JP5213825B2 - 低誘虫シート及びこれを用いた照明器具 - Google Patents

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Description

本発明は、低誘虫シート及びこれを用いた照明器具に関する。
昆虫類、害虫類、蛾類などの虫類は、一般に410nm以下、なかでも340〜410nmの範囲の紫外線領域の波長を含む光源に向かって進む走行性という習性を有するため、虫類が、紫外線領域の光を放射する白色蛍光灯などの光源に群がることがあり、その傾向は屋外において顕著である。また、屋内、特に居室内においては、室内の照明に誘引されてくる虫類は非常にわずらわしく、非衛生的であり、照明カバーに蓄積した虫類による汚れは見た目にも悪く、不快感を与えるものである。近年、住空間への意識の高まりに伴い、光源に誘引される虫類を低減するために、虫類を誘引しにくい低誘虫性を有する照明器具が求められるようになっている。
低誘虫性を有する照明器具としては、特許文献1には特定の紫外線吸収剤を含有した樹脂板を成形延伸して得られる樹脂製照明カバーに関する技術が開示されている。しかし、この技術により得られるカバーは、成形延伸によって得られるものであるため、絵柄などの装飾を有することがなく、また厚みによる加工性の不足から複雑な形状を表現することができないため、意匠性に乏しく、多様化した嗜好、要求に十分に応えられないといった問題があった。
一方、優れた意匠性を有する照明器具に用いられる照明カバーとして、例えば特許文献2には和紙や和紙状のレーヨン紙などの和紙状シートの両面にアクリル樹脂薄板などの透明合成樹脂薄板を貼り合わせてなる装飾合成樹脂シートに関する技術が開示されている。当該装飾合成樹脂シートは、用いられる樹脂シートの厚みが50μm程度と薄いため、複雑な形状を表現することができる意匠性に優れたものであるが、樹脂シートの厚みの制限から紫外線吸収剤の添加量が不足し、低誘虫性を十分に付与できないといった問題があった。
特開2000−67629号公報 特開平8−103990号公報
本発明は、このような状況下で、優れた意匠性を有しつつ、優れた低誘虫性と成形性とを有する低誘虫シート、及びこれを用いた和風照明器具を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、シート中に所定量の紫外線吸収剤を含有しうる層を設けることで、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
(1)基材A及び基材Bの間に、2層からなる低誘虫機能層を有する低誘虫シートであって、該シートの少なくとも低誘虫機能層に紫外線吸収剤を含有し、かつ該シート全体としての該紫外線吸収剤の含有量が1〜28g/m2である低誘虫シート、
(2)基材A及び基材Bの間に、低誘虫機能層を有する低誘虫シートであって、該シートの少なくとも低誘虫機能層に紫外線吸収剤を含有し、該低誘虫機能層が、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなるものであり、かつ該シート全体としての該紫外線吸収剤の含有量が1〜28g/m 2 である低誘虫シート、
(3)低誘虫機能層が、2層からなるものである上記(2)に記載の低誘虫シート、
(4)2層の低誘虫機能層の間に接着層を有する上記(1)又は(3)に記載の低誘虫シート、
(5)接着層が、紫外線吸収剤を含むものである上記(4)に記載の低誘虫シート、
)さらに、最表面に防汚層を有する上記(1)〜()のいずれかに記載の低誘虫シート。
)以下の工程(A)及び(B)を有する低誘虫シートの製造方法、
工程(A):基材A及び/又は基材Bに、紫外線吸収剤と電離放射線硬化性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工して低誘虫機能層を形成する工程
工程(B):前記低誘虫機能層が基材Aと基材Bとの間になるように、接着剤を介して基材Aと基材Bとを積層させる工程
)下記(i)〜(iii)の少なくとも一種の特徴をさらに有する上記(1)〜()のいずれかに記載の低誘虫シートを木枠(木調の意匠を有する素材が用いられた場合も含む)に貼り付けて又ははめこみしてなる和風照明器具カバー、及び
(i)基材A又は基材Bが、和紙又は布地の裁断片を含有する
(ii)さらに、和紙模様又は布地模様を表現する絵柄層を有する
(iii)さらに、和紙又は布地からなる層を有する
)上記()に記載の和風照明器具カバーを用いてなる和風照明器具、
を提供するものである。
本発明によれば、優れた意匠性を有しつつ、優れた低誘虫性と成形性とを有する低誘虫シート、及びこれを用いた和風照明器具を得ることができる。
本発明の低誘虫シートの断面を示す模式図である。
[低誘虫シート]
本発明の低誘虫シートは、基材A及び基材Bの間に、低誘虫機能層を有する低誘虫シートであって、該シートの少なくとも低誘虫機能層に紫外線吸収剤を含有し、かつ該シート全体としての該紫外線吸収剤の含有量が1〜28g/m2であることを特徴とするものである。
本発明の低誘虫シートの構造について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の低誘虫シート1の好ましい層構成の一つを例にとって、その断面を示した模式図である。図1に示される低誘虫シート1は、基材Aの表面上に低誘虫機能層31、接着層4、低誘虫機能層32、絵柄層5、着色ベタ層7、基材B及び防汚層6が順に積層されたものである。
《基材》
本発明で用いられる基材A及び基材Bは、通常基材として用いられるものであれば特に限定されないが、好ましくはプラスチックフィルム、プラスチックシートなどを用途に応じて適宜選択することができる。
プラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(線状低密度ポリエチレン樹脂を含む)、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーあるいは、これらの混合物などのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどのポリエステル樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂などのアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66などで代表されるポリアミド樹脂;三酢酸セルロース樹脂、セロファンなどのセルロース系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂;又はポリイミド樹脂などが挙げられる。
基材は、上記した合成樹脂のなかから単独で、又は2種以上を選んでフィルムあるいはシートとして用いることができる。合成樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、なかでも後述する低誘虫機能層との相性、製造後の化粧シートを焼却廃棄処分にする際に有毒な塩素系ガスが発生しないこと、及びコストなどの観点から、ポリオレフィン樹脂がより好ましく、ポリプロピレン樹脂が特に好ましい。また、基材A及び基材Bは、同じものでもよいし異なっていてもよく、上記したものから適宜選択すればよい。
基材は、上記した合成樹脂からなる市販のプラスチックフィルム又はプラスチックシートを用いてもよいし、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押出し法など成膜方法により、フィルム又はシートとして用いてもよい。また、基材には、上記した合成樹脂とともに、後述する紫外線吸収剤が含まれていてもよい。紫外線吸収剤の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度である。
基材の厚さについては特に制限はないが、成形性などを考慮すると、通常20〜200μm程度であり、好ましくは20〜150μm、より好ましくは50〜150μmの範囲である。
基材は、その上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的または化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また、基材は、隣接する他層との層間密着性の強化などを目的として、プライマー層を形成するなどの処理を施してもよい。
また、基材として、上記したような合成樹脂に、和紙や布地といった素材を裁断などにより適宜細かくしたものを加えて、Tダイ押出し法などの成膜方法により得られたフィルム又はシートを用いることもできる。このようなフィルムやシートを基材として用いることで、本発明のシートに和風の意匠性を付与することができる。
《低誘虫機能層3》
低誘虫機能層3は、基材Aと基材Bとの間に設けられる、本発明のシートに低誘虫性を付与する層である。低誘虫機能層3は、基材Aと基材Bとの間にあれば特に制限はなく、例えば、図1に示されるような、低誘虫機能層31及び32からなる2層、あるいは複数層であってもよいし、1層であってもよい。本発明のシートにより多くの紫外線吸収剤を含有させて、優れた低誘虫性を得る観点から、低誘虫機能層3は2層以上の複数層とすることが好ましい。また、低誘虫機能層3は、基材Aと基材Bとの間にあることで、低誘虫機能層の傷つきなどを防止することが可能となる。
低誘虫機能層3は、少なくとも紫外線吸収剤を含有していれば特に制限はないが、例えば電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含有する硬化性樹脂組成物を硬化して得ることができる。硬化性樹脂としては電離放射線硬化性樹脂が好ましく、低誘虫機能層3は、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含む電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなるものであることが好ましい。
(硬化性樹脂組成物)
低誘虫機能層3の形成に用いられる硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含む電離放射線硬化性樹脂組成物であることが好ましく、必要に応じてその他の各種添加剤を含む組成物である。ここで、電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂である。
〈紫外線吸収剤〉
本発明の低誘虫シートの低誘虫性は、紫外線吸収剤により発現するものであり、該紫外線吸収剤は、低誘虫層3に含有されることを必須とし、好ましくは上記の基材2のほか、後述する接着層4、絵柄層5、防汚層6及び着色ベタ層7に含有される。
本発明の低誘虫シートにおける紫外線吸収剤の含有量は、1〜28g/m2であり、好ましくは1〜20g/m2であり、より好ましくは5〜15g/m2である。紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあれば、優れた低誘虫性が得られつつ、密着性及び耐溶剤性などの機械的特性を十分に確保することができる。
本発明に用いられる紫外線吸収剤は、紫外線吸収性能を有するものであれば制限なく用いることができるが、優れた低誘虫性を得ると同時に、本発明の低誘虫シートを照明器具に適用した場合を考慮して、可視光線領域と赤外線領域における高い全光線透過率を確保する観点から適宜選択することが望ましい。
なかでも250〜400nmの間に最大吸収波長を有する紫外線吸収剤が好ましく用いられる。紫外線吸収剤の最大吸収波長を上記範囲内とすることで、低誘虫シートの全光線透過率が、虫類を誘引する紫外線領域において低減し、可視光線領域と赤外線領域において高く維持できるので、本発明の低誘虫シートが優れた低誘虫性を有し、照明器具などへの適用が可能なものとなるので、好ましい。
このような紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系などの紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なかでも、優れた低誘虫性と、可視光線領域及び赤外線領域における高い全光線透過率を確保する観点から、ベンゾトリアゾール系が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート(「TINUVIN109」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(「TINUVIN171」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(「TINUVIN326」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(「TINUVIN328」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、及び2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。なかでも、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート(「TINUVIN109」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(「TINUVIN326」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、及び2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(「TINUVIN328」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)が好ましく、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート(「TINUVIN109」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)が特に好ましい。紫外線吸収剤は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
硬化性樹脂組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、硬化性樹脂と紫外線吸収剤との合計に対して、1〜50質量%程度であり、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が上記の範囲内にあれば、十分な低誘虫性を発現しつつ、密着性及び耐溶剤性などの機械的特性を十分に確保することができる。
〈電離放射線硬化性樹脂〉
低誘虫機能層3の形成に好ましく用いられる電離放射線硬化性樹脂は、従来電離放射線硬化性の樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができるが、良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、固形分基準として95〜100%程度としても塗工性を有し、かつ硬化する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。そのような電離放射線硬化性樹脂の代表例を以下に記載する。また、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有するような多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて用いればよい。官能基数としては、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられる。これらのオリゴマーのうち、多官能性の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2〜16が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。これらの重合性オリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されない。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。これは、本発明における電離放射線硬化性樹脂組成物には紫外線吸収剤が含まれることから、紫外線の照射の場合は、紫外線照射量が不足する場合があり、照射する紫外線の波長や照射量の調製を要することがあるが、電子線の照射の場合は、そのような調製は不要であり、安定した硬化特性が効率的に得られるからである。
〈各種添加剤〉
低誘虫機能層3の形成に用いられる硬化性樹脂組成物には、得られる低誘虫機能層の所望物性に応じて、各種添加剤が配合される。添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
《接着層4》
接着層4は、基材Aと基材Bとを積層するために、低誘虫機能層31と32との間などに必要に応じて設けられる層である。接着層4は、低誘虫シートの層構成や製造工程により設ける箇所は異なるが、例えば、低誘虫機能層3が2層ある図1のような場合は低誘虫機能層31と32との間に、低誘虫機能層3が1層の場合は低誘虫機能層3と絵柄層5との間、あるいは低誘虫機能層3と基材Aとの間などに設けられる。
接着層4に用いられる接着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤;エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)接着剤、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂接着剤、酢酸ビニル−アクリル系共重合体接着剤などの酢酸ビニル系接着剤;ブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン系樹脂、水性ウレタン系接着剤、水性ビニルウレタン系接着剤、変性ウレタン系接着剤、ウレタン変性ビニル系接着剤などのウレタン系接着剤;スチレン−ブタジエンラテックス系接着剤、水性高分子イソシアネート系接着剤、及びアクリル系樹脂接着剤などの接着剤が挙げられる。なかでも、ポリエステル系接着剤が好ましい。
また、接着剤は、低誘虫性の向上の観点から、上記した紫外線吸収剤を好ましく含むことができる。接着剤中の紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜30質量%程度とすることが好ましい。接着剤中の紫外線吸収剤の含有量が上記範囲内にあれば、優れた接着力を得つつ、優れた低誘虫性が得られる。
《絵柄層5》
絵柄層5は、本発明の低誘虫シートに意匠性を与えるために必要に応じて設けられる層である。図1において、絵柄層5は、着色ベタ層7と低誘虫機能層32との間に設けられているが、所望する意匠感などによっていずれの箇所に設ければよいか適宜選択すればよい。本発明の低誘虫シートの和風な意匠性を高めるためには、着色ベタ層7は絵柄層5よりも外側にあることが好ましい。ここで、外側とは、いずれかの基材に近い方、あるいは防汚層6が設けられる場合は防汚層6に近い方のことをいい、例えば本発明のシートが照明に用いられる場合は、その使用者が目にする側に近い方である。
絵柄層5及び着色ベタ層7が設けられる場合の好ましい層構成としては、例えば、絵柄層5、着色ベタ層7及び基材の順に積層した構成が挙げられる。また、防汚層6が設けられる場合には、例えば図1のように絵柄層5、着色ベタ層7、基材B及び防汚層6の順に積層した構成や、絵柄層5、基材B、着色ベタ層7及び防汚層6の順に積層した構成が好ましく挙げられる。より鮮やかな絵柄を表現したい場合には、基材B、絵柄層5、着色ベタ層7及び防汚層6の順に積層した構成などが好ましく挙げられる。
絵柄層5に採用される模様は、用途に応じて適宜選択されるが、例えば、和紙、布目や布状の模様を模した和紙模様や布地模様、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様が挙げられる。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、および黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う多色印刷などによっても形成される。
本発明の低誘虫シートを照明器具に適用する場合、絵柄層5に適用する模様は、全光線透過率などの照明器具として所望される性能を確保していれば特に制限はないが、色彩が白、乳白色、淡黄色などの淡色系が好ましく、和風照明器具カバーなどに用いる場合には、淡色系かつ和紙模様や布地模様であることが好ましい。
絵柄層5の形成に用いられるインキ組成物としては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。これらのなかでも、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂などを1種単独で又は2種以上を混合して用いるのが好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
絵柄層5は、上記したような種々の模様を、インキ組成物と印刷機とを使用して印刷することにより形成される。一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷など、周知の印刷方法によりインキにて形成することができる。
また、絵柄層5の形成に用いられるインキ組成物は、上記した紫外線吸収剤を含んでいてもよい。インキ組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜5質量%程度である。
絵柄層5の厚さは、1〜20μm程度が好ましい。絵柄層5の厚みが上記範囲内にあれば、照明器具として所望される性能を確保しつつ、十分な意匠性が得られる。
《防汚層6》
本発明の低誘虫シートは、使用に伴う汚れの付着を防止する、いわゆる防汚性を付与する目的で、その最表面の少なくとも一方の側に防汚層6を好ましく有することができる。この防汚層6は、低誘虫シートを照明器具に適用する場合は、該照明器具の外側となる側に設けられるものである。
防汚層6は、好ましくは電離放射線硬化性樹脂を含む防汚層用硬化性樹脂組成物を架橋硬化させて得られるものであり、該硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂としては、上記した低誘虫機能層に用いられるものが好ましく挙げられる。
また、防汚層用硬化性樹脂組成物は、優れた低誘虫性と耐候性とを得る目的で、上記した紫外線吸収剤を含むことが好ましい。該組成物中の紫外線吸収剤の含有量は、0.1〜10質量%程度であり、0.1〜5質量%が好ましい。また、防汚層用硬化性樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤を含有することができ、該各種添加剤としては、上記した低誘虫機能層に用いられるものが好ましく挙げられる。
防汚層6を形成する防汚層用硬化性樹脂組成物は、防汚性をさらに向上させる目的で、単官能あるいは多官能のシリコーン(メタ)アクリレートを含有することができる。シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、透明性を維持する観点より、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して1〜5質量部、より好ましくは1〜2質量部である。
また、防汚層6を形成する防汚層用硬化性樹脂組成物は、より深みのある意匠性を表現するために、微粒子を含有することができる。微粒子としては、種々のものが用いられ、無機質微粉末、有機フィラーなどが用いられる。無機質微粉末としては、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、ケイ酸微粉末などが挙げられ、有機フィラーとして、アクリル、ウレタン、ナイロン、ポリプロピレン、尿素系樹脂などからなるフィラーなどが挙げられる。
微粒子の平均粒径は、防汚性と意匠性とを優れたものにする観点から、1〜10μm程度、好ましくは1〜7μmである。ここで、凹凸付与微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法もしくはレーザー回折法により測定されたものである。
微粒子の含有量は、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、5〜60質量部の範囲であることが好ましく、5〜45質量部の範囲がより好ましい。
防汚層6の厚さは、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。厚みが上記範囲内にあれば、防汚性の効果が十分に得られ、低誘虫シートの成形性も確保できる。
《着色ベタ層7》
着色ベタ層7は、本発明の低誘虫シートに意匠性を与えるために必要に応じて設けられる層である。本発明においては、絵柄層5を単独で、あるいは着色ベタ層7を単独で設けることもできるが、これらの層を組み合わせて設けることが意匠性の観点から好ましい。
また、着色ベタ層7は、意匠性を高めつつ、高い全光線透過率を確保する観点から、着色透明であることが好ましく、色彩としては乳白色や淡黄色などの淡色系であることがより好ましい。
着色ベタ層7を形成するインキ組成物は、絵柄層5を形成するインキ組成物と同様のものを用いることができ、必要に応じて紫外線吸収剤を含有することができることも同様である。
本発明のシートは、その意匠性を向上させる目的、特に和風の意匠性を向上させる目的で、和紙や布地といった素材自体を有する構成のものとしてもよい。本発明のシートは、和風の意匠性を向上させるにあたり、和紙や布地などの素材を単独で設けることができる。また、和風を基調としつつ多様な意匠性を表現するために、該素材と絵柄層5や着色ベタ層7とを組み合わせることもできる。
和紙や布地などの素材を設ける箇所は、特に制限はないが、防汚性を考慮すると、最表面よりも内側、すなわち、防汚層6が設けられる場合は防汚層よりも内側に設けられることが好ましい。また、当該素材を設ける場合には、必要に応じて、上記した接着層4に用いられる接着剤などを用いればよい。
《凹凸模様》
本発明の低誘虫シートには、優れた意匠性を付与するために、エンボス加工による凹凸模様を施すことができる。凹凸模様は、製造過程にある低誘虫シートがいずれかの手段によってエンボス可能な温度となっているときに、エンボス版で加熱加圧することにより形成することができる。
エンボス版による加熱加圧は、意匠性の観点からは、最表面(基材、あるいは防汚層6が設けられていれば防汚層6)から施すことが好ましい。
凹凸模様の形成には、周知の枚葉、もしくは輪転式のエンボス機が用いられ、凹凸模様の形状としては、木目版導管溝、石板表面凹凸、布地表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などがあり、絵柄層による絵柄などを考慮して適宜選択することができる。
[低誘虫シートの製造方法]
本発明の低誘虫シートの製造方法は、工程(A):基材A及び/又は基材Bに、紫外線吸収剤と電離放射線硬化性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工して低誘虫機能層を形成する工程、及び工程(B):前記低誘虫機能層が基材Aと基材Bとの間になるように、接着剤を介して基材Aと基材Bとを積層させる工程を含むものである。
《工程(A)》
工程(A)は、基材A及び/又は基材Bに、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工して低誘虫機能層3を形成する工程である。
低誘虫機能層3の形成において、まず、好ましい硬化性樹脂として上記した硬化成分である重合性モノマーや重合性オリゴマーなどの電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収剤、及び各種添加剤を、それぞれ所定の割合で均質に混合して、電離放射線硬化性樹脂組成物を調製する。この電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、後述する塗工方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
そして、調製した電離放射線硬化性樹脂組成物を、基材A及び/又は基材B上に、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの公知の方式、好ましくはグラビア印刷により塗工し、未硬化樹脂層を形成する。
この未硬化樹脂層の形成において、電離放射線硬化性樹脂組成物の塗工は、所望の低誘虫機能層の厚みに応じて、一回で行ってもよいし、複数回で行ってもよい。電離放射線硬化性樹脂組成物の塗工を複数回で行う場合は、未硬化樹脂層を硬化させずに電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工してもよいし、未硬化樹脂層を硬化してから新たに電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工してもよい。
また、低誘虫機能層は、上記のように基材A及び/又は基材Bの絵柄層側に形成した低誘虫機能層の上に、さらに設けてもよいし、基材A及び/又は基材Bの表面上に形成した低誘虫機能層の上にさらに設けてもよい。
このようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線及び紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、次いで電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒などを蒸発させる目的で乾燥させて、低誘虫機能層3を得る。
低誘虫機能層3の厚さは、低誘虫機能層に含有させる紫外線吸収剤の量などに応じて適宜設定すればよいが、通常10〜60μm、好ましくは3〜55μm、より好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μmである。低誘虫機能層の厚さが上記範囲内にあれば、十分な紫外線吸収剤を保持できるので、優れた低誘虫性を得ることができる。
上記未硬化樹脂層を硬化させる際に、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと未硬化樹脂層の厚みとが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
照射線量は、低誘虫機能層における電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒などを蒸発させる目的で乾燥を行うこともできる。乾燥の温度条件は、室温〜55℃の範囲が好ましく、室温〜50℃であることがより好ましく、乾燥時間は10〜120秒間が好ましく、30〜90秒間がより好ましい。なお、室温は通常20℃程度である。
必要に応じて設けられる絵柄層及び着色ベタ層は、例えば図1の場合であれば低誘虫機能層32を設ける前に、これらの層を形成するインキ組成物を塗工して設ければよい。
《工程(B)》
工程(B)は、低誘虫機能層が基材Aと基材Bとの間になるように、接着剤を介して基材Aと基材Bとを積層させる工程である。接着剤は、工程(A)で基材A及び基材Bにどの層が形成されるかにより異なり、基材A及び基材B、絵柄層、ならびに低誘虫機能層に塗工することが想定されるが、いずれであっても特に問題はない。
接着剤は、グラビア印刷、ダイコート、バーコート、スプレーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式より塗工して形成することができ、塗工方法としては、生産性の面から、グラビア印刷、コンマコートが好ましく採用される。接着剤の塗工量は、0.1〜20g/m2(固形分基準)が好ましく、1〜10g/m2(固形分基準)がより好ましい。
貼着には、コールドプレス、ホットプレス、ロールプレス、ラミネーター、ラッピング、縁貼り機、真空プレスなどの貼着装置を用いることができる。なかでも、ラミネーターによるドライラミネーションが好ましく採用される。
《防汚層の形成》
防汚層の形成は、例えば基材Bに絵柄層を設けた後に、基材Bの絵柄層を設けた面とは反対の面に防汚層用硬化性樹脂組成物を塗工し、架橋硬化して行えばよい。防汚層用硬化性樹脂組成物の塗工、及び架橋硬化の方法は、低誘虫機能層の形成と同様である。また、防汚層用硬化性樹脂組成物の架橋硬化による防汚層の形成は、基材Aと基材Bとを積層する前であれば特に制限なく行うことができるが、製造工程の簡略化を考慮すると、基材Aに低誘虫機能層を設ける場合は、該低誘虫機能層の架橋硬化による形成と同時に行うことが好ましい。なお、基材Aに防汚層を設ける場合も、防汚層は上記した基材Bに設ける場合と同様に設けることができる。
《低誘虫シート》
このようにして得られる本発明の低誘虫シートは、優れた低誘虫性を有するものである。より具体的には、本発明の低誘虫シートは、405nmの波長での全光線透過率が好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、かつ555nm及び945nmの波長での全光線透過率がそれぞれ30%以上という特性を有する。本発明の低誘虫シートは、405nmの波長での全光線透過率を5%以下とすることで、優れた低誘虫性を有することができ、555nm及び945nmの波長での全光線透過率をそれぞれ30%以上とすることで、照明器具に適用した場合に十分な明るさを確保し、主に赤外線領域の波長が用いられるリモコン操作への対応が可能となる。
また、本発明の低誘虫シートは、印刷による絵柄層を設けることで、高い意匠性を有し、かつ多様化する嗜好に対応でき、その厚みを350μm程度と抑えることで、様々な形状に成形することが可能となる。
(用途)
本発明の低誘虫シートは、このような特性を活かして、照明器具カバーとすることができ、該照明器具カバーは照明器具に好適に用いることができる。照明器具としては、例えば光源と光源とを収納する筐体及び本発明の照明器具カバーを有し、該筐体の内部から外部にかけて、該照明器具カバーを経由して該光源からの光を照射する形態のものが挙げられる。
また、本発明の低誘虫シートは、(i)絵柄層に和紙模様や布地模様などを採用すること、(ii)合成樹脂に、和紙や布地といった素材を裁断などにより適宜細かくした裁断片を含むフィルム又はシートを基材として用いること、あるいは(iii)和紙や布地といった素材自体からなる層を有する構成とし、かつ木枠(木調の意匠を有する素材が用いられた枠も含む)に貼り付けたり、又ははめこみなどすることで、特に和風照明器具カバーとして好適に使用することができる。そして、該和風照明器具カバーは、上記のような照明器具に好適に用いられ、和風照明器具とすることができる。
さらに、本発明の低誘虫シートは、上記の照明器具や和風照明器具のような屋内用途に限らず、屋外に設置される、例えば内部に光源を有し、この内部の光源によって照明する内照式の看板に用いられる看板材としても好適に用いられる。本発明の低誘虫シートをこのような用途に適用する場合、低誘虫シート自体で看板材を形成してもよいし、別の看板材に低誘虫シートを貼り合わせて用いてもよい。
本発明の低誘虫シートのその他の用途としては、住宅などの窓材、出入り口の間仕切り板なども挙げられる。住宅内の照明によって窓際や出入り口などに虫類の群がりや、屋内への侵入を防止することができる。さらに、本発明の低誘虫シートは、コンビニエンスストア、スーパーなどの商業施設の窓ガラスなどに貼り付けるなどして、使用することも可能である。本発明の低誘虫シートは、剥離層と剥離シートを低誘虫シートの少なくとも1面に設けたタックシートとすることで、様々な用途に対応することもできる。この際、剥離層や剥離シートとしては、通常タックシートに用いられるものを制限なく適用することが可能である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各実施例及び比較例で得られた低誘虫シートについて、以下の方法で評価した。
(1)全光線透過率の測定
分光反射率測定器(「PC−3100(型番)」:島津製作所製)を用いて、405nm、555nm、及び945nmの波長における全光線透過率を測定し、下記の基準で評価した。
405nmの波長における全光線透過率の評価
◎:全光線透過率3%以下
○:全光線透過率3%超5%以下
×:全光線透過率5%超10%以下
555nm、及び945nmのそれぞれの波長における全光線透過率の評価
○:全光線透過率30%以上
×:全光線透過率30%未満
(2)密着性
低誘虫シートの表面の一部を、消しゴムで10回擦り、その部分に室温下、セロファンテープ(ニチバン(株)製のセロファン粘着テープ、「セロテープ(登録商標)」25mm幅)を強く貼着させ、低誘虫シートの表面と90度の方向に、該セロファンテープを強制的に剥離した。これを3回繰り返した時のシートの状態を観察した。
○ 問題ない
△ 若干の剥離があるものの、実用上問題がない
× 剥離が著しい
(3)硬化収縮性の評価
指触、及び外観の目視を行い、下記の基準で評価した。
○:問題ない
△:多少の縦すじが生じたが、実用上問題ない
×:縦すじが著しい
(4)耐溶剤性
低誘虫シートの表面を、メチルエチルケトンを5往復ラビングした(500g荷重)。ラビング後、肉眼観察により、下記の基準で評価した。
○:外観に変化がなかった
△:外観に多少の変化は見られたが、実用上問題なかった
×:外観の白化が著しかった
実施例1
実施例1:低誘虫シートの作製
基材として、ポリプロピレン系樹脂からなる厚さ140μmのポリオレフィン系樹脂シート(「PPフィルム」(商品名):三菱樹脂株式会社製)を2枚用意した。そのうち1枚の基材B上にウレタン系樹脂を主体とし、着色顔料として白チタンを含有するインキ(「TMK(NT)CCホワイト」(商品名):株式会社昭和インク工業所製)をグラビア印刷することにより乾燥後の塗工量が2g/m2となるように絵柄層5を形成し、さらに絵柄層5を設けた面とは反対の面に、電子線硬化性アクリレート樹脂を主体とする電子線硬化性樹脂(「KEB−CW」(商品名):大日精化株式会社製)を塗工した後、電子線を175keV、50kGy(5Mrad)の条件で照射して塗膜を架橋硬化させて防汚層6を形成し、一方の面に絵柄層5を有し、他方の面に防汚層6を有する基材Aを得た。
この基材Bの絵柄層5の上に、下記の組成を有する硬化性樹脂組成物を塗工し、電子線を175keV、50kGy(5Mrad)の条件で照射して塗膜を架橋硬化させて、低誘虫機能層32を形成した。
一方、別の1枚の基材A上に、下記の組成を有する硬化性樹脂組成物を塗工し、電子線を175keV、50kGy(5Mrad)の条件で照射して塗膜を架橋硬化させて、一方の面に低誘虫機能層31を有する基材Aを得た。なお、基材A及び基材Bへの電離放射線硬化性樹脂組成物の塗工において、電離放射線硬化性樹脂と紫外線吸収剤との合計塗工量は、50g/m2となるようにした。
低誘虫機能層32に、2液硬化型のポリエステルポリオールタイプの接着剤を75℃に加温した状態で、ロールコート法により5〜10g/m2で塗工し、低誘虫機能層32と低誘虫機能層31とをラミネートして、本発明の低誘虫シートを得た。得られた低誘虫シートの評価結果を第1表及び第2表に示す。
硬化性樹脂組成物 組成
紫外線吸収剤*1:5質量部
3官能アクリレートモノマー:45質量部
*1,2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート(「TINUVIN109」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
実施例2〜15及び比較例1〜6
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂及び電離放射線硬化性樹脂組成物の組成を第1表及び第2表に記載されるものとした以外は、実施例1と同様にしてシートを作製した。得られたシートの評価結果を第1表及び第2表に示す。
実施例16〜20、比較例7及び8
実施例1において、電離放射線硬化性樹脂を第2表に記載される熱硬化性樹脂とし、電離放射線硬化性樹脂組成物の組成を第2表に記載される熱硬化性樹脂組成物の樹脂量と紫外線吸収剤との組成とした以外は、実施例1と同様にしてシートを作製した。得られたシートの評価結果を第2表に示す。
Figure 0005213825
Figure 0005213825
*1,電離放射線硬化性樹脂A:3官能アクリレートモノマー
*2,電離放射線硬化性樹脂B:4官能アクリレートモノマー
*3,電離放射線硬化性樹脂C:16官能ポリエステルアクリレートオリゴマー
*4,電離放射線硬化性樹脂D:2官能ウレタンアクリレートオリゴマー
*5,熱硬化性樹脂:アクリルポリオール
*6,2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート(「TINUVIN109」(商品名):チバスペシャルティケミカルズ(株)製)
本発明によれば、優れた低誘虫性と成形性及び意匠性とを有する低誘虫シートを得ることができる。本発明の低誘虫シートは、照明器具、特に和風照明器具に好ましく用いられる。
1.低誘虫シート
A.基材A
B.基材B
31.低誘虫機能層
32.低誘虫機能層
4.接着層
5.絵柄層
6.防汚層
7.着色ベタ層

Claims (13)

  1. 基材A及び基材Bの間に、2層からなる低誘虫機能層を有する低誘虫シートであって、該シートの少なくとも低誘虫機能層に紫外線吸収剤を含有し、かつ該シート全体としての該紫外線吸収剤の含有量が1〜28g/m2である低誘虫シート。
  2. 基材A及び基材Bの間に、低誘虫機能層を有する低誘虫シートであって、該シートの少なくとも低誘虫機能層に紫外線吸収剤を含有し、該低誘虫機能層が、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含有する電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化してなるものであり、かつ該シート全体としての該紫外線吸収剤の含有量が1〜28g/m 2 である低誘虫シート。
  3. 低誘虫機能層が、2層からなるものである請求項2に記載の低誘虫シート。
  4. 2層の低誘虫機能層の間に接着層を有する請求項1又は3に記載の低誘虫シート。
  5. 接着層が、紫外線吸収剤を含むものである請求項に記載の低誘虫シート。
  6. さらに、最表面に防汚層を有する請求項1〜のいずれかに記載の低誘虫シート。
  7. 防汚層が、紫外線吸収剤を含むものである請求項に記載の低誘虫シート。
  8. 電離放射線硬化性樹脂が、電子線硬化性樹脂である請求項2〜7のいずれかに記載の低誘虫シート。
  9. 紫外線吸収剤が、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートである請求項1〜8のいずれかに記載の低誘虫シート。
  10. 基材A及び基材Bが、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂により形成されるものである請求項1〜のいずれかに記載の低誘虫シート。
  11. 以下の工程(A)及び(B)を有する低誘虫シートの製造方法。
    工程(A):基材A及び/又は基材Bに、紫外線吸収剤と電離放射線硬化性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工して低誘虫機能層を形成する工程
    工程(B):前記低誘虫機能層が基材Aと基材Bとの間になるように、接着剤を介して基材Aと基材Bとを積層させる工程
  12. 下記(i)〜(iii)の少なくとも一種の特徴をさらに有する請求項1〜10のいずれかに記載の低誘虫シートを木枠(木調の意匠を有する素材が用いられた場合も含む)に貼り付けて又ははめこみしてなる和風照明器具カバー。
    (i)基材A又は基材Bが、和紙又は布地の裁断片を含有する
    (ii)さらに、和紙模様又は布地模様を表現する絵柄層を有する
    (iii)さらに、和紙又は布地からなる層を有する
  13. 請求項12に記載の和風照明器具カバーを用いてなる和風照明器具。
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