以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図21は、本発明の一実施の形態に係る揚送研磨装置10を示している。
図1は、揚送研磨装置10の側面図であり、図2は、揚送研磨装置10の正面図であり、図3は、揚送研磨装置10の研磨路部60を開いた状態の正面図である。図4は、揚送研磨装置10の下部の縦断面図であり、図5は、研磨路部60の下部を示す内面図であり、図6および図7は、揚送研磨装置10の下部の横断面図である。
本実施の形態に係る揚送研磨装置10は、図示省略した遊技機島の内部に立設されて、遊技機島を構成する各遊技機(パチンコ機)で使用されたパチンコ球である遊技球を揚送しながら研磨する装置である。遊技機島において、揚送研磨装置10の下端には、遊技機島の下部に回収された使用済みの遊技球が供給され、揚送研磨装置10の上端から、研磨済みの遊技球が遊技機島の上部を流下し、再び各遊技機や遊技媒体貸出機に供給される。
図1〜図3および図4に示すように、揚送研磨装置10は、垂直方向に延びる長尺な筺体状の本体11と、該本体11の上下位置にそれぞれ軸支した上ローラ21および下ローラ22と、該上下ローラ21,22の間に巻き掛けた無端の揚送ベルト30と、該揚送ベルト30の上昇面30aに対向させて上下方向に張設した研磨布80とを備え、前記揚送ベルト30の上昇面30aと前記研磨布80との間に遊技球を挟持させることにより、遊技球の揚送および研磨を行うように構成されている。
本体11の上下位置には、図1に示すように、従動側の上ローラ21と駆動側の下ローラ22とが互いに平行となるように水平に軸支されており、下ローラ22が動力源である電動モータ20によって回転駆動される。本体11の背面側の下部には、電動モータ20が一体に取り付けられており、電動モータ20の出力軸は、下ローラ22の回転軸に図示省略した減速機構を介して動力伝達可能に連結されている。
揚送ベルト30は、図4に示すように、下ローラ22から上ローラ21に向かって回転する上昇面30aが、本体11の正面側を向くように回転駆動される。図8に示すように、揚送ベルト30は、心体31はポリエステルであって、表層32および裏層33はポリウレタンから構成され、表裏の面形状は平滑である。かかる揚送ベルト30は、ポリエステルとポリウレタンとの2層構造の2枚のベルトを、それぞれポリエステル側の面で貼り合わせて構成すると良い。
また、図4に示すように、上ローラ21と下ローラ22の間には、上下方向に所定間隔おきに複数のガイドローラ23,23…が軸支されている。各ガイドローラ23は、揚送ベルト30の上昇面30aの裏面側に回転可能に当接するように配置され、搬送ベルト30の上昇面30aを裏面側から支持している。
下ローラ22の背面側の上方には、テンションローラ24が軸方向を水平に向けた状態で軸支されている。テンションローラ24は、揚送ベルト30の途中を裏面側へ押す状態で回転可能に軸支されており、揚送ベルト30に張力を付加し、揚送ベルト30の上昇面30aが垂直方向に延びる平坦面を維持するように設定されている。
また、下ローラ22の傍らには、遊技球の回収樋16が延びており、下ローラ22の下側には、回収樋16に連通して遊技球を受け入れる導入路カバー40が設けられている。なお、上ローラ21の傍らには、研磨揚送した遊技球を遊技機島の上部より排出するための排出口13が設けられている(図1参照。)。
導入路カバー40は、下ローラ22の外周に沿う円弧形に湾曲させた樋状の部材からなり、下ローラ22の下側に沿って配置されて、下ローラ22を周回する揚送ベルト30との間に遊技球が導入されるアール状の導入路40aを形成している。導入路カバー40の始端41は、前記回収樋16の下方へ向かって延出しており、始端41の上側には、前記回収樋16の終端縁に連なるガイド板42が、遊技球を導入路40aに導くように下方へ傾斜する状態に配設されている。
本体11には、揚送ベルト30の上昇面30aに対面するように 長尺の支持カバー12が取り付けられている。支持カバー12は、その全長に亘って本体11の幅と同様の幅を有する縦長の平面部と、この平面部の左右両側縁から揚送ベルト30の側に延設した側面部とを有する樋状の部材からなり、下から順に下支持カバー12aと、中支持カバー12bと、上支持カバー12cとに分割されている。
下支持カバー12aは、本体11に対してネジ止めされており、通常は開かないように固定されている。一方、中支持カバー12bと上支持カバー12cは、それぞれ本体11に対して蝶番15を介して開閉可能に取り付けられている。なお、閉じた状態の中支持カバー12bや上支持カバー12cは、それぞれ止め金具(図示せず。)によって固定される。
図4に示すように、下支持カバー12aの内側には、揚送ベルト30の上昇面30aと対面配置される整列路部50が内装されている。また、中支持カバー12bの内側には、同じく揚送ベルト30の上昇面30aと対面配置される研磨路部60が内装されており、上支持カバー12cの内側には、同じく揚送ベルト30の上昇面30aと対面配置される揚送路部70が内装されている。
ここで本体11側にある揚送ベルト30の上昇面30aと、支持カバー12側の下から順に整列路部50、研磨路部60、揚送路部70において上昇面30aと対向する表面との間に、遊技球が挟持されて揚送される間隙が形成される。また、研磨路部60の表面には、遊技球を研磨する研磨布80が上下方向に延びる状態に張設されている。
導入路カバー40の終端43は、整列路部50の下端に連なっている。ここで整列路部50の下端は、下ローラ22の中心軸22aと同じ高さ位置にて導入路カバー40の終端43に連設されている。なお、導入路カバー40の終端43は、ばね付きネジ44により下ローラ22に対して弾発的に離隔可能に支持されている。
整列路部50は、揚送ベルト30の上昇面30aに沿って上方向に所定長さで延び、研磨布80(研磨路部60)の下端に連なり、導入路カバー40の終端43から導出される遊技球の衝撃を緩和し整列させた状態で研磨布80に導くための部位である。整列路部50の上端は、下ローラ22の外径上端と同じ高さ位置より上方で、かつ下ローラ22の直径の3倍の高さ位置より下方にて研磨路部60の下端に連設されている。本実施の形態では整列路部50の上端は、図4に示すように、下ローラ22の直径の約2.3倍の高さ位置に設定されている。
整列路部50は、ウレタンゴム等に代表される弾性を有する合成樹脂により成形されており、揚送ベルト30の上昇面30aに対向する表面側には、遊技球を上方に導くための複数のガイドレール溝51,51…が形成されている。図6に示したように、各ガイドレール溝51は、深さが遊技球の半径より小さい横断面円弧状の縦溝であり、互いに上下方向に平行に延びるように形成されている。なお、各ガイドレール溝51間の間隔は、遊技球の半径よりも短い距離に設定されている。
研磨路部60は、前記整列路部50の上端より揚送ベルト30の上昇面30aに沿って上方向に所定長さで延び、前記整列路部50より揚送されてきた遊技球を主に研磨するための部位である。研磨路部60は、前記整列路部50と同様にウレタンゴム等の弾性を有する合成樹脂により成形されており、揚送ベルト30の上昇面30aに対向する研磨面には、遊技球を上方に導くための複数のガイドレール溝61,61…が形成されている。ここで各研磨路部60は、前記整列路部50と同様の構成であり、各ガイドレール溝61は、それぞれ前記各ガイドレール溝51と一対一で対応しており、互いに直線状に連なっている。
各ガイドレール溝61がある研磨面には、揚送ベルト30の上昇面30aに対向する研磨布80が上下方向に延びる状態に張設されている。研磨布80は、前記研磨面の両側方向に延伸可能な材質からなる。研磨布80としては具体的に例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)55%、パルプ45%であって、目付61g/m2〜71g/m2、厚さ0.3mm〜0.5mmのスパンレース不織布が適している。なお「目付」とは、1m2あたりの重さをgで表現した不織布の厚みを表現する単位である。
スパンレース不織布は、木材パルプと合成有機繊維からなる集合体を、細かい金鋼等で支持しながら、高圧の水流を当てて繊維同士を絡ませて乾燥させたものである。このようなスパンレース不織布は、ランダムな方向に並んだ数百万の木材パルプ繊維と合成有機繊維とが絡み合っており、汚れの吸着性に優れるだけでなく、引張強度や耐水圧、吸水性、柔軟性においても優れている。合成有機繊維としてポリエチレンテレフタラートを含ませることにより、吸液しても高強度を維持することができる。
本実施の形態に係る研磨布80は、前記スパンレース不織布のうち、さらに具体的には摩擦係数が0.50μs〜0.62μsであって、かつ厚さ0.3mm〜0.5mmのポリエステルナノファイバー繊維構造体により構成している。かかる構成により、前記揚送ベルト30(図8参照。)の摩擦係数と研磨布80との摩擦係数の比率は、1:2.5となる。また、前記整列路部50の表面や前記研磨路部60の研磨面における摩擦抵抗は、研磨布80の表面の摩擦抵抗より大きい。
また、図5〜図7に示すように、前記整列路部50の上端と、研磨路部60の下端における各ガイドレール溝61の始端との間には、遊技球を導入する遊技球ガイドローラ62が設けられている。遊技球ガイドローラ62は、研磨路部60の下端面に沿って両側に延びる状態で水平に軸支されている。
遊技球ガイドローラ62は、整列路部50の上端から導出された遊技球が導入されるように、外周が部分的に全周に亘って縮径する凹溝63が軸方向に複数並ぶように連設されている。ここで各凹溝63は、整列路部50や研磨路部60にある各ガイドレール溝51,61に対応する数と位置に設けられている。
この時、各ガイドレール溝51,61間の凸部の高さは、該ガイドレール溝51,61の底を基準として同じ5.5mmであるが、ガイドレール溝61の下端(始端)側の凸部の高さを、5.5mmより低い4.5mmから徐々に5.5mmの高さになるよう僅かに勾配を持たせると良い。
これにより、研磨路部60において複数のガイドレール溝61が形成された研磨面側を覆うように研磨布80を張設したとき、研磨布80はガイドレール溝61間の凸部に載っているだけで、整列路部50の上端から導出された遊技球が遊技球ガイドローラ62を介して研磨路部60に導入されて、初めて研磨布80はガイドレール溝61の底部に押圧されることになるが、前記勾配を持たせることによって、遊技球とガイドレール溝61の底部に押圧された研磨布80とが馴染む助走区間を設けることになり、研磨布80の幅方向への急激な伸びを抑えることができる。
遊技球ガイドローラ62は、その外周のほぼ全幅に亘り研磨路部60の下端を周回させる研磨布80が巻き掛けられた状態で自由に回転するように軸支されている。かかる遊技球ガイドローラ62は、研磨路部60の下端に掛け回される研磨布80が研磨路部60の下端のエッジに直接触れて損傷することを防ぐ役割を果す他、整列路部50の上端から導出された遊技球を研磨路部60の下端における各ガイドレール溝61の始端に円滑に受け渡す役割も果している。
図6および図7に示すように、遊技球ガイドローラ62は、その各凹溝63の最底周面が、研磨路部60にあるガイドレール溝61の底より、さらに奧方向すなわち背面側に位置する状態に軸支されている。ガイドレール溝61の底と遊技球ガイドローラ62の凹溝63の最底周面との距離は、研磨布80の厚さ並びに遊技球の外径を考慮して決められる。
本実施の形態では、ガイドレール溝61の底と凹溝63の最底周面との距離は1mmであって、研磨布80の厚さは0.3mmであり、研磨布80の表面からガイドレール溝61の底までの距離は10mmであり、遊技球の外径は11mmである。すなわち、ガイドレール溝61と揚送ベルト30に挟持された遊技球の押圧によって、ガイドレール溝61を覆うように張設された研磨布80は溝内に沈み込み、かかる状態で遊技球が揚送ベルト30と研磨布80との摩擦力で研磨部路60を揚送されるように設定されている。
さらに、図4に示すように、前記遊技球ガイドローラ62の後方(中支持カバー12bの外面側)には、研磨布ガイドローラ65が水平に軸支されている。研磨布ガイドローラ65は細径の丸棒状の部材であり、研磨布80を研磨路部60の下端に周回させる時に、研磨布80が研磨路部60の下端エッジに接触することを防ぐための部材であり、研磨布80は、研磨路部60の下端において前記遊技球ガイドローラ62ないし研磨布ガイドローラ65に掛け渡された状態で張設される。
図1〜図3に示すように、揚送路部70は、前記研磨路部60の上端より揚送ベルト30の上昇面30aに沿ってさらに上方向に所定長さで延び、前記研磨路部60より研磨揚送されてきた遊技球をさらに遊技機島の上端まで揚送するための部位である。揚送路部70は、前記整列路部50や研磨路部60と同様にウレタンゴム等の弾性を有する合成樹脂により成形されている。
揚送路部70において、揚送ベルト30の上昇面30aに対向する表面には、遊技球を上方に導くための複数のガイドレール溝71,71…が形成されている。ここで各揚送路部70は、前記研磨路部60と同様の構成であり、各ガイドレール溝71は、それぞれ前記各ガイドレール溝61と一対一で対応しており、互いに直線状に連なっている。
あるいは、揚送路部70において揚送ベルト30の上昇面30aに対向する表面には、前記各ガイドレール溝71を形成することなく、前記揚送ベルト30と同一の材質を貼り付けて構成しても良い。かかる場合には、図8に示したポリエステルとポリウレタンとの2層構造の1枚のベルトのみを、そのポリエステル側が表面となるように貼り合わせても良い。なお、図示省略したが、揚送路部70の上端にも、前記遊技球ガイドローラ62および研磨布ガイドローラ65が前後平行に並んだ状態で水平に軸支されているが、ここで遊技球ガイドローラ62は、主に研磨布ガイドローラ65としての役目を果すことになる。
次に、前記研磨路部60の研磨面を覆う状態に前記研磨布80を張設するための装着構造について説明する。かかる装着構造は、図1〜図3に示すように、前記研磨路部60の側端部に着脱可能に取り付けるホルダー110と、該ホルダー110に連結されたガイド120と、前記研磨路部60の背面側の上下位置にそれぞれ設けられた一対のクランプ130,130とから構成されている。
ホルダー110は、円筒状に巻かれたロール研磨布80a(図15参照。)を縦置き状態で回転可能に保持し、前記研磨路部60の側端部の側方にロール研磨布80aが位置する状態で、該側端部に着脱可能に取り付けるものである。前記研磨布80は、円筒状に巻かれてロール研磨布80aをなす。研磨布80の横幅は、前記研磨路部60における研磨面のうち全てのガイドレール溝61を覆い得る大きさであり、延伸可能な繊維方向が横幅方向に一致している。
図9〜図12に示すように、ホルダー110は、垂直面をなす縦長の長方形の側板111と、該側板111の下端縁に直角に連設されて水平面をなす底板114と、該底板114上に立設されて前記ロール研磨布80aの筒芯内に挿入させる回転軸115とを備えてなる。側板111の一側端縁には、所定幅で上下に延びる縦長側壁112が側板111の正面より後方へ直角に折曲されており、さらに縦長側壁112の側端縁には、上下に並ぶ2つのフック113,113が側方かつ下方に向かって突設されている。
図15に示すように、研磨路部60を内側に囲む中支持カバー12bの一側端部には、上下に並ぶ2つのフック孔14,14が穿設されている。ホルダー110は、後述するガイド120が一体に組み合わされた状態で、各フック113を各フック孔14に差し込み掛止することにより、各フック113を回転中心として、研磨路部60の側端部に対して水平方向に回転可能に支持される。
図9〜図12に示すように、ホルダー110の底板114は、前方の一端側の角が削られてアールをなす正方形に形成されており、前記側板111の下端縁より前方へ直角に折曲されている。この底板114の略中央に、ロール研磨布80aの筒芯を通す回転軸115が垂直に立設されている。なお、回転軸115の外径は、ロール研磨布80aの筒芯の内径より小さく設定されており、回転軸115自体が回転しなくても、ロール研磨布80aを回転可能に装着できれば良い。
ホルダー110に一体に組み合わされるガイド120は、垂直面をなす縦長の長方形の側板121と、該側板121の下端縁に直角に連設されて水平面をなし、前記ホルダー110の底板114の下側に重なる状態で回転可能に軸支される底板122と、前記側板121の側端縁に直角に連設されて垂直面をなす案内板124とを備えてなる。
側板121は、前記ホルダー110の側板111に対して、その縦長側壁112のある側端縁より前方へ向かって直角となるように配置される。底板122は、正方形に形成されており、前記側板121の下端縁より、前記ホルダー110の底板114の下側に重なるように直角に折曲されている。底板122は、前記ホルダー110の底板114上に回転軸115を立設するネジにより、底板114に対して回転可能に連結されている。なお、底板122の前端縁に沿って、所定幅で下方へ延びるフランジ123が直角に折曲されている。
側板121にて後方を向く一側端縁には、案内板124がさらに側方へ直角に折曲されている。案内板124は、直角三角形に形成されており、研磨路部60を囲む中支持カバー12bの正面に沿うように配置される。案内板124の下端から上端に向かって延びる斜めの端縁は、前記ホルダー110上のロール研磨布80aから中支持カバー12bの正面(研磨路部60の背面)に重なる側方に引き出した研磨布80の途中を、直角に折り曲げた状態で中支持カバー12bの正面に沿わせて上方に案内する傾斜端縁125をなしている。
図13に示すように、水平面に対する傾斜端縁125の角度は、正確には45度ではなく多少緩やかとなる42度に設定されている。かかる角度は実験データに基づく値であり、角度が42度より大きくなると、研磨布80を引き上げる際に図中のA矢印方向へ研磨布80がずれてしまい、逆に角度が42度より小さくなると、研磨布80を引き上げる際に図中のB矢印方向へ研磨布80がずれてしまうという結果に基づき定められている。
図16に示すように、ホルダー110の側板121と、ガイド120の案内板124との相対向する側縁同士の間は、ロール研磨布80aから引き出された研磨布80の途中が挿通し、ホルダー110の底板114に対するガイド120の底板122の回転に伴い幅が拡縮する隙間となっている。なお、図9に示すように、案内板124の上端縁に沿って、所定幅で前方へ延びるフランジ126が直角に折曲されている。
図19および図20に示すように、クランプ130は、中支持カバー12bの正面(研磨路部60の背面)に沿って取り付けられる抵抗板131と、該抵抗板131に対向した状態に配置される押圧部材135と、前記抵抗板131と前記押圧部材135との間に研磨布80を挿通させた状態で、前記押圧部材135を前記抵抗板131に押圧させた固定位置と前記抵抗板131から離隔した開放位置とに変位させる操作部材137とを備えてなる。
抵抗板131は、図14に示すように、研磨路部60の背面をなす中支持カバー12bに固定された台座132上に貼り付けられている。台座132は、中支持カバー12bの横幅と同じ幅のベース板133と、該ベース板133の左右両端縁を折曲して立設した一対の支持片134,134とからなり、ベース板133の表面全体に前記抵抗板131は貼り付けられている。なお、抵抗板131の材質は、ある程度の摩擦抵抗を有するものであれば何でも良く、ゴム板や合成樹脂板、あるいはキャンバス地等で構成することができる。
押圧部材135は、図20に示すように、前記台座132の左右の支持片134,134の間に一対に分かれて回転可能に軸支されている。押圧部材135は、前記抵抗板131と接触する部分の断面が円弧状に形成されており、前記研磨路部60の背面の幅方向のうち両側部に離隔する状態で、それぞれ偏心軸136を介して回転可能に軸支された一対のカムからなる。
操作部材137は、前記一対のカムである各押圧部材135の間を一体に連結するハンドルからなる。図14に示すように、操作部材137の操作により回転する押圧部材135は、偏心した状態で軸支されているので、操作部材137を押し下げると、押圧部材135の円弧状である先端部が抵抗板131の側を向き、この先端部で抵抗板131を所定圧力で押圧する固定位置に変位する。一方、操作部材137を引き上げると、押圧部材135の円弧状をなした先端部は、抵抗板131から所定距離離れた開放位置に変位する。
抵抗板131と押圧部材135の間に研磨布80を挟持した時、固定位置に変位させた押圧部材135から研磨布80および抵抗板131が受ける押圧力によって、研磨布80と抵抗板131との間に静止摩擦力が生じる。この静止摩擦力が、遊技球を揚送する際に研磨布80に加わる最大張力より大きくなるように、押圧部材135の押圧力と抵抗板131の表面状態が設定してある。なお、ハンドル(操作部材)137の両側のアーム部分の長さによって、操作時のトルクを任意に設定することができる。
次に、揚送研磨装置本体10の作用について説明する。
各遊技機で使用された遊技球は遊技機島の下部に回収された後、図4に示すように、回収樋16を経て揚送研磨装置10の下端にある導入路カバー40に供給される。導入路カバー40において、遊技球は先ずガイド板42を自重により流下し、そのまま下ローラ22の下側に沿った導入路40aに導かれる。このとき、遊技球が上下に重なり合っていたとしても、導入路40aの入口に導入されつつ徐々に均されて、自然と上下一列に整列させられる。
電動モータ20が駆動されると、減速機構を介して下ローラ22が回転し、該下ローラ22が揚送ベルト30を繰り込み繰り出して揚送ベルト30は循環する。この揚送ベルト30の本体11の正面を向く側が上昇面30aとなる。導入路40aに供給された遊技球は、下ローラ22の外周に沿った揚送ベルト30と導入路カバー40の内周面との間に挟まれた状態で、下ローラ22の遠心力によって導入路40aを高速で移動し、導入路カバー40の終端から勢い良く排出される。
導入路カバー40の終端に連なる部位には、図4に示すように、未だ研磨布80は配置されておらず、その代わり整列路部50が配設されており、遊技球は先ず整列路部50に導入される。複数の遊技球が整列路部50の下端付近で競り合ったとしても、導入路カバー40の終端43は、ばね付きネジ44によって下ローラ22に対し弾発的に離隔可能である。従って、導入路カバー40から排出される遊技球は、整列路部50にある複数のガイドレール溝51内にスムーズに振り分けられて受け渡される。
整列路部50において、遊技球は各ガイドレール溝51内で整列した状態となり、そのまま各ガイドレール溝51と揚送ベルト30の上昇面30aとの間に挟持された状態で揚送される。かかる過程で遊技球は勢いが確実に減殺され、最終的には揚送ベルト30の循環速度とほぼ等速で揚送される。このように遊技球は衝撃が緩和された後に、整列路部50の上端より研磨路部60に受け渡される。
以上のように、下ローラ22の遠心力によって、導入路カバー40から勢い良く排出された遊技球は、直ぐに研磨布80に衝突することはなく、いったん整列路部50に導入されることで、前記遠心力による衝撃が緩和された後に研磨および揚送されることになる。従って、研磨布80の早期破損を防止して研磨布80の耐久性を高めることができ、さらに、研磨布80の破損した繊維屑を原因とする周辺機器の故障やパチンコ機盤面の汚れを未然に防止することが可能となる。
ところで、本実施の形態では、整列路部50の具体的な所定長さとして、図4に示すように、整列路部50の下端を、下ローラ22の中心軸と同じ高さ位置にて導入路カバー40の終端に連設し、また、整列路部50の上端は、下ローラ22の直径の約2.3倍の高さ位置に設定している。整列路部50と研磨路部60との長さの比率は非常に重要な問題となるが、本実施の形態で採用した整列路部50の長さと配置によれば、結果として研磨効率や揚送能力を向上させることができる。
詳しく言えば、整列路部50の下端を、下ローラ22の中心軸と同じ高さ位置とするのは、最も大きな遠心力を受ける位置だからである。また、整列路部50の上端を、下ローラ22の外径上端と同じ高さ位置より上方とするのは、かかる高さ位置までの長さが遠心力を減殺する上では最小限必要だからである。かつ整列路部50の下端を、下ローラ22の直径の3倍の高さ位置より下方とするのは、整列路部50の全長がこれ以上に長くなれば、揚送力が過度に減殺されると共に、研磨路部60の全長が相対的に短くなって研磨力が減殺されることが、実験的に確かめられている。
整列路部50から研磨路部60に受け渡された遊技球は、揚送ベルト30の上昇面30aと研磨布80との間に挟持された状態で揚送されながら同時に研磨される。研磨路部60において研磨布80が張設してある研磨面は、単なる平滑な面ではなく、遊技球を上方に導く複数のガイドレール溝61が形成されている。これにより、研磨路部60の遊技球は、互いに競り合うことなく各々が複数のガイドレール溝61に導かれて効率良く揚送される。また、揚送方向とは関係ない研磨布80の幅方向への余計な転動も防止される。
研磨布80には、複数のガイドレール溝61内に凹入する方向に力がかかり、その結果として本来の横幅が減縮することになるが、研磨布80は、研磨路部60の研磨面の両側方向に延伸可能な材質からなる。従って、研磨布80の本来の横幅が減縮する代わりに、研磨布80は両側方向に延伸して、前記研磨面の両端部分から研磨布80が外れるような事態を防止することができる。また、遊技球が研磨布80を延伸させつつガイドレール溝61内に凹入することにより、遊技球と研磨布80とは面接触の状態となり、遊技球の表面全体を満遍なく研磨することが可能となる。
また、研磨路部60の各ガイドレール溝61は、前述した整列路部50の各ガイドレール溝51にそれぞれ連なるため、整列路部50から研磨路部60にかけて遊技球を円滑に連続して受け渡すことができる。さらに、図4に示すように、整列路部50と研磨路部60との間には遊技球ガイドローラ62が設けられており、整列路部50から排出された遊技球は、遊技球ガイドローラ62の凹溝63に沿って研磨路部60のガイドレール溝61に導かれる。これにより、整列路部50から研磨路部60へ遊技球をスムーズに移動させることができる。
詳しく言えば、図5〜図7に示すように、遊技球ガイドローラ62は、その軸方向に並ぶ各凹溝63の最底周面が、研磨路部60にある各ガイドレール溝61の最奧面より、さらに奧方向すなわち背面側に位置する状態に軸支されている。これにより、研磨布80が掛け回された状態の遊技球ガイドローラ62は、研磨布80の下端を各ガイドレール溝61の下端に馴染むように沿わせて、遊技球が導入されやすい状態にすると共に、遊技球が最初にぶつかる研磨布80の下端の衝撃を緩和する。
また、図6に示すように、ガイドレール溝61の底と遊技球ガイドローラ62の凹溝63の最底周面との前述した具体的な距離設定によって、ガイドレール溝61と揚送ベルト30に挟持された遊技球の押圧により、ガイドレール溝61を覆うように張設された研磨布80は溝内に沈み込む。かかる状態で遊技球は、揚送ベルト30と研磨布80との摩擦力で研磨路部60を揚送される。
このとき、揚送ベルト30の摩擦係数より研磨布80の摩擦係数が大きいと、遊技球の表面に付着した汚れは研磨布80に多く付着する。これにより、揚送ベルト30の揚送面の汚れが少なくなり、遊技球に再付着することを防止することができる。研磨布80が前述したようにポリエステルナノファイバー繊維構造体であって、揚送ベルト30と研磨布80との摩擦係数の比率が1:2.5の場合、特に本装置における遊技球の研磨効率や揚送能力をいっそう高めることができる。
摩擦係数等に関する具体的に数値としては、前述したように、揚送ベルト30の摩擦係数を0.20μs〜0.25μsとし、研磨布80の摩擦係数を0.50μs〜0.62μsとし、かつ厚さ0.3mm〜0.5mmのポリエステルナノファイバー繊維構造体により構成すると良い。これらの数値の材質を採用することにより、特に遊技球の研磨前の輝度値より大きな輝度値が得られることが本件発明者らの実験データにより確かめられている。
実験データの一例を以下に示す。実験方法としては、揚送研磨装置10の上端にある排出口13に、研磨された遊技球を受ける空箱を取り付け、揚送研磨装置10に投入前の遊技球の輝度と、空箱に回収された研磨済みの遊技球の輝度をそれぞれ測定する。研磨回数としては、1回のみならず、5回投入後と10回投入後における遊技球の輝度も測定する。また、最後にアルコールで拭いた遊技球の輝度も、理想の研磨後の目標値として測定する。
採用した研磨布80は、市販のポリエステルナノファイバー繊維構造体(例えば、帝人ファイバー社製)であって、摩擦係数は0.50μs、厚さは0.3mmのものを用いる。なお、摩擦係数に関しては、ポリエステルナノファイバー繊維構造体の製造工程において、不織布を構成するウェブの結合方法の相違により、あるいは既存の不織布の表面を擦って毛羽立たせることにより、任意の数値に容易に適宜調整することができる。
また、採用した揚送ベルト30は、図8に示すように、心体31はポリエステルであって、表層32および裏層33はポリウレタンから構成され、表裏の面形状は平滑である市販のものであり(例えば、バンドー化学社製。)、摩擦係数は0.20μsである。また、研磨路部60の具体的な構成は図7に示すものであり、研磨路部60の全長は900mmとする。なお、測定対象である遊技球は一般のパチンコ玉を用いて、輝度を測定する機器は一般の分光測色計を使用した。
図21は、実験データを示している。実験においては、遊技球1個ごとに3箇所において輝度を測定する。このとき、遊技球の取り扱いにはピンセットを用いる。図21(a)は、5個の遊技球ごとに、研磨回数として、0回、1回、5回、10回、それにアルコール拭き後に測定した3箇所における輝度のデータである。図21(b)は、3箇所における輝度の平均値と、アルコール拭き後と10回研磨後における輝度の差を示している。この差が少ないほど研磨効率が高いことになる。
このような図21に示す実験データのみならず、揚送ベルト30や研磨布80の材質ないし摩擦係数を異ならせて数多の実験を行いデータを比較した結果、前述したように、揚送ベルト30は摩擦係数が0.20μs〜0.25μsであり、研磨布80は摩擦係数が0.50μs〜0.62μsであって、かつ厚さ0.3mm〜0.5mmのポリエステルナノファイバー繊維構造体であることが、本装置に採用するものとして最適であることが検証された。
また、研磨布80の具体的な組成として、ポリエチレンテレフタラート(PET)55%、パルプ45%であって、目付61g/m2〜71g/m2、厚さ0.3mm〜0.5mmのスパンレース不織布を採用する。このようなスパンレース不織布を用いることにより、遊技球の研磨効率を高めることができるばかりでなく、高い耐久性によって遊技球との摩擦による破損も緩和され、しかも、研磨布80自体のコストも極力抑えることが可能となる。
また、研磨路部60は、研磨布80より大きい摩擦抵抗を有するウレタンゴム等の弾性体から構成される。これにより、遊技球が揚送ベルト30によって揚送される際に、研磨布80が上方にずれることなく研磨路部60の研磨面側に密着することになり、ガイドレール溝61に沿って回転する遊技球の表面の輝度を向上させることができる。
さらにまた、揚送ベルト30は、図8に示すように、心体31をポリエステルとして表裏をポリウレタンから構成し、表裏の面形状を平滑とする。これにより、適度な弾性を得ることができると共に耐久性にも優れ、優れた揚送能力を担保することができる。また、表裏の面形状を平滑とすることにより、揚送ベルト30に対する汚れの付着を防止することができると共に、付着した汚れは簡単に拭き取ることができる。
ところで、研磨布80が汚れた場合には、新たな研磨布80と交換することになる。以下に、研磨路部60の研磨面を覆う状態に研磨布80を張設するための装着方法について説明する。研磨布80は、円筒状に巻かれたロール研磨布80aから引き出されて用いられる。図2に示すように、ロール研磨布80aは、ホルダー110によって研磨路部60の側端部の側方に取り付けられる。図12に示すように、ホルダー110の回転軸115にロール研磨布80aの筒芯を挿通させて底板114上に載せるだけで、ロール研磨布80aは縦置き状態で回転可能に保持される。
図15に示すように、ホルダー110の側板111(正確には縦長側壁112)の側端縁にある2つのフック113を、研磨路部60(正確には中支持カバー12b)の側端部に穿設された2つのフック孔14に差し込むことにより、ホルダー110をロール研磨布80aを保持した状態で研磨路部60の側方に取り付けることができる。ホルダー110は、フック113を回転中心として研磨路部60の側端部に対して水平方向に回転可能に支持される。これにより、ホルダー110の位置を適宜調整することも可能となる。
新たに研磨布80を研磨路部60に張設する場合には、先ずホルダー110上のロール研磨布80aから研磨布80の端部を引っ張り、研磨路部60の背面に重なる側方へと引き出す。図16に示すように、ホルダー110の側板111とガイド120の案内板124との相対向する側縁同士の間の隙間に、研磨布80の端部を挿通させることで、研磨布80をホルダー110から研磨路部60の背面に重なる側方に引き出すことになる。このとき、図12に示すように、ホルダー110の底板114に対してガイド120の底板122を回転させれば、前記隙間の幅が自在に拡縮する。これにより、ロール研磨布80aの端部を側方に引き出す作業を容易に行うことができる。
次に、図17に示すように、引き出した研磨布80の途中に、ホルダー110に連結されているガイド120の案内板124を重ね合せて中支持カバー12bの正面に沿わせる。案内板124には傾斜端縁125が形成されており、図18に示すように、研磨布80の途中を、前記傾斜端縁125に沿わせて直角に折り曲げた状態とし、研磨路部60の背面に沿う上方へ引き出す。このような簡易な構成により、研磨布80の途中を、側方から上方へと直角に方向転換させた状態に案内することができ、そのまま円滑に引き出すことが可能となる。
前述したが図13に示すように、傾斜端縁125の水平面に対する角度は、正確には45度ではなく多少緩やかとなる42度に設定されている。かかる角度は実験データに基づく値であり、角度が42度より大きくなると、研磨布80を引き上げる際に図中のA矢印方向へずれてしまうことになる。逆に角度が42度より小さくなると、研磨布80を引き上げる際に図中のB矢印方向へずれてしまうことになる。
ガイド120より引き延ばした研磨布80は、研磨路部60の上端側を周回させてから、研磨面の全長に亘り上下方向に張った状態で沿わせた後、再び研磨路部60の下端側より背面側に周回させる。ここで研磨布80を研磨路部60の上端に周回させる際に、研磨布80は遊技球ガイドローラ62ないし研磨布ガイドローラ65に掛け渡された状態となり、研磨路部60の下端エッジに直接接触することはない。これにより、研磨布80の損傷を防止することができると共に、円滑に研磨布80を周回させることができる。研磨布80を研磨路部60の下端に周回させる場合も同様である。
そして、図19に示すように、本体11の上端側にあるクランプ130によって、研磨布80の上端部を固定する。同様に、本体11の下端側にあるクランプ130によって、研磨布80の下端部を固定する。これによって研磨布80の張設は完了する。ロール研磨布80aから延びる研磨布80の途中は切断しておくと良い。なお、研磨布80には、ロール研磨布80aの製造工程において、所定の長さ単位で切断し易いようにミシン目を入れておくと良い。
クランプ130に関しては、図19に示すように、抵抗板131と一対の押圧部材135,135との間に研磨布80を挿通させた状態で、図14に示すように、操作部材137を押し下げて一対の押圧部材135,135を固定位置にすると、抵抗板131と各押圧部材135の円弧状部位とにより研磨布80が挟持される。このとき、研磨布80と抵抗板131との間に働く静止摩擦力を、研磨揚送時に研磨布80に加わる最大張力よりも大きくすることで、研磨布80が位置ずれを起こしたり、外れたりすることを防止することができる。
また、一対の押圧部材135,135は互いに離隔しているため、押圧部材135と抵抗板131との間の隙間が狭くても、かかる隙間は研磨路部60の幅方向の全域に亘ることなく両側部と局所的であり、研磨布80を操作部材137の内側に通してから研磨布80の両側縁を挿通させて挟持させれば良い。これにより、研磨布80を狭いスリット状溝等に差し込むような手間を要しないので、研磨布80を固定する作業を容易に行うことができ、あるいは外す操作も容易に行うことができる。
以上のような研磨布80の装着構造によれば、ホルダー110によって、先ずは新たに交換する研磨布80の保管場所を確保することができ、遊技球の研磨により汚れた研磨布80は切捨てて廃棄し、新たに交換する研磨布80はホルダー110から随時引き出す。そして、前述したガイド120や一対のクランプ130,130との相互関係に基づく工程によって、研磨布80の交換作業を一人でも容易に行うことが可能となり、迅速かつ容易に研磨布80を引き延ばした状態に張設することができる。
さらにまた、本揚送研磨装置10によれば、図1〜図3に示すように、研磨路部60の上端に連なる部位に、揚送ベルト30の上昇面30aに沿って上方向に所定長さで延び、研磨布80を通過した遊技球をさらに上方へ揚送する揚送路部70が設けられている。この揚送路部70により、揚送研磨装置10を設置する遊技機島の全高が高い場合に、研磨路部60の余計な延長を避けて適正な全長に保った上で、さらに揚送する高さを稼ぐことができる。
揚送路部70は、整列路部50や研磨路部60と同様にウレタンにより成形して、揚送ベルト30の上昇面30aに対向する揚送面に、遊技球を上方に導く複数のガイドレール溝71を形成しても良い。これにより、部品の共用化を図ることができ、コスト低減が可能となる。あるいは、揚送面側を覆うように揚送ベルト30と同じ材質のものを張設して揚送路部70を構成しても良い。
揚送路部70を揚送ベルト30と同一の摩擦係数に設定すると、遊技球の研磨後に再度表面に揚送ベルト30の汚れが付着することを軽減することができる。なお、図1において、揚送路部70の上端まで揚送された遊技球は、排出口13から排出された後、図示省略した供給路を通って遊技機島の上部を流下し、再び各遊技機や遊技媒体貸出機に供給される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、パチンコ遊技機で使用するパチンコ球を研磨ないし揚送するものに限定されるものではなく、遊技球であればどの様な遊技球でも研磨ないし揚送することができる。
また、前記実施の形態では、支持カバー12のうち下支持カバー12aは、本体11に対してネジ止めしたが、下支持カバー12aも、中支持カバー12bや上支持カバー12cと同様に本体11に対して開閉可能に取り付けても良い。すなわち、整列路部50も研磨路部60や揚送路部70と同様に開閉可能に取り付けても良い。
また、整列路部50におけるガイドレール溝51や、研磨路部60におけるガイドレール溝61は、それぞれ直線状に上下方向に延びるように形成したが、ガイドレール溝51やガイドレール溝61を蛇行させることにより、移動距離を長く設定しても良い。また、揚送ベルト30の上昇面30aを清掃する手段を、揚送ベルト30が循環する経路の途中に設けても良い。それにより、装置の運転中に研磨面の清掃を同時にでき、保守性が良くなる。
また、前記実施の形態では、縦長側壁112の側端縁に上下に並ぶ2つのフック113,113を設け、研磨路部60の側端部に同じく上下に並ぶ2つのフック孔14,14を穿設したが、フック113とフック孔14の数は2つに限られるものではなく、ホルダー110の高さに応じて3つあるいは4つ以上設けても良い。
また、前記実施の形態では、研磨路部60の上端に連なる部位に、さらに揚送ベルト30の上昇面30aに沿って上方向に延びる揚送路部70を設けたが、この揚送路部70を省略して、上下方向に下から順に導入路カバー40、整列路部50、そして研磨路部60が並ぶように構成してもかまわない。特に、遊技機島の全高がさほど高くないような場合に有効となる。
さらにまた、前記実施の形態では、ロール研磨布80aの途中を、先ずガイド120にある案内板124に沿わせて直角に折り曲げて上方へ導いていたが、案内板124の傾斜端縁125を上下逆の形とすることで、先ず下方へ導いてから研磨路部60の研磨面に沿わせて上方へ周回させるように、本実施の形態とは上下逆の態様で研磨布80を張設するように構成しても良い。