以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、遊技機Xは、遊技店の島設備に取り付けられる基枠1と、その基枠1に取り付けられたガラス枠3とを備えている。基枠1には、遊技球が流下する遊技領域2Aが形成された遊技盤2が設けられている。一方、ガラス枠3には、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域2Aを視認可能に覆うガラス板31が設けられている。なお、ガラス板31は、ガラス枠3に対して着脱可能に固定されている。
遊技領域2Aは、遊技盤2から突出した状態で設けられた区画部材によって区画されている。区画部材として、枠状の飾り枠13、湾曲形状を呈した外側レール部材12及び内側レール部材13が遊技盤2が設けられている。飾り枠13の内側には、液晶表示装置からなる画像出力装置91が嵌め込まれており、これらが一体化されたセンター役物が遊技盤2の中央部に設けられている。また、飾り枠13の外側には内側レール部材11が配置され、内側レール部材11のさらに外側には外側レール部材12が配置されている。後述する遊技球発射装置7によって発射された遊技球は、内側レール部材11と外側レール部材12とで囲まれた第1の遊技球誘導経路K1を通って、遊技領域2Aに進入する。
ガラス枠3は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部10を介して基枠1に連結されており、ヒンジ機構部10を支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス板31とともに遊技盤2を覆っているガラス枠3を、ヒンジ機構部10を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む基枠1の内側部分を開閉することができる。また、ガラス枠3の他端側には、ガラス枠3の他端側を基枠1に固定するロック機構32が設けられている。ロック機構32による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。さらに、ガラス枠3には、ガラス枠3が基枠1から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ(図示なし)も設けられている。
また、ガラス枠3には、スピーカーからなる音声出力装置92、複数のランプ93aを有する演出用照明装置93、及び、複数の遊技球を貯留する受け皿4が設けられている。
受け皿4の上面には、遊技球が貯留される凹状の貯留穴41が形成されると共に、遊技球を発射させる操作を行うための発射操作装置6が設けられている。
発射操作装置6は、遊技者の操作を受け、操作に応じた制御信号を出力する。本実施の形態において、発射操作装置6は、操作の入力部として機能する板状のタッチパネルで構成される位置検出センサ61と、位置検出センサ61をその表面が露出した状態で収容する筐体62と、発射操作装置6に振動を与える振動装置63とを具備しており、受け皿4に一体的に設けられている(図4(a)及び図4(b)参照)。位置検出センサ61は、受け皿4の上面において露出している。本実施の形態においては、位置検出センサ61としてのタッチパネルの構造はアナログ抵抗膜方式であり、位置検出センサ61は、タッチパネルの表面が指で接触されていること、及び、X軸とY軸とで表されるタッチパネルの表面上の位置(座標)を示す位置検出信号を出力する。
また、振動装置63は、その駆動部として機能するモーター63A(以下、「振動用モーター63A」という)と、振動用モーター63Aの回転軸の先端に設けられた重り63Bとからなる。重り63Bは、振動用モーター63Aの回転軸に偏心状態で設けられている。そのため、重り63Bは、振動用モーター63Aが駆動することによって、自転しながら筐体63Bの内壁面に衝突する。これにより、発射操作装置6全体、すなわち、筐体62及び位置検出センサ61が振動することになる。なお、振動装置63の構造はこれに限られない。例えば、振動用モーター63が筐体62の外部に配されて、筐体62の外壁面に衝突するようにしてもよい。また、図4(c)に示すように、振動用モーター63Aが、回転軸を有さない扁平形状となるようにしてもよい。この場合、振動用モーター63Aを筐体62に収容した状態で振動装置63をコンパクト化することができる。振動装置63をコンパクトにパッケージ化することで遊技機Xに組み込み易くなる。
貯留穴41の底面には、ガラス枠3の背面側と連通する連通口(図示せず)と、連通口に向かって下降する傾斜面42が形成されている。連通口に誘導された遊技球は、所定のソレノイド(図示せず)によって、ガラス枠3の背面側に設けられた玉送り開口部33へ1個ずつ送り出される。
遊技球発射装置7は、基枠1の前面側の下部に設けられており、発射操作装置6の操作に応じた発射強度で遊技球を発射させる。遊技球発射装置7は、その駆動部として機能し、動力を発生させるロータリーソレノイド71(以下、「発射用ソレノイド71」という)と、発射用ソレノイド71の回転軸の先端に設けられている可動部72と、発射操作装置6及び発射用ソレノイド71に接続され、発射操作装置6が受ける操作に応じて発射用ソレノイド71を制御する発射制御基板106とを具備する。
可動部72は、二股状に形成されており、その一方の先端部には遊技球を打つ槌720が設けられ、他方の先端部には磁力を帯びた第1マグネット部材721が設けられている。すなわち、槌720及び第1マグネット部721は、発射用ソレノイド71の回転軸を中心に回転する。
また、可動部71の近傍には、上記第1の遊技球誘導経路K1に連通する第2の遊技球経路K2が形成されている。第2の遊技球経路K2は、所定間隔をおいて並設されている上側レール部材14と下側レール部材15とによって形成されている。そして、これらのレール部材14、15の下側端部には、遊技球を係止させる係止部16が設けられている。すなわち、玉送り開口部33へ送り出された遊技球は、第2の遊技球経路K2に誘導され、下側レール部材14にそって流下し、係止部16によって係止する。
係止部16は、上側レール部材14に設けられている上側係止部材16aと、下側レール部材15に設けられている下側係止部材16bとで構成されている。上側係止部材16aと下側係止部材16bとの間には隙間が形成されており、この隙間は槌720の可動領域内に配されている。そして、この隙間は、遊技球を通過させない程度且つ槌720の先端が挿入可能な程度の大きさとなっている。また、上側係止部材16aには、第1マグネット部721とは異なる磁極からなる磁力を帯びた第2マグネット部17が設けられている。なお、上側係止部材16aは、外側に突出しており、この突出した部分は、槌720の軌跡上に位置する。
ここで、図5を参照して、遊技球発射装置7の動作原理について具体的に説明する。最初、図5(a)に示すように、初期状態として第1マグネット部材721と第2マグネット部材17とが当接すると共に、槌720が上側係止部材16a及び第2マグネット部材17から所定距離離れた位置において停止している。このとき、槌720と係止部材16a、16b間の隙間とは、発射用ソレノイド71の回転方向において対向している。
そして、発射操作装置6が遊技者の操作を受けると、発射用ソレノイド71が通電されて、図5(b)に示すように、槌720が係止部16に近接する向き(図5(b)において時計回り)に操作に応じた回転速度で回転し、可動部72の槌720が遊技球を打つ。この結果、遊技球が遊技領域2Aに向けて発射される。
この後、発射用ソレノイド71への通電が停止されて、槌720の自重に加え、第1マグネット部721と第2マグネット部17とが引き合う磁力により、可動部72及び元の初期状態に戻る。なお、第2の遊技球誘導経路K2を抜けた遊技球は、第1の遊技球誘導経路K1(図1参照)を通って遊技領域2Aに進入し、遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車に衝突しながら流下する。
図1に示すように、遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では4つ)の一般入賞口25が設けられている。各一般入賞口25には、一般入賞口検出センサ25aが設けられており、この一般入賞口検出センサ25aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域2Aであって飾り枠13の右方には、遊技球の通過が可能な入賞ゲート22が設けられている。入賞ゲート22には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ22aが設けられている。この入賞ゲート検出センサ22aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
遊技領域2Aの下部で、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口20が設けられている。第1始動口20には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ20aが設けられており、この検出センサ20aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選行われる。
また、第1始動口20の下方、且つ、入賞ゲート22の下流側には、可変の第2始動口21が設けられている。入賞ゲート22から第2始動口21の間には、釘や風車等によって遊技球を第2始動口21へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第2始動口21は、第2始動口制御装置210によって入賞不可能な第1の態様又は入賞可能な第2の態様のいずれかに制御される。なお、第2始動口21にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ21aが設けられており、この検出センサ21aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。
第2始動口21は、基本的には第1の態様に制御されているが、所定条件が成立する場合にのみ第2の態様に制御される。第2始動口制御装置210は、一対の普通可動片210bを具備しており、通常は(所定条件が成立する以外は)停止している。この停止状態において、(未作動の)普通可動片210bによって、第2始動口21の入口が封鎖されることで、第2始動口21は入賞不可能な第1の態様に制御されている。所定条件が成立すると、一対の普通可動片210bは開くように外側に向けて回動し、第2始動口21の入口が開放されることで、第2始動口21は入賞可能な第2の態様に制御される。なお、ここでの所定条件とは、上述した普通図柄の抽選において、当たりに当選することである。
なお、第1始動口検出センサ20a、又は、第2始動口検出センサ21aが遊技球を検出した場合、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
入賞ゲート22の直下には、可変の第1大入賞口23が設けられている。第1大入賞口23は、第1大入賞口制御装置230によって入賞不可能な第3の態様又は入賞可能な第4の態様のいずれかに制御される。第1大入賞口23には、遊技球を検出する第1大入賞口検出センサ23aが設けられており、この検出センサ23aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第1大入賞口制御装置230は、扉状の第1特別可動片230bを具備しており、第1特別可動片230bは所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、通常は(所定条件が成立する以外は)、停止している(未作動の)第1特別可動片第230bが第1大入賞口23の入口を封鎖することで、第1大入賞口23は入賞不可能な第3の態様に制御されている。一方、所定条件が成立すると、第1大入賞口制御装置230が作動して第1特別可動片230bが回動し、第1大入賞口23の入口が開放されることで、第1大入賞口23は入賞可能な第4の態様に制御される。なお、ここでの所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選及び第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、単に「特別図柄抽選」という)において、特賞(大当たり、及び、小当たり)に当選することである。
また、第1始動口20と第2始動口24との間には、可変の第2大入賞口24が設けられている。入賞ゲート22と第2大入賞口24との間には、釘や風車等によって遊技球を第2大入賞口24へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第2大入賞口24は、第2大入賞口制御装置240によって入賞不可能な第5の態様又は入賞可能な第6の態様のいずれかに制御される。なお、第2大入賞口24にも、遊技球を検出する第2大入賞口検出センサ24aが設けられており、この検出センサ24aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
第2大入賞口24は、基本的には第5の態様に制御されているが、所定条件が成立する場合にのみ第6の態様に制御される。第2大入賞口制御装置240は、舌片状の第2特別可動片240bを具備しており、通常は(所定条件が成立する以外は)停止している。この停止状態において、(未作動の)第2特別可動片240bによって、第2大入賞口24の入口が封鎖されることで、第2大入賞口24は入賞不可能な第5の態様に制御されている。所定条件が成立すると、第2大入賞口制御装置240が前方に直進し、第2大入賞口24の入口が開放されることで、第2大入賞口24は入賞可能な第6の態様に制御される。なお、ここでの所定条件とは、特別図柄抽選において、特賞に当選することである。
また、遊技領域2Aの下方には、表示装置8が設けられている。具体的には、第1特別図柄表示装置80並びに第2特別図柄表示装置81、普通図柄表示装置82からなる図柄表示装置、第1特別図柄保留数表示装置83、第2特別図柄保留数表示装置84並びに普通図柄保留数表示装置85からなる保留数表示装置が設けられている。
第1特別図柄表示装置80は、第1始動口20に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置81は、第2始動口51に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置80、81に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置80、81における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
特別図柄表示装置80、81は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして特別図柄表示装置80、81が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。このように、特別図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、特別図柄の変動表示及び特別図柄の停止表示が行われる。
普通図柄表示装置82は、遊技球が入賞ゲート22を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置82に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置82における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
普通図柄表示装置82は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置82が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、この普通図柄が停止する前には必ず所定時間変動する。すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、普通図柄の変動表示及び普通図柄の停止表示が行われる。
ところで、特別図柄表示装置80、81が作動する特別図柄の変動表示中や大入賞口制御装置230、240が作動する特別遊技中に、始動口20、21に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知されない訳ではない。この場合、一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留される。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。
第1特別図柄保留数表示装置83は第1始動口20に対応し、第2特別図柄保留数表示装置84は第2始動口21に対応しており、それぞれの表示装置83、84には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、保留できる個数に上限値が設定されており、その保留数が、普通図柄保留数表示装置85において表示される。
また、上記遊技盤2には、遊技の進行(状態)に応じてさまざまな演出を実行する演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像出力装置91、音声出力装置92、演出用照明装置93、及び、演出用役物装置94で構成されている。
画像出力装置91は、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出を行う。なお、本実施形態においては、画像出力装置91として液晶表示装置が用いられているが、プラズマディスプレイ、プロジェクター、円環状の構造物からなるリール、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置等を用いこともできる。
上記演出用役物装置94は、可動部94aを具備し、可動部94aを作動させることで、動作による演出を行う。本実施の形態では、可動部94aは、ベルトを模擬しており、基本的には、画像出力装置91の上部の正面側に配されているが、所定のタイミングで画像出力装置91の中央まで下降する。
また、音声出力装置92は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することでサウンドによる演出を行い、演出用照明装置15は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
また、演出用の装置として、遊技者が操作可能な演出用入力装置が設けられている。演出用入力装置として、演出ボタン装置98及び選択ボタン装置99が設けられている。演出ボタン装置98は、操作可能な演出ボタン98b及び演出ボタン98bに接続されて、演出ボタン98bの被操作を検出する演出ボタン検出スイッチ98aを具備する。演出ボタン98bは、受け皿50から突出した状態で設けられている。演出ボタン検出スイッチ98aは、演出ボタン17bの被操作を検出すると、後述する演出制御基板102に演出ボタン検出信号を出力する。
選択ボタン装置99は、操作可能な選択ボタン99b、及び、選択ボタン99bに接続されて、選択ボタン99bの被操作を検出する選択ボタン検出スイッチ99aを具備する。選択ボタン99bは、上ボタン990b、左ボタン991b、下ボタン992b、右ボタン993b及びEnterボタン994bからなる。各ボタン990b〜994bは、受け皿50から突出した状態で押圧可能に設けられている。そして、選択ボタン検出スイッチ99aは、上ボタン990bに接続されて上ボタン990bの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ990a、左ボタン991bに接続されて下ボタン991bの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ991a、下ボタン992bに接続されて下ボタン992bの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ992a、右ボタン993bに接続されて右ボタン993bの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ993a、及び、Enterボタン994bに接続されてEnterボタン994bの被操作を検出するEnterボタン検出スイッチ994aからなる。各ボタン検出スイッチ990a〜994aは、対応するボタンの被操作を検出すると、検出信号(上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、右ボタン検出信号、Enterボタン検出信号)を出力する。
遊技機Xの裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に遊技機Xに電力を給電するための電源プラグや、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図6を用いて、遊技の進行を制御する制御手段100について説明する。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機Xに電源電圧を供給するとともに、遊技機Xに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検出信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検出信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検出信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやクロックパルス発生回路(水晶振動子)等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ20a、第2始動口検出センサ21a、入賞ゲート検出センサ22a、第1大入賞口検出センサ23a、第2大入賞口検出センサ24a、及び、一般入賞口検出センサ25aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置210の普通可動片210bを作動させる第2始動口用ソレノイド210c、及び、第1大入賞口制御装置230の第1特別可動片230bを作動させる第1大入賞口用ソレノイド230c、及び、第2大入賞口制御装置240の第2特別可動片240bを作動させる第2大入賞口用ソレノイド240cが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置80、第2特別図柄表示装置81、普通図柄表示装置82、第1特別図柄保留数表示装置83、第2特別図柄保留数表示装置84及び普通図柄保留数表示装置85が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
さらに、主制御基板101の出力側には遊技情報出力端子板108が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信号として出力される。遊技情報出力端子板108には遊技情報表示装置700及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、上記の所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータに送信される。所定の遊技情報が遊技情報表示装置700で出力(表示)されることで、遊技者は遊技店に設置された遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。一方、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、遊技店は各遊技機の稼働状況を把握することができる。
なお、本実施の形態では、遊技情報出力端子板108と遊技情報表示装置700とが接続され、遊技情報表示装置700とホールコンピュータとが接続されているが、接続態様はこれに限られるものでなく、遊技情報出力端子板108とホールコンピュータとが接続され、ホールコンピュータと遊技情報表示装置700とが接続される態様でも、遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に直接接続される態様でもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。すなわち、演出を実行する画像出力装置91、音声出力装置92、演出用照明装置93及び演出用役物装置94に演出を実行させる。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。
演出制御基板102の入力側には、演出ボタン検出スイッチ98a及び選択ボタン検出スイッチ99aが接続されており、演出ボタン98bの操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号及び選択ボタン99bの操作が行われたことを示す選択ボタン検出信号が演出制御基板102に入力する。
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置98から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置99から出力された選択ボタン検出信号、クロックパルス発生回路(水晶振動子)からの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
払出CPU103aは、クロックパルス発生回路(水晶振動子)からの入力信号に基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
払出制御基板103の出力側には、所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、払出装置5を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出CPU103aの出力側には、プリペイドカードが挿入可能であり、遊技球を貸出するための装置である遊技球貸出装置800が接続されている。払出CPU103aは、払出制御基板103に接続されているか否かを確認する。
発射制御基板106は遊技球の発射及び発射操作装置6の振動を制御する。発射制御基板106は、発射CPU106a、発射ROM106b、及び、発射RAM106cを備えている。発射CPU106aは、位置検出センサ61やクロックパルス発生回路(水晶振動子)等からの入力信号に基づいて、発射ROM106bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、遊技球発射装置7及び振動装置63を制御する。発射RAM106cは、発射CPU106aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
発射制御基板106の入力側には、発射操作装置6の位置検出センサ61が接続されており、出力側には、発射用ソレノイド71及び振動装置63の振動用モーター63Aが接続されている。
発射制御基板106は、発射操作装置6からの位置検出信号を受けると、遊技球発射装置7の発射用ソレノイド71を通電制御して、遊技球を発射させると共に発射操作装置6の振動用モーター63Aを通電制御して、振動装置63の振動用モーター63Aを振動させる。発射操作装置6の位置検出センサ(タッチパネル)61の表面には、X成分とY成分とからなる座標が対応付けられている。そして、発射操作装置6は、その表面を指で接触されると、その位置の座標を示す信号(以下、「位置検出信号」という)を遊技球発射装置7の制御部として機能する発射制御基板106に出力する。
発射制御基板106は、位置検出信号に基づいて、発射用ソレノイド71にかける電圧の電圧値を算出し、その電圧値の電圧を発射用ソレノイド71に印加する。具体的には、最初に接触された位置、すなわち、遊技球の発射操作が開始されることを検出し、その後、遊技球の発射間隔毎に遊技者が位置検出センサ61上で指を移動させた距離を算出する。そして、その移動距離(移動量)を発射用ソレノイド71のための電圧値(発射強度)に変換して、その電圧値の電圧を発射用ソレノイド71に印加する。
つまり、発射制御基板106は、制御的(機能的)には、操作量、すなわち、遊技球の発射強度に係る指の移動量の算出を許可する移動量算出許可部、遊指の移動量を算出する移動量算出部、遊技球の発射強度を設定する発射強度設定部及び発射用ソレノイド71を駆動させる発射駆動部を有する(図7参照)。
また、発射制御基板106は、位置検出信号に基づいて、振動用モーター63Aにかける電圧の電圧値を算出し、その電圧値の電圧を振動用モーター63Aに印加する。具体的には、上述の移動距離(移動量)を振動用モーター63Aのための電圧値に変換して、電圧値の電圧を振動用モーター63Aに印加する。つまり、発射制御基板106は、制御的(機能的)には、発射操作装置6の振動強度を設定する振動強度設定部及び振動用モーター63Aを駆動させる振動駆動部を有する。
なお、本実施の形態において、発射制御基板106は、単位時間当たりの発射用ソレノイド71の揺動回数、つまり、単位時間当たりの遊技球の発射回数を、約99.9(回/分)としている。そのため、遊技球の発射間隔は、約600msとなる。
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、遊技盤2に設けられた演出用照明装置15を点灯制御したり、演出用照明装置15の光の照射方向を変更するためのモーターに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置16を作動させるソレノイドやモーター等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されるコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、少なくとも画像出力装置13に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を画像出力装置13の駆動回路に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置14に出力させる音声に係る音声信号を音声出力装置14の駆動回路に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンドを受信すると、演出制御コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像出力装置13に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置14から出力させる音の指示を出す。
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成された描画データを一時的に記憶するフレームバッファを有するVRAM105Bcを備えている。
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像出力装置13に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクター、及びアイテム等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合して構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
音声生成部105Cは、音声プロセッサ105Caと、音声データが多数格納されている音声ROM105Cbとを具備しており、演出制御基板102から送信された演出制御コマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置14による音声出力を制御する。
(発射制御基板のメイン処理)
図8(a)を用いて、発射制御基板106のメイン処理を説明する。
電源基板107から発射制御基板106に電力が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS1に示すように、ステップS1において、発射CPU106aは、初期化処理を行う。この処理において、発射CPU106aは、電源投入に応じて、発射ROM106bから起動プログラムを読み込むとともに、発射RAM106cの各記憶領域を初期化する処理を行う。以降は、所定の割込み処理を待つこととなる。
(発射制御基板のタイマー割込処理)
図8(b)を用いて、発射制御基板106のタイマー割込処理を説明する。発射制御基板106に設けられたクロックパルス発生回路によって、所定の周期(例えば、10ms秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマー割込処理が実行される。
まず、ステップS10において、発射CPU106aは、発射CPU106aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS11において、発射CPU106aは、駆動用タイマーカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS12において、発射CPU106aは、発射操作装置3から出力された位置検出信号に基づいて操作量である指の移動量を算出する移動量算出処理を行う。詳しくは、図9を用いて後述する。
ステップS13において、発射CPU106aは、遊技球を発射させる遊技球発射装置7に印加する電圧の電圧値である発射強度、及び、振動装置63に印加する電圧の電圧値である振動強度を設定する強度設定処理を行う。詳しくは、図10を用いて後述する。
ステップS14において、発射CPU106aは、ステップS13で設定した電圧値の電圧を遊技球発射装置7及び振動装置63に印加する出力処理を行う。
ステップS15において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
図9を用いて、移動量算出処理を説明する。まず、ステップS120において、発射CPU106aは、発射操作装置6の位置検出センサ61から出力された位置検出信号が入力したか、すなわち、遊技者が位置検出センサ61に接触したか否かを判定する。発射CPU106aは、位置検出信号が入力していないと判定すると、ステップS121において後述する発射RAM106cの座標記憶領域及び移動量記憶領域をクリアして、当該発射強度設定処理を終了する。ステップS121で発射RAM106cをクリアするのは、遊技者が位置検出センサ61に接触状態から非接触状態に移行することを条件として、遊技球の発射操作をリセットさせるためである。発射CPU106aは、位置検出信号が入力したと判定する場合には、ステップS122に処理を移す。
ステップS122において、発射CPU106aは、後述する移動量算出許可フラウがONされているか否かを判定する。ここで、そのフラグがONされていないと判定すると、ステップS123に処理を移し、ONされていると判定すると、ステップS125に処理を移す。
ステップS123において、発射CPU106aは、ステップS120で取得した位置情報が、所定位置、すなわち、予め設定された始点P1を示すものであるか否かを判定する。ここで、所定位置ではないと判定されると、当該移動量算出処理を終了し、所定位置であると判定すると、ステップS124において、移動量算出許可フラグを発射RAM106cの移動量算出許可フラグ記憶領域にONし、ステップS125に処理を移す。なお、始点P1はタッチパネルに表示されているため、容易に確認するができる。
ステップS125において、発射CPU106aは、入力した位置検出信号が示す遊技者が接触した位置検出センサ61上の座標を、発射RAM106cの座標記憶領域の当該座標記憶部に記憶し、ステップS126に処理を移す。
ステップS126において、発射CPU106aは、発射RAM106cの座標記憶領域の当該座標記憶部に記憶されている遊技者が接触した当該座標データ及び後述する発射RAM106cの座標記憶領域の前回座標記憶部に記憶されている前回座標データに基づいて、前回のタイマー割込処理のときに遊技者が接触していた位置と今回のタイマー割込処理において遊技者が接触している位置との距離、すなわち、タイマー割込処理間における遊技者の指の移動量を算出し、部分移動量データとして発射RAM106cの部分移動量記憶領域に記憶する。上述した通り、遊技者が接触する位置検出センサ61上の座標はX成分とY成分とからなる2次元空間上の座標で表されるので、この移動量は、各成分の差の2乗和の平方根となる。
ステップS127において、発射CPU106aは、発射RAM106cの部分移動量記憶領域に記憶されている部分移動量データに基づいて、全体的な移動量、すなわち、部分移動量の合計を算出し、発射RAM106cの全体移動量領域に全体移動量データとして記憶する。具体的には、リセットされずに継続されている一連の遊技球発射操作に係る部分移動量の合計を算出する。
ステップS128において、発射CPU106aは、発射RAM106cの座標記憶領域に記憶されているデータをシフトさせ、当該移動量算出処理を終了する。具体的には、前回座標記憶部に記憶されているデータ(前回座標データ)を消去すると共に、当該座標記憶部に記憶されているデータ(当該座標データ)を前回座標データとして前回座標記憶部に記憶させる。
次に、図10を用いて強度設定処理について説明する。まず、ステップS131において、当該タイマー割込処理において、移動量算出許可フラグがONされているか否かを判定する。ここで、フラグがONされていると判定すれば、ステップS134に処理を移し、フラグがONされていないと判定すれば、ステップS132に処理を移す。
ステップS134において、駆動タイマーカウンタが「0」である、すなわち、予め設定された遊技球の発射間隔が経過したか否かを判定する。駆動タイマーカウンタが「0」ではないと判定すると、遊技球の新たな発射を行うことができないので、当該駆動制御処理を終了する。一方、駆動タイマーカウンタが「0」であると判定すれば、ステップS135に処理を移す。
ステップS135において、発射CPU106aは、発射強度を決定する。具体的には、発射RAM106cの全体移動量記憶領域に記憶されている全体移動量データが示す全体移動量に基づいて発射強度を設定する。本実施の形態においては、発射強度は発射用ソレノイド71に印加する電圧の電圧値からなり、全体移動量と電圧値との関係を表す所定の計算式(例えば、全体移動量に所定係数を乗じたものが発射強度に係る電圧値となる計算式)に全体移動量を代入して、電圧値を算出し、発射RAM106cの発射強度記憶領域に電圧値を表す発射強度データを記憶する。なお、計算式ではなく、全体移動量と発射強度とが対応付けられたテーブルを用いることもできる。
ステップS136において、発射CPU106aは、振動強度を決定する。具体的には、発射RAM106cの全体移動量記憶領域に記憶されている全体移動量データが示す全体移動量に基づいて振動強度を設定する。本実施の形態においては、振動強度は振動用モーター63Aにかける電圧の電圧値からなり、全体移動量と振動強度に係る電圧値との関係を表す所定の計算式(例えば、全体移動量に所定係数を乗じたものが振動強度に係る電圧値となる計算式)に全体移動量を代入して、電圧値を算出し、発射RAM106cの振動強度記憶領域に電圧値を表す振動強度データを記憶する。なお、計算式ではなく、全体移動量と振動強度とが対応付けられたテーブルを用いることもできる。
ステップS137において、発射CPU106aは、当該遊技球の発射に要する時間、すなわち、発射用ソレノイド71の作動時間より長く設定された遊技球の発射間隔を、駆動タイマーカウンタにセットし、当該駆動制御処理を終了する。本実施の形態では、遊技球の発射間隔は一定であり、1分間に100回を超えない範囲でなるべく多くの遊技球を発射させるため、60000/99.9=600(ms/回)を駆動タイマーカウンタにセットする。なお、駆動タイマーカウンタは、ステップS11において10ms減算処理される。
ステップS132においては、駆動タイマーカウンタが「0」であるか否かを判定する。ここで、駆動タイマーカウンタが「0」であると当該強度設定処理を終了し、駆動タイマーカウンタが「0」ではない、すなわち、ステップS133において駆動タイマーカウンタをリセットして、当該駆動制御処理を終了する。
次に、図11を用いて、発射強度及び振動強度の算出方法について説明する。図11(a)に示すように、遊技者が位置検出センサ61に接触していない状態から、位置情報検出センサ61の始点P1に指で接触すると、位置情報検出センサ61は、始点P1の座標(X1、Y1)を示す位置検出信号を発射制御基板106に出力する。ここで、発射制御基板106は、始点P1の座標(X1、Y1)を示す当該座標データを発射RAM106cの当該座標記憶部に記憶する。
そして、図11(b)に示すように、位置検出センサ61の表面上を位置P1(始点)から位置Pnまで曲線状になぞるとし、位置検出センサ61が、指の軌跡上の点である位置P2、・・・、位置Pk、・・・、位置Pn−1の位置を検出したとする。この場合、位置検出センサ61が位置検出信号を発射制御基板106に出力する度に、今回検出した位置Pkと、前回検出した位置Pk―1との距離Lk―1である部分距離を算出する。部分距離Lk−1は、次の数(1)で算出される。
次に、位置P1を検出してから、今回位置Pkを検出するまでに算出したLk―1の合計である全体距離Lを算出する。全体距離Lは、次の数(2)で算出される。
このように、位置検出センサ61における触接の軌跡に沿った全体距離Lが算出されると、この全体距離Lを用いて発射用ソレノイド71に印加する電圧の電圧値である発射強度Vhを算出する。発射強度Vhの次の数(3)で算出される。
ここで、Khは、全体距離Lから発射強度Vhに変換するための所定の係数であり、適宜に設定される。一方、振動用モーター63Aに印加する電圧の電圧値である発射強度Vsは、次の数(4)で算出される。なお、数(4)のKsは、全体距離Lから振動強度Vsに変換するための所定の係数であり、適宜に設定される。
以上のように、本発明に係る遊技機では、位置検出センサ6に指を接触させた状態で指を移動させることで、遊技球を発射させることができるので、遊技者の身体的な負担を軽減することができる。また、指の軌跡に沿って算出された全体移動量Lに基づいて遊技球の発射強度が設定されるので、遊技球の発射操作が容易である。さらに、遊技球の発射操作を行うための条件は、位置検出センサ61の予め設定された始点に接触することであるので、誤操作を防止することができる。
また、本実施の形態では、位置検出センサ61は、その表面上の位置を2つのパラメータの値の組(X成分、Y成分)、すなわち、交差する2つの軸で表される座標を用いて検出する。さらに、前回の座標と今回の座標との関係に関係なく部分距離が算出される。これは、遊技球の発射操作に係る指の移動方向は任意であるということを意味する。これにより、遊技球の発射操作の自由度が高くなるので、操作性の低下を抑えると共に、演出効果の低下が軽減される。さらに、遊技球の発射操作に係る指の移動方向は任意であるので、操作に係る軌跡が分散され、一層位置検出センサ61の製品寿命の長期化を図ると共に、位置検出センサ61の表面が汚れ難くなる。
また、振動装置63が、遊技球の発射に同期して遊技球発射装置6、すなわち、遊技者が接触している部分に振動を与える。これにより、遊技者の遊技球発射に対する体感性が向上する。さらに、指の軌跡に沿って算出された全体移動量Lに基づく振動強度と、全体移動量Lに基づいて算出される発射強度とは関連性を有する。本実施の形態においては、振動強度と発射強度とは比例関係にある。よって、遊技者の遊技球発射に対する体感性は一層向上する。
さらに、本実施の形態では、発射制御基板106は、10ms毎に位置情報を取得する一方、600ms毎に部分距離を算出して、発射強度を更新しながら遊技球を発射している。ここで、発射強度の更新に合わせて、位置情報を600ms毎に取得すると、指の軌跡を正確に追従することができず、指の移動距離と発射強度との誤差が生じ、発射操作装置6の性能が低下する。一方、位置情報の取得に合わせて、10ms毎に遊技球を発射させると、遊技球が1秒間で100個発射されることになるので、好ましくない。しかしながら、位置情報の取得間隔を、遊技球の発射間隔より短くすることで、発射操作装置6の性能を維持しつつ、遊技球を適度な頻度で発射させることができる。
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、位置検出センサ61はタッチパネルで構成されているが、位置検出センサ61はタッチパッドで構成することもでき。この場合、始点P1を凹凸状の目印で記すことができる。これにより、遊技者は始点P1を目視せずに探すことができるので、演出効果の低下を抑えることができる。
また、実施の形態1では、位置検出センサ61の始点P1に少しでも接触すると、遊技球の発射操作が可能となるが、位置検出センサ61に所定時間(例えば、3秒)接触し続けると、遊技球の発射操作が可能となるようにすることもできる。これにより、さらに誤操作を防止することができる。
また、実施の形態1においては、発射強度のパラメータとして指の軌跡に沿った全体移動量Ldが用いられているが、これに限らず、図12に示すように、始点と、今回の検出位置、すなわち、最新の当該座標が示す終点との距離Lrとすることもできる。例えば、図12(a)に示すように、遊技球の発射操作を開始すべく、位置検出センサ61の始点P1に接触し、遊技球の発射間隔が経過する間に、図12(b)に示すように、Pnまで曲線状に指を移動させると、始点であるP1と終点であるPnとの最短距離Lrが当該遊技球を発射させるための操作量となる。ここで、図12(c)に示すように、指を始点P1に近付けさせるように移動させると、始点P1と新たな終点Pnとの距離Lrが短くなり、それに応じて発射強度が小さくなる。この場合、指の移動のみで遊技球の発射強度の調整を行うことができるので、操作性の低下を抑えることができる。
また、実施の形態1では、振動装置63は、筐体62を介して遊技球発射装置6の全体を振動させているが、例えば、遊技者が接触する位置に直接且つ集中的に振動を与えることもできる。これによって、遊技者に与える振動の発信源が遊技者の触接位置に近付くので、さらに体感性が向上する。なお、この場合、位置検出センサ61が検出した位置情報に基づいて、振動を与える位置を設定させればよい。