JP5209490B2 - 溶液からペプチド及びタンパク質試料を調製するための装置及び方法 - Google Patents

溶液からペプチド及びタンパク質試料を調製するための装置及び方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、初期試料からペプチド及びタンパク質の試料を調製(精製及び/又は分離することを含む。)するための方法及び装置に関し、より具体的には、初期試料からのペプチド及び/又はタンパク質試料のこのような調製、分離及び/又は精製のためにカーボンナノチューブを使用するこのような装置に関する。
現在、小さな生物試料を分離し、精製し、又は調製するための多数の方法が存在する。現在、試料の調製は、スピンカラム、フィルター及び分離媒体が充填されたクロマトグラフィーカラムを使用して、並びにクロマトグラフィー材料などの分離媒体が充填され又は被覆されたピペットチップさえ使用して実施されている。これらの利用可能な装置を用いた試料調製は、遠心、重力、真空吸引及び圧力付加を通じて行われ、又はカラム若しくはチップを通じて、注射器を基礎とした若しくは圧力を基礎とした試料の送達によって行われる。このようなカラムは、ナノリットルからミリリットルの小さな試料容積の分離及び精製のために使用される。これらの方法を用いて精製された試料は、タンパク質、DNA、核酸及び他の生物学的分子などの生物分子を含有する試料などの試料のあらゆる種類であり得る。ゲルろ過、親和性、イオン交換、逆相及びシリカ又は修飾されたシリカ材料のようなクロマトグラフィー材料など(但し、これらに限定されない。)の現在利用可能なカラムにおいて、分離媒体の異なる多くの種類が使用されている。
また、生化学の分野では、多数の分析操作が開発されてきたが、これらの分析操作では、効果的に分析することができるより濃縮されたペプチド試料を有するために、又は低分子量イオン若しくは溶質を除去するために、ペプチド溶液から溶媒を除去することが必要とされる。ペプチドのみならず、高分子種全般を使用する他の多くの他の分析操作も開発されており、この分析操作では、塩、界面活性剤及びその他のきょう雑物を含まない純粋な分析物が生物化学/医化学において一般的に必要とされているので、液体試料中の高分子成分を濃縮及び/又は脱塩することを必要とする。これらの物質の存在は、その後の化学分析をしばしば妨害するという点で有害であり得る。類似の状況が、環境及び化学分析において存在する。
小試料分離及び精製のための多くの異なる分析法が開発されてきたが、分離過程の遅い速度及び試料容量の喪失などの多くの問題が、これらの方法を用いて得られた結果の品質に制約を加える。例えば、スピンカラム及び小試料クロマトグラフィーカラムでは、カラム中の分離媒体の上及び/又は下に別個のフィルターが配置されるように、カラム内の分離媒体を保持するためにフィルターが使用される。このようなカラムでは、さらなる分析のために収集又は回収される前に、試料は、分離媒体に加えてフィルターを通過して流動する。また、多くの巨大スピンカラム及び微小スピンカラムは、それらの底部にフィルターを含有する。フィルターに伴う主な問題の1つは、試料がカラムを通過する速度を遅くすること、及びフィルター材料上での試料の喪失ももたらすことである。
現在使用可能な方法を用いて極めて小さな試料容積が分離される場合には、試料の喪失は特に顕著である。実際、現在利用可能な方法は、ナノリットル範囲の極めて小さな試料容積の分離にはあまり適していない。微少容量試料中の生物分子の濃度は極めて小さいので、フィルター上への分子の保持は、総試料容積の著しい喪失をもたらし得る。また、フィルターの容量は、しばしば、微少容量試料自体の容量と同じ大きさであり、分離又はクロマトグラフィープロセスは、試料が分離プロセスの間に通過しなければならないフィルター材料の巨大容積のために悪い影響を受ける。
本明細書にも記されているように、フィルター材料は、試料からのタンパク質又は生物分子も吸収し得るので、望ましい試料回収より低い試料回収をもたらす。さらに、フィルター材料は、異なる溶出媒体中では挙動が異なり場合があり、その後、分離プロセスの質と保持された試料の容積の両方を妨害する。
試料調製のために現在利用可能な幾つかの無フィルターカラムが存在する。最も一般的に利用可能な様式では、このようなカラムは、分離媒体がその中に包埋されている固相支持体マトリックスに依存する。次いで、試料調製のために試料が通過するプラグ又はコーティングを得るために、固体マトリックスと分離材料の組み合わせをカラム又はピペットチップに付着させる。固体マトリックス及び分離材料のプラグが使用される現在利用可能な技術において、プラグを通じた試料の流れは遅く、試料を調製することができる速度を制限する。また、プラグ中の試料の喪失は、極めて小さな試料を調製するためのこのような技術の使用を制約する。
乾燥状態になるまでろ過せずに巨大分子を濃縮するための遠心法及び装置が、米国特許第4,755,301号に開示されている。装置が固定された角度の遠心ローター中で使用されている場合には、未透過流れ(retentate)のメニスカスが最も外側のろ液管の最も外側の端の遠心放射状レベルに到達した時点で、ろ過が停止するように、半浸透性限外ろ過膜は、試料貯蔵容器をろ液カップから分離し、膜の下のろ液管は、膜の端から十分に内向きに離隔されている。
このような限外ろ過装置は、生物分子及び天然の産物の精製及び/又は試料調製のために一般的に使用される。このようなプロセスが成功するためには、目的の分子を保持するが、不純物を通過させる膜が選択されなければならない。このシナリオは、約10,000分子量より大きな分析物に対しては比較的そのまま妥当するが、約5000分子量未満の物質に対しては問題が大きくなる。その理由は、約5000分子量の分析物を保持するために必要とされる膜の多孔性は極めて低いので、水の浸透性(流速)が乏しくなり、処理時間が長すぎるという事実による。例えば、30,000又はそれ以上の分子量を有する分析物に適した膜を用いた装置に対して典型的な遠心回転時間は約1時間であるのに対して、約1000分子量の分析物に対しては、6時間も必要とされ得る。さらに、このような高いg力に長期間曝露することは、しばしば、機械を故障させる。
現在、本分野で一般的な試料の量は、0.01から10μgの範囲である。このような低い負荷量では、効率的な試料の取り扱いは、損失を避けるために重要である。試料調製のための慣用法及び装置は、このような小試料容積の「微小分離」を取り扱うのに実用的ではない。さらに、限外ろ過は、効果的に濃縮及び脱塩を行い得るに過ぎないので、この規模での吸着技術の適用は、微小質量試料の調製のための全く新しいアプローチを提供することが可能である。
試料調製装置を製造するための1つの慣用法は、図1に示されているように、まず、例えば、繊維状ガラス又はセルロースシートから得られた、予め切断された多孔性プラグをピペットのチップ中に挿入した後、緩い粒子及び第二の多孔性プラグを添加する。プラグは、ピペット先端中の所定位置に粒子を保持する役割を果たす。しかしながら、プラグは、過剰な液体を捕捉することによって、死空間又は死容積(すなわち、媒体又はポリマーによって占拠されておらず、試料の回収の不良、試料の持ち越しなどによるきょう雑などを引き起こし得る空間)も作出する。しかしながら、先述の極端に小さな試料負荷のために使用される吸着剤の10mg又はそれ以下を含有する微小吸着性装置を取得するために、プラグ又は粒子を搭載するための実用的な方法が存在しないので、これらの操作は、ピペットチップなどの極めて小さな液体送達装置とともに使用することができない。
あるいは、毛管ピペット中に媒体を停留させることによって、微小試料調製装置を得ることができる。しかしながら、通例、このような装置を通過する流れは遅い。さらに、大量吸着の見地からは、吸着性粉末が最高の能力を与えるが、吸着性粉末は、mg量で取り扱うことが困難であるか、又は実際には不可能である。ポリマーをベースとした吸着性膜シートは、取り扱いが比較的容易であるが、比較的低い亜構造表面積の結果、それらの容量は乏しい。
現在利用可能な1つの具体的な技術又は方法は、Milliporeによって開発されたマイクロピペットとして具体化されている。このシステムは、チップの下方開放末端でプラグとして形成されている多孔性マトリックス中にカラム材料の鋳造物を含有するマイクロピペットチップからなる。鋳造材料は、試料がそれを通じてチップ中に引き込まれる開放末端を閉塞するので、プラグを通じた試料の流れ及びチップ中への試料の流れは遅くなり、又はプラグによって妨げられ得る。さらに、このシステムは、96ウェルプレートなどの複数試料設計において使用される場合に、同じプレート上の異なるチップ中に吸収される試料の量及び試料分離プロセスそのものの質に一貫性が存在しない場合があり得る。
その内部表面が試料調製用の固体マトリックスで被覆されているチューブ又はカラム(ピペットチップ又は類似の構造であり得る。)を用いた小さな試料を調製するための方法が、米国特許第6,537,502号に開示されている。固体マトリックスは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマー性物質及び試料のろ過、分離又は精製に適した反応性又は吸収性材料などの1つ又はそれ以上のカラム材料から構成される。DNA、タンパク質又は他の分子成分などの生物分子を含有する所望の試料は、前記チューブ又はカラムを通される。
要約すると、上述のように、試料の微小容積の分離及び精製のために現在利用可能な方法は、しばしば、望ましくない試料の喪失をもたらす。タンパク質又は生物分子などの所望の分子の容積は、多くの場合、極めて小さいので、このような試料中の小容積の喪失でさえ、全試料のかなりの部分に相当し得る。上述されているように、現在利用可能な方法では、分離カラム中にフィルター又はその他の成分が存在するために、しばしば、試料の喪失が生じる。例えば、ピペットチップの底部にフィルター又はクロマトグラフィー材料プラグを使用する現在利用可能な方法は、しばしば、フィルター上又はクロマトグラフィー材料を含有するマトリックス中に試料の喪失をもたらす。このようなフィルター又はプラグの容積は、時に、微小試料そのものの容量と同じ程度の大きさであり得るので、試料の喪失は極めて重大であり得、しばしば、分離速度の低下を伴う。また、異なる溶媒は、フィルター自体と異なって相互作用するので、特定の試料の分離又は精製の質にさらなる変動をもたらす。
米国特許公開2003/0119034号には、バイオチップ上の試料中に含有される標的物質を分離するためのバイオチップ及び方法が開示されている。バイオチップは、基材、基材上に配置された試料搭載部分、試料搭載部分と流体的に連通しているチャンネル及びチャンネル中に間隔を隔てて配列されたカーボンナノチューブを含む。この方法では、実質的にフィルター又はろ過システムを形成するために、カーボンナノチューブは、互いに所定の間隔で配置され、間隔があけられている。従って、隔てられた空間より小さな物質は、ナノチューブアレイを通して通過又は流動し、隔てられた空間より大きな物質は、停止され、従って、試料を構成する他の構成成分から分離される。
従って、ペプチド及びタンパク質を溶液から分離及び/又は精製するための新たな装置及び方法を提供することが望ましい。カーボンナノチューブを用いて、ペプチド及びタンパク質を溶液から分離及び/又は精製するこのような装置及び方法を提供することが特に望ましい。従来の装置と比べて、試料の喪失を最小限に抑えながら、試料/溶液からペプチド及びタンパク質を分離及び/又は精製するためのこのような装置及び方法を提供することも特に望ましい。代謝物、ペプチド及びタンパク質の精製用のクロマトグラフィー支持体として使用可能なこのような装置を提供することも特に望ましい。
その最も広い態様において、本発明は、溶液又は当初/出発試料からペプチド及びタンパク質の試料を調製するための装置及び方法に関し、より具体的には、溶液又は当初/出発試料からペプチド及び/又はタンパク質試料のこのような試料調製及び/又は精製のためにカーボンナノチューブが使用されるこのような装置及び方法に関する。本発明の試料は、pH5など(但し、これに限定されない。)の低pH下でプロトン化され得るアミン部分を有するタンパク質、ペプチド又は他の何れかの分子を含むことができる。当初/出発試料は、本発明の試料調製/精製法の間に除去される塩、界面活性剤などのきょう雑物も含有することができる。
本発明の方法及び装置は、試料の濃縮、きょう雑物の除去及び試料の喪失を伴わない、少量の液体の取り扱いの容易さを有利に提供する。カーボンナノチューブ表面との強力な非共有的相互作用の結果、分析物種が優先的に濃縮及び精製される。カーボンナノチューブを含む材料の層を通じて試料溶液を通過させることによって、又は固定化されたカーボンナノチューブで被覆されている表面上に試料を堆積させることによって、分析物は、カーボンナノチューブ表面と接触する。きょう雑物は、酸性水溶液で層材料を洗浄することによって、カーボンナノチューブ表面から優先的に除去される。
本発明の方法及び装置は、質量分析用の分析物試料の調製に特に適しているが、本発明は、この具体的な用途に限定されない。本明細書に記載されている装置及び方法が、他の公知の分析技術と組み合わされた精製方法としての使用に適するように改変されることが想定され、従って、本発明の範囲に属することが想定される。
本発明のより具体的な態様によれば、本発明の試料調製/精製方法は、カーボンナノチューブを含む充填された材料の層を調製することを含む。さらなる実施形態において、このような調製は、ピペットチップなどのカラム若しくはチューブ中又は試料プレート上の層に配置することを含む。ある種の実施形態において、試料プレートは、ウェルを含むように、又はウェルを含まないように構成されている。
カーボンナノチューブは、一般に、通例、直径2nm及び長さ数百μmの長い中空のチューブであることを特徴とする。有利な実施形態において、チューブ壁は、黒鉛の単一層中の炭素の配置に類似する六角形のパターンで配置された炭素原子から構成される。ナノチューブの壁は、単一壁ナノチューブ(SWNT)とも称される炭素の単一壁若しくは層を含むことができ、又は複数壁ナノチューブ(MWNT)とも称される炭素の複数壁若しくは層を含むことができる。このようなカーボンナノチューブは、比較的不活性で、安定な基材を形成し、一般には、強力な酸性又はアルカリ特性を示す溶液中で分解されない。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブ、より具体的には、ナノチューブの露出された表面は、カーボンナノチューブのクロマトグラフィー特性を変化させるために、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて化学的に修飾される。結果として、これにより、カーボンナノチューブは、イオン交換、IMAC及び免疫親和性化学などの(但し、これらに限定されない。)異なる分離化学操作に対して使用できる多用途の基材となる。
さらなる実施形態において、多孔性であり、及び分析物種に対して透過性である層を得るために、このようなカーボンナノチューブの層が形成され、作製され又は配置される。材料の層の多孔性は、ピペット操作の間の背圧を有利に低下させる。
さらなる実施形態において、材料の層を含むカーボンナノチューブは、ナノチューブの末端が切除される(例えば、化学的に切除される)ようにさらに加工される。このようにして、より小さな分析物種は、切断されたカーボンナノチューブの内部及び外部両表面と相互作用することが可能である。末端のこのような切断は、結合に利用可能な表面積を増加させ、その結果、試料調製/精製の間に層の試料搭載容量を増加させる。
さらなる実施形態において、本発明の方法は、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて、全ての既存のきょう雑物を除去するために、材料の層を前処理することを含む。特定の実施形態において、このような前処理は、全ての既存のきょう雑種を除去するために、材料の層を溶媒で前処理することを含む。より具体的な典型的な実施形態において、材料の層は、約0.1%ギ酸又は概ね約0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)又は酢酸の概ね約0.1%を加えたメタノール又はアセトニトリルで前処理される。
このような前処理後に、材料の層は、水溶液で再度平衡化される。特定の実施形態において、水溶液は、ギ酸などの有機酸の低パーセントに加えて、有機溶媒の低濃度を含有する。
さらなる実施形態において、前記方法は、材料の層を通じて、目的の分析物を含有する試料を通過させること、又は層材料上に、目的の分析物を含有する試料を堆積することを含む。さらなる典型的な実施形態において、試料は、送達試料中に含有され、この溶媒は、例えば、溶媒の最大約30%の有機成分を加えた、約0.1%ギ酸、TFA又は酢酸を含む。メタノール又はアセトニトリルは、本発明の送達溶媒中で使用される溶媒の例である。このような通過又は堆積の後に、洗浄溶媒を用いて層材料が洗浄される。典型的な実施形態において、洗浄溶媒は、約0.1%ギ酸、TFA又は酢酸を含む。
さらなる実施形態において、本方法は、材料の層から試料を抽出することをさらに含む。より具体的な実施形態において、このような抽出の後には、材料の層の洗浄が続く。さらに具体的な実施形態において、このような抽出は、材料の層へ抽出溶媒を付与すること、又は材料の層を通じて抽出溶媒を通過させることを含む。典型的な実施形態において、抽出溶媒は、アセトニトリル又はメタノール(約30%から100%)を含み、より具体的な典型的実施形態において、抽出溶媒は、約70%アセトニトリル及び5%ギ酸を含む溶液である。
このような方法は、カーボンナノチューブの表面上に固定化しながら、又は抽出の後に、固定化された分析物種に対して様々な化学操作を行うことをさらに含むことができる。より具体的な実施形態において、このような方法は、さらにタンパク質又はペプチドなどの固定化された分析物種の酵素的消化を実施することを含み、より具体的には、ナノチューブ表面上での精製を含むことができる。
さらなる実施形態において、及び本明細書に記載されているように、このような方法は、多数のある種の官能基の何れか1つ又はそれ以上でカーボンナノチューブの表面を化学的に修飾し、これにより好ましくは、ペプチド又はタンパク質の優先的な結合を引き起こすこと、及びナノチューブへ結合する特異的な分析物を選択することを含む。
本発明は、本明細書に記載されている本発明の方法に従って、ペプチド及び/又はタンパク質の試料を加工するためのキットにも関する。キットは、カーボンナノチューブ及び本明細書に記載されている方法に従って使用するための指示書を含む。カーボンナノチューブは、分離したナノチューブ、ナノチューブの凝集物又は両者の形態で存在する。ある種の実施形態において、キットは、カーボンナノチューブを含む分離媒体を含む。他の実施形態において、キットは、固定化されたナノチューブで被覆されている表面を含む。本発明の他の態様及び実施形態が、以下に論述されている。
定義
本発明は、以下の定義を参照することによって、より明確に理解される。
ナノチューブ、ナノファイバー及び微小繊維という用語は互換的に使用され、1ミクロン未満の断面積(例えば、端部を有する角状繊維)又は直径(例えば、丸型)を有する細長い中空の構造を表すものと理解しなければならない。ナノチューブという用語は、バッキーチューブ及びフィッシュボーン微小繊維も含む。
凝集物という用語は、もつれたナノチューブを含む密な微視的粒状構造を表すものと理解されるものとする。
集合(assemblage)という用語は、少なくとも1つの次元の軸に沿って比較的又は実質的に均一な物理特性を有する構造を表すものと理解され、望ましくは、その平面において、比較的又は実質的に均一な物理的特性を有する。集合は、均一に分散された、相互接続された個別のナノチューブ又はナノチューブの接続された凝集物の塊を含み得る。他の実施形態において、集合全体が、その物理特性の1つ又はそれ以上に関して、比較的又は実質的に等方性である。容易に測定することができ、それによって均一性又は等方性が決定される物理的特性には、抵抗力又は光学密度が含まれる。
等方性という用語は、測定の方向に関わらず、構造の平面又は体積内での物理的特性のあらゆる測定が一定の値であることを意味すると理解しなければならない。間隙空間の平均が考慮されるように、このような非固体組成物の測定は、有利には、構造の代表的な試料に対して行われることも理解される。
物理的特性という用語は、固有の測定可能な特性、例えば、表面積、抵抗性、流体流の特徴、密度、多孔度などを意味すると理解しなければならない。
流体流速特性という用語は、流体(すなわち、液体又は気体)が固体構造を通過する能力を指すものと理解しなければならない。例えば、流体(すなわち、液体又は気体)の一定容積が、固定された圧力で、特定の横断面積及び特定の厚さ又は高さ(すなわち、mm/分/cm/ミル厚)を有する三次元構造を通過する速度は、構造を通じて異なる。
充填された層又は充填されたマットという用語は、互いに絡み合った各ナノファイバー、スキャフォールド繊維及び/又はスキャフォールド粒状物の塊の配置を含む構造を表すものと理解しなければならない。本明細書の以下において、充填された層という用語は、充填されたという用語と組み合わされた場合、マット、集合及び関連する三次元構造という用語を含み、これらの用語と互換的であるものと解釈される。充填された層という用語は、粒状物の緩い塊を含まない。
充填構造という用語は、繊維の相対的配向、繊維配向の多様性及び全体的な平均、繊維相互の近接性、間隙によって作り出される空隙空間又は孔並びに繊維間の空間並びに空隙空間又は孔の接続によって形成されるフローチャンネル又は経路のサイズ、形状、数及び配向など、充填された層の内部構造を表すものと理解しなければならない。相対配向という用語は、他の繊維に関する各繊維の配向を表すものと理解しなければならない(すなわち、整列されているvs.整列されていない。)。繊維配向の多様性及び全体的な平均は、充填された層内での繊維配向の範囲を表す(層の外部表面に関する整列及び配向)。
ある種の実施形態の記述
最も広い態様において、本発明は、このようなチューブ又はカラム中の分離機構を含むように設計及び配置されているチューブ及びカラムを使用し、又は具体化する、小試料の調製のための方法、装置及びシステムを特徴とする。このようなチューブ又はカラムには、キャピラリー、ピペットチップ、これらの組み合わせ、又はナノリットルから数百ミリリットルまでの容量を有する小試料の調製及び分析に適したあらゆる他の装置が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、及び本明細書にさらに記載されているように、分離機構は、ウェルの複数又はそれ以上を含むように設計された装置又はシステムと組み合わせた使用に適合させることが可能であり、分離機構は、ウェルの複数又はそれ以上の1つ又はそれ以上のウェル中に配置される。
分離機構は、多孔性構造を形成するように配置及び/又は加工されているカーボンナノチューブの複数、より具体的には、カーボンナノチューブの多数を含み、試料(例えば、当初試料、出発試料)は、試料を分離及び/又は精製するための特異的技術に従って、分離機構を通過することが可能である。例えば、試料は、分離機構を通じて、チューブ又はカラムの一部中に、一方向に引き込まれ(例えば、機構の一方の側に真空を確立する。)、次いで、(例えば、圧力の付与によって)分離機構を通じて、他の方向に戻さることができ、又は戻される。
このように、出発/当初試料は、分離機構と接触され、より具体的には、カーボンナノチューブ及び所望の分析物の表面は、これによって、そこから分離される。より具体的には、出発/当初試料が、カーボンナノチューブを通過し、又は流動するにつれて、所望の分析物は、カーボンナノチューブの表面によって吸着される。より具体的な実施形態において、出発試料/当初試料は、ペプチド及びタンパク質などの生物分子を含み、所望の分析物は、試料のペプチド及び/又はタンパク質の1つである。このような出発又は当初試料は、そこから所望の分離物が分離されるべき他の構成成分(例えば、きょう雑物)も含み得る。
分離操作が完結したと考えられた時点で、カーボンナノチューブの表面に結合された分析物(例えば、タンパク質又はペプチド)を、これらのナノチューブ表面から剥離させ、又はその他溶出するために、脱着材料又は脱着剤、例えば、溶媒を、分離機構を通過させる。このようにして、所望の試料を含む分析物(例えば、タンパク質又はペプチド)は、実行又は実施されている分析操作又は技術の特質に応じて、さらなる分析のために、所望の試料の他の構成成分から分離され、精製され、分析され、又は調製される。より具体的な実施形態において、分析されるべき所望の試料は、その中にペプチド又はタンパク質を含む溶液である。
本発明の試料調製装置及び関連方法は、様々な用途において使用するために適合させることが可能である。具体的に記載されている用途に本発明を限定するものではないが、このような用途には、分析前のペプチド及びタンパク質試料の調製、炭水化物試料からのペプチドの除去、分析前のアミノ酸の清浄化、微量反応のための固定化された酵素、ミクロ親和性クロマトグラフィーのための固定化されたリガンド、スーパーコイル化された及び切断されたプラスミドの単離、PCR及びDNA生成物の清浄化、RNA単離のための固定化されたオリゴdT、色素終結物質の除去、元素分析のための試料の調製などが含まれる。当業者は、所望の用途に応じて、適切な脱着剤/材料、化学及び形態の幾何学を選択することができる。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブがその表面へ所定の分析物を選択的に吸着又は結合するように、カーボンナノチューブは、実際に、カーボンナノチューブ表面を選択的に修飾又は感作させるために処理又は加工される。さらなる実施形態において、タンパク質をそのペプチド構成成分へ分解するために(酵素的消化と称されることがあるプロセス)試料中のタンパク質と反応する酵素的コーティングを含むように、カーボンナノチューブは処理又は加工される。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブの末端は、中空のカーボンナノチューブの内部表面がこれによって露出されるように、本分野で公知の多数の技術(例えば、化学切断)の何れかを用いて切断される。末端のこのような切断は、結合に利用可能な表面を増加させ、その結果、試料調製/精製の間に分離機構の試料搭載容量を効果的に増加させる。
本明細書に論述されているように、本発明での使用が想定されるカーボンナノチューブは、単一壁ナノチューブ(SWNT)及び複数壁ナノチューブ(MWNT)を含む。吸着特性に加えて、カーボンナノチューブは、比較的不活性で、安定であり、強い酸性特性又はアルカリ特性を示す溶液を用いた場合に、一般的に分解されない多孔性の充填された層を形成するために、単独で、又はその他の材料と組み合わせて使用できる点でも有利である。
ここで、図面の様々な図を参照すると(同様の参照文字は、同様の部分を表す。)、図2には、収容部102及び分離機構104を含む典型的なピペットチップ100が示されており、該ピペットチップは、吸引による試料の精製において使用するのに特に適している。ピペットチップ100は、本明細書において示されているように図示されているが、これは、具体的に図示された用途に本発明を限定するものと解釈してはならない。分析用試料の精製及び/又は分離のために、分野で公知である他のシステム、装置及び機器において具体化又は使用される他の適切な収容部の形状で使用するために、ピペットチップ100に対する本明細書中の開示及び教示を適切に改変することが想定され、従って、本発明の範囲に属する。
このような他の適切な収容部の形状には、以下に記載されているようなウェル又はマルチウェルアレイ、プラスチック及びガラスの空洞、Millipore Corporationなどから市販されているMICROCON小型濃縮装置などの試料調製装置が含まれるが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、クロマトグラフィーと同様、操作時の流れベクトルは実質的にまっすぐであり、これによって、非円筒形状において生じ得る希釈性洗浄を最小限に抑え、又は回避するので、収容部は、実質的に円筒状であるように設計及び配置される。さらなる実施形態において、さらに、収容部102は、約0.1μLと約5mL間の範囲の容量、約100μL未満の容量、約0.1μLと約50μL間の範囲の容量の又は約0.2μLと約20μLの範囲の容量の1つを有するように設計及び配置される。また、収容部がピペットチップ用の収容部である場合には、このようなピペットチップの幾何学は、さらに、最小約5μLの容積を与えることができる。
収容部102のための適切な材料には、所期の使用に適した、当業者に公知のあらゆる材料が含まれる。特定の実施形態において、このような材料には、プラスチック(ポリエチレン、ポリオレフィン及びポリプロピレンなど)、ガラス及びステンレス鋼が含まれるが、これらに限定されない。
分離機構104は、カーボンSWNT又はカーボンMWNTを含むカーボンナノチューブの層又は充填された層を含む。カーボンナノチューブの層又は充填された層は、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて、ピペットチップ収容部102中に形成することができる。さらなる実施形態において、カーボンナノチューブは、収容部の一方末端に位置し、又は収容部の一方末端に近接するように、収容部102内に配置される。挿入されたカーボンナノチューブは、一般的には、収容部の近位内部表面に合致するカーボンナノチューブの三次元構造が収容部内に残存するように、カーボンナノチューブの層又は充填された層を形成するための具体的な技術に従ってさらに加工される。
より具体的な実施形態において、カーボンナノチューブを含有する液体又はスラリーの十分な容量が、ピペットチップ収容部102中に注入され、注がれ、又は導入され、溶液又はスラリーは、液体成分が除去されることによって、カーボンナノチューブの固体三次元アレイ又は集合を残存させるように加工される。上述のように、この場所打ち技術は、収容部102の形状を採るカーボンナノチューブ構造を有利に作出し、クロマトグラフィーカラムに非常に類似する自己保持構造をもたらす。
さらに特定の実施形態において、層又は充填された層は、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて収容部の外側に、分離機構104が配置される収容部102の内部をその末端において相補する形状を有するように形成される。その後、カーボンナノチューブの三次元構築物は、収容部の内部に挿入され、分離機構が配置されるべき末端に移動される。精製又は分離操作の間に、カーボンナノチューブの三次元構築物を通過した何れかの流体の流れに応答して、カーボンナノチューブの三次元構築物が収容部内で、より具体的には、収容部の長手方向軸又は長軸に沿って移動しないように、三次元構築物は、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて収容部内に固定される。
このような固定機構又は技術には、接着剤及び機械的固定手段又は技術が含まれるが、これらに限定されない。収容部104の壁へのカーボンナノチューブ構造又は構築物の化学的接着が所望されるが、少量であり、又は存在しない場合には、収容部102内に構造を維持するために機械的手段を使用することができる。このような機械的固定手段には、接着を促進するために、圧着、圧入、収容部若しくはその一部を熱収縮すること、収容部若しくはその一部をプラズマ処理すること、収容部若しくはその一部を化学的に処理すること(食刻など)を含む。カーボンナノチューブ構造又は構築物を収容部102の壁へ接着的に固定することの利点は、機械的手段なしに構造を収容部に密着できることである。(いかなる方法によるものであれ)このような密着は、操作中に試料がカーボンナノチューブ構造をチャネリング又は短絡させることを防ぐ。
さらなる例示的な実施形態において、分離機構104は、収容部102内に形成される亜構造を含む。例えば、蒸着技術などの当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて、所望の特性を有する構造を形成するために、カーボンナノチューブは亜構造に取り付けられ又は貼付される。あるいは、このような亜構造は、収容部の外側に形成され、カーボンナノチューブが亜構造に取り付けられ又は貼付された後に、亜構造の加工後に、収容部内に挿入されるように加工される。
より具体的な典型的実施形態において、本発明のカーボンナノチューブ構造は、層の厚さ又は層の最終層高が約0.05から約5mmの範囲であるように設計及び配置される。このような配置は、良好な洗浄、良好な単位容積当りの密度を可能とし、均一な沈降をもたらす層を有利に生成する。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブは、このような壁上へのコーティングを形成するために、収容部102の壁上に取り付けられる。カーボンナノチューブは、例えば蒸着技術など、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて取り付けることができる。さらなる実施形態において、結合剤(例えば、ポリマー性材料)を含む材料の層及びカーボンナノチューブは、収容部の壁又は表面に取り付けられた後、壁上へのコーティングを形成するように加工される。
カーボンナノチューブは、一般に、通例、直径2nm及び長さ数百μmの長い中空のチューブであることを特徴とする。チューブ壁は、黒鉛の単一層中の炭素の配置に類似する六角形のパターン中に配置された炭素原子から構成される。ナノチューブの壁は、単一壁ナノチューブ(SWNT)とも称される炭素の単一壁若しくは層を含むことができ、又は複数壁ナノチューブ(MWNT)とも称される炭素の複数壁若しくは層を含むことができる。このようなカーボンナノチューブは、比較的不活性で、安定な基材を形成し、一般には、強力な酸性又はアルカリ特性を示すよう液中で分解されない。
カーボンナノチューブ
本発明は、有利には、サブミクロンの黒鉛製炭素微小繊維(気相成長炭素繊維又はナノチューブと呼ばれる場合がある。)を使用する。炭素微小繊維は、1.0ミクロン未満、好ましくは0.5ミクロン未満、より好ましくは0.2ミクロン未満の直径を有する蠕動炭素堆積である。炭素微小繊維は、様々な形態で存在し、金属表面での様々な炭素含有気体の触媒性分解を通じて調製されてきた。ほぼ電子顕微鏡の登場以来、このような蠕動炭素堆積は観察されてきた。(Baker and Harris, Chemistry and Physics of Carbon, Walker and Thrower ed., Vol.14, 1978, p.83; Rodriguez, N., J. Mater Research, Vol.8, p. 3233 (1993))。
1976年には、Endoら(Obelin, A. and Endo, M., J.of Crystal Growth, Vol.32(1976),pp.335−349を参照されたい。)は、このような炭素微小繊維が成長する基本的な機序を解明した。
炭素微小繊維は、金属触媒粒子から生じることが明らかとなった。触媒の存在下では、気体を含有する炭化水素が分解し、触媒粒子が炭素中で過飽和した状態となり、円筒状の秩序化された黒鉛コアが押し出され、Endoらによれば、熱分解的に堆積された黒鉛の外側層で被覆された状態となる。熱分解性保護膜を有するこれらの微小繊維は、典型的には、0.1ミクロン、より典型的には0.2から0.5ミクロンの過剰の直径を有する。
参照によって本明細書に組み込まれるTennentの米国特許4,663,230は、連続する熱的炭素保護膜が存在しない炭素微小繊維を記載しており、微小繊維軸に実質的に平行である秩序化された複数の黒鉛外層を有する。従って、それらは、c軸(黒鉛の湾曲した層の正接に対して直角であり、円筒の軸に対して実質的に直角である軸)を有することを特徴とし得る。それらは、一般的には、0.1ミクロン以下の直径及び少なくとも5の長さ対直径比を有する。望ましくは、それらは、連続する熱的炭素保護層(すなわち、それらを調製するために使用された供給気体の熱分解から得られた熱分解的に堆積された炭素)を実質的に含まない。Tennentの特許は、成長した黒鉛表面のように、秩序化されたを有する典型的には3.5から70nm(35から700オングストローム)のより小さな直径の微小繊維を記載する。より不完全な構造であり、熱分解性炭素外層を持たない繊維状炭素も成長された。
Tennentらの米国特許5,171,560は、微小繊維軸上の黒鉛層の突出が、少なくとも2微小繊維直径の距離にわたって伸長するように、熱的保護層を含まず、微小繊維軸に実質的に平行な黒鉛層を有する炭素微小繊維を記載している。典型的には、このような微小繊維は、実質的に円柱状であり、実質的に一定の直径の黒鉛状ナノチューブであり、それらのc軸がそれらの円筒軸に対して実質的に直角である円筒状黒鉛シートを含む。それらは多壁であり、熱分解的に堆積された炭素を実質的に含まず、0.1ミクロン未満の直径及び5を超える長さ対直径比を有する。
ナノチューブ軸上の黒鉛層の突出が、2ナノチューブ直径未満の距離にわたって伸長している場合、黒鉛ナノチューブの炭素平面の横断面は、杉綾模様(herring bone)の外観を呈する。これらは、時に、魚骨微小繊維と称される。Geus,米国特許4,855,091は、熱分解保護層を実質的に含まない魚骨微小繊維の調製のための操作について記載する。
触媒的に成長された上記微小繊維又はナノチューブに類似する形態のカーボンナノチューブは、高温の炭素アーク中で成長される(Iijima,Nature 35456 1991)。アークによって成長されたこれらのナノファイバーは、触媒的に成長されたTennentのより初期の微小繊維と同一の形態を有することが、現在では、一般に受け入れられている(Weaver, Science 265 1994)。アーク成長されたカーボンナノファイバーは、バッキーチューブと称される場合がある。
本発明において使用するためのカーボンナノチューブは、市販の連続するカーボンファイバーとは区別することができる。少なくとも10、多くの場合10又はそれ以上の縦横比(L/D)を有するこれらの繊維とは対照的に、本発明のカーボンナノチューブは、望ましくは大きいが、不可避的に有限の縦横比を有する。連続的繊維の直径は、ナノチューブよりもずっと大きく、常に1ミクロンより大きく、典型的には、5から7ミクロンである。
連続的カーボンファイバーは、有機前駆体繊維、通常、レイヨン、ポリアクリロニトリル(PAN)及びピッチの熱分解によっても作製される。従って、連続的カーボンファイバーは、それらの構造内にヘテロ原子を含み得る。このような連続的カーボンファイバーの黒鉛的性質は様々であるが、連続的カーボンファイバーは、その後の黒鉛化段階に供され得る。黒鉛平面の黒鉛化、配向及び結晶性の程度の差(これらが存在する場合)、存在する可能性があるヘテロ及び基質直径の絶対的な差さえ、連続的ファイバーがナノファイバー化学を上手く予測できないことを経験する。
カーボンナノチューブは、強化材料として市販されている連続的カーボンファイバーとは物理的に及び化学的に異なり、並びに標準的な黒鉛及びカーボンブラックなどの炭素の他の形態とは異なる。標準的な黒鉛は、その構造のために、ほぼ完全な飽和状態まで酸化を経験し得る。さらに、カーボンブラックは、一般的に、グラフェン構造(秩序化されていない核の周囲の炭素層)を有する球体粒子の形態の非晶質炭素である。黒鉛及びカーボンブラックの差も、ナノファイバー化学の予想可能性を乏しくする要因である。活性炭を得るためのカーボンブラック又は黒鉛の酸化は、主として、表面積及び多孔度を増加させるために実施され、極めて高い細孔分布をもたらす。
カーボンナノチューブ及び集合の凝集物
産生されたカーボンナノチューブは、分離したナノチューブ、ナノチューブの凝集物又は両者の形態で存在し得る。ナノチューブが互いにランダムにもつれて、ナノチューブのもつれた球を形成している様々な巨視的形態(走査型電子顕微鏡によって測定される。)を有する凝集物として調製される。それらは、鳥の巣(「BN(bird nest)」)に類似し得、又は実質的に同一の相対配向性を有するまっすぐないしは僅かに屈曲された又はねじれたカーボンナノチューブの束から凝集物として、それらは、コーマ糸(「CY」)のような概観であり得る(例えば、各ナノチューブの長手方向軸(各屈曲またはねじれに関わらず)は、束中の周りのナノチューブの方向と同じ方向に伸長する。)。あるいは、凝集物は、互いに緩やかにもつれて「開放網(「ON;open net」)」を形成する、直線ないしは僅かに屈曲した又はねじれたナノチューブからなり得る。開放網構造では、ナノチューブのもつれの程度は、コーマ糸凝集物(各ナノチューブが、実質的に同一の相対的配向を有する。)中で観察されるものより大きいが、鳥の巣凝集物のものより小さい。
凝集物の形態は、ナノチューブの合成において使用される触媒支持体の選択によって調節される。球体支持体は、全ての方向にナノチューブを成長させ、鳥の巣凝集物の形成をもたらす。コーマ糸及び開放巣凝集物は、1つ又はそれ以上の容易に切断可能な平面を有する支持体、例えば、1つ又はそれ以上の容易に切断可能な表面及び少なくとも1m/gの表面積を有する支持体上に堆積された鉄又は鉄含有金属触媒粒子を用いて調製される。Moyらの米国特許6,143,689は、様々な形態を有する凝集物として調製されるナノチューブを記載する。
カーボンナノチューブ又はナノファイバー凝集物の形成に関するさらなる詳細は、米国特許5,165,909;米国特許5,456,897;米国特許5,877,110;米国特許5,456,897;米国特許5,500,200;米国特許5,569,635;1994年10月27日に出願された米国出願逐次番号08/329,774;及び2003年2月27日に出願された米国特許公開番号2003/0039604の開示中に見出され得る。
ナノチューブマット又は集合は、水性又は有機溶媒中にナノファイバーを分散させた後、ナノファイバーをろ過してマットを形成させることによって調製されてきた。マットは、流体(例えば、プロパンなどの有機溶媒)中にナノファイバーのゲル又はペーストを形成させた後、溶媒の臨界温度を上回る温度までゲル又はペーストを加熱し、超臨界流体を除去し、最後に、その中でプロセスが実施されている容器から、生じた多孔性マット又はプラグを取り出すことによっても調製されてきた。Tennentら米国特許第5,691,054号を参照されたい。
本明細書に示されているように、本発明において、カーボンナノチューブは、このようなナノチューブの層又は充填された層、換言すれば、このようなナノチューブの三次元構造又はネットワークを形成するように配置される。典型的な実施形態において、三次元構造又はネットワークは、本発明の表面修飾されたナノチューブを連結することによって形成される。これらの複合体は、直接の結合又は化学的部分を含む1つ又はそれ以上のリンカーによって連結された、少なくとも2つの表面修飾されたナノチューブを含む。これらのネットワークは、極めて均一な等しい孔径の多孔性媒体を含む。これらのネットワークは、吸着剤、触媒支持体及び分離媒体として有用である。
例示として、カーボンナノチューブのネットワークは、カーボンナノチューブの表面を酸化させるのに十分な時間にわたって、カーボンナノチューブを酸化剤と接触させ、カーボンナノチューブの表面に第二の官能基を付加するのに適した反応物質と表面酸化されたカーボンナノチューブを接触させ、カーボンナノチューブのネットワークを産生するのに有効な架橋剤と第二の官能基が付加されたナノチューブをさらに接触させることによって作製される。好ましい架橋剤は、ポリオール、ポリアミン又はポリカルボン酸である。有用なポリオールはジオールであり、有用なポリアミンはジアミンである。
さらに、カーボンナノチューブのこのようなネットワークは、まず、このようにして産生されたナノチューブを酸化剤で酸化し、続いて、酸化されたナノチューブを、架橋を強化する条件に供することによって調製される。例えば、約180℃から約450℃の温度範囲で酸化されたナノチューブを加熱することによって、酸化されたナノチューブの酸素含有部分の除去とともに、酸化されたナノチューブの架橋をもたらす。
カーボンナノチューブのこのようなネットワークによって生じた安定な多孔性三次元構造は、触媒又はクロマトグラフィー支持体として極めて有用である。ナノチューブは、個別化された方式で分散させることが可能であり、架橋によって安定化されている十分に分散された試料は、このような支持体の構築を可能とする。最終的に得られるのは、その全表面領域に、その上に活性剤を支持する官能部位が付与された堅固な三次元構造である。
これらのナノチューブ間の隙間は、サイズと形状の両方が不規則であるが、それらは、細孔と考えられることができ、多孔性媒体を特徴付けるために使用される方法によって特徴付けることができる。このようなネットワーク中の隙間のサイズは、ナノチューブの濃度及び分散のレベル並びに架橋剤の濃度及び鎖長によって調節することができる。このような材料は、構造化された触媒支持体として作用することができ、ある種のサイズの分子を除外し、又は含むように調整され得る。慣用の産業的触媒との使用に加えて、それらは、生物触媒に対する巨大孔支持体として特殊な用途を有する。
堅固な構造を形成するために使用されるカーボンナノチューブは、分離した繊維又はカーボンナノチューブの凝集物の形態とすることができる。前者は、かなり均一な特性を有する構造をもたらす。後者は、一緒に結合されたカーボンナノチューブの凝集物を含む全体的な巨大構造及び各凝集物内の絡み合ったナノチューブの微細構造を含む二層構造を有する構造をもたらす。前者が望まれる場合には、ナノチューブは、各ナノチューブの分散を形成するために培地中全体に分散される。後者が望まれる場合には、ナノチューブ凝集物は、スラリーを形成させるために媒体中に分散され、凝集物粒子は、前記構造を形成するために膠着剤と一緒に接続される。酸化されたカーボンナノチューブから得られるこのような三次元構造を形成するためのさらなる技術について、米国特許公開番号2003/0039604が参照される。
さらなる実施形態において、また、このようなカーボンナノチューブの層又は充填された層は、カーボンナノチューブを、ナノファイバー/ナノチューブのサイズより大きなサイズを有するスキャフォールド粒状物に混合することによって、カーボンナノチューブ層構造の多孔性又は充填構造を変化させるように形成され、作製され、又は配置される。米国特許5,800,706は、このようなカーボンナノチューブ層の多孔性を変化させ、又は調節するための技術を記載する。層の多孔性は、ピペット操作の間の背圧を有利に低下させる。
充填された層構造に付加された場合に、大きな直径の繊維又はスキャフォールド粒状物は、より小さなナノチューブが離れた状態に保つ傾向があるスキャフォールドとして機能する。また、このような添加は、孔径分布を変化させることによって塊の平均孔径を増加させ、充填構造を変化させ、層の流動特性を改善させる構造を有利にもたらす。平均孔径の増加は、充填された層を通じた流体の流れを改善させるより大きなチャンネルの作出によって引き起こされ、及び/又は、ナノチューブの高い表面積がより容易に利用できるようにする。すなわち、外側壁に並列するナノチューブは、複合構造内に形成された巨大なフローチャンネルと接触しており、接近可能なナノファイバー表面積の量を増加させる。
スキャフォールド粒状物は、カーボンナノチューブと混合された場合に、スキャフォールド効果を与えるのに適した形状及びサイズを有する粒子状固体である。スキャフォールド粒状物は、カーボンナノチューブの充填構造を破壊するような形状及びサイズを有する。スキャフォールド粒状物は、希釈剤として、及び/又は、得られた複合充填された層のカーボンナノチューブ画分の密度を低下させる乾燥プロセス中の表面張力を克服するのに役立つ機械的により強いスキャフォールドとして使用される。
好ましくは、スキャフォールド粒状物は、カーボンナノチューブの最も大きなサイズより大きい少なくとも1つのサイズを有し、及び/又は、ナノチューブの二番目に大きなサイズより大きい少なくとも二番目に大きなサイズを有する。スキャフォールド粒子の最大サイズは、カーボンナノチューブの最大サイズと同等であり得る。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブ、より具体的には、ナノチューブの露出された表面は、カーボンナノチューブのクロマトグラフィー特性を変化させるために、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて化学的に修飾される。結果として、これにより、カーボンナノチューブは、イオン交換、IMAC及び免疫親和性化学などの(但し、これらに限定されない。)異なる分離化学操作に対して使用できる多用途の基材となる。米国特許6,514,897、米国特許公開番号2002/0056686及び米国特許公開番号2003/0039604は、カーボンナノチューブを化学的に修飾するための技術及び/又は機構を記載しており、全ての教示は、参照により、本明細書に組み込まれる。より具体的な実施形態において、カーボンナノチューブの表面は、タンパク質及びペプチドの、このようなタンパク質/ペプチドを含有する流体試料からの選択的分離を可能とするように化学的に修飾される。
さらなる実施形態において、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて、ナノチューブの末端が切断される(例えば、化学的に切断される)ように、材料の層を含むカーボンナノチューブはさらに加工される。このようにして、小さな分析物種は、切断されたカーボンナノチューブの内部及び外部両表面と相互作用することが可能である。従って、末端のこのような切断は、結合に利用可能な表面積を増加させ、その結果、試料調製/精製の間に層の試料搭載容量を増加させる。
本明細書に示されているように、他の適切な収容部の配置は、本発明の方法との使用に適合するように想定され、ウェル又はマルチウェルアレイを含む。ここで、図3から4を参照すると、1つ又はそれ以上のウェル220、より具体的には、複数又はそれ以上のウェル、さらに具体的には、ウェルの多数又はそれ以上を含むアレイを含む本発明の試料プレート200の様々な模式図が示されている。更なる実施形態において、このような試料プレート200は、アレイが標準的な96ウェルフォーマットの形態又は当業者に公知の他のフォーマットの形式で配置されるように設計することができる。ウェルの数及びアレイの配置は、所定の分析の必要性に適するように、及び使用可能な機械、機器及び装置の種類又は所定の施設での使用の具体的な必要性又は要請に適するように、当業者が決定することができる。当業者に公知であるように、試料液滴2は、ウェル220に堆積されるように、試料プレート200の表面(例えば、上部表面)上に堆積され、蒸発によって濃縮される。
試料プレート200は、基材210及びコーティング230を含む。基材は、当業者に公知であり、所期の使用に対して適切な多数の材料の何れからも構成される。このような基材材料には、金属又はケイ素が含まれるが、これらに限定されない。コーティング230は、試料プレート200の上部表面に(試料又は試料液滴2がその上に堆積される表面)に付与される。コーティング230は、当業者に公知であり、試料(すなわち、試料液滴2)をウェル222に集中させ、又は配置させるための特性を含む多数の材料の何れかである。特定の実施形態において、コーティング230は疎水性コーティングである。
ウェル220は、基材210及びコーティング230中にそれぞれ形成されるので、各々が、試料プレートの上部表面中に窪みを形成し、このため、試料液滴2の一部がその中に受容される。基材210及びコーティング230中のこのような窪みの形成は、所定の材料に対して、当業者に公知の多数の技術のいずれかを用いて達成され、従って、本明細書において、さらに詳しく記載する必要はない。このようにして形成されたウェル220の各々は、試料プレートの表面中に局所化された窪みを作出し、より具体的な実施形態において、窪みは、一般に、アーチ型の窪みであるが、窪みは、所定の用途に対して許容される多数の他の形状の窪みの何れをも形成することができる。
分離装置224は、試料プレート220のウェル220の少なくとも1つ又はそれ以上の中に、より具体的な実施形態において、試料プレートの各ウェル200の中に配置される。さらなる実施形態において、分離装置224は、ウェル220の底に、より具体的には、ウェルの中心近くに配置される。分離装置224は、図2に関して本発明で上記されているように、カーボンナノチューブの層又は充填された層を含む。このように、本実施形態/本発明の態様の分離装置224の構築、配置及び構成についてのさらなる詳細に関しては、図2の分離機構104に対する先述の議論を参照されたい。
別の実施形態において、分離装置224は、試料プレートの1つ又はそれ以上のウェル220に付与されるカーボンナノチューブのコーティングを含む。カーボンナノチューブは、例えば蒸着技術など、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて取り付けることができる。さらなる実施形態において、結合剤(例えば、ポリマー性材料)を含む材料の層及びカーボンナノチューブは、コーティングを形成するために、1つ又はそれ以上の壁に付与される。特定の実施形態において、コーティングは、ウェル220の底部表面、より具体的には、ウェルの中心近くをコーティングするために配置されるように付与される。
さらなる実施形態において、試料プレート200の上部表面は、さらに、ウェル220のそれぞれについて所定の距離で配置されている環222(環形状の窪み)を含むように設計される。環222は、各ウェルの周囲に形成されるので、試料(試料液滴2)は、ウェルに含有される。環222は、コーティング230中に形成される窪み又はコーティング及び基材210中に形成される窪みを含むことができる。形成されている環の窪みの形状は、特に限定されないが、試料を含有するような形状である。さらなる具体的実施形態において、食刻された環222への各ウェル周囲の表面が、ウェル220の方向に傾斜するように、コーティング230及び基材210が設計されている。
上記ピペットチップ100及び試料プレート200の使用は、以下の議論から、及び、図を除いて以下の論述に含まれないピペットチップ及び/又は試料プレートの詳細及び要素に関して図2から4を参照することによって、最もよく理解される。ピペットチップ100及び試料プレートが参照されているが、ピペットチップに関する以下の議論に基づいて、本明細書に記載されている他の収容部の使用に対して適用可能な技術を適切に改変させることが、当業者の技術に十分属することを認識すべきである。
ピペットチップ100及び試料プレート200及び本発明の方法は、溶液からのペプチド及びタンパク質の試料の調製に特に適しており、より具体的には、溶液からのこのようなペプチド及び/又はタンパク質試料の試料調製及び/又は精製のためにカーボンナノチューブが使用されるこのような装置及び方法に関する。本発明の装置及び方法を用いて処理/加工されるべき試料は、pH5など(但し、これに限定されない。)の低pH下でプロトン化され得るアミン部分を有するタンパク質、ペプチド又は他の何れかの分子を含むことができる。処理/加工されるべき試料は、本発明の試料調製/精製法の間に除去される塩、界面活性剤などのきょう雑物も含有することができる。
本発明のより具体的な態様によれば、本発明の試料調製/精製方法は、カーボンナノチューブを含む材料の層又は充填された層を調製することを含む。さらなる実施形態において、このような調製は、ピペットチップ100などのカラム若しくはチューブ中に又は試料プレート200上に層又は充填された層を配置することを含む。試料プレートは、図3から4に示されているとおり、ウェル200を含むように設計することが可能であり、又はウェルを含まないように設計することが可能である。特定の実施形態において、このような調製は、このようなカーボンナノチューブを含む分離機構104を含むピペットチップ100又はこのようなナノチューブを含む分離装置224を含む試料プレート200を提供することを含む。
さらなる実施形態において、カーボンナノチューブを含む充填された材料の層のこのような調製は、ナノチューブの末端が切断される(例えば、化学的に切断される)ようにカーボンナノチューブを加工することを含む。このようにして、より小さな分析物種は、切断されたカーボンナノチューブの内部及び外部両表面と相互作用することが可能である。従って、末端のこのような切断は、結合に利用可能な表面積を増加させ、その結果、試料調製/精製の間に層の試料搭載容量を増加させる。
さらなる実施形態において、本発明の方法は、当業者に公知の多数の技術の何れかを用いて、一切の既存のきょう雑物を除去するために、材料の層/パケット層(packet bed)を前処理することを含む。特定の実施形態において、このような前処理は、全ての既存のきょう雑種を除去するために、材料の層/充填された層を溶媒で前処理することを含む。より具体的な典型的な実施形態において、材料の層/充填された層は、約0.1%ギ酸又は概ね約0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)又は酢酸の概ね約0.1%を加えたメタノール又はアセトニトリルで前処理される。ピペットチップ100又は試料プレート200の場合には、ピペットチップの分離機構104又は試料プレートの分離装置224のカーボンナノチューブは、このように前処理される。
このような前処理後に、材料の層は、水溶液で再度平衡化される。特定の実施形態において、溶液は、ギ酸などの有機酸の低パーセントに加えて、有機溶媒の低濃度を含有する。ピペットチップ100又は試料プレート200の場合には、このような再平衡化は、ピペットチップの分離機構104又は試料プレートの分離装置224のカーボンナノチューブの再平衡化である。
さらなる実施形態において、前記方法は、材料の層/充填された層を通じて、目的の分析物を含有する、処理/加工されるべき試料を通過させること、又は材料の層/充填された層上に、目的の分析物を含有する試料を堆積することを含む。ピペットチップ100又は試料プレート200の場合には、これは、処理されるべき試料をピペットチップの分離機構104のカーボンナノチューブに通過させること、又は試料プレートの分離装置224と流体が接触するように、処理/加工すべき試料を試料プレート上に堆積することを含む。
さらなる典型的な実施形態において、処理/加工すべき試料は、溶媒を含み、この溶媒は、例えば、溶媒の最大約30%の有機成分を加えた、約0.1%ギ酸、TFA又は酢酸を含む。メタノール又はアセトニトリルは、本発明の送達溶媒中で使用される溶媒の例である。このような通過又は堆積後、材料の層/充填された層(例えば、ピペットチップ分離機構104のカーボンナノチューブ又は試料プレート分離装置224)は、洗浄溶媒を用いて洗浄される。典型的な実施形態において、洗浄溶媒は、約0.1%ギ酸、TFA又は酢酸を含む。
さらなる実施形態において、前記方法は、材料の層/充填された層から試料を抽出することをさらに含む。より具体的な実施形態において、このような抽出の後には、前記洗浄が続く。さらに具体的な実施形態において、このような抽出は、材料の層/充填された層(例えば、試料プレート分離装置224のカーボンナノチューブ)へ抽出溶媒を付与すること、又は材料の層(例えば、ピペットチップ分離機構104のカーボンナノチューブ)を通じて抽出溶媒を通過させることを含む。典型的な実施形態において、抽出溶媒は、アセトニトリル又はメタノール(約30%から100%)を含み、より具体的な典型的実施形態において、抽出溶媒は、約70%アセトニトリル及び5%ギ酸を含む溶液である。
このような方法は、カーボンナノチューブの表面上に固定化しながら、又は抽出の後に、固定化された分析物種に対して様々な化学操作を行うことをさらに含むことができる。より具体的な実施形態において、このような方法は、固定化されたペプチドの酵素的消化を実施することをさらに含み、より具体的には、ナノチューブ表面上でのさらなる精製をさらに含むことができる。
一般に、理想的には、カーボンナノチューブに結合されるタンパク質に対して酵素的消化を行い、次いで、タンパク質をペプチドへ切断及び分解するために(例えば、トリプシンは、リジン及びアルギニン残基のカルボキシル側に切断を生じる。)、トリプシンなどの酵素剤(LysC及びその他も使用し得る。)を添加することによって、前記タンパク質を消化し、次いで、ペプチドは、LC及び/又はMS及び/又はMS/SMによって分析することが可能である。このようなプロセスは、トリプシンを添加する前に、変性剤(例えば、尿素、グアニジン、HClなど)を用いてタンパク質を変性させること、並びに(例えば、ジチオスレイトール又はTCEPを用いて)タンパク質内のジスルフィド結合を還元し、遊離のシステイン(例えば、ヨードアセトアミド又はヨード酢酸を添加)をアルキル化することを含むこともできる。タンパク質は、これらの段階の前にカーボンナノチューブに結合され、段階間の洗浄時に結合された状態を保つ。前記変性、還元及びアルキル化段階は、例示及び典型例であり、当業者の知識の範疇に十分属する。一般に、このような消化はペプチドに対して適用されるが、極めて大きなペプチドに対しても適用される。
さらなる実施形態において、及び本明細書に記載されているように、このような方法は、多数のある種の官能基の何れか1つ又はそれ以上でカーボンナノチューブの表面を化学的に修飾し、これにより好ましくは、ペプチド又はタンパク質の優先的な結合を引き起こすこと、及び、これにより、ナノチューブへ結合する特異的な分析物を選択することをさらに含む。
本発明の方法に従った処理又は加工の後、次いで、このような処理又は加工から得られた試料は、具体的な操作に従って分析又は使用され、そのために試料が作製される方法又は技術が実施される。
本発明の方法及び装置は、試料の濃縮、きょう雑物の除去及び試料の喪失を伴わない、少量の液体の取り扱いの容易さを有利に提供する。カーボンナノチューブ表面との強力な非共有的相互作用の結果、分析物種が優先的に濃縮及び精製される。分析物は、カーボンナノチューブを含む材料の層に試料溶液を通過させ、又は固定化されたカーボンナノチューブで被覆された表面上に試料を堆積させることによって、カーボンナノチューブ表面と接触する。きょう雑物は、酸性水溶液で層材料を洗浄することによって、カーボンナノチューブ表面から優先的に除去される。
本発明の方法及び装置は、例えば、直接質量分析法又は電子スプレー若しくはナノスプレーによる注入を用いた直列質量分析などの質量分析用の分析物試料の調製に特に適しているが、本発明は、この具体的な用途に限定されない。調製された分析物試料は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)を用いて直接分析することもできる。本明細書に記載されている装置及び方法が、他の公知の分析技術と組み合わされた精製方法として使用に適するように改変されることが想定され、従って、本発明の範囲に属することが想定される。
ここで、図5A−Bを参照すると、トリプシンBSA消化物のナノスプレー質量スペクトルのグラフ図が示されている。本発明の方法及び装置を用いて得られた試料に対するトリプシンBSA消化物のナノスプレー質量分析の図5A及びグラフ図である。図5Aは、本発明の方法に従って処理又は加工されてない100fmol/μLBSA消化物のナノスプレー質量スペクトルである。図5Bは、カーボン多壁ナノチューブを含む本発明のピペットチップを用いて40μLが処理された、25fmol/μLBSA消化物のナノスプレー質量スペクトルである。カーボンナノチューブに結合されたペプチドは、70%アセトニトリル及び5%ギ酸の5μLを用いて、ピペットチップから溶出された。
具体的な用語を用いて、本発明のある種の実施形態を記載してきたが、このような記載は、例示を目的とするものにすぎず、以下の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱せずに、変化又は変更を施し得ることを理解すべきである。
参照による組み込み
本明細書に開示されている全ての特許、公開された特許出願及びその他の参考文献は、参照により、その全体が本明細書中に明示的に組み込まれる。
均等物
当業者は、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態の均等物を認識し、定型的な実験操作のみを用いて均等物を究明することができる。このような均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されるものとする。
図1は、2つの多孔性プラグ間に集合された粒子を有する慣用の吸着性ピペットチップの模式図又は図表。 図2は、吸引による試料の精製に適合できる本発明のピペットチップの模式図又は図表である。 図3は、試料プレート中にウェルの複数又はそれ以上が付与された本発明の試料プレートの模式図又は図表である。 図4は、図3の試料プレートの模式的側面図であり、明確にするために、1つのウェルの配置が例示されている。 図5Aは、トリプシンBSA消化のナノスプレー質量スペクトルのグラフ図である。 図5Bは、本発明の方法及び装置を用いて得られた試料に対するトリプシンBSA消化のナノスプレー質量スペクトルのグラフ図である。

Claims (15)

  1. タンパク質又はペプチドの何れか一つを含む試料を加工して前記タンパク質又はペプチドの何れか一つを含む加工された試料を得るための方法であり、
    カーボンナノチューブを含む充填された材料の層を含む分離媒体を調製する段階;
    全ての既存のきょう雑物を除去するために、充填された材料の層を前処理する段階;
    上記の前処理段階の後に、充填された材料の層を再平衡化する段階;
    上記カーボンナノチューブを、ナノチューブの末端が切除されるように加工する段階;
    前記試料を前記分離媒体に通過させる段階、ここで前記分離媒体は、上記カーボンナノチューブを含み、該カーボンナノチューブの表面に前記タンパク質及びペプチドの何れか一つを結合させるものであり、また、前記分離媒体は、その中にカーボンナノチューブが含有される収容部を含み、前記収容部は、ピペット先端、カラム及びチューブからなる群から選択されるものであり、該段階は、タンパク質及びペプチドの何れか1つが、カーボンナノチューブ表面との非共有的相互作用の結果としてカーボンナノチューブの表面に結合されるものであり、さらに該カーボンナノチューブの層が多孔性かつ透過性である;並びに、
    材料の層から試料を抽出する段階;
    を含む、前記方法。
  2. タンパク質又はペプチドの結合された1つを分離媒体から溶出する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶出が、脱着媒体を分離媒体に通過させることにより、カーボンナノチューブからタンパク質又はペプチドの結合された1つを放出させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. カーボンナノチューブの多孔性層を含むように構成及び配置された分離媒体を提供する段階をさらに含み、並びに
    試料の前記通過が、試料を多孔性層に通過させることを含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記溶出が、カーボンナノチューブの層からタンパク質又はペプチドの結合された1つを溶出する段階を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 脱着媒体を通過させることが、カーボンナノチューブの層に脱着媒体を通過させ、これにより、カーボンナノチューブの層からタンパク質又はペプチドの結合された1つを放出させることを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 試料を通過させる前記段階を実施する前に、適切な溶媒を用いて分離媒体を調製する段階をさらに含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 分離媒体の前記調製が、分離媒体を含むカーボンナノチューブ材料を酸性水溶液で洗浄することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 分離媒体のカーボンナノチューブのクロマトグラフィー特性を化学的に修飾する段階をさらに含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
  10. カーボンナノチューブが、カーボンナノチューブにタンパク質又はペプチドの特定の1つを選択的に結合するように、分離媒体のカーボンナノチューブのクロマトグラフィー特性を化学的に変化させる段階をさらに含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
  11. カーボンナノチューブへのタンパク質又はペプチドの特定の1つの優先的結合が存在するように、分離媒体のカーボンナノチューブのクロマトグラフィー特性を化学的に変化させる段階をさらに含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
  12. カーボンナノチューブの表面上に固定化しながら、タンパク質又はペプチドの結合された1つに対して様々な化学操作を実施する段階をさらに含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
  13. タンパク質又はペプチドの結合された1つを分離媒体から溶出した後に、タンパク質又はペプチドの結合された1つに対して様々な化学操作を実施する段階をさらに含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
  14. 前記様々な化学操作の実施が、カーボンナノチューブの表面上に固定化されながら、タンパク質又はペプチドの結合された1つの酵素的消化及び精製を実施することを含む、請求項12に記載の方法。
  15. タンパク質又はペプチドの何れか一つを含む試料を加工して前記タンパク質又はペプチドの何れか一つを含む加工された試料を得るための装置であり、
    前記装置は、カーボンナノチューブを含む充填された材料の層;並びに、その中にカーボンナノチューブが含有され、ピペット先端、カラム及びチューブからなる群から選択される収容部;を含む分離媒体を含み、
    充填された材料の層は、全ての既存のきょう雑物を除去するために、前処理されており、かつ、上記の前処理の後に再平衡化されており、
    上記カーボンナノチューブは、ナノチューブの末端が切除されるように加工されており、
    さらに上記カーボンナノチューブの層は多孔性かつ透過性である;
    前記装置。
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