JP5211916B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体及びその製造方法に係り、特に記録層を分断するパターンが形成されたパターンド媒体等の磁気記録媒体及びその製造方法に関する。又、本発明は、磁気記録媒体を有する磁気記憶装置、及び磁気記録媒体等の製造に適した平坦化方法にも関する。
コンピュータの外部記憶装置等として利用される磁気記憶装置では、磁気記録媒体の記録密度が急速に向上されている。高記録密度を実現するには、信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)を向上する必要があるが、特に遷移ノイズの低減は最重要課題の一つである。遷移ノイズは、磁気記録媒体の記録層を構成する磁性粒子の大きさに依存し、磁性粒径が小さい程抑制できる。しかし、磁性粒径の低減は、書き込まれた情報の熱安定性の低下を伴うため、記録層を形成する材料には磁気異方性エネルギー密度の高いものを用いる必要があり、その結果、磁気ヘッドによる磁気記録媒体への情報書き込みが困難になってしまうという問題が生じる。
この問題を回避する手段として提案されたのが、パターンド媒体やディスクリートトラック媒体と呼ばれる磁気記録媒体である。パターンド媒体には、ビットパターン媒体等が含まれる。例えばビットパターン媒体では、単磁区からなるパターンを磁気記録媒体の表面に人工的に形成し、パターン1つに1ビットを書き込む。1ビットの記録に多数の磁性粒子を用いる従来の磁気記録媒体と比較すると、ビットパターン媒体では磁性粒子の体積を大きくできるため、熱安定性を維持しながら磁気異方性エネルギー密度を下げることが可能となり、その結果書込み容易性を確保できる。
磁気記録媒体にパターンを形成する方法としては、電子ビーム描画等を用いたリソグラフィー技術によってスタンパを製造し、スタンパを記録層上に成膜したレジストに押し付けることでパターンを転写し、その後ドライエッチングを行うことで記録層にパターンを形成する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
又、磁気ヘッドを磁気記録媒体から所定距離だけ浮上させて情報の書き込み及び読み出しをするためには、一旦記録層にパターンを形成した後に、パターンの凹部を埋め戻す等して媒体表面を平坦化する必要がある。このように媒体表面を平坦化する方法としては、SiO等の非磁性体によってパターンの凹部を埋め戻した後に、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を用いて平坦化を行う方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2005−339669号公報 国際出願公開WO03/01940号公報 特開2003−16621号公報 特開2003−217107号公報 特開2003−346334号公報
ビットパターン媒体においては、パターン形成後に媒体表面を平坦化する必要がある。しかし、パターンの凹部の埋め戻しを行った後にCMPを用いて平坦化を行う場合には、少なくとも平坦化処理は大気圧中で行うことになるが、平坦化処理の後にはカーボン等の保護膜を媒体表面に成膜する必要がある。このため、保護膜成膜処理において良好な保護膜品質を確保するためには、平坦化処理及び保護膜成膜処理を続けて真空プロセスで行なうことが望ましい。又、平坦化処理及び保護膜成膜処理を続けて真空プロセスで行なえば、プロセスが簡単になる分、ビットパターン媒体を安価に製造できる。そこで、パターンの凹部の埋め戻しの後、CMPを用いる代わりに、エッチバックを用いて媒体表面を平坦化することも考えられるが、エッチングによりナノメートル(nm)オーダの平滑性を達成することは技術的に困難である。このような問題は、ディスクリートトラック媒体においても生じていた。
このように、従来は、表面が平滑な磁気記録媒体を安価、且つ、容易に形成することが難しいという問題があった。
そこで、本発明は、表面が平滑な磁気記録媒体を安価、且つ、容易に形成可能とする構造の磁気記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、磁気記録媒体であって、金属層と、磁性材料で形成され前記金属層上に設けられた記録層と、前記記録層上に設けられた保護層を備え、前記記録層が分断されている箇所で露出している前記金属層は酸化により金属酸化物となっており、前記保護層は前記記録層が分断されている箇所で分断されており、前記磁気記録媒体の媒体表面は、前記金属層の酸化の度合いを酸素プラズマ処理の条件で制御して酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで平坦化されている磁気記録媒体が提供される。
本発明の一観点によれば、媒体表面を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であって、金属層上に記録層及び保護層が積層された積層構造に、前記記録層及び前記保護層を分断して前記金属層を露出する分断開口部をエッチングにより形成する分断工程と、前記分断開口部で露出している前記金属層を酸化処理により酸化して金属酸化物を発生させる酸化工程を有し、前記酸化工程は、前記金属層の酸化の度合いを酸素プラズマ処理の条件で制御して、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで前記媒体表面を平坦化する磁気記録媒体の製造方法が提供される。
開示の磁気記録媒体及びその製造方法によれば、表面が平滑な磁気記録媒体を安価、且つ、容易に形成可能となる。
開示の磁気記録媒体及びその製造方法では、エッチングにより記録層を加工した後に、酸素プラズマを用いた酸化処理(以下、酸素プラズマ処理とも言う)を行う。酸化処理では、記録層が分断されている箇所で露出している、記録層の下地の金属層を酸化する。金属層を形成する金属は、酸素プラズマが作用することにより金属酸化物に変化して体積が増加する(即ち、厚さが増大する)。酸化処理による金属層の酸化の度合いを酸素プラズマ処理の条件で制御し、酸化処理により形成される金属酸化物の上面を媒体表面に合わせる、即ち、調整することで、媒体表面の平坦化を行って磁気記録媒体を作成する。尚、酸化処理により記録層の表面が酸化されないように、記録層の表面には酸化に対する耐性が高いTa,W等で形成された保護層を予め形成しておくことが望ましい。
酸化処理を用いた記録層の平坦化処理と、媒体表面に保護膜を形成する保護膜成膜処理は、続けて真空プロセスで行なうことができるので、保護膜成膜処理において良好な保護膜品質を確保することができる。従って、表面が平滑な磁気記録媒体を安価、且つ、容易に形成可能となる。
以下に、本発明の磁気記録媒体及びその製造方法の各実施例と、磁気記憶装置及び平坦化方法の各実施例を、図面と共に説明する。
本発明の第1実施例における磁気記録媒体の製造方法を、図1と共に説明する。本実施例では、本発明が磁気ディスク等の磁気記録媒体に適用されている。磁気記録媒体は、記録層を分断するパターンが形成されたビットパターン媒体等のパターンド媒体、若しくは、ディスクリートトラック媒体である。このような磁気記録媒体は、記録層の分断された箇所を金属酸化物で充填することで媒体表面を平坦化した構造を有する。平坦化に用いる金属酸化物は、記録層の真下にある金属層を酸化することにより形成される。
図1は、本実施例における磁気記録媒体の製造方法を説明する断面図である。図1は、説明の便宜上、記録層の真下の金属層を酸化して媒体表面を平坦化を行う場合を示す。
図1(A)に示すように、金属層11の上に、記録層12、保護層13及びレジストマスク14を夫々周知の方法で積層する。金属層11の材質は特に限定されず、後述するように酸化された際に膨張するものであれば良い。又、金属層11は、記録層12の下地となる配向制御層として機能しても、軟磁性下地層として機能しても良い。
記録層12は、Co合金、CoCr合金、CoCrPt合金等の磁性材料で形成されている。保護層13は、酸化に対する耐性が高いTa,W等で形成されている。レジストマスク14は、保護層13の上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィーやナノインプリントリソグラフィー等によりレジスト層に開口パターンを形成することにより形成される。
尚、金属層11の下には、非磁性基板(図示せず)等が設けられていても良いことは言うまでもない。例えば、金属層11が配向制御層として機能する場合、非磁性基板(図示せず)上に軟磁性下地層(図示せず)を形成し、この軟磁性下地層上に金属層11を形成しても良い。
次に、図1(B)に示すように、レジストマスク14を用いたエッチングを行うことにより、記録層12が分断されている箇所の金属層11が露出するまで保護層13及び記録層12をパターニングする。エッチングは特に限定されないが、例えばArガス等の希ガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングは、エッチングの異方性が高く、パターニングにより分断した記録層12の側面を垂直に近い形状にし易いため、好ましい。
次に、図1(C)に示すように、エッチングの後に酸素プラズマを用いた酸化を行い、レジストマスク14を除去すると共に、記録層12が分断されている箇所で露出している金属層11を酸化する。金属層11は、酸化されることで膨張するので、この膨張により金属酸化物15が発生する。この金属酸化物15は、記録層12の分断されている箇所を埋めて保護層13の表面、即ち、媒体表面を平坦化する。つまり、記録層12が分断されている箇所で露出している金属層11を酸化する処理は、媒体表面を平坦化する平坦化処理となる。
次に、図1(D)に示すように、平坦化処理の後に、媒体表面に保護膜16及び潤滑層17を積層する。保護膜16は、カーボンやダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等を周知の方法で成膜することで形成される。又、潤滑層17は、フッ素系潤滑剤等を周知の方法で塗布することで形成される。これにより、磁気記録媒体10が形成される。
尚、酸素プラズマを用いた酸化による平坦化処理の後に、イオンビームエッチング等を用いて保護層13を除去しても良い。この場合、金属酸化物15は、記録層12の分断されている箇所を埋めて記録層12の表面、即ち、媒体表面を平坦化すれば良い。
次に、本発明の第2実施例における磁気記録媒体の製造方法を、図2と共に説明する。図2中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図2は、本実施例における磁気記録媒体の製造方法を説明する断面図である。図2は、説明の便宜上、少なくとも配向制御層の真下の金属層を酸化して媒体表面を平坦化を行う場合を示す。
図2(A)に示すように、金属層11の上に、配向制御層21、記録層12、保護層13及びレジストマスク14を夫々周知の方法で積層する。配向制御層21は、Ru,Zn等の金属で形成可能であるが、配向制御層21の材質は特に限定されず、酸化された際に膨張するものであっても良い。金属層11は、軟磁性下地層として機能しても良い。
次に、図2(B)に示すように、レジストマスク14を用いたエッチングを行うことにより、記録層12及び配向制御層21が分断されている箇所の金属層11が露出するまで保護層13、記録層12及び配向制御層21をパターニングする。エッチングは特に限定されないが、例えばArガス等の希ガスを加工用ガスとするイオンビームエッチングは、エッチングの異方性が高く、パターニングにより分断した記録層12及び配向制御層21の側面を垂直に近い形状にし易いため、好ましい。
次に、図2(C)に示すように、エッチングの後に酸素プラズマを用いた酸化を行い、レジストマスク14を除去すると共に、記録層12及び配向制御層21が分断されている箇所で露出している金属層11を酸化する。金属層11は、酸化されることで膨張するので、この膨張により金属酸化物25が発生する。この金属酸化物25は、記録層12及び配向制御層21の分断されている箇所を埋めて保護層13の表面、即ち、媒体表面を平坦化する。つまり、記録層12及び配向制御層21が分断されている箇所で露出している金属層11を酸化する処理は、媒体表面を平坦化する平坦化処理となる。
尚、配向制御層21が酸化により膨張する金属で形成されている場合、この膨張によっても金属酸化物25が発生する。この場合、記録層12及び配向制御層21の分断されている箇所は、金属膜11及び配向制御層21の酸化により発生した金属酸化物25により埋められて、媒体表面が平坦化される。
次に、図2(D)に示すように、平坦化処理の後に、媒体表面に保護膜16及び潤滑層17を積層する。これにより、磁気記録媒体20が形成される。
尚、酸素プラズマを用いた酸化による平坦化処理の後に、イオンビームエッチング等を用いて保護層13を除去しても良い。この場合、金属酸化物25は、記録層12及び配向制御層21の分断されている箇所を埋めて記録層12の表面、即ち、媒体表面を平坦化すれば良い。
次に、第2実施例のサンプルSmp1〜Smp5について説明する。
サンプルSmp1〜Smp3:
ガラス基板上に、FeCo合金で膜厚が50nmの軟磁性下地層を形成し、この軟磁性下地層上にRuで膜厚が20nmの配向制御層を形成し、この配向制御層の上にCoCrPt合金で膜厚が20nmの記録層を形成し、この記録層の表面を酸化から保護することを目的としてTaで膜厚が2nmの保護層を形成して、積層構造体を作成した。Ruで形成された配向制御層を用いる技術は周知である(特許文献4,5)。
この積層構造体の保護層上に膜厚が110nmのレジスト層を塗布し、更にナノインプリントリソグラフィーを行うことで、レジスト層に直径が90nmの開口を有する開口パターンを形成してレジストマスクを形成した。このレジストマスクを用いて積層構造体に対してイオンビームエッチングを行い、軟磁性下地層まで達する深さ40nmの分断開口部を形成した。続いて、反応性イオンエッチングを行い、酸素プラズマによる酸化処理(酸素プラズマ処理)を行った。酸化処理は、酸素ガスの圧力を1.5Pa、酸素ガス流量を25sccm、ソースパワーをRF350W、被加工体に印加するバイアスパワーをRF30Wに設定した条件で行った。図3、図4及び図5は、この酸化条件で夫々2分、5分及び10分の酸化処理を行った場合の積層構造体、即ち、サンプルSmp1,Smp2,Smp3の断面の透過型電子顕微鏡写真を拡大して示す図である。尚、サンプルSmp1,Smp2,Smp3の表面には、観察時の保護用にカーボン層51が形成されている。図3〜図5では、説明の便宜上、図2と同一部分には同一符号を付す。図3〜図5に示すように、酸化処理の酸化時間が長くなるに従って、分断開口部の中に堆積される非晶質又は微晶質の堆積物、即ち、金属酸化物25の量が多くなることが確認された。
図6は、図5の一部を拡大して示す断面図である。図6中、横軸の1つの目盛りは10nmに相当する。図7は、図6中Pで示す部分の堆積物(金属酸化物25)の定性元素分析をエネルギー分散型X線分光(EDS:Energy-Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて行った結果を示す図である。図7中、縦軸は元素のカウント数を示し、横軸は電子エネルギーを示す。分析時にサンプルSmp3を支持するグリッドに起因するC,Cuを除けば、堆積物の主成分はFe,Co,Oであり、堆積物は金属層11(軟磁性下地層)を形成する金属(FeCo)が酸化されて生じたものであることを示している。
尚、酸化による平坦化処理の後、サンプルSmp3の媒体表面に上記観察時の保護用のカーボン層を形成する代わりに、カーボン保護膜を成膜し、保護膜上に潤滑剤を塗布して潤滑層を形成することで、パターンド媒体が得られた。
サンプルSmp4:
ガラス基板上に、FoCo合金で膜厚が50nmの軟磁性下地層を形成し、この軟磁性下地層上にRuで膜厚が20nmの配向制御層を形成し、この配向制御層上にCoCrPt合金で膜厚が20nmの記録層を形成し、この記録層の表面を酸化から保護することを目的としてTaで膜厚が2nmの保護層を形成した。
このようにして製造された積層構造体上にレジスト層を塗布し、更にナノインプリントリソグラフィーを行うことで、ビットパターンを有し膜厚が110nmのレジストマスクを形成した。このレジストマスクを用いて積項構造体に対してイオンビームエッチングを行い、軟磁性下地層まで達する深さ40nmの分断開口部を形成した。続いて反応性イオンエッチングを行い、酸素ガス圧を1.5Pa、酸素ガス流量を25sccm、ソースパワーをRF350W、被加工体に印加するバイアスパワーをRF30Wに設定した条件で、酸素プラズマによる酸化処理を10分間行った。その結果、上記サンプルSmp3の場合のように10分間の酸化処理を行った場合と同様に平坦化された媒体表面が得られた。又、酸化処理前後での、記録層の磁化が飽和する垂直磁場におけるカー(Kerr)回転角を測定したところ、酸化処理前には0.185度であったカー回転角が、酸化処理後には0.182度であり、酸化処理前後で実質的に変化は生じないことが確認された。酸化による平坦化処理の後、サンプルSmp4の媒体表面にカーボン保護膜を成膜し、保護膜上に潤滑剤を塗布して潤滑層を形成することで、ビットパターン媒体が得られた。
サンプルSmp5:
配向制御層としてRuの代わりにZnを20nmの膜厚で用いた以外は、サンプルSmp4と同様の構成を有する積層構造体に対して、記録層の表面を酸化から保護することを目的としてTaで膜厚が2nmの保護層を形成した。又、この保護層上にレジスト層を塗布し、ナノインプリントリソグラフィーによって、ビットパターンを有し膜厚が110nmのレジストマスクを形成した。このレジストマスクを用いて積項構造体に対してイオンビームエッチングを行い、軟磁性下地層まで達する深さ22nmの分断開口部を形成した。続いてサンプルSmp3の場合と同一の条件で、酸素プラズマによる酸化処理を10分間行ったところ、サンプルSmp3の場合と同様に平坦化された媒体表面が得られた。又、酸化処理前後でのカー回転角も実質的に変化しないことが確認された。酸化による平坦化処理の後、サンプルSmp5の媒体表面にカーボン保護膜を成膜し、保護膜上に潤滑剤を塗布して潤滑層を形成することで、ビットパターン媒体が得られた。更に、配向制御層としてTi,Zr,Tc,Reを用いた場合も、同様の結果が得られることが確認された。
上記実施例とそのサンプルSmp3,Smp4,Smpによれば、エッチングによる記録層の加工に続くレジスト除去の段階で、ビットパターン媒体等のパターンド媒体或いはディスクリートトラック媒体の表面平坦化を行うことができる。このため、別途埋め戻しや研磨による媒体表面の平坦化を行う必要がなく、レジストパターンの形成工程以後は、真空プロセスのみの簡素な工程によって、パターンド媒体或いはディスクリートトラック媒体の製造を行うことが可能となる。
尚、開示の平坦化方法は、磁気記録媒体の製造プロセス以外での微細加工プロセスにおいても、金属酸化物の微小構造の形成に利用することもできる。例えば、電極間に金属酸化物からなる誘電体を形成する場合には、電極層の下部に誘電体の元になる金属層を形成し、平面状に形成した電極間で露出している金属層を酸化することで、電極間に誘電体を充填することが可能となる。
次に、本発明の第3実施例における磁気記憶装置を、図8及び図9と共に説明する。本実施例では、磁気記憶装置は、磁気ディスク装置又はハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)である。図8は、本実施例における磁気記憶装置の一部を示す断面図であり、図9は、図8の磁気記憶装置の一部を上部カバーを取り外して示す平面図である。
図8及び図9において、ベース113にはモータ114が取り付けられており、このモータ114は複数の磁気ディスク116が固定されたハブ115を回転する。磁気ディスク116は、上記実施例の磁気記録媒体10、磁気記録媒体20、サンプルSmp3〜Smp5のいずれかと同様の構造を有する。磁気ディスク116からの情報の読み取り及び磁気ディスク116への情報の書き込みは、スライダ117に固定されたMR(Magneto-Resistive)ヘッド等を含むヘッド部により行われる。
スライダ117はサスペンション118に接続されており、サスペンション118はスライダ117を磁気ディスク116の記録面の方向に押し付ける。磁気ディスク116の記録面には、潤滑剤で形成された潤滑層が設けられている。特定のディスク回転速度及びサスペンション硬度では、スライダ117が磁気ディスク116の記録面より所定の浮上量だけ浮いた位置を走査するようになっている。サスペンション118は、アクチュエータ120に接続された強固なアーム119に固定されている。これにより、磁気ディスク116の広範囲にわたって読み取り及び書き込みを行うことが可能となる。
勿論、磁気ディスク116の数は図8に示すように3つに限定されるものではなく、2つ、或いは、4つ以上の磁気ディスク116を磁気記憶装置内に設けても良い。
更に、本実施例における磁気記録媒体は、磁気ディスクに限定されるものではなく、本発明は、磁気カードを含む各種磁気記録媒体に適用可能である。
尚、本発明は、以下に付記する発明をも包含するものである。
(付記1)
金属層と、
磁性材料で形成され前記金属層上に設けられた記録層を備え、
前記記録層が分断されている箇所で露出している前記金属層は酸化により金属酸化物となっており、
前記磁気記録媒体の媒体表面は、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記媒体表面に合わせることで平坦化されている、磁気記録媒体。
(付記2)
前記金属層は、配向性御層として機能する、付記1記載の磁気記録媒体。
(付記3)
前記金属層と前記記録層の間に設けられた配向制御層を更に備え、
前記配向制御層は、前記記録層が分断されている箇所で分断されており前記金属層を露出している、付記1記載の磁気記録媒体。
(付記4)
前記金属層は、軟磁性下地層として機能する、付記3記載の磁気記録媒体。
(付記5)
前記金属酸化物は、前記金属層を形成する金属の酸化物と前記配向制御層を形成する金属の酸化物を含む、付記3又は4記載の磁気記録媒体。
(付記6)
前記記録層上に設けられた保護層を更に備え、
前記保護層は前記記録層が分断されている箇所で分断されている、付記1乃至5のいずれか1項記載の磁気記録媒体。
(付記7)
前記媒体表面は、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで平坦化されている、付記6記載の磁気記録媒体。
(付記8)
前記記録層は、パターンド媒体又はディスクリートトラック媒体の記録層を形成する、付記1乃至7のいずれか1項記載の磁気記録媒体。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1項記載の磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体からの情報の読み取り及び前記磁気記録媒体への情報の書き込みを行うヘッド部を備えた、磁気記憶装置。
(付記10)
媒体表面を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であって、
金属層上に記録層及び保護層が積層された積層構造に、前記記録層及び前記保護層を分断して前記金属層を露出する分断開口部をエッチングにより形成する分断工程と、
前記分断開口部で露出している前記金属層を酸化処理により酸化して金属酸化物を発生させる酸化工程を有し、
前記酸化工程は、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記媒体表面に合わせることで前記媒体表面を平坦化する、磁気記録媒体の製造方法。
(付記11)
前記酸化工程は、酸素プラズマを用いる、付記10記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記12)
前記金属層は、前記磁気記録媒体の配向性御層として機能する、付記10又は11記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記13)
前記積層構造は、前記金属層と前記記録層の間に設けられた配向制御層を更に有し、
前記分断工程は、前記配向制御層を前記分断開口部の箇所で分断して前記金属層を露出する、付記10記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記14)
前記金属層は、前記磁気記録媒体の軟磁性下地層として機能する、付記13記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記15)
前記金属酸化物は、前記金属層を形成する金属の酸化物と前記配向制御層を形成する金属の酸化物を含む、付記13又は14記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記16)
前記酸化工程は、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで前記媒体表面を平坦化する、付記10乃至15のいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記17)
前記酸化工程は、前記金属層の酸化の度合いを酸素プラズマ処理の条件で制御して、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで前記媒体表面を平坦化する、付記10乃至15のいずれか1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
(付記18)
金属で形成された第1の層上に第2の層が積層された積層構造に、前記第2の層を分断して前記第1の層を露出する分断開口部をエッチングにより形成する分断工程と、
前記分断開口部で露出している前記金属層を酸化処理により酸化して金属酸化物を発生させる酸化工程を有し、
前記酸化工程は、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記第1の層の表面に合わせて調整することで前記積層構造の表面を平坦化する平坦化処理を行う、平坦化方法。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
本発明の第1実施例における磁気記録媒体の製造方法を説明する断面図である。 本発明の第2実施例における磁気記録媒体の製造方法を説明する断面図である。 2分の酸化処理を行った場合のサンプルSmp1の断面の透過型電子顕微鏡写真を拡大して示す図である。 5分の酸化処理を行った場合のサンプルSmp2の断面の透過型電子顕微鏡写真を拡大して示す図である。 10分の酸化処理を行った場合のサンプルSmp3の断面の透過型電子顕微鏡写真を拡大して示す図である。 図5の一部を拡大して示す断面図である。 図6中Pで示す部分の堆積物の定性元素分析をエネルギー分散型X線分光を用いて行った結果を示す図である。 本発明の第3実施例における磁気記憶装置の一部を示す断面図である。 図8の磁気記憶装置の一部を上部カバーを取り外して示す平面図である。
符号の説明
10,20 磁気記録媒体
11 金属層
12 記録層
13 保護層
14 レジストマスク
15,25 金属酸化物
21 配向制御層
116 磁気ディスク

Claims (3)

  1. 媒体表面を有する磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造方法であって、
    金属層上に記録層及び保護層が積層された積層構造に、前記記録層及び前記保護層を分断して前記金属層を露出する分断開口部をエッチングにより形成する分断工程と、
    前記分断開口部で露出している前記金属層を酸化処理により酸化して金属酸化物を発生させる酸化工程を有し、
    前記酸化工程は、前記金属層の酸化の度合いを酸素プラズマ処理の条件で制御して、酸化により膨張した前記金属酸化物の上面を前記保護層の上面に合わせることで前記媒体表面を平坦化する、磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記酸化工程に続けて真空プロセスにより前記媒体表面上に保護膜を形成する保護膜成膜工程を更に有する、請求項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記酸化工程は、酸素ガスの圧力を1.5Pa、酸素ガス流量を25sccm、ソースパワーをRF350W、印加するバイアスパワーをRF30Wに設定した条件で前記酸素プラズマ処理を行う、請求項1又は2記載の磁気記録媒体の製造方法。
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