JP5215115B2 - 差動増幅回路及びこれを用いたリングオシレータ回路 - Google Patents

差動増幅回路及びこれを用いたリングオシレータ回路 Download PDF

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本発明は、差動入力信号を増幅して差動出力する差動増幅回路に関し、特にPLL(Phase Locked Loop)のリングオシレータの遅延素子など、出力遅延時間のばらつきの低減を要求される2入力・2出力の差動増幅回路及びこれを用いたリングオシレータ回路に関するものである。
近年、大規模集積回路の製造プロセス微細化のスケーリング則により、低電源電圧動作及び高速化動作への要求が高まっている。
そのような要求に対し、シングルエンド型回路に比べて差動型回路では片側回路辺りの信号振幅を半分にすることができるため、低電源電圧動作、高速動作のいずれに対しても有利となり、数多くのアプリケーションで採用されてきている。
しかしながら、差動型回路を採用しただけではシステムの上記要求に対応しきれない場合がある。具体的には、増幅型回路の電圧ヘッドルームの不足、及び帯域不足により、低電源電圧動作、高速動作時の差動利得が十分に確保できず、出力波形に鈍りや歪みが生じる場合がある。
そのような場合の対策として、例えば以下の特許文献1などでは、差動型回路の出力部に差動ラッチ回路を付加し、増幅動作の主体となる差動増幅回路の利得が低下しても、付加した差動ラッチ回路により補助的に差動利得を向上させるような方法を提案している。
図10は、この差動ラッチ回路を付加した従来の差動増幅回路の一例を示したものである。
図において、符号1は電源電圧(以下、「Vdd」という)、2はグランド電圧(以下、「Vss」という)、3、4はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたPMOSトランジスタで能動負荷抵抗として機能する。21乃至28はNMOSトランジスタである。また、符号a、bはそれぞれ入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、符号A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。
ノードAには、PMOSトランジスタ3、NMOSトランジスタ21、25のドレイン端子、及びNMOSトランジスタ26のゲート電極がそれぞれ接続され、一方ノードBには、PMOSトランジスタ4、NMOSトランジスタ22、26のドレイン端子、及びNMOSトランジスタ25のゲート電極がそれぞれ接続される。
符号CはNMOSトランジスタ23、24及び27が共通して接続されるノードを示す。一方、NMOSトランジスタ25、26のソース端子はNMOSトランジスタ28のドレイン端子に共通に接続される。
符号DはNMOSトランジスタ25、26及び28が共通して接続されるノードを示す。さらにNMOSトランジスタ27、28のソース端子はVss2に共通して接続される。また、入力端子a、bはそれぞれNMOSトランジスタ23、24のゲート電極に接続される。
Vin1、Vin2はそれぞれ入力端子a、bに印加される入力信号の電位を示し、またVout1、Vout2はそれぞれ出力端子c、dより出力される出力信号の電位を示す。
Bias1はNMOSトランジスタ27を定電流源として飽和領域で動作させるために、そのゲート電極に与えられるバイアス電圧、Bias2はPMOSトランジスタ3、4を能動負荷抵抗として飽和領域で動作させるために、そのゲート電極に共通に与えられるバイアス電圧である。
また、XはNMOSトランジスタ21、22のゲート電極に与えられるディジタル信号、/XはNMOSトランジスタ28のゲート電極に与えられるディジタル信号である。このXと/Xとは互いに相補的なディジタル信号であり、この差動増幅回路におけるスルーモードとラッチモードの切り替え制御をする。
NMOSトランジスタ21、22及び28はスイッチとして機能し、ON状態では線形領域で動作するように制御信号X、/Xが印加される。通常そのHレベルとしてVdd1の電圧を用いる。
次いで、このような構成をした差動増幅回路の動作について説明する。
入力端子a、bには常にアナログ信号電圧が印加されており、この回路において、X=H、/X=Lのときスルーモード、X=L、/X=Hのときラッチモードとなり、この2つのモードは所定の時間間隔で交互に繰り返される。
(1)X=H、/X=Lの場合(スルーモード)
NMOSトランジスタ21、22はON状態、NMOSトランジスタ28はOFF状態となる。このとき、電流源であるNMOSトランジスタ27により生じた電流は、Vdd1とノードCとの間に流れるようになり、NMOSトランジスタ23、24、27とPMOSトランジスタ3、4により差動増幅回路が構成される。
従って、入力電圧Vin1、Vin2の電位差に対して出力電位Vout1、Vout2の電位差に増幅された出力信号が端子c、dにより出力される。一方、ノードDはVss2に導通されないので、NMOSトランジスタ25、26においてラッチ動作は機能しない。
(2)X=L、/X=Hの場合(ラッチモード)
逆にNMOSトランジスタ21、22はOFF状態、NMOSトランジスタ28はON状態となる。このときノードDがVss2に導通され、NMOSトランジスタ25、26はラッチ回路を形成する。一方、Vdd1よりノードCに電流は流れないので、入力電圧Vin1、Vin2に対する差動増幅は機能しなくなる。
まず、ラッチモード開始直前のスルーモードにおいてVin1>Vin2のとき、Vout1<Vout2となってVin1、Vin2の電位差が増幅されている。そして、ラッチモードに切り替わると、Vout1はNMOSトランジスタ26のゲート電圧、Vout2はNMOSトランジスタ25のゲート電圧となるので、NMOSトランジスタ25のドレイン電流は、NMOSトランジスタ26のドレイン電流より大きくなる。
これによりNMOSトランジスタ25のドレイン電位であるVout1を一層減少させ、一方、NMOSトランジスタ26のドレイン電位であるVout2を一層増加させる。Vout2の増加がVout1の減少を促し、逆にVout1の減少がVout2の増加を促すという相互作用によりVout1=L、Vout2=Hが確定される。このようにして出力端子c、dよりディジタル信号が出力される。
特開平8−33586号公報
しかしながら、図10に示したような従来の差動増幅回路では、以下に示すような2つの技術的な課題が挙げられる。
まず第1の課題として、電圧ヘッドルームの不足が挙げられる。
スイッチとして動作するNMOSトランジスタ21、22は、それぞれ入力信号を受けるNMOSトランジスタ23、24のドレイン端子と、出力信号の現れるノードA、Bとの間に設けられた。しかしながら、NMOSトランジスタ21、22がON状態(すなわちスルーモード時)のとき、NMOSトランジスタ21、22で生じる電圧降下によりNMOSトランジスタ23、24のドレイン端子に印加される電圧が低下する。
また、十分な差動利得をもって差動増幅動作を行うためには、Vin1=Vin2時には入力信号を受けるNMOSトランジスタ23、24がともに飽和領域で動作することが望ましい。しかしながら、上記のようにドレイン端子の電圧が低下した状況では、ドレイン・ソース間の電位差が小さくなることにより、NMOSトランジスタ23、24が線形領域で動作してしまい、差動利得の低下をもたらす。
さらには、NMOSトランジスタ23、24が線形領域で動作することで生じる電圧降下により、NMOSトランジスタ27のドレイン端子に印加される電圧も低下する。その結果、定電流源として機能すべきトランジスタ27の定電流性を損ない、差動増幅回路全体の差動利得の低下、及び出力遅延量の増大をひきおこすおそれがある。従って、Vin1、Vin2の2つの信号入力に対して利得の良い差動増幅ができない可能性がある。
この結果、図11のように差動増幅器12、13で増幅された信号が図10の差動増幅回路に入力されても、この差動増幅回路はスルーモード時に所定の値まで増幅できなくなり、ラッチモードに移行したときにラッチ動作が正確にかつ迅速に行われないおそれがある。
次に第2の課題として、モード切り替え時の出力レベルの変動による遅延発生が挙げられる。
スルーモードとラッチモードとを切り替えるためには、上記制御信号X及び/Xに対し、X=H、/X=L(スルーモード)という状態と、X=L、/X=H(ラッチモード)という状態の間を遷移する
ここで電源電圧をVdd1,定電流源27の出力電流量をI0、PMOSトランジスタ3、4のON抵抗値をR0、NMOSトランジスタ25、26がON状態に確定している際のON抵抗値をR1とおく。スルーモード時の出力HレベルVh0は、下式(1)で表される。
Vh0=Vdd1…(1)
一方、ラッチモード時の出力HレベルVh1は、電源電圧を抵抗R0とR1とで分割されることで生成するため、下式(2)で表される。
Vh1=R1×Vdd1/(R0+R1)…(2)
上式では、PMOSトランジスタ3、4が線形領域で動作しているものと仮定した。
同様に、スルーモード時の出力LレベルVl0は、以下の式(3)で表され、
Vl0=Vdd1−R0×I0…(3)
ラッチモード時の出力LレベルVl1は、グランドレベルVl1=0と表される。
このように、ラッチモードとスルーモードとではHレベルとLレベルともに全く異なる式で表され、従ってスルーモードとラッチモードとが切り替わった瞬間に、図12に示すタイミングチャートのように出力レベルの変動が起こる。
この出力レベルの変動に時間を要してしまうような場合、出力遅延時間が増加してしまう。すなわち、スルーモードとラッチモードとのモード遷移を行うと、余計な遅延が発生するおそれがあるというのが、第2の課題である。
そして、これら第1及び第2の課題はいずれも製造プロセス、電源電圧、温度の変動に対して回路の出力遅延量を大きく変動させる結果となる。
そこで、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回路全体の差動利得を損なうことなく、製造プロセス、電源電圧、温度変動に対する出力遅延量の変動を抑えた新規な差動増幅回路及びこれを用いたリングオシレータ回路を提供することにある。
前記課題を解決するために第1の発明に係る差動増幅回路は、
第1及び第2のトランジスタと、第1及び第2の定電流源と、ラッチ回路と、第1及び第2のスイッチ回路とを含み、
上記第1のトランジスタは、ドレイン端子が第1の出力端子の接続ノードである第1の出力ノードに接続され、ソース端子が第1の電源端子に接続され、ゲート端子が第1の入力端子に接続されており、上記第2のトランジスタは、ドレイン端子が第2の出力端子の接続ノードである第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が第2の入力端子に接続されており、上記第1の定電流源は、ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ソース端子が第2の電源端子に接続されており、上記第2の定電流源は、ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記第2の電源端子に接続されており、上記ラッチ回路は、上記第1の出力ノード及び第2の出力ノードからの信号を入力し、それらの信号電圧から、上記第1の電源端子をグランドレベルとしたLレベル信号及びHi−Z信号を生成し、上記第1及び第2の出力端子に保持させるオープンドレイン出力型となっており、上記第1のスイッチ回路は、上記第1の出力端子と上記ラッチ回路との間に接続され、制御端子が上記第1の入力端子に接続されており、上記第2のスイッチ回路は、上記第2の出力端子と上記ラッチ回路との間に接続され、制御端子が上記第2の入力端子に接続されていることを特徴とする。
第2の発明は、
第1の発明に係る差動増幅回路において、上記第1のスイッチ回路は、上記第1のトランジスタの非通電状態が開始すると同時に非通電となり、上記第2のスイッチ回路は、上記第2のトランジスタの非通電状態が開始すると同時に非通電となることを特徴とする差動増幅回路である。
第3の発明は、
第1または第2の発明に係る差動増幅回路において、上記第1の定電流源は、ソース端子が上記第2の電源端子に接続され、ゲート端子に定電圧が印加された第3のトランジスタと、ソース端子が上記第3のトランジスタのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ゲート端子に定電圧が印加された第4のトランジスタとからなり、
上記第2の定電流源は、ソース端子が上記第2の電源端子に接続され、ゲート端子に上記第3のトランジスタのゲート端子と同じ定電圧が印加された第5のトランジスタと、ソース端子が上記第5のトランジスタのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ゲート端子に上記第4のトランジスタのゲート端子と同じ定電圧が印加された第6のトランジスタとからなることを特徴とする差動増幅回路である。
第4の発明は、
第3の発明に係る差動増幅回路において、上記第4のトランジスタと上記第6のトランジスタのドレイン面積は、上記第3のトランジスタと上記第5のトランジスタのドレイン面積よりも小さいことを特徴とする差動増幅回路である。
第5の発明は、
第1乃至第4のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、上記ラッチ回路は、2つのトランジスタからなり、一方のトランジスタは、ドレイン端子が上記第1のスイッチ回路に接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が上記第2の出力ノードに接続されており、他方のトランジスタは、ドレイン端子が上記第2のスイッチ回路に接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が上記第1の出力ノードに接続されていることを特徴とする差動増幅回路である。
第6の発明は、
第1乃至第5のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、上記第1及び第2のスイッチ回路は、それぞれトランジスタからなり、上記第1のスイッチ回路のトランジスタは、ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ソース端子が上記ラッチ回路に接続され、ゲート端子が上記第1の入力端子に接続されており、上記第2のスイッチ回路のトランジスタは、ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記ラッチ回路に接続され、ゲート端子が上記第2の入力端子に接続されていることを特徴とする差動増幅回路である。
第7の発明は、
第1乃至第6のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、さらにバッファ回路を備え、当該バッファ回路は、入力端子が上記第1のトランジスタの制御端子と上記第2のトランジスタの制御端子とに接続され、出力端子が上記第1のスイッチ回路と上記第2のスイッチ回路とに接続されていることを特徴とする差動増幅回路である。
第8の発明は、
第1乃至第6のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、さらにバッファ回路を備え、当該バッファ回路は、入力端子が上記第1のスイッチ回路と上記第2のスイッチ回路とに接続され、出力端子が上記第1のトランジスタの制御端子と上記第2のトランジスタの制御端子とに接続されていることを特徴とする差動増幅回路である。
第9の発明は、
第1乃至第8のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、上記第1のトランジスタの上記ソース端子及び上記第2のトランジスタの上記ソース端子の共通接続点と、前記第1の電源端子との間が直接接続されていることを特徴とする差動増幅回路である。
第10の発明は、
第1乃至第8のいずれかの発明に係る差動増幅回路において、上記第1のトランジスタの上記ソース端子及び上記第2のトランジスタの上記ソース端子の共通接続点と、前記第1の電源端子との間に定電流源を備えることを特徴とする差動増幅回路である。
第11の発明であるリングオシレータ回路は、
第1乃至第10のいずれかの発明に係る差動増幅回路を複数個有し、当該各差動増幅回路に流れる電流量を設定して発振周波数を制御することを特徴とする。
本発明の差動増幅回路では、第1の出力ノードと第1のトランジスタのドレイン端子を直接接続すると共に、第2の出力ノードと第2のトランジスタのドレイン端子を直接接続したため、従来例のようにそれらの間にスイッチ回路を挟む構成となっていない。また、第1のトランジスタと第2のトランジスタは、出力ノードを放電するためのスイッチとして使用するため、線形領域での動作も可能となる。これにより、電圧ヘッドルーム低下が原因による性能劣化を防止できる。
また、本発明の差動増幅回路では、第1の出力ノードにHレベル出力時には、第1のトランジスタがオフ状態、第1のスイッチ回路もオフ状態という1通りの状態のみをとり、出力レベルも一意に決まる。また、Lレベル出力時には、第1のスイッチ回路はオン、第1のスイッチ回路もオン状態という1通りの状態のみをとり、出力レベルも一意に決まる。第2の出力ノードについても同様に出力レベルが一意に決まる。
これにより、スルーモードとラッチモードといった異なるモードのために、出力ノードが異なるレベルをとってしまうことはない。すなわち、モード切り替えの度に出力H/Lレベルの変動のために出力遅延が新たに発生するようなことはない。
また、ドレイン面積の小さい第4のトランジスタと第6のトランジスタにより、定電流源として働く第5のトランジスタと第6のトランジスタのドレイン容量が第1の出力ノードと第2の出力ノードに付加するのを防ぐことができるため、高速動作が可能となる。
また、この発明の差動増幅回路を遅延素子として、複数個リング状に接続することで、製造プロセス、電源電圧、温度変動時にも発振周波数ばらつきを低減した高品質のリングオシレータ回路を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る差動増幅回路100の第1の実施形態を示した回路構成図である。
図において、符号1は電源電圧(Vdd)、2はグランド電圧(Vss)、34、35はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたPMOSトランジスタであり、定電流源として機能する。また、符号31、33、21、22、25、26はNMOSトランジスタである。また、符号a、bはそれぞれ入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。
ノードAには、PMOSトランジスタ34及びNMOSトランジスタ31のドレイン端子、及びNMOSトランジスタ26のゲート端子が接続されている。
一方、ノードBには、PMOSトランジスタ35及びNMOSトランジスタ33のドレイン端子、及びNMOSトランジスタ25のゲート端子が接続される。
NMOSトランジスタ21は、そのソース端子がNMOSトランジスタ25のドレイン端子に接続され、一方、NMOSトランジスタ22は、そのソース端子がNMOSトランジスタ26のドレイン端子に接続されている。
さらに、NMOSトランジスタ25、26、31、33のソース端子は全てVss2に接続されている。
そして、NMOSトランジスタ25、26によって、オープンドレイン出力型のラッチ回路28が構成されている。
また、Vin1、Vin2は、それぞれ入力端子a、bに印加される入力信号の電位を示し、またVout1、Vout2は、それぞれ出力端子c、dより出力される出力信号の電位を示している。
また、Bias3は、PMOSトランジスタ34、35を定電流源として動作させるために与えられるバイアス電圧である。
そして、NMOSトランジスタ21のゲート端子には、Vin1が印加され、NMOSトランジスタ22のゲート端子には、Vin2が印加される。
入力Vin1とVin2とは相補的な信号であるため、NMOSトランジスタ21、22は、ラッチ回路28の2つの出力の一方のみをオフ状態、他方をオン状態にする制御を行う。
次いで、この差動増幅回路100の動作について、図2のタイミングチャート図を用いて説明する。
まず、1点目にNMOSトランジスタ31、33とPMOSトランジスタ34,35で構成させる増幅段の動作について説明する。
図示するように、NMOSトランジスタ31と33に繋がる入力端子a、bには、互いに相補的な論理となる差動信号Vin1、Vin2が入力されている。これを受けるNMOSトランジスタ31、33の閾値をVthと置く。
Vin1を受けるNMOSトランジスタ31について、Vin1≧Vthのとき、NMOSトランジスタ31はオン状態となり、出力端子cの放電を行うことでVout1をLレベルに向かって遷移させる。
また、Vin1<Vthのとき、NMOSトランジスタ31はオフ状態となり、出力端子cを定電流源として働くPMOSトランジスタ34により充電することでVout1をHレベルに向かって遷移させる。
また、Vin2及びVout2の変化についても同様の挙動となる。
すなわち、Vin2を受けるNMOSトランジスタ33について、Vin2≧VthのときNMOSトランジスタ33はオン状態となり、出力端子dの放電を行うことでVout2をLレベルに向かって遷移させる。
また、Vin2<VthのときNMOSトランジスタ33はオフ状態となり、出力端子dを定電流源として働くPMOSトランジスタ35により充電することでVout2をLレベルに向かって遷移させる。
Vin1とVin2とが差動の関係であることにより、上記動作からVout1、Vout2は差動の関係となる。
なお、Vout1立ち上がり開始タイミングと、Vout2立ち下がりタイミングとが図2で若干ずれているのは、入力信号Vin1とVin2とで、NMOSトランジスタ33、35の閾値Vthを横切るタイミングがずれているためである。このタイミングのずれは、入力信号Vin1、Vin2が十分急峻であれば無視できる。
次に、2点目にラッチ回路28とその出力スイッチとして働くNMOSトランジスタ21、22の動作について説明する。
NMOSトランジスタ21のゲート端子にVin1が入力され、NMOSトランジスタ22のゲート端子にVin2が入力される。NMOSトランジスタ21、22のオン・オフの制御は上記NMOSトランジスタ31、33と同様である。すなわち、Vin1≧VthのときNMOSトランジスタ21はオン状態となり、出力ラッチ回路28と出力端子cとの間を導通させる。
そして、Vin1<VthのときNMOSトランジスタ21は、オフ状態となり、出力ラッチ回路28と出力端子cとの間を非導通にする。
これに対し、Vin2≧VthのときNMOSトランジスタ22は、オン状態となり、出力ラッチ回路28と出力端子dとの間を導通させる。
また、Vin2<VthのときNMOSトランジスタ22は、オフ状態となり、出力ラッチ回路28と出力端子dとの間を非導通にする。
ここでNMOSトランジスタ31がオフ状態のとき、すなわちVout1をHに遷移させるときには必ずNMOSトランジスタ21がオフ状態となるようにしている。
これにより定電流源PMOSトランジスタ34がVout1電位を上げるために出力する充電電流がラッチ回路側へ逃げ出さないようにしている。
同様に、NMOSトランジスタ33がオフ状態のとき、すなわちVout2をHに遷移させるときには必ずNMOSトランジスタ22がオフ状態となるようにしている。
これにより定電流源PMOSトランジスタ35がVout2電位を上げるために出力する充電電流がラッチ回路側へ逃げ出さないようにしている。
次に、3点目にオープンドレイン出力型のラッチ回路28が本発明の差動増幅回路100に差動利得をもたせる原理について図3のタイミングチャート図を用いて説明する。
差動利得が発生する原理の説明のため、出力信号Vout1、Vout2が微小差をもち、Vout1の方がVout2よりも高い電位で停止している状態(図3の時刻t1以前の状態)を仮定する。
また、このときのVout1、Vout2の電位は、ラッチ回路28に含まれるNMOSトランジスタ25,26の閾値Vthよりも高いものとする。
Vout1>Vout2であることから、NMOSトランジスタ26のゲート端子電位はNMOSトランジスタ25のゲート端子電位よりも高くなる。すなわち、NMOSトランジスタ26が出力端子cから引き込む電流が、NMOSトランジスタ25が出力端子dから引き込む電流よりも大きくなる。そのため、図3の時刻t1からt2の間に示されているように、Vout2の電位の下がる傾きの方が、Vout1の電位の下がる傾きよりも急峻となる。
Vout2がVthを横切る時刻t2以降は、NMOSトランジスタ25が完全にオフ状態となるため、Vout1の電位の下がりが完了し、以降電位の変化はなくなる。
一方でNMOSトランジスタ26は時刻t2以降もオン状態であるため、Vout2の電位はグランドレベルまで低下する。そして、グランドレベルに達した時刻t3以降はVout2はグランドレベルで一定となる。
このようにして時刻t1以前はVout1とVout2との間にあった微小な電位差が時刻t3以降は大きく広げられる。すなわち、このラッチ回路が本発明の差動増幅回路100の差動利得を向上させる機能をもつ。
なお、上記説明では簡単のためスイッチ回路21、22を省略したが、スイッチ回路21、22も含めた回路で動作を再考すると、図3の状態では、Lに落とされるVout2側のスイッチ22はオン状態で、一方Vout1側のスイッチ21はオフ状態となる。
従って、図3のVout2の動作はそのままで、一方、Vout1側はスイッチ21がオフしているためにVout1電位が低下しないことになる。すなわち、時刻t1からt2に見られるVout1電位の低下がなくなり、Vout1とVout2の電位差が益々増加することになる。つまり、スイッチ回路21、22込みでも本発明の差動増幅回路100は差動利得を有することに変わりはない。
次に、このような構成をした本発明の差動増幅回路100と、図10に示したような従来技術との差異について説明する。
図1に示すように本発明の差動増幅回路100は、入力信号Vin1、Vin2を受けるNMOSトランジスタ21、22のドレイン端子が直接、出力端子c、dに接続されており、図10に示す従来例のようにNMOSトランジスタ23、24のように出力端子c、dとの間にスイッチ回路を挟むことがない。
さらに、本発明の差動増幅回路100は、NMOSトランジスタ21、22が出力ノードを放電するためのスイッチとして使用するため、線形領域での動作も可能である。
これにより本発明の差動増幅回路100は、従来例で起こり得る電圧ヘッドルーム低下による性能劣化を回避することができる。
また、本発明の差動増幅回路100は、出力ノードAにHレベル出力時には、NMOSトランジスタ31がオフ状態、NMOSトランジスタ21もオフ状態という1通りの状態のみをとり、出力レベルも一意に決まる。また、Lレベル出力時には、NMOSトランジスタ31がオン状態、NMOSトランジスタ21もオン状態という1通りの状態のみをとり、出力レベルも一意に決まる。さらに、出力ノードBのLレベルとHレベルについても同様に一意に決まる。
これにより、従来例で起こり得るスルーモードとラッチモードといった異なるモードのために、出力ノードが異なるレベルをとってしまうことはない。すなわち、モード切り替えの度に、出力H/Lレベルの変動のために出力遅延が新たに発生するようなことはない。
また、本発明の差動増幅回路100では、NMOSトランジスタ31、33の共通ソース端子とVss2との間に定電流源を挟んでも良いが、その定電流源を使用しない場合、NMOSトランジスタ31、33と定電流源で構成される差動対の応答遅延を無くすことができる。
ここでいう差動対の応答遅延とは、差動対トランジスタのコモンソースノードの応答が遅れることにより発生する。トランジスタ31、33のゲート端子に印加される入力信号Vin1、Vin2について、初期状態ではVin1>Vin2であり、定電流は全てNMOSトランジスタ31に流れる。その後、差動入力Vin1、Vin2がクロスしてVin1=Vin2となる瞬間では、上記定電流の半分のみがNMOSトランジスタ31に流れ、残りの半分がNMOSトランジスタ31に流れる。すなわち、Vin1>Vin2時に比べ、Vin1=Vin2時には、NMOSトランジスタ33の電流量が半分となるため、そのオーバードライブ電圧は(1/√2)倍に小さくなる。これに伴い、NMOSトランジスタ31、33の共通ソースノードであるノード(ノードCとする)の電圧が、Vin1=Vin2の瞬間だけ上昇しようとする。
しかしながら、NMOSトランジスタ31、33のソース端子容量及び定電流源のドレイン容量が負荷として働くことで、このノードCの電圧上昇タイミングは、Vin1=Vin2のタイミングから遅延したものとなる。これにより差動対NMOSトランジスタ31のゲート―ソース間電位の開きが遅れ、NMOSトランジスタ31がオン状態になるのが遅れる。すなわち、出力Vout1の立ち下がりが遅れる、この増幅回路の出力遅延が増加する。上記のように定電流源を無くした場合、この応答遅延を無くすことができる。
なお、本発明の差動増幅回路100は、Vdd(電源)と、Vss(グランド)、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを入れ替えても構成することができる。
また、本実施の形態では、全てMOSトランジスタで構成したが、バイポーラトランジスタで構成しても構わない。また、ソース端子をエミッタ端子に、ドレイン端子をコレクタ端子に、そしてゲート端子をベース端子にそれぞれ対応させて、PMOSトランジスタの代わりにPNPバイポーラトランジスタを用い、NMOSトランジスタの代わりにNPNバイポーラトランジスタを用いても良い。
(第2の実施形態)
次に、図4は本発明に係る差動増幅回路100の第2の実施形態を示した回路構成図である。
図において、符号1は電源電圧(Vdd)、2はグランド電圧(Vcc)、34、35はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたPMOSトランジスタであり、定電流源として機能する。36、37は上記PMOSトランジスタ34、35のドレイン端子にカスコード接続されたPMOSトランジスタである。21、22、25、26、31、33はNMOSトランジスタである。また、a、bはそれぞれ入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。その他の符号もしくは記号は上記第1の実施の形態(図1)と同一または相当するものを示す。
このような構成をした本実施の形態に係る差動増幅回路100の基本的な動作は、上記第1の実施形態の場合と同じであるが、第1の実施形態では、出力ノードA、Bに直接、定電流源PMOSトランジスタ34、35が接続されているため、PMOSトランジスタ34、35のドレイン容量が出力ノードに直接付加し、出力遅延が大きくなる可能性がある。
そのため、本実施の形態では、PMOSトランジスタ34、35と出力ノードとの間に、ドレイン面積の小さいカスコードPMOSトランジスタ36、37を挿入したものである。
このPMOSトランジスタ36、37は、飽和領域で動作しているため、そのソース端子側の負荷容量はピンチオフ現象によりドレイン端子からは見えなくなる。そのため、出力ノードA、Bの負荷容量のうちPMOSトランジスタ起因であるものは、ドレイン容量の小さい36、37のみで済み、上記の第1の実施形態の構成に比べて高速動作が可能となる。
PMOSトランジスタ36、37はPMOSトランジスタ34、35のドレイン−ソース端子間電圧を低下させるため、PMOSトランジスタ34、35の電圧ヘッドルームに余裕がある場合のみ、本実施形態の構成を使用することができる。
(第3の実施形態)
次に、図5は本発明に係る差動増幅回路100の第3の実施形態を示した回路構成図である。
上記の実施形態と同様に、符号1は電源電圧(Vdd)、2はグランド電圧(Vcc)、34、35はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたPMOSトランジスタで定電流源として機能する。また、符号31、33、21、22、25、26、はNMOSトランジスタである。また、a、bはそれぞれ入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。その他の符号もしくは記号は図1と同一または相当するものを示す。
そして、本実施の形態に係る差動増幅回路100にあっては、さらに倫理バッファ回路38を備えた構成となっている。すなわち、このバッファ回路38は、入力端子が上記NMOSトランジスタ31、33の各制御端子に接続され、出力端子がNMOSトランジスタ21、22にそれぞれ接続されている。
このような構成をした本実施の形態に係る差動増幅回路100の基本的な動作は、上記第1の実施形態の場合と同じであるが、第1の実施形態では、入力信号Vin1、Vin2の遷移が緩やかな場合、出力Vout1、Vout2のレベルがHレベルとHレベル、またはLレベルとLレベルとなってしまい、差動論理として不定となってしまう可能性がある。
図6はこの挙動を説明するためのタイミングチャート図の例である。
図6の例では、入力Vin1とVin2のクロスポイント電位が、NMOSトランジスタ31、33の閾値Vthよりも高いために、NMOSトランジスタ31、33の両者がともにON状態となる期間が発生する。さらには、入力Vin1、Vin2の遷移が緩やかなことにより、NMOSトランジスタ31、33の両者がON状態となる期間が長くなっている。そのため、出力ノードA、Bが放電される期間が長くなり、出力ノードA、BがともにLレベルとなる期間が発生してしまう。
入力Vin1とVin2の遷移を十分急峻にすることで、上記のように出力がいずれもLとなってしまうような期間が十分短くなり、その影響を無視できるようになる。そのための手段の一つとして、入力端子の負荷容量を低減する方法が挙げられる。
本実施の形態では、上述したように、入力端子aとNMOSトランジスタ21のゲート端子との間、及び入力端子bとNMOSトランジスタ22との間に論理バッファ回路38を挿入している。
これにより入力端子a、bの負荷容量のうち、NMOSトランジスタ21、22のゲート容量分を削減でき、入力Vin1、Vin2の遷移を急峻にすることができる。
(第4の実施形態)
次に、図7は本発明に係る差動増幅回路100の第4の実施形態を示した回路構成図である。
上記の実施形態と同様に、符号1は電源電圧(Vdd)、2はグランド電圧(Vcc)、34、35はそれぞれソース端子がVdd1に接続されたPMOSトランジスタで定電流源として機能する。また、符号31、33、21、22、25、26、はNMOSトランジスタである。また、a、bはそれぞれ入力信号が入力される入力端子、c、dは論理信号が出力される出力端子、A、Bはそれぞれ出力端子c、dが接続されるノードである。その他の符号もしくは記号は図1と同一または相当するものを示す。
そして、本実施の形態に係る差動増幅回路100にあっては、上記第3の実施の形態と同様にさらに倫理バッファ回路38を備えた構成となっているが、上記第3の実施の形態と異なり、このバッファ回路38は、出力端子が上記NMOSトランジスタ31、33の各制御端子に接続され、入力端子がNMOSトランジスタ21、22にそれぞれ接続された構成となっている。
この差動増幅回路100の基本的な動作は、上記第3の実施形態の場合と同じである。上記第3の実施形態においては、入力端子の負荷容量を低減するために、NMOSトランジスタ21、22のゲート容量分を削減したが、代わりにNMOSトランジスタ31、33のゲート容量分を削減することもできる。
そして、本実施の形態では、入力端子aとNMOSトランジスタ31のゲート端子との間、及び入力端子bとNMOSトランジスタ33との間に論理バッファ回路38を挿入しているため、入力端子a、bの負荷容量のうち、NMOSトランジスタ31、33のゲート容量分を削減でき、入力Vin1、Vin2の遷移を急峻にすることができる。
(第5の実施形態)
次に、図8は本発明に係る差動増幅回路100の第5の実施形態を示したものであり、この差動増幅回路100を複数用いた新規なリングオシレータ回路200を示したものである。
図示するように、このリングオシレータ回路200は、前述した本発明に係る差動増幅回路100がN段用意され、各々の差動増幅回路100がリング状に縦続接続された構成となっている。なお、個々の差動増幅回路100の基本的な動作は、上述した通りである。
特に、2つのトランジスタをペアにした差動対を使用していない差動増幅回路を利用した場合、このような構成をしたリングオシレータ回路200では、個々の差動増幅回路100において、従来技術の差動対トランジスタによる出力遅延分も削減されている。これにより、リングオシレータ全体の発振周波数ばらつきを改善することもできる。
図9は、差動増幅回路の段数N=3とした場合の、従来技術(図9(a))及び本発明(図9(b))に係る各々の差動増幅回路の差動出力を示したタイミングチャートである。は、
図9(a)において、τ及びΔτは各々の差動増幅回路の出力遅延量を表す。Δτは差動対トランジスタによる出力遅延分を表し、τは、それ以外の要因による出力遅延分を表す。
また、図9(b)において、τは1個の差動増幅回路における全遅延量を表す。
図9(a)において、リングオシレータの発振周波数foscは、以下の式(4)で表される。
fosc=6/(τ+Δτ)…(4)
このΔτが製造プロセス・電源電圧・温度により変動することでリングオシレータの発振周波数が変動してしまう。
一方で、図9(b)において、リングオシレータの発振周波数foscは、以下の式(5)で表され、差動対による出力遅延は含まれない。
fosc=6/τ…(5)
よって、本発明のリングオシレータ回路200によれば、製造プロセス・電源電圧・温度が変動しても従来技術に比べてリングオシレータの発振周波数の変動を低減させることができる。
本発明に係る差動増幅回路100の第1の実施形態を示す回路構成図である。 第1の実施形態に係る差動増幅回路100の時間に対する各回路の情愛と出力信号の電位の様子を示すタイミングチャート図である。 第1の実施形態に係る差動増幅回路100が差動利得を有することを示すタイミングチャート図である。 本発明に係る差動増幅回路100の第2の実施形態を示す回路構成図である。 本発明に係る差動増幅回路100の第3の実施形態を示す回路構成図である。 第1の実施形態に係る差動増幅回路100において、入力差動信号の遷移が穏やかな場合の出力信号の挙動を示すタイミングチャート図である。 本発明に係る差動増幅回路100の第4の実施形態を示す回路構成図である。 本発明に係る差動増幅回路100を複数段、リング状に縦続接続してなるリングオシレータ回路200を示す回路構成図である。 (a)は、従来のリングオシレータ回路動作であって差動対の応答遅延を考慮した場合のタイミングチャート図である。(b)は、本発明に係るリングオシレータ回路200の回路動作を説明するためのタイミングチャート図である。 従来の差動増幅回路の一例を示す回路構成図である。 差動ラッチ回路を用いた従来の電圧比較器の回路図である。 差動増幅回路のモード切替時の出力動作点変動を示したタイミングチャート図である。
符号の説明
100…差動増幅回路
200…リングオシレータ回路
1…電源電圧(Vdd)
2…グランド電圧(Vss)
21、22…NMOSトランジスタ(スイッチ回路)
25、26…NMOSトランジスタ
28…ラッチ回路
31、33…NMOSトランジスタ(第1及び第2のトランジスタ)
34、35…PMOSトランジスタ(第1及び第2の定電流源(第3及び第4のトランジスタ))
36、37…PMOSトランジスタ(第4及び第6のトランジスタ)
38…バッファ回路
A、B…出力ノード
a、b…入力端子
c、d…出力端子

Claims (11)

  1. 第1及び第2のトランジスタと、第1及び第2の定電流源と、ラッチ回路と、第1及び第2のスイッチ回路とを含み、
    上記第1のトランジスタは、
    ドレイン端子が第1の出力端子の接続ノードである第1の出力ノードに接続され、ソース端子が第1の電源端子に接続され、ゲート端子が第1の入力端子に接続されており、
    上記第2のトランジスタは、
    ドレイン端子が第2の出力端子の接続ノードである第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が第2の入力端子に接続されており、
    上記第1の定電流源は、
    ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ソース端子が第2の電源端子に接続されており、
    上記第2の定電流源は、
    ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記第2の電源端子に接続されており、
    上記ラッチ回路は、
    上記第1の出力ノード及び第2の出力ノードからの信号を入力し、それらの信号電圧から、上記第1の電源端子をグランドレベルとしたLレベル信号及びHi−Z信号を生成し、上記第1及び第2の出力端子に保持させるオープンドレイン出力型となっており、
    上記第1のスイッチ回路は、
    上記第1の出力端子と上記ラッチ回路との間に接続され、制御端子が上記第1の入力端子に接続されており、
    上記第2のスイッチ回路は、
    上記第2の出力端子と上記ラッチ回路との間に接続され、制御端子が上記第2の入力端子に接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  2. 請求項1に記載の差動増幅回路において、
    上記第1のスイッチ回路は、上記第1のトランジスタの非通電状態が開始すると同時に非通電となり、
    上記第2のスイッチ回路は、上記第2のトランジスタの非通電状態が開始すると同時に非通電となることを特徴とする差動増幅回路。
  3. 請求項1または2に記載の差動増幅回路において、
    上記第1の定電流源は、
    ソース端子が上記第2の電源端子に接続され、ゲート端子に定電圧が印加された第3のトランジスタと、ソース端子が上記第3のトランジスタのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ゲート端子に定電圧が印加された第4のトランジスタとからなり、
    上記第2の定電流源は、
    ソース端子が上記第2の電源端子に接続され、ゲート端子に上記第3のトランジスタのゲート端子と同じ定電圧が印加された第5のトランジスタと、ソース端子が上記第5のトランジスタのドレイン端子に接続され、ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ゲート端子に上記第4のトランジスタのゲート端子と同じ定電圧が印加された第6のトランジスタとからなることを特徴とする差動増幅回路。
  4. 請求項3記載の差動増幅回路において、
    上記第4のトランジスタと上記第6のトランジスタのドレイン面積は、上記第3のトランジスタと上記第5のトランジスタのドレイン面積よりも小さいことを特徴とする差動増幅回路。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    上記ラッチ回路は、2つのトランジスタからなり、
    一方のトランジスタは、
    ドレイン端子が上記第1のスイッチ回路に接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が上記第2の出力ノードに接続されており、
    他方のトランジスタは、
    ドレイン端子が上記第2のスイッチ回路に接続され、ソース端子が上記第1の電源端子に接続され、ゲート端子が上記第1の出力ノードに接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    上記第1及び第2のスイッチ回路は、それぞれトランジスタからなり、
    上記第1のスイッチ回路のトランジスタは、
    ドレイン端子が上記第1の出力ノードに接続され、ソース端子が上記ラッチ回路に接続され、ゲート端子が上記第1の入力端子に接続されており、
    上記第2のスイッチ回路のトランジスタは、
    ドレイン端子が上記第2の出力ノードに接続され、ソース端子が上記ラッチ回路に接続され、ゲート端子が上記第2の入力端子に接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    さらにバッファ回路を備え、
    当該バッファ回路は、
    入力端子が上記第1のトランジスタの制御端子と上記第2のトランジスタの制御端子とに接続され、出力端子が上記第1のスイッチ回路と上記第2のスイッチ回路とに接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    さらにバッファ回路を備え、
    当該バッファ回路は、
    入力端子が上記第1のスイッチ回路と上記第2のスイッチ回路とに接続され、出力端子が上記第1のトランジスタの制御端子と上記第2のトランジスタの制御端子とに接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    上記第1のトランジスタの上記ソース端子及び上記第2のトランジスタの上記ソース端子の共通接続点と、前記第1の電源端子との間が直接接続されていることを特徴とする差動増幅回路。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の差動増幅回路において、
    上記第1のトランジスタの上記ソース端子及び上記第2のトランジスタの上記ソース端子の共通接続点と、前記第1の電源端子との間に定電流源を備えることを特徴とする差動増幅回路。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の差動増幅回路を複数個有し、当該各差動増幅回路に流れる電流量を設定して発振周波数を制御することを特徴とするリングオシレータ回路。
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