JP5206090B2 - 未加硫タイヤの供給方法、供給装置及び供給システム - Google Patents

未加硫タイヤの供給方法、供給装置及び供給システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば自動車用空気入りタイヤの製造工程において未加硫タイヤを各加硫機に供給するための未加硫タイヤの供給方法、供給装置及び供給システムに関するものである。
一般に、この種の未加硫タイヤの供給方法としては、複数の加硫機と、加硫機ごとにそれぞれ設けられ、貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを複数ずつ載置可能な載置台と、載置台の未加硫タイヤを加硫用金型に装填する装填装置とを用い、未加硫タイヤ保管場所に保管されている未加硫タイヤを作業者が載置台まで搬送し、載置台に載置する前の未加硫タイヤの貼付型表示部材のバーコードを作業者がハンディバーコードリーダによって読取るとともに、加硫用金型に貼付されているバーコードをハンディバーコードリーダによって読取り、両バーコードの情報が対応しているか否かを判定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−320176号公報
ところで、前記供給方法では、作業者がハンディバーコードリーダによって未加硫タイヤ及び加硫用金型のバーコードを読取るようにしているので、作業者による作業を削減することができず、製造コストの低減を図る上で好ましくないという問題点があった。また、未加硫タイヤと加硫用金型とが対応しているか否かを判定するために、作業者によるバーコードの読取りが必要になるので、前記判定を効率的且つ確実に行うことができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造コストの低減を図ることができ、しかも未加硫タイヤと加硫用金型とが対応しているか否かを効率的且つ確実に判定することのできる未加硫タイヤの供給方法、供給装置及び供給システムを提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを所定の未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機のうち任意の加硫機に搬送可能な搬送台車を用い、各加硫機に未加硫タイヤを供給する未加硫タイヤの供給方法であって、前記未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか指示手段から搬送台車に指示する指示工程と、指示手段から指示された加硫機に向かって未加硫タイヤを搬送している間に、搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を搬送台車に設けられた読取装置によって読取る読取工程と、各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有する判定手段により、指示工程によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取工程によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定工程とを含むようにしている。
これにより、搬送台車は所定の未加硫タイヤ保管場所から任意の加硫機に未加硫タイヤを搬送可能であり、搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取り、指示工程によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取工程によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定することから、この判定のために行う作業者による作業が軽減される。
また、本発明は、タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを所定の未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機に供給する未加硫タイヤの供給装置において、前記未加硫タイヤを前記所定の未加硫タイヤ保管場所から任意の加硫機に搬送可能な搬送台車と、搬送台車に設けられて搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取る読取装置と、搬送台車上の未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか指示する指示手段と、各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有し、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定手段とを備えている。
これにより、搬送台車は所定の未加硫タイヤ保管場所から任意の加硫機に未加硫タイヤを搬送可能であり、読取装置によって搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取り、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを判定手段が比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定することから、この判定のために行う作業者による作業が軽減される。
また、本発明の未加硫タイヤの供給システムは、タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを保管する未加硫タイヤ保管場所と、未加硫タイヤを未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機のうち任意の加硫機に搬送可能な自走式の搬送台車と、未加硫タイヤ保管場所において未加硫タイヤを搬送台車に載置可能な載置手段と、搬送台車に設けられて搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取る読取装置と、各加硫機と通信可能であり、各加硫機からの情報に基づき搬送台車に載置する未加硫タイヤの種類を搬送台車または載置手段に指示するとともに、載置した未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか搬送台車に指示する指示手段と、各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有し、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定手段とを備えている。
これにより、搬送台車は所定の未加硫タイヤ保管場所から任意の加硫機に未加硫タイヤを搬送可能であり、読取装置によって搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取り、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを判定手段が比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定することから、この判定のために行う作業者による作業が軽減される。
本発明によれば、未加硫タイヤと加硫用金型とが対応しているか否かの判定のために行う作業者による作業を削減し、品質チェックの自動化、運搬の自動化、製造コストの低減等を図ることができ、しかも未加硫タイヤと加硫用金型とが対応しているか否かを効率的且つ確実に判定することができる。
図1乃至図9は本発明の一実施形態を示すもので、図1は未加硫タイヤの供給システムの概略図、図2はベースが前方に移動した状態の搬送台車の平面図、図3はベースが前方に移動した状態の搬送台車の一部断面側面図、図4はベースが後方に移動した状態の搬送台車の一部断面側面図、図5はベースが後方に移動した状態の搬送台車の平面図、図6は搬送台車のブロック図、図7及び図8は制御装置の動作を示すフローチャート、図9は加硫用金型内における未加硫タイヤの回転方向位置とRFVとの関係の例を示す図である。
この未加硫タイヤの供給装置は、タイヤ加硫用に複数設けられた周知の加硫機10と、倉庫等から成る複数の保管場所WHに種類ごとに保管されている未加硫タイヤGTを各加硫機10のうち任意の加硫機10に搬送可能な少なくとも1つの搬送台車20とを有する。
各加硫機10は例えば工場内に2列に配置され、それぞれ番号A−1〜A−5及びB−1〜B−5が割り当てられている(図1参照)。
各搬送台車20は、複数の車輪30aを有する台車本体30と、台車本体30上に回転可能に設けられたタイヤ支持用のフレイム40とを有する。
台車本体30は図示しないモータ等の駆動装置を有し、駆動装置によって所定方向に自走可能に構成されている。また、工場内にはレールや磁気テープ等から成る台車誘導手段RAが敷設され、台車本体30は台車誘導手段RAに沿って工場内を自走するようになっている。
フレイム40は、台車本体30の上面に回転可能に支持された円筒状の支柱41と、支柱41の外周面から径方向外側に延びるように設けられた3本のアーム42と、各アーム42の先端にそれぞれ設けられた保持部43と、各保持部43にそれぞれ着脱自在に取付けられたタイヤ保持部材44とを有する。各アーム42は互いに支柱41の周方向に等角度間隔をおいて配置されている。
保持部43は、上下方向に延びる円筒状に形成された保持部本体43aと、保持部本体43aの内周面側にベアリング43bによって回転可能に支持された回転軸43cと、回転軸43cの下端に固定された円板状の歯車43dとを有する。また、回転軸43cの上端には係止溝43eが設けられている。
タイヤ保持部材44は、保持部43の保持部本体43a内に上方から挿入可能に形成された円筒状の軸部44aと、軸部44aの上端に取付けられた円板状のタイヤ受け部44bと、タイヤ受け部44bの上面に設けられた円柱状のタイヤ位置決め部44cとを有する。また、軸部44aの内周面側の下端側には係止ピン44dが設けられている。即ち、軸部44aが保持部本体43a内に上方から挿入されると、軸部44aが回転軸43cの上端によって上下方向に支持されるとともに、軸部44aの係止ピン44dと回転軸43cの係止溝43eとが回転軸43cの回転方向に係止する。このため、タイヤ保持部材44が保持部43に取付けられると、タイヤ保持部材44は保持部43の回転軸43cとともに回転するように支持される。また、タイヤ支持部材44は未加硫タイヤGTを横置き状態で支持可能に構成されている。即ち、未加硫タイヤGTがタイヤ支持部材44上に載置されると、未加硫タイヤGTがタイヤ受け部44bによって上下方向に支持される。また、タイヤ位置決め部44cが未加硫タイヤGTのビード部の内側に挿入されることにより、未加硫タイヤGTが径方向に位置決めされる。
また、台車本体30上にはフレイム回転モータ50が設けられ、フレイム回転モータ50の駆動軸には歯車50aが取付けられている。また、歯車50aはフレイム40の支柱41に設けられた歯車41aに係合している。即ち、フレイム回転モータ50によってフレイム40が回転するようになっている。
さらに、台車本体30上にはタイヤ回転機構60が設けられ、タイヤ回転機構60は例えばフレイム40に対して例えば搬送台車20の後方(進行方向の後側)に配置されている。タイヤ回転機構60は、搬送台車20に対して搬送台車20の進行方向に移動可能に設けられたベース61と、ベース61に取付けられるとともに駆動軸に歯車62aが取付けられたモータ62と、ベース61に設けられるとともに歯車62aの回転変位量を検知可能な回転検知センサ63とを有する。回転検知センサ63は周知の近接センサ等から構成されている。ベース61は搬送台車20に固定された周知のエアシリンダ61aによって搬送台車20の進行方向に移動するようになっている。また、ベース61における搬送台車20の進行方向の前端には切欠部61bが設けられ、切欠部61bにおける搬送台車20の幅方向(進行方向と直交する方向)の寸法は保持部43の外径よりもわずかに大きい。また、各保持部43のうち1つの保持部43が搬送台車の後側に位置している状態で、ベース61を搬送台車20の前方に移動させると、前記1つの保持部43が切欠部61b内に配置されるとともに、歯車62aが前記1つの保持部43の歯車43dに係合する。即ち、切欠部61bによってフレイム40の回転が規制され、モータ62によって前記保持部43に取付けられているタイヤ保持部材44を回転可能な状態になる。尚、タイヤ保持部材44はモータ62によって回転する以外は保持部43上で回転しないようになっている。
また、台車本体30上にはバーコードやQRコード等の表示情報を読取り可能な周知の読取装置70が設けられている。読取装置70は、前述のように切欠部61bによってフレイム40の回転が規制されるとともに、モータ62によってタイヤ保持部材44が回転している状態で、そのタイヤ保持部材44上の未加硫タイヤGTの側面に貼付されている貼付型表示部材QRを上方から読取り可能に配置されている。尚、本実施形態では、未加硫タイヤGTにはQRコードが表示された貼付型表示部材QRが貼付され、そのQRコードは少なくともタイヤ品番の情報を有している。
また、台車本体30には周知のコンピュータから成る制御装置80が取付けられ、制御装置80は、図6に示すように、フレイム回転モータ50、エアシリンダ61a、モータ62、回転検知センサ63及び読取装置70に接続されている。また、制御装置80にはアンテナ80a及び表示装置80bが設けられている。
一方、各保管場所WHにはそれぞれ周知のコンピュータから成る倉庫端末90が設けられ、各倉庫端末90は各保管場所WHに保管されている未加硫タイヤGTのタイヤ品番及び個数を管理している。また、各倉庫端末90は周知のコンピュータから成る指示手段としての管理端末100に接続されている(図1参照)。管理端末100にはアンテナ100aが設けられ、管理端末100と台車本体30の制御装置80とは通信可能に構成されている。また、各加硫機10はそれぞれ周知の制御装置を有するとともに、その制御装置にアンテナ10aが設けられ、各加硫機10は管理端末100と通信可能に構成されている。
このように構成された未加硫タイヤの供給装置では、ある加硫機10から管理端末100に未加硫タイヤGTの供給を要求があると、管理端末100がその加硫機10で加硫しているタイヤ品番の未加硫タイヤGTが何れの保管場所WHで保管されているか判断し、要求があった加硫機10の番号、その加硫機10に装着されている加硫用金型のタイヤ品番等の情報、未加硫タイヤGTのタイヤ品番及び保管場所WHを搬送台車20に送信し、搬送台車20がその情報に応じて未加硫タイヤGTを加硫機10に搬送するようになっている。この時、加硫機10の加硫用金型ごとに設定されている未加硫タイヤGTの回転方向位置データも管理端末100から搬送台車20に送信されるようになっている。
また、管理端末100には各加硫機10で加硫している未加硫タイヤGTのタイヤ品番、各加硫機10に取付けられている加硫用金型及び加硫用金型ごとに設定されている未加硫タイヤGTの回転方向位置データが記憶されている。さらに、貼付型表示部材QRは例えば未加硫タイヤを構成しているサイド部材のスプライス部に貼付されている。
ここで、未加硫タイヤGTはカーカス部材やサイド部材の周方向の端部が重ね合わせられたスプライス部を有しており、加硫タイヤにおいて前記スプライス部があった位置の特性と他の位置の特性との差を小さくすることができれば、加硫タイヤの周方向の均一性を向上することができる。また、加硫用金型は一般に高い寸法精度で形成されているが、わずかな寸法誤差の発生を完全に防止することは難しく、キャビティを全周に亘って完全に均一に形成することが難しい。さらに、同一製品コード用の加硫用金型が複数ある場合、各加硫用金型は前記寸法誤差によってそれぞれ異なる特性を有している。このため、未加硫タイヤGTを加硫用金型内に配置する際に、スプライス部をその加硫用金型の特性に応じた回転方向位置に配置することにより、加硫タイヤの周方向の均一性、例えばRFV(タイヤ径方向の荷重変動)の特性を向上することができる(図9参照)。即ち、前記回転方向位置データは加硫タイヤの周方向の均一性を向上するために加硫用金型ごとに設定されているデータである。
管理端末100の動作を図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。先ず、例えば番号A−2の加硫機10から未加硫タイヤGTの供給の要求があると(S1)、番号A−2の加硫機10で加硫しているタイヤ品番の未加硫タイヤGTが何れの保管場所WHで保管されているか判断し(S2)、要求があった加硫機10の番号A−2、その加硫機10に装着されている加硫用金型の情報、未加硫タイヤGTのタイヤ品番、保管場所WH及び回転方向位置データを搬送台車20に送信する(S3)。
続いて、前記情報の送信を受けた搬送台車20の制御装置80の動作を図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。先ず、管理端末100からの前記情報の受信があると(S11)、搬送台車20を前記情報の保管場所WHまで移動する(S12)。前記保管場所WHでは、周知の未加硫タイヤの載置装置によって、搬送台車20上の3つのタイヤ支持部材44のうち何れか1つのタイヤ支持部材44に未加硫タイヤGTが自動的に載置される。尚、未加硫タイヤGTは貼付型表示部材QRが貼付された側面が上側になるように載置されるようになっている。また、載置装置は、例えば搬送台車20の表示装置80bに表示されているタイヤ品番に基づいて、未加硫タイヤGTをタイヤ支持部材44に支持するようになっている。尚、管理端末100から載置装置に搬送台車20に載置する未加硫タイヤGTを指示することも可能である。
次に、未加硫タイヤの載置装置から制御装置80に未加硫タイヤGTの載置の終了が知らされると(S13)、搬送台車20を前記情報に基づいて番号A−2の加硫機10に向かって移動させる(S14)。
続いて、搬送台車20の移動中に、フレイム回転モータ50によってフレイム40を回転させ、前記未加硫タイヤGTが載置されているタイヤ保持部材44を搬送台車20の後側に移動させ(S15)、エアシリンダ61aによってベース61を搬送台車20の前方に移動させる(S16)。これにより、ベース61の切欠部61bによってフレイム40の回転が規制され、モータ62によってタイヤ保持部材44を回転することができるようになる。
続いて、モータ62によってタイヤ保持部材44を回転させ(S17)、タイヤ保持部材44に載置されている未加硫タイヤGTの貼付型表示部材QRの表示情報が読取装置70によって読取られると(S18)、その位置でモータ62によるタイヤ保持部材44の回転を停止させる(S19)。貼付型表示部材QRの表示情報が読取装置70によって読取られない場合は(S18)、表示装置80bに読取り異常の表示をする(S20)。その未加硫タイヤGTは図示しないタイヤ取外し装置や作業者によって搬送台車20から取外される。一方、制御装置80は取外したタイヤに関してステップ11で得た情報を消去し(S21)、再びステップS11に戻って制御を行う。また、取外されたタイヤは例えば保管場所WHに戻される。
続いて、読取装置70によって読取られたタイヤ品番と指定番号A−2の加硫機10の加硫用金型とを比較し、タイヤ品番と加硫用金型とが対応していなければ(S22)、表示装置80bに対応異常の表示をする(S23)。その未加硫タイヤGTは図示しないタイヤ取外し装置や作業者によって搬送台車20から取外される。一方、制御装置80は取外したタイヤに関してステップ11で得た情報を消去し(S21)、再びステップS11に戻って制御を行う。また、取外されたタイヤは例えば保管場所WHに戻される。
次に、回転検知センサ63によってタイヤ支持部材44の回転方向位置を検知しながら、前記情報の回転方向位置データに基づき、モータ62によってタイヤ保持部材44を所定角度だけ回転させる(S24)。
続いて、搬送台車20が指定番号A−2の加硫機10に到着すると(S25)、フレイム回転モータ50によってフレイム40を所定の搬出位置まで回転させる(S26)。この時、ベース61は搬送台車20の後方に移動している。この状態において、タイヤ保持部材44上の未加硫タイヤGTが番号A−2の加硫機10に備え付けられている周知の未加硫タイヤの移送装置によって加硫機10の加硫用金型に搬送される。この時、例えばベース61の切欠部61bによってフレイム40の回転を規制し、読取装置70によって読取りできない位置に配置されているタイヤ保持部材44上の未加硫タイヤGTを加硫機10に供給するようにすると、未加硫タイヤGTの搬送を確実に行うことができる。未加硫タイヤの移送装置は例えば全ての加硫機10にそれぞれ設けられている。
このように、本実施形態によれば、搬送台車20は未加硫タイヤGTを保管場所WHから任意の加硫機10に搬送可能であり、読取装置70によって搬送台車20上の未加硫タイヤGTの貼付型表示部材QRの表示情報を読取り、管理端末100から指示された加硫機10の加硫用金型の情報と読取装置70によって読取った情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤGTとが対応しているか否かを判定することから、この判定のために行われる作業者による作業が軽減される。このため、品質チェックの自動化、運搬の自動化、製造コストの低減等を図ることができ、しかも未加硫タイヤGTと加硫用金型とが対応しているか否かを効率的且つ確実に判定することができる。
また、搬送台車20は複数(本実施形態では3個)の未加硫タイヤGTを載置して搬送可能であり、複数の未加硫タイヤGTを搬送しながら各未加硫タイヤGTについて前記判定を行うことができるので、生産性の向上を図る上で有利である。
また、ステップS18において、読取装置70によって貼付型表示部材QRの読取りがされたか否かを判定するようにしたので、加硫用金型内に未加硫タイヤGTが上下逆向きで装填されることがなく、タイヤ品質の向上を図る上で極めて有利である。
また、管理端末100は各加硫機10の加硫用金型にそれぞれ対応する未加硫タイヤGTの回転方向位置データを有しており、管理端末100によって指示された加硫機10の加硫用金型の情報に対応する回転方向位置データに基づき、搬送台車20上の未加硫タイヤGTを回転方向に位置決めするようにしたので、未加硫タイヤの加硫用金型内における回転方向の位置と加硫タイヤの周方向の均一性との関係に基づいて前記回転方向位置データを設定し、加硫タイヤの周方向の均一性を向上することができる。
また、搬送台車20は、複数の車輪30aを有するとともに所定方向に自走可能な台車本体30と、台車本体30上に回転可能に設けられた支柱41と支柱41から径方向外側に向かってそれぞれ延びるように形成された複数のアーム42を有し、各アーム42の先端側にそれぞれ未加硫タイヤGTを載置可能なフレイム40と、フレイム40を回転させるフレイム回転モータ50と、フレイム40の回転を規制するベース61の切欠部61bと、切欠部61bによってフレイム40の回転が規制されている状態でフレイム40に載置されている未加硫タイヤGTを回転させるモータ62とを有し、切欠部61bによってフレイム40の回転が規制されているとともに、モータ62によってフレイム40に載置されている未加硫タイヤGTが回転している状態で、未加硫タイヤGTの貼付型表示部材の表示情報を読取装置70によって読取るようにしたので、読取装置70による読取りを確実に行うことができる。
また、本実施形態では、複数の加硫機10と、未加硫タイヤGTを保管する保管場所WHと、未加硫タイヤGTを保管場所WHから任意の加硫機10に搬送可能な自走式の搬送台車20と、保管場所WHにおいて未加硫タイヤGTを搬送台車20に自動的に載置可能な載置装置と、搬送台車20に設けられて搬送台車上の未加硫タイヤGTの貼付型表示部材QRの表示情報を読取る読取装置70と、各加硫機10と通信可能であり、各加硫機10からの情報に基づき搬送台車20に載置する未加硫タイヤGTの種類を搬送台車20に指示するとともに、載置した未加硫タイヤGTを各加硫機10のうち何れの加硫機10に搬送するか搬送台車20に指示し、また、各加硫機10に装着されている加硫用金型の情報を有しており、指示された加硫機10の加硫用金型の情報と読取装置70によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤGTとが対応しているか否かを判定するようにしている。このため、前術のように製造コストの低減を図ることができ、しかも未加硫タイヤGTと加硫用金型とが対応しているか否かを効率的且つ確実に判定することができる。特に、保管場所WHから加硫機10への未加硫タイヤGTの搬送にかかる作業を低減することができるので、製造コストの低減を図る上で極めて有利である。
また、搬送台車20のタイヤ保持部材44は着脱可能であることから、タイヤの種類を変更する場合にタイヤ保持部材44の交換で対応することができ、生産性の向上を図る上で極めて有利である。
尚、本実施形態における図8のフローチャートの説明では、搬送台車20に1つの未加硫タイヤGTを載置するものを説明した。これに対し、管理端末100から搬送台車20に複数種類の未加硫タイヤGTを載置してそれぞれ別の加硫機10に搬送するように指示することも可能であり、この場合でも前述と同様の作用効果を達成可能である。
また、本実施形態では、載置装置によって保管場所WHの未加硫タイヤGTを搬送台車20に載置するものを示した。これに対し、保管場所WHにおいて作業者が搬送台車20に未加硫タイヤGTを載置することも可能である。この場合、搬送台車20にボタン等を設け、ボタンの操作によって制御装置80に未加硫タイヤGTの載置の終了が知らされるようにすることにより、前述と同様の作用効果を達成することが可能となる。
尚、本実施形態では、サイド部材のスプライス部に貼付型表示部材QRを貼付したものを示したが、カーカス部材のスプライス部や他の部材のスプライス部に貼付型表示部材QRを貼付することも可能であり、この場合でも前述と同様の作用効果を達成可能である。
また、本実施形態の図1では、10台の加硫機10を設けたものを示したが、実際は数十台から百数十台の加硫機10が工場内に並べられることがあり、この場合は前述の効果はより顕著なものとなる。
尚、本実施形態では、搬送台車20に読取装置70を設け、搬送台車20上で加硫用金型と未加硫タイヤGTとが対応しているか否かを判定し、搬送台車20上で未加硫タイヤGTの回転方向位置を調整するようにしたものを示した。これに対し、搬送台車20からモータ62、回転検知センサ63及び読取装置70を取外し、各加硫機10にそれぞれフレイム40の保持部43及びタイヤ支持部材44に相当する部分、モータ62、回転検知センサ63及び読取装置70を設けることも可能である。この場合、各加硫機10の移送装置によって未加硫タイヤGTが搬送台車20から加硫機10の加硫用金型に移送される間に、加硫用金型と未加硫タイヤGTとが対応しているか否かを判定し、未加硫タイヤGTの回転方向位置を調整することになる。この場合でも、加硫用金型と未加硫タイヤGTとが対応しているか否かの判定のために行われる作業者による作業が軽減される。このため、製造コストの低減を図ることができ、しかも未加硫タイヤGTと加硫用金型とが対応しているか否かを効率的且つ確実に判定することができる。
本発明における一実施形態を示すタイヤの加硫システムの概略図 ベースが前方に移動した状態の搬送台車の平面図 ベースが前方に移動した状態の搬送台車の一部断面側面図 ベースが後方に移動した状態の搬送台車の一部断面側面図 ベースが後方に移動した状態の搬送台車の平面図 搬送台車のブロック図 制御装置の動作を示すフローチャート 制御装置の動作を示すフローチャート 加硫用金型内における未加硫タイヤの回転方向位置とRFVとの関係の例を示す図
符号の説明
10…加硫機、20…搬送台車、30…台車本体、40…フレイム、41…支柱、42…アーム、43…保持部、44…タイヤ保持部材、50…フレイム回転モータ、60…タイヤ回転機構、61…ベース、61b…切欠部、62…モータ、63…回転検知センサ、70…読取装置、80…制御装置、90…倉庫端末、100…管理端末、GT…未加硫タイヤ、WH…保管場所。

Claims (8)

  1. タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを所定の未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機のうち任意の加硫機に搬送可能な搬送台車を用い、各加硫機に未加硫タイヤを供給する未加硫タイヤの供給方法であって、
    前記未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか指示手段から搬送台車に指示する指示工程と、
    指示手段から指示された加硫機に向かって未加硫タイヤを搬送している間に、搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を搬送台車に設けられた読取装置によって読取る読取工程と、
    各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有する判定手段により、指示工程によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取工程によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定工程とを含む
    ことを特徴とする未加硫タイヤの供給方法。
  2. 前記未加硫タイヤを複数載置して搬送可能な搬送台車を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の未加硫タイヤの供給方法。
  3. 前記各加硫機の各加硫用金型にそれぞれ対応するように設定された加硫用金型内における未加硫タイヤの回転方向位置データを用い、指示工程によって指示された加硫機の加硫用金型に対応する回転方向位置データに従って搬送台車上の未加硫タイヤを回転方向位置決め手段によって回転方向に位置決めする位置決め工程を含む
    ことを特徴とする請求項1または2記載の未加硫タイヤの供給方法。
  4. タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを所定の未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機に供給する未加硫タイヤの供給装置において、
    前記未加硫タイヤを前記所定の未加硫タイヤ保管場所から任意の加硫機に搬送可能な搬送台車と、
    搬送台車に設けられて搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取る読取装置と、
    搬送台車上の未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか指示する指示手段と、
    各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有し、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定手段とを備えた
    ことを特徴とする未加硫タイヤの供給装置。
  5. 前記搬送台車を複数の未加硫タイヤを載置して搬送可能に構成した
    ことを特徴とする請求項記載の未加硫タイヤの供給装置。
  6. 前記各加硫機の加硫用金型にそれぞれ対応するように設定された加硫用型内における未加硫タイヤの回転方向位置データを有し、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型に対応する回転方向位置データに基づき、搬送台車上の未加硫タイヤを回転方向に位置決めする回転方向位置決め手段を備えた
    ことを特徴とする請求項または記載の未加硫タイヤの供給装置。
  7. 前記搬送台車に、複数の車輪を有するとともに所定方向に自走可能な台車本体と、台車本体上に回転可能に設けられた支柱と支柱から径方向外側に向かってそれぞれ延びるように形成されるとともに互いに間隔をおいて配置された複数のアームを有し、各アームの先端側にそれぞれ未加硫タイヤを載置可能なフレイムと、フレイムを回転させるフレイム回転手段と、フレイムの回転を規制するフレイム回転規制手段と、フレイム回転規制手段によってフレイムの回転が規制されている状態でフレイムに載置されている未加硫タイヤを回転させる未加硫タイヤ回転手段とを備え、
    前記読取装置を、フレイム回転規制手段によってフレイムの回転が規制されるとともに、未加硫タイヤ回転手段によってフレイムに載置されている未加硫タイヤが回転している状態で、未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取るように構成した
    ことを特徴とする請求項または記載の未加硫タイヤの供給装置。
  8. タイヤ幅方向の何れか一方の側面に貼付型表示部材が貼付された未加硫タイヤを保管する未加硫タイヤ保管場所と、
    未加硫タイヤを未加硫タイヤ保管場所から複数の加硫機のうち任意の加硫機に搬送可能な自走式の搬送台車と、
    未加硫タイヤ保管場所において未加硫タイヤを搬送台車に載置可能な載置手段と、
    搬送台車に設けられて搬送台車上の未加硫タイヤの貼付型表示部材の表示情報を読取る読取装置と、
    各加硫機と通信可能であり、各加硫機からの情報に基づき搬送台車に載置する未加硫タイヤの種類を搬送台車または載置手段に指示するとともに、載置した未加硫タイヤを各加硫機のうち何れの加硫機に搬送するか搬送台車に指示する指示手段と、
    各加硫機に装着されている加硫用金型の情報を有し、指示手段によって指示された加硫機の加硫用金型の情報と読取装置によって読取られた情報とを比較し、加硫用金型と未加硫タイヤとが対応しているか否かを判定する判定手段とを備えた
    ことを特徴とする未加硫タイヤの供給システム。
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