JP5211882B2 - 放音システム - Google Patents

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Description

この発明は、音声ビームを出力するスピーカアレイと、そのスピーカアレイに接続されるシミュレーション装置と、からなる放音システムに関する。
従来、音声をビーム化して出力するスピーカアレイが知られている。このスピーカアレイを用いて、壁面で音声ビームを反射させ、マルチチャンネルサラウンド音声の各チャンネルを聴取者(ユーザ)の後方等から到達させることが行われている(例えば特許文献1参照)。
各チャンネルの音声ビームが壁面に反射してユーザに到達するためには、スピーカアレイの設置位置と聴取位置に応じて、音声ビームの出力角度を調整しなければならない。そこで、聴取位置にマイクを設置して音声ビームをスイープさせ、収音した音声のレベルから音声ビームが到達する角度を求め、出力角度を自動設定するものが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2004−363695号公報 特開2006−13711号公報
しかし、上記のように音声ビームをスイープさせて出力角度を求めるには、最低でも水平方向180度に音声ビームを出力しなければならず、測定に時間がかかってしまう。
そこで、この発明は、スピーカアレイの音声ビームの出力角度設定を高速に行うことができる放音システムを提供することを目的とする。
この発明の放音システムは、音声ビームを出力するスピーカアレイを備えた放音装置と、前記音声ビームの経路をシミュレーションするシミュレーション装置と、からなる。シミュレーション装置は、スピーカアレイの設置位置、および室内形状を入力する入力手段と、スピーカアレイが出力する音声ビームの経路を計算する計算手段と、計算結果を出力する出力部と、を備えている。放音装置は、計算結果を入力する入力部と、その計算結果に基づいて、音声ビームの出力角度を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計算結果に基づく音声ビームの出力角度を含む所定の角度の範囲内で室内にテスト音声ビームを出力し、前記音声ビームの出力角度を、前記マイクが収音したテスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度に調整することを特徴とする。
また、前記制御部は、前記計算結果に基づく音声ビームの出力角度を含む所定の角度の範囲内で室内にリアチャンネルのテスト音声ビームを出力し、前記リアチャンネルの音声ビームの出力角度を、前記マイクが収音したテスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度に調整し、フロントチャンネルの音声ビームの出力角度を前記計算結果に基づいて設定することを特徴とする。
このように、本発明の放音システムのシミュレーション装置は、スピーカアレイの設置位置、および室内形状の入力に対し、スピーカアレイの音声ビームの経路を計算する。放音装置は、この計算結果に基づいて音声ビームの出力角度を調整する。そのため、マイクを用いて出力角度の測定を行わずとも、高速に出力角度の設定を行うことができる。なお、スピーカアレイの設置位置とは、スピーカアレイと聴取位置との相対距離、およびスピーカアレイと壁面との距離を含むものである。また、室内形状とは、例えば部屋の幅、奥行き、等である。
また、上記発明において、放音装置は、聴取位置に設置されるマイクを備え、制御部は、前記計算結果に基づいて、室内にテスト音声ビームを出力し、前記音声ビームの出力角度を、前記マイクが収音したテスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度に調整するように構成することも可能である。
この場合、マイクを用いて出力角度の測定を行うが、計算結果に基づいてテスト音声ビームを出力するため、従来よりも出力角度の設定を高速化することができる。例えば、計算で求められた出力角度の付近(±3度程度)だけテスト音声ビームを出力する。室内全範囲にテスト音声ビームを出力しなくてもよいため、高速かつ高精度に出力角度を設定することができる。また、従来よりも測定分解能を高くする(例えば、1度刻みを0.5度刻みにする)ことで、さらに精度を高めることも可能である。また、リアチャンネルのみ測定を行う、といった態様も可能である。
また、上記発明において、入力手段は、壁面の反射率をさらに入力し、計算手段は、壁面の反射率から音声ビームの減衰度を計算し、出力部は、計算結果として、音声ビームの減衰度をさらに出力してもよい。
このとき、放音装置の制御部は、減衰度に応じて前記音声ビームの出力レベルを制御する。例えば、通常の壁面では60%程度の反射率が得られるとして音声ビームの減衰度を60%(60%に減衰)と計算し、反射を用いない音声ビームよりもゲインを高くする。また、カーテン等の反射率が低いものが設置されている場合、その部分で反射する音声ビームのゲインはさらに高くする。
また、上記発明において、シミュレーション装置の入力手段は、室内の障害物の形状および位置情報を入力し、計算手段は、前記音声ビームが前記障害物を避けて聴取位置に到達するようにビーム経路を計算するようにしてもよい。
この場合、室内に障害物が設置され、マイクを用いた測定が困難な場合であっても、出力角度を設定することができる。また、平面上の反射でビーム経路が確保できない場合であっても、天井面等の反射を用いた立体的な経路を計算することも可能である。
また、上記発明において、音声ビームが、マルチチャンネルサラウンド音声の複数の音声ビームであった場合、シミュレーション装置は、聴取位置における各チャンネルの音声ビームの許容到達角度を設定する設定手段を備え、放音装置の制御部は、許容到達角度内で聴取位置に到達する音声ビームの経路を計算できないチャンネルが存在した場合に、他のチャンネルの音声ビームで代替出力を行うように設定するように構成することも可能である。
例えば、後方からリアチャンネルの音声を到達させることができない場合、フロントチャンネルの音声ビームにリアチャンネルの音声をミキシングして再生する(5.1チャンネル→3.1チャンネル)。本発明によれば、このような音声ビームの切替えも高速化することができる。
また、上記発明において、制御部は、許容到達角度内で聴取位置に到達する音声ビームの経路を計算できないチャンネルが存在した場合に、複数の音声ビームにそのチャンネルの音声を入力し、所定位置に虚像音源を定位させるようにすることも可能である。
このように、異なる方向から同じチャンネルの音声を到達させて、その中間方向に仮想的な音源形成し、許容到達角度内で音声が到達するように定位させることも可能である。
この発明によれば、シミュレーションにより求められた音声ビームの出力角度を設定するため、マイクを用いて出力角度の測定を行わずとも、高速に出力角度の設定を行うことができる。
以下、本発明の実施形態に係る放音システムについて説明する。図1は、本実施形態の放音システムを実現するための構成を示すブロック図である。
図1に示すように、放音システムは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと言う。)等の情報処理装置とスピーカ装置(放音装置)により実現される。図1に示すPC1は、スピーカ装置のスピーカアレイが出力する音声ビームの経路を計算(シミュレーション)し、その結果をスピーカ装置に送信する。スピーカ装置は、計算結果に基づいて音声ビームの出力角度を設定する。
PC1は、CPU11、ユーザI/F12、RAM13、HDD14、映像出力I/F15、および出力I/F16を備えた一般的なPCである。CPU11には、ユーザI/F12、RAM13、HDD14、映像出力I/F15、および出力I/F16が接続されている。
スピーカ装置3は、入力I/F31、制御部32、マイク33、信号処理部34、およびスピーカアレイ35(スピーカユニット351〜358)を備えている。制御部32には、入力I/F31、マイク33、および信号処理部34が接続され、信号処理部34にはスピーカアレイ35の各スピーカユニット351〜358が接続されている。
信号処理部34は、制御部32の制御に応じて、入力される音声信号に所定のディレイを付与し、スピーカアレイ35の各スピーカユニット351〜358に供給する。信号処理部34は、このディレイ量を変更することで、複数方向に音声ビームを出力することができる。
なお、出力I/F16および入力I/F31の規格はどの様なものであってもよいが、例えばUSB、HDMI(登録商標)を用いる。
PC1のCPU11は、スピーカ装置3が出力する音声ビーム経路のシミュレーションを行う機能を有する。すなわち、CPU11は、HDD14に記憶されているシミュレーション用のソフトウェアを読み出し、これをRAM13上に展開することで音声ビーム経路のシミュレーションを行う。例えば、ユーザが専用ソフトウェアをPC1のOSにインストールして(またはWEBブラウザ上で実行して)、シミュレーションを行う。
ユーザは、キーボードやマウス等からなるユーザI/F12を用いてPC1を操作し、シミュレーションに必要な各種数値を入力する。例えば、室内形状(部屋のサイズ)、スピーカ装置の壁からの距離、視聴位置(スピーカ装置との相対距離)を入力する。CPU11は、映像出力I/F15を介してディスプレイ2に上記各種数値を入力するための画面を表示する(図2(A)を参照)。
CPU11は、ユーザI/F12から入力された各種数値に基づいて、音声ビームの壁面反射の角度を計算し、スピーカ装置が出力する音声ビーム経路を計算する。CPU11は、計算した音声ビーム経路をディスプレイ2に表示し、計算結果(各音声ビームの出力角度)をスピーカ装置3に出力する(図3を参照)。なお、計算結果の表示は本発明のおいて必須ではない。
図2(A)は、ディスプレイ2に表示される画面(各種数値を入力するための画面)を示した図である。ユーザは、同図(A)の画面を見ながら、部屋の幅、奥行き、スピーカ装置の壁からの距離、視聴位置を入力する。これらの数値を入力すると、CPU11は、これらの値に基づいて、音声ビーム経路を計算し、同図(B)に示す画面を計算結果として表示する。
同図(B)に示すように、センタ(C)チャンネルは、スピーカ装置正面から視聴位置までの最短経路を音声ビーム経路として矢印で表示する。フロント右(FR)チャンネルおよびフロント左(FL)チャンネルは、室内の壁面に1回反射して視聴位置に到達する最短経路を音声ビーム経路として矢印で表示する。リア右(SR)チャンネルおよびリア左(SL)チャンネルは、室内の横壁面(紙面左右に示す壁面)と後壁面(紙面下側の壁面)で2回反射して視聴位置に到達する最短経路を音声ビーム経路として矢印で表示する。
また、図3に示すように、CPU11は、出力I/F16を介して、計算した各音声ビームの出力角度(θC、θFR、θFL、θSR、θSR)をスピーカ装置3に出力する。スピーカ装置3の制御部32は、入力I/F31を介して入力した各音声ビームの出力角度に基づいて、各音声ビームについて、信号処理部34に設定すべきディレイ量を計算させる。
制御部32は、この計算結果に基づいて、信号処理部34が設定する各スピーカユニットのディレイ量(dC1〜dC8、dFR1〜dFR8、dFL1〜dFL8、dSR1〜dSR8、dSL1〜dSL8)を制御する。
このように、スピーカ装置3は、スピーカ装置の設置位置(壁からの距離および視聴位置との相対距離)と室内形状の入力に応じてPC1がシミュレーションした結果に基づき、各音声ビームの出力角度を設定するため、マイクを用いて出力角度の測定を行わずとも、高速に出力角度の設定を行うことができる。
なお、上述の計算結果の表示は、本発明において必須ではなく、ディスプレイ2も必須の構成要素ではない。例えば、スピーカ装置に表示部(OSD)を設け、ディスプレイ2に代えて、ユーザが各種数値を入力するための画面を表示してもよい。
また、スピーカ装置が上記シミュレーション機能を内蔵した放音システムとすることも可能である。この場合、スピーカ装置が、放音装置としての機能とシミュレーション装置としての機能の両方を内蔵した態様となる。図4は、シミュレーション機能を内蔵する場合のスピーカ装置5の構成を示すブロック図である。なお、図1に示したスピーカ装置3と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、図4のスピーカアレイ5では、制御部32がスピーカ装置3のROM(不図示)からシミュレーション用のソフトウェアを読み出し、これをRAM(不図示)に展開し、実行する。
同図におけるスピーカ装置5は、制御部32に接続されるユーザI/F36と映像出力I/F37と、をさらに備えている。ユーザI/F36は、上記PC1のユーザI/F12と同様の機能を有し、シミュレーションに必要な各種数値を入力するものである。映像出力I/F37は、上記PC1の映像出力I/F15と同様の機能を有し、制御部32は、この映像出力I/F37を介して、ディスプレイ2に各種数値を入力するための画面を表示したり、計算結果を表示したりする。
スピーカ装置5における制御部32は、図1のCPU11と同様に、ユーザI/F36から入力された各種数値に基づいて、音声ビームの壁面反射の角度を計算し、音声ビーム経路を計算し、ディスプレイ2に表示する。また、制御部32は、計算した各音声ビームの出力角度に基づいて、信号処理部34が設定する各スピーカユニットのディレイ量を制御する。
このように、スピーカ装置単体でも本発明の放音システムを実現することが可能である。
次に、図5は、マイク33を用いて出力角度を設定する場合の例を示す図である。なお、同図においては、説明を容易にするために、FLチャンネルの音声ビームのみ示している。スピーカ装置3は、聴取位置に設置されるマイク33を備えている。制御部32は、シミュレーションの結果に基づいて室内にテスト音声ビームを(スイープ)出力し、マイク33が収音した音声信号のレベルに応じて出力角度の設定を行う。
この場合、マイクを用いて出力角度の測定を行うが、シミュレーションの結果に基づいてテスト音声ビームを出力するため、従来よりも出力角度の設定を高速化することができる。
すなわち、同図(A)に示すように、シミュレーションで求められた出力角度θ1の付近(例えば±3度程度:θ3〜θ4)だけテスト音声ビームをスイープさせる。測定分解能が1度である場合、θ1+1度、θ1+2度、θ1+3度、θ1−1度、θ2−2度、θ1−3度、の7つの角度についてテスト音声ビームを出力し、各テスト音声ビームの出力角度について、マイク33で収音した音声信号のレベルを分布化する。そして、制御部32は、テスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度(θ2)に出力角度を調整する。これにより、シミュレーションの結果よりも高精度に音声ビームの出力角度を設定することができる。また、シミュレーションの結果に応じて、特定の範囲にのみテスト音声ビームを出力するため、全範囲(0度〜180度)に測定を行う必要がなく、高速かつ高精度に出力角度を設定することができる。
なお、同図(A)および同図(B)では、全ての音声ビームについて、測定を行う例を示したが、一部のチャンネルのみ測定を行うようにすることも可能である。例えば、リアチャンネルのみ測定を行う、といった態様も可能である。リアチャンネルは、2回反射を行うため、シミュレーションと実測のずれが大きくなると音声ビームが聴取位置に到達しなくなる可能性もあり、精度を高めるためにリアチャンネルだけ測定を行う、ということも可能である。
次に、図6は、図5の例よりも測定分解能を高くして出力角度を設定する場合の例を示す図である。同図の例では、シミュレーションで求められた出力角度θ1の付近(例えば±3度程度:θ3〜θ4)だけテスト音声ビームを出力するが、測定分解能を2倍とし、0.5度刻みで測定を行う。このように、測定分解能を2倍としても、特定の範囲にのみテスト音声ビームを出力するため、従来よりも高速に、かつ従来よりも測定分解能を高くし、さらに精度を高めることができる。
次に、図7(A)は、音声ビームの減衰度を表示する場合の音声ビーム経路の計算結果を示した図である。この例では、カーテン等の反射率が低いものや、室内にビームが反射しない箇所(開いた扉等)を入力する場合の音声ビーム経路を計算する。ユーザは、ユーザI/F12を用いて、カーテン等の位置を入力する。例えば、画面上に表示されているカーテンアイコン等をドラッグ&ドロップすることにより入力を行う。
この例では、CPU11は、壁面の反射率を考慮する。例えば通常の壁面では反射率80%、カーテンが設置された壁面では反射率30%とする。CPU11は、これら反射率から各音声ビームの減衰度を計算し、計算結果をスピーカ装置3に出力する。
同図(A)および同図(B)に示すように、Cチャンネルの音声ビームは、直接到来するため、CPU11は、減衰度100%(減衰しない)の結果を出力する。FRチャンネルの音声ビームは、通常の壁面で1回反射して視聴位置に到達するため、CPU11は、減衰度80%の結果を出力する。また、FLチャンネルの音声ビームは、カーテンが設置された壁面で1回反射して視聴位置に到達するため、CPU11は、減衰度30%の結果を出力する。SLおよびSRチャンネルの音声ビームは、通常の壁面で2回反射して視聴位置に到達するため、CPU11は、減衰度64%の結果を出力する。また、減衰度に応じて音声ビームの線の太さを変更する。
制御部32は、上記の減衰度から、各チャンネルの音声ビームのゲインを設定する。FRチャンネルは、減衰度80%であるため、Cチャンネルの音声ビームよりもゲインを高くする(例えばCチャンネル34dBに対し、36dBとする)。SLおよびSRチャンネルは、減衰度64%であるため、さらにゲインを高くする(例えば38dBとする)。FLチャンネルは、減衰度30%であるため、最もゲインを高くする(例えば42dBとする)。
なお、同図(B)に示すゲインの値(dB)は、説明のための一例を示したものであり、実際の装置で設定されるゲインの値ではない。理想的には全ての音声ビームが均等なレベルで聴取位置に到達するようにゲインを調整すればよい。例えば、減衰度とゲインの関係を示したテーブルを予め用意しておき、このテーブルを読み出すことでゲインを設定する。
このように、本実施形態の放音システムは、シミュレーションの結果に応じて高速にゲインを調整することが可能である。
次に、図8は、室内に障害物が設置されている場合において、障害物を避けて聴取位置に到達するようにビーム経路を計算する場合の例を示す図である。なお、同図においては、説明を容易にするために、FLチャンネルの音声ビームのみ示している。
同図(A)に示すように、この例では、ユーザは、ユーザI/F12を用いて、室内の空間形状(幅、奥行き、高さ)を入力する。CPU11は、入力された空間形状から、室内の立体図を表示する。
また、この例では、ユーザは、ユーザI/F12を用いて、室内に設置された障害物の形状と位置を入力する。入力方法は、例えば、画面上に表示されている障害物アイコンを立体図内にドラッグ&ドロップすることにより行う。
CPU11は、上述と同様に、各音声ビームの経路を計算するが、障害物が存在した場合、この障害物を避けて聴取位置に到達するようにビーム経路を計算する。例えば、壁面を反射して音声ビームを到達させることができないと計算された場合、天井面で音声ビームを反射して視聴位置に到達させることができるビーム経路を計算する。この場合、CPU11は、水平方向の出力角度および垂直方向の出力角度を計算する。CPU11は、この計算結果(水平方向の出力角度θHおよび垂直方向の出力角度θL)をスピーカ装置3に出力する。
スピーカ装置3の制御部32は、同図(B)に示すように、入力された水平方向の出力角度θHおよび垂直方向の出力角度θLを信号処理部34に設定し、音声ビームの出力角度を設定する。
このように、マイクを用いた測定が困難な場合であっても、シミュレーションの結果を用いて出力角度を設定することができる。従来のように、マイクを用いて測定を行うと、水平0度〜180度の測定を複数回行う必要があり、多大な時間がかかってしまうが、本実施形態によれば、平面上の反射でビーム経路が確保できない場合であっても、天井面等の反射を用いた立体的な経路を計算して、高速に出力角度を設定することが可能である。
なお、この例では、スピーカアレイは床面に設置されているものとみなして音声ビーム経路を計算しているが、スピーカアレイの床面からの設置高さをさらに入力し、ビーム経路の計算を行ってもよい。
次に、図9は、室内にビームが反射しない箇所(開いた扉等)を入力する場合の音声ビーム経路を計算する例を示す図である。同図(A)に示すように、この場合においても、ユーザは、ユーザI/F12を用いて、ビームが反射しない箇所を入力する。例えば、画面上に表示されている扉アイコン等をドラッグ&ドロップすることにより入力を行う。
この場合、SRチャンネルは、室内後方に設置された開放扉により、視聴位置まで反射経路を確保することができないため、CPU11は、ディスプレイ2に「反射できません」等と表示するとともに、スピーカ装置3にSRチャンネルを設定することができない旨を示す情報を出力する。
スピーカ装置3の制御部32は、上記情報を入力すると、SRチャンネルの音声ビームを出力しないように設定する。このとき、制御部32は、同図(B)に示すように、リアチャンネルの音声をフロントチャンネルの音声ビームにミキシングして再生する(5.1チャンネル→3.1チャンネル)。なお、同図(B)に示すような画面(FL+SLチャンネル、FR+SRチャンネル)をディスプレイ2に表示してもよい。
このように、本実施形態によれば、マイクを用いた測定を行わなくとも反射経路を確保できない音声ビームを推定することができるため、このような音声ビームの切替も高速化することができる。
次に、図10は、許容到達角度を考慮する場合の音声ビーム経路の計算結果を示した図である。許容到達角度は、例えばITU(International Telecommunication Union)で勧告されているスピーカ配置に基づくものであり、サラウンド感が得られる範囲の目安となるものである。本実施形態では、扇形状のハッチングにより許容到達角度を示している。許容到達角度は、予め規定されたものであってもよいし、ユーザがユーザI/F16を用いて入力してもよい。なお、同図においては説明を容易にするために、CチャンネルおよびFLチャンネルの音声ビームのみ示している。
この場合、室内の幅が大きく、スピーカアレイと聴取位置との相対距離が小さいため、FLチャンネルの音声ビームが許容到達角度内で聴取位置に到達しない。よって、CPU11は、スピーカ装置3に、FLチャンネルの音声ビームが許容到達角度内で到達しない旨を示す情報を出力する。
スピーカ装置3の制御部32は、上記情報を入力すると、同図(B)に示すように、FLチャンネルの音声をCチャンネルの音声にミキシングし、Cチャンネルの音声ビームにおいてFLチャンネルの音声が含まれるように設定する。このように、複数の音声ビームにおいて同じチャンネルの音声を出力し、異なる方向から同じ音声を到達させると、その中間方向に仮想的な音源(虚像音源:ファントム)を形成することができる。このファントムにより、許容到達角度内で音声が到達するように定位させることが可能である。なお、同図(B)に示すような画面(ファントムの到達経路)をディスプレイ2に表示してもよい。
また、CPU11は、FLチャンネルの音声ビームの出力角度と許容到達角度とのずれ量を出力してもよい。この場合、制御部32がずれ量に応じて、Cチャンネルの音声ビームに含まれるFLチャンネルの音声のレベル(重みづけ)を変更する。例えば、Cチャンネルの音声ビームにおいて、FLチャンネルの音声の重みづけを大きくすれば、ファントムをセンタ寄りに移動させることができる。よって、許容到達角度のずれ量がセンタ側に大きければCチャンネルの音声ビームにおいてFLチャンネルの音声の重みづけを大きくすればよい。
なお、許容到達角度内で音声ビームが到達しない場合においても、その音声ビームのチャンネルを他のチャンネルにミキシングし、再生するようにしてもよい(例えば5.1チャンネル→3.1チャンネルとしてもよい)。
ビーム経路表示装置の構成を示すブロック図である。 各種数値を入力するための画面、および音声ビーム経路の計算結果を示した図である。 計算した各音声ビームの出力角度と、各スピーカユニットのディレイ量を示した図である。 シミュレーション機能を内蔵する場合のスピーカ装置5の構成を示すブロック図である。 マイクを用いて出力角度を設定する場合の例を示す図である。 測定分解能を高くして出力角度を設定する場合の例を示す図である。 音声ビームの減衰度を表示する場合の音声ビーム経路の計算結果を示した図である。 障害物を避けて聴取位置に到達するようにビーム経路を計算する場合の構成を示す図である。 室内にビームが反射しない箇所(開いた扉等)を入力する場合の音声ビーム経路を計算する例を示す図である。 許容到達角度を考慮する場合の音声ビーム経路の計算結果を示した図である。
符号の説明
1−PC
2−ディスプレイ
3−スピーカ装置

Claims (2)

  1. 音声ビームを出力するスピーカアレイを備えた放音装置と、
    前記音声ビームの経路をシミュレーションするシミュレーション装置と、
    からなる放音システムであって、
    前記シミュレーション装置は、スピーカアレイの設置位置、および室内形状を入力する入力手段と、
    前記入力手段から入力されたスピーカアレイの設置位置、および室内形状から、前記音声ビームの壁面反射の角度を計算し、前記スピーカアレイが出力する音声ビームの経路を計算する計算手段と、
    前記計算手段の計算結果を出力する出力部と、を備え、
    前記放音装置は、前記計算結果を入力する入力部と、
    前記計算結果に基づいて、音声ビームの出力角度を制御する制御部と、
    聴取位置に設置されるマイクと、
    を備え、
    前記制御部は、前記計算結果に基づく音声ビームの出力角度を含む所定の角度の範囲内で室内にテスト音声ビームを出力し、
    前記音声ビームの出力角度を、前記マイクが収音したテスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度に調整する
    ことを特徴とする放音システム。
  2. 前記制御部は、前記計算結果に基づく音声ビームの出力角度を含む所定の角度の範囲内で室内にリアチャンネルのテスト音声ビームを出力し、前記リアチャンネルの音声ビームの出力角度を、前記マイクが収音したテスト音声ビームのレベルがピークを示すときの角度に調整し、
    フロントチャンネルの音声ビームの出力角度を前記計算結果に基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の放音システム。
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