一般に、カメラや双眼鏡等の撮像装置を手持ちで使用する際に、手振れによる像振れを防止するための振れ補正機能を備えた撮像装置が用いられている。
このような撮像装置の振れ補正機能は、撮像装置の振れ状況を振動検出手段によって検出した結果に応じて、光学的に振れをキャンセルする振れ補正装置により手振れによる像振れを防止する、振れ補正を行う。
このため、振れ補正機能を備えた撮像装置は、撮像装置に加わる加速度、角加速度、角速度、角変位等を検出し、その出力を適宜演算処理する振動検出手段を搭載する。これと共に、振れ補正機能を備えた撮像装置は、この振動検出手段で検出した検出情報に基づき撮影光軸を偏心させるよう駆動させて像振れ抑制を行う振れ補正装置を搭載する。
このような振れ補正装置に用いられる光軸のずれを補正するため光学系の全部又は一部を移動させるアクティブ手振れ補正技術には、撮像素子を揺動するタイプや、補正光学系または光学系全体を揺動するタイプ等がある。その中で、補正光学系を揺動するタイプのものは、補正光学系の重量が軽いので駆動機構を小さくできる利点がある。このため、多くのレンズ交換式カメラやデジタルカメラ、ビデオカメラ等に採用されている。
従来、補正光学系を揺動するタイプの撮像装置には、図14に例示するものが提案されている。図14は、防振システムを有する撮像装置としてのデジタルカメラの外観図である。このデジタルカメラでは、撮影光軸311に対して矢印312p、312yで示すカメラ縦振れ及び横振れに対し振れ補正を行うよう構成されている。
このカメラ本体313は、撮影レンズを有するレンズ鏡筒313a、シャッターレリーズボタン313b、照明装置313cを備える。なお、図示しないが、カメラ本体313の背面には、液晶モニターが設けられており、撮像素子で撮像される被写体像を確認できるようになっている。
このカメラ本体313は、像振れ補正装置を備える。この像振れ補正装置は、撮影レンズ系の一部を構成する補正レンズを主光学系の光軸に対して直交する面内において振れを吸収する方向に移動させて振れによる結像位置のずれを補正し、像振れを解消するよう構成されている。
このような像振れ補正装置には、コイルとマグネットにより電磁アクチュエータを構成し、コイルを固定ベースに、マグネットを補正レンズレンズ保持枠に取り付けて、直接レンズ保持枠を移動させる構成のものがある。なお、補正レンズの近傍には、光学系の光路において光束が集まる所に置く事が望ましいシャッター機構及び光量絞り機構を配置する。
この撮像装置に設けられる振れ補正機構には、図15に例示するものが提案されている。図15は、振れ補正機構の模式図である。この振れ補正機構は、1群レンズ315、2群レンズ316、3群レンズ317を備え、2群レンズ316を光軸318に直交する平面内で移動させる事によって撮像素子319上の被写体像を移動させて防振を行う。
なお、振れ補正機構では、2群レンズ316を鉛直方向(ピッチ)と水平方向(ヨー)とするのが一般的である。この図15に図示する振れ補正機構では、鉛直方向から45度傾いた方向の2軸方向に移動させて補正するよう構成されており、それぞれの方向を320A方向、320B方向と称する事とする。
この振れ補正機構は、水平方向軸319pと、鉛直方向軸319yとの周りの振動をそれぞれ検出するセンサ318p、318yを備える。これらセンサ318p、318yは、回転角加速度を検出するジャイロ素子で構成する。これらジャイロ素子は、四角いパッケージなのでカメラ基板に実装するにあたり実装効率が有利なピッチおよびヨー方向に向けて配置する。
以下、この振れ補正機構について320A方向に関わる構成を代表して説明するが、320B方向に関わる構成も同様であるので、その詳細な説明を省略する。
この振れ補正機構は、2群レンズ316を保持して一体的に補正移動する補正レンズホルダ327を備える。この補正レンズホルダ327には、マグネット320aを一体的に配置する。このマグネット320aに対向した位置には、コイル322aを配置する。
さらに、この振れ補正機構は、マグネットの磁界を検出するホール素子323a、振れ補正制御を司るマイコン324a、マイコンの指示に基づきコイルに電力供給を行うドライバ325a、マイコンおよびカメラの動作を制御するCPU326を備える。
なお、320B方向に関わる構成は、マグネット320b、ホール素子323b、マイコン324b、ドライバ325bを備える。
次に、上述のように構成した撮像装置の振れ補正制御について説明する。この撮像装置では、電源を投入するとCPU326が立ち上がり、CPU326がマイコン324aを動作させてジャイロ318p、318yの出力を検出する。CPU326は、ピッチ軸、ヨー軸周りの振動を合成して、320A軸周り、320B軸周りの振動に変換を行いマイコン324aに入力する。マイコン324aは、ホール素子の出力信号を検出して補正レンズホルダ327の位置を算出し、前述の振動をうち消す移動方向を算出してドライバ325aに通電指示を与える。ドライバ325aは、コイル322aに通電してコイル322aに磁界を発生させ、マグネット320aに320Aあるいは320B軸方向の電磁力を働かせて補正レンズホルダ327を移動させる。
マイコン324a、コイル322a、ホール素子は、フィードバック系を構成しており、一定周期でコイル通電後の補正レンズホルダ位置を算出しながらコイル322aへの通電を繰り返して補正する制御を行っている。
この撮像装置では、上述の動作を320A軸、320B軸方向で並行して行うことによって光軸に垂直な平面内で自在な方向に補正レンズを移動させることが可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
次に、従来の振れ補正機構を有するレンズ鏡筒の具体的な構造について、図16により説明する。図16は、図15の模式図に示した振れ補正機構を有するレンズ鏡筒部分を取り出して示す分解斜視図である。
図16に示すように、レンズ鏡筒は、ベース201、振れ補正レンズを保持する補正レンズホルダ202を備える。補正レンズホルダ202は、マグネット203を一体的に保持している。
ベース201には、紙面裏側にあり不図示のコイルを保持するコイルボビン204を設置する。このベース201には、コイルボビン204から延出しコイルと導通する金属ピン204aを立設する。
ベース201と補正レンズホルダ202との間には、3つの転動ボール205を介在させて補正レンズホルダ202を移動可能に支受する。また、ベース201と補正レンズホルダ202との間には、3本の引っ張りバネ206を架設する。
このように構成することにより補正レンズホルダ202は、3つの転動ボール205を介してベース201に圧接された状態で、光軸に垂直な面内で自在に移動可能に支受される。なお、このように構成した場合には、ガイドバーでガイドする構成に比べてより微小な振幅で、より高周期の振動動作を実現でき、高画素化するデジタルカメラにおいても良好な補正を行うことが可能になる。
この振れ補正機構を有するレンズ鏡筒では、振れ補正駆動コイルに給電する振れ補正フレキシブルプリント基板208(以降FPCと略す)を備える。この振れ補正フレキシブルプリント基板208の紙面裏側には、不図示のホール素子が実装されていて、マグネット203の移動に伴う磁界の変化を検知する。この振れ補正FPC208は、センサホルダ207に接着して配置する。またホール素子は、センサホルダ207に軽圧入されて精度良く位置決めがなされるように構成されている。これは検出するマグネット203の磁界がリニアリティを持つ範囲が限られており、その範囲に精度良くホール素子を置く必要があるためである。
この振れ補正機構を有するレンズ鏡筒は、NDフィルタ駆動のためのアクチュエータ209、シャッター羽根駆動のためのアクチュエータ210及び両アクチュエータ209、210にそれぞれ給電するためのシャッター・ND_FPC211を備える。
この振れ補正機構では、両アクチュエータ209,210を固定板212で押さえ、この固定板212をベース201にねじで締結して、ベース201に両アクチュエータ209,210を固定する。
さらに、この振れ補正機構では、センサホルダ207を、カバー213で押さえ、センサホルダ207外周のフックをベース201に係着することによって、センサホルダ207をベース201に固定する。
また、ベース201には、シャッター羽根220、仕切り板221、NDフィルタ222及びシャッター・NDカバー223を、外周フックで固定して取り付ける。
次に、上述のように構成された振れ補正機構における組み立て方法について図17を用いて説明する。図17は、振れ補正機構の要部を取り出して示す拡大分解斜視図である。
振れ補正機構の組み立て工程では、図15に示すようにベース201にコイルボビン204を接着固定した後、補正レンズホルダ202を引っ張りバネ206を用いてベース202に保持させる。
次に、この組み立て工程では、振れ補正FPC208を接着してあるセンサホルダ207をベース201に取り付け、コイルボビン204から延出した金属ピン204aと振れ補正FPC208のパターン208aを半田付けする。このとき金属ピン204aにはコイルの末端が接続されているので、半田付けによって振れ補正FPC208のパターンとコイルは電気的に接続されることになる。
次に、シャッター・ND_FPC211を接続したアクチュエータ209,210をベース201に載置する。この組み立て工程では、シャッター・ND_FPC211が柔軟な素材からできているため、作業者が、両方のアクチュエータ209,210を把持して位置決めを行いながら組み付け作業を行う。
次に固定板212でアクチュエータ209,210をそれぞれ押圧した状態で、固定板212をベース201にねじで締結することにより、アクチュエータ209,210をベース201に固定する。さらにカバー213を振れ補正FPC211の上からベース201に被せ、外周にあるフックをベースの凸部に嵌め込む事によりカバー213をベース201に固定する。カバー213には板バネ部213aがあり、この板バネ部213aがセンサホルダ207をベース201に押圧した状態となって、ホール素子の光軸方向位置が精度良く位置決めされた状態で保持される。このようにして振れ補正機構の組み立てが完了する。
特開2007−219338
〔第1実施の形態〕
以下、本発明の第1実施の形態について、図1乃至図11を参照しながら説明する。なお、本第1実施の形態に係わる振れ補正装置を備えた撮像装置の前提となる概略的な構成は、前述した図14及び図15で説明した撮像装置としてのカメラに装着された振れ補正機構と同様であるので、その説明を省略する。
図1は、本第1実施の形態に係わる撮像装置における要部となるレンズ鏡筒部分の部品を示す分解斜視図である。
図1に示す光学撮像装置としてのレンズ鏡筒は、第1のレンズ群を構成する光学レンズ1、第2のレンズ群を構成する光学レンズ2及び第3のレンズ群を構成する光学レンズ3を備える。
このレンズ鏡筒の撮像光学系では、第1群、第2群の光学レンズ1、2が倍率変化および像面補正を司り、第3群の光学レンズ3が焦点調節を行うフォーカスレンズである。
このレンズ鏡筒における1群鏡筒10は、第1群のレンズ1を保持する1群ホルダ14の全面を覆う化粧板11と、撮影光路を覆う位置と待避位置との間で開閉するレンズバリア12とを備える。このレンズバリア12は、駆動リング13によって駆動されるよう構成されている。駆動リング13から光軸方向に一体的に延伸しているアーム13aを後述するCCDホルダの駆動スロープと摺接させることによって、駆動リング13は光軸を中心に回動操作されるように構成されている。
この1群鏡筒10は、前述の第1群光学レンズ1のホルダ14、レンズバリア12と駆動リング13との間を互いに引き寄せるように付勢するよう張架されたバリアスプリング15を備える。さらに、この1群鏡筒10は、第1群光学レンズ1のホルダ14に圧入固定されていて、後述の移動カム環4のカム溝4aと勘合するフォロワピン16を備える。
このレンズ鏡筒における第2のレンズ群を保持する2群鏡筒20は、後述するがシャッターユニット(シャッター機構)、絞りユニット(光量絞り機構)、振れ補正機構(振れ補正機構)を備える。この2群鏡筒20には、2本の固定フォロワピン20aが一体的に設けられている。さらに、この2群鏡筒20には、2群鏡筒20に対して可動であり、光軸から離間する方向に不図示のスプリングによって押圧されている可動フォロワピン20bが装着されている。なお、2群ユニットの詳細な構成は後述する。
また、このレンズ鏡筒は、第3のレンズ群3を保持する3群鏡筒31と、3群鏡筒31を保持するCCDホルダ7とを備える。このCCDホルダ7には、ガイドバー32の一端を固定して設置する。このガイドバー32は、3群鏡筒31を摺動可能に保持する。このCCDホルダ7には、バリア駆動スロープ7aが一体に構成されている。
このレンズ鏡筒は、3群鏡筒31を光軸方向に移動させるための送りネジ33を備える。この送りネジ33の後端部には、図示しないギアを固定する。この送りネジ33には、送りナット34を螺合させる。また、3群鏡筒31には、片寄せする引っ張りスプリング35を張架する。
このレンズ鏡筒は、3群鏡筒31を駆動する駆動源となるフォーカスモータ36と、このフォーカスモータ36の回転を送りネジ33に伝達する伝達ギア37と、この伝達ギア37を保持するギアカバー38とを備える。
このレンズ鏡筒は、撮像用の光学系により結像された像を電気信号に変換する撮像素子としてのCCD41を備える。このCCD41は、CCDプレート42によって保持されるよう構成されている。CCDプレート42は、CCDスプリング43によってCCDホルダ7から離間する方向に押圧されるよう構成されている。このCCDプレート42は、CCD調整ビス44によって光軸方向の位置を調節可能に構成されている。
このレンズ鏡筒は、ローパスフィルタ45と、このローパスフィルタ45とCCDプレート42の間を塞ぎゴミがCCD周囲に入り込む事を防ぐ防塵ゴム46とを備える。
このレンズ鏡筒は、1群鏡筒10および2群鏡筒20を光軸方向に移動させるズーム駆動系の駆動源である所のズームモータ51を備える。このズームモータ51の回転軸には、ウォームギア52を直結する。さらに、このウォームギア52には、その回転を順次伝達するズームギア列53を接続する。
このレンズ鏡筒は、1群鏡筒10および2群鏡筒20を保持する移動カム環4を備える。移動カム環4の内周面には、1群鏡筒10を保持するカム溝4aおよび2群鏡筒20を保持するカム溝4bを形成する。移動カム環4の後端部外周には、ズームギア列53と噛み合うギア4cを設置する。さらに、移動カム環4の後端部外周には後述する固定筒6のカム溝6aと勘合するフォロワピン4dを一体的に設ける。
このレンズ鏡筒は、1群鏡筒10および2群鏡筒20の回転を規制する直進ガイド環5を備える。この直進ガイド環5の側面には、1群鏡筒10を直進ガイドするガイド溝5aと2群鏡筒20を直進ガイドするガイド溝5bが設けられている。また直進ガイド環5には、前端部外周に突起5c、後端部に鍔部5dを設置することにより、移動カム環4に対する抜け防止構造が構成されている。
この直進ガイド環5の鍔部には突起5eを設け、後述の固定筒6内面にある不図示の直進溝と嵌合させることにより、直進ガイド環5が光軸方向にのみ移動可能となるよう構成されている。
このレンズ鏡筒は、前述のように移動カム環4を移動可能に保持するための固定筒6を備える。固定筒6の内周面には、移動カム環4の移動動作をガイドするためのカム溝6aが設けられている。
このレンズ鏡筒では、レンズ鏡筒のズームモータ51とフォーカスモータ36に電力を供給するフレキシブルプリント基板(以降、鏡筒FPCと称する)が設けられている。図15に示す62は、鏡筒FPCの紙面裏面側に実装されているフォトインタラプタを示している。このフォトインタラプタ62は、ウォームギア52に一体的に構成されたプロペラの回転を、これも不図示のもう一つのフォトインタラプタと協同して検出するよう構成されている。
次に、上述のように構成された撮像装置のレンズ鏡筒部分における動作について説明する。まずズームの駆動について説明する。
この撮像装置のレンズ鏡筒部分では、ズームモータ51を回動すると、ウォームギア52およびズームギア列53を介して移動カム環4のギア4cに駆動力が伝達される。この撮像装置のレンズ鏡筒部分では、移動カム環4が回転するとフォロワ4dがカム溝6aにガイドされることにより、1群鏡筒10と2群鏡筒201が光軸方向に移動する。これは、移動カム環4の内側には1群鏡筒10と2群鏡筒20がそれぞれカム溝4aおよび4bに吊られている状態である。さらに、固定筒6によって回転を規制されている直進ガイド環5のガイド溝5aおよび5bによって1群鏡筒10と2群鏡筒20は回転が規制されるので、1群鏡筒10と2群鏡筒20は、光軸方向に移動する。よって、この撮像装置のレンズ鏡筒部分では、ズームモータ51を所望の位置で停止させることにより、1群レンズと2群レンズの位置によってズーム倍率が決定される。
また、この撮像装置のレンズ鏡筒部分では、フォトインタラプタ62と不図示のもう一つのフォトインタラプタによってズーム位置の検出を行う。このズーム位置の検出は、不図示のフォトインタラプタで直進ガイド環の光軸方向のリセット位置を検出して基準位置とする。そして、フォトインタラプタ62と不図示のもう一つのフォトインタラプタによって回転方向および回転パルスを検出して基準位置からの相対位置を演算する事によって行なう。
次に、撮像装置のレンズ鏡筒部分におけるフォーカスレンズの駆動について説明する。
フォーカスレンズを駆動する場合には、フォーカスモータ36を回転させる。するとフォーカスモータ36の回転駆動力は、不図示のピニオンギア及び伝達ギア37を介して送りネジ33のギアに伝達され、送りネジが回転する。
ここで、3群鏡筒31は、引っ張りスプリング35によって送りネジ33と螺合しているナット34に片寄せされており、ナット34は3群鏡筒31によって回転方向を規制されている状態となっている。
このため送りネジ33が回転してもナット34が回転出来ず送りねじ軸方向にのみ移動可能なので、このナット34と一体となって片寄せされている3群鏡筒31は、光軸方向に移動することになる。
また、この撮像装置では、3群鏡筒31の絶対位置をフォトインタラプタ63と、パルスモータで構成したフォーカスモータ36とを利用して算出する。このため撮像装置では、3群鏡筒31のリセット位置を鏡筒FPC64の図面裏面側に実装されているフォトインタラプタ63によって検出する。そして、この撮像装置では、検出したリセット位置を基準位置としてフォーカスモータ36の駆動パルスをカウントして相対位置を演算することによって絶対位置を算出する。
次に、この撮像装置のレンズ鏡筒部分における2群鏡筒20の構成について図2、図3、図4を用いて説明する。図2は、本発明の第1実施の形態に係わる2群鏡筒20の物体側(被写体側)部分を取り出して示す分解斜視図である。
2群鏡筒20は、前述のように振れ補正、シャッター、絞りの各機構を有する。2群鏡筒20は、2群鏡筒の基台である2群ベース101に各部品を組み付けて構成する。
この2群ベース101の物体側(被写体側)には、フォーカス送りネジ33の逃げ形状101a及びフォーカスガイドバー32の逃げ形状101bを形成する。
この撮像装置のレンズ鏡筒部分は、非使用時に各レンズ群鏡筒の間隔を短縮して小型化を図る(以降この状態を沈胴状態と称する)。この沈胴状態では、フォーカス送りネジとフォーカスガイドバーが光軸方向に突出するため沈胴時に2群ベース101を貫通してしまう。このときレンズを通過しない光線が貫通部を通過してCCDに入射して光線漏れを起こすことを防止するため、2群ベース101の逃げ形状101aのように袋形状を形成して、光線漏れを抑制するように構成している。
この2群ベース101に取り付けられる2群レンズ群2を保持する2群レンズホルダ102には、2群レンズ群がかしめにより取り付けられている。この2群レンズホルダ102には、マグネット103Aおよび103Bが一体的に保持されている。
ここで図2の符号における添字AおよびBは図3におけるA方向およびB方向と対応している。図3は、本発明の第1実施の形態に係わる2群鏡筒20におけるセンサホルダ、2群FPC、2群カバーを外した状態を被写体側から見たところを示す正面図である。図2及び図3に示すように、2群レンズホルダ102には、3箇所のフック102aがあり引張りスプリング104が掛けられている。この2群レンズホルダ102には、フックによって有効外光をカットする固定絞り106が固定されている。この2群ベース101の窪みには、コイルとボビンからなるコイルユニット107A及び107Bが接着固定されている。コイルへの給電はボビンに埋設されコイルと電気的に接続された金属ピン107A−a及び107B−aに対して、後述する2群FPCから給電することにより行なわれる。
この2群レンズホルダ102は、2群ベース101に対して光軸に垂直な平面内で自由に移動することが可能に装着する。このため、2群ベース101と2群レンズホルダ102との間には、非磁性材製の3個のボール105を挟み込んで2群レンズホルダ102を移動自在に支受する。これと共に、2群レンズホルダ102のフック102aと、2群ベース101の不図示のフックとの間に引張コイルばねであるスプリング104を張架する。
これによって、2群レンズホルダ102には、ボール105を介して2群ベース101に押し付けられる付勢力が働く。これによって、2群レンズホルダ102が2群ベース101に対して3個のボール105によって移動自在に支受された状態を保持する。
このように構成した撮像装置のレンズ鏡筒部分では、光軸に垂直な平面内で移動自在に支受された2群レンズホルダ102を移動調整することによって、CCD上の像を制御して振れ補正を行なう。
次に、2群レンズホルダ102が装着された2群ベース101には、光量規制駆動源であるアクチュエータ109及びアクチュエータ110と、フレキシブル基板である2群FPC112が固定されたセンサホルダ108とを取り付ける。
この光量規制駆動源としてのアクチュエータ109は、シャッター羽根を駆動するシャッターアクチュエータである。また、光量規制駆動源としてのアクチュエータ110は、NDフィルタを駆動するNDフィルタアクチュエータである。これらは、共に通電方向の正逆転によってアームの停止位置が切り替わるように構成された所謂2点切り替え方式のアクチュエータである。
2群FPC112は、弾性変形可能なシート状部材として構成された電力を供給するフレキシブルプリント基板であり、半円弧形状に形成されている。
この2群FPC112の両自由端部には、アクチュエータ109とアクチュエータ110とが半田付けされて配置されている。
また、2群FPC112における両アクチュエータ109、110の中間部には、コイルスタッドと半田付けされたランド112aが設けられている。さらに、2群FPC112の裏面側には、2群レンズホルダ102のマグネット103A、103Bにそれぞれ対応した位置に、磁界を検出するホール素子113Aと113Bとが実装されている。
なお、この2群FPC112では、フレキシブルプリント基板のパターン幅の細密化や曲げ弾性が弱いフィルム材料を採用する等して、フレキシブルプリント基板を1枚に集約する構成としている。すなわち、2群FPC112は、別体となっていた従来の振れ補正機構のフレキシブルプリント基板及びシャッターおよびNDアクチュエータのフレキシブルプリント基板を、1枚に構成したものである。
撮像装置のレンズ鏡筒部分では、2群レンズホルダ102の移動状態を、ホール素子(振れ補正機構用の検出部品)113A、113Bとマグネット103A、103Bとを利用して検出する。このため、2群レンズホルダ102の所定位置に配置した各マグネット103A、103Bは、図3に示すような方向に着磁しておく。そして撮像装置では、図3のA方向およびB方向への移動を、各々対応するホール素子113A、113Bが磁界の変化として検出し、その変化量に基づいて2群レンズホルダ102の移動量を算出している。
このようにして2群レンズホルダ102の移動量を検出する構成では、2群レンズホルダ102のマグネット103A、103Bと、各々対応するホール素子113A、113Bとの位置精度が重要となる。
そこで、この撮像装置では、剛性材料で形成したセンサホルダ108の開口内における各マグネット103A、103Bに正確に対応した位置に、それぞれ各ホール素子を位置決め保持するための圧入部108aを設ける。この圧入部108aは、各々対応するホール素子113A、113Bを、二つの爪部材の間に挟み込んで所定位置に位置決め保持可能に構成する。なお、この圧入部108aは、ホール素子113A、113Bを位置決め保持可能であれば、種々の構成の位置決め保持手段を採り得ることは勿論である。
そして、この撮像装置では、各ホール素子113A、113Bを、それぞれ対応する圧入部108aに圧入した状態で2群ベース101に組み付けることにより精度良く位置決めされるように構成されている。
このため、2群FPC112を2群ベース101に取り付ける場合には、2群FPC112を剛体であるセンサホルダ108上に取り付けた状態で2群ベース101の所定位置に位置決めして載置する。センサホルダ108には位置決め用の穴108cと長穴108dがあり、2群ベース101上に設けられた位置決め突起101c、101dにそれぞれ嵌合することによって精度良く位置決めされる。このようにして2群ベース101上に位置決めされた状態の2群FPC112の上には、2群カバー111を被せるように置く。そして、2群カバー111をビス114および外周フックで2群ベース101に固定することにより、センサホルダ108、アクチュエータ109,110が2群ベース101の物体側(被写体側)の適正位置に取り付けられる。
次に、2群鏡筒20のCCD(Charge Coupled Device)側に、シャッター及びNDフィルタを取り付ける部分について図4により説明する。図4は、本発明の第1実施の形態に係わる2群鏡筒20のCCD側に係わる部分を取り出して示す分解斜視図である。
この2群鏡筒20のCCD側には、光量規制手段の一つであるシャッター羽根121、122を装着する。シャッター羽根121、122は、シャッターアクチュエータ109の駆動アームに操作されて開閉駆動される。
この2群鏡筒20には、シャッター羽根121、122の外側に仕切り板123を取り付ける。
また、2群鏡筒20の仕切り板123の外側には、光量規制手段の一つである光量を制限するNDフィルタ124を装着する。NDフィルタ124は、アクチュエータ110によって駆動されて、光路中への進入動作と退避動作とを行う。
2群鏡筒20のNDフィルタ124の外側には、シャッター羽根121、122及びNDフィルタ124を保護するためのシャッターカバー125を、図示しないフックで固定して取り付ける。
次に、上述のように構成された2群鏡筒20の組み立て性について説明する。
このような2群鏡筒20を組み立てるときは、組み立てが煩雑な振れ補正機構を先に組み込み、その後でシャッターおよびNDフィルタを組み込む。2群鏡筒20をこのような手順で組み立てる場合には、作業性を向上することができる。
次に、2群鏡筒20における振れ補正機構の組み付け工程について説明する。この振れ補正機構の組み付け工程では、図5に示すように、1枚化された2群FPC112及び2つのアクチュエータ109、110をリジッドなセンサホルダ108に一体的に取り付けた状態で、2群ベース101に取り付ける。
すなわち、2群ベース101には、2群FPC112、2つのアクチュエータ109、110及びセンサホルダ108が一体化し、かつ全体が剛性の高い部品ユニットとなったものを、まとめて2群ベース101に組み付けられる。よって、この2群鏡筒20では、2群ベース101への組み付けを簡素化する事が可能である。
例えば、従来のように、振れ補正機構のフレキシブルプリント基板と、シャッターおよびNDアクチュエータのフレキシブルプリント基板とが別体である場合の組み付け作業と比較して、作業効率を向上できる。これは、2枚の可撓性部品であるフレキシブルプリント基板を、それぞれ2群ベース101に取り付けるという繁雑な作業を、削減できるためである。
次に、2群FPC112と、2つのアクチュエータ109、110と、センサホルダ108とを一体化し、これらを2群ベース101に組み込む作業を容易にするための構成について説明する。
この2群FPC112では、センサホルダ108への組み付け作業を容易にするため、フレキシブルプリント基板の弾性(復元力)を弱めた構成としている。
この2群FPC112は、その使用状態を図6に示すように、アクチュエータ110の端子110aへ接続する自由端部分で、半円弧形状の平面部からほぼ直角に曲がってアクチュエータ110の端子に接続する構造となっている。この2群FPC112の直角に弾性変形されている曲部には、復元力により元の平面形状に戻ろうとする弾性復帰力(復元力)が働く。このため2群FPC112を使用状態に曲げておく外力が除かれると、2群FPC112は、アクチュエータ110が2群ベース101に対して倒れた状態となるように弾性復帰する。これは、他方のアクチュエータ109でも同様である。
また、2つのアクチュエータ109、110が倒れたままの状態となっている2群FPC112を2群ベース101へ組み付ける場合には、作業が極めて困難となる。
そこで図7及び図9に示すように、アクチュエータ110には、センサホルダ108に当接して使用状態に近い姿勢を維持するための仮留め手段である係止突起110bを設ける。この係止突起110bは、2群FPC112付きのアクチュエータ110を略使用状態にしてセンサホルダ108に取り付けたとき、係止突起110bの端面がセンサホルダ108の表面に当接するよう構成する。
これによりアクチュエータ110は、2群FPC112の復元力が働いてもセンサホルダ108に当接した係止突起110bによって制止されるため、略使用状態の姿勢を維持し、倒れることが防止される状態となっている。
さらにこの状態では、2群FPC112の復元力によってアクチュエータ110がセンサホルダ108に密着して略使用状態の姿勢を維持する。よって、センサホルダ108と一体のアクチュエータ110を2群ベース101に組み込む作業をスムーズに行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、図8及び図10に示すように、アクチュエータ109にも同様の係止突起109bを設け、センサホルダ108に当接させることによりアクチュエータ109が倒れることを防止する。さらに2群FPC112の復元力によってアクチュエータ109がセンサホルダ108に密着して略使用状態の姿勢を維持する。これにより、センサホルダ108と一体のアクチュエータ109を2群ベース101に組み込む作業をスムーズに行えるようにする。
以上説明したように、本第1実施の形態に係わる、2群FPC112、センサホルダ108及び2つのアクチュエータ109,110では、これらを一体化して1つのユニットとして取り扱えるようにする。すなわち、剛体であるセンサホルダ108は、2群FPC112とアクチュエータ109及びアクチュエータ110とを一体的に取り付けて、全体を剛性の高いユニット部品に構成可能にされている。
このため図5に示すように、センサホルダ108には、2つのアクチュエータ109,110の外周面部にそれぞれ当接して位置決め保持するため、2つの取り付け枠部108bを設ける。
また、2つのアクチュエータ109,110には、それぞれの外周面部における、取り付け枠部108bに隣接する位置に突起状の係止突起109b、係止突起110bを突設する。(係止突起109bは、図8及び図10に図示)(係止突起110bは、図7及び図9に図示)。
これら係止突起109b、係止突起110bは、それぞれ組み立て完了時にセンサホルダ108より物体側(被写体側)に位置するように配置する。さらに、各係止突起109b、係止突起110bにおける組み立て状態でCCD側に向く端面には、それぞれ対応するセンサホルダ108の各取り付け枠部108bに当接させるための当接面を形成する。
そして、1つのユニットとして一体化する場合には、2群FPC112をセンサホルダ108の平面に重ね合わせるように取り付ける。さらに、2群FPC112の両端部を屈曲させて、アクチュエータ109、110を所定の位置に起こしてセンサホルダ108の各取り付け枠部108bに位置決め保持させる。このとき、各アクチュエータ109、110は、屈曲するように弾性変形された2群FPC112の弾性反発力によって係止突起109b、110bが各取り付け枠部108bの部分の表面に圧接した仮留め状態となる。
すなわち、センサホルダ108には、2群FPC112が取り付けられると共に、2つのアクチュエータ109,110が仮留め状態で取り付けられて、一体化して1つのユニットとして取り扱えるようになる。
よって、前述のようにして、この1つのユニット化した2群FPC112とセンサホルダ108と2つのアクチュエータ109,110を、容易に2群ベース101に取り付けることができる。
次に、2群FPC112とセンサホルダ108と2つのアクチュエータ109,110を一体化したユニット(以降FPCユニットと称す)を2群ベース101に正確に取り付ける手段について、図11により説明する。図11は、アクチュエータとセンサホルダの位置関係を示すため、アクチュエータ110付近を光軸と平行な平面で切断した所を示す要部拡大断面図である。
2群鏡筒20では、2群レンズホルダ102の移動量を正確に検出できるように構成する必要がある。このため、2群鏡筒20では、レンズホルダ102のマグネット103A,103Bと、ホール素子113A、113Bとの距離を一定に保ち、2群レンズホルダ102の移動による磁界の変化を高精度に検出可能に構成する。その理由は、マグネット103A,103Bと、ホール素子113A、113Bとの距離が変化してしまうとマグネット103A,103Bが移動したことと区別ができないため、正しい位置を検出できなくなる。そこで、この2群鏡筒20では、レンズホルダ102のマグネット103A,103Bと、ホール素子113A、113Bとの距離を正確に一定に保つように構成するのである。
このため、2群ベース101には、センサホルダ108に当接して位置決め保持するための基準面を形成する。これと共に、センサホルダ108には、2群ベース101の基準面上に圧接可能に対応した、対接基準面を形成する。
そして、この2群鏡筒20では、2群ベース101の基準面上に、センサホルダ108の対接基準面が圧接するように構成する。この2群鏡筒20では、初期状態で、センサホルダ108の圧入部108aに位置決め固定された各ホール素子113A、113Bと各々対応する各マグネット103A,103Bとの距離が所定の一定距離を維持するように構成する。
このため、前述したように2群鏡筒20では、2群ベース101の位置決め基準となる位置決め突起101c、101dを、センサホルダ108の位置決め基準となる位置決め用の穴108cと長穴108dにそれぞれ嵌合することによって精度良く位置決めされている。
また、この2群鏡筒20では、2群ベース101にFPCユニットを組み付けた際に、センサホルダ108の取り付け位置と、アクチュエータ109、110の取り付け位置とが、無関係な状態で取り付けられるように構成する。
このため、2群ベース101には、各アクチュエータ109、110用の受け面Тを設ける。また、各アクチュエータ109、110には、そのCCD側に向く端面を基準受け面Qとして構成する。そして、この2群鏡筒20では、2群ベース101の受け面Тに、アクチュエータの基準受け面Qが圧接した状態で、各アクチュエータ109、110が位置決めされ、所定の取り付け位置に保持されるように構成する。
これと共に図11に示すように、各アクチュエータ109、110を所定位置に取り付けた状態で、各アクチュエータの突出部109b、110bと、センサホルダ108との間が遊び寸法dだけ離間するように構成する。
つまりセンサホルダ108が各アクチュエータの突出部109b、110bと当接したままだとセンサホルダ108に載っている各ホール素子113A、113Bの高さは、突出部109b、110b高さで決定される構造となる。このような構造では、センサホルダ108が直接2群ベース101に載る場合と比較して、位置決めに関わる部品が一部品多く介在する構造となり、組み立て精度が劣化する虞がある。そこで、前述したように、この2群鏡筒20では、2群ベース101の基準面上に、センサホルダ108の対接基準面が直接圧接して位置決めするように構成し、ホール素子とマグネットの距離を精度良く管理可能としている。
次に、2群FPC112とセンサホルダ108と2つのアクチュエータ109,110を一体化したユニット(以降FPCユニットと称す)を2群ベース101に正確に取り付ける作業工程について説明する。
この作業では、図5に示すように、FPCユニットを2群ベース101に載置した後、2群カバー111の引っ掛け爪111aを2群ベースの突起101cに係止させる。
この2群カバー111には、2群ベース101方向に自由端部を突出させる片持ち梁形状で弾性変形可能に構成した押圧用の腕111bが2個設けられている。このため、2群カバー111を2群ベース101に取り付けた状態では、2つの押圧用の腕111bがFPCユニットを2群ベース101に平均的にかつ弾性的に押圧して適正位置に位置決めして密着させる。
すると、2群カバー111の2つの押圧用の腕111bの付勢力は、2群FPC112を介してセンサホルダ108を押圧し、2群ベース101の基準面上にセンサホルダ108の対接基準面を圧接させて、適正位置に位置決め保持する。
また、2群カバー111は、2つのアクチュエータ109,110を弾性的に押圧して、突出部109b、110bがセンサホルダ108に当接している仮留め位置から所定の組み立て位置まで移動させる。この動作は、2群カバー111が可撓性に富んだ2群FPC112の弾性力に抗して、2つのアクチュエータ109,110を、2群ベース101の受け面Тにアクチュエータの基準受け面Qを圧接させる動作である。なお、この動作に伴って、アクチュエータの基準受け面Qの方が突出部109b、110bよりも相対的に押し込み方向にあるため、2つのアクチュエータ109,110は、センサホルダ108から乖離された状態となる。
これにより、センサホルダ108と、2つのアクチュエータ109,110とは、それぞれの適正に取り付け位置(適正位置)に弾性的に押圧されてセットされることになる。
次に、上述のようにして2群カバー111でFPCユニットを2群ベース101に圧接させるように取り付けた後、2群カバー111をビス114で2群ベース101に固定して2群鏡筒20を完成させる。
〔第2実施の形態〕
次に、本発明の第2実施の形態について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、本第2実施の形態に係わるFPCユニット部分を取り出して示す正面図である。図13は、本第2実施の形態に係わるFPCユニット部分を取り出して示す斜視図である。なお、図12及び図13では、前述した図1乃至図11に記載したものと同一の部材には同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
本第2実施の形態では、センサホルダ108に、2群FPC112における各アクチュエータ109、110近傍の両端部を屈曲させ各アクチュエータ109、110を起こした仮留め状態に保持する手段を設ける。これと共に、各アクチュエータ109、110には、独自に2群ベース101に対して位置決めする手段を設ける。このため、本第2実施の形態では、前述した第1実施の形態に係わるものが備えている係止突起109b、係止突起110b及び取り付け枠部108bを省略した構造となっている。
このため、本第2実施の形態に係わるセンサホルダ108は、一部を切欠した輪板状に形成する。さらにセンサホルダ108には、その各自由端部における円弧の中心側からセンサホルダ108の平面に対して直角に立ち上がる柱状の仮留め保持部(位置決め保持手段)177、178を設ける。すなわち、この仮留め保持部177、178は、センサホルダ108における各アクチュエータ109、110との接続部付近に一体的に形成された、2群FPC165を屈曲した状態で挟み込む制限突起状に形成する。なお、この仮留め保持部177、178は、それぞれアクチュエータ109、110と、2群FPC165との間に入るように配置する。
この仮留め保持部177、178を設けたセンサホルダ108では、2群FPC112をセンサホルダ108の平面部に沿わせて取り付ける。そして、2群FPC112の両端部で屈曲して立ち上がる各部分の外側端面を、それぞれ対応する位置決め保持手段としての仮留め保持部177、178に圧接させる状態にセットする。このセット状態では、2群FPC112が屈曲したときの弾性復帰力により、2群FPC112における屈曲して立ち上がる各自由端部が、各々対応する仮留め保持部177、178に圧接して保持されることになる。なお、これらの仮留め保持部177、178によって2群FPC112は、約90度曲がるように制限される。ここで、本第2実施の形態では、2群FPC112を約90度屈曲させる構造について説明したが、これに限定されるものではなく、屈曲させる角度を90度以外に設定しても良いことは勿論である。
このため、2群FPC112における屈曲して立ち上がる各自由端部に取り付けられた各アクチュエータ109、110は、センサホルダ108に対して略使用状態の姿勢で仮留め保持される。
よって、本第2実施の形態では、2群FPC112の屈曲状態を維持するための係止突起109b、110bをアクチュエータ109、110に設ける必要が無い。また、本第2実施の形態では、本来使われていない空間を利用して仮留め保持部177、178を設けるので、機構の小型化を阻害しない。
次に、アクチュエータ109、110を、独自に2群ベース101に対して位置決めする手段について図13により説明する。
本第2実施の形態に係わるアクチュエータ109、110には、その底面となる基準受け面Q上の所定位置に、略小円柱状に形成した位置決め用ダボ179、180を突設する。図示しないが、これら位置決め用ダボ179、180は、それぞれ対応する2群ベース101の所定位置に穿孔された位置決め孔に挿入されることにより、2群ベース101に対してアクチュエータ109、110を位置決めする。また、アクチュエータ109、110は、位置決め用ダボ179、180と、各アクチュエータ109、110の外周面に当接するよう2群ベース101に形成された位置決めガイドとによって、所定位置に位置決め保持される。
以上説明したように、本第2実施の形態では、センサホルダ108に、2群FPC112及びアクチュエータ109、110を取り付けてFPCユニットとして一体化できる。このFPCユニットとして一体化した場合には、仮留め保持部177、178が屈曲した2群FPC112元の平面に戻ろうとする復元力を受け止めて、各アクチュエータ109、110を略使用状態に仮留めする。よって、作業者は、各アクチュエータ109、110を容易に2群ベース101に組み付けることができる。また、作業者は、FPCユニットとして一体化したものをまとめて2群ベース101に組み込むことができるので、組み込みの工数を減らすことができる。
なお、本第2実施の形態における以上説明した以外の構成、作用及び効果は、前述した本第1実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。