JP5210248B2 - 作業機の油圧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行機体に付設のリフトアームで支持された作業装置を、昇降用シリンダで駆動昇降自在に構成するとともに、前記走行機体に対して前後軸心回りでローリング自在に支持した前記作業装置を、ローリング用シリンダでローリング制御可能に構成してある作業機の油圧装置に関する。
この種の作業機の油圧装置としては、下記[1]に記載の構造のものが従来より知られている。
[1]ポンプからの吐出油を、昇降用シリンダへの圧油供給路と、ローリング用シリンダへの圧油供給路とに分配供給可能に構成し、その分配供給を、ポンプから前記両圧油供給回路への分岐箇所に設けたフロープライオリティバルブで行い、ローリング用シリンダ側へ制御流を供給し、昇降用シリンダ側へ余剰流を供給するように構成したもの(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−92911号公報(段落番号0048、0049、図3)
上記[1]に示す従来構造のものでは、前記フロープライオリティバルブを介して、昇降用シリンダへの圧油供給路とローリング用シリンダへの圧油供給路とに、ポンプからの吐出油を分配供給可能に構成したものであるから、昇降用シリンダへの圧油供給路とローリング用シリンダへの圧油供給路との、何れに対しても常時ポンプ吐出油を供給することができる。特に、ローリング用シリンダ側へは、余剰流のように大きく流量の変動する圧油ではなく、制御流を供給するようにしているので、使用頻度が高いローリング用シリンダ側へは常時必要な流量の圧油を確保でき、昇降用シリンダが使用されているときに、ローリング用シリンダ側への供給油量が不足してローリング作動が良好に行えないというような不具合を招くことがなく、便利に用いることができる点では有用なものである。
しかしながら、上記従来構造のものでは、制御流としてローリング用シリンダへの圧油供給路側へ供給される油量は、昇降用シリンダ側へは供給することができないので、その分、昇降用シリンダ側の油量を多く確保したい場合は、ポンプ容量そのものを大きくする必要があった。
本発明の目的は、ローリング制御弁側へ制御流による圧油を供給して、昇降制御弁側での作動状態に関わりなく常にローリング制御が的確に行われる状態を維持しながら、ローリング制御が行われないローリング制御弁の中立位置操作時は、流量分配弁よりも上流側の圧油の全量を昇降制御弁側へ送り込み可能にして、圧油の有効利用を図り、かつ昇降用シリンダの作動ショックを少なくできるようにすることにある。
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、走行機体に連結された作業装置を昇降用シリンダで駆動昇降自在に構成するとともに、前記作業装置をローリング用シリンダでローリング制御可能に構成してある作業機の油圧装置において、前記昇降用シリンダへの圧油供給路に昇降制御弁を備え、前記ローリング用シリンダへの圧油供給路にローリング制御弁を備え、前記ローリング制御弁は、前記ローリング用シリンダに対して作動油を供給して前記ローリング用シリンダからの戻り油を油タンクに導く給排位置と、前記ローリング用シリンダに対する圧油の給排を停止する中立位置とに切換自在に構成され、前記昇降制御弁と前記ローリング制御弁との双方に対して圧油を分配供給可能な分配供給位置と、ローリング制御弁側のみへ圧油を供給するローリング供給位置とに、圧油の供給形態を切換制御する流量分配弁を備え、前記ローリング制御弁を給排位置に切り換え且つ前記流量分配弁を分配供給位置に切り換えている場合に、前記ローリング用シリンダが操作限界位置に達すると、前記流量分配弁への圧油を油タンク側へ排出するリリーフ弁が前記流量分配弁への圧油供給路に設けられ、前記リリーフ弁により油タンク側へ圧油が排出されると、前記ローリング制御弁を給排位置から中立位置に戻し、かつ、前記ローリング用シリンダが操作限界位置に達するに伴いローリング供給位置に操作されている前記流量分配弁を分配供給位置に切換操作するように制御するとともに、前記リリーフ弁の油タンク側へ排出作動中に前記昇降制御弁が操作されると、その昇降制御弁による昇降用シリンダ側への圧油供給量の増加率を、前記リリーフ弁の油タンク側への排出作動中以外の時点で操作されるときの圧油供給量の増加率よりも緩やかになるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
〔作用及び効果〕
上記のように、解決手段1にかかる本発明の作業機の油圧装置では、昇降用シリンダへの圧油供給路に昇降制御弁を備え、ローリング用シリンダへの圧油供給路にローリング制御弁を備え、前記昇降制御弁とローリング制御弁との双方に対して圧油を分配供給可能な分配供給位置と、ローリング制御弁側のみへ圧油を供給するローリング供給位置とに、圧油の供給形態を切換制御する流量分配弁を備えている。
このように、ローリング供給位置と分配供給位置とに圧油の供給形態を切換制御する流量分配弁を備えたことにより、ローリング用シリンダ側へ制御流を供給するようにして、使用頻度が高いローリング用シリンダ側へ常時必要な流量の圧油を確保し、昇降用シリンダが使用されているときにローリング用シリンダ側への供給油量が不足してローリング作動が良好に行えないというような不具合を避け得て、ローリング制御の安定化を図ることができる。
上記のように、使用頻度が高いローリング用シリンダ側へ常時必要な流量の制御流を供給し、昇降用シリンダ側へは余剰流を供給する流量分配弁を設けた場合に、その流量分配弁を、前記ローリング制御弁がローリング用シリンダ側への圧油供給を停止する中立位置に操作されると、これに伴って前記流量分配弁よりも上流側の圧油の全量が前記昇降制御弁側の圧油供給回路へ供給される状態に切り換え可能に構成すれば、前記上流側の圧油の全量を昇降用シリンダ側へ供給することができる。
しかしながら、このように構成すると、次のような新たな問題点がある。
便宜上、本発明の図面、「図4乃至図6」に記載の符号を用いて説明すると、流量分配弁38が分配供給位置38cにあって、ローリング制御弁(電磁比例弁39)が上昇側位置39uまたは下降側位置39dに操作されている状態で、ローリング用シリンダ11がストロークエンドにまで操作されると、流量分配弁38の両端に作用するパイロット圧力が等しくなって、流量分配弁38はスプリング38dによってローリング制御弁供給位置38aに戻され、一時的に行き場を失ったポンプ26からの吐出油はリリーフ弁36を介してタンクT側へ戻される。このままでは、昇降制御弁42側にも圧油が供給されないのでローリング制御弁(電磁比例弁39)は中立位置に戻され、これに伴って流量分配弁38が分配供給位置38cに戻された状態となる。
このとき、ポンプ26からの吐出油がリリーフ弁36を介してタンクT側へ戻されている状況で、ローリング制御弁(電磁比例弁39)が中立位置39cに戻るまでのごく僅かな時間間隔ではあるが、この時間間隔内で昇降用シリンダ9を上昇させるように昇降制御弁42が操作されると、流量分配弁38の分配供給位置38c側への切り替わりにともなって、流量分配弁38よりも上流側の圧油の全量が一気に昇降用シリンダ9側へ送り込まれ、昇降用シリンダ9の作動にショックを生じる虞がある。
上記の解決手段1にかかる本発明の作業機の油圧装置では、ローリング用シリンダ11が操作限界位置に達して流量分配弁38への圧油供給路に設けられているリリーフ弁36が圧油を油タンクT側へ排出すると、ローリング制御弁(電磁比例弁39)を中立位置39cに戻し、かつ、流量分配弁38を分配供給位置38cに切換操作するように制御する制御手段14Aを備えている。
これによって、流量分配弁38から制御流としてローリング用シリンダ11側へ供給されていた油量も、昇降用シリンダ9側へ供給することが可能となり、昇降用シリンダ9側の油量をより多く確保することができるようになった。したがって、ポンプ26容量自体を大きくする必要なく昇降用シリンダ9を操作性良く作動させられる利点がある。
しかも、前記制御手段14Aでは、リリーフ弁36の油タンクT側へ排出作動中に前記昇降制御弁42が操作されると、その昇降制御弁42による昇降用シリンダ9側への圧油供給量の増加率を、前記リリーフ弁36の油タンクT側への排出作動中以外の時点で操作されるときの圧油供給量の増加率よりも緩やかになるように制御している。
したがって、ローリング用シリンダ11が操作限界位置に達してポンプ26からの吐出油がリリーフ弁36を介してタンクT側へ戻されている状況で、ローリング制御弁(電磁比例弁39)が中立位置に戻るまでの時間間隔内で、昇降制御弁42が昇降用シリンダ9を上昇させる側に操作されても、その昇降制御弁42による昇降用シリンダ9側への圧油供給量の増加率を緩やかにして、昇降用シリンダ9の作動時のショックを軽減できる利点がある。
トラクタの全体右側面図 トラクタおける後部の縦断右側面図 トラクタの制御系を示すブロック図 昇降・ローリング用の油圧機構の構成を示す油圧回路図 流量分配弁の動作を示す油圧回路図 流量分配弁の動作を示す油圧回路図 制御系の作動を示すタイムチャート
以下、本発明に係る作業機の油圧装置を、作業機の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1はトラクタの全体右側面図である。この図に示すように、トラクタは、その前部にエンジン1を搭載してある。エンジン1には、フレーム兼用のミッションケース2を、エンジン1の後部から車体後方に向けて延出するように連結してある。エンジン1の左右両側方には、左右一対の前輪3を操舵可能かつ駆動可能に配備してある。ミッションケース2における後部の左右両側方には、左右一対の後輪4を駆動可能かつ制動可能に配備してある。ミッションケース2の上方には、前輪操舵用のステアリングホイール5や運転座席6などを配備して搭乗運転部7を形成してある。
図2はトラクタおける後部の縦断右側面図、図3はトラクタの昇降制御構造及びローリング制御構造を示す図である。図1〜3に示すように、ミッションケース2の後部には、このトラクタの後部に連結するロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置(図示せず)の昇降操作を可能にする左右一対のリフトアーム8や、対応するリフトアーム8を上下方向に揺動駆動する左右一対の昇降用シリンダ9などを配備してある。
右側のリフトアーム8は、作業装置連結用としてミッションケース2の後端右下部に上下揺動可能に連結した右側の下部リンク10にローリング用シリンダ11を介して連結してある。左側のリフトアーム8は、作業装置連結用としてミッションケース2の後端左下部に上下揺動可能に連結した左側の下部リンク10に連係ロッド12を介して連結してある。左右の昇降用シリンダ9には単動型の油圧シリンダを採用し、ローリング用シリンダ11には複動型の油圧シリンダを採用してある。
つまり、このトラクタは、左右の昇降用シリンダ9に対する作動油の流れを切り換えて、左右の昇降用シリンダ9を伸縮作動させることにより、作業装置を昇降駆動することができる。又、ローリング用シリンダ11に対する作動油の流れを切り換えて、ローリング用シリンダ11を伸縮作動させることにより、作業装置をローリング駆動することができる。
左右の昇降用シリンダ9及びローリング用シリンダ11に対する作動油の流れは、昇降・ローリング用の油圧機構13の作動によって切り換える。油圧機構13の作動は、制御装置14によって制御される。
〔昇降・ローリング制御〕
上記昇降・ローリング用の油圧機構13の作動を制御する制御装置14は次のように構成されている。
制御装置14は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、各種入力信号に基づいて前記油圧機構13に対して出力する制御指令を制御プログラムとして備えた制御手段14Aと、昇降制御用のデータ、及びローリング制御用のデータを記憶する記憶手段14Bとを備えている。
まず、昇降制御関係について説明する。
搭乗運転部7における運転座席6の右側方の位置に位置保持可能に配備してある(図1参照)第1昇降レバー15を操作することにより、このトラクタの後部に連結した作業装置を、その第1昇降レバー15の操作位置に応じた高さ位置に位置させることができる。
つまり、制御手段14Aは、作業装置昇降用の第1昇降レバー15の操作位置を検出する第1レバーセンサ16の出力と、リフトアーム8の揺動角を検出するアームセンサ17の出力と、それらの出力を対応させた昇降用の相関関係データとに基づいて、リフトアーム8の揺動角が第1昇降レバー15の操作位置に対応するように油圧機構13の作動を制御する。
前記第1レバーセンサ16及びアームセンサ17は、回転式のポテンショメータで構成されている。また、前記昇降用の相関関係データは、昇降制御用のデータとして制御装置14に備えたEEPROMなどからなる不揮発性の記憶手段14Bに記憶してある。尚、前記昇降用の相関関係データには、前記第1レバーセンサ16側の出力と対応するアームセンサ17側の出力として、予め設定したマップデータなどを採用することができる。
制御手段14Aは、作業装置昇降用の第2昇降レバー18の操作を検出する第2レバーセンサ19の出力に基づいて、第2昇降レバー18の上方への操作を検知した場合には、作業装置の上昇限界位置を設定する上限設定器20の出力と、アームセンサ17の出力とに基づいて、リフトアーム8の揺動角が作業装置の設定上限位置に対応するように油圧機構13の作動を制御する。
逆に、第2昇降レバー18の下方への操作を検知した場合には、第1レバーセンサ16の出力と、アームセンサ17の出力と、昇降用の相関関係データとに基づいて、リフトアーム8の揺動角が第1昇降レバー15の操作位置に対応するように油圧機構13の作動を制御する。
つまり、第2昇降レバー18を操作することにより、このトラクタの後部に連結した作業装置の高さ位置を、上限設定器20により設定した作業装置の上昇限界位置と、第1昇降レバー15により設定した作業装置の高さ位置とに切り換えることができる。
尚、第2昇降レバー18は、中立復帰型で、搭乗運転部7におけるステアリングホイール5の右下方の位置に配備してある(図1参照)。第2レバーセンサ19には、第2昇降レバー18の上方への揺動操作に連動して閉操作される常開型の第1接点と、第2昇降レバー18の下方への揺動操作に連動して閉操作される常開型の第2接点とを備えたスイッチを利用して構成したものなどを採用することができる。上限設定器20は搭乗運転部7における運転座席6の右側方の位置に配備してある。上限設定器20は回転式のポテンショメータで構成されている。
制御手段14Aは、作業装置の下降時に、作業装置の作業深さを検出するように作業装置に備えた作業深さセンサ(図示せず)の出力に基づいて、作業装置の接地を検知した場合には、その作業深さセンサの出力と、作業装置の作業深さを設定する作業深さ設定器21の出力とに基づいて、作業装置の作業深さが設定作業深さに対応するように油圧機構13の作動を制御する。
つまり、このトラクタの後部に、作業深さセンサを備えたロータリ耕耘装置などの接地作業式の作業装置を連結した場合には、作業装置の作業深さを、作業深さ設定器21により設定した作業深さに維持することができる。
尚、作業深さ設定器21は搭乗運転部7における運転座席6の右側方の位置に配備してある。作業深さ設定器21には回転式のポテンショメータなどを採用することができる。作業深さセンサには、回転式のポテンショメータを利用して構成したものや、超音波センサを利用して構成したものなどを採用することができる。
次に、ローリング制御関係について説明する。
このトラクタには、トラクタ本体のローリング角度を検出する角度センサ22と、トラクタ本体のローリング角速度を検出する角速度センサ23とを装備してある。
制御手段14Aは、角度センサ22の出力と角速度センサ23の出力とに基づいて、トラクタの実際のローリング角度を算出する。又、その算出値と、作業装置のローリング目標角度を設定する角度設定器24の出力と、トラクタに対する作業装置のローリング角度とローリング用シリンダ11の長さとを対応させたローリング用の相関関係データとに基づいて、ローリング用シリンダ11の目標長さを設定する。
そして、その設定値と、ローリング用シリンダ11の長さを検出するストロークセンサ25の出力とに基づいて、ストロークセンサ25の出力が設定値に対応するように油圧機構13の作動を制御する。これにより、作業装置を角度設定器24で設定した目標ローリング角度に維持することができる。
ローリング角度を検出する角度センサ22には重水式の角度センサなどを採用することができる。ローリング角速度を検出する角速度センサ23には振動式のジャイロセンサなどを採用することができる。前記角度設定器24は搭乗運転部7における運転座席6の右側方の位置に配備してある。角度設定器24には回転式のポテンショメータなどを採用することができる。ローリング用シリンダ11の長さを検出するストロークセンサ25には摺動式のポテンショメータなどを採用することができる。
また、ローリング用の相関関係データは、ローリング制御用のデータとして制御装置14に備えたEEPROMなどからなる不揮発性の記憶手段14Bに記憶してある。このローリング用の相関関係データには、前記作業装置のローリング目標角度を設定する角度設定器24の出力と対応する、前記ローリング用シリンダ11側のストロークセンサ25の出力として予め設定したマップデータなどを採用することができる。
〔油圧回路〕
昇降・ローリング用の油圧機構13は、図4に示すように、エンジン1からの動力で作動する油圧ポンプ26に対して、第1供給油路27及び第2供給油路28を介して接続された第1バルブユニット29と、その第1バルブユニット29に対して接続された第2バルブユニット33との組み合わせで構成されている。
前記第1バルブユニット29には、一対の第1給排油路30及び一対の第2給排油路31を介してローリング用シリンダ11を接続し、かつ、第3供給油路32を介して第2バルブユニット33を接続してある。第2バルブユニット33には、第3給排油路34及び左右一対の第4給排油路35を介して左右の昇降用シリンダ9を接続してある。
第2供給油路28には、リリーフバルブ36を接続してある。又、第2供給油路28、一対の第1給排油路30、第3供給油路32、及び第3給排油路34には、それぞれオイルフィルタ37を介装してある。
第1バルブユニット29は、油圧ポンプ26からの作動油を昇降用とローリング用とに分流するパイロット操作式の分流バルブ(流量分配弁の一例)38、ローリング用の電磁比例バルブ(ローリング制御弁の一例)39、シーケンスバルブ40、及び高圧選択弁53を、それらのバルブボディ38A〜40Aを一体形成した一体構造に構成してある。電磁比例バルブ39には一対の第1排出油路41を接続してある。
第2バルブユニット33は、パイロット操作式の上昇用比例バルブ42、上昇用比例バルブ42に対するパイロット圧調整用の上昇用パイロットバルブ43、パイロット操作式の下降用比例バルブ44、下降用比例バルブ44に対するパイロット圧調整用の下降用パイロットバルブ45、パイロット圧調整用のシャトルバルブ46、及びアンロードバルブ47を、共通のバルブボディ48Aに組み入れて構成したモノブロック形の昇降用比例バルブ(昇降制御弁の一例)48と、その昇降用比例バルブ48のバルブボディ48Aに一体形成した、チェックバルブ49と、絞りバルブ50とで構成されている。つまり、チェックバルブ49のバルブボディ49Aと絞りバルブ50のバルブボディ50Aとが昇降用比例バルブ48のバルブボディ48Aに一体に形成されたものである。
前記下降用比例バルブ44には第2排出油路51を接続し、アンロードバルブ47には第3排出油路52を接続してある。
前記チェックバルブ49は、上昇用比例バルブ42から左右の昇降用シリンダ9への作動油の流動を許容し、左右の昇降用シリンダ9から上昇用比例バルブ42への作動油の流動を阻止するように構成され、前記絞りバルブ50は、左右の昇降用シリンダ9から下降用比例バルブ44に向けて流れる作動油の流量を制限して左右のリフトアーム8(作業装置)の下降速度を調整するように構成されている。
前記分流バルブ38は、ローリング用の電磁比例バルブ39の作動に基づいて、電磁比例バルブ39がローリング用シリンダ11に対する作動油の給排を阻止している場合には、全油量を第2バルブユニット33に供給し、電磁比例バルブ39がローリング用シリンダ11に対する作動油の給排を許容している場合には、予め設定したローリング用シリンダ11に対する限界流量を上限にして、ローリング用シリンダ11の作動に必要な油量を、電磁比例バルブ39を介してローリング用シリンダ11に供給し、残りの油量を第2バルブユニット33に供給するように構成してある。
つまり、前記分流バルブ38は、油圧ポンプ26から供給される上流側の作動油を、予め設定した限界流量を上限にして、ローリング用シリンダ11への供給回路側へ供給し、昇降用シリンダ9側へは作動油の供給を行わないローリング供給位置38aと、油圧ポンプ26からの全吐出油量のうち、前記ローリング用シリンダ11への供給回路側へは前記限界流量を上限とし、昇降用シリンダ9への供給回路側へは残りの全量を振り分けて、共に供給することが可能な分配供給位置38cと、昇降用シリンダ9への供給回路側へ供給し、ローリング用シリンダ11側へは作動油の供給を行わない昇降供給位置38bとを備えている。
そして、この分流バルブ38の昇降供給位置38b側に、分流バルブ38よりも作動油供給方向での下流側で電磁比例バルブ39よりは上流側の流路から導出されたパイロット圧を作用させるように、第1パイロット通路PL1が設けてある。
また、前記分流バルブ38のローリング供給位置38a側には、ローリング用シリンダ11の負荷圧力を作用させるように第2パイロット通路PL2を設けてある。つまり、前記第1バルブユニット29に、ローリング用シリンダ11の負荷圧力を導く第3パイロット通路PL2u,PL2dと、その第3パイロット通路PL2u,PL2dの高圧側を選択する高圧選択弁53とが備えられ、高圧選択されたパイロット圧力を分流バルブ38のローリング供給位置38a側に作用させるように、前記第3パイロット通路PL2u,PL2dに対して前記第2パイロット通路PL2が接続されている。
さらに、分流バルブ38のローリング供給位置38a側には、ローリング供給位置38a側から昇降供給位置38b側に向けて分流バルブ38を押し付け付勢する付勢バネ38dを設けている。
前記電磁比例バルブ39は、ローリング用シリンダ11の上昇側室11uに対して作動油を供給し、ローリング用シリンダ11の下降側室11dからの戻り油を油タンクTに導く上昇側位置39u(給排位置に相当する)と、ローリング用シリンダ11の下降側室11dに対して作動油を供給し、ローリング用シリンダ11の上昇側室11uからの戻り油を油タンクTに導く下降側位置39d(給排位置に相当する)と、ローリング用シリンダ11に対する圧油の給排を停止する中立位置39cとを備えて、前記制御装置14の制御手段14Aからの操作信号で切換操作可能に構成されている。
〔油圧回路での制御動作〕
電磁比例バルブ39が上昇側位置39u、または下降側位置39dに操作されている場合には、ローリング用シリンダ11の負荷圧力が第3パイロット通路PL2u,PL2dに伝わり、高圧選択弁53、第2パイロット通路PL2を経て分流バルブ38のローリング供給位置38a側に作用する。
さらに、分流バルブ38のローリング供給位置38a側には、ローリング供給位置38a側から昇降供給位置38b側に向けて分流バルブ38を押し付け付勢する付勢バネ38dの付勢力が作用している。
このため分流バルブ38は、前記付勢バネ38dの付勢力と前記負荷圧力による油圧力との合計が、前記昇降供給位置38b側に作用する電磁比例弁39の上流圧力による油圧力とが釣り合うように、分流バルブ38の中間部に設けられた分配供給位置38cでの絞り量を調節可能に構成されている。(図5(a)、及び図5(b)参照)
すなわち、電磁比例バルブ39を上昇側位置39u、または下降側位置39dに操作してローリング用シリンダ11に対する圧油の給排を行っている定常状態でのローリング制御中は、図5(a)に示すように、分流バルブ38は、分配供給位置38cにあって、付勢バネ38dの付勢力とローリング用シリンダ11の負荷圧力による油圧力との合計が、前記昇降供給位置38b側に作用する電磁比例弁39の上流圧力による油圧力とが釣り合うように制御している。
そして、前記ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達して急激に負荷圧力が増大したり、走行路面の凹凸などによってローリング用シリンダ11に作用する負荷圧力が急激に増大した場合などには、図5(b)に示すように、分流バルブ38が過渡的にローリング供給位置38a側に操作される場合がある。
前記負荷圧力の急増が走行路面の凹凸などの自然に解消するものであれば、その負荷圧力の変動の解消とともに元の分配供給位置38cに戻るように制御される。また、ストロークエンドに達して生じた負荷圧力であれば、そのストロークエンドの検出に伴って前記電磁比例バルブ39が、図6(a)、(b)に示すように中立位置39cに操作されるので、これにともなって分流バルブ38も後述するように分配供給位置38cに操作されることになる。
前記電磁比例バルブ39がローリング用シリンダ11に対する圧油の給排を停止する中立位置39cに操作された場合には、分流バルブ38は次のように操作される。
電磁比例バルブ39が中立位置39cに操作されると、第3パイロット通路PL2u,PL2dがともにタンクTに通じるので、第2パイロット通路PL2を経て分流バルブ38のローリング供給位置38a側に作用していたパイロット圧が消失する。これによって、分流バルブ38は、昇降供給位置38b側に作用する第1パイロット通路PL1のパイロット圧が、他端側の付勢バネ38dの付勢力に打ち勝って、分流バルブ38を中間の分配供給位置38c側、もしくは昇降供給位置38b側に切換操作するように構成されている。(図6(a)、及び図6(b)参照)
図6(a)に示すように、電磁比例バルブ39が中立位置39cに操作された状態で分流バルブ38が分配供給位置38cに操作されると、ローリング用シリンダ11側へは圧油の給排が停止されているので、油圧ポンプ26側から供給される圧油は、その全量が第2バルブユニット33側へ供給される。
また、図6(b)に示すように、電磁比例バルブ39が中立位置39cに操作された状態で分流バルブ38が昇降供給位置38b側に操作された場合にも、ローリング用シリンダ11側へは圧油の給排が停止されているので、油圧ポンプ26側から供給される圧油は、その全量が第2バルブユニット33側へ供給される。ただし、このような状態は、例えば、図5(a)又は図5(b)に示すように、電磁比例バルブ39を上昇側位置39u、または下降側位置39dに操作してローリング用シリンダ11に対する圧油の給排を行っていた状態から、電磁比例バルブ39を急激に中立位置39cに操作した直後などの特異な状況で過渡的に生じるものであって、その後、他端側の付勢バネ38dの付勢力によって分流バルブ38は分配供給位置38c側に操作され、結局、図6(a)に示す状態になる。
前記分流バルブ38よりも圧油供給方向での上流側に設けてあるリリーフバルブ36は、ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達した場合や、前記電磁比例バルブ39が中立位置39cに操作されて、油圧ポンプ26から供給される作動油の行き場が失われたときに、第1供給油路27及び第2供給油路28の圧油を油タンクT側へ排出し得るようにリリーフ圧を設定してある。そして、第2バルブユニット33の第3供給油路32に設けられるアンロードバルブ47は、上昇用比例バルブ42が中立位置42aのとき、アンロードバルブ47のバネ室がタンク通路(第2排出油路51)に通じるため、第3供給油路32の圧力をアンロードさせる。
上昇用比例バルブ42が上昇位置42bのとき、アンロードバルブ47のバネ室には昇降シリンダ9の負荷圧力が導かれるため、第3供給油路32の圧力を、「Pu(第3供給油路32の圧力)=Pf(昇降シリンダ9の負荷圧力)+Ps(バネ47cの付勢力に対抗する圧力)」に制御する。
リリーフバルブ36のリリーフ圧力は、前記の「Pf+Ps」よりも高く設定されているので、電磁比例バルブ39が中立位置39cに操作されている場合は、第2バルブユニット33の第3供給油路32がオンロード状態かアンロード状態かによらず、分流バルブ38は分配供給位置38cに制御され、油圧ポンプ26からの供給作動油は、その全量が第3供給油路32側に供給される。
前記ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達した場合、リリーフバルブ36のリリーフ作動はローリング用シリンダ11がストロークエンドに達すると同時的に生じる。
そして、制御装置14の前記制御手段14A側では、ストロークセンサ25の検出信号が入力されると、同時に電磁比例バルブ39を中立位置39cに戻し操作するように制御指令を出力するのではなく、ストロークセンサ25によるストロークエンドの検出信号が所定時間dt続いたことが確認されると、その所定時間dt後に電磁比例バルブ39を中立位置39cに戻し操作する制御指令を出力するようにプログラム設定されている。この所定時間dtの遅れは前記ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達した状態であることを確実に認識するためのものである。
上記のように構成された前記分流バルブ38と電磁比例バルブ39と、前記制御装置14の制御手段14Aとが、互いに連係作動して油圧ポンプ26からの作動油を、昇降用シリンダ9への供給回路側とローリング用シリンダ11への供給回路側に分配供給する流量分配手段を構成している。
そして、制御手段14Aでは、上記の分流バルブ38と電磁比例バルブ39、及び、リリーフバルブ36と関係して、前記第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42の作動を次のように制御している。
すなわち、図7に示すように、ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達した時点t0と同時的に、リリーフバルブ36が開き、リリーフ作動する。このとき、ストロークセンサ25によるストロークエンドの検出信号が制御手段14Aに入力されるが、この時点t0では制御手段14Aからは未だ電磁比例バルブ39を中立位置39cに戻し操作する制御指令は出力されない。
そして、ストロークセンサ25からの検出信号を入力された制御手段14Aは、ストロークエンドの検出信号発生時点t0から、予め設定された所定時間dt経過後の時点t1に、電磁比例制御弁39に対して中立位置39cへの戻し操作指令を出力する。
電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作されると、同時的に分流バルブ38が分配供給位置38cに切換操作される。
そうすると、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻されていて、ローリング用シリンダ11側へは圧油が供給されないので、油圧ポンプ26からの吐出油の全量が昇降用シリンダ9側の圧油供給回路である第2バルブユニット33の第3供給油路32に送り込まれることになる。そして、この第3供給油路32に設けられたアンロードバルブ47が作動し、分流バルブ38よりも上流側の第1供給油路27及び第2供給油路28の回路圧を下げ、リリーフバルブ36が閉じられることになる。
このとき、ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達したことをストロークセンサ25で検出した時点t0と、前記所定時間dtを経て電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作された時点t1との間、つまり、リリーフバルブ36がリリーフ作動している間に、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42が操作されると、上昇用比例バルブ42は次のように制御される。
つまり、図7に示すように、上昇用比例バルブ42は、その操作開始時点t2から昇降用シリンダ9の上昇作動を滑らかに行わせるように、徐々に弁開度を大きくして圧油供給量を緩やかに増すように制御されている。このとき、前記操作開始時点t2から電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1に達するまでの間では、分流バルブ38が昇降供給位置38bではなく、ローリング供給位置38aに操作されている状態であるから、第2バルブユニット33の第3供給油路32には圧油が送り込まれていない。
このため、前記操作開始時点t2と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間における経過時間t3内で徐々に弁開度を大きくし始めた第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42は、圧油が供給され始める前記時点t1では、図7中に「上昇用比例バルブの動作(1)」で示す開度表示線L1上の開度h1として示すように、既にある程度開放された状態となっている。
この状態で第2バルブユニット33の第3供給油路32に圧油が送り込まれてくると、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42は、閉止状態から弁開度を徐々に開き始めるのではなく、図7に示すように、前記経過時間t3を過ぎて開度h1、または開度h2に、ある程度開かれた状態からさらに開度を増すように操作される。
上記の開度h1は、ストロークセンサ25でストロークエンドに達したことが検出された時点t0と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間、つまり、リリーフバルブ36がリリーフ作動している間に、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42が操作された場合における圧油供給量の増加率を緩やかにするように制御された状態での開度を示している。
また、図7には、「上昇用比例バルブの動作(2)」で示す開度表示線L2上の開度h2として、上昇用比例バルブ42が既にある程度開放された別の状態を示している。
前記開度h2は、上記のような、ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達したことがストロークセンサ25で検出された時点t0と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間以外の、つまり、前記時点t0と前記時点t1との間で上昇用比例バルブ42が操作されるのではなく、前記リリーフバルブ36がリリーフ作動している間ではない時点で、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42が操作された場合における制御状態での開度を示している。
ただし、この「上昇用比例バルブの動作(2)」で示す開度表示線L2は、上述のような、ローリング用シリンダ11がストロークエンドに達したことがストロークセンサ25で検出された時点t0と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間、つまり、リリーフバルブ36がリリーフ作動している間に、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42が操作された場合、を示すのではない。つまり、前記時点t0と前記時点t1との間ではなく、かつ前記リリーフバルブ36がリリーフ作動している間でもない時点に上昇用比例バルブ42が操作された場合、の開度表示線L2を示しているので、上昇用比例バルブ42の操作時期としては図7に正しく表示されたものではないが、前記「上昇用比例バルブの動作(1)」で示す開度表示線L1との対比を行い易くするために同一タイムチャート上に記載している。
この開度表示線L2上において、上昇用比例バルブ42の操作開始時点を、開度表示線L1上における上昇用比例バルブ42の操作開始時点と一致させた場合を仮定すると、前記時点t1では、上昇用比例バルブ42は開度h2だけ開放された状態となる。
このように、第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42は、その操作開始時期が、前述のように、ストロークセンサ25でストロークエンドに達したことが検出された時点t0と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間、つまり、リリーフバルブ36によって圧油が油タンクT側へ排出作動中であるか、否かによって、その開閉条件が変更されるように構成してある。
つまり、リリーフバルブ36によって圧油が油タンクT側へ排出作動中に上昇用比例バルブ42の操作が開始されると、図7で開度h1を有した「上昇用比例バルブの動作(1)」に示すように、開度表示線L1が緩やかに変化し、圧油供給量の増加率を、図7で開度h2を有した「上昇用比例バルブの動作(2)」に示す開度表示線L2で示される場合よりも緩やかになるように上昇用比例バルブ42の開閉操作を制御手段14Aによって制御している。
このように、ストロークセンサ25でストロークエンドに達したことが検出された時点t0と、電磁比例制御弁39が中立位置39cへ戻し操作される時点t1との間で徐々に弁開度を大きくし始めた第2バルブユニット33の上昇用比例バルブ42は、圧油が供給され始める時点t1では、図7中に開度h1として示したように、既にある程度は開放された状態となっているが、その開度h1は、上述の緩やかな増加率によるものであるため、非排出作動中における開度h2ほどは大きく開かれていない。
したがって、開度h1で開かれた範囲での圧油は一時的に流れるので、この開かれた範囲での油量によるショックは避けられないが、その開度h1が大きいものでないことから、ショックとしては無視できる程度の小さなもので済む。
本発明の油圧装置を適用する作業機としては、トラクタの他、乗用型田植機やコンバイン、あるいはモーアなどであっても良い。
9 昇降用シリンダ
11 ローリング用シリンダ
14A 制御手段
36 リリーフバルブ
38 流量分配弁(分流バルブ)
38a ローリング供給位置
38b 昇降供給位置
38c 分配供給位置
39 ローリング制御弁(電磁比例バルブ)
39u 上昇側位置
39d 下降側位置
39c 中立位置
42 昇降制御弁
T 油タンク

Claims (1)

  1. 走行機体に連結された作業装置を昇降用シリンダで駆動昇降自在に構成するとともに、前記作業装置をローリング用シリンダでローリング制御可能に構成してある作業機の油圧装置であって、
    前記昇降用シリンダへの圧油供給路に昇降制御弁を備え、前記ローリング用シリンダへの圧油供給路にローリング制御弁を備え、
    前記ローリング制御弁は、前記ローリング用シリンダに対して作動油を供給して前記ローリング用シリンダからの戻り油を油タンクに導く給排位置と、前記ローリング用シリンダに対する圧油の給排を停止する中立位置とに切換自在に構成され、
    前記昇降制御弁と前記ローリング制御弁との双方に対して圧油を分配供給可能な分配供給位置と、ローリング制御弁側のみへ圧油を供給するローリング供給位置とに、圧油の供給形態を切換制御する流量分配弁を備え、
    前記ローリング制御弁を給排位置に切り換え且つ前記流量分配弁を分配供給位置に切り換えている場合に、前記ローリング用シリンダが操作限界位置に達すると、前記流量分配弁への圧油を油タンク側へ排出するリリーフ弁が前記流量分配弁への圧油供給路に設けられ、
    前記リリーフ弁により油タンク側へ圧油が排出されると、前記ローリング制御弁を給排位置から中立位置に戻し、かつ、前記ローリング用シリンダが操作限界位置に達するに伴いローリング供給位置に操作されている前記流量分配弁を分配供給位置に切換操作するように制御するとともに、前記リリーフ弁の油タンク側へ排出作動中に前記昇降制御弁が操作されると、その昇降制御弁による昇降用シリンダ側への圧油供給量の増加率を、前記リリーフ弁の油タンク側への排出作動中以外の時点で操作されるときの圧油供給量の増加率よりも緩やかになるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする作業機の油圧装置。
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