aの内側壁面には雌ねじ溝2eが形成されている。チャック本体2の中段部2Bは外側形状においてのみあらわれる。操作部2Aの下端縁から下部2Cの下端に至る内壁は、小径の筒部2cによる内壁部分と、図2に示す爪4,4・・の一部を突入させて案内する傾斜溝2f,2f・・が設けられた部分とによって形成されている。傾斜溝2f,2f・・は、傾斜壁2d,2d・・の内側面に沿って4本形成されており、傾斜溝2f,2f・・の底面の傾斜角αは、チャック本体2の中心線に対して約20°の角度があり、傾斜溝2f,2f・・は、下端から上端に向かうに従って深くなっている。傾斜溝2f,2f・・を形成している各対向する側壁面の略中央箇所には、傾斜壁2d,2d・・の外側に貫通するピン孔2g,2g・・が開設され、操作部2Aの下面の周回方向を2分する箇所には、高さの低い凸部2L,2Rが下方に向けて突出形成されている。チャック本体2の中段部2Bには、チャック本体2を後述するドリル研磨機の保持部(22)の内側で保持させたときにおいて、保持部(22)の中段部に設けられた凹部(25A,25B)内に落ち込ませてドリルチャック1の向きを決める凸部2L,2Rが設けられている。
図4(a)は締付け雄ねじの平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は締付け雄ねじの底面図である。
図1,図2,図4の(a)〜(c)に示す締付け雄ねじ3は、大径筒部3aの外周面に滑り止め用の凸状3bが等間隔毎に設けられた操作部3Aの下方に、大径筒部3aよりも若干小径を有する筒部3cの外周壁面にねじ溝3dが形成されたねじ部3Bが一体形成された段付き筒形状を有する。ねじ部3Bは、チャック本体2の上部2A内に螺入する径があり、図2,図4の(a)〜(c)に示すように、ねじ部3Bの下端部には内向きの鍔面3eが形成されている。鍔面3eの上面の周回方向を4等分する箇所には、高さが低いボス3f,3f・・が上方に向けて突出形成されている。ボス3f,3f・・の上端から鍔面3eの下面に向けた箇所には、引上げ板材6を装着するためのピン孔3g,3g・・開設されている。
図2に示す爪4は、傾斜縁部4aの傾斜角が約20°の略直角三角形状を有する丈夫な金属板製であり、チャック本体2の傾斜溝2fの深さ及び高さよりも大きく、傾斜溝2f内にスライド自在に突入できる厚さ(約2mm)に形成されている。爪4の板面略中央箇所から傾斜縁部4aに沿う斜め下方に向けた箇所には長孔4bが形成されている。爪4の下端部は、取扱いが安全で使い易さを考慮し、破損や変形を防止するため、傾斜角が更に広角になっている。爪4の上端部には引上げ板材6に係合させる切欠き部4cが鉤部4dとともに形成されている。
図5(a)は上記実施形態のドリルチャックの正面断面図、(b)は底面図である。
図5の(a)によりドリルチャック1の組付け構造を説明する。
ドリルチャック1の内側には、切欠き部4c,4c・・を引上げ板材6内に係合させた爪4,4・・が、その多くの部分を傾斜溝2f,2f・・内に突入させた状態で配置されている。引上げ板材6は、チャック本体2の上部2内に螺入した締付け雄ねじ3の内向け鍔面の下面に連結ピン7,7・・で連結されている。各爪4,4・・の傾斜縁部4a,4a・・は、傾斜溝2f,2f・・の底に接しており、この状態でチャック本体1に埋め込んだガイドピン5,5・・を長孔4b,4b・内に位置させて、各爪4,4・・の移動を長孔4b,4b・・の範囲内に規制させている。締付け雄ねじ3のねじ部3Bの少なくとも先端部(下端部)は、常にチャック本体2の上部内に螺入した状態にあり、図5の(a)に示すように締付け雄ねじ3と爪4,4・・を最上方(最後方)まで移動させると、長孔4b,4b・・の下端縁がガイドピン5,5・・に当接して、締め付け雄ねじ3の更なる上方移動は行なえなくなる。このため、締め付け雄ねじ3はチャック本体2から抜け外れることはない。
爪4,4・・を開閉させるための操作は、チャック本体2の操作部2Aを一方の片手で持ち、締付け雄ねじ3の操作部3Aを他方の片手で持って行なう。チャック本体2に対して締付け雄ねじ3を右回転させて下方に移動させると、爪4,4・・が下方に押されて互いに近接する方向(閉じる方向)に移動し、締付け雄ねじ3を左回転させて上方に移動させると、爪4,4・・が上方に引き上げられて互いに離反する方向(開く方向)に移動する。
図6(a)は太軸のドリルを挟持したドリルチャックの正面断面図、(b)は底面図、図7は細軸のドリルを挟持したドリルチャックの正面断面図である。
後述するドリル研磨機でドリル10の先端部10b,10dを研磨する場合には、図6の(a)に示すようにドリル10をドリルチャック1で挟持させた状態で行なう。ドリルチャック1でドリル10を挟持させる操作では、先ず、締付け雄ねじ3を操作して各対向する爪4,4・・の間隔を、挟持しようとするドリル10の直径よりも広げる。そして、爪4,4・・の間の空間内にドリル10を挿入する。続いて、チャック本体2の下端からドリル10の先端近傍部分を所定長さLに突出させる調整(長さ調整)と、ドリル10の先端部の逃げ面10b,10dの軸回転方向の向きをドリルチャック1に対して一定の向きにさせる調整(向きの調整)とを行なう。これらの調整では、専用の治具を用いることが好ましい。そして、最後に、各対向する爪4,4・・の間隔を狭くさせる方向に、締付け雄ねじ3を締付け操作して、各爪4,4・・でドリル10のボディー10aを強く挟持させる。
この実施形態のドリルチャック1では、図6の(a)(b)に示すような太軸のドリル10から、図7に示すような細軸のドリル10までの挟持が可能である。例えば、直径が14mmの太いドリルから、直径が3mmの細いドリルまで挟持できる。上記の長さ調整では、直径及び長さが異なるサイズのドリルの場合にも、常に一定の所定長さLにして、ドリルチャック1をドリル研磨機に保持させた際に、ドリル10の先端の逃げ面が砥石面によって研磨される最適な高さにさせる。
図8(a)はドリルの先端近傍部分の正面図、(b)は底面図である。
ドリル10の先端の研磨は、図8の(a)(b)に示す2箇所の逃げ面10b,逃げ面10dについて行なわれる。各逃げ面10b,10dを研磨するとその縁の切り刃10c,10eが鋭くなり、切れ味が回復する。2面ある逃げ面10b,10dと、2箇所の切れ刃10c,10eは、図8(a)に示す先端角βがある。このためドリル10の研磨作業では、先ず、一方の逃げ面10bを研磨し、この研磨を終えた後、ドリルチャック1の向きを、水平に180°回転させて、他方の逃げ面10dを研磨する。ドリル10先端の逃げ面10b,10dの向きをドリルチャック1に対して一定の向きにさせる理由は、逃げ面を10b(10d)を個別に砥石面に向けるためである。
図9はドリルチャックを保持したドリル研磨機の正面断面図、図10(a)はこのドリル研磨機の上部分の平面図、(b)は側面断面図、図11はドリルチャックを保持したドリル研磨機の部分側面断面図である。
図9に示す実施形態のドリル研磨機20は、テーブル面などの上に安定した姿勢で設置可能な形状を有するハウジング21内に、円板形の砥石30を装着した電動モータMが搭載されている。図9及び図10の(a)に示すように、ハウジング21の上部にはチャック本体2の前部(下部)2Cを上方から突入させて保持する平面視ドーナツ形状のテーパ部22が設けられており、テーパ部22の中央にはチャック本体2の前端を突入させる平面視円形の開口部23が設けられている。
図10(a)(b)に示すように、保持部22の中段には、平面視ドーナツ形状の上段面24が設けられており、この上段面24のさらに上の2分する箇所には、図6(a)(b)に示す凸部2L,2Rを落ち込ませてドリルチャック1の向きを決める凹部(位置決め手段)25A,25Bが設けられている。この向きは、図8(a)(b)に示すドリル10の逃げ面10b(10d)が、図9〜図11に示す砥石30の砥石面30aに接する向きである。
図8(a)に示す逃げ面10b,10d及び切れ刃10c,10eは広角な先端角βがある。このため、図9、図10(a)、図11に示すように、砥石30は、金属製肉厚円板の上面に平面視リング状の内向きに傾斜した砥石面30aが形成されたものが用いられている。内向きに傾斜した砥石面30aは、図8(a)(b)に示す逃げ面10b,10dを、平坦面ではなく、最適な切削面であるドリル10の外周方向に沿った円錐曲面状に研磨する。砥石面30aは、ダイヤモンド粒子が固定されたダイヤモンド砥石が最適とされるが、必ずしもこれに限定されない。
図9、図10(a)、図11に示すように、砥石30はドリル10の逃げ面の向きに合わせて傾斜させてある。しかも、砥石面30aがドリル10の逃げ面に接するように、砥石30の中心P2はドリル研磨機20内に位置するドリル10の中心P1からオフセットした位置にある。
ドリル10の先端部の研磨は、モータMで砥石30を高速回転させて行なう。片側の逃げ面の研磨を終えると、ドリルチャック2の向きを180°回転させて、もう片側の逃げ面の研磨を行なう。このときの向きの位置合わせも、前記凹部(位置決め手段)25A,25Bが利用される。このようにして、2箇所の逃げ面を研磨すると、各逃げ面が均等に研磨され、2箇所の切れ刃の高さと逃げ角が揃った、新品同様の切れ味の良いドリルに再生される。
(a)は本発明の1実施形態によるドリルチャックの斜視図、(b)はその先端部から爪を突出させて示した部分斜視図。 このドリルチャックの分解斜視図。 (a)はチャック本体の平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は(a)におけるB−B線切断部端面図、(d)はチャック本体の底面図。 (a)は締付け雄ねじの平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図、(c)は締付け雄ねじの底面図。 (a)は上記実施形態のドリルチャックの正面断面図、(b)は底面図。 (a)は太軸のドリルを挟持したドリルチャックの正面断面図、(b)は底面図。 細軸のドリルを挟持したドリルチャックの正面断面図。 (a)はドリルの先端近傍部分の正面図、(b)は底面図。 ドリルチャックを保持したドリル研磨機の正面断面図。 (a)はこのドリル研磨機の上部分の平面図、(b)は側面断面図。 ドリルチャックを保持したドリル研磨機の部分側面断面図。
符号の説明
1 (本発明実施形態の)ドリルチャック
2 チャック本体
2A 操作部
2B 中段部
2C 下部
2L,2R 凸部
2c 小径の筒部
2d 傾斜壁
2f 傾斜溝
3 締付け雄ねじ
3A 操作部
3B ねじ部
4 爪
5 ガイドピン
6 引上げ板材
7 連結ピン
10 ドリル
10b 逃げ面
10c 切れ刃
10d 逃げ面
10e 切れ刃
20 ドリル研磨機
22 テーパ部
25A,25B 凹部(位置決め手段)
30 円板形砥石
30a 砥石面

Claims (2)

  1. 筒内の後部壁面に雌ねじ溝が形成され、該筒内の前部壁面に3又は4条の傾斜溝が等間隔毎に振り分けられて形成されたチャック本体と、該各傾斜溝によって夫々支持案内される3又は4枚の爪と、前部の外周壁面に前記雌ねじ溝と螺合する雄ねじ溝が形成され、後部に回転操作部が形成された締付け雄ねじとを有し、前記チャック本体と前記締付け雄ねじとを相反する回転方向に操作させると前記締付け雄ねじが前記チャック本体に対して進退移動して、前記各爪が前記各傾斜溝に沿う方向の進退移動を伴って近接離反方向に移動するドリルチャックであって、
    該ドリルチャックは、挟持するドリルの先端近傍部分を前記チャック本体の下端から所定長さに突出させる調整(長さ調整)と、ドリル研磨機の保持部に対する180°の向きの位置決めが可能なドリル研磨機対応型であり、
    前記各傾斜溝は上方に向かうに従って深く形成され、
    前記ドリルを挟持する前記各爪は略直角三角形板で形成され、該各爪には前記各傾斜溝の傾斜角と並行な長孔が夫々設けられ、各長孔内に前記傾斜溝を横切る方向に固定されたガイドピンが夫々位置していることを特徴とするドリルチャック。
  2. 請求項1に記載のドリルチャックに挟持されたドリルの先端部を研磨する電動式のドリル研磨機であって、
    テーブル上に安定姿勢で載置可能な形状を有するハウジング内に、電動モータの駆動で回転する砥石が装備され、該ハウジングの上部に前記ドリルを挟持したドリルチャックの前部を突入させる平面視円形の凹段部が設けられ、該凹段部の中央に前記ドリルチャックの径よりも大きな開孔部が設けられており、前記砥石の上面に形成された内向きの傘状リング面を有する砥石面が前記ドリルの先端部の一方の逃げ面を研磨する向きに位置しており、前記凹段部の上板面に前記ドリルチャックを所定の位置で係止させる位置決め手段が設けられていることを特徴とするドリル研磨機。
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