JP5210731B2 - 定着装置,画像形成装置 - Google Patents
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Description
従来から,このような誘導加熱方式の定着装置では,最大通紙領域よりも小さいサイズの用紙が通紙される場合,その用紙が通過する通紙領域を所定の定着温度に維持するために,用紙が通過しない被加熱部材の端部近傍の非通紙領域で過熱が生じるという問題があった。そこで,被加熱部材における加熱対象領域の幅を用紙サイズに合わせて変更することのできる構成が検討されている。
例えば,特許文献1に開示された定着装置では,長さの異なる複数の磁性体コアを,そのいずれか一つを誘導コイルに対向させることができるように回転可能に配置している。このような構成では,誘導加熱に用いる磁性体コアを変更することによって,被加熱部材に作用する磁束の幅を変更し,該被加熱部材における加熱対象領域の幅を変更することができる。
この場合,磁性体コアの移動による磁気回路の特性変化(飽和磁束の急減など)によって誘導コイルの通電回路上のインダクタンス成分が急激に変動し,該通電回路上で異常な電流増加が生じるおそれがある。これは,前記磁性体コアで形成された磁気回路上に存在する磁束(磁束密度)が大きい状態で該磁性体コアが移動した場合に特に問題となる。
一方,磁性体コアを切り換える際には誘導コイルへの通電を停止させる場合を考える。この場合は,磁性体コアの切り換えの間に被加熱部材の温度が低下することになる。そのため,磁性体コアの切り換え後に被加熱部材を再度所定の定着温度まで上昇させる必要があり,印刷開始までの待ち時間が長くなって印刷速度(生産性)が低下する。例えば,A3サイズ及びA4サイズが混在した複数の原稿の連続印刷を実行する際には,そのA3サイズとA4サイズとを切り換える度にその待ち時間が必要となる。特に,被加熱部材が熱容量の小さいものであるほど,その被加熱部材の温度は短時間で急激に低下するため,再加熱のための待ち時間が長くなるという問題が顕著に現れる。また,磁性体コアの切り換え後に開始される加熱制御では,所定の温度センサによって検出される被加熱部材の温度に基づくフィードバック制御においてオーバーシュートなどの問題が生じ,温度安定のためにより時間を費やすおそれがある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,被加熱部材に作用する磁気回路の幅を変更する際,誘導コイルの通電回路上における過電流を防止すると共に,被加熱部材の温度低下を防止することのできる定着装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
このように構成された前記定着装置では,前記磁気回路の幅の変更時における前記被加熱部材の温度の低下を防止して該磁気回路の幅の変更後に定着動作が可能となるまでの時間を短縮することができる。また,前記磁気回路の磁束が前記0近傍の所定範囲内である場合にだけ前記磁性部材を移動させているため,該磁性部材の移動による前記磁気回路の特性変化(飽和磁束の急減など)が前記誘導コイルの通電回路上に与える影響を小さくすることができ,過電流の発生などを防止することができる。
ここで,前記磁気回路の磁束が前記所定範囲内であるか否かを判断するための手法の一例を説明する。例えば,前記交流電源から出力される交流電圧を半波整流又は全波整流する整流回路と,前記交流電源又は前記整流回路からの出力電圧に周期的に発生するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出手段とを更に備えてなり,前記電力供給制御手段が,前記整流回路から前記誘導コイルへの供給電力のスイッチング制御を行う構成であれば,前記ゼロクロス検出手段によるゼロクロス点の検出時点から所定時間経過後までの間,前記磁気回路の磁束が前記所定範囲内であると判断することが可能である。前記構成では,前記整流回路からの出力電圧に応じて前記磁気回路の磁束がヒステリシス曲線を描いて変化し,その磁束は,該整流回路からの出力電圧に周期的に発生するゼロクロス点において最も小さくなるためである。
また,前記磁気回路に作用している磁束を検出する磁束検出手段を設けておき,該磁束検出手段によって検出された磁束が前記所定範囲内であるか否かを判断する構成も考えられる。
ところで,本発明は,前記定着装置を備えてなる画像形成装置として捉えてもよい。この場合,前記定着装置に設けられた各構成要素は,前記定着装置内に限られず前記画像形成装置内に配置されていればよい。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る複写機Xの概略構成を示すブロック図,図2は本発明の実施の形態に係る定着装置5の概略構成を模式的に示すブロック図,図3は本発明の実施の形態に係る定着装置5に設けられた誘導加熱部54の構成を説明するための図,図4は本発明の実施の形態に係る定着装置5における磁束の変化態様を説明するための図,図5は本発明の実施の形態に係る定着装置5において実行される磁路幅変更処理を説明するためのタイミングチャートである。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る複写機Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る複写機Xは,操作表示部1,画像読取部2,画像処理部3,画像形成部4,定着装置5,及び制御部6などを備えて概略構成されている。前記複写機Xは,他にも一般的な電子写真方式の複写機が有する各種の構成要素を有しているが,それらについては従来と異なるところがないため,ここでは説明を省略する。なお,本発明は当該複写機Xに限られず,例えばプリンタ装置,ファクシミリ装置,これらの機能やスキャナ機能を有する複合機などの電子写真方式の画像形成装置にも適用可能である。
前記操作表示部1は,前記制御部6からの指示に応じて各種の情報の表示を行う液晶ディスプレイや,前記制御部6への操作入力を行うためのタッチパネルなどを有している。
前記画像読取部2は,原稿台やADF(自動搬送装置)にセットされた原稿の画像を読み取るものであって,該画像読取部2で読み取られた画像データは前記画像処理部3に入力される。
前記画像処理部3は,前記画像読取部2で読み取られた原稿の画像データや,LAN等の通信網を介して図外の情報処理装置から入力された原稿の画像データなどに対して各種の画像処理を施すものである。前記画像処理部3で画像処理が施された後の画像データは,前記画像形成部4に入力される。
前記画像形成部4は,感光体ドラムや帯電器,現像装置,LSUなどを有してなり,前記画像処理部3から入力された原稿の画像データに基づいて用紙にトナー像(現像剤)を形成するものである。
そして,前記定着装置5は,前記画像形成部4によってトナー像が形成された用紙にそのトナー像を溶融定着させる。本発明の実施の形態に係る前記複写機Xは,前記定着装置5に関する構成及び動作に特徴を有しており,以下,その点について詳説する。
前記定着ローラ51は,不図示のステッピングモータなどの駆動手段に連結されており,該駆動手段によって回転駆動される。前記定着ローラ51が回転駆動されると,その駆動力によって前記定着ベルト52が走行し,該定着ベルト52から伝達される駆動力によって前記加熱ローラ53が回転する。ここに,前記加熱ローラ53は,鉄や整磁合金などの磁性材料で形成されたものである。
前記誘導コイル54aは,前記加熱ローラ53の軸方向(図3における奥行き方向)に巻かれたものであって,該加熱ローラ53の長手方向の幅(最大通紙幅と略同じ幅)と略同じ幅に形成されている。前記誘導コイル54aは,電力供給を受けて磁束を発生させるものであって,その両端への高周波電流の有無は後述のIGBT73によって切り換えられる。
前記磁性体コア54bは,前記誘導コイル54aで発生する磁束を前記加熱ローラ53に導く磁気回路(図3の太線矢印参照)を形成するものである。
前記定着装置5では,前記誘導コイル54aで発生した磁束が前記磁性体コア54bによって前記加熱ローラ53に導かれ,該加熱ローラ53の表面に渦電流(誘導電流)が発生することによって,該加熱ローラ53が加熱される。これにより,前記加熱ローラ53からの伝熱によって前記定着ベルト52が加熱され,該定着ベルト52に接触する用紙では,付着したトナーが溶融定着される。なお,前記定着ベルト52が磁性部材から構成され,前記磁性体コア54bから作用する磁束によって該定着ベルト52が直接加熱される構成も考えられる。また,前記加熱ローラ53や前記定着ベルト52を有さず,前記定着ローラ51を直接誘導加熱する構成であってもよい。この場合,前記定着ベルト52や前記定着ローラ51が被加熱部材の一例と捉えることができる。
さらに,前記誘導加熱部54では,前記加熱ローラ53を誘導加熱する際,その加熱ローラ53における加熱領域の幅を調整することができる構成が採用されている。
前記外部コア542は,前記加熱ローラ53の両側部を囲むコの字状,逆コの字状の一対の磁性体コアから構成されている。前記外部コア542は,前記加熱ローラ53の長手方向の全幅に亘って形成されたもの,或いは前記加熱ローラ53の長手方向の全幅に亘って所定間隔毎に配置された複数の板状コアを有するものである。
前記センターコア541は,前記外部コア542における一対の磁性体コアの間に配置されており,該一対の磁性体コアとの間で磁気回路を形成するものである。前記センターコア541は,前記加熱ローラ53の長手方向において長さが異なる複数の磁性体コア541a〜541cと,前記磁性体コア541a〜541cを周方向に並列支持する回転軸541d(支持部材の一例)とを有している。例えば,前記磁性体コア541a,541b,541c各々はA3,B4,A4各々の幅に対応する長さを有するものである。
なお,前記磁性体コア541a〜541cは,当該複写機Xが,前記定着装置5に通紙される用紙がその中心が定着ベルト52のセンターを通過するように構成されている場合には,各々の中心が前記定着ベルト52の中心に対応するように配置される。一方,前記複写機Xが,前記定着装置5に通紙される用紙がその一端が定着ベルト52の一端に沿って通過するように構成されている場合,前記磁性体コア541a〜541cは,各々の端部が前記定着ベルト52の一端に揃うように配置される。
前記回転軸541dは,前記コア駆動モータ55に連結されている。従って,前記定着装置5では,前記コア駆動モータ55によって前記回転軸541dを回転駆動することによって前記センターコア541を回転移動させ,前記磁性体コア541a〜541cの位置を変更することにより,前記加熱ローラ53に作用する磁気回路の幅を変更することができる。これにより,前記加熱ローラ53における加熱対象領域が変更される。ここで,前記コア駆動モータ55の回転駆動は,前記加熱制御部7に設けられたCPU71によって制御される。
図2に示すように,前記加熱制御部7は,一次電源70,CPU71,IGBTゲート駆動回路72,IGBT73(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ),定着高温検知回路74,保護動作回路75,リレーコイル76,リレー接点77,サーミスタ78,サーモスタット79,ゼロクロス回路80(ゼロクロス検出手段の一例)などを有している。
前記一次電源70は,前記複写機Xが接続される商用交流電源(不図示)から供給される交流電圧を半波整流する半波整流回路を有しており,その半波整流された電圧(以下「半波整流電圧」という)を出力する。なお,前記一次電源70は,前記商用交流電源からの交流電圧を全波整流する全波整流回路を有するものであってもかまわない。
具体的に,前記CPU71は,前述したように前記コア駆動モータ55の回転駆動を制御することにより,前記加熱ローラ53に作用する磁気回路の幅を変更して,該加熱ローラ53における加熱対象領域を変更する。ここに,前記コア駆動モータ55は,例えば入力されるステップ数に応じて所定量回転するステッピングモータなどである。この場合,前記CPU71は,前記コア駆動モータ55に入力するステップ数によって該コア駆動モータ55の回転量を制御する。もちろん,前記コア駆動モータ55にはサーボモータなどの他の駆動手段を用いてもよい。なお,前記CPU71によって行われる前記磁気回路の幅の変更処理(以下「磁路幅変更処理」という)については後段で詳述する。
さらに,前記CPU71は,前記コア駆動モータ55の回転量と,前記コア駆動モータ55によって回転されるセンターコア541の回転位置との関係を記憶しており,該コア駆動モータ55の回転量を制御することにより,前記センターコア541における前記磁性体コア541a〜541c各々の位置を任意の位置に配置することが可能である。
そして,前記CPU71は,前記IGBTゲート駆動回路72を介して前記IGBT73のゲート端子にスイッチング信号を入力することによって,前記一次電源70から前記誘導コイル54aへの供給電力のスイッチング制御を実行する。ここに,係る処理を実行するときの前記CPU71が電力供給制御手段に相当する。
このとき,前記CPU71は,前記定着ベルト52(第二の被加熱部材の一例)の温度を検出する前記サーミスタ78(温度検出手段の一例)からの検出温度に基づいて前記スイッチング信号のPWM制御などを行うフィードバック制御により,前記誘導コイル54aへの供給電力を制御して,前記加熱ローラ53の加熱強度を制御する。なお,前記サーミスタ78は,前記加熱ローラ53の温度を検出するものであってもかまわない。
前記IGBT73は,前記CPU71から前記IGBTゲート駆動回路72を介してゲート端子に入力されるスイッチング信号に基づいて駆動が制御されるものであって,前記誘導加熱部54の誘導コイル54aへの通電のスイッチング制御を行うことにより,該誘導コイル54aへの供給電力を調整する。具体的に,前記IGBT73は,そのゲート端子に電流が入力されることにより,前記一次電源70から前記誘導コイル54aへの通電経路を確立し,電流の非入力時には該通電経路を遮断する。なお,前記IGBT73に代えて,例えばトランジスタやFETなどのスイッチング素子を用いてもよい。
前記保護動作回路75は,前記定着高温検知回路74から入力された判断結果に応じて前記IGBT73へのスイッチング信号の入力経路の確立/遮断を切り換えるものである。具体的に,前記保護動作回路75は,前記定着高温検知回路74において前記サーミスタ78による検出温度が予め設定された異常高温に達していると判断された場合に,前記IGBT73へのスイッチング信号の入力経路を遮断することで誘導加熱を強制的に停止させる。
さらに,前記サーモスタット79は,前記サーミスタ78と共に前記定着ベルト52の近傍に設けられ,該定着ベルト52の温度が予め設定された上限温度に達した場合に作動して,前記一次電源70から前記IGBT73への電力供給経路を強制的に遮断するスイッチである。なお,一般に,前記上限温度は,前記定着高温検知回路74の異常高温よりも高温に設定される。即ち,前記サーモスタット79は,当該定着装置5における最低限の安全性を確保するために設けられたものである。
なお,前記ゼロクロス回路80には,例えばホール素子やフォトカプラなどを用いた従来周知の回路を用いればよいため,ここでは説明を省略する。また,前記ゼロクロス回路80は,前記一次電源70の二次側の半波整流電圧ではなく,一次側に供給される商用交流電源からの交流電圧に基づいてゼロクロス点を検出するものであってもよい。前記一次電源70の一次側及び二次側におけるゼロクロス点は同じためである。
まず,前記誘導コイル54aに電流が流れ始めると,図4の(1)に示すように,前記磁性体コア54bによって形成される磁気回路の磁束は,徐々に大きくなって飽和磁束に到達する。このとき,前記一次電源70から出力される半波整流電圧は,ゼロクロス点からピーク値に向けて変化している。
そして,前記一次電源70から出力される半波整流電圧がピーク値からゼロクロス点に向かって低下すると,図4の(2)に示すように,前記磁気回路の磁束は徐々に小さくなり,前記ゼロクロス点において残留磁束に到達する。この残留磁束は,前記誘導コイル54aへの供給電力が0になっても前記磁気回路に残存する磁束である。
その後,前記一次電源70から出力される半波整流電圧がゼロクロス点からピーク値に向かって上昇すると,図4(3)に示すように,前記磁気回路の磁束は徐々に大きくなって飽和磁束に到達する。
当該磁路幅変更処理は,例えば前記複写機Xにおける連続印刷の実行中に用紙サイズをA3サイズからA4サイズに切り換えるため,前記定着装置5における前記加熱ローラ53の加熱対象領域の変更が必要となった場合などに,前記CPU71によって実行されるものである。ここでは,図5に示す時点t1において当該磁路幅変更処理が開始されたものとする。なお,図5に示す時点t1以前は,前述したように前記CPU71による前記加熱ローラ53の誘導加熱の制御が必要に応じて実行される。
具体的に,前記CPU71は,図5の時点t1において前記ゼロクロス回路80によってゼロクロス点が検出されると,該時点t1から所定時間T1経過後のt11までの間(図4参照),前記磁気回路の磁束が前記残留磁束近傍の所定範囲内であると判断し,前記コア駆動モータ55に駆動信号を出力することにより該コア駆動モータ55を回転させる(図5(d))。例えば前記コア駆動モータ55がステッピングモータである場合,前記CPU71は,前記コア駆動モータ55に対して所定数のステップ信号を入力することにより,前記コア駆動モータ55を所定時間T1だけ駆動させる。これにより,前記コア駆動モータ55によって前記センターコア541が所定量回転することになる。
その後,前記CPU71は,前記センターコア541を所望の位置に回転させるまで,例えば前記磁気回路を形成する磁性体コアをA3サイズに対応する前記磁性体コア541aからA4サイズに対応する前記磁性体コア541cに切り換えるまでの間,上述の処理を繰り返し実行することにより,前記加熱ローラ53の誘導加熱を継続しながら前記センターコア541を徐々に回転させる。
従って,前記センターコア541を回転させる際にも前記加熱ローラ53の誘導加熱が継続されるため,該センターコア541の回転中における前記加熱ローラ53の温度低下を防止することができる。これにより,前記センターコア541の回転後,定着動作が可能となるまでの時間を短縮することができる。
また,前記センターコア541の回転が前記磁気回路の磁束ができる限り小さい範囲にある間だけ行われるため,前記センターコア541の回転による前記磁気回路の特性の変化に起因する前記誘導コイル54aへの通電回路上における過電流や過渡電圧の発生などを防止することができる。
また,前記センターコア541を回転させて前記磁性体コア541a〜541c各々の位置を移動させることによって前記加熱ローラに作用する磁気回路の幅を変更するものに限られず,前記加熱ローラ53に作用する磁気回路の幅を変更することのできる構成であれば,例えば長尺状の磁性体コアを前記加熱ローラ53の長手方向にスライド移動可能に構成することにより,該磁性体コアをスライド移動させてもよい。また,二重構造などによって伸縮自在に形成された磁性体コアを伸縮させることで,前記磁気回路の幅を変更し得る構成も他の実施例として考えられる。
また,前記IGBT73に代えて,複数のIGBT等のスイッチング素子を備えてなり,前記一次電源70から供給される半波整流電圧や電波整流電圧,或いは平滑された後の直流電圧などを,高周波の交流電圧に変換して出力するインバータ回路を設けることも考えられる。
これらの構成では,前記誘導コイル54aに対して交流電圧が印加されることになる。そのため,前記加熱ローラ53に作用する磁気回路の磁束の特性も変化することになるため,前述の磁路幅変更処理において前記コア駆動モータ55を駆動させるタイミングを変更する必要がある。
以下,本実施例1では,前記誘導コイル54aに交流電圧が印加される構成への本発明の適用について説明する。ここでは,前記誘導コイル54aに交流電圧が印加される構成を有する定着装置を定着装置5’と称し,前記実施の形態で説明した定着装置5と同様の構成については同じ符号を用いてその説明を省略する。
図6に示すように,まず,前記誘導コイル54aにプラス方向の電流が流れ始めると,図6の(4)に示すように,前記磁性体コア54bによって形成される磁気回路の磁束は,徐々に大きくなってプラス方向の飽和磁束に到達する。このとき,前記一次電源70から出力される交流電圧は,ゼロクロス点からピーク値に向けて変化している。
そして,前記一次電源70から出力される交流電圧がピーク値からゼロクロス点に向かって低下すると,図6の(5)に示すように,前記磁気回路の磁束は徐々に小さくなり,前記ゼロクロス点において残留磁束に到達する。この残留磁束は,前記誘導コイル54aへの供給電力が0になっても前記磁気回路に残存する磁束である。
その後,前記一次電源70から出力される交流電圧がゼロクロス点からマイナス方向のピーク値に向かって上昇すると,図6の(6)に示すように,前記磁気回路の磁束は徐々にマイナス方向に大きくなってマイナス方向の飽和磁束に到達する。
さらに,前記一次電源70から出力される交流電圧がゼロクロス点からプラス方向のピーク値に向かって上昇すると,図6の(8)に示すように,前記磁気回路の磁束は徐々にプラス方向に大きくなってプラス方向の飽和磁束に到達する。
このとき,前記定着装置5では,前記一次電源70から出力される交流電圧のゼロクロス点の検出時点から所定時間T2の経過後から所定時間T3の間において,前記磁気回路の磁束が最も小さい0近傍の値となる。
そこで,当該定着装置5’では,前記ゼロクロス点の検出時点から前記所定時間T2が経過した後から前記所定時間T3経過後までの間を,前記磁気回路の磁束が0近傍の所定範囲内である条件として設定している。
具体的に,前記CPU71は,図7に示すように,磁路幅変更処理において,前記一次電源70から出力される交流電圧(図7(a1))に周期的に発生するゼロクロス点が前記ゼロクロス回路80によって検出されると(時点t1),その時点t1から所定時間T2経過後のt12から,所定時間T3が経過するt13までの間,即ち前記磁気回路の磁束が0近傍の所定範囲内である間(図6参照),前記コア駆動モータ55に駆動信号を出力することにより該コア駆動モータ55を回転させる(図7(d))。
その後,前記CPU71は,前記センターコア541を所望の位置に回転させるまで,例えば前記磁気回路を形成する磁性体コアをA3サイズに対応する前記磁性体コア541aからA4サイズに対応する前記磁性体コア541cに切り換えるまでの間,当該処理を繰り返し実行することにより,前記加熱ローラ53の誘導加熱を継続しながら前記センターコア541を徐々に回転させる。
これにより,前記定着装置5’においても,前記センターコア541の回転が,前記磁気回路の磁束が0近傍の所定範囲内であることを条件に行われるため,該センターコア541の回転による磁気回路の特性の変化による前記誘導コイル54aへの通電回路上における過電流などを防止することができる。もちろん,前記センターコア541の回転中における前記加熱ローラ53の温度低下も防止される。
このような構成によれば,前記CPU71は,前記磁束検出回路による検出結果に基づいて前記磁気回路の磁束が0近傍の所定範囲内であるか否かを判断することができ,該検出結果に基づいて前記コア駆動モータ55の駆動タイミングを制御することができる。即ち,前記磁束検出回路によって検出されている磁束が周期的に0近傍の所定範囲内に属することを条件に前記コア駆動モータ55を回転させることにより,該コア駆動モータ55を断続的に回転させればよい。
これにより,前記加熱ローラ53の温度低下を防止すると共に,前記誘導コイル54aへの通電回路上における過電流などを防止しつつ,前記センターコア541を回転させて前記磁気回路の幅を変更することができる。
2…画像読取部
3…画像処理部
4…画像形成部
5…定着装置
6…制御部
7…加熱制御部
50…用紙搬送路
51…定着ローラ
51a…加圧ローラ
52…定着ベルト
53…加熱ローラ(被加熱部材の一例)
54…誘導加熱部
54a…誘導コイル
54b…磁性体コア
541…センターコア
541a〜541c…磁性体コア
541d…回転軸(支持部材の一例)
542…外部コア
55…コア駆動モータ(磁路幅変更手段の一例)
70…一次電源
71…CPU
72…IGBTゲート駆動回路
73…IGBT
74…定着高温検知回路
75…保護動作回路
76…リレーコイル
77…リレー接点
78…サーミスタ
79…サーモスタット
80…ゼロクロス回路(ゼロクロス検出手段の一例)
X…複写機(画像形成装置の一例)
Claims (6)
- 電力供給を受けて磁束を発生させる誘導コイルと,交流電源から前記誘導コイルへの供給電力のスイッチング制御を行う電力供給制御手段と,前記誘導コイルで発生した磁束を被加熱部材に導く磁気回路を形成する磁性部材と,前記磁性部材を移動させることで前記磁気回路の幅を変更する磁路幅変更手段とを備えてなる定着装置であって,
前記磁路幅変更手段により前記磁気回路の幅が変更される際,前記電力供給制御手段によるスイッチング制御を実行させつつ,該電力供給制御手段のスイッチング制御により周期的に変化する前記磁気回路の磁束が予め設定された0近傍の所定範囲内であることを条件に前記磁路幅変更手段による前記磁性部材の移動を実行させることによって,前記磁気回路の磁束が周期的に前記所定範囲内となる毎に前記磁気回路の幅を断続的に変更させる磁路幅変更制御手段を備えてなることを特徴とする定着装置。 - 前記被加熱部材の温度又は前記被加熱部材からの伝熱によって加熱される第二の被加熱部材の温度を検出する温度検出手段を更に備えてなり,
前記電力供給制御手段が,前記温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記スイッチング制御を行うものである請求項1に記載の定着装置。 - 前記交流電源から出力される交流電圧を半波整流又は全波整流する整流回路と,前記交流電源又は前記整流回路からの出力電圧に周期的に発生するゼロクロス点を検出するゼロクロス検出手段とを更に備えてなり,
前記電力供給制御手段が,前記整流回路から前記誘導コイルへの供給電力のスイッチング制御を行うものであって,
前記磁路幅変更制御手段が,前記ゼロクロス検出手段によるゼロクロス点の検出時点から所定時間経過後までの間,前記磁気回路の磁束が前記所定範囲内であると判断するものである請求項1又は2のいずれかに記載の定着装置。 - 前記磁気回路に作用している磁束を検出する磁束検出手段を更に備えてなり,
前記磁路幅変更制御手段が,前記磁束検出手段によって検出された磁束が前記所定範囲内であるか否かを判断するものである請求項1又は2のいずれかに記載の定着装置。 - 前記磁性部材が,前記被加熱部材の長手方向に長さの異なる複数の磁性体コアと,前記複数の磁性体コアを周方向に並設支持する支持部材とを有してなり,
前記磁路幅変更手段が,前記支持部材を回転駆動させて前記複数の磁性体コアの位置を移動させることにより前記磁気回路の幅を変更するものである請求項1〜4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置を備えてなる画像形成装置。
Priority Applications (1)
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