JP5207363B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP5207363B2
JP5207363B2 JP2008105236A JP2008105236A JP5207363B2 JP 5207363 B2 JP5207363 B2 JP 5207363B2 JP 2008105236 A JP2008105236 A JP 2008105236A JP 2008105236 A JP2008105236 A JP 2008105236A JP 5207363 B2 JP5207363 B2 JP 5207363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
golf ball
less
hardness
layer
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008105236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009254474A (ja
Inventor
拓尊 中村
啓司 大濱
一也 神野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dunlop Sports Co Ltd
Original Assignee
Dunlop Sports Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dunlop Sports Co Ltd filed Critical Dunlop Sports Co Ltd
Priority to JP2008105236A priority Critical patent/JP5207363B2/ja
Priority to US12/397,706 priority patent/US8292759B2/en
Publication of JP2009254474A publication Critical patent/JP2009254474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5207363B2 publication Critical patent/JP5207363B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0033Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0043Hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0038Intermediate layers, e.g. inner cover, outer core, mantle
    • A63B37/004Physical properties
    • A63B37/0045Thickness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0076Multi-piece balls, i.e. having two or more intermediate layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0077Physical properties
    • A63B37/0092Hardness distribution amongst different ball layers
    • A63B37/00922Hardness distribution amongst different ball layers whereby hardness of the cover is lower than hardness of the intermediate layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/005Cores
    • A63B37/006Physical properties
    • A63B37/0064Diameter

Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア、包囲層、中間層及びカバーを備えたマルチピースゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の関心事は、飛行性能である。ゴルファーは特に、ドライバーでのショットにおける飛距離を重視する。ドライバーでのショットにおける飛距離が大きなゴルフボールを使用することにより、ゴルファーは、グリーンに近い地点からセカンドショットを打つことが出来る。ドライバーでのショットにおける飛距離は、スピン速度と相関する。スピン速度が小さいゴルフボールは、飛行性能に優れる。飛行性能はさらに、ゴルフボールの反発性能と相関する。
ゴルファーは、ゴルフボールのスピン性能も重視する。バックスピンの速度が大きいと、ランが小さい。バックスピンの速度が大きなゴルフボールを使用することにより、ゴルファーは、このゴルフボールを目標地点に静止させることができる。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。サイドスピンの速度が大きなゴルフボールを使用することにより、ゴルファーは、このゴルフボールを意図的に曲げることができる。スピン性能に優れたゴルフボールは、コントロール性能に優れる。上級ゴルファーは、特にショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能を重視する。
スピン速度のばらつきが大きなゴルフボールでは、ゴルファーが意図した弾道が得られにくい。ゴルファーにとって、スピン速度の安定も重要である。さらにゴルファーは、ゴルフボールの打球感も重視する。ゴルファーは、ソフトな打球感を好む。
ポリウレタンがカバーに用いられたゴルフボールが、市販されている。ポリウレタンは、概して軟質である。このゴルフボールでは、スピンがかかりやすい。このカバーは、コントロール性能に寄与する。一方、このゴルフボールがドライバーで打撃された場合、カバーが過剰なスピンを招来する。このカバーは、飛行性能を阻害する。
飛行性能とコントロール性能との両立のための種々の提案がなされている。特開平8−336617号公報には、2層構造のコアと2層構造のカバーとを有するゴルフボールが開示されている。特開2002−191719公報には、コアと3層構造のカバーとを有するゴルフボールが開示されている。特開2004−130072公報には、3層構造のコアとカバーとを有するゴルフボールが開示されている。特開2006−326301公報には、コア、包囲層、中間層及びカバーを有するゴルフボールが開示されている。
特開平8−336617号公報 特開2002−191719公報 特開2004−130072公報 特開2006−326301公報
特開平8−336617号公報に開示されたゴルフボールは、内側カバーと外側カバーとを備えている。この外側カバーは、硬質である。このゴルフボールでは、ショートアイアンでのショットにおけるスピンは不十分である。このゴルフボールがショートアイアン又はパターで打撃されたとき、打球感はソフトでない。
特開2002−191719公報に開示されたゴルフボールのカバーは、内層、中間層及び外層からなる。この外層は、硬質である。このゴルフボールでは、ショートアイアンでのショットにおけるスピンは不十分である。このゴルフボールがショートアイアン又はパターで打撃されたとき、打球感はソフトでない。
特開2004−130072公報に開示されたゴルフボールのコアは、センター、中間層及び外層からなる。この中間層の硬度は、大きい。このゴルフボールの打球感は、十分にはソフトでない。しかもこのゴルフボールは、スピン安定性に劣る。
特開2006−326301公報に開示されたゴルフボールでは、包囲層の硬度は中間層の硬度よりも小さい。このゴルフボールの打球感は、十分にはソフトでない。
ゴルフボールに対するゴルファーの要求は、ますますエスカレートしている。本発明の目的は、飛行性能、コントロール性能、スピン安定性及び打球感に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置する包囲層と、この包囲層の外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備える。中間層の厚みTmは、1.0mm以下である。カバーの厚みTcは、0.6mmよりも小さい。厚みTmと厚みTcとの合計は、1.5mm以下である。カバーの硬度Hcは、40より小さい。包囲層の硬度Hs、中間層の硬度Hm及びカバーの硬度Hcは、下記数式(1)を満たす。
Hs > Hc > Hm (1)
硬度Hs、硬度Hm及び硬度Hcは、ショアD型硬度計で測定される。
好ましくは、カバーの基材は、ポリウレタンである。好ましくは、中間層の基材は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン及びアイオノマー樹脂からなる群より選択された1種又は2種以上である。特に、ポリウレタンが好ましい。好ましくは、包囲層の基材は、アイオノマー樹脂である。
好ましくは、包囲層の硬度Hsは、50以上である。好ましくは、中間層の硬度Hmは、10以上40未満である。
好ましくは、コアの直径は、35.0mm以上42.0mm以下である。
本発明に係るゴルフボールがショートアイアンで打撃されたとき、カバー及び中間層が大きく変形する。このカバー及び中間層は軟質なので、このゴルフボールがショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は大きい。このカバーにより、優れたコントロール性能が達成される。この中間層は極めて軟質なので、このゴルフボールが打撃されたとき、この中間層が衝撃を吸収する。この吸収により、ソフトな打球感が達成される。このゴルフボールがドライバーで打撃されたとき、カバー及び中間層と共に、包囲層及びコアが大きく変形する。包囲層は硬質であり、しかもカバーが柔らかすぎないので、このゴルフボールがドライバーで打撃されたときのスピン速度は小さい。硬質な包囲層は、ゴルフボールの反発性能にも寄与する。小さなスピン速度と高い反発性能とにより、ドライバーショットにおいて大きな飛距離が得られる。このゴルフボールの中間層は極めて軟質なので、このゴルフボールがショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は安定する。このゴルフボールは、飛行性能、コントロール性能、スピン安定性及び打球感に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4の外側に位置する包囲層6と、この包囲層6の外側に位置する中間層8と、この中間層8の外側に位置するカバー10とを備えている。カバー10の表面には、多数のディンプル12が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。このゴルフボール2は、カバー10の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
コア4は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するポリブタジエンの量の比率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。ポリウレタンにおけるシス−1,4結合の比率は40%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
コア4の架橋には、好ましくは、共架橋剤が用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。反発性能の観点から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、共架橋剤と共に有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。汎用性の観点から、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、2.8質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。好ましい有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド及びビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドのようなモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド及びビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドのようなジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド及びビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドのようなトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドのようなテトラ置換体;並びにビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド及びビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドのようなペンタ置換体が例示される。有機硫黄化合物は、反発性能に寄与する。特に好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド及びビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して1.5質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が特に好ましい。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、比重調整の役割のみならず、架橋助剤としても機能する。コア4には、硫黄、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
反発性能の観点から、コア4の中心硬度H1は35以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上が特に好ましい。ドライバーでのショットにおけるスピン抑制の観点から、中心硬度H1は80以下が好ましく、75以下がより好ましく、70以下が特に好ましい。コア4が切断されて得られる半球の切断面中心点に、JIS−C型硬度計が押しつけられることにより、中心硬度H1が測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
反発性能の観点から、コア4の表面硬度H2は45以上が好ましく、50以上がより好ましく、55以上が特に好ましい。打球感の観点から、表面硬度H2は100以下が好ましく、95以下がより好ましく、90以下が特に好ましい。コア4の表面にJIS−C型硬度計が押しつけられることにより、表面硬度が測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
打球感の観点から、表面硬度H2と中心硬度H1の差(H2−H1)は5以上が好ましく、8以上がより好ましく、12以上が特に好ましい。反発性能の観点から、差(H2−H1)は35以下が好ましく、32以下がより好ましく、30以下が特に好ましい。
打球感の観点から、コア4の圧縮変形量D1は2.3mm以上が好ましく、2.4mm以上がより好ましく、2.5mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量D1は6.0mm以下が好ましく、5.5mm以下がより好ましく、4.0mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、球体(コア4、ゴルフボール2等)が金属製の剛板の上に置かれる。この球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
反発性能の観点から、コア4の直径は35.0mm以上が好ましく、36mm以上がより好ましく、37mm以上が特に好ましい。十分な厚みを有する包囲層6が成形されうるとの観点から、直径は42.0mm以下が好ましく、41.6mm以下がより好ましく、41.2mm以下が特に好ましい。
コア4の質量は、25g以上42g以下が好ましい。コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。コア4が、その表面にリブを備えてもよい。
包囲層6には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン及びポリスチレンが例示される。特に、アイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。後述されるように、このゴルフボール2の中間層8及びカバー10は薄い。このゴルフボール2がドライバーで打撃されると、中間層8及びカバー10が薄いことに起因して、包囲層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂を含む包囲層6は、ドライバーショットにおける反発性能に寄与する。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。基材ポリマーの全量に対するアイオノマー樹脂の量の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。
好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体である。
二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランMK7320」及び「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」及び「サーリンAD8546」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
包囲層6に、2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが併用されてもよい。
後述されるように、包囲層6は硬質である。酸含有量の多いアイオノマー樹脂が用いられることにより、包囲層6の硬質が達成されうる。酸含有量は、10質量%以上30質量%以下が好ましい。酸含有量が多いアイオノマー樹脂の具体例としては、前述の「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
包囲層6の樹脂組成物に、比重調整の目的で充填剤が配合されてもよい。用いられうる充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の量は、包囲層6の意図した比重が達成されるように適宜決定される。包囲層6に、着色剤、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。後述されるように、包囲層6は硬質である。酸化亜鉛が用いられることにより、包囲層6の硬質が達成されうる。硬質の観点から、基材樹脂100質量部に対する酸化亜鉛の量は2質量部以上が好ましく、5質量部以上が特に好ましい。酸化亜鉛の量は、20質量部以下が好ましい。三次元形状を呈する針状結晶である酸化亜鉛が、特に好ましい。針状結晶である酸化亜鉛の具体例としては、松下電器産業社の商品名「パナテトラ」が挙げられる。
この包囲層6は、硬質である。硬質な包囲層6を備えたゴルフボール2は、ドライバーショットにおける反発性能に優れる。硬質な包囲層6と、コア4とからなる球体16では、外剛内柔な硬度分布が達成されうる。この硬度分布を有するゴルフボール2がドライバーで打撃されたとき、スピンが抑制される。反発性能とスピン抑制との相乗効果により、このゴルフボール2では優れた飛行性能が達成される。この硬度分布を有するゴルフボール2は、打球感にも優れる。飛行性能及び打球感の観点から、包囲層6の硬度Hsは50以上が好ましく、58以上がより好ましく、62以上が特に好ましい。打球感及び耐久性の観点から、硬度Hsは85以下が好ましく、80以下がより好ましく、75以下が特に好ましい。
本発明では、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、包囲層6の硬度Hsが測定される。測定には、ショアD型硬度計が取り付けられた自動ゴム硬度計(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。測定には、熱プレスで成形された、包囲層6と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
飛行性能の観点から、包囲層6の厚みTsは0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、0.9mm以上が特に好ましい。打球感の観点から、厚みTsは2.4mm以下が好ましく、2.1mm以下がより好ましく、1.7mm以下が特に好ましい。
包囲層6の成形には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。生産性の観点から、射出成形法が好ましい。
打球感の観点から、コア4及び包囲層6からなる球体16の圧縮変形量Dsは2.0mm以上が好ましく、2.1mm以上がより好ましく、2.2mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量Dsは3.8mm以下が好ましく、3.7mm以下がより好ましく、3.6mm以下が特に好ましい。
中間層8は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン及びアイオノマー樹脂が例示される。特に、ポリウレタンが好ましい。ポリウレタンは、軟質である。後述されるように、このゴルフボール2のカバー10は薄い。従って、ショートアイアンで打撃されたとき、カバー10と共に中間層8も大きく変形する。ポリウレタンが用いられた中間層8を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。ポリウレタンからなる中間層8は、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に寄与する。
後述されるように、この中間層8は極めて軟質である。このゴルフボール2が打撃されたとき、この中間層8が衝撃を吸収する。この吸収により、ソフトな打球感が達成される。特に、ショートアイアン又はパターで打撃されたとき、中間層8によって優れた打球感が達成される。
中間層8に、ポリウレタンと他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、スピン性能及び打球感の観点から、ポリウレタンが基材ポリマーの主成分とされる。基材ポリマーの全量に対するポリウレタンの量の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
中間層8には、熱可塑性ポリウレタン及び熱硬化性ポリウレタンが用いられうる。生産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。熱可塑性ポリウレタンは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分の硬化剤としては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、中間層8の黄変が抑制される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
熱可塑性ポリウレタンの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランXNY80A」、「エラストランXNY85A」、「エラストランXNY90A」、「エラストランXNY97A」、「エラストランXNY585」及び「エラストランXKP016N」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び「レザミンPS62490」が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンとイソシアネート化合物とを含む組成物から、中間層8が成形されてもよい。中間層8の成形時又は成形後に、このイソシアネート化合物によってポリウレタンが架橋される。
中間層8には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。比重調整の目的で、中間層8にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。
反発性能の観点から、中間層8の硬度Hmは10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。コントロール性能の観点から、硬度Hmは40未満が好ましく、37以下がより好ましく、35以下が特に好ましい。中間層8の硬度Hmは、包囲層6の硬度Hsと同様の方法で測定される。
中間層8の厚みTmは、1.0mm以下が好ましい。前述のように、中間層8は軟質である。軟質な中間層8は、ゴルフボール2の反発係数の面では不利である。ドライバーでのショットでは、コア4及び包囲層6も大きく変形する。厚みTmが1.0mm以下に設定されることにより、中間層8が軟質であっても、ドライバーでのショットにおける反発係数に中間層8が大幅な悪影響を与えることがない。厚みTmが1.0mm以下である中間層8は、ゴルフボール2の飛行性能を阻害しない。飛行性能の観点から、厚みTmは0.8mm以下がより好ましく、0.6mm以下が特に好ましい。コントロール性能及び打球感の観点から、中間層8の厚みTmは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上が特に好ましい。
中間層8の形成には、射出成形法、圧縮成形法、注型等の既知の手法が採用されうる。樹脂組成物の溶液又は分散液が包囲層6の表面に塗布されることで、中間層8が形成されてもよい。
打球感の観点から、コア4、包囲層6及び中間層8からなる球体18の圧縮変形量Dmは1.8mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましく、2.2mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量Dmは3.8mm以下が好ましく、3.6mm以下がより好ましく、3.4mm以下が特に好ましい。
カバー10は、樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン及びアイオノマー樹脂が例示される。特に、ポリウレタンが好ましい。ポリウレタンは、軟質である。ポリウレタンが用いられたカバー10を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。ポリウレタンからなるカバー10は、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に寄与する。
カバー10に、ポリウレタンと他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、スピン性能の観点から、ポリウレタンが基材ポリマーの主成分とされる。基材ポリマーの全量に対するポリウレタンの量の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー10には、熱可塑性ポリウレタン及び熱硬化性ポリウレタンが用いられうる。生産性の観点から、熱可塑性ポリウレタンが好ましい。中間層8に関して例示された熱可塑性ポリウレタンが、カバー10にも用いられうる。カバー10の耐擦傷性の観点から、ポリウレタン成分の硬化剤がH12MDIである熱可塑性ポリウレタンが好ましい。熱可塑性ポリウレタンとイソシアネート化合物とを含む組成物から、カバー10が成形されてもよい。カバー10の成形時又は成形後に、このイソシアネート化合物によってポリウレタンが架橋される。
カバー10には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。
反発性能の観点から、カバー10の硬度Hcは30以上が好ましく、34以上がより好ましく、38以上が特に好ましい。コントロール性能の観点から、硬度Hcは40以下が好ましく、38以下がより好ましく、36以下が特に好ましい。カバー10の硬度Hcは、包囲層6の硬度Hsと同様の方法で測定される。
カバー10の厚みTcは、0.6mm以下が好ましい。前述のように、カバー10は軟質である。軟質なカバー10は、ゴルフボール2の反発係数の面では不利である。ドライバーでのショットでは、コア4及び包囲層6も大きく変形する。厚みTcが0.6mm以下に設定されることにより、カバー10が軟質であっても、ドライバーでのショットにおける反発係数にカバー10が大幅な悪影響を与えることがない。厚みTcが0.6mm以下であるカバー10は、ゴルフボール2の飛行性能を阻害しない。飛行性能の観点から、厚みTcは0.5mm以下がより好ましく、0.4mm以下が特に好ましい。カバー10の成形の容易の観点から、厚みTcは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
カバー10の形成には、射出成形法、圧縮成形法、注型等の既知の手法が採用されうる。カバー10の成形時に、成形型のキャビティ面に形成された多数のピンプルにより、ディンプル12が形成される。樹脂組成物の溶液又は分散液が中間層8の表面に塗布されることで、カバー10が形成されてもよい。塗布によって表面がスムースなカバー10を有する球が形成され、この球が成形型に投入されてディンプル12が形成されてもよい。
打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量Dbは1.8mm以上が好ましく、1.9mm以上がより好ましく、2.0mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量Dbは3.8mm以下が好ましく、3.7mm以下がより好ましく、3.6mm以下が特に好ましい。
ゴルフボール2が、包囲層6と中間層8との間に補強層を備えてもよい。補強層は、包囲層6と堅固に密着し、中間層8とも堅固に密着する。補強層により、中間層8の包囲層6からの剥離が抑制される。前述のように、このゴルフボール2の中間層8及びカバー10は薄い。このゴルフボール2がクラブフェースのエッジで打撃されると、シワが生じやすい。補強層により、シワが抑制される。
補強層の基材ポリマーには、二液硬化型熱硬化性樹脂が好適に用いられる。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。補強層の強度及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
補強層が、着色剤(典型的には二酸化チタン)、リン酸系安定剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含んでもよい。添加剤は、二液硬化型熱硬化性樹脂の主剤に添加されてもよく、硬化剤に添加されてもよい。
補強層は、主剤及び硬化剤が溶剤に溶解又は分散した液が、包囲層6の表面に塗布されることで得られる。作業性の観点から、スプレーガンによる塗布が好ましい。塗布後に溶剤が揮発し、主剤と硬化剤とが反応して、補強層が形成される。
シワの抑制の観点から、補強層の厚みは3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。補強層が容易に形成されるとの観点から、厚みは300μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。厚みは、ゴルフボール2の断面がマイクロスコープで観察されることで測定される。粗面処理により包囲層6の表面が凹凸を備える場合は、凸部の直上で厚みが測定される。
シワの抑制の観点から、補強層の鉛筆硬度は4B以上が好ましく、B以上がより好ましい。ゴルフボール2が打撃されたときの、中間層8から包囲層6までの力の伝達ロスが小さいとの観点から、補強層の鉛筆硬度は3H以下が好ましい。鉛筆硬度は、「JIS K5400」規格に準拠して測定される。
本発明に係るゴルフボール2では、包囲層6の硬度Hs、中間層8の硬度Hm及びカバー10の硬度Hcは、下記数式(1)を満たす。
Hs > Hc > Hm (1)
このゴルフボール2では、硬度Hsが大きな包囲層6が、ドライバーショットでの飛行性能に寄与する。このゴルフボール2では、硬度Hmが小さな中間層8及び硬度Hcが小さなカバー10が、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に寄与する。カバー10の硬度Hcは小さすぎないので、ドライバーショットにおいてスピンが抑制される。中間層8の硬度Hmは極めて小さいので、この中間層8によってソフトな打球感が達成される。さらに、カバー10の硬度Hcが小さく、かつ中間層8の硬度Hmがカバー10の硬度Hcよりさらに小さいことに起因して、スピン速度の安定が達成される。このゴルフボール2において優れたスピン安定性が得られる理由は詳細には不明であるが、中間層8及びカバー10が打撃時のゴルフボール2の変形挙動に何らかの影響を与えるためと推測される。
飛行性能及びコントロール性能の観点から、硬度Hsと硬度Hcとの差(Hs−Hc)は15以上50以下が好ましく、20以上40以下がより好ましく、29以上35以下が特に好ましい。
打球感及びスピン安定性の観点から、硬度Hcと硬度Hmとの差(Hc−Hm)は2以上25以下が好ましく、4以上20以下がより好ましく、6以上12以下が特に好ましい。
コントロール性能の観点から、中間層8の厚みTmとカバー10の厚みTcとの合計(Tm+Tc)は1.5mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましく、0.8mm以下が特に好ましい。中間層8及びカバー10の製造容易の観点から、合計(Tm+Tc)は0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、34質量部のアクリル酸亜鉛、5質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド及び0.8質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃で30分間加熱して、直径が39.7mmであるコアを得た。
50質量部のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の「ハイミラン1605」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社の「ハイミランAM7329」)、10質量部の酸化亜鉛(松下電器産業社の商品名「パナテトラWZ−0511)及び4質量部の二酸化チタンを二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物(f)を得た。この樹脂組成物(f)を射出成形法にてコアの周りに被覆し、包囲層を形成した。この包囲層の厚みは、1.0mmであった。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とからなる。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の酸化チタンとからなる。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を包囲層の表面にスプレーガンで塗布し、23℃の雰囲気下で6時間保持して、補強層を得た。この補強層の厚みは、10μmであった。
100質量部の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(前述のエラストランXNY85A)及び4質量部の二酸化チタンを二軸押出機で混練し、樹脂組成物(d)を得た。この樹脂組成物(d)から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを得た。このハーフシェル2枚で、コア、包囲層及び補強層からなる球体を被覆した。このハーフシェル及び球体を、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、圧縮成形法にて中間層を成形した。中間層の厚みは、0.3mmであった。
100質量部の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(前述のエラストランXNY90A)及び4質量部の二酸化チタンを二軸押出機で混練し、樹脂組成物(c)を得た。この樹脂組成物(c)から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを得た。このハーフシェル2枚で、コア、包囲層、補強層及び中間層からなる球体を被覆した。このハーフシェル及び球体を、共に半球状キャビティを備え、キャビティ面に多数のピンプルを備えた上型及び下型からなるファイナル金型に投入し、圧縮成形法にてカバーを得た。カバーの厚みは、0.2mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が42.7mmであり質量が約45.4である実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2から7及び比較例1から7]
コア、包囲層、中間層及びカバーの仕様を下記の表2から4に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から7及び比較例1から7のゴルフボールを得た。包囲層、中間層及びカバーの樹脂組成物の詳細が、下記の表1に示されている。比較例1に係るゴルフボールは、中間層を有さない。
[ドライバー(W#1)でのショット]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、チタンヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社の商品名「SRIXON W505」、シャフト硬度:X、ロフト角:8.5°)を装着した。ヘッド速度が50m/secである条件でゴルフボールを打撃して、発射地点から静止地点までの距離を測定した。さらに、打撃直後のバックスピン速度も測定した。12回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表2から4に示されている。
[アプローチウエッジ(AW)でのショット]
ツルテンパー社のスイングマシンに、アプローチウエッジ(SRIスポーツ社の商品名「SRIXON I302」)を装着した。ヘッド速度が16m/secである条件でゴルフボールを打撃して、バックスピン速度を測定した。12回測定されて得られたデータの平均値と、幅(最大値から最小値を減じた値)とが、下記の表2から4に示されている。
[打球感の評価]
ゴルファーにドライバー、アプローチウエッジ及びパターでゴルフボールを打撃させ、下記基準に基づき格付けを行った。
A:極めてソフト
B:ソフト
C:ハード
D:極めてハード
この結果が、下記の表2から4に示されている。
Figure 0005207363
Figure 0005207363
Figure 0005207363
Figure 0005207363
表2から4に示されるように、各実施例のゴルフボールは、全ての評価項目において優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおける練習に用いられうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・包囲層
8・・・中間層
10・・・カバー
12・・・ディンプル

Claims (8)

  1. コアと、このコアの外側に位置する包囲層と、この包囲層の外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えており、
    上記中間層の厚みTmが1.0mm以下であり、
    上記カバーの厚みTcが0.6mmよりも小さく、
    上記厚みTmと厚みTcとの合計が1.5mm以下であり、
    上記カバーのショアD硬度Hcが38以下であり
    上記包囲層のショアD硬度Hs、上記中間層のショアD硬度Hm及び上記カバーのショアD硬度Hcが下記数式(1)を満たし、
    上記硬度Hsと上記硬度Hcとの差(Hs−Hc)が15以上50以下であり、
    上記硬度Hcと上記硬度Hmとの差(Hc−Hm)が2以上25以下であるゴルフボール。
    Hs > Hc > Hm (1)
  2. 上記カバーの基材がポリウレタンである請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記中間層の基材が、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン及びアイオノマー樹脂からなる群より選択された1種又は2種以上である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記中間層の基材がポリウレタンである請求項3に記載のゴルフボール。
  5. 上記包囲層の基材がアイオノマー樹脂である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記包囲層のショアD硬度Hsが50以上である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記中間層のショアD硬度Hmが10以上40未満である請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. 上記コアの直径が35.0mm以上42.0mm以下である請求項1から7のいずれかに記載のゴルフボール。
JP2008105236A 2008-04-15 2008-04-15 ゴルフボール Expired - Fee Related JP5207363B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105236A JP5207363B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 ゴルフボール
US12/397,706 US8292759B2 (en) 2008-04-15 2009-03-04 Golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008105236A JP5207363B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 ゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009254474A JP2009254474A (ja) 2009-11-05
JP5207363B2 true JP5207363B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=41164469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008105236A Expired - Fee Related JP5207363B2 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 ゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8292759B2 (ja)
JP (1) JP5207363B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10449420B2 (en) * 2008-01-10 2019-10-22 Acushnet Company Multi-layer core golf ball
JP2012139303A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Dunlop Sports Co Ltd ゴルフボール
JP5828645B2 (ja) * 2011-02-22 2015-12-09 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP5970235B2 (ja) * 2012-05-24 2016-08-17 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP5970240B2 (ja) * 2012-05-29 2016-08-17 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
KR20130135755A (ko) * 2012-06-01 2013-12-11 던롭 스포츠 가부시키가이샤 골프공
US9440117B2 (en) * 2013-12-27 2016-09-13 Dunlop Sports Co. Ltd. Golf ball
JP6859682B2 (ja) * 2016-12-02 2021-04-14 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2888172B2 (ja) * 1995-06-14 1999-05-10 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP3656808B2 (ja) * 1999-03-03 2005-06-08 ブリヂストンスポーツ株式会社 ソリッドゴルフボール及びその選定方法
JP3985127B2 (ja) * 2000-12-25 2007-10-03 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
US7131915B2 (en) * 2001-04-10 2006-11-07 Acushnet Company Three-layer-cover golf ball
JP4214003B2 (ja) * 2002-08-12 2009-01-28 Sriスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP4171887B2 (ja) * 2002-12-02 2008-10-29 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP4489530B2 (ja) * 2004-07-29 2010-06-23 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
US7294068B2 (en) * 2005-05-24 2007-11-13 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009254474A (ja) 2009-11-05
US20090258730A1 (en) 2009-10-15
US8292759B2 (en) 2012-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5238986B2 (ja) ゴルフボール
JP5043788B2 (ja) ゴルフボール
JP5095590B2 (ja) ゴルフボール
JP4925098B2 (ja) ゴルフボール
US9040632B2 (en) Golf ball
JP4927934B2 (ja) ゴルフボール
JP5411688B2 (ja) ゴルフボール
JP4392034B2 (ja) ゴルフボール
JP5154530B2 (ja) ゴルフボール
JP5207363B2 (ja) ゴルフボール
JP4246750B2 (ja) ゴルフボール
JP5350898B2 (ja) ゴルフボール
JP4249760B2 (ja) ゴルフボール
JP5762140B2 (ja) ゴルフボール
JP2015084846A (ja) ゴルフボール
KR101859908B1 (ko) 골프공
JP5547162B2 (ja) ゴルフボール
WO2015098514A1 (ja) ゴルフボール
JP6322410B2 (ja) ゴルフボール
JP5008497B2 (ja) ゴルフボール
JP2019017633A (ja) ゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120402

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120724

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120801

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5207363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees