JP5206971B2 - 電気自動車の冷却装置 - Google Patents
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Description
このようなことから、例えば、コントローラからの指令により冷媒を循環させるコンプレッサを駆動し、ラジエータで冷却された冷媒をコントロールバルブを介してモータのケーシング内の冷媒通路及びベース内の冷媒通路に供給し、モータ及びコントローラを最適な温度に保つ技術が知られている(特許文献1)。
従って、ガソリン自動車と同様に、電気自動車においてもラジエータをエアコンのコンデンサより車両後方に配設した場合、渋滞等で車両が低速走行状態或いは停止状態にあるときには、エアコンを作動させると、コンデンサが放熱し、後方にあるラジエータがその熱を受熱し易いという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、車両の走行状態に拘わらず、エアコンを作動させてもモータやコントローラを最適温度に保つことができる電気自動車の冷却装置を提供することにある。
また、請求項3の電気自動車の冷却装置では、請求項1または2において、前記熱交換器は、前記冷却配管のうち前記ラジエータの下流側の部分と前記エアコン配管のうち前記エバポレータと前記コンプレッサとの間の部分とを跨いで配設されてなることを特徴とする。
また、熱交換器をバイパスするバイパス配管を設け、車速検出手段により検出された車速と冷媒温度検出手段により検出された第1の冷媒の温度とに基づいて切替弁の作動制御を行うようにしている。
従って、車速や第1の冷媒の温度に応じ、例えば車両が低速走行状態或いは停止状態にある場合又は第1の冷媒の温度が高温となったときにおいて第2の冷媒を熱交換器に循環させ、必要に応じて適宜第1の冷媒を第2の冷媒で冷却することができる。これにより、第2の冷媒の温度上昇を低減しつつ、効率よくEVシステムのモータやインバータを最適な温度に保つことができる。
請求項2の電気自動車の冷却装置によれば、EV用冷却システムのラジエータを従来のガソリン自動車の冷却装置と同様にエアコンシステムのコンデンサの車両後方に配設して冷却ファンモジュールを構成している。
従って、熱交換によって第2の冷媒の温度をエバポレータの手前で上昇させてしまうことが防止される。これにより、エバポレータには十分に低温の第2の冷媒を供給し、空調性能を低下させることなく、EVシステムのモータやインバータを最適な温度に保つことができる。
図1は、本発明の参考例に係る電気自動車の冷却装置の概略構造図である。
図1に示すように、本参考例の電気自動車の冷却装置は、EVシステム10、EV用冷却システム20、エアコンシステム30及び熱交換器41から構成される。
EVシステム10は、モータ11、インバータ12及びDC−DCコンバータ13からなる。
インバータ12は、モータ11の出力制御を行い車両の速度制御を行うものである。
DC−DCコンバータ13は、高電圧を定格12V電圧に変換するものである。
EV用冷却システム20は、ラジエータ22と冷却配管23からなりEVシステム10を冷却するものである。冷却配管23には冷却水(第1の冷媒)がラジエータ22、DC−DCコンバータ13、インバータ12、モータ11の順で循環しており、冷却水によりEVシステム10にて発生した熱が回収される。
エアコンシステム30は、コンプレッサ31、コンデンサ32、膨張弁33、エバポレータ34及びエアコン配管35からなる。エアコン配管35には冷媒(第2の冷媒)がコンプレッサ31、コンデンサ32、膨張弁33、エバポレータ34の順で相変化しながら循環している。
コンデンサ32は、液化された高温の冷媒の熱を放熱するものである。
膨張弁33は、液化した冷媒を霧化させ、気化を行いやすくするものである。
エバポレータ34は、車両室内の空気の熱により冷媒を効率よく気化させるものである。
なお、図1に示すように、ラジエータ22とコンデンサ32とは、コンデンサ32の車両後方にラジエータ22が配設されて一体化した冷却ファンモジュール21を構成している。
本参考例では、冷却配管23を介してラジエータ22とEVシステム10とに冷却水を循環し冷却するEV用冷却システム20と、エアコン配管35を介してコンプレッサ31、コンデンサ32、膨張弁33及びエバポレータ34に冷媒を循環し空調を行うエアコンシステム30とを備え、冷却配管23とエアコン配管35とを跨いで冷却水と冷媒との熱交換を行う熱交換器41を配設するようにしている。
これにより、渋滞等で車両が低速走行状態或いは停止状態にあるときにエアコンを作動させても、EVシステム10のモータ11やインバータ12を最適な温度に保つことができる。
従って、渋滞等で車両が低速走行状態或いは停止状態にあるときにエアコンを作動させると、コンデンサ32の放熱によりラジエータ22が受熱してラジエータ22だけでは冷却水の温度が十分に低下しないおそれがあるが、このような場合であっても、熱交換器41によって冷却水が冷媒で良好に冷却される。
また、熱交換器41を冷却配管23のうちラジエータ22の下流側の部分とエアコン配管35のうちエバポレータ34とコンプレッサ31との間の部分とを跨いで配設するようにしている。
これにより、エバポレータ34には十分に低温の冷媒を供給し、空調性能を低下させることなく、EVシステム10のモータ11やインバータ12を最適な温度に保つことができる。
第2実施例では、上記参考例の構成にエアコンシステム30にバイパスバルブ51(切替弁)及びバイパス配管52を追加している点が相違しており、以下上記参考例と異なる点について説明する。
図2に示すように、エアコン配管35から分岐し熱交換器41をバイパスしてエアコン配管35に合流するバイパス配管52が設けられており、バイパス配管52の分岐部には冷媒の流れを熱交換器41側とバイパス配管52とに切り替えるバイパスバルブ51が介装されている。そして、バイパスバルブ51は電子コントロールユニット61(切替弁作動制御手段、以下ECUという)に電気的に接続されている。
ECU61の入力側には、車両の速度を検出する車速センサ62(車速検出手段)及びラジエータ22と熱交換器41との間において冷却配管23を流れる冷却水の温度を検出する水温センサ63(冷媒温度検出手段)が接続されており、これらのセンサ類からの検出情報が入力される。
以下、このように構成された本発明に係る電動自動車の冷却装置の作用及び効果について説明する。
従って、車速や冷却水の温度に応じ、例えば車両が低速走行状態或いは停止状態にある場合(所定の低車速)又は冷却水の温度が高温(所定の高温)となったときにおいて冷媒が熱交換器41に循環され、必要に応じて適宜冷却水が冷媒で冷却される。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、ラジエータ22をコンデンサ32の車両後方に配設しているが、ラジエータ22をコンデンサ32の側方又は上方に配設した場合であっても、本発明を好適に適用可能である。
11 モータ
12 インバータ
13 DC−DCコンバータ
20 EV用冷却システム
21 冷却ファンモジュール
22 ラジエータ
23 冷却配管
30 エアコンシステム
31 コンプレッサ
32 コンデンサ
33 膨張弁
34 エバポレータ
35 エアコン配管
41 熱交換器(熱交換器)
51 バイパスバルブ(切替弁)
52 バイパス配管
61 ECU(切替弁作動制御手段)
62 車速センサ(車速検出手段)
63 水温センサ(冷媒温度検出手段)
Claims (3)
- 少なくともモータ及びインバータからなるEVシステムと、
ラジエータを有し、冷却配管を介して前記ラジエータと前記EVシステムとに第1の冷媒を循環し冷却するEV用冷却システムと、
コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを有し、エアコン配管を介して前記コンプレッサ、前記コンデンサ、前記膨張弁及び前記エバポレータに第2の冷媒を循環し空調を行うエアコンシステムと、
前記冷却配管と前記エアコン配管とを跨いで配設され、前記第1の冷媒と前記第2の冷媒との熱交換を行う熱交換器と、
前記エアコン配管から分岐し前記熱交換器をバイパスして前記エアコン配管に合流するバイパス配管と、前記第2の冷媒の流れを前記熱交換器側と前記バイパス配管とに切り替える切替弁と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記第1の冷媒の温度を検出する冷媒温度検出手段と、前記車速検出手段により検出された車速と前記冷媒温度検出手段により検出された前記第1の冷媒の温度とに基づいて前記切替弁の作動制御を行う切替弁作動制御手段と、
を備えたことを特徴とする電気自動車の冷却装置。 - 前記ラジエータは、前記コンデンサの車両後方に配設されてなることを特徴とする、請求項1記載の電気自動車の冷却装置。
- 前記熱交換器は、前記冷却配管のうち前記ラジエータの下流側の部分と前記エアコン配管のうち前記エバポレータと前記コンプレッサとの間の部分とを跨いで配設されてなることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気自動車の冷却装置。
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