JP5211153B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池などの光電変換素子の製造方法に関する。
光電変換素子としては、例えば、安価で、かつ、高い光電変換効率が得られる色素増感型太陽電池が挙げられる。
色素増感型太陽電池は、例えば、ガラス基板などの光透過性のある素材からなる透明基板と、その一方の面に順に形成された透明導電膜および多孔質酸化物半導体層からなる作用極と、ガラス基板などの絶縁性の素材からなる基板およびその一方の面に形成された導電膜からなる対極と、これらの間に封入されたゲルもしくは液体の電解質からなる電解質層とから概略構成されている。
従来、このような色素増感型太陽電池は、以下に示すような製造方法で製造されている。
図5は、従来の色素増感型太陽電池の製造方法を示す断面図である。
まず、透明基板111、その一方の面に順に形成された透明導電膜113および多孔質酸化物半導体層112からなる作用極110を形成し、多孔質酸化物半導体層112に増感色素を担持させる。
次いで、接着剤150を用いて、作用極110と、基板121およびその一方の面に形成された導電膜122からなる対極120を、所定の間隔をおいて貼り合わせてセルを形成する。
次いで、上記セルにおいて、予め対極120に設けられた2つの貫通孔140のうち一方の貫通孔140から、作用極110と対極120との間の空間130に、図5の矢印A方向に加圧しながら有機電解液131を充填して、電解質層を形成し、色素増感型太陽電池を得る。
上記の色素増感型太陽電池の製造方法は、例えばアセトニトリルなどのような揮発性溶媒を電解液として用いて、これをセルに封入しており、このような系では溶媒揮発によってセル特性の低下が生ずるという問題を有していた。そこで、この対策として、電解液として、イオン液体を用いる試みがある(非特許文献1参照)。
このイオン液体は、常温溶融性塩とも呼ばれ、室温付近を含む広い温度範囲において安定な液体として存在する、正と負の電荷を帯びたイオンのみからなる塩である。このイオン液体は実質的に蒸気圧を持たず、一般的な有機溶媒のような揮発、引火などの心配がないことから、揮発によるセル特性の低下の解決手段として期待されている。
また、電解液を用いた場合、製造時やセル破損時に電解液が漏出するおそれがあるので、この液漏れの対策として、適当なゲル化剤を用いて電解液をゲル化(凝固体化)する試みも盛んである(例えば、特許文献1参照)。電解液をゲル化すると、電解液が液体状態である場合よりも揮発性を抑えられるとの報告もある。イオン液体に対しても同様の試みがなされており、ゲル化したイオン液体(イオンゲル)は、安全性、耐久性とも優れるという特徴を有する。
しかしながら、上記の技術においては、揮発性電解液はもちろんのこと、イオン液体やそれらをゲル化した場合にも、色素増感型太陽電池は、アモルファスシリコン太陽電池と比較して十分な耐久性を有していない。この耐久性を左右する要素の一つとして電解液の漏洩がある。この漏洩の原因の一つに、揮発性電解液では封止済み電解液の内圧を上昇させてしまうことが考えられ、現在の封止構造では長期に亘って漏洩を抑制できない。
また、この種の光電変換素子に関する技術として、特許文献2には、作用極と対極との間に、対極に設けた貫通孔から電解液を充填し、その後貫通孔から電解液を吸い出すことにより各電極間の距離を一定にする技術が開示されている。
またこの特許文献2には、上記の技術事項に加え、作用極および対極をその厚さ方向に加圧した状態で、作用極と対極との間に電解質層を形成する電解液を封入した後、作用極と対極に加えた圧力を開放する技術が開示されている。
更に、特許文献3には、図6に示されているように、透明基板211、その一方の面に順に形成された透明導電膜213および多孔質酸化物半導体層212からなる第一電極210上においてシール材250に画成された部分に電解質層231を配置し、その後電解質層231の全体を減圧下で、基板221およびその一方の面に形成された導電膜222からなる第二電極220全体をもって封止して積層体270を得る技術が開示されている。
また、特許文献4には、図7に示されているように、透明基板311、その一方の面に順に形成された透明導電膜313および多孔質酸化物半導体層312からなる作用極310と、基板321およびその一方の面に形成された導電膜322からなる対極320と、これらの間に形成される電解質層を備えた光電変換素子の製造方法において、作用極310と対極320との間に、対極320に設けた貫通孔340a、340bを通して電解質層を形成する電解液331を充填した後、一方の貫通孔340bを封止して、他方の貫通孔340aから電解液331の一部を図7の矢印B方向に吸い出した後、他方の貫通孔340aを封止して、作用極310と対極320との間に電解液331を封入することにより、光電変換素子を構成する積層体370を図7の矢印C方向に加圧する技術が開示されている。なお、図7において、符号350は封止部を表す。
特開2002−184478号公報 特開2005−353295号公報 特開2007−220608号公報 特開2005−71973号公報 N.Papageorgiou et al., J. Electrochem. Soc.,143(10), 3099, 1996
上記特許文献2〜4の技術は、何れも電極間の封止構造に関するものである。
しかしながら、上記特許文献2及び4の電解液を吸い出す技術においては、電解液の吸出を大気圧下で行うため、材料間のひずみが残る。即ち対極又は作用極と封止部との界面に無理な応力が加えられる。また貫通孔を閉じた際に希望する減圧状態にするためには、電解液を吸い出す際に希望する減圧状態よりさらに強力な減圧を行わなければならない。これは、使用する構造体、すなわち対極、作用極及び両者を連結させる封止部材の弾性に由来するものであり、高い弾性率を持つ構造体を用いる場合ほど希望する減圧状態よりさらに強力な減圧を行わないといけない。この工程を行う際には、必要以上に大きな応力を対極又は作用極と封止部との界面に与えるため、積層体の封止を完全なものとすることは困難であり、電解液の漏洩を抑制できないものである。また上記特許文献2及び4の電解液を吸い出す技術では、電解液の吸出に時間がかかる。このため、色素増感型太陽電池を効率よく製造することが困難である。
また、特許文献2、4の積層体を加圧する方法においても、対極又は作用極と封止部との界面に無理な応力が加えられるため、その封止は不十分なものとなる。
一方、特許文献3の技術においては、減圧下で第二電極全体をもって封止するから、封止領域が大きくなり、確実な封止が期待できない。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、電解質層の封止構造が常に大気圧で圧縮された状態にある構造(以下、「陰圧構造」とも呼ぶ)を有し電解液の漏洩を十分に抑制できる光電変換素子を、容易にかつ大量に、安定して製造可能な光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光電変換素子の製造方法は、作用極と、前記作用極の一面において外周域に設けられた接合層を介し接合された対極と、これらの間隙に配された電解質を主体とする電解質層とを備える光電変換素子の製造方法であって、前記接合層を介して、前記作用極と前記対極の互いに対向する面を接着して得られる積層体及び前記電解質が配置された減圧チャンバーの内部空間を減圧して減圧環境を形成する工程、前記減圧環境下において、前記作用極又は対極に予め設けられた貫通孔を通して前記間隙内に前記電解質を充填して前記電解質層を形成する工程、および、前記減圧環境を維持しつつ、前記貫通孔を封止して前記光電変換素子を得る工程を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明の光電変換素子の製造方法によると、作用極と、前記作用極の一面において外周域に設けられた接合層を介し接合された対極からなる積層体を減圧環境下に置いて、作用極又は対極に予め設けられた貫通孔を通して作用極と対極との間隙に電解質を充填し、この貫通孔を封止して光電変換素子を得る。ゆえに、上記間隙への電解質の充填時に、作用極又は対極と接合層との間の界面に必要以上に大きな応力が加わることがない。また光電変換素子を大気中に取り出した際に、電解質層が外気に対して陰圧構造となることができる。その結果、本発明にかかる製造方法によれば、光電変換素子には外部から大気圧が加わるため、接合層に対して作用極及び対極が押圧力を加える状態が維持される。さらに封止される箇所が貫通孔であるため、封止領域が、接合層によって囲まれる空間に比べて十分に狭い。このため、電解質層の封止がより確実に行われ、電解質の漏洩を十分に抑制できる光電変換素子が得られる。すなわち、得られる光電変換素子は、電解質層を取り囲む接合層、作用極及び対極の外から内側に向けて圧力を受けながら封止された構造とされているため、電解質層がより確実に封止されて、電解質の漏洩を長期にわたり防止することができる。また電解質の充填が減圧環境下で行われるため、電解質の吸出し等の作業が不要となり、電解質の充填にかかる時間を十分に低減できる。
前記減圧環境下の圧力は50Pa以上1013hPa未満の範囲内に制御されることが好ましい。
前記電解質が揮発性溶媒を含む場合、前記圧力は600〜800hPaであることが好ましい。
前記電解質がイオン液体を含む場合、前記圧力は500〜700hPaであることが好ましい。
前記接合層は、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。上記樹脂は封止性能が高いため、電解質の漏洩を効果的に抑制できる。
前記作用極及び前記対極のうち少なくとも一方の電極が可撓性を有することが好ましい。この場合、作用極及び対極のいずれも可撓性を有しない場合に比べて、光電変換素子が減圧環境から取り出されて大気圧下に置かれた場合に、大気圧によって作用極及び対極が撓み、作用極と対極との間隔を狭めることが可能となる。このため、作用極及び対極のいずれも可撓性を有しない場合に比べて光電変換がより効率よく行われ、光電変換効率がより向上する。
また前記作用極及び前記対極のうちいずれか一方の電極が、他方の電極よりも大きい可撓性を有し、前記他方の電極に前記貫通孔が形成されていることが好ましい。前記一方の電極に貫通孔が形成されると、前記一方の電極は、貫通孔が形成されていない場合に比べて必要以上に撓み、接合層と前記一方の電極との界面に必要以上の応力がかかるおそれがある。これに対し、前記一方の電極より小さい可撓性を有する前記他方の電極に貫通孔が形成されると、光電変換素子が減圧環境から取り出されて大気圧下に置かれた場合に前記一方の電極の撓みを小さくすることができ、接合層と前記一方の電極との界面にかかる応力をより低減することができ、その界面における接着性の低下をより十分に抑制できる。
また本発明に係る光電変換素子は、作用極と、前記作用極の一面において外周域に設けられた接合層を介し接合された対極と、これらの間隙に配された電解質を主体とする電解質層とを備える光電変換素子であって、前記電解質は封止構造により閉じた空間内に配されており、その内圧は50Pa以上1013hPa未満の範囲であることを特徴とする。
なお、本発明において、「電極が可撓性を有する」とは、20℃の環境下で50mm×200mmのシート状電極の長辺側の両縁部(それぞれ幅5mm)を張力1Nで水平に固定し、電極の中央に20g重の荷重をかけた際の電極の撓みの最大変形率が20%を超えることを言うものとする。ここで、最大変形率とは、下記式:
最大変形率(%)=100×(最大変位量/シート電極の厚さ)
に基づいて算出される値を言う。従って、例えば厚さ0.04mmのシート状電極が上記のようにして荷重をかけることにより撓み、最大変形量が0.01mmとなった場合、最大変形率は25%となり、このシート状電極は可撓性を有することとなる。
本発明は、陰圧構造を有し電解質の漏洩を十分に抑制できる光電変換素子を、容易にかつ大量に、安定して製造可能な光電変換素子の製造方法を提供することが出来る。
本発明に係る製造方法の第1実施形態における一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る製造方法の第1実施形態における他の工程を示す概略断面図である。 本発明に係る製造方法の第1実施形態におけるさらに他の工程を示す概略断面図である。 本発明に係る製造方法の第1実施形態におけるさらに他の工程を示す概略断面図である。 従来の色素増感型太陽電池の製造方法を示す断面図である。 従来の色素増感型太陽電池の製造方法を示す断面図である。 従来の色素増感型太陽電池の製造方法を示す断面図である。
符号の説明
10、110、210、310・・・作用極、11、111、211、311・・・(透明)基板、12、112、212、312・・・多孔質酸化物半導体層、20、120、220、320・・・対極、31、131、231、331・・・電解質、40、340a、b・・・貫通孔、50、150、350・・・接合層、60、360・・・封止部材、70、270、370・・・積層体。
以下、本発明に係る光電変換素子の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1〜図4は、本発明に係る第1実施形態として、色素増感型太陽電池の製造方法の一連の工程を示す概略断面図である。
図1〜図4において、符号10は作用極、11は透明基板、12は多孔質酸化物半導体層、20は対極、30は電解質層、31は電解質、40は貫通孔、50は接合層、60は封止部材をそれぞれ示している。
この実施形態において、色素増感型太陽電池を製造するには、図1に示すように、まず、透明基板11、その一方の面に順に形成された透明導電膜(不図示)および多孔質酸化物半導体層12からなる作用極10を形成し、多孔質酸化物半導体層12の表面に増感色素を担持させる。
また、基板20及びその一方の面に形成された導電膜(不図示)からなる対極20を形成する。
次いで、接合層50を介して、作用極10と対極20の互いに対向する面を接着して、積層体70を形成する。この積層体70を形成することにより、作用極10と対極20の間には、所定の大きさの空間(後段の工程において、電解質31が充填される空間)30Aが形成される。
次いで、図2に示すように、積層体70と電解質31を減圧チャンバーP内に配置する。そして、減圧チャンバーPの内部空間を減圧する。そして、このような減圧環境下において、電解質31を、対極20に予め設けられた貫通孔40より注入して、電解質31の大部分を多孔質酸化物半導体層12の空隙部分に含浸させるとともに、空間30Aに電解質31を充填させる。こうして空間30A内に電解質層30が形成される。
多孔質酸化物半導体層12及び空間30Aへの電解質31の充填が終了した後、図3に示すように、前記減圧環境下で貫通孔40を封止構造80で封止する。こうして得られた積層体を減圧チャンバーPから、即ち減圧環境から大気圧下に取り出し、色素増感型太陽電池90を得る(図4参照)。
上記の構成からなる色素増感型太陽電池90において、透明基板11としては、光透過性の材料からなる基板が用いられる。透明基板11は、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどからなる、通常、太陽電池の基板として用いられる基板であればいかなるものでも用いることができる。なお、可撓性の色素増感型太陽電池を実現するためには、透明基板11としては、可撓性の材料からなる基板を用いることが好ましい。可撓性の材料からなる基板としては通常、合成樹脂からなる基板が用いられるが、例えば、上記のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどからなる基板が挙げられる。
透明導電膜(不図示)は、透明基板11に導電性を付与するために、その一方の面に形成された金属、炭素、導電性金属酸化物などからなる薄膜である。
透明導電膜として金属薄膜や炭素薄膜を形成する場合、透明基板11の透明性を著しく損なわない構造とする。透明導電膜を形成する導電性金属酸化物としては、例えば、インジウム−スズ酸化物(Indium−Tin Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープの酸化スズ(Fluorine―doped−Tin−Oxide:FTO)などが用いられる。
多孔質酸化物半導体層12は、透明導電膜の上に設けられている。多孔質酸化物半導体層12を形成する半導体としては特に限定されず、通常、太陽電池用の多孔質半導体を形成するのに用いられるものであればいかなるものでも用いることができる。このような半導体としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などを用いることができる。
多孔質酸化物半導体層12を形成する方法としては、例えば、上記半導体のナノ粒子を含むペーストを透明導電膜上に塗布した後、焼成することにより形成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
増感色素としては、ビピリジン構造、ターピリジン構造などを配位子に含むルテニウム錯体、ポルフィリン、フタロシアニンなどの含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニンなどの有機色素などを適用することができる。これらの中から、用途、使用半導体に適した励起挙動を示す増感色素を特に限定されること無く選ぶことができる。
対極20としては、特に光透過性を有する必要がないことから金属板、合成樹脂板などが用いられる。対極20としては、透明基板11と同様のものを用いてもよい。なお、可撓性の色素増感型太陽電池を実現するためには、基板としては、可撓性の材料からなる基板を用いることが好ましい。可撓性の材料からなる基板としては通常、合成樹脂板が用いられる。このような合成樹脂板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホンなどからなる基板が挙げられる。なお、金属箔も可撓性を有し得る。このような金属箔としては、チタン箔やニッケル箔、白金箔が挙げられる。
導電膜(不図示)は、対極20に導電性を付与するために、その一方の面に形成された金属、炭素などからなる薄膜である。導電膜としては、例えば、炭素や白金などの層を、蒸着、スパッタ、塩化白金酸塗布後に熱処理を行う方法により形成したものが好適に用いられるが、導電膜は、電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。
作用極10及び対極20の少なくとも一方の電極が可撓性を有することが好ましい。この場合、作用極10及び対極20が互いに近づきやすくなる。別言すると、作用極10と対極20との間隔が容易に狭まる。このため、作用極10及び対極20のいずれも可撓性を有しない場合に比べて光電変換がより効率よく行われ、光電変換効率がより向上する。
接合層50としては、透明導電膜および導電膜に対する接着性に優れるものであれば特に限定されないが、封止性能が高く、電解質31の漏洩を効果的に抑制できることから、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、ビニルアルコール重合体を用いることが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に透明導電膜および導電膜が金属からなる場合には、接合層50は、金属に対する接着性に優れるものが望ましい。金属に対する接着性に優れる接着剤としては、分子鎖中にカルボキシル基又は水酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましく、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(三井デュポンポリケミカル社製)、ニュクレル(三井・デュポンポリケミカル社製)、エバール(クラレ社製)などが挙げられる。なお、上記接着剤として、水酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤が用いられる場合には、接着剤の表面に対してさらにコロナ処理、UVオゾン処理等の表面酸化処理が適度に行われることがより好ましい。この場合、水酸基がカルボキシル基に変わり、金属に対する接着性が向上する。
封止構造80は、貫通孔40を封止する構造であり、封止部材60と封止部材60の封止を補強する封止補強部材99とから構成される。この封止構造80は、大気圧よりも低い圧力の下、電解質31を、貫通孔40を通して積層体70の空間30A内に充填し、同減圧下で貫通孔40を封止部材60及び封止補強部材99により封止するものである。このため、こうして得られた色素増感型太陽電池を大気圧下に取り出すと、封止構造80は、作用極10、対極20及び接合層50を、対向する面の方向に常に大気圧が加えられた状態にせしめ、材料間のひずみがなくなるように全体を強固に固定し、電解質層30を確実に封止し電解質31の漏洩を長期間にわたり防止することができる。
封止部材60は、上述したように、貫通孔40を封止するものであり、封止が確実になされるようにその材料が選択される。この封止部材60は、対極20に対する接着性に優れるものであれば特に限定されない。封止部材60としては、例えばアイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、ビニルアルコール重合体を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、分子鎖中にカルボキシル基又は水酸基を有する熱可塑性樹脂からなる接着剤などが望ましい。封止部材60としては、具体的には、ハイミラン(三井デュポンポリケミカル社製)、バイネル(三井デュポンポリケミカル社製)、ニュクレル(三井・デュポンポリケミカル社製)、エバール(クラレ社製)、などが挙げられる。また熱可塑性樹脂ではないもののアロンアルファ(東亞合成社製)は好適に用いることができる。これらを用いて、封止補強部材99が対極20に接着される。
封止補強部材99は、封止部材60の封止を補強するものであればいかなるものであってもよく、例えばガラス基板(カバーガラス)、金属板、などの無機物のほか、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボーネートなどの有機物で且つ可撓性を有しない材料であってもよい。ここで、可撓性を有しない材料とは、上述した「電極が可撓性を有する」ことの定義記載において「電極」を「材料」に置き換えた定義に従わない材料を言うものとする。
なお、封止構造80は、必ずしも封止補強部材99を含む必要はなく、封止部材60のみで構成されてもよい。
電解質31としては、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネート、メトキシアセトニトリル、アセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒に溶解されてなる電解液や、イオン性液体、ゲル電解質などが用いられる。
上記イオン性液体としては、例えばピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩であって、室温付近で溶融状態にある常温溶融塩が用いられる。このような常温溶融塩としては、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドが好適に用いられる。
上記ゲル電解質としては、上記イオン性液体にゲル化剤を加えたイオンゲルや、上記電解液にゲル化剤を加えてなるものが挙げられる。
上記ゲル化剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド誘導体、アミノ酸誘導体などの有機系ゲル化剤や、ナノコンポジットゲルなどの微粒子を添加してゲル状にしたものなどが挙げられる。ナノコンポジットゲルとしては、例えばSiO、TiO、カーボンナノチューブなどのナノ粒子が挙げられる。
なお、電解質31は、イオン液体と揮発性成分との混合物からなるイオン液体電解質で構成されてもよい。ここで、揮発性成分としては、上記の有機溶媒や、1−メチル−3−メチルイミダゾリウムヨーダイド、LiI、I、4−t−ブチルピリジンなどが挙げられる。
以上説明したように、この光電変換素子の製造方法においては、積層体70及び電解質31を減圧チャンバーP内に配置して減圧チャンバーPの内部空間を減圧し、このような減圧環境下で電解質31を積層体70の空間30Aに充填した後、貫通孔40を封止する。このため、電解質31が大気圧よりも低い圧力で色素増感型太陽電池90内に封入され、電解質層30が負圧の環境下におかれる。したがって、その後、色素増感型太陽電池90を大気圧下に取り出せば、作用極10、対極20及び接合層50は、互いに対向する面の方向に大気圧が加えられた状態となり、大気圧に押圧されて材料間のひずみがなくなるように全体が強固に固定される。従って、電解質層30が確実に封止され電解質31の漏洩を長期間にわたり防止することができる。つまり、かかる製造方法により、電解質31の漏洩を十分に抑制できる光電変換素子を容易にかつ大量に、安定して製造可能な光電変換素子の製造方法を提供することが出来ることとなる。
その際、減圧チャンバーP内の圧力は通常、50Pa以上1013hPa未満の範囲であり、50Pa〜800hPaとすることが好ましく、300〜800hPaとすることがより好ましい。
特に、電解質31に含まれる有機溶媒が揮発性溶媒である場合には、減圧チャンバーP内の圧力は600〜800hPaであることが好ましい。圧力が上記範囲内にあると、圧力が上記範囲を外れる場合と比較して、電解質31を積層体70の空間30Aに充填する際、有機溶媒の揮発がより抑制されるとともに、得られる色素増感型太陽電池90において作用極10、対極20及び接合層50が互いにより強固に固定され、電解質31の漏洩が起こりにくくなる。
また電解質31がイオン液体を含む場合には、イオン液体は揮発しないため、電解質31が揮発性溶媒を含む場合のように電解質31の揮発を考慮して減圧チャンバーPの圧力を高くする必要がない。このため、減圧チャンバーP内の圧力は500〜700hPaであってもよい。
さらに電解質31がゲル電解質を含む場合には、ゲル化させる前駆体の主成分が揮発系である場合とイオン液体系である場合とで異なり、前駆体の主成分が揮発系である場合には600〜800hPa,イオン液体系である場合には500〜700hPaであることが好ましい。従って電解質31がゲル電解質を含む場合には、減圧チャンバーP内の圧力は500〜800hPaとすることが好ましい。
また、色素増感型太陽電池90によると、上述した製造方法により作製されたことにより、電解質31の内圧を、作用極10と、作用極10の一面において外周域に設けられた接合層50を介し接合された対極20と、これらの間隙に配された電解質31を主体とする電解質層30とを備える色素増感型太陽電池であって、電解質31は封止構造80によって閉じた空間内に配されており、その内圧が、50Pa以上1013hPa未満の範囲とした構成とすることができる。すなわち、電解質31は、電解質31を取り囲む作用極10、対極20及び接合層50の外から内側に向けて圧力を受けながら封止された構造とされているため、電解質層30がより確実に封止されて、電解質31の漏洩を長期にわたり防止することができる。その結果、長期にわたり光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池90が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、対極20にのみ貫通孔40が形成されているが、貫通孔40は、作用極10に形成されていてもよい。但し、例えば対極20が可撓性を有しない電極であり、作用極10が可撓性を有する電極である場合には、貫通孔40は、対極20に形成されていることが好ましい。作用極10に貫通孔40が形成されると、作用極10は、貫通孔40が形成されていない場合に比べて必要以上に撓み、接合層50と作用極10との界面に必要以上の応力がかかるおそれがある。これに対し、作用極10より小さい可撓性を有する対極20に貫通孔40が形成されると、色素増感型太陽電池90が減圧環境から取り出されて大気圧下に置かれた場合に作用極10の撓みを小さくすることができ、接合層50と作用極10との界面にかかる応力をより低減することができ、その界面における接着性の低下をより十分に抑制できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
透明基板としては、FTOを用い、ドクターブレード法により、このFTOの表面を覆うように、酸化チタンナノ粒子のペーストを、その厚みが10μmとなるように塗布した後、150℃で3時間焼成して、多孔質酸化物半導体層を形成した。
次いで、多孔質酸化物半導体層にN719色素を担持させて、作用極を得た。また、作用極の作製に用いたものと同様のFTOを用い、この透明導電膜の上に、スパッタリング法により、白金からなる薄膜を成膜して、対極を得た。
次いで、この対極に、貫通孔を二箇所形成した。次いで、接着剤(接着層)として、作用極または対極の周縁部に幅2mm、厚み50μmの熱可塑性樹脂からなる、中央に四角形状の穴が形成された四角形状の高分子フィルム(ハイミラン、三井デュポンポリケミカル社製)を配し、作用極と対極を、これらの間に所定の大きさの空間が出来るように、この熱可塑製樹脂からなる高分子フィルムを介して重ねた。
次いで、高分子フィルムを加熱、溶融して、作用極と対極とを接着し、積層体を形成した。以上が基本構成の作製方法である。
上記の基本構成の作製手順に続けて、減圧チャンバー内に積層体、及び
メトキシプロピオニトリルを主溶媒とし、ヨウ化リチウムを0.1M、ヨウ素を0.05M、4―tert−ブチルピリジンを0.5M含む電解質を入れた容器を配置し、減圧チャンバーの圧力を700hPaまで減圧し、対極に設けた貫通孔から作用極と対極との間の空間に電解質を充填し、電解質の大部分を多孔質酸化物半導体層の空隙部分に含浸させた。電解質の充填が終了した後、そのまま減圧チャンバー内で貫通孔を、高分子樹脂(31x−101、スリーボンド社製)で覆い、紫外線照射によって硬化させて貫通孔を封止し、減圧チャンバー内から積層体を取り出し、色素増感型太陽電池を得た。
(実施例2〜8)
実施例2〜8は、高分子フィルムを表1に示すようにハイミラン、はサラン、ニュクレル、エバールとし、高分子樹脂を31X−101又はブチルコーキングとする点を除いて、実施例1と同様にして色素増感型太陽電池を得た。なお、ブチルコーキングで貫通孔を封止する場合には、ブチルコーキングに紫外線を照射しなかった。
(比較例1)
本発明の実施例に対する比較例を、図6を用いて説明する。
上記の基本構成の作製手順に続けて、積層体270を、作用極210及び対極220の外側の面から、一対のシリコンゴム板からなる加圧部材(不図示)を、15kg/100cmの圧力で挟み込み、この状態のまま、対極220に設けた貫通孔(不図示)から作用極210と対極220との間に、電解液231を充填し、電解液231の大部分を多孔質酸化物半導体層212の空隙部分に含浸させた。電解液231の充填が終了した後、加圧部材によって積層体270に圧力を加えたまま、貫通孔を封止部材(不図示)で封止した。
次いで、加圧部材によって、作用極210と対極220に加えた圧力を徐々に開放し、最後に加圧部材を取り外して、色素増感型太陽電池を得た。
(比較例2〜4)
比較例2〜4は、表1に示すように高分子フィルムをハイミラン又はサランとし、高分子樹脂を31X−101又はブチルコーキングとする点を除いて、比較例1と同様にして色素増感型太陽電池を得た。
(比較例5)
更に、本発明の実施例に対する比較例を、図7を用いて説明する。
上記の基本構成の作製手順に加え、積層体370を作用極310及び対極320の外側の面から、一対のシリコンゴム板からなる加圧部材(不図示)を、15kg/100cmの圧力で挟み込み、この状態のまま、対極に設けた貫通孔340a、340bから作用極310との間に、電解液331を充填し、電解液331の大部分を多孔質酸化物半導体層312の空隙部分に含浸させた。
次いで、2つの貫通孔340a、340bのうち一方を封止部材360で封止した。
次いで、真空ポンプを用いて、封止部材360で封止されていない貫通孔340aから作用極310と対極320との間の空間に充填した電解液331の一部を図7の矢印B方向に吸い出すことによって、この空間を減圧した。すると、大気圧によって、作用極310と対極320は、両者が対向する面の方向(図7に示した矢印Cの方向)に押され、結果として、積層体370がこの方向に収縮して、作用極310と対極320との間の距離が狭くなる。この工程において、余分な電解液331の一部は貫通孔340aから吸い出されたが、多孔質半導体層312の空隙部分が電解液331で完全に満たされた状態を保ちながら、電解液331は吸い出された。減圧は、大気圧との差圧が約200hPa、すなわち絶対圧が約813hPaになるまで行った。
次いで、真空ポンプと貫通孔340aの間に流入する大気の量を調整することで、作用極310と対極320との間の空間内を減圧した状態を保ったまま、電解液331の吸出しに用いた貫通孔340aを、表1に示す高分子樹脂からなる封止部材(不図示)で封止して、作用極310と対極320との間に電解質層を形成した。次いで真空ポンプを停止させ、素増感型太陽電池を得た。
(比較例6〜8)
比較例6〜8は、表1に示すように高分子フィルムをハイミラン又はサランとし、高分子樹脂を31X−101又はブチルコーキングとする点を除いて、比較例5と同様にして色素増感型太陽電池を得た。なお、ブチルコーキングで貫通孔を封止する場合には、ブチルコーキングに紫外線を照射しなかった。
上記実施例1〜4および比較例1〜8で得られた色素増感型太陽電池に関して、評価方法1及び評価方法2の基準に基づき、実施例1〜4と比較例1〜8との変換効率の低下率及び電解質の漏洩量の差異を調べた。結果を表1に示す。
なお、評価方法1では、85℃、85%、RH1000h静置条件下における変換効率低下率が50%以下であるものを「A」とし、50%以上であるものを「B」とした。
また評価方法2では、採光部からの外観検査により、電解液の漏洩量がセル内の容積の50%以下であるものを「A」、50%以上であるものを「B」とした。
Figure 0005211153
表1の結果から、本件発明による実施例1〜8の色素増感型太陽電池は、電解質の漏洩量が低く、光電変換効率の低下率が小さくなることが確認できた。一方、従来の減圧又は加圧方式による、比較例1〜8の色素増感型太陽電池は、電解質の漏洩量が高く、光電変換効率の低下率が大きくなることが確認できた。

Claims (7)

  1. 作用極と、前記作用極の一面において外周域に設けられた接合層を介し接合された対極と、これらの間隙に配された電解質を主体とする電解質層とを備える光電変換素子の製造方法であって、
    前記接合層を介して、前記作用極と前記対極の互いに対向する面を接着して得られる積層体及び前記電解質が配置された減圧チャンバーの内部空間を減圧して減圧環境を形成する工程、
    前記減圧環境下において、前記作用極又は前記対極に予め設けられた貫通孔を通して前記間隙内に前記電解質を充填して前記電解質層を形成する工程、および、
    前記減圧環境を維持しつつ、前記貫通孔を封止して前記光電変換素子を得る工程、
    を少なくとも備える光電変換素子の製造方法。
  2. 前記減圧環境下の圧力は50Pa以上1013hPa未満の範囲内に制御される請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記電解質が揮発性溶媒を含み、前記圧力が600〜800hPaである請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記電解質がイオン液体を含み、前記圧力が500〜700hPaである請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記接合層が、アイオノマー、エチレン−ビニル酢酸無水物共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、紫外線硬化樹脂、及び、ビニルアルコール重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記作用極及び前記対極のうち少なくとも一方の電極が可撓性を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記作用極及び前記対極のうちいずれか一方の電極が、他方の電極よりも大きい可撓性を有し、前記他方の電極に前記貫通孔が形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光電変換素子の製造方法。
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