JP5206288B2 - ディーゼルエンジンの制御方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、所定の条件が成立したときにエンジンを自動で停止させ、その後、再始動させるディーゼルエンジンの制御に関し、特にその再始動時の制御手順に係る。
従来より、燃費の低減やCO2の排出抑制等を目的として、例えば車両の一時停止中に所定の条件が成立すればエンジンを自動停止させることは知られているが(いわゆるアイドルストップ)、こうして自動停止したエンジンを再始動させる場合は、乗員のイグニッション操作に対応した通常の始動に比べて、より確実且つ速やかに始動することが求められる。
この点につき、気筒の圧縮により燃料を自己着火させるディーゼルエンジンには、冷間時に気筒内を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグが設けられており、例えば特許文献1に記載のものでは、再始動時にそのグロープラグによって気筒内を加熱することにより、エンジンの始動性を向上させるようにしている。
また、特許文献2に記載のアイドルストップ制御装置は、グロープラグや吸気加熱装置のような始動促進装置を備えたエンジンにおいて、その始動促進装置が正常に機能しない場合には、エンジンの温度状態に拘わらずアイドルストップ制御を禁止するようにしている。
特開2004−176569号公報 特開2007−023825号公報
ところが、前記従来例のようにエンジンの再始動時にグロープラグ等によって加熱する方法では、その消費電力がかなり大きいことから、一時的にバッテリ電力が低下してしまい、グロープラグ等を除いた他の電気負荷への供給電力が低下するという問題があるし、グロープラグの場合はその耐久信頼性を損なう虞れもある。
斯かる点に鑑みて本発明は、ディーゼルエンジンの再始動時にグロープラグ等によって加熱することなく、気筒内の温度を高めて始動性を向上させることにある。
前記の目的を達成するために本発明では、自動停止後の再始動時には比較的エンジンの温度が高いことに着目し、再始動の開始直後に所定気筒の吸気行程において排気弁を開いて、排気通路内の高温のガスを吸い戻すようにしたものである。
具体的に請求項1の発明は、所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法が対象である。
そして、前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、を備え、前記特殊モードとする工程は、前記再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに吸気行程にある気筒から特殊モードにする工程であることが特徴である。
尚、気筒の吸気行程において排気弁を開く、というのはピストンのストロークによって規定される吸気行程のうち、少なくとも1/3以上は排気弁を開くということであり、通常のオーバーラップ期間のように極く短時間だけ開いていることは含まない。また、排気弁のみを開くという意味ではなく、通常通り吸気弁を開いてもよいが、吸気弁の開く期間を通常よりも短くしたり、或いは開かないようにする方が好ましい。
前記の方法により、まず、自動停止条件の成立に応じてエンジンの気筒への燃料供給を停止するまでの間、λ>1のリーン状態になるように燃料噴射量が制御されることで、既燃ガス中にも比較的多く酸素が含まれるようになり、さらに、燃料供給停止後のエンジンの惰力回転によって掃気が行われることにより、排気通路内は比較的酸素の豊富な状態になる。
そして、その後の再始動時にエンジンの回転に伴い各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を迎えるにあたって、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁が開かれることにより、高温の排気通路から比較的酸素の豊富なガスが気筒内に吸い戻され、これにより気筒内の温度が高められる。よって、グロープラグ等によって加熱することなく燃料の着火性を高めて、ディーゼルエンジンの始動性を向上できる。
さらに、前記特殊モードを、再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに吸気行程にある気筒から開始することにより、始動のためのエンジン回転が始まるのと殆ど同時に前記の作用が得られるようになるから、始動性向上の効果が極めて高い。
一方で、吸気行程で停止していた気筒には既に空気が取り入れられており、この空気の温度は十分に高いとも言えるから、この気筒については特殊モードにせず、その次に吸気行程を迎える気筒、即ちエンジンの回転が始まるときに排気行程にある気筒から特殊モードとするようにしてもよい(請求項)。こうすれば、エンジンの停止中には特殊モードのための制御が必要でなく、そのためのアクチュエータのエネルギー消費を削減できる。
また、前記のように少なくとも2つの気筒の吸気行程において特殊モードの制御を行った後に、遅くとも、各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば、吸気行程では排気弁を閉じる通常モードに移行するようにしてもよい(請求項)。これは、気筒の燃焼に伴い排気通路には酸素のあまり含まれていない既燃ガスが流出し、これが気筒内に吸い戻されると、温度は上昇するものの燃焼性が低下し、失火する虞れもあるからである。
具体的には排気系の容積も大きく関係するが、例えば4気筒エンジンの全ての気筒が1回ずつ燃焼すると、排気マニホルド内はかなり酸素の少ない状態になるので、一例として4つ以上の気筒を備えたエンジンにおいて、始動時に回転が始まるときに圧縮行程にある気筒から燃焼を開始した場合は、回転開始から3つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードに移行するのがよい(請求項)。
すなわち、迅速な始動のためには、スタータモータ等によって駆動しながらエンジンの圧縮行程で停止している気筒から燃焼を開始させるのが好ましく、そうした場合は、この気筒を含めて3つの気筒が燃焼すれば通常モードとするのである。
但し、圧縮行程で停止している気筒内のピストンの位置が不適切であると、この気筒から燃焼を始めることができない場合もあるので、その次に膨張行程を迎える気筒、即ち吸気行程で停止していた気筒から燃焼を開始する。この場合はエンジンの回転開始から4つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に、即ち3つの気筒が燃焼した後に通常モードとするのがよい(請求項)。
また、前記特殊モードにおいて気筒の吸気行程で排気弁を開くときには、その前の排気行程から排気弁の開放を継続するのが効率的である(請求項)。さらに、特殊モードにおいては、前記のように気筒の吸気行程で排気弁を開くのみならず、再始動時にエンジンの回転が始まるときに膨張行程にある気筒で排気弁を開くようにしてもよい(請求項)。このような作動は、個別の気筒毎に排気弁の作動を制御することのできる電磁駆動式のものに限られるが、こうすれば、当該気筒内の温度をより高くすることができる。
別の観点から本発明は、所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させるようにしたディーゼルエンジン制御装置を対象とする。
そして、前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する停止時燃料制御手段と、前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードの制御を行うとともに、遅くとも、各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば、吸気行程では排気弁を閉じる通常モードの制御に移行する、始動時排気弁制御手段と、を備える構成とする(請求項)。
斯かる構成の制御装置によれば、上述した請求項の発明に係る制御方法が容易に実行可能であり、請求項の発明の作用が容易且つ確実に得られる。
また、上述したように4つ以上の気筒を備えたエンジンにおいて、前記始動時吸排気弁制御手段は、始動時に回転が始まるときに圧縮行程にある気筒から燃焼が開始された場合、エンジン回転開始から3つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードの制御に移行するものとするのがよい(請求項)。こうすれば、上述した請求項の発明の作用が容易且つ確実に得られる。
また、前記始動時吸排気弁制御手段は、エンジンの回転が始まるときに圧縮行程にある気筒では燃焼が行われず、吸気行程で停止していた気筒から燃焼が開始された場合は、エンジンの回転開始から4つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードの制御に移行するものとするのがよい(請求項10)。こうすれば、上述した請求項の発明の作用が容易且つ確実に得られる。
以上、説明したように本発明に係るディーゼルエンジンの制御方法によると、所定の条件が成立したときにエンジンを自動停止させ、その後、再始動させるようにしたものにおいて、自動停止の際には燃料カット直前にλ>1で運転することで、排気通路内を比較的酸素の豊富な状態とする一方、再始動の際にはエンジンの回転が始まることによって各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を迎えるときに、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開くことにより、排気通路から高温で比較的酸素の豊富なガスを吸い戻して気筒内の温度を高めることができ、グロープラグ等によって加熱することなく、ディーゼルエンジンの始動性を向上でき、さらに、前記再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに吸気行程にある気筒から特殊モードにすることで、始動性向上の効果が極めて高くなる。
また、他のディーゼルエンジンの制御方法によると、前記再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに排気行程にある気筒から特殊モードにすることにより、グロープラグ等によって加熱することなく、ディーゼルエンジンの始動性を向上できるとともに、エンジンの停止中には特殊モードのための制御が必要でなく、そのためのアクチュエータのエネルギー消費を削減できる。
また、更に他のディーゼルエンジンの制御方法及びディーゼルエンジンの制御装置によると、遅くとも、各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば、吸気行程では排気弁を閉じる通常モードに移行することにより、グロープラグ等によって加熱することなく、ディーゼルエンジンの始動性を向上できるとともに、燃焼性が低下して失火を招くのを防止することができる。
また、更に他のディーゼルエンジンの制御方法によると、前記特殊モードでは、気筒の排気行程から吸気行程にかけて排気弁を開放状態に維持することにより、グロープラグ等によって加熱することなく、ディーゼルエンジンの始動性を向上できるとともに、吸気行程で排気弁を効率的に開くことができる。
また、更に他のディーゼルエンジンの制御方法によると、前記特殊モードでは、エンジンの回転が始まるときに膨張行程にある気筒でも排気弁を開くことにより、気筒内の温度をより高くすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(エンジンの構成)
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンDEの概略構成を示す。図の例ではエンジンDEは直列4気筒のディーゼルエンジンであり、シリンダヘッド11及びシリンダブロック12にはエンジンDEの前後方向に4つの気筒14,14,…が並んで形成されている。尚、図には1つの気筒14しか示さないが、4つの気筒を区別する場合にはエンジン前側の1番気筒から順に14A,14B,14C,14Dとする。
各気筒14の内部には、図略のコネクティングロッドによってクランクシャフト15に連結されたピストン16が嵌挿されて、それぞれ、クランクシャフト15の回転に伴い上下動するようになっており、4サイクル4気筒エンジンでは各気筒14A〜14Dがクランク角で180°の位相差をもって吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程からなる燃焼サイクルを行う。例えば1番気筒14A、3番気筒14C、4番気筒14D、2番気筒14Bの順に燃焼サイクルを行う。
前記ピストン16の上面には燃焼室17を区画するキャビティ16aが形成され、その燃焼室17に先端を臨ませてグロープラグ18がシリンダヘッド11に配設されている。また、シリンダヘッド11には各気筒14毎に燃料噴射弁19が設けられている。この燃料噴射弁19は、燃料を高圧状態で蓄えているコモンレール20に対し気筒14毎の分岐管21を介して接続されており、コモンレール20から供給される高圧の燃料を各気筒14内に直接、噴射するようになっている。
この実施形態においては、燃料圧力を検出するための燃圧センサSW1がコモンレール20に設けられており、燃料噴射弁19の燃料噴射量は通電時間で制御される。燃料噴射弁19に燃料を供給するコモンレール20は、高圧燃料供給管22を介して燃料供給ポンプ23に接続されている。
また、シリンダヘッド11には、燃焼室17に向かって開口する吸気ポート24及び排気ポート25が各気筒14毎に設けられていて、これらのポート24,25の燃焼室17への開口部には吸気弁26及び排気弁27がそれぞれ配設されており、これらの吸排気弁26,27をそれぞれ駆動する動弁系には、図2を参照して後述するように、吸排気弁26,27の作動状態を通常モードと特殊モードとに切り換える油圧作動式の可変機構50(Variable Valve Motion 以下、VVM50と略称する)が設けられている。
前記吸気ポート24及び排気ポート25には、吸気通路28及び排気通路30がそれぞれ接続されている。吸気通路28の下流側の部分は各気筒14毎に分岐した分岐吸気通路28aであり、この各分岐吸気通路28aの上流端がそれぞれサージタンク28bに連通している。サージタンク28bよりも上流側は共通吸気通路28cとされ、そこには吸気の流れを絞る電磁式のスロットル弁29が設けられている。また、図では模式化しているが、共通吸気通路28cには、吸気流量を検出するエアフローセンサSW2と、吸気圧力を検出する吸気圧センサSW3と、吸気温度を検出する吸気温度センサSW4とが設けられている。
一方、排気通路30もその上流側の部分は各気筒14毎に分岐した分岐排気通路とされ、図示は省略するが、それら分岐排気通路の集合する排気マニホルドよりも下流側には、排気ガスを浄化するための触媒やパティキュレートフィルタ(DPF)等が配設されている。
また、エンジンDEには、タイミングベルト等によりクランクシャフト15に連結されたオルタネータ32が付設されている。このオルタネータ32は、図略のフィールドコイルの電流を制御して出力電圧を調節することにより発電量を調整するレギュレータ回路33を内蔵しており、車両の電気負荷や車載バッテリの残容量等に応じて適切な発電作動を行うようになっている。
また、エンジンDEには、それを始動するためのスタータモータ34が設けられている。このスタータモータ34は、モータ本体34aとピニオンギア34bとを有している。ピニオンギア34bは、モータ本体34aの出力軸上にて相対回転不能な状態で往復移動する。また、クランクシャフト15には、図略のフライホイールに固定されたリングギア35が同心状に設けられており、このスタータモータ34を用いてエンジンDEを再始動する場合には、このピニオンギア34bが所定の噛合位置に移動してリングギア35に噛合することにより、クランクシャフト15が回転駆動されるようになっている。
さらに、エンジンDEには、クランクシャフト15の回転角を検出する2つのクランク角センサSW5,SW6が設けられ、一方のクランク角センサSW5から出力される検出信号(パルス信号)に基づいてエンジン回転数が検出されるとともに、この両クランク角センサSW5,SW6から出力される位相のずれた検出信号に基づいてクランク角位置が検出されるようになっている。また、図示のようにエンジンDEの冷却水温度(エンジン水温)を検出する水温センサSW7と、車両のアクセルペダル36の操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセル開度センサSW8と、車両のブレーキペダル37の操作を検出するブレーキペダルセンサSW9とが設けられている。
加えて、図示のエンジンDEには、排気還流装置40が設けられている。この排気還流装置40は、排気マニホルドの集合部近傍に分岐接続されて、排気ガスの一部を排気通路30から吸気通路28に環流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路41と、このEGR通路41の途中に設けられて前記還流される排気ガスの流れを絞るEGR弁42とを備えている。尚、図示は省略するが、この実施形態のエンジンDEには、クランクシャフト15により駆動される機械式オイルポンプの他に、後述のアイドルストップ中に作動する電動式オイルポンプも設けられている。
−VVM−
次に、図2を参照して、吸排気弁26,27の作動状態を切り替えるVVM50の構造及びその作動について説明する。吸気側と排気側のVVM50は概ね同じ構造なので、以下では排気側のみについて具体的に説明する。まず、図示のように排気側の動弁系は、回転するカムシャフト51の第1,第2の2種類のカム51a,51bによりロッカーアーム52,53を介して排気弁27を開閉させるものであり、このロッカーアーム52,53には第2カム51bの作動状態を伝えないようにするロストモーション機構が組み込まれている。
すなわち、前記第1カム51aは、気筒14の排気行程において既燃ガスを排出するために排気弁27を開放するという通常モードのためのもので、一方、第2カム51bは、以下に述べるように排気弁27を吸気行程でも開かせて、排気通路30から高温のガスを吸い戻す特殊モードのためのものである。図の例では第1カム51aは2つ一組の対をなし、それぞれ、以下に述べるサイドロッカーアーム52を揺動させる。一方、第2カム51bは、前記一対の第1カム51a,51aの間に挟まれるように設けられ、センターロッカーアーム53を揺動させる。
すなわち、同図(a)には一部を切り欠いて示すように、サイドロッカーアーム52は、これを揺動自在に支持するロッカーシャフト54からエンジンDEの幅方向(図の左右方向)両側にそれぞれ延びていて、その一端部(図の右端部)には排気弁27の軸端が連繋される一方、他端側(図の左側)には第1カム51aとの摺接部52aが形成されている。よって、カムシャフト51の回転に伴い第1カム51aは、サイドロッカーアーム52を介して排気弁27を常時、開閉動作させるようになる。
これに対しセンターロッカーアーム53は、排気弁27と直接には連繋されておらず、その一端部がロッカーシャフト54に揺動自在に支持される一方、他端側が前記サイドロッカーアーム52の他端側と略同じの形状とされていて、そこに第2カム51bとの摺接部53aが形成されている。そして、以下に述べる油圧ロック機構によりサイドロッカーアーム52と連結されると、センターロッカーアーム53の揺動が伝わるようになって、排気弁27は気筒14の吸気行程でも開放される。
前記の油圧ロック機構としてサイド及びセンターロッカーアーム52,53には、それぞれ、ロッカーシャフト54を囲んで互いに連通するように異形断面(図例では卵形断面)のシリンダ室52b,53bが形成され、センターロッカーアーム53内のシリンダ室53bには、同じく異形断面の一対のプランジャ55,55が収容される一方、サイドロッカーアーム52内のシリンダ室52bには、プランジャ55と対向するピストン56とリターンスプリング57とが収容されている。
また、前記センターロッカーアーム53内のシリンダ室53bに臨んで、一対のプランジャ55,55の間に開口するように、ロッカーシャフト54の内部に油圧給排路54aが形成されていて、ここからシリンダ室53bに供給される作動油圧によって各プランジャ55がシリンダ室53bから押し出されるようになっている。こうして作動油圧によって押し出されたプランジャ55は、対向するピストン56を押し込みながらシリンダ室52bに進入して、センターロッカーアーム53とサイドロッカーアーム52とを連結するようになる(ロック状態)。
すなわち、前記ロッカーシャフト54内の油圧給排路54aには、図1にのみ模式化して示す作動油給排回路58が接続されており、この作動油給排回路58の電磁弁がPCM100によって制御されることにより、全ての気筒14A〜14DのVVM50に対する作動油の給排が同時に行われ、それらの油圧ロック機構が一斉に作動するようになっている。
まず、作動油給排回路58から所定の作動油圧が供給されず、センターロッカーアーム53内のシリンダ室53bにおける作動油圧が低いときには、対向ピストン56を介して作用するリターンスプリング57のばね力によって、プランジャ55がシリンダ室53b内に収容されたままになり、サイド及びセンターロッカーアーム52,53は連結されず、互いに独立に揺動するようになる(ロック解除状態)。このとき、カムシャフト51の第2カム51bはセンターロッカーアーム53を揺動させるのみで、その動作は排気弁27には伝達されない。
一方、前記油圧制御回路58からの作動油の供給を受けて、センターロッカーアーム53内のシリンダ室53bの作動油圧が高くなると、これにより押し出されたプランジャ55が前記のようサイドロッカーアーム52内のシリンダ室52bに進入して、該サイドロッカーアーム52とセンターロッカーアーム53とを連結し、両者を一体に揺動させるようになる。
そうすると排気弁27は、カムシャフト51の第2カム51bのプロファイルによって決まるリフトカーブに沿って動作されるようになり、気筒14の排気行程において通常通り開かれるとともに、当該気筒14が吸気行程に移行しても開放状態に維持され、例えば吸気行程の終了と略同時に閉じられるようになる。
つまり、VVM50の油圧ロック機構がロック状態とロック解除状態とに切り換えられることによって、排気弁27の作動状態が通常の排気行程における開閉作動のみの通常モードと、これに加えて吸気行程まで開放を継続する特殊モードとに切り換えられる。尚、詳しい説明は省略するが、吸気側のVVM50は、気筒14の吸気行程において吸気弁26を開く通常モードと、これを閉じたままとする特殊モードとに切り換えるようになっている。
上述したエンジンDEは、図1に模式化して示すパワートレインコントロールモジュール100(以下、PCM)によって制御される。このPCM100は、CPU、メモリ、カウンタタイマ群、インターフェース及びこれらのユニットを接続するパスを有するマイクロプロセッサで構成され、前記センサSW1〜SW9からの信号に基づいて種々の演算を行うことによりエンジンDEや車両の状態を判定し、これに応じて燃料噴射弁19やスロットル弁29、EGR弁42、動弁系のVVM50等のアクチュエータへ制御信号を出力する。
また、エンジンDEの始動時にPCM100は、燃料噴射弁19やスタータモータ34へ制御信号を出力するとともに、必要に応じてグロープラグ18へも制御信号を出力する。すなわち、エンジンDEの冷間始動時にはグロープラグ18に通電して気筒14内を暖めることにより、気筒14の圧縮と併せて燃料(混合気)の自己着火を補助するようにしている。
(アイドルストップの制御手順)
この実施形態では、燃費の低減やCO2の排出抑制等を目的として、所定の自動停止条件が成立したときにエンジンDEを自動停止させるとともに、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンDEを再始動させるようにしている(いわゆるアイドルストップ)。すなわち、PCM100は、エンジンDEの自動停止条件の成立を判定すると、燃料噴射弁19による燃料の噴射を停止させて(燃料カット)、エンジンDEを停止させる。
その後、所定の再始動条件が成立すれば、PCM100は、スタータモータ34によりエンジンDEのクランキングを開始するとともに、各気筒14A〜14Dへの燃料供給を開始して、エンジンDEを再始動させる。このような自動停止後の再始動においては乗員のイグニッション操作に対応した通常の始動に比べてより確実且つ速やかなな始動が求められる。
この点につきこの実施形態では、本発明の特徴部分として、自動停止後の再始動時にはエンジンの温度状態が比較的高いことに着目し、再始動のためのエンジン回転の開始直後に所定気筒14の吸気行程において吸気弁26を閉じるとともに、排気弁27は開いて、排気通路30内の高温のガスを吸い戻すようにしている。こうして吸い戻した高温のガスにより気筒14内の温度がさらに高めらて、エンジンDEの始動性が向上する。
−具体的な制御手順−
以下、この実施形態におけるエンジンDEの自動停止及び再始動の具体的な制御手順を図3〜5を参照して具体的に説明する。図3は制御の具体的な手順の一例を示すフローチャートであり、図4、5は、エンジンDEの再始動時における各気筒14A〜14D毎の吸排気弁26,27の作動状態を示すタイミングチャートである。
まず、図3におけるスタート後のステップS1では、エンジンDEの自動停止条件が成立するまで待機する。例えば、ブレーキペダル37の踏み操作が所定時間継続するとともに、車速が予め設定した微低速(例えば時速2〜5km)以下で車両が実質、停止しているときに、エンジンDEの自動停止条件が成立したと判定してステップS2に進み、各気筒14毎1、2回ずつ、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態(λ>1)になるように燃料噴射量を制御する。
それからステップS3において燃料噴射弁19による各気筒14への燃料供給を停止すると(燃料カット)、エンジンDEは、惰性で数回転した後にいずれかの気筒14の圧縮反力に抗して上死点を越えることができなくなって、僅かに逆転してから停止する。こうして燃料カット前にλ>1のリーン状態とすることで、各気筒14から排気通路30に排出される既燃ガス中には比較的多く酸素が含まれるようになり、さらに、燃料カット後のエンジンDEの惰力回転によって掃気が行われることにより、排気通路30内は比較的酸素の豊富な状態になる。
また、そうしてエンジンDEが停止する過程では、クランク角度センサSW5,SW6の検出信号等に基づいてエンジン10のクランク角位置を検出しており、これに基づいてステップS4にてエンジン回転の停止が完了した(YES)と判定すると、各気筒14の停止位置(ピストン16の停止しているクランク角位置)を記憶し、ステップS5においてVVM50に作動油圧を供給して、各気筒14の吸気行程で吸気弁26が閉じる一方、排気弁27は排気行程から吸気行程にかけて開放を継続する特殊モードに切り換える。
続いて、ステップS6では所定の再始動条件が成立するまで待機する。すなわち、例えば車載バッテリの残容量が少なくなってその充電が必要になったり、空調装置のコンプレッサの作動が必要になったり、或いは乗員によるアクセルやクラッチ操作が行われたりして、エンジンDEを運転する必要が生じれば、ステップS6において再始動条件が成立したYESと判定してステップS7に進む。そして、ここではエンジン水温や前記自動停止からの経過時間に基づいて気筒14内の温度状態を推定する。
続いてステップS8では、圧縮行程の途中で停止している気筒14のピストン16が、再始動に好適な適正停止範囲にあるか否かを判定する。適正停止範囲は、基本的には圧縮上死点前120°CAから圧縮上死点前100°CAの範囲とし、前記ステップS7において推定した気筒内温度が高いほど上死点側に補正する。ピストン16が適正停止範囲内になければ後述のステップS13に進む一方、適正停止範囲内にあればステップS9に進んでスタータモータ34を駆動し、エンジンDEの回転を開始する。
そうしてエンジンDEの回転が始まると、図4、5に模式的に示すように1〜4番の4つの気筒14A〜14Dが1番気筒14A、3番気筒14C、4番気筒14D、2番気筒14Bの順に燃焼サイクルを行うことになるが、図4に示すように最初に圧縮上死点(TDC)を迎える2番気筒14B(圧縮行程で停止している気筒であり、以下、停止時圧縮行程気筒14Bともいう)において、ピストン16は適正停止範囲内にあり、圧縮により燃料を自己着火可能な量の空気が存在するとともに、この空気は気筒14内で暖められて十分に高い温度になっている。
そこで、前記のようなエンジンDEの回転に伴いピストン16が上昇して、前記停止時圧縮行程気筒14B内の空気が圧縮され、その温度が十分に高くなったとき(例えばTDC近傍)に当該気筒14B内に燃料を噴射すると、この燃料噴霧が瞬間的に気化して着火、燃焼する(ステップS10)。こうして停止時圧縮行程気筒14Bで燃焼が行われると、吸気行程で停止していた1番気筒14A(停止時吸気行程気筒14A)が圧縮行程に移行し、排気気行程で停止していた3番気筒14C(停止時排気行程気筒14C)が吸気行程に移行して、順に燃焼されることになる。
そうして各気筒14A,14C,…が順に迎える初回の吸気行程において、前記ステップS5のように吸気弁26が閉じられている(図4でOpen)一方、排気弁27が開かれている(同Close)ことから、エンジンDEの回転に伴いピストン16が下降すると排気通路30から高温のガスが吸い戻されて、気筒14内の温度が高められる。この高温のガスは、上述したように比較的酸素の豊富な状態であり、それが圧縮されたところへ燃料が噴射されることによって、確実且つ速やかな着火、燃焼が行われる。
そうして停止時排気行程気筒14Cが膨張行程に移行するときに、停止時膨張行程気筒14Dも吸気行程を終えることになり、こうして4つの気筒14A〜14Dのうちの3つ(14A,14C,14D)が1回ずつ吸気行程を終えるとともに、別の3つの気筒14B,14A,14Cが1回ずつ燃焼を終えて、エンジンDEの回転開始から3つ目のTDCを越えると、ステップS11において「3TDC通過?」YESと判定して通常モードに移行する(ステップS12)。
すなわち、前記した各気筒14の燃焼に伴い排気通路30には酸素のあまり含まれていない既燃ガスが流出し、これが気筒14内に吸い戻されると、温度は上昇するものの燃焼性が低下し、失火する虞れもあるので、この実施形態では、全ての気筒14A〜14Dが1回ずつ燃焼する前に、具体的にはエンジンDEの回転開始から3つ目のTDCを越えて、図4の2番気筒14Bが吸気行程を迎えたときに通常モードに移行して、吸気弁26は開き、排気弁27は閉じるようにするのである。
一方で、前記ステップS8において停止時圧縮行程気筒14B内のピストン16が適正停止範囲内にない(NO)と判定して進んだステップS13では、スタータモータ34を駆動してエンジンDEの回転を開始させるものの、図5に示すように、停止時圧縮行程気筒14Bには燃料噴射を行わず、停止時吸気行程気筒14Aが圧縮行程に移行した後に(ステップS14で「TDC通過?」YES)、TDC近傍の所定のタイミングで燃料を噴射して(ステップS15)着火、燃焼させる。
続いて、停止時排気行程気筒14C、停止時膨張行程気筒14Dの順に燃焼が行われるが、これらの気筒14A,14C,14D,…のそれぞれの吸気行程においても上述の如く吸気弁26が閉じられる一方、排気弁27は開かれていて(図5のOpen、Close)、排気通路30から吸い戻される高温で比較的酸素の豊富なガスによって気筒14内の温度が高められ、それが圧縮されたところへ燃料が噴射されることによって確実且つ速やかな着火、燃焼が行われる。
そして、エンジンDEの回転開始から4つ目のTDCを越えて、前記ステップS11においてYESと判定すると、すなわち、4つの気筒14A〜14Dの全てが1回ずつ吸気行程を終えるとともに、最初に燃焼を行わなかった停止時圧縮行程気筒14Bを除く3つの気筒14A,14C,14Dのそれぞれで1回ずつ燃焼が行われると、通常モードに移行して(ステップS12)制御を終了する(エンド)。
前記図3のフローは、所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンDEを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すれば再始動させる、というエンジンDEのアイドルストップ制御の手順に対応しており、特にステップS2は、自動停止条件が成立してから、これに応じて各気筒14への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する、という制御手順を表している。
また、ステップS5は、再始動条件が成立してエンジンDEの回転が始まることにより各気筒14がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの吸気行程において排気弁27を開く特殊モードとする、という制御手順を表しており、この実施形態では、エンジンDEの自動停止後から特殊モードにすることで、再始動時にエンジンDEの回転が始まるとき、即ち停止時吸気行程気筒14Aから特殊モードの制御を開始するようにしている。こうすればエンジンDEの始動性向上の効果が極めて高くなる。
また、ステップS11は、停止時圧縮行程気筒14Bから燃焼を開始した場合、エンジンDEの回転開始から3つ目のTDCを越えた後に通常モードに移行する、という制御手順を表しており、ステップS11,S14は、停止時圧縮行程気筒14Bでは燃焼を行わず、停止時吸気行程気筒14Aから燃焼を開始した場合、エンジンDEの回転開始から4つ目のTDCを越えた後に通常モードに移行する、という制御手順を表している。
そして、前記のような制御手順を実行するPCM100によって、自動停止条件の成立後、燃料カットまでの間は空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する停止時燃料制御手段と、再始動時にエンジンDEの回転が始まることにより各気筒14がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの吸気行程において排気弁27を開く特殊モードの制御を行うとともに、遅くとも各気筒14がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば通常モードの制御に移行する、始動時排気弁制御手段と、が構成されている。
したがって、この実施形態に係るディーゼルエンジンDEの制御方法等によると、まず、エンジンDEの自動停止時において燃料カット直前にλ>1で運転することで、排気通路30内を比較的酸素の豊富な状態とすることができ、その後の再始動時には、エンジンDEの回転が始まって各気筒14がそれぞれ初回の吸気行程を迎えるときに、3つ或いは4つの気筒14の吸気行程においては吸気弁26を閉じ、排気弁27を開くことにより、排気通路30から高温で比較的酸素の豊富なガスを吸い戻し、気筒14内の温度を高めることができる。よって、グロープラグ等によって加熱することなくエンジンDEの始動性を向上できる。
そうして吸気行程において吸気弁26を閉じ、排気弁27を開く特殊モードとするのは、停止時吸気行程気筒14Aからでもよいし、その次に吸気行程を迎える停止時排気行程14Cからでもよいが、この実施形態のように停止時吸気行程気筒14Aから特殊モードとすれば、エンジンDEの回転とともに最初に吸気行程を迎える気筒14Aから前記の効果が得られて、より迅速な再始動が可能になる。
また、この実施形態のように4気筒エンジンにおいて、その全ての気筒14が1回ずつ燃焼を行う前に、(停止時圧縮行程気筒14Bから燃焼を開始した場合は回転開始から3つのTDCを通過した後に、また、停止時圧縮行程気筒14Bで燃焼を行わなかった場合は回転開始から4つのTDCを通過した後に、)通常モードに戻すようにすれば、排気通路30内のガスを吸い戻しても燃焼性の低下、ひいては失火を招くことはない。
尚、前記実施形態では特殊モードにおいて、気筒14の吸気行程で吸気弁26を閉じるようにしているが、これに限らず、吸気弁26の開いている期間を通常よりも短くするだけでもよいし、それを通常通り開くようにしてもよい。また、排気弁27を気筒14の排気行程から吸気行程にかけて開放状態に維持することも必須ではなく、それを一旦閉じてから再び開くようにしてもよい。
また、前記の実施形態では、エンジンDEの自動停止後に特殊モードに制御することで、停止時吸気行程気筒14Aの吸気行程から吸気弁26を閉じ、排気弁27を開くようにしているが、この停止時吸気行程気筒14A内の空気の温度は比較的高く、排気通路30から高温のガスを吸い戻さなくても燃料の自己着火が可能とも考えられる。
そこで、エンジンDEの自動停止後に特殊モードに制御するのではなく、再始動条件の成立に応じて特殊モードに制御することで、図4、5に仮想線で示すように停止時吸気行程気筒14Aについては通常モードとし、その次に吸気行程を迎える停止時排気行程気筒14Cから特殊モードとすることもできる。こうすれば、エンジンDEの停止中に特殊モードとするために、VVM50に作動油圧を供給し続ける必要がないので、そのためのエネルギー消費を削減することができる。
また、前記の実施形態では、エンジンDEの回転開始から3、4のTDCを越えた後に通常モードに移行するようにしているが、これに限るものではなく、遅くとも、各気筒14がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば通常モードに移行するようにすればよい。
さらに、前記の実施形態では吸排気弁26,27の作動モードを機械式のVVM50によって切り換えるようにしているが、これに限らず、吸排気弁26,27を個別に設けた電磁アクチュエータによって駆動する電磁駆動式の動弁系を備えている場合は、自由に吸排気弁26,27の作動状態を制御することができる。この場合、特殊モードではエンジンDEの回転が始まるときに膨張行程にある気筒14Dでも排気弁27を開くことができ、こうすれば当該気筒14内の温度がより高くなる。
本発明は、アイドルストップ等する車両に搭載されるディーゼルエンジンにおいて良好な再始動性が得られるものであり、乗用車等に好適である。
本発明に係るディーゼルエンジンの概略構成図である。 VVMの構造を示す説明図である。 自動停止から再始動にかけての制御手順を示すフローチャート図である。 エンジンの再始動時における各気筒毎の吸排気弁の作動状態を示すタイミングチャートであり、停止時圧縮行程気筒から燃焼を開始する場合について示す。 停止時吸気行程気筒から燃焼を開始する場合についての図4相当図である。
DE ディーゼルエンジン
14 気筒
27 排気弁
100 PCM(停止時燃料制御手段、始動時排気弁制御手段)

Claims (10)

  1. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、を備え、
    前記特殊モードとする工程は、前記再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに吸気行程にある気筒から特殊モードにする工程である
    ことを特徴とするエンジン制御方法。
  2. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、を備え、
    前記特殊モードとする工程は、前記再始動条件の成立に応じてエンジンの回転が始まるときに排気行程にある気筒から特殊モードにする工程である
    ことを特徴とするエンジン制御方法。
  3. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、
    遅くとも、各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば、吸気行程では排気弁を閉じる通常モードに移行する工程と、を備える
    ことを特徴とするエンジン制御方法。
  4. エンジンは4つ以上の気筒を備えており、
    前記通常モードに移行する工程は、エンジンの回転が始まるときに圧縮行程にある気筒から燃焼を開始した場合は、エンジンの回転開始から3つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードに移行する工程である、請求項に記載のエンジン制御方法。
  5. 前記通常モードに移行する工程は、エンジンの回転が始まるときに圧縮行程にある気筒では燃焼を行わず、吸気行程で停止していた気筒から燃焼を開始した場合は、エンジンの回転開始から4つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードに移行する工程である、請求項に記載のエンジン制御方法。
  6. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、を備え、
    前記特殊モードでは、気筒の排気行程から吸気行程にかけて排気弁を開放状態に維持する、
    ことを特徴とするエンジン制御方法。
  7. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させる、ディーゼルエンジンの制御方法であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する工程と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードとする工程と、を備え、
    前記特殊モードでは、エンジンの回転が始まるときに膨張行程にある気筒でも排気弁を開く、
    ことを特徴とするエンジン制御方法。
  8. 所定の自動停止条件の成立に応じてエンジンを停止させる一方、その後、所定の再始動条件が成立すればエンジンを再始動させるようにしたディーゼルエンジンの制御装置であって、
    前記自動停止条件が成立してから、これに応じて気筒への燃料供給を停止するまでの間、空気過剰率λが1よりも大きなリーン状態になるように燃料噴射量を制御する停止時燃料制御手段と、
    前記再始動条件が成立して、エンジンの回転が始まることにより各気筒がそれぞれ迎える初回の吸気行程のうち、少なくとも2つの気筒の吸気行程において排気弁を開く特殊モードの制御を行うとともに、遅くとも、各気筒がそれぞれ初回の吸気行程を終えれば、吸気行程では排気弁を閉じる通常モードの制御に移行する、始動時排気弁制御手段と、
    を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  9. エンジンは4つ以上の気筒を備えており、
    始動時排気弁制御手段は、エンジンの回転が始まるときに圧縮行程にある気筒から燃焼が開始された場合は、エンジンの回転開始から3つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードの制御に移行する、請求項に記載のエンジン制御装置。
  10. 始動時排気弁制御手段は、エンジンの回転が始まるときに圧縮行程にある気筒では燃焼を行わず、吸気行程で停止していた気筒から燃焼が開始された場合は、エンジンの回転開始から4つ目の気筒の圧縮上死点を越えた後に通常モードの制御に移行する、請求項に記載のエンジン制御装置。
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