JP5213025B2 - ナノカーボン物質分散液とその製造方法、ナノカーボン物質構成体 - Google Patents

ナノカーボン物質分散液とその製造方法、ナノカーボン物質構成体 Download PDF

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Description

本発明は、ナノカーボン物質分散液とその製造方法、ナノカーボン物質構成体に関するものである。
カーボンナノチューブを分散させる簡便な手法の開発は、カーボンナノチューブを種々の分野で利用し、また物性を詳細に知るために極めて重要である。特に、カイラル指数(n,m)によって金属的又は半導体的な性質を示すという興味深い電気的特性を備える単層カーボンナノチューブ(SWNTs)において重要である。
しかしながら、カーボンナノチューブは強いファンデルワールス力によって束状やロープ状に凝集しやすく、これによりナノ材料としての利用が妨げられている。そこで、単層カーボンナノチューブを溶剤に分散させるために、界面活性剤、ポルフィリン、多環芳香族炭化水素、DNA、ペプタイド、多糖類などを含む種々の分散媒が報告されている(非特許文献1〜10)。さらに、カーボンナノチューブをうまく分散させることが、太さやカイラリティに応じた選択的な分離にもつながると考えられている(非特許文献11〜13)。
M. J. O’Connell, S. M. Bachilo, C. B. Huffman, V. C. Moore, M. S. Strano, E. H. Haroz, K. L. Rialon, P. J. Boul,W. H. Noon, C. Kittrell, J. Ma, R. H. Hauge, R. B. Weisman, R. E. Smalley, Science 297 (2002) 593. Y. Lin, S. Taylor, H. Li, K. A. S. Fernando, L. Qu, W. Wang, L. Gu, B. Zhou, Y.-P. Sun: J. Mater. Chem. 14 (2004) 527. V. C. Moore, M. S. Strano, E. H. Haroz, R. H. Hauge, R. E. Smalley: Nano Lett. 3 (2003) 1379. H. Li, B. Zhou,Y. Lin,L. Gu, W. Wang,K. A. S. Fernando, S. Kumar, L. F. Allard,Y.-P. Sun: J. Am. Chem. Soc. 126 (2004) 1014. Y. Tomonari, H. Murakami, N. Nakashima: Chem. Eur. J. 12 (2006) 4027. G. Nakamura, K. Narimatsu, Y. Niidome, N. Nakashima: Chem. Lett. 36 (2007) 1140. N. Nakashima, S. Okuzono, H. Murakami, T. Nakai, K. Yoshizawa: Chem. Lett. 32 (2003) 456. M. Zheng, A. Jagota, E. D. Semke, B. A. Diner, R. S. Mclean, S. R. Lustig, R. E. Richardson, N. G. Tassi: Nature Mater. 2 (2003) 338. A. O.-Acevedo, H. Xie, V. Zorbas, W. M. Sampson, A. B. Dalton, R. H. Baughman, R. K. Draper, I. H. Musselman, G. R. Dieckmann: J. Am. Chem. Soc. 127 (2005) 9512. T. Takahashi, C. R. Luculescu, K. Uchida, T. Ishii, H. Yajima: Chem. Lett. 34 (2005)1516. N. Minami, Y. Kim, K. Miyashita, S. Kazaoui, B. Nalini: Appl. Phys. Lett. 88 (2006) 093123. M. Zheng, A. Jagota, M. S. Strano, A. P. Santos, P. Barone, S. G. Chou, B. A. Diner, M. S. Dresselhaus, R. S. Mclean, G. B. Onoa, G. G. Samsonidze, E. D. Semke, M. Usrey, D. J. Walls: Science 302 (2003) 1545. R. Krupke, F. Hennrich, H. V. Lohneysen, M. M. Kappes: Science 301 (2003) 344.
従来知られているカーボンナノチューブの分散方法では、効果的に分散させるためにホーン型高出力超音波発生器を用いて、分散剤を含んだ単層カーボンナノチューブの懸濁液を処理する必要があった。しかしこのような強力な処理を加えると、単層カーボンナノチューブの本来の特性が損なわれてしまう。そこで、より穏やかな処理で効率よくカーボンナノチューブを分散させる手法が求められていた。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、穏和な処理によって1本1本に分離されたナノカーボン物質の分散液を製造する方法を提供することを目的の1つとしている。また本発明は、ナノカーボン物質が個々に分離した状態で分散された分散液を提供することを目的の1つとしている。
本発明のナノカーボン物質分散液の製造方法は、上記課題を解決するために、ナノカーボン物質と、両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒とを混合して組成物を調製する工程と、前記組成物に物理的分散処理を施す工程と、を有することを特徴とする。
この製造方法によれば、分散媒に含まれるトリフェニレン誘導体がナノカーボン物質に優先的に吸着し、その両親媒性によってナノカーボン物質を可溶化するので、得られた組成物を物理的分散処理に供することで、ナノカーボン物質が個々に孤立した状態で分散した分散液を容易に得ることができる。
また、このようにして得られた分散液は、超遠心分離処理等に供することで、アモルファス炭素、炭素パーティクルなどの不純物やカーボンナノチューブの凝集物を容易に除去することができる。
前記トリフェニレン誘導体が半導体であることが好ましい。このような製造方法とすれば、ナノカーボン物質に半導体であるトリフェニレン誘導体が吸着した状態で分散媒中に分散されるので、得られるナノカーボン物質分散液は、特に半導体素子製造用途のナノカーボン物質の製造に好適なものとなる。
前記分散媒が、式(1)に示す構造式の前記トリフェニレン誘導体を含むことが好ましい。ただし、R1〜R6は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
この製造方法で用いられるトリフェニレン誘導体では、中央のトリフェニレン骨格部が優先的にナノカーボン物質の周壁に吸着するので、ナノカーボン物質の分散性に優れたナノカーボン物質分散液が得られる。また、トリフェニレン骨格部の側鎖に配されたアルキル鎖はナノカーボン物質に巻き付いて吸着し、その長さに応じて特定の太さ(カイラル係数)のナノカーボン物質への親和性を示す。したがって、式(1)に示すトリフェニレン誘導体を用いることで、特定の太さ(カイラル係数)のナノカーボン物質を含むナノカーボン物質分散液を容易に製造することができる。
Figure 0005213025
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前記トリフェニレン誘導体の前記R1〜R6がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R1〜R6のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることが好ましい。このようなトリフェニレン誘導体は、製造が容易であってアルキル鎖の長さ調整も容易であることから、特に好ましい分散媒として用いることができる。
前記分散媒が、式(3)に示す構造式の多環芳香族炭化水素を含むものであってもよい。ただし、R7〜R14は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。すなわち、トリフェニレン誘導体の形態としては、式(3)に示すように、トリフェニレン骨格部に結合環を介してさらにベンゼン環が結合したジベンゾテトラセンを主骨格部とする構造であってもよい。
Figure 0005213025
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前記多環芳香族炭化水素の前記R7〜R10がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R7〜R10のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることが好ましい。このようなトリフェニレン誘導体は、製造が容易であってアルキル鎖の長さ調整も容易であることから、特に好ましい分散媒として用いることができる。
前記分散媒中に、前記アルキル鎖の長さが異なる複数種の前記トリフェニレン誘導体又は前記多環芳香族炭化水素が含まれていてもよい。このような製造方法とすれば、複数の特定組成のナノカーボン物質を分散させたナノカーボン物質分散液が得られる。
前記Xが、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれる1種以上の酸性基若しくはその塩、又はアミノ基若しくは置換アミノ基であることが好ましい。親水性基としては、これらの酸性基又はアミノ基、置換アミノ基を含むトリフェニレン誘導体は、水系溶媒との親和性に優れるため、吸着したナノカーボン物質の分散性を向上させることができる。
前記物理的分散処理がバス型超音波照射装置を用いた処理であることが好ましい。本発明に係る製造方法では、このような穏やかな分散処理でもナノカーボン物質を容易に孤立分散させられる点が大きな利点である。
前記ナノカーボン物質が、単層又は多層のカーボンナノチューブであることが好ましい。
次に、本発明のナノカーボン物質分散液は、両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒にナノカーボン物質を分散させたことを特徴とする。この分散液によれば、ナノカーボン物質に吸着したトリフェニレン誘導体によってナノカーボン物質が孤立分散されているため、ナノカーボン物質の個々の特性を利用した光・電子デバイス用途などに好適なナノカーボン材料を提供することができる。
前記トリフェニレン誘導体が半導体であることが好ましい。このような構成とすれば、ナノカーボン物質に吸着した物質も半導体特性を呈するため、特にナノカーボン物質分散液から得られるナノカーボン物質の構成体を半導体素子用途に用いる場合に好適な構成となる。
上述したナノカーボン物質分散液の製造方法により得られるナノカーボン物質分散液は、以下の特徴を有するものとなる。
まず、前記分散媒が、式(1)に示す構造式の前記トリフェニレン誘導体を含むことを特徴とする。ただし、R1〜R6は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
また前記トリフェニレン誘導体の前記R1〜R6がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R1〜R6のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることが好ましい。
Figure 0005213025
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次に前記分散媒が、式(3)に示す構造式の多環芳香族炭化水素を含むことを特徴とする。ただし、R7〜R14は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
また前記多環芳香族炭化水素の前記R7〜R10がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R7〜R10のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることが好ましい。
Figure 0005213025
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また、前記分散媒中に、前記アルキル鎖の長さが異なる複数種の前記トリフェニレン誘導体が含まれていてもよい。
さらに、前記Xが、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれる1種以上の酸性基若しくはその塩、又はアミノ基若しくは置換アミノ基であることが好ましい。
前記ナノカーボン物質が、単層又は多層のカーボンナノチューブであることが好ましい。
また本発明は、先に記載のナノカーボン物質分散液を乾燥固化させてなるナノカーボン物質構成体を提供する。この構成の構成体は、個々のナノカーボン物質が孤立分散したナノカーボン物質分散液から得られるナノカーボン物質構成体であるから、個々のナノカーボン物質の特性を利用した光・電子デバイス用途などに好適に用いることができる。また、トリフェニレン誘導体はナノカーボン物質に吸着しているのみで、ナノカーボン物質を変性させたり損傷させたりしないため、ナノカーボン物質本来の物理特性を発現させることができる。
本発明によれば、比較的穏やかな物理的分散処理によってナノカーボン物質が個々に分離された状態で分散された分散液を製造することができる。
また本発明によれば、ナノカーボン物質が個々に分離された状態で分散媒中に分散されたナノカーボン物質分散液を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
本発明のナノカーボン物質分散液の製造方法は、ナノカーボン物質と、両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒とを混合して組成物を調製する工程と、前記組成物に物理的分散処理を施す工程と、を有することを特徴としている。
まず、ナノカーボン物質としては、カーボンナノチューブを用いることが好ましい。カーボンナノチューブは、繊維直径(太さ)Dが、0.5〜100nm程度で長さLが0.1〜100,000μm程度のものであり、L/Dが20〜100,000,000程度の大きなアスペクト比を有するチューブ状の炭素構造体である。このようなカーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザー蒸着法、触媒化学気相成長法などの製法で製造可能である。製造方法の詳細については、例えば、斎藤弥八、板東俊治著「カーボンナノチューブの基礎」(コロナ社)等に記載されている。
カーボンナノチューブには、「単層カーボンナノチューブ」と「多層カーボンナノチューブ」の2種類がある。単層カーボンナノチューブは1枚のグラフェン(単原子層の炭素六角網面)が円筒状に閉じた単原子層厚さのチューブである。本発明におけるナノカーボン物質としてのカーボンナノチューブは、単層及び多層のいずれであってもよいが、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。
実用に供されるカーボンナノチューブとしては、HiPco(High Pressure CO)法によって生成されるカーボンナノチューブ(Carbon Nanotechnologies社から入手可能)をはじめとして、ACCVD(Alcohol Catalytic Chemical Vapor Deposition)法によって生成される単層カーボンナノチューブ等も好適に用いることができる。更にはHyperion社Graphite fibril(登録商標)、昭和電工品、ASISH社Pyrograf III(登録商標)等を用いることもできる。なお、これらは例示であり、本発明におけるカーボンナノチューブを限定するものではない。
また、カーボンナノチューブは炭素生成物に限らず、例えばその炭素の少なくとも一部をホウ素及び窒素で置換したBN(窒化ホウ素)ナノチューブ等であってもよい。あるいは、カーボンナノチューブの一種であるカーボンナノホーンであってもよい。
次に、本発明における分散媒は、両親媒性を有するトリフェニレン誘導体と水系溶媒とを含むものである。このようなトリフェニレン誘導体は、式(1)に示す構造式で表すことができる。式(1)において、R1〜R6は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であり、それらの少なくとも1つは式(2)に示す置換基である。
式(1)に示すトリフェニレン誘導体は、トリフェニレン骨格部を有しており、そこから放射状に側鎖が延びた構造を有している。R1〜R6で示される側鎖を構成する式(2)に示す置換基において、Aはアルキル鎖であり、Xは親水性を有する基である。したがって式(2)の置換基は、先端の水素が親水性の基で置換されたアルコキシ基である。
式(1)に示すトリフェニレン誘導体は、両親媒性を有している。式(1)及び式(2)において、トリフェニレン骨格部とアルコキシ基の部分が疎水性(又は親油性)の基であり、この疎水性の基に、親水性の基Xが結合している。
Figure 0005213025
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式(2)において、アルキル鎖Aは、直鎖でもよいし、分岐した形状であってもよい。アルキル鎖Aの炭素数は、2〜20程度の間で任意に選択することができる。
親水性を有する基Xとしては、両親媒性化合物における親水基として用いられる極性基であれば、問題なく適用できる。例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキシアルキレン基、エステル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、メチル基などが挙げられる。
基Xは、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれる1種以上の酸性基若しくはその塩、又はアミノ基若しくは置換アミノ基(トリメチルアンモニウム基等)であることが好ましい。これらは水系溶媒との親和性に優れており、分散媒中でのカーボンナノチューブの分散性を向上させることができる。
またトリフェニレン誘導体としては、式(3)に示す構造式の多環芳香族炭化水素であってもよい。式(3)に示す多環芳香族炭化水素は、トリフェニレン骨格部の外側に位置する2つのベンゼン環の間に結合環部を介してベンゼン環が結合したジベンゾテトラセンの主骨格部を有する。そして、主骨格部の長手方向の両端に、R7〜R10で示す側鎖が結合しており、主骨格部の短手方向の端部にR11〜R14で示す側鎖が結合している。R7〜R14は、水素又は式(2)に示した置換基であり、少なくとも1つは上記化10に示した式(2)で表される置換基である。
Figure 0005213025
式(1)に示すトリフェニレン誘導体の具体例としては、下記式(4)〜式(7)に示すものが挙げられる。式(4)に示すトリフェニレン誘導体は、炭素数10のアルキル鎖Aと、アルキル鎖Aの先端に結合したカルボキシル基とを有する6つの置換基が、トリフェニレン骨格部から放射状に延びた構造である。式(5)は、式(4)のトリフェニレン誘導体においてアルキル鎖Aの炭素数を6としたものである。式(6)はアルキル鎖Aの炭素数を8としたものである。式(7)はアルキル鎖の炭素数を14としたものである。
Figure 0005213025
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Figure 0005213025
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また、式(3)に示した多環芳香族炭化水素の具体例としては、下記式(8)に示すものが挙げられる。式(8)に示す構造は、R7〜R10に、炭素数10のアルキル鎖と、親水基としてのカルボキシル基を有する置換基が配置されたものである。R11〜R14は水素である。式(8)に示す構造において、アルキル鎖の炭素数を変更してもよいのはもちろんである。
Figure 0005213025
また、式(3)に示した多環芳香族炭化水素の他の具体例として、下記式(9)、(10)に示すものが挙げられる。式(9)に示す構造は、R7〜R10に、メトキシ基が配置され、R11〜R14に先端に親水基としてのカルボキシル基を有するアルコキシ基が配置されたものである。式(10)に示す構造は、R7〜R10に、先端に親水基としてのカルボキシル基を有するアルコキシ基が配置され、R11〜R14にメトキシ基が配置されたものである。式(9)及び式(10)に示す構造においても、アルキル鎖の炭素数を変更してもよいのはもちろんである。
Figure 0005213025
分散媒において、上述したトリフェニレン誘導体を溶解ないし分散させる水系溶媒は、重水等の水単独でもよいし、水とともに水溶性の有機溶媒を含むものであってもよい。
水溶性の有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン類(スルホランなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどが挙げられる。
本実施形態の製造方法では、以上に説明したトリフェニレン誘導体とを水系溶媒と含む分散媒を用意し、これをカーボンナノチューブに加えることでカーボンナノチューブ組成物を調製する。このカーボンナノチューブ組成物の調製に際しては、所要量の分散媒を一度にカーボンナノチューブに添加するのではなく、複数回に分割して添加することが好ましい。
より詳しくは、所要量の1/3〜1/10程度の量の分散媒をカーボンナノチューブに添加する工程と、数分〜60分程度の超音波処理(物理的分散処理)を施す工程とを繰り返し行うことで、所要量の分散媒をカーボンナノチューブに添加してカーボンナノチューブ組成物を調製することが好ましい。例えば、分散媒の所要量が6mlである場合に、1mlずつ6回に分けてカーボンナノチューブに添加し、添加のたびに30分間の超音波処理を施す。
このように複数回に分割して分散媒を添加することで、カーボンナノチューブがより均一に分散したカーボンナノチューブ組成物を得ることができる。これは、詳細は不明であるが以下の理由によると考えられる。
所要量の分散媒を一度に添加してしまうと、両親媒性物質であるトリフェニレン誘導体が大きな単位のミセルを形成して安定し、その一方でカーボンナノチューブも凝集状態で安定してしまうために、個々のトリフェニレン誘導体がカーボンナノチューブに吸着しにくくなる。これに対して、分散媒を徐々に加えることで、分散媒はカーボンナノチューブに浸み込むようにして混合されるため、トリフェニレン誘導体のミセルが形成されにくくなり、トリフェニレン誘導体が効率よくカーボンナノチューブに吸着すると考えられる。
上記の工程によってカーボンナノチューブ組成物を調製したならば、このカーボンナノチューブ組成物に対して物理的分散処理を施すことで、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液を得ることができる。物理的分散処理としては、超音波照射装置やミキサー、ホモジナイザーなどを用いた分散処理を適用することができる。本発明に係る製造方法では、これらのうちでも特に穏和な分散処理を用いることができ、バス型の超音波照射装置であってもカーボンナノチューブを均一に分散させることができる。
上記の工程により調製されたカーボンナノチューブ組成物では、カーボンナノチューブの周囲にトリフェニレン誘導体が巻き付いた状態となっている。すなわち、カーボンナノチューブの周壁を構成するグラフェンシートと同様のπ共役化合物であるトリフェニレン骨格部が、カーボンナノチューブの周壁に吸着しており、トリフェニレン骨格部から延びるアルキル鎖がカーボンナノチューブに巻き付いている。このようにアルキル鎖がカーボンナノチューブに巻き付くことで、1本1本のカーボンナノチューブの孤立性を高め、アルキル鎖の末端に位置する親水基によって1本1本のカーボンナノチューブが可溶化されることで、分散媒中で個々のカーボンナノチューブを孤立化し、均一に分散させることができる。また、トリフェニレン誘導体の疎水性の部位(アルキル鎖)は、カーボンナノチューブの外側に突出しなくなるので、カーボンナノチューブに吸着したトリフェニレン誘導体が他のカーボンナノチューブやトリフェニレン誘導体に吸着しにくくなっており、分散させたカーボンナノチューブが再度凝集することはない。このような作用により、本実施形態の製造方法では、従来に比べて著しく軽微な分散処理でも容易にカーボンナノチューブを均一分散させることができるようになっている。
また本実施形態に係る分散液において、トリフェニレン誘導体はカーボンナノチューブと共有結合していないため、トリフェニレン誘導体が吸着した状態であっても、カーボンナノチューブはトリフェニレン誘導体が吸着していないものと実質的に同一の電気的、機械的、熱的性質を有している。
本実施形態において、式(4)〜式(7)に示したトリフェニレン誘導体は、アルキル鎖の長さのみにおいて異なっており、式(8)〜(10)に示した多環芳香族炭化水素についてもアルキル鎖の長さは容易に調整することができる。そして、本発明において分散媒に用いているトリフェニレン誘導体は、そのアルキル鎖の長さを変えることで、分散媒に分散するカーボンナノチューブの太さ(カイラル係数;巻き方)を変えることができる。かかる作用については、詳細は後段の実施例に記載しているが、アルキル鎖の長さを変えたトリフェニレン誘導体を用いた分散液において、それぞれに分散されているカーボンナノチューブの太さ(カイラル係数)が異なることが確認されている。
本発明に係るトリフェニレン誘導体のアルキル鎖の長さ調整は極めて容易であり、任意の長さのものを合成することができる。したがって本発明によれば、特定の太さ(カイラル係数)のカーボンナノチューブからなる組成のカーボンナノチューブ分散液を容易に得ることができる。また、上記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合にも、単層カーボンナノチューブと同様に種々の太さのものが存在するので、本発明に係る分散媒を用いることで太さに基づいた選択的な分散や分離が可能である。
特に多層カーボンナノチューブの場合には、多層構造の積層数に応じてカーボンナノチューブの太さが異なるので、積層数に応じた選択分離にも本発明に係る分散媒は有効であると考えられる。
また本発明では、強力な物理的分散処理を施すことなく均一に分散したカーボンナノチューブ分散液が得られるので、簡素な設備で効率よく製造することができる。
本発明に係る製造方法により得られるカーボンナノチューブ分散液は、様々な物質への塗布、混合が可能である。例えば、上記カーボンナノチューブ分散液をシート状に塗布あるいはキャストした後、これを乾燥させることで、膜状のカーボンナノチューブ構成体を形成することができる。このようなカーボンナノチューブ構成体では、カーボンナノチューブが束状に凝集したものを含まないため、高密度で表面積の大きい膜が得られる。
また、シート状に塗布する際に一方向に応力を加えたり、塗布後に電場を加えることで、分散液中のカーボンナノチューブを一方向に配向させることができる。これにより、分散液の塗布物及びその乾燥物に、配向による種々の電気的特性や力学的特性を付与することができる。
また、カーボンナノチューブ分散液と樹脂材料との混合物を乾燥させることでカーボンナノチューブ複合体を作製することができる。また本発明のカーボンナノチューブ分散液の製造方法では、トリフェニレン誘導体はカーボンナノチューブの周壁に吸着するのみであり、また分散処理も軽微な処理でよいため、カーボンナノチューブの構造を破壊することがない。したがって、力学的に堅固で、化学的安定性に優れ、熱伝導度が高く、中空状の特性を有するというカーボンナノチューブの特性を損なうことがない。したがって、カーボンナノチューブ本来の強度、熱伝導度を発現させた複合体を得ることができる。なお、上記の樹脂複合体は、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等にカーボンナノチューブを分散させることで作製することができる。
また本発明により得られるカーボンナノチューブ分散液は、特定の太さ(カイラル係数)のカーボンナノチューブが個々に分離した状態で分散されたものとなっている。したがって、トランジスタ、メモリ素子、センサー等に応用するために必要な半導体性カーボンナノチューブや、電池電極材料、電磁気遮蔽剤等に必要な金属性カーボンナノチューブを得やすく、これらの用途に好適なカーボンナノチューブ材料を容易に得ることができる。
特に、本発明のカーボンナノチューブ分散液では、カーボンナノチューブの周囲に半導体であるトリフェニレン誘導体が吸着している。したがって、分散液から溶媒その他の液体成分を除去して得られるカーボンナノチューブ構成体において、カーボンナノチューブに吸着したトリフェニレン誘導体がカーボンナノチューブの半導体特性を阻害することがない。よって、本実施形態に係るカーボンナノチューブ分散液は、半導体的カーボンナノチューブを用いた半導体素子に好適なカーボンナノチューブ構成体を得られるものとなっている。
また、薬物送達システム(Drug Delivery System;DDS)や、光照射による加熱治療などの用途においても、被担持物や内包物の選択性、励起波長の選択性が必要であり、孤立した特定太さのカーボンナノチューブが必要であるが、本発明に係るカーボンナノチューブ分散液によれば、このようなカーボンナノチューブについても容易に得ることができる。
したがって本発明に係るカーボンナノチューブ分散液並びにこれから得られるカーボンナノチューブ構成体は、ナノエレクトロニクスデバイス、フィールドエミッタ、ガスセンサ、高強度複合物、水素貯蔵などの分野における要求を満たしうる高純度のカーボンナノチューブを効率よく得られるものとなっている。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(処理装置及び分析装置)
超音波処理はブランソン社製5510(180W、42kHz)を用いて実施した。超遠心分離処理は日立工機社製CS120GX(S100AT6アングルロータ付属)を用いて実施した。吸光度測定は島津製作所社製UV−3150を用いて実施した。発光分光分析は堀場製作所社製SPEX Fluorolog−3(液体窒素冷却InGaAs近赤外線ディテクタ付属)を用いて実施した。発光分光分析におけるスリット幅は励起側/発光側をそれぞれ10nm/10nm、測定ステップは5nmとした。
(TP−COHの合成)
以下の方法により、親水基としてカルボキシル基を有するトリフェニレン誘導体(TP−COH)を合成した。
アルゴン雰囲気下、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン(802mg,2.47mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)に懸濁させ、11−ブロモウンデカン酸エチルエステル(7.3g,25mmol)と炭酸カリウム(4.3g,31mmol)を加えた後、15時間加熱還流させた。反応混合物を室温に冷却した後、生じた沈殿を濾別し、固体を酢酸エチルで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて溶媒留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン・酢酸エチル(10−15vol%))により精製し、式(11)に示すTP−COEtを淡黄色固体として得た(3.3g,2.1mmol,収率84%)。
Figure 0005213025
[分析結果]
IR (KBr, cm-1) 1174, 1262, 1389, 1438, 1468, 1519, 1617, 1737, 2852, 2924.
1H NMR (CDCl3): δ (ppm) 7.81 (s, 6H), 4.20 (t, J = 6.4 Hz, 12H), 4.10 (q, J = 7.0 Hz, 12H), 2.26 (t, J = 7.6 Hz, 12H), 1.94-1.87 (m, 12H), 1.62-1.15 (m, 24H), 1.41-1.25 (m, 60H), 1.23 (t, J = 7.0 Hz, 18H).
13C NMR (CDCl3): δ (ppm) 173.7, 148.9, 123.6, 107.4, 69.7, 60.2, 34.4, 29.7, 29.6, 29.5, 29.4, 29.2, 26.3, 25.1, 14.4.
MALDI-TOF mass: calculated for C96H156O18 [M]+: m/z = 1597.13; found: 1597.35.
次に、アルゴン雰囲気下、TP−COEt(1.25g,0.787mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、エタノール(20mL)と水酸化カリウム水溶液(2.3M,10mL)を加えた後、15時間加熱還流させた。反応混合物を室温に冷却し、1N塩酸水溶液を加えて反応混合物を酸性にした後、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をアセトニトリルから再結晶することにより、式(4)に示したTP−COHを白色固体として得た(1.03g,0.720mmol,収率92%)。
[分析結果]
IR (KBr, cm-1) 1172, 1263, 1389, 1436, 1468, 1518, 1618, 1707, 2851, 2922.
1H NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 11.90 (s, 6H), 7.91 (s, 6H), 4.19 (t, J = 6.1 Hz, 12H), 2.16 (t, J = 7.3 Hz, 12H), 1.85-1.73 (m, 12H), 1.55-1.41 (m, 24H), 1.39-1.22 (m, 60H).
13C NMR (DMSO-d6): δ (ppm) 174.2, 148.3, 122.7, 107.0, 68.6, 33.7, 29.1, 28.9, 28.8, 28.6, 25.8, 24.5.
MALDI-TOF mass: calculated for C84H132O18 [M]+: m/z = 1428.94; found: 1428.74.
(分散処理及び超遠心分離処理)
上記の方法で合成したTP−COHをそのカルボキシル基と等量の水酸化ナトリウム溶液に溶解し、0.2wt%のTP(トリフェニレン誘導体)重水溶液を調製した。これを試薬瓶に入れた単層カーボンナノチューブ(HiPco法で作製)に1ml加えて懸濁液とし、ときどきかき混ぜながら30分間の超音波処理を施した。このTP重水溶液を加える工程と超音波処理工程とを6回繰り返して行い、最終的に単層カーボンナノチューブとトリフェニレン誘導体との重量比が1/12であるカーボンナノチューブ組成物を得た。超音波処理には、バス型の超音波照射装置を用いた。
次いで、得られたカーボンナノチューブ組成物に一晩の超音波処理を施した後(分散液)、遠心力386000g、1時間の超遠心分離処理を施した。
以上の工程により得られた均一分散液(上澄液)を以下の分析に用いた。
まず、上記分散処理に際して、単層カーボンナノチューブと分散媒との分散方法についても検討した。図1は、2種類の分散方法を示す図である。まず、図1(b)に示すように、試薬瓶に入れた単層カーボンナノチューブに対して、所要量の分散媒を一度に加える方法で分散液を調製したところ、単層カーボンナノチューブとトリフェニレン誘導体との重量比を1/1〜1/16の範囲で変えたいずれのサンプルにおいても、単層カーボンナノチューブを十分に分散させることができなかった。
そこで、図1(a)に示すように、単層カーボンナノチューブに対して少量の分散媒を加え、分散媒を加えるたびに超音波処理を施す段階的な添加方法を実施したところ、単層カーボンナノチューブとトリフェニレン誘導体との重量比が1/2であるサンプルにおいても単層カーボンナノチューブが均一に分散した分散液を得られた。またこのようにして得られたカーボンナノチューブ分散液は、室温で数週間保存した後でも沈殿を生じることなく良好な分散性を保持していた。このように、トリフェニレン誘導体を含む分散媒を用いたカーボンナノチューブの分散には、適切な分散方法を選択することが重要であることが確認された。
なお、本発明者は、分散媒を段階的に添加する分散方法を、他の分散媒でも評価した。すなわち、単層カーボンナノチューブの分散媒として典型的なSDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を、単層カーボンナノチューブに段階的に添加することでカーボンナノチューブ分散液を調製した。その結果、SDBSを用いたカーボンナノチューブ分散液においても、トリフェニレン誘導体を用いた場合と同様に単層カーボンナノチューブを均一に分散させられることが確認された。
したがって、分散媒を段階的に添加する分散方法は、分散媒の種類によらず適用できる分散方法であり、ホーン型の超音波照射装置のような強力な装置を用いることなく単層カーボンナノチューブを均一に分散させる方法として極めて有用である。
次に、図2は、以上で作製したトリフェニレン誘導体を含む分散媒を用いたカーボンナノチューブ分散液(a)と、SDBSを含む分散媒を用いたカーボンナノチューブ分散液(c)とを示す写真である。また、これらのカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)に、超遠心分離処理を施すことで、それぞれ(b)及び(d)に示す上澄液が得られた。
超遠心分離処理を施す前のカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)は、外観上ほぼ同様の黒色液体であり、これらの超遠心分離処理を施して単層カーボンナノチューブの束(凝集体)や不純物を取り除くことで、やや濁った透明な上澄液(b)、(d)となる。上澄液(b)、(d)を比較すると、SDBSを用いたカーボンナノチューブ分散液(c)から得られた上澄液(d)の方がやや黒い。
(分析)
図3は、図2に示したカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)及び上澄液(b)、(d)について、吸光度を測定した結果を示すグラフである。図3中、実線で示す曲線がトリフェニレン誘導体を含む分散媒を用いた分散液(a)及び上澄液(b)に対応し、破線で示す曲線がSDBSを含む分散媒を用いた分散液(c)及び上澄液(d)に対応する。
なお、超遠心分離前のカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)の吸光度測定は、そのままでは吸光度が大きすぎるため、重水で7倍に希釈した溶液を用いて測定した。
図3に示すように、すべての分散液及び上澄液において、半導体性単層カーボンナノチューブの第1のバンド間遷移(S11:900〜1300nm)、及び第2のバンド間遷移(S22:500〜800nm)のピークが観察されている。このことは、バス型の超音波照射装置を用いた分散処理によって単層カーボンナノチューブが良好に分散されていることを示している。
また、超遠心分離処理前のカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)では、上記のピークがなだらかで、πプラズモンのベースラインも高くなっている。これに対して、超遠心分離処理後の上澄液(b)、(d)では、単層カーボンナノチューブの束や不純物が除去されたことで、鋭いピークが観測されている。このことからも、単層カーボンナノチューブは分散媒中に良好に分散されていることが推定できる。
なお、図3において、SDBSを含む分散媒を用いた溶液(分散液(c)及び上澄液(d))は、トリフェニレン誘導体を含む分散媒を用いた溶液(分散液(a)及び上澄液(b))よりもピーク強度が大きく、SDBSを用いた溶液にはより多くの単層カーボンナノチューブが分散していると考えられる。しかし本実施例では、同重量のSDBSとトリフェニレン誘導体とを用いて溶液を作製した。そのために、分子量の小さいSDBSの方が分子の量が多くなり、これにより分散性が向上したために上記のピーク強度の差異が生じたと推定される。
次に、図4は、図2に示したカーボンナノチューブ分散液(a)及びその上澄液(b)について、各溶液に含まれる単層カーボンナノチューブのカイラル係数の分布を同定するための発光分光(Photoluminescence spectroscopy,PL)測定を行った結果を示す図である。図5は、カーボンナノチューブ分散液(c)及びその上澄液(d)について、同様の発光分光測定を行った結果を示す図である。
図4及び図5に示すように、いずれの溶液においても単層カーボンナノチューブに固有の発光が観測された。超遠心分離処理前のカーボンナノチューブ分散液(a)、(c)では、単層カーボンナノチューブの束におけるチューブ間のエネルギー遷移によってPLマップが全体的に明るくなっている。しかし、単層カーボンナノチューブのカイラル係数の割り当ては、超遠心分離処理を施さなくとも可能である。トリフェニレン誘導体を含む分散媒を用いたカーボンナノチューブ分散液(a)では、カイラル係数(7,5)、(8,4)、(7,6)、(9,4)に対応するPLピークが観測されている。3つのPLピーク((9,4)、(7,6)、(8.4))に対応する発光波長は約1150nmであり、図3に示した吸光度のグラフにおいて強い吸収が観測されている位置に対応する。
一方、超遠心分離処理を施すことで、単層カーボンナノチューブの束が除去され、超遠心分離処理後の上澄液(b)では、単層カーボンナノチューブの束に起因するエネルギー遷移が無くなり、各PL強度が大きくなった。また上澄液(b)では、カーボンナノチューブ分散液(a)では観測されなかった新たなPLピークが観測された。詳しくは、カイラル係数(9,5)、(8,7)に対応する弱いピークが観測された。これらは、図3に示した1250nmの大きな吸光度ピークに対応する。さらに、カイラル係数(10,2)、(8,6)に対応するピークも検出された。
上澄液(b)、(d)において検出されたPLピークは、似通ったものであったが、超遠心分離処理前のカーボンナノチューブ分散液(a)では観測されなかった(8,6)、(8,7)、(10,2)のピークが、SDBSを用いたカーボンナノチューブ分散液(c)では観測された。また、トリフェニレン誘導体を用いた溶液では、SDBSを用いた溶液よりも広い範囲のカイラル係数に対応する強いPLピークが観測された。以上から、これらの2つの溶液では分散される単層カーボンナノチューブの組成が異なっていることが推定される。
(太さ選択性の検証)
次に、トリフェニレン誘導体におけるアルキル鎖の長さの差異に基づく単層カーボンナノチューブの太さ選択性についての検証結果について説明する。
本実施例では、アルキル鎖の長さが異なる3種類のトリフェニレン誘導体を作製し、これらを含む分散媒を用いたカーボンナノチューブ分散液を調製した。さらに、それぞれにカーボンナノチューブ分散液に超遠心分離処理を施して得られた上澄み液についてPL測定を行った。カーボンナノチューブ分散液の製造方法及びPL測定の方法はいずれも先に説明した方法と同様である。
用いたトリフェニレン誘導体は、式(5)に示したトリフェニレン誘導体(炭素数6)、式(6)に示したトリフェニレン誘導体(炭素数8)、及び式(4)に示したトリフェニレン誘導体(炭素数10)の3種類であり、それぞれに対応する結果を図6から図8に示した。
図6から図8を比較すると、アルキル鎖の長さに応じてPLのピーク位置及びピーク強度が変化している。具体的には、図8に示す炭素数10のトリフェニレン誘導体を用いたサンプルでは、白丸印を付した位置のピーク強度が他のサンプルに比して大きくなるとともに、他の位置のピーク強度が小さくなっている。このことから、本発明に係る分散媒は、アルキル鎖の長さを調整することで分散される単層カーボンナノチューブの構造を変更することができるものであることが確認された。
本発明に係るカーボンナノチューブ分散液は、孤立した状態でカーボンナノチューブを分散させたものであり、容易に特定の太さ(カイラル係数)のカーボンナノチューブを含むものとすることができるので、さまざまな光・電子デバイスに適用するすることができ、その応用範囲は非常に広い。
本発明に係る製造方法における分散工程を示す図。 本発明に係る製造方法で得られた分散液及び上澄液を示す図。 吸光度測定の結果を示すグラフ。 トリフェニレン誘導体を用いたサンプルの発光分光測定の結果を示す図。 SDBSを用いたサンプルの発光分光測定の結果を示す図。 アルキル鎖長6のトリフェニレン誘導体を用いた分散液の発光分光測定の結果を示す図。 アルキル鎖長8のトリフェニレン誘導体を用いた分散液の発光分光測定の結果を示す図。 アルキル鎖長10のトリフェニレン誘導体を用いた分散液の発光分光測定の結果を示す図。

Claims (20)

  1. ナノカーボン物質と、両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒とを混合して組成物を調製する工程と、前記組成物に物理的分散処理を施す工程と、を有することを特徴とするナノカーボン物質分散液の製造方法。
  2. 前記トリフェニレン誘導体が半導体であることを特徴とする請求項1に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  3. 前記分散媒が、式(1)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
    ただし、R1〜R6は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
    Figure 0005213025
    Figure 0005213025
  4. 前記式(1)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体の前記R1〜R6がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R1〜R6のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることを特徴とする請求項3に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  5. 前記分散媒が、式(3)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
    ただし、R7〜R14は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
    Figure 0005213025
    Figure 0005213025
  6. 前記式(3)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体の前記R7〜R10がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R7〜R10のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることを特徴とする請求項5に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  7. 前記分散媒中に、前記アルキル鎖の長さが異なる複数種の前記トリフェニレン誘導体が含まれていることを特徴とする請求項4又は6に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  8. 前記Xが、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれる1種以上の酸性基若しくはその塩、又はアミノ基若しくは置換アミノ基であることを特徴とする請求項から7のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  9. 前記物理的分散処理がバス型超音波照射装置を用いた処理であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  10. 前記ナノカーボン物質が、単層又は多層のカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液の製造方法。
  11. 両親媒性を有するトリフェニレン誘導体を含む分散媒にナノカーボン物質を分散させたことを特徴とするナノカーボン物質分散液。
  12. 前記トリフェニレン誘導体が半導体であることを特徴とする請求項11に記載のナノカーボン物質分散液。
  13. 前記分散媒が、式(1)に示す構造式の前記トリフェニレン誘導体を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のナノカーボン物質分散液。
    ただし、R1〜R6は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
    Figure 0005213025
    Figure 0005213025
  14. 前記式(1)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体の前記R1〜R6がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R1〜R6のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることを特徴とする請求項13に記載のナノカーボン物質分散液。
  15. 前記分散媒が、式(3)に示す構造式の前記トリフェニレン誘導体を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のナノカーボン物質分散液。
    ただし、R7〜R14は、水素又は式(2)に示す構造式の置換基であって少なくとも1つが式(2)に示す置換基であり、式(2)に示すAはアルキル鎖、Xは親水性を有する基である。
    Figure 0005213025
    Figure 0005213025
  16. 前記式(3)に示す構造を有する前記トリフェニレン誘導体の前記R7〜R10がいずれも式(2)に示す置換基であり、前記R7〜R10のそれぞれに含まれるアルキル鎖の長さが同一であることを特徴とする請求項15に記載のナノカーボン物質分散液。
  17. 前記分散媒中に、前記アルキル鎖の長さが異なる複数種の前記トリフェニレン誘導体が含まれていることを特徴とする請求項14又は16に記載のナノカーボン物質分散液。
  18. 前記Xが、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基から選ばれる1種以上の酸性基若しくはその塩、又はアミノ基若しくは置換アミノ基であることを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液。
  19. 前記ナノカーボン物質が、単層又は多層のカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液。
  20. 請求項11から19のいずれか1項に記載のナノカーボン物質分散液を乾燥固化させてなり、
    ナノカーボン物質と、前記ナノカーボン物質の周囲に吸着したトリフェニレン誘導体と、を含むナノカーボン物質構成体。
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