JP2007197314A - カーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンナノチューブを含有する組成物から不純物を除去でき、耐熱性、機械的強度、導電性に優れるカーボンナノチューブから凝集体が形成されることを抑制できる、カーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とするカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
【選択図】なし
【解決手段】カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とするカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、カーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法に関する。さらに詳しくは、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材の材料、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤の材料等に好適に用いられるカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法に関する。
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。カーボンナノチューブは、高い機械的強度、高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材の材料として期待されており、さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセットの材料として期待されており、また、ナノサイズの空間を有することから、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤の材料として期待されている。いずれの用途の場合にも、高純度のカーボンナノチューブが要求されており、カーボンナノチューブとしては単層や直径の細い2〜5層のカーボンナノチューブが有利であり、グラファイト層の欠陥が少ない方が特性的に優れている。
カーボンナノチューブの製造方法として、アーク放電法やレーザー蒸発法、化学気相成長法などが知られており(非特許文献1参照)、中でもグラファイト層に欠陥の少ない高品質なカーボンナノチューブを安価に製造する方法として、触媒化学気相成長法が知られている(非特許文献2参照)。さらに触媒化学気相成長法では、カーボンナノチューブの層数を、単層、2〜5層に制御して製造できることが知られている(非特許文献3参照)。
単層、2〜5層に制御して製造できる触媒化学気相成長法で得られたカーボンナノチューブを含有する組成物は、カーボンナノチューブ以外の不純物として触媒金属や固体担体を含む。このため、触媒化学気相成長法によって得られたカーボンナノチューブを含有する組成物から、これら不純物を除去する精製方法が必要となる。従来から提案されている精製方法として、カーボンナノチューブを含有する組成物にフッ化水素酸を接触させる方法(非特許文献4参照)、カーボンナノチューブを含有する組成物に塩酸を接触させる方法(非特許文献5参照)、カーボンナノチューブを含有する組成物に硝酸を接触させる方法(特許文献1参照)、およびカーボンナノチューブを含有する組成物を液体中、常温で撹拌処理、超音波処理および遠心分離処理のいずれかを行う方法(特許文献2参照)がある。
しかしながら、従来の精製方法では、精製工程においてカーボンナノチューブが凝集体を形成してしまうため、得られたカーボンナノチューブを含有する組成物の樹脂や溶媒等への均一分散が困難であった。特許文献2に記載のカーボンナノチューブを含有する組成物を液体中で処理する方法においても、固体触媒などを回収することを主眼におき、常温で処理されたと考えられるため、凝集体生成の点で劣るものしか得られない。このため、前述した用途の材料としてカーボンナノチューブを使用しても、十分な効果を得ることができなかった。特に、前述した用途の材料に最適と期待される、単層や直径の細い2〜5層のカーボンナノチューブにおいては、カーボンナノチューブの凝集体形成が著しく、大きな問題であった。
斉藤弥八、坂東俊治、「カーボンナノチューブの基礎」、株式会社コロナ社、p17、23、47 「ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)」303(1999),117-124 「ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)」360(2002),229-234 「アプライド・フィジックス・エー(Applied Physics A)74(2002),345-348」 「ジャーナル・マテリアル・ケミストリー(Journal Material Chemistry)」12(2002),1179-1183 特開2004−182548号公報
特開2005−97029号公報
斉藤弥八、坂東俊治、「カーボンナノチューブの基礎」、株式会社コロナ社、p17、23、47 「ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)」303(1999),117-124 「ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)」360(2002),229-234 「アプライド・フィジックス・エー(Applied Physics A)74(2002),345-348」 「ジャーナル・マテリアル・ケミストリー(Journal Material Chemistry)」12(2002),1179-1183
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、カーボンナノチューブを含有する組成物から不純物を除去でき、耐熱性、機械的強度、導電性に優れるカーボンナノチューブから凝集体が形成されることを抑制できる、カーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の精製方法は、以下の構成をとる。
<1>カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とするカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<2>固体触媒を溶解する水溶液がpH5以下の酸性水溶液であることを特徴とする<1>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<3>上記酸性水溶液が塩酸、硝酸、フッ化水素酸または酢酸水溶液であることを特徴とする<2>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<4>固体触媒を溶解する水溶液がpH9以上のアルカリ性水溶液であることを特徴とする<1>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<5>上記アルカリ性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする<4>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<6>水と混じり合わない有機液体が、芳香環を有することを特徴とする<1>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<7>カーボンナノチューブを含有する組成物が、500〜1200℃の高温条件下で、固体触媒と炭素含有化合物を接触させる方法で得られたものであることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つ記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<8>固体触媒が、固体担体に金属が担持された形態であることを特徴とする、<1>〜<7>のいずれか1つ記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<9>上記固体担体が、酸化マグネシウム、シリカまたはゼオライトであることを特徴とする<8>記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<10>カーボンナノチューブが単層のカーボンナノチューブおよび/または2層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、<1>〜<9>のいずれか1つ記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
<11>カーボンナノチューブが外径3nm以下カーボンナノチューブを含有することを特徴とする、<1>〜<10>のいずれか1項記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
本発明によれば、カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とするカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法によって、純度を高めたカーボンナノチューブが得られるばかりでなく、耐熱性、機械的強度、導電性により優れるカーボンナノチューブでかつ凝集体の形成が抑制された形態で得ることができる。
特に本発明の精製方法を、500〜1200℃の高温条件下で、担体に金属が担持された形態の固体触媒と炭素含有化合物を接触させる方法によって製造された、外径の細いカーボンナノチューブ、例えば単層や直径の細い2〜5層のカーボンナノチューブを含有する組成物に行うことで、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセット、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤などの用途に最適な材料として期待されるカーボンナノチューブを高純度で得ることができる。
これらのことにより、本発明による産業上の利用価値は大きい。
本発明のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法は、カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とする。このようにして、不純物を除去でき、さらに、耐熱性、機械的強度、導電性に優れるカーボンナノチューブを凝集体の形成を抑制して得ることができる。
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを多層カーボンナノチューブという。カーボンナノチューブの形態は、高分解能透過型電子顕微鏡で調べることができる。グラファイトの層は、透過型電子顕微鏡でまっすぐにはっきりと見えるほど好ましいが、グラファイト層は乱れていても構わない。グラファイト層が乱れたものは、カーボンナノファイバーと定義することがあるが、このようなカーボンナノファイバーも本発明においてはカーボンナノチューブに含むものとする。
カーボンナノチューブは、通常、固体触媒を用いて製造されるため、得られたカーボンナノチューブは、通常固体触媒等の不純物を含有する組成物として得られるが、本発明においてはカーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することで、不純物を除去できるだけでなく、耐熱性、機械的強度、導電性に優れるカーボンナノチューブを得ることができる。その理由は定かではないが、以下のように推察される。すなわちカーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有している。このグラファイト層は炭素六員環で構成されており、その表面はパイ電子で覆われている。カーボンナノチューブのグラファイト層に、炭素原子の欠落などによる構造的欠陥が存在すると、カーボンナノチューブの耐熱性や機械的強度は低下する。また、カーボンナノチューブのグラファイト層に、不対電子対や官能基、付着物などによる電子的欠陥が存在すると、カーボンナノチューブの導電性は低下する。つまり、カーボンナノチューブのグラファイト層に構造的欠陥や電子的欠陥が多いと、カーボンナノチューブの耐熱性、機械的強度、導電性は失われる。本発明におけるカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法は、固体触媒を溶解する水溶液のみでなく、水と混じり合わない有機液体との混合液中で処理をするため、カーボンナノチューブのグラファイト層はより親和性の高い有機液体により覆われ、グラファイト層が固体触媒を溶解する水溶液により損なわれにくい状態で固体触媒を溶解することができる。そのためカーボンナノチューブのグラファイト層に構造的欠陥や電子的欠陥が生じることなく、カーボンナノチューブの純度を高めることができると推察される。
カーボンナノチューブのグラファイト層の欠陥は、例えば以下の方法で評価することができる。共鳴ラマン散乱測定法の測定により得られるスペクトルで、1550〜1650cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1300〜1400cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたときに、G/D比で評価することができる。Gはグラファイト構造に起因したピークで、Dはグラファイト構造の欠陥に起因したピークであり、グラファイト構造に欠陥が多いと、G/D比は小さくなる。つまり、G/D比が大きいカーボンナノチューブほど、グラファイト層に欠陥が少なく、耐熱性、機械的強度、導電性に優れると考える。また、大気雰囲気中で10℃/分で昇温して900℃まで熱分析を行ったとき、温度300〜900℃の範囲の発熱ピーク温度で評価することができる。カーボンナノチューブのグラファイト層に欠陥が多いと、発熱ピーク温度は低くなる。つまり、発熱ピーク温度が高いカーボンナノチューブほど、グラファイト層に欠陥が少なく、耐熱性、機械的強度、導電性に優れると考える。このことから、本発明のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法によって得た精製後のカーボンナノチューブ組成物が、精製前のカーボンナノチューブを含有する組成物とG/D比、発熱ピーク温度が同等の場合は、カーボンナノチューブのグラファイト層に構造的欠陥や電子的欠陥が生じることなく、カーボンナノチューブの純度を高めることができたと考える。また、本発明のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法によって得た精製後のカーボンナノチューブ組成物が、精製前のカーボンナノチューブを含有する組成物よりもG/D比が大きい場合や、発熱ピーク温度が高い場合は、カーボンナノチューブと炭素不純物の分離精製や、構造欠陥の多いカーボンナノチューブと構造欠陥の少ないカーボンナノチューブの分離精製ができたと考える。
また、カーボンナノチューブを含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中で混合処理することで凝集体の形成を抑制して得ることができる理由は明らかではないが、以下のように推察される。
すなわちカーボンナノチューブのグラファイト層は水との親和性がないため、カーボンナノチューブは水中では油のようにはじかれる。カーボンナノチューブ同士はその表面のパイ電子の相互作用により絡まりやすく、水中ではその絡まりが助長され、その結果、凝集体ができやすくなる。したがって、カーボンナノチューブを含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液のみで精製すると、凝集体を多く含むことになる。一方、本発明のように固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体の混合液中で処理すると、カーボンナノチューブは水溶液と混じり合わず、水と混じり合わない有機液体で覆われ、水溶液との接触が少なくなり、その結果、凝集体の生成を抑えることができると推察される。
凝集体の有無や大きさは、走査顕微鏡で観察することで確認できるが、その絶対量は測定できないため、得られた粉末状のカーボンナノチューブ中の凝集体量を従来の精製方法で得たものと相対的に評価することになる。その評価法としてかさ密度(g/L)を用いる。かさ密度は粒子の物質自身の体積、粒子と粒子の間隙の体積、粒子表面の凹凸部の空間体積などを含むので、粒子が凝集しているとこれらの体積が減ることになり、かさ密度値は大きくなる。ここであげたかさ密度は簡易的なものであり、以下にその測定方法を示す。メスシリンダーを測定容器として用い、メスシリンダーの底を軽く叩きながらある容積になるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返した後、容積値に変化が無ければ詰める操作を終了する。もし、変化があればメスシリンダーの底を軽く叩きながらカーボンナノチューブを追加し、再度メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返し容積値に変化がないことを確認して操作を終了する。上記の方法で詰めた一定容量のカーボンナノチューブの重量を求めることを3回繰り返し、その平均重量を一定容積で割った(=重量(g)/体積(L))ものをカーボンナノチューブのかさ密度とする。このようにして求めたかさ密度を従来の精製方法で得たカーボンナノチューブのそれと比較し、より小さければ相対的に評価して本発明で得られた精製カーボンナノチューブ中の凝集体量は少ないと判断できる。
ここで、混合処理するとはカーボンナノチューブを含有する組成物と固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体の3成分を攪拌、超音波照射などの混合手段により混ぜ合わせる処理をいい、混合処理の時間を特に限定するものではない。
混合処理はスターラーやスリーワンモーターと撹拌羽根を用いた通常の撹拌で良く、カーボンナノチューブのグラファイト層に構造的欠陥や電子的欠陥が生じにくいことや、スケールアップが容易であり工業化に向いている利点がある。アトライター(回転数は100rpm以上が好ましい)、ボールミル(ボールの衝撃は1G以上が好ましい)等の機械的衝撃を加える攪拌でもよい。超音波処理は出力が大きいものほど良く、10W以上、好ましくは20W以上、さらに好ましくは50W以上であることが好ましい。上記において後ライターの回転数や、ボールの衝撃強度、超音波処理の出力等の上限については、カーボンナノチューブの形状、性状を損傷しない範囲である限り特に制限はない。
混合処理の時間は前述したように特に限定されるものではなく、不純物の除去効率が良く、カーボンナノチューブのグラファイト層に欠陥が生じない範囲内で、任意に設定することができる。好ましい時間は1〜10時間であり、より好ましい時間は2〜5時間である。
以下、より具体的に本発明のカーボンナノチューブを含有する組成物の混合処理の操作を説明する。
本発明においては、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液を予め作製し(この際有機液体中に固体触媒を溶解する水溶液が液滴状に分散していることが好ましい)、そこへカーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を投入し、攪拌、超音波照射等の混合手段を用いて混合する方法でもよいが、次のような方法がより好ましい。まず、水と混じり合わない有機液体を容器に入れ、カーボンナノチューブを含有する組成物を投入する。ただし、この順番は逆であってもかまわない。その後、カーボンナノチューブを含有する組成物が有機液体中に分散するように撹拌、超音波照射等の混合手段を用いて混合処理を行う。これらは固体触媒を溶解する水溶液を加える前に行うと精製の効率が向上するので好ましい操作である。混合処理は上記した条件で好ましく行うことができる。
続いて、カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物が有機液体中に分散された後は、固体触媒を溶解する水溶液を加え混合処理を続ける。その後の時間は前述した条件で好ましく行うことができる。
本発明においては上記混合処理を40℃以上の温度で行なうことにより、固体触媒を効率よく溶解させる、さらに、カーボンナノチューブの凝集を防止するエネルギーを加えることができる。なかでも混合処理時の温度は40℃以上から前記混合液の沸点以下が好ましい。混合処理の温度をこの範囲とすることが、熱量の効率的利用の観点、あるいは急激な突沸を引き起こすことがないなど系の安定性の観点から好ましい。また、混合液が還流状態となる状態で混合処理を行うこともより反応を効率よく進行させることができ、さらに温度、圧力のコントロールが容易であることから好ましい。前記特許文献2に記載のカーボンナノチューブを含有する組成物を液体中で処理する方法は、固体触媒などを回収することを主眼におき、常温で処理していると考えられるため、後述の比較例2に示すように凝集体生成の点で劣るものしか得られないものと考えられる。
固体触媒を溶解する水溶液としては、酸性水溶液、アルカリ性水溶液を挙げることができる。固体触媒を溶解する酸性水溶液の種類としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ化水素酸のような無機酸の水溶液、酢酸、クエン酸、シュウ酸のような有機酸の水溶液などを用いることができる。これらを単独で用いても、混合して用いても構わない。なかでも塩酸、硝酸、フッ化水素酸、酢酸が好ましい。例えば固体触媒の担体に酸化マグネシウムを用いる場合には、塩酸、酢酸が好ましく、ゼオライトを用いる場合には、フッ化水素酸が好ましい。特に固体触媒の固体担体に酸化マグネシウムを使用したとき酸性水溶液に塩酸を用いると生じるマグネシウム塩の水溶性が高いため、不純物の除去効率の点で好ましい。そのpH値は5以下が好ましく、特にpH値2以下が不純物の除去効率の点からより好ましい。
固体触媒を溶解するアルカリ性水溶液の種類としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアなどの水溶液を用いることができる。これらを単独で用いても、混合して用いても構わない。そのpH値は9以上が好ましく、特にpH値12以上が不純物の除去効率の点からより好ましい。
水と混じり合わない有機液体とはカーボンナノチューブを溶解せず、水と混合した時に水層と別の層の2層に分離するものであって、水層が上層であっても下層であってもいずれでもよい。
水と混じり合わない有機液体の種類としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素化合物、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンなどのハロゲン化合物、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル化合物、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物またはこれらの混合物などを使用することができる。より好ましい化合物としては、カーボンナノチューブの表面との相互作用のある芳香環を有するものが良く、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンなどがあげられる。
固体触媒を溶解する水溶液と水と混じり合わない有機液体の混合液の液量としては、カーボンナノチューブを含有する組成物1gに対して、10〜1000mLであり、好ましくは10〜500mLであり、特に好ましくは10〜200mLである。また混合液中に占める酸性水溶液、またはアルカリ性水溶液の割合としては、混合液に対して5〜95重量%が好ましく、より好ましくは15〜80重量%であり、特に好ましくは30〜60重量%である。
上記混合処理に使用する水溶液が固体触媒を溶解させる水溶液であるかどうかの確認は以下のように行う。水溶液に固体触媒が溶解しているかどうかは、固体触媒を溶解する水溶液に固体触媒を加え、撹拌下に混合処理を行った後、不溶物が存在するか否かで確認する。不溶物が存在するか否かの確認は、その処理液を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引濾過してもフィルター上に不溶物が目視観察されないことで確認する。そして、固体触媒を溶解する水溶液を固体触媒1gに対し、10mL〜100mLの範囲で、かつ、内温40℃以上から上記水溶液の沸点以下の温度で上記混合処理を行った後、不溶物がない条件があれば、「固体触媒を溶解させる水溶液」であると判断するものとする。
カーボンナノチューブを含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液と水と混じり合わない有機液体の混合液で処理した後は、カーボンナノチューブを含む成分を固液分離する必要がある。この工程は主に溶解した担体や金属を除去するもので容器としては、耐薬品製の容器であれば特に限定されることはなく、例えば、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、FRP、CFRPからなる容器を用いることができる。なかでも、分液が容易な構造を持つ容器を使用すると、カーボンナノチューブが多く含まれる溶液部と、カーボンナノチューブ以外の成分が多く含まれる溶液部をそれぞれ個別に回収する操作が容易となり好ましい。少量の取り扱い(実験室レベルでの取り扱い)であれば、ビーカーや三角フラスコなど公知の器具を使用でき、なかでも、分液ロートを使用すると、カーボンナノチューブが多く含まれる溶液部と、カーボンナノチューブ以外の成分が多く含まれる溶液部をそれぞれ個別に回収する操作が容易となり好ましい。
カーボンナノチューブの製造方法として、アーク放電法やレーザー蒸発法、化学気相成長法などが知られており、なかでも、グラファイト層に欠陥の少ない高品質なカーボンナノチューブを安価に製造する方法として、触媒化学気相成長法が知られている。さらに触媒化学気相成長法では、カーボンナノチューブの層数を、単層、2〜5層に制御して製造できることが知られている。
本発明に用いるカーボンナノチューブの製造方法は、特に限定されるものではなく、上記のような様々な技術によって製造されたカーボンナノチューブを用いることができる。とりわけ、触媒化学気相成長法で製造したカーボンナノチューブを用いることが好ましい。以下、詳細にその理由を述べるが、ここにその理由を要約すると、カーボンナノチューブを安価に製造できるためコスト的に優れること、得られるカーボンナノチューブがグラファイト層の欠陥が少なく、外径が細いカーボンナノチューブ、例えば単層や直径の細い2〜5層のカーボンナノチューブであるため特性的に優れていることによる。
触媒化学気相成長法のより具体的な方法として、500〜1200℃の高温条件下で固体触媒と炭素含有化合物を接触させる方法が好ましい。この方法により、グラファイト層の欠陥が少ないカーボンナノチューブを安価に製造できる。
固体触媒を構成する触媒金属の種類としては、元素周期表に定められた1族〜16族より選ばれる典型金属元素、遷移金属元素を少なくとも1種類以上含む金属元素を挙げることができる。中でも、触媒金属としては、Co、Fe、Niが好ましい。これらの金属を少なくとも1種類以上用いることで、グラファイト層の欠陥が少ないカーボンナノチューブを、収率良く合成することが可能となり好ましい。ここで金属とは、0価の状態とは限らない。反応中では0価の金属状態になっていると推定はできるが、反応中の状態を調べる手段がないので、広く金属を含む化合物または金属種という意味で解釈してよい。
また、炭素含有化合物としては、気体、液体、固体いずれでも良いが、500〜1200℃の高温条件下でガス状となり固体触媒と接触することが、収率良くカーボンナノチューブが得られることから好ましい。炭素含有化合物の種類としては、炭素原子を含有していれば特に限定はないが、通常は一酸化炭素や炭化水素化合物であり、脂肪族であっても芳香族であってもよく、炭素-炭素結合も飽和結合であっても不飽和結合を含んでいても良い。これらは、単独で使用しても、混合して使用しても構わない。芳香族の炭化水素では、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン又はこれらの混合物などを使用することができる。また、非芳香族の炭化水素では、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレンもしくはアセチレン、又はこれらの混合物等を使用することができる。炭化水素では、酸素を含むもの、例えばメタノール若しくはエタノール、プロパノール、ブタノールのなどのアルコール類、アセトンのなどのケトン類、及びホルムアルデヒドもしくはアセトアルデヒドのなどのアルデヒド類、トリオキサン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチルなどのエステル類又はこれらの混合物であってもよい。
炭素含有化合物は、窒素、アルゴン、水素、ヘリウム等の不活性ガスとの混合物を用いても、単独で用いても構わないが、固体触媒に炭素ガスが供給される反応場は、不活性ガス、または真空雰囲気下(減圧下)であることが、収率良くカーボンナノチューブが得られることから好ましい。
固体触媒と炭素含有化合物を接触させる温度は、500〜1200℃、好ましくは600〜1000℃である。温度が低いと収率良くカーボンナノチューブを得ることが困難になり、温度が高いと使用する反応器の材質に制約が生じる。
固体触媒と炭素含有化合物の接触のさせ方は特に限定されない。例えば、固体触媒を加熱炉内に保持し、炭素含有化合物を加熱炉内に供給して加熱炉内で接触させる方法や、固体触媒を加熱炉で流動させ、炭素含有化合物を加熱炉内に供給して加熱炉内で接触させる方法などがある。
さらに、上記カーボンナノチューブの製造方法において、固体担体に金属が担持された形態を特徴とする固体触媒を用いることで、直径の制御されたカーボンナノチューブを製造することができ好ましい。
固体担体としては有機物でも無機物でも良いが、耐熱性の観点から無機物が好ましい。無機の固体担体としては、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、ケイ酸塩、珪藻土、アルミノシリケート、層状化合物、ゼオライト、活性炭、グラファイトなどを挙げることができる。中でも触媒金属が均一に担持できる無機多孔体が好ましい。無機多孔体の中でも、特に、酸性あるいはアルカリ性水溶液と接触させることで、溶解またはコロイド状に分散するなどして、容易にカーボンナノチューブと固液分離できるものが好ましい。その理由は、無機多孔体と触媒金属をいっしょに除去できることから必要な精製工程が簡素化でき、低コスト化できることによる。特に酸化マグネシウム、ゼオライトが好ましく、その理由は後述するが、品質の良いカーボンナノチューブが収率良く得られることによる。
固体担体の触媒金属の担持量は、固体担体に対し好ましくは0.1重量%〜10.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜5.0重量%であることが、直径の制御されたカーボンナノチューブを選択的に得られることから好ましい。
固体担体への触媒金属の担持方法は特に限定されない。担持したい金属塩を溶解させた水や非水溶液中(例えばエタノール溶液)に、固体担体を含浸し、充分に分散混合した後、乾燥させ、空気中や不活性ガス中高温(300〜600℃)で加熱することによって、固体担体表面に金属を担持することができる含浸法や、金属塩の水溶液またはアルコール量をなるべく少なくし、固体担体の細孔内に、該水溶液を吸着させ、余分な水溶液またはアルコールをろ過などで除去して乾燥させる平衡吸着法や、金属カチオンと固体担体のカチオンを水溶液中で交換するイオン交換法などが用いられる。また、含浸法や平行吸着法によって固体担体に金属塩を担持させた後に乾燥させ、窒素、水素、不活性ガスまたはその混合ガス中高温(300〜900℃)で加熱することにより、担体の結晶表面に金属を担持させることもできる。金属塩を担持した後、空気中で焼成して金属酸化物にすることもできる。
上記の方法で用いる金属塩は特に限定されない。硝酸塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩、エチレンジアミン4酢酸錯体やアセチルアセトナート錯体のような錯塩、金属のハロゲン化物、有機錯塩などが用いられる。
また、固体担体に酸化マグネシム、ゼオライトを用いることが、グラファイト層の欠陥が少ない、外径が3nm以下であるようなカーボンナノチューブ、例えば単層や2層のカーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを含有する組成物を製造することができ好ましい。酸化マグネシウムは精製時に塩酸を使用したとき、生じるマグネシウム塩の水溶性が高く、カーボンナノチューブとの分離がし易いため、特に好ましい。
ゼオライトとは、分子サイズの細孔径を有した結晶性無機酸化物である。分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、0.2から2nm程度の範囲を意味する。さらに具体的には、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことである。結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートの種類は特に制限がなく、例えば、アトラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2), 1996))に掲載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げられる。また、本文献に掲載されているものに限定されるものではなく、近年次々と合成されている新規な構造を有するゼオライトも含む。好ましい構造は、入手が容易なFAU型、MFI型、MOR型、BEA型であるが、これに限定されない。
酸化マグネシウムは、重質酸化マグネシウム、軽質酸化マグネシウムなどを用いることができるが、中でも軽質酸化マグネシウムが好ましい。軽質酸化マグネシウム上に金属を担持したものを触媒として用いると、グラファイト化度の高いカーボンナノチューブが生成する。
本発明の精製方法は、前述のとおり外径の細いカーボンナノチューブ、特に外径が3nm以下のカーボンナノチューブを含有する組成物、例えば単層や2層のカーボンナノチューブを含有する組成物に特に効果を発揮する。ここで外径が3nm以下のカーボンナノチューブを含有する組成物、単層や2層のカーボンナノチューブを含有する組成物とは、それぞれ組成物に含まれるカーボンナノチューブの一部または全部が、上記外径を有するカーボンナノチューブで構成されるもの、単層のカーボンナノチューブおよび/または2層のカーボンナノチューブで構成されているものをいう。好ましい状態としては、組成物に含まれるカーボンナノチューブの主成分が、外径が3nm以下のカーボンナノチューブであるような組成物、あるいは組成物に含まれるカーボンナノチューブの主成分が、単層のカーボンナノチューブおよび/または2層のカーボンナノチューブである状態である。外径の細いカーボンナノチューブは凝集体を形成しやすい特性を持つが、本発明によるカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法を用いれば、外径の細い、例えば3nm以下であるような、特に2.5nm以下であるようなカーボンナノチューブを含有する組成物において、凝集体の生成が低減される効果が特に高い。なお、上記においてカーボンナノチューブの外径は高分解能透過型電子顕微鏡により測定することができる。
上記、カーボンナノチューブの主成分が、外径が3nm以下のカーボンナノチューブであるような組成物としては、例えば、カーボンナノチューブ合成直後の触媒金属やアモルファスカーボン等の副生物を含んだものなどが例示される。カーボンナノチューブを含有する組成物において、100本のカーボンナノチューブ中、50本以上が外径3nm以下のカーボンナノチューブであることが好ましい。このように100本のカーボンナノチューブ中、50本以上が外径3nm以下のカーボンナノチューブであるとき、主成分が外径が3nm以下のカーボンナノチューブであるという。カーボンナノチューブの外径の測定方法は、カーボンナノチューブ含有組成物を、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブである視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブについて外径を測定する。一つの視野中で100本の測定ができない場合は、100本になるまで複数の視野から測定する。上記測定を10箇所について行った相加平均値で評価する。合計100本のカーボンナノチューブについて外径を測定することによって100本中に含まれるカーボンナノチューブの外径とその本数を確認することができる。このとき、カーボンナノチューブ1本とは視野中で一部カーボンナノチューブが見えていれば1本と計上し、必ずしも両端が見えている必要はない。また視野中で2本と認識されても視野外でつながって1本となっていることもあり得るが、その場合は2本と計上する。
本発明による精製方法によって得られたカーボンナノチューブ、特に単層や2層のカーボンナノチューブなど外径が細いカーボンナノチューブは、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセット、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤などの用途の材料として最適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、いかなる意味においても、本発明を限定的に解釈するものとして使用してはならない。
参考例1
(軽質酸化マグネシウムへの金属塩の担持)
担体として酸化マグネシウム、軽質(和光純薬工業 一級)を用いた。触媒を担持するに際し、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル(株)製 BELSORP 18)で比表面積を測定し、その値は38m2/gであった。
(軽質酸化マグネシウムへの金属塩の担持)
担体として酸化マグネシウム、軽質(和光純薬工業 一級)を用いた。触媒を担持するに際し、自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル(株)製 BELSORP 18)で比表面積を測定し、その値は38m2/gであった。
鉄含有量が15%であるクエン酸アンモニウム鉄(III)(関東化学株式会社製)9.84gを秤量後、メタノール500mLに溶解し、酸化マグネシウム100gを加えて分散させ、超音波洗浄機で1時間処理した後、40〜60℃恒温下でメタノールを減圧除去した。通気式乾燥機で120℃、12時間乾燥した後、乳鉢ですりつぶし、粉末状の固体触媒を得た。
参考例2
(カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
反応器として、入り口側(反応機下方部)にガス導入管、出口側(反応機上方部)にガス排出管が接続され、反応器全体を電気ヒーターで加熱でき、かつ、温度制御が行える石英ガラス製の縦型反応器を用いた。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
反応器として、入り口側(反応機下方部)にガス導入管、出口側(反応機上方部)にガス排出管が接続され、反応器全体を電気ヒーターで加熱でき、かつ、温度制御が行える石英ガラス製の縦型反応器を用いた。
また、反応器の中央部分には固体触媒が保持されるように石英硝子フィルターが取り付けてあり、反応器内径は13.5cm、長さ120cmである。
参考例1で調製した固体触媒約4gを秤量し、石英管反応管の石英硝子フィルター上にセットした。 反応器内に20L/分でアルゴンを流通させ、その状態で15℃/分の速度で800℃まで昇温した。昇温後、約10分温度を保持させ、アセチレン1体積%、アルゴン99体積%からなる原料ガスに切り替え、温度800℃を保持しながら、原料ガスを20L/分で4分間流通させて反応を行った。
反応終了後、再びアルゴンガスに切り替え30℃/分の速度で室温まで降温した後、反応器を大気開放させ、カーボンナノチューブを含有する組成物Aを取り出した。
さらに、参考例1で調製した固体触媒約4gを使用し、前記の方法と同じ操作を3回繰り返し行い、カーボンナノチューブを含有する組成物B、CおよびDを得て、前記の組成物Aと混合し、組成物Eとした。この組成物Eを高分解能透過型電子顕微鏡(日立製H-9000UHR III)を用いて100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブのものを5つ選択した。これら5つの視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブ中のカーボンナノチューブはほとんど単層(85本が外径1.0±0.3nmの範囲に含まれていた)であり2層のものも確認できた(10本が外径1.9±0.6nmの範囲に含まれていた)。
参考例3
濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液12mLに参考例1で得られた固体触媒1gを加え、撹拌下で15分間混合した後、オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら(内温91℃)2時間撹拌した(混合処理)。この処理液を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引濾過した。その結果、フィルター上に不溶物が目視観察されなかった。したがって、濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液は、参考例1で得られた固体触媒を溶解させる水溶液であった。
濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液12mLに参考例1で得られた固体触媒1gを加え、撹拌下で15分間混合した後、オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら(内温91℃)2時間撹拌した(混合処理)。この処理液を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引濾過した。その結果、フィルター上に不溶物が目視観察されなかった。したがって、濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液は、参考例1で得られた固体触媒を溶解させる水溶液であった。
参考例4
酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液を作成し、そのうち13mLに参考例1で得られた固体触媒1gを加え、撹拌下で15分間混合した後、オイルバス(設定120℃)にて加熱還流しながら(内温90℃)2時間撹拌した(混合処理)。この処理液を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引濾過した。その結果、フィルター上に不溶物が目視観察されなかった。したがって、酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液は、参考例1で得られた固体触媒を溶解させる水溶液であった。
酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液を作成し、そのうち13mLに参考例1で得られた固体触媒1gを加え、撹拌下で15分間混合した後、オイルバス(設定120℃)にて加熱還流しながら(内温90℃)2時間撹拌した(混合処理)。この処理液を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引濾過した。その結果、フィルター上に不溶物が目視観察されなかった。したがって、酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液は、参考例1で得られた固体触媒を溶解させる水溶液であった。
実施例1
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/塩酸)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 5.0gを、反応容器に入れここにトルエン100mLを加えて15分撹拌して分散させた。このカーボンナノチューブを含有する組成物を分散させた系を撹拌しながら、そこに濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液62mLを滴下し、終了後オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら(内温91℃)2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートにて、水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/塩酸)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 5.0gを、反応容器に入れここにトルエン100mLを加えて15分撹拌して分散させた。このカーボンナノチューブを含有する組成物を分散させた系を撹拌しながら、そこに濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液62mLを滴下し、終了後オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら(内温91℃)2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートにて、水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブのSEM観察)
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ(図1)、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ(図1)、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
(カーボンナノチューブのかさ密度測定)
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定する。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.214gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.243g、0.232gであった。これら、3回分の平均重量(0.230g)からかさ密度を求めたところ、115g/Lであった。これは、比較例1の結果(305g/L)と比較して小さくなっており、得られたカーボンナノチューブ中の凝集体量は少ないと考えられた。すなわち、本発明の精製方法によりカーボンナノチューブ凝集体の形成を抑制できた。
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定する。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.214gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.243g、0.232gであった。これら、3回分の平均重量(0.230g)からかさ密度を求めたところ、115g/Lであった。これは、比較例1の結果(305g/L)と比較して小さくなっており、得られたカーボンナノチューブ中の凝集体量は少ないと考えられた。すなわち、本発明の精製方法によりカーボンナノチューブ凝集体の形成を抑制できた。
実施例2
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/酢酸水溶液)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れ、ここにトルエン30mLを加えた後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射15分間行い分散させた。撹拌中酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液を滴下し、終了後オイルバス(設定120℃)にて加熱還流しながら(内温90℃)2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートに反応スラリーを移し、トルエン10mL、イオン交換水20mLを加えてから振とうし、その後水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を、孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/酢酸水溶液)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れ、ここにトルエン30mLを加えた後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射15分間行い分散させた。撹拌中酢酸19gとイオン交換水15mLの混合溶液を滴下し、終了後オイルバス(設定120℃)にて加熱還流しながら(内温90℃)2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートに反応スラリーを移し、トルエン10mL、イオン交換水20mLを加えてから振とうし、その後水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を、孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブのSEM観察)
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ(図2)、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対しては金属(鉄)は1重量%以下であった。
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ(図2)、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対しては金属(鉄)は1重量%以下であった。
(カーボンナノチューブのかさ密度測定)
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定した。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.205gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.207g、0.206gであった。これら、3回分の平均重量(0.206g)からかさ密度を求めたところ、103g/Lであった。これは、比較例1の結果(305g/L)と比較して小さくなっており、得られたカーボンナノチューブ中の凝集体量は少ないと考えられた。すなわち、本発明の精製方法によりカーボンナノチューブ凝集体の形成を抑制できた。
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定した。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.205gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.207g、0.206gであった。これら、3回分の平均重量(0.206g)からかさ密度を求めたところ、103g/Lであった。これは、比較例1の結果(305g/L)と比較して小さくなっており、得られたカーボンナノチューブ中の凝集体量は少ないと考えられた。すなわち、本発明の精製方法によりカーボンナノチューブ凝集体の形成を抑制できた。
実施例3
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(o-ジクロロベンゼン/塩酸)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れここにo-ジクロロベンゼン30mLを加えて40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約15分行い分散させた。撹拌中濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液32mL滴下し、終了後オイルバス(設定125℃)にて加熱還流しながら(内温98℃)2時間撹拌した(混合処理)。得られたスラリーを濾過した後(濾液に不溶物がないことを確認)、濾過物をトルエン30mLに再分散させ、分液ロートに移液した。カーボンナノチューブを含むトルエン層を分液ロートで5回水洗後、孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(o-ジクロロベンゼン/塩酸)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れここにo-ジクロロベンゼン30mLを加えて40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約15分行い分散させた。撹拌中濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液32mL滴下し、終了後オイルバス(設定125℃)にて加熱還流しながら(内温98℃)2時間撹拌した(混合処理)。得られたスラリーを濾過した後(濾液に不溶物がないことを確認)、濾過物をトルエン30mLに再分散させ、分液ロートに移液した。カーボンナノチューブを含むトルエン層を分液ロートで5回水洗後、孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブのSEM観察)
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察したところ、比較例1(図3)と比較して繊維状のものが多く確認でき、カーボンナノチューブ凝集体は少なかった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
比較例1
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(塩酸のみ)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2gを、濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液35mLに加え、オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら2時間撹拌した(混合処理、内温99℃)。その後、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Filter Paper 2号 125mm)を用いてろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。ろ紙上の固形物を、イオン交換水200mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(塩酸のみ)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2gを、濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液35mLに加え、オイルバス(設定110℃)にて加熱還流しながら2時間撹拌した(混合処理、内温99℃)。その後、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Filter Paper 2号 125mm)を用いてろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。ろ紙上の固形物を、イオン交換水200mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブのSEM観察)
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察した(図3)。図3によれば、繊維状のものがほとんど見られず、0.1μmの凝集物がほとんどであった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
得られたカーボンナノチューブ0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)で観察した(図3)。図3によれば、繊維状のものがほとんど見られず、0.1μmの凝集物がほとんどであった。また、走査顕微鏡(日本電子(株)JSM−6301F)に付属のEDSで元素分析を行った結果、炭素100重量%に対して金属(鉄)は1重量%以下であった。
(カーボンナノチューブのかさ密度測定)
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定した。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.585gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.637g、0.607gであった。これら、3回分の平均重量(0.610g)からかさ密度を求めたところ、305g/Lであった。
10mLメスシリンダー(スーパーグレード:柴田科学製)の重量を測定した。続いて、メスシリンダーの底を軽く叩きながら容積2mLになるように粉末状のカーボンナノチューブを加える。その後、メスシリンダーの底を床面1cmの高さから落とすことを20回繰り返して容積値に変化が無かったので、メスシリンダー重量込みのカーボンナノチューブを測定し、先に求めたメスシリンダーの重量を差し引いて容積2mLのカーボンナノチューブの重量を求めたところ、0.585gであった。この操作を2回繰り返し、それぞれ、0.637g、0.607gであった。これら、3回分の平均重量(0.610g)からかさ密度を求めたところ、305g/Lであった。
比較例2
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/塩酸 室温下)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れここにトルエン30mLを加えて15分撹拌して分散させた。撹拌中濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液31mLを滴下した(内温:18℃から22℃に上昇)。終了後内温22℃を維持しながら2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートにて、水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
(カーボンナノチューブを含有する組成物の精製(トルエン/塩酸 室温下)
参考例2で得たカーボンナノチューブを含有する組成物E 2.5gを、反応容器に入れここにトルエン30mLを加えて15分撹拌して分散させた。撹拌中濃度6mol/L(pH2以下)の塩酸水溶液31mLを滴下した(内温:18℃から22℃に上昇)。終了後内温22℃を維持しながら2時間撹拌した(混合処理)。分液ロートにて、水層を除き、さらにカーボンナノチューブを含むトルエン層を5回水洗した。初めの水層、および水洗液には不溶物はないことを確認後、カーボンナノチューブを含むトルエン層を孔径10μmのメンブレンフィルターを用いて吸引ろ過し固液分離した。濾液を確認したところ、不溶物は確認できなかった。メンブレンフィルター上の固形物を、エタノール50mLを用いて洗浄後、120℃にセットした乾燥機にて乾燥し、固形物を回収した。
得られた固形物0.005gを、エタノール3mL中に投入後、40KHz、180Wの超音波洗浄器にて超音波照射を約30分間行った。その後、カーボンナノチューブの分散したエタノール溶液をスポイトで少量(10〜100μL程度)採取し、平らなアルミホイル上に滴下し、60℃にセットした乾燥器で乾燥させた。このようにして作成したサンプルを走査顕微鏡(日本電子(株)製JSM−6301F)にて観察したところカーボンナノチューブ凝集体が多く確認でき、上記操作ではカーボンナノチューブ凝集体の形成を抑制できなかった。
本発明によれば、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体の混合液中でカーボンナノチューブを含有する組成物を40℃以上で混合処理する精製方法によって、純度を高めたカーボンナノチューブが得られるばかりでなく、耐熱性、機械的強度、導電性に優れたカーボンナノチューブを凝集体の形成を抑制して得ることができる。
特に本発明の精製方法を、500〜1200℃の高温条件下で、担体に金属が担持された形態の固体触媒と炭素含有化合物を接触させる方法によって製造された、単層や2〜5層のカーボンナノチューブを含有する組成物に行うことで、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセット、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤などの用途に最適な材料として期待されるカーボンナノチューブを高純度で得ることができる。
これらのことにより、本発明による産業上の利用価値は大きい。
Claims (11)
- カーボンナノチューブおよび固体触媒を含有する組成物を、固体触媒を溶解する水溶液、および水と混じり合わない有機液体との混合液中、40℃以上で混合処理することを特徴とするカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 固体触媒を溶解する水溶液がpH5以下の酸性水溶液であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 上記酸性水溶液が塩酸、硝酸、フッ化水素酸または酢酸の水溶液であることを特徴とする請求項2記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 固体触媒を溶解する水溶液がpH9以上のアルカリ性水溶液であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 上記アルカリ性水溶液が水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする請求項4記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 水と混じり合わない有機液体が、芳香環を有することを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- カーボンナノチューブを含有する組成物が、500〜1200℃の高温条件下で、固体触媒と炭素含有化合物を接触させる方法で得られたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 固体触媒が、固体担体に金属が担持された形態であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- 上記固体担体が、酸化マグネシウム、シリカまたはゼオライトであることを特徴とする請求項8記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- カーボンナノチューブが単層のカーボンナノチューブおよび/または2層のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
- カーボンナノチューブが外径3nm以下のカーボンナノチューブを含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項記載のカーボンナノチューブを含有する組成物の精製方法。
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-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006356529A patent/JP2007197314A/ja active Pending
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