JP5205827B2 - 発振周波数制御方法及び発振器 - Google Patents

発振周波数制御方法及び発振器 Download PDF

Info

Publication number
JP5205827B2
JP5205827B2 JP2007156926A JP2007156926A JP5205827B2 JP 5205827 B2 JP5205827 B2 JP 5205827B2 JP 2007156926 A JP2007156926 A JP 2007156926A JP 2007156926 A JP2007156926 A JP 2007156926A JP 5205827 B2 JP5205827 B2 JP 5205827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
oscillation frequency
oscillation
amplitude
oscillator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007156926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008311884A (ja
Inventor
将吉 大城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2007156926A priority Critical patent/JP5205827B2/ja
Publication of JP2008311884A publication Critical patent/JP2008311884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5205827B2 publication Critical patent/JP5205827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Description

本発明は、発振周波数制御方法及び発振器に関し、特に温度が変化したときに、高い応答性を持って正確に発振周波数を調整する発振周波数制御方法及び発振器に関する。
近年、携帯電話やGPS(Grobal Positioning System)のニーズが広まり、それらに使用されている発振器の発振周波数に、より厳しい周波数精度が求められている。また、発振器の温度が変動したときにも、温度変化に対して応答性よく発振周波数を調整することにより、発振周波数の変動を極力抑えた発振器のニーズも高まっている。
発振周波数の精度が高く、温度が変化したときにも発振周波数の変動を抑えることができる発振器として、温度補償型水晶発振器がよく用いられている。従来の技術では、温度センサを用いて測定した温度に基づき、発振器に接続した可変容量素子に与える制御電圧を制御する温度補償水晶発振器が記載されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、水晶振動子に接続された可変容量素子の静電容量を調整することにより温度補償している。
図19に、水晶発振器の温度と発振周波数の偏差の関係の一例を示す。図20に、従来の温度補償型水晶発振器の例を示す。図19、図20を用いて、水晶発振器の温度特性、及び従来の温度補償型水晶発振器の構造、動作について説明する。図19のように、水晶発振器の発振周波数の偏差は、温度補償をしていないとき、温度特性1901のように変化する。水晶振動子401は発振器で使用されたとき、水晶振動子401に固有の発振周波数(以降、「固有周波数」という。)で発振する。固有周波数は温度によって変化するため、水晶振動子401は、ある温度、例えば常温である25°等のときに、所望の周波数になるように製作される。基準温度のときの固有周波数を、以降「基準周波数」という。以降、その温度における実際の発振周波数から基準周波数を引いた周波数を、「周波数偏差」という。温度補償型水晶発振器は、図19のような発振周波数の温度特性1901を補償し、温度変化に対して極力発振周波数が変化しないようにした水晶発振器である。すなわち、温度補償型水晶発振器は、補償特性1902のような周波数変化を発生するように、水晶発振器の所定のパラメータを制御する。このとき、温度補償型水晶発振器の温度補償後の温度特性は、補償後特性1903のようになり、温度変化に対する発振周波数の変化が極めて小さくなる。
次に、従来の温度補償型水晶発振器の構造及び動作について説明する。図20のように、温度補償型水晶発振器は、水晶発振部101、温度センサ2001、温度補償部103、発振周波数変更部104を備える。発振部101は、水晶振動子401、インバータ402、帰還抵抗403、コンデンサ404、405を備える。インバータ402は、その出力が帰還抵抗403によって入力に帰還されることにより、反転増幅器として動作する。コンデンサ404、405は、発振部101を水晶振動子401の固有周波数で安定して発振させるために接続されている。
発振周波数変更部104は、可変容量ダイオード406、コンデンサ407を備える。可変容量ダイオード406は、パラメータ制御信号107によって静電容量(以降、単に「容量」という。)を変化させることができる。コンデンサ407は、直流電圧であるパラメータ制御信号107をカットし、可変容量ダイオード406の容量成分のみを発振部101に伝えるためのものである。従って、コンデンサ407のインピーダンスが発振周波数の調整範囲、すなわち基準周波数付近において十分小さくなるように、コンデンサ407の容量は大きめの値が選択される。
温度補償型水晶発振器は、まず温度センサ2001を用いて温度を測定する。そして、温度特性1901を打ち消すように、温度補償部103が発振周波数変更部104を制御し、発振周波数を調整する。すなわち、温度補償部103が、補償特性1902のように各温度に対応した周波数補正を行う。具体的には、温度補償部103が、周波数の補正量に応じて発振周波数制御信号107を発生し、可変容量ダイオード406を変化させ、発振部101の発振周波数を変化させる。これにより、温度特性1901と温度特性1902が打ち消しあい、補償後特性1903のように、温度変化に対する発振周波数の変化が極めて小さい温度補償型水晶発振器が実現する。このように、現在の温度を検知することで、温度に依存する周波数偏差を抑えるように機能するのが、従来の温度補償型水晶発振器である。
上述のように、水晶発振部101の発振周波数を制御する方法については、水晶振動子401に接続する容量を制御する方法がよく知られている。図21は、一般的なコルピッツ型の水晶発振器における、水晶振動子に接続される外付け容量C1、C2の値と発振周波数との関係の例を示すグラフである。このように、C1、C2を変化させることにより、発振周波数を変化させることができる。特許文献1に記載の水晶発振器でも、水晶振動子に接続された容量を変化させることにより発振周波数を変化させている。
一方、温度センサを使用せず、温度特性補正素子を水晶振動子に直列に接続し、水晶振動子の周波数温度特性を補正する水晶発振器もある(例えば、特許文献2)。
特開2005−347929号公報 (第5、6頁、図1) 特開2004−364082号公報 (第4−5頁、図1)
上記の各公知技術にはそれぞれ問題がある。
図20及び特許文献1に記載の温度補償型水晶発振器では、温度補償型水晶発振器の温度が急激に変化すると、温度センサ2001の温度と、水晶振動子401との温度に差が生じる。なぜなら、温度センサ2001は水晶振動子401の水晶片自体の温度を測定することができないためである。水晶振動子401は水晶片から成っており、水晶片が機械的に振動することにより所定の周波数で発振する。そのため、水晶振動子401に温度センサを直接に接触させることはできない。従って、水晶振動子401の温度変化に正確に対応したパラメータ制御信号107を発生させることができず、発振器出力信号105の周波数が正しく制御できないという問題がある。
この問題が発生する理由について、図19、図22を用いてさらに詳細に説明する。図22(a)は、従来の温度補償型水晶発振器の温度及び水晶振動子401の温度変化を示す。図22(b)は、従来の温度補償型水晶発振器の発振周波数の偏差の時間経過を示す。
まず初期状態で、温度補償型水晶発振器の温度がT1であり、温度補償前には周波数F1で発振しているものとする。このときの周波数偏差ΔF1は、
ΔF1=F0−F1
である。ここで、F0は基準周波数、F1は温度がT1のときの発振周波数である。このとき、発振周波数はΔF1だけ補償され、発振周波数はF0に補償される。
この状態において、時刻t1に温度補償型水晶発振器の温度がT1からT2へ急に変化したと仮定する。温度補償型水晶発振器の温度は、図22(a)の温度変化2201のように変化する。温度補償型水晶発振器の温度の変化は、水晶振動子401には速やかに伝わらないため、水晶振動子401の温度は、図22(a)の温度変化2202のように変化する。水晶振動子401の温度は時刻t1においてT1のままとなっており、徐々にT2に近づいていく。
ところが、温度補償部103の温度はT2に変化しているため、ΔF2だけ周波数が補償される。従って、発振周波数F2’は、
F2’=F1+ΔF2=F0−ΔF1+ΔF2
=F0+(ΔF2−ΔF1)
となる。このときの周波数偏差ΔF2’は、
ΔF2’=ΔF2−ΔF1であり、
0ではない。つまり、本来、水晶振動子401の発振周波数は、ΔF1だけ補償されるべきところが、時刻t2において、一旦ΔF2だけ調整されてしまうために、周波数偏差が生じることになる。
その後、水晶振動子401の温度もT2に近づいてゆき、水晶振動子401の温度がT2に一致した時刻t3で、周波数偏差は0になる。以上の周波数偏差の時間的な変化を、図22(b)に示す。このように、従来の温度補償型水晶発振器には、一旦誤まった周波数に調整されるという問題があった。
上記のように、誤った周波数に調整される根本原因は、温度自体を測定し、その温度に基づき周波数を調整していることにある。温度を測定するためには、温度センサを用いる必要がある。ところが、温度センサによって測定することができる温度は温度センサ近傍の温度である。測定された温度は発振器や水晶振動子自体の温度には厳密には一致しない。本来は、温度変化により実際に発振器や水晶振動子が受けた影響を検知して、温度補償を行うことが望ましい。なぜなら、温度センサ近傍の温度が変化しても、発振器や水晶振動子の温度が変化していないならば、温度補償を行う必要はないためである。このように、従来の温度補償型水晶発振器は、温度を測定し、それに基づき温度補償を行っているため、温度による発振周波数への影響を、正確に補償することができないという問題がある。
従来の温度補償型水晶発振器には、その他にも、温度センサ2001の消費電流の問題がある。すなわち、温度センサとして一般的にダイオードやサーミスタが用いられるが、これらの温度センサはバイアスが必要な素子であり、常時電流を消費する。また、温度センサの電源の雑音の影響も受けるため、温度補償部103から発振周波数変更部104へのパラメータ制御信号107に雑音が混入する。そのため、温度補償型水晶発振器の出力に位相雑音が発生し、信号の品質が劣化する可能性がある。
特許文献2に記載の温度補償型水晶発振器では、サーミスタの温度特性を利用して温度補償を行っている。しかし、水晶振動子の温度特性を正確に打ち消すような温度特性をサーミスタに持たせることは困難である。なぜなら、水晶振動子とサーミスタは異なる材料で形成された素子であるから、両方の温度特性を厳密に一致させることは困難であるためである。従って、従来の温度補償型水晶発振器には、周波数偏差が残ることは避けられないという問題がある。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、温度によって変化する発振周波数を、応答性良く、正確に、所定の基準周波数に調整し、発振周波数を一定に保つことができる発振周波数の制御方法及び発振器を提供することを目的とする。
本発明の発振周波数制御方法は、発振周波数及び出力信号の振幅が温度に依存して変化する水晶振動子を備え、所定の発振周波数制御信号を用いて発振周波数の変更が可能な発振器の発振周波数制御方法であって、振幅を測定する工程、振幅に基づき発振周波数制御信号を制御し、発振周波数を変更する工程を備え、発振器は、サーミスタを備えることにより、水晶振動子の温度変化による振幅の変動にサーミスタの温度変化による振幅の変動が加算され、振幅が温度に依存して変化する量を増加させていることを特徴とする。
本発明の発振器は、発振周波数及び出力信号の振幅が温度に依存して変化する水晶振動子を備え、所定の発振周波数制御信号を用いて発振周波数の変更が可能な発振器であって、振幅を測定する振幅測定部と、振幅に基づき発振周波数制御信号を制御し、発振周波数を変更する温度補償部を備え、発振器は、サーミスタを備えることにより、水晶振動子の温度変化による振幅の変動にサーミスタの温度変化による振幅の変動が加算され、振幅が温度に依存して変化する量を増加させていることを特徴とする。
発振周波数制御信号を制御するとき、予め記憶された、振幅と周波数制御信号との対応情報に基づき制御してもよい。
発振周波数制御信号を制御するとき、発振周波数制御信号を用いて発振器が備える可変容量素子の静電容量を制御し、発振周波数を変更してもよい。その可変容量素子は、接続される固定静電容量の個数を変更することにより静電容量の変更が可能な可変容量素子であって、発振周波数制御信号を用いて個数を変更してもよい。
本発明の発振周波数の制御方法及び発振器は、発振器の出力の振幅を測定し、その結果に基づき発振周波数を制御する。そのため、発振器自体の温度変化による発振周波数への影響を的確に検知することができるので、発振周波数を応答性良く、正確に調整することができるという効果がある。
また、温度センサを使用しないため、温度センサを動作させるために必要となるバイアス電流等、温度測定に要する消費電流を削減することができる。そして、温度測定の結果に影響を与える、温度センサの電源部分のノイズの影響を考慮する必要がないという効果もある。
図1を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は、本発明の最良の実施形態の温度補償型発振器のブロック図である。図2は、本発明の最良の実施形態の温度補償型発振器の発振周波数及び発振出力の振幅の発振部の温度に対する温度依存性の例を示すグラフである。図3は、本発明の最良の実施形態の温度補償型発振器における、発振出力振幅と周波数補正量の関係を示すグラフである。
図1のように、本実施形態の温度補償型発振器は、発振部101、振幅測定部102、温度補償部103、発振周波数変更部104を備える。
発振部101は、発振器の温度に依存する発振周波数で発振し、発振出力信号105を出力する。ここで、所定の「基準温度」における発振周波数を「基準周波数」と定義する。「基準温度」は任意の温度であり、例えば、常温として摂氏25°と定めればよい。温度補償型発振器は、発振部101の温度が基準温度ではない温度になり、発振周波数が基準周波数から変化したときに、発振周波数を基準周波数に近づけるように制御する発振器である。
振幅測定部102は、発振出力信号105の振幅を測定し、振幅情報信号106を出力する。
温度補償部103は、振幅情報信号106に基づき、発振周波数変更部104に、発振周波数制御信号107を出力する。
発振周波数変更部104は、発振周波数制御信号107に基づき、発振部101の発振周波数を変更する。発振周波数制御信号107と、発振周波数変更部104により変更された発振周波数との関係は、予め設計により、あるいは実験的に求めておく。
発振周波数変更部104による発振周波数の変更方法の具体例としては、発振部101に接続した、発振周波数に影響を与えることができる素子の値を変える方法がある。素子の例としては、可変容量ダイオード、コンデンサ、抵抗、インダクタがある。あるいは、発振部101と発振周波数変更部104とで電圧制御発振器(VCO)を構成し、発振周波数制御信号107をVCOの発振周波数制御電圧として変化させることによって、発振周波数を変更する方法もある。
(最良の実施形態の動作)
図2のように、発振周波数f及び発振出力信号105の振幅V(以降、「発振振幅」という。)は、発振部101の温度Tに依存して変化する。初期段階では、発振部101は、基準温度T0において、基準周波数f0で発振し、そのときの発振振幅は基準振幅V0となっている。そして、発振部101の温度TがT0から上昇しT1になったとき、発振周波数はf1に上昇し、発振振幅はV1に減少する。逆に、温度TがT0から下降しT2になったときには、発振周波数はf2に下降し、発振振幅はv2に増加する。
発振周波数と発振振幅が、温度によって変化する原因は、発振部101を構成する能動素子、受動素子が、通常、温度特性を持っていることにある。例えば、水晶発振器であれば、水晶振動子自体が温度特性を持っているために、発振周波数も温度特性を持つ。また、発振器の増幅器を構成する能動素子が温度特性を持つため、増幅率も温度特性を持ち、発振振幅も温度特性を持つ。このように、発振周波数と発振振幅が、温度特性を持つことは一般的であると考えてよい。
そこで、発振周波数と発振振幅の温度特性を利用し、発振振幅に基づき発振周波数を調整することにより、発振部101の温度変化による発振周波数の変化を補償することができる。すなわち、図3のように、発振振幅がV1のときには、発振周波数をf0になるようにΔf1=f1−f0だけ上昇(Δf1は負の値なので、実際には下降させる)させることにより温度補償が可能である。そして、発振振幅がV2のときには、発振周波数をΔf2=f2−f0だけ上昇させることにより温度補償が可能である。
上述のように、発振周波数制御信号107と発振周波数との関係は予め求めることができるので、温度補償部103が発振周波数制御信号107を出力することにより、発振周波数を任意の値に変更することができる。従って、温度補償部103は、振幅情報信号106に基づき発振周波数制御信号107を出力することにより、発振周波数を必要な量だけ上昇あるいは下降させ、発振周波数を基準周波数f0に調整することができる。
振幅情報信号106と発振周波数制御信号107との対応関係を温度補償部103内に記憶させておき、その情報に基づき温度補償部103が発振周波数制御信号107を出力してもよい。
このようにして、本温度補償型発振器の発振部101の温度が変化し、発振周波数が基準周波数でない値に変化したときに、再び基準周波数で発振するように調整することができる。
(最良の実施形態の効果)
以上のように、本温度補償型発振器は、温度センサを備えるのではなく、発振振幅を測定することにより温度変化による発振部への影響を検知し、発振周波数を調整する。このように、発振部自体の温度変化を直接検知するので、発振周波数を正確に基準周波数に調整することができる。従って、発振周波数の安定した温度補償型発振器を実現することができる。
また、温度センサを使用しないので、例えばセンサに流すバイアス電流を消費することがなく、かつセンサ部の電源雑音の影響を受けない。そのため、発振器の出力波形の位相雑音特性を良好に保つことができる。
さらに、温度変化による発振器への影響を正確に検知することができるので、高価な恒温槽を用いて温度依存性のない発振器を構成する必要はなく、発振器のコストを低減することができる。
次に、図4、図5、図6、図7、図8、図9を用いて、本発明の第1の実施例の温度補償型発振器について説明する。第1の実施例の温度補償型発振器は、現在広く用いられているコルピッツ型の温度補償型水晶発振器である。図4は、第1の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。図5は、第1の実施例の温度補償型水晶発振器の発振周波数及び発振振幅の、発振部の温度に対する温度依存性の例を示すグラフである。図6は、第1の実施例の温度補償型水晶発振器の発振振幅と発振周波数の補正量の関係の例を示すグラフである。図7は、第1の実施例の温度補償型発振器における、可変容量ダイオードの容量値と発振周波数の関係を示すグラフである。図8は、第1の実施例の温度補償型発振器における、発振周波数制御信号と可変容量ダイオードの容量値の関係を示すグラフである。図9は、第1の実施例の温度補償型発振器における、発振振幅と周波数変更信号の関係を示すグラフである。
図4のように、本実施例の温度補償型水晶発振器は、発振部101、振幅測定部102、温度補償部103、発振周波数変更部104を備える。
発振部101は、水晶振動子401、インバータ402、帰還抵抗403、コンデンサ404、405を備える。インバータ402は、その出力が帰還抵抗403によって入力に帰還されることにより、反転増幅器として動作する。コンデンサ404、405は、発振部101を水晶振動子401の固有周波数で安定して発振させるために接続されている。
本温度補償型水晶発振器では、基準温度T0における水晶振動子401の固有周波数が、発振器としての基準周波数f0となる。本温度補償型水晶発振器は、発振部101の温度Tが変化し発振周波数fが変化したときに、発振周波数fを基準周波数f0に近づけるように制御する。
振幅測定部102は、発振部101の発振出力信号105の振幅を測定し、振幅情報信号106を出力する。振幅測定部102の具体的な処理内容には、例えば、発振出力信号105を整流し、さらに低周波成分のみを取り出し、振幅情報信号106として出力するような処理である。
温度補償部103は、振幅情報信号106に基づき、発振周波数変更部104を制御するためのパラメータ制御信号107を発生する。パラメータ制御信号107は直流の電圧である。
発振周波数変更部104は、パラメータ制御信号107によって容量を制御することができる回路又は素子である。従って、発振周波数変更部104の構造、動作原理は特に限定されない。第1の実施例の発振周波数変更部104は、可変容量ダイオード406、コンデンサ407を備える。前述のように、コンデンサ407は、直流電圧であるパラメータ制御信号107をカットし、可変容量ダイオード406の容量成分のみを発振部101に伝えるためのものである。従って、発振周波数の調整範囲において、コンデンサ407のインピーダンスは可変容量ダイオード406のインピーダンスよりも十分小さい。
(実施例1の動作)
始めに、発振部101の発振周波数を変化させる方法について説明する。図21のように、コルピッツ型水晶発振器では、発振器の入力側又は出力側に接続された2個の外付けコンデンサの、一方又は両方の値を変化させることにより、発振周波数を調整することができる。第1の実施例では、コンデンサ404とそれに並列に接続された可変容量ダイオード406との合成コンデンサが入力側の外付けコンデンサに相当する。また、コンデンサ405が出力側の外付けコンデンサに相当する。
そこで、第1の実施例では、入力側のコンデンサの容量を変化させることにより、発振周波数を調整する。このとき、コンデンサ407は、基準周波数付近において十分インピーダンスが低いものとして無視できるので、可変容量ダイオード406の容量のみを変化させればよい。
次に、発振部101の温度変化を検出する方法について説明する。発振部101の温度が変化すると、図5のように発振周波数及び発振振幅が変化する。始めにその理由について説明する。
水晶振動子401は、発振状態では等価的に、インダクタンス(等価インダクタンス)と抵抗(等価直列抵抗)が直列に接続された素子として動作する。発振周波数は、この等価インダクタンスと、外付け容量を含めた発振器の容量に依存し変化する。また、発振時の発振出力信号の振幅も、等価直列抵抗等に依存し変化する。そして、等価インダクタンス及び等価直列抵抗は温度依存性を持っている。そのため、発振部101の温度が変化することにより、水晶振動子401の温度が変化し、等価インダクタンス及び等価直列抵抗が変化すると、発振周波数及び発振出力信号の振幅が変化する。そして、水晶発振器の発振周波数へ与える影響は、図19のように、水晶振動子401の温度特性によるものが最も大きい。
なお、本実施例では、発振部101全体の温度は均一であり、水晶振動子401の温度もその温度に等しいものとしている。しかし、発振部101全体の温度が均一でなく、水晶振動子401の温度と異なる箇所があったとしても、発振周波数及び発振振幅には、水晶振動子401の温度変化による影響を含めた影響が現れる。そのため、発振振幅に基づき発振周波数を調整することで、水晶振動子401の温度変化による影響を含めて温度補償することができる。
図5(a)は発振部101の温度Tと発振周波数fの関係の例を示す。このように、発振部101の温度が基準温度T0から上昇しT1になると、発振周波数がf1に下降する。水晶振動子の温度がT0から下降しT2になると、発振周波数はf2に上昇する。従って、温度補償を行うためには、温度T1では発振周波数をΔf1だけ上昇させ、温度T2ではΔf2だけ下降させればよい。なお、温度Tの上昇に対して発振周波数fは単調に増加しないので、基準温度T0以外でも、発振周波数fが基準周波数f0になる温度が存在する。すなわち、温度T3、T4において、発振周波数fは基準周波数f0になる。温度T3、T4では温度補償の必要はない。
図5(b)は発振部101の温度Tと発振振幅Vの関係の例を示す。このように、発振部101の温度が基準温度T0から上昇しT1になると、発振振幅がV1に減少する。水晶振動子の温度がT0から下降しT2になると、発振振幅はV2に増加する。
図5(a)、(b)から、発振部101の温度変化による発振周波数の変化を、発振振幅の変化によって検知することができることがわかる。図6は、図5(a)、(b)から求めた、発振振幅と発振周波数の補正量の関係を示す。このように、まず発振振幅を求め、求めた振幅の大きさに基づき、発振周波数を調整すればよい。そのためには、発振振幅と発振周波数制御信号107との関係を求めればよい。
図7は、発振部101の温度毎の、可変容量ダイオード406の容量の値(以降、単に「容量値」という。)Cと発振周波数の関係を示すグラフである。発振周波数fは、発振部101の温度が基準温度T0のとき、基準周波数f0に調整されている。このときの容量値をC0とする。ここで、発振部101の温度がT0からT1に上昇すると、発振周波数はf1に下降する。このとき、容量値はC0のままである。この状態で、容量値をC1に減少させると、発振周波数をf0にΔf1だけ上昇させることができる。発振部101の温度がT2に下降したときも同様であり、容量値をC2に増加させることにより、発振周波数をf0にΔf2だけ下降させることができる。
図8は、発振周波数制御信号107の値VCと、容量値Cの関係を示すグラフである。C1は温度T1のときの発振周波数をf1からΔf1だけ上昇させf0にすることができる容量値であり、C2は温度T2のときの発振周波数をf2からΔf2だけ下降させf0にすることができる容量値である。図8より、容量値をC1、C2にするためのVC1、VC2、すなわち、発振周波数をそれぞれΔf1だけ上昇、Δf2だけ下降させるためのVC1、VC2を求めることができる。
よって、図6、図8より、発振振幅Vと発振周波数制御変更信号107の大きさVCの関係を求めることができる。図9は、図7、図8より求めた、発振振幅Vと、パラメータ制御信号107の大きさVCの関係を示すグラフである。
以上が本発明の温度補償型水晶発振器における温度補償の原理である。実際には、温度補償を行うために、発振部101の温度Tや可変容量ダイオードの容量値Cを求める必要はない。すなわち、まず温度Tを基準温度T0にして、発振周波数fが基準周波数f0になるように発振周波数制御信号の値VCを調整する。その状態で温度Tを変化させ、各温度における発振周波数fを基準周波数f0に調整するために設定すべきVCを求めればよい。
図9に示す対応関係で、発振振幅に対応させて、発振周波数制御信号107の大きさを変化させる方法には種々の方法がある。例えば、振幅情報信号106を入力信号とする折れ線回路を用いて、図9に示す対応関係で発振周波数制御信号107を出力してもよい。折れ線近似回路は、オペアンプ、ダイオード等を用いて構成することが可能であり、当業者には周知の回路である。あるいは、振幅情報信号106と発振周波数制御信号107の大きさの対応関係を予めメモリに記憶させ、記憶された情報に基づき、発振周波数制御信号107を出力してもよい。この方法については、第2の実施例として後述する。
なお、本実施例では、発振出力信号105の振幅を測定することにより、発振部101の温度変化を検知している。これは、発振部101の出力がインバータ401に駆動されているため、インピーダンスが低く、信号を取り出すのに適しているためである。しかし、振幅発振部101の入力側の振幅(インバータ402への入力振幅)も温度に依存して変化するので、入力側の振幅を測定して温度変化を検知してもよい。
また、第1の実施例では、水晶発振器の形式の例としてコルピッツ型を用いたが、水晶発振器の形式は特に限定されない。容量、電圧等、所定のパラメータを用いて周波数を変化させることができる水晶発振器であれば、その他の形式の水晶発振器であっても、本発明を適用することができる。
(実施例1の効果)
以上のように、本発明の第1の実施例の温度補償型発振器は、温度センサを使用せず、発振器の出力振幅を測定し、温度変化を検知する。発振器の出力の変化を検知するので、実際に発振に関わっている水晶振動子を含め、発振器全体の温度変化による影響を直接検知することができる。そのため、正確な温度補償が可能であり、温度補償型発振器の温度が変化した場合でも、発振周波数を基準周波数で一定に保つことができる。特に、温度補償型発振器の温度が急激に変化し、発振器内部の水晶振動子の温度変化との間に時間的なずれが生じる場合でも、正確に発振周波数を一定に保つことができる。
また、温度センサを使用するための消費電流が不要であり、温度センサの電源雑音の影響を受けないために、出力波形の位相雑音が改善する。
さらに、温度変化による発振器への影響を正確に検知することができるので、高価な恒温槽を用いて温度依存性のない水晶発振器を構成する必要はなく、発振器のコストを低減することができる。
そして、発振部には、一般的な形式であるコルピッツ型水晶発振器を使用し、周波数を調整するための素子として可変容量ダイオードを使用することができる。そのため、水晶発振器の特徴である高い精度に加え、温度補償機能も備える発振器を、容易に、また安価に実現することができる。
本発明の温度補償型発振器は、さらに精密に温度補償を行なうことができる。図10は、第2の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。図10を参照して、本実施例の温度補償型水晶発振器について説明する。温度補償部103以外の構成は、図4の第1の実施例の温度補償型水晶発振器と同様である。そこで、温度補償部103の構成及び動作を中心に説明し、その他の部分については説明を省略する。
本実施例の温度補償型水晶発振器の温度補償部103は、温度補償制御部1001、補償電圧記憶部1002、電圧発生部1003を備える。
温度補償制御部1001は、振幅測定部102からの振幅情報信号106と補償電圧記憶部1002の記憶内容に基づき、電圧発生部1003に指示を与える。
補償電圧記憶部1002は、水晶振動子401の温度特性を補償し周波数を調整するための情報を記憶する。記憶する情報は、発振出力信号105の振幅を示す振幅情報信号106の値と発振周波数制御信号107の値との対応関係を示す情報である。
補償電圧記憶部1002が記憶する情報の内容について、具体的に説明する。第1の実施例を用いて説明したように、振幅情報信号106の値と発振周波数制御信号107の値との関係は図9のように求めることができる。従って、補償電圧記憶部1002は、振幅情報信号106の値と発振周波数制御信号107の値との関係を記憶すればよい。具体的には、振幅情報信号106の値と発振周波数制御信号107の値を、数値の組として、データ・テーブルに記憶すればよい。数値の組の個数を多くするほど精密な温度補償が可能になるので、数値の組の個数は求められる精度に応じて決めればよい。
電圧発生部1003は、温度補償制御部1001からの指示に基づき、発振周波数制御信号107を出力する。
(実施2の動作)
まず始めに、最良の実施形態及び第1の実施例と同様に、第2の実施例の温度補償型水晶発振器においても、温度変化による発振部101の影響を、発振出力信号105の振幅レベルの測定により検知する。
温度補償制御部1001は、発振振幅情報106及び補償電圧記憶部1002が記憶する情報を参照し、電圧発生部1003を制御する。すなわち、温度補償制御部1001は、発振振幅情報106を参照し、発振振幅に対応した発振周波数制御信号107の値を補償電圧記憶部1002の記憶情報から読み出す。そして、 温度補償制御部1001は、電圧発生部1003を用いて、発振周波数制御信号107を制御する。発振周波数制御信号107は、可変容量ダイオード406に印加される容量制御電圧として可変容量ダイオード406の容量値を制御する。このようにして、発振部101の発振周波数は、発振振幅に基づき制御される。
(実施例2の効果)
以上のように、第2の実施例の温度補償型水晶発振器では、発振周波数を調整するための情報を記憶しておき、その情報に基づき発振周波数を調整する。そのため、発振周波数が変動した場合でも、その変動に応じた正確な発振周波数の調整を行うことができるという効果がある。
温度の変化に対する発振振幅の変化が敏感であるほど、温度補償を迅速に、感度良く行うことができる。ところで、水晶発振器の発振振幅は、水晶振動子に直列に接続した抵抗(以降、「直列抵抗」という。)の値により変化する。水晶振動子に直列に接続した抵抗値と水晶発振器の発振振幅の関係の一例を図11に示す。直列抵抗は、水晶発振器の増幅器の増幅率を低下させる効果がある。そのため、直列抵抗は、電源電圧以上になるような過大な発振振幅を減少させたり、意図した周波数以外で発振するような異常発振を防止したりするためによく用いられる。
そこで、第3の実施例では、発振器に温度依存性の大きな抵抗を接続し、温度の変化に対して発振振幅が大きく変化するようにした発振器を構成する。図12は、第3の本実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。すなわち、図12のように、サーミスタ1201を水晶振動子401に直列に接続する。サーミスタ1201は、図13のように接続してもよい。図13の場合は、サーミスタ1201が発振部101の増幅器であるインバータ402の出力に直列に接続されることになる。そのため、増幅器の増幅率を変化させるので、発振振幅を変化させることができる。
(実施例3の動作)
図12、図13の温度補償型水晶発振器では、発振部101の温度が変化すると、サーミスタ1201の抵抗が大きく変化する。そのため、水晶振動子401の温度変化による発振振幅の変動に加え、サーミスタ1201の抵抗の変化よる振幅の変動が加算される。そのため、温度の変化に対して、発振振幅が敏感に変化するようになり、温度の変化を感度良く検知することができる。
なお、第3の実施例では、図5(b)のように、発振部101の温度が上昇すると、発振振幅が減少するものとしている。そのため、温度が上昇したときには発振振幅をより減少させるために、図14のように、温度が上昇したときには抵抗が増加するような温度特性をもつサーミスタ1201を用いる必要がある。
(実施例3の効果)
以上のように、第3の実施例の温度補償型水晶発振器では、温度に対して敏感に抵抗が変化する素子を発振部に接続する。そのため、発振振幅は、温度の変化に対して大きく変化する。そのため、温度補償型水晶発振器の温度補償の性能が高感度になるという効果がある。
第4の実施例では、発振周波数変更部104を、可変容量ダイオードではなく、複数の固定容量を用いた可変容量素子1508で構成している。図15、図16は、第4の実施例の温度補償型水晶発振器の回路図である。図17は、第4の実施例の温度補償型水晶発振器の発振振幅と可変容量素子の値の関係を示すグラフである。
図15の温度補償型水晶発振器では、発振周波数変更部104として、複数の固定容量1501、1502、1503を並列に接続した可変容量素子1508を用いている。そして、固定容量1501、1502、1503に接続したスイッチ1504、1505、1506をスイッチ制御信号1507により開閉することにより、可変容量素子1508の容量を変化させる。スイッチ1504、1505、1506は、一般的なアナログスイッチである。
ところで、前述のように、図7より、発振周波数をf1からΔf1だけ上昇させf0にすることができる容量値C1及び、発振周波数をf2からΔf2だけ下降させf0にすることができる容量値C2を求めることができた。よって、図6、図7より、発振振幅Vと周波数の調整に必要な容量の設定値Cの関係を求めることができる。図17は、図6、図7より求めた、発振振幅Vと、容量値Cの関係を示すグラフである。
そこで、温度補償部103は、図17に基づき、振幅情報信号106が示す発振振幅の値に従ってスイッチ制御信号1507を制御し、可変容量素子1508の容量を変化させる。可変容量素子1508の容量は、発振振幅に従い、スイッチ1504、1505、1506の開閉状態により段階的に変化する。そのため、発振部101の発振周波数を段階的に変化させ、発振周波数を調整することができる。
なお、発振周波数の広い範囲において微調整をするためには、固定容量1501、1502、1503の値に大小を設ければよい。例えば、固定容量1501の容量をC’とし、固定容量1502の容量を2C’、固定容量1503の容量を4C’とすれば、発振周波数変更部104の容量は、C’から7C’まで、C’単位で変化させることができる。そして、すべての温度において許容することができる周波数偏差と同じ周波数だけ変化させることができるような容量をC’として選択すれば、発振周波数は容易に許容範囲内に調整することができる。本実施例では、固定容量の個数は3個としているが、さらに個数を増加させてもよい。
発振周波数の調整に必要な時間は、スイッチ制御信号1507の変化に対するスイッチ1504、1505、1506の応答遅れ分のみである。従って、周波数調整の応答性が極めて高い温度補償型水晶発振器を実現することができる。
また、スイッチ1504、1505、1506の開閉制御するスイッチ制御信号1507はデジタル信号である。従って、アナログ電圧を発生させる必要がないため、発振周波数変更部104の消費電流を低減させることができ、ノイズにも強い温度補償制御が可能である。
図16の温度補償型水晶発振器の発振周波数変更部104では、複数の固定容量1601、1602、1603を直列に接続した可変容量素子1608を用いている。図16の温度補償型水晶発振器でも、図15の場合と同様に、固定容量1601、1602、1603に接続したスイッチ1604、1605、1606をスイッチ制御信号1607により開閉することにより、可変容量素子1608の容量を変化させる。可変容量素子の容量は、スイッチの開閉状態により段階的に変化するので、発振周波数も段階的に変化する。例えば、固定容量1601、1602、1603の容量をC’とすると、可変容量素子1608の容量は、C’、C’/2、C’/3と変化させることができる。
図16の温度補償型水晶発振器と図15の温度補償型水晶発振器とでは、可変容量素子の容量の変化幅が異なるので、必要に応じていずれかの方式を用いればよい。あるいは、並列接続の固定容量素子と直列接続の固定容量素子を組み合わせてもよい。
(実施例4の効果)
以上のように、第4の実施例の温度補償型水晶発振器では、複数の固定容量を並列又は直列に接続し、スイッチを用いて各固定容量を切断、短絡することにより、可変容量素子を実現している。そのため、デジタル制御が可能であり、温度補償を行なうための消費電力を低減し、また発振周波数のノイズによる影響を抑制することができる。また、スイッチの開閉により発振周波数を制御するので、応答性が高い温度補償型水晶発振器を実現することができる。
さらに、複数の固定容量の値を適切に定めることにより、広範囲の発振周波数の調整が可能で、かつ微調節も可能な温度補償型水晶発振器を実現することができる。
最良の実施の形態及び実施例は、各々他の実施例と組み合わせることができる。第2の実施例の温度補償型水晶発振器では、可変容量素子は可変容量ダイオード406で構成されている。第4の実施例の発振周波数変更部104は、可変容量素子1508で構成されている。図18は、第2の実施例と第4の実施例を組み合わせた、第5の実施例の温度補償型水晶発振器の例のブロック図である。
可変容量ダイオード406には、無段階に容量を変化させることができるという特徴がある。また、可変容量素子1508には、段階的に容量を変化させることが可能で、さらにその段階を所望の容量値に設定できるという特徴がある。
そのため、例えば、可変容量ダイオード406の容量の可変範囲が限られていて、可変容量ダイオード406のみでは狭い範囲でしか温度補償できない場合に効果を奏する。すなわち、可変容量素子1508で段階的な荒い調整を行い、その上で微調整を可変容量ダイオード406を用いて行えばよい。
(実施例5の効果)
以上のように、実施例5の温度補償型水晶発振器は、可変容量素子を、可変容量ダイオードと複数の固定容量素子で構成した複合可変容量で構成している。そのため、広範囲の周波数偏差を温度補償することが可能で、さらに微調節も可能であるという効果がある。
最良の実施の形態及び第1乃至第5の実施例では、温度補償型の水晶発振器を用いて説明した。しかし、本発明の用途は、発振器の方式には特には限定されない。例えば、水晶発振器と同様の構成で、水晶振動子の代わりにセラミック発振子を用いた、いわゆる「セラミック発振器」にも本発明を適用することができる。温度補償を行う方法は、水晶発振器の場合と同じなので、説明は省略する。
また、発振中の水晶振動子は、等価的に、インダクタンスと負性抵抗が直列に接続された素子とみなすことができる。このことは、セラミック発振子についても同じである。そして、発振回路全体では、等価的にLC発振器として発振動作を行っている。従って、本発明は、水晶発振器やセラミック発振器以外に、インダクタンス及びコンデンサを用いた通常のLC発振器にも使用することができる。さらに近年では、水晶振動子に代わり、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で共振器を形成し、発振器に用いたMEMS発振器も登場している。本発明は、MEMS発振器にも適用することができる。
さらに、CR発振器についても、コンデンサの容量を制御することで温度依存性を低減することができるので、本発明を適用することができる。適用する方法は、CR発振器の発振周波数を決定しているコンデンサを可変容量素子に置き換え、その可変容量を本発明の方法で制御するのみでよい。あるいは、CR発振器のコンデンサに並列又は直列に、可変容量素子を接続してもよい。
そして、温度補償型水晶発振器に周波数の電圧制御機能を付加した温度補償電圧制御型水晶発振器や、発振器を恒温槽に格納し発振器の温度変化そのものを抑制した恒温槽付水晶発振器にも適用可能である。
また、本発明の温度補償型発振器は、安定した周波数が必要な、通信機、計測器等、各種の電子機器に使用することができる。
(実施例6の効果)
以上のように、本発明の温度補償型発振器は、可変容量を備え、温度によりその可変容量の値を制御するので、容量を使用した各種の発振器に適用することができる。そのため、それらの発振器に対して、発振周波数の温度補償を行うことができる。
本発明の最良の実施の形態の温度補償型発振器のブロック図である。 本発明の最良の実施形態の温度補償型発振器の、発振周波数及び発振振幅の温度依存性を示すグラフである。 本発明の最良の実施形態の温度補償型発振器における、発振出力振幅と周波数補正量の関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 第1の実施例の温度補償型水晶発振器の、発振周波数及び発振振幅の温度依存性を示すグラフである。 第1の実施例の温度補償型水晶発振器の、発振振幅と発振周波数の補正量の関係の例を示すグラフである。 第1の実施例の温度補償型発振器における、可変容量ダイオードの容量値と発振周波数の関係を示すグラフである。 第1の実施例の温度補償型発振器における、発振周波数制御信号と可変容量ダイオードの容量値の関係を示すグラフである。 第1の実施例の温度補償型発振器における、発振振幅と周波数変更信号の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 水晶振動子に接続された抵抗の値と発振振幅の関係の一例を示すグラフである。 本発明の第3の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 本発明の第3の実施例の他の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 サーミスタの抵抗の温度特性の一例を示すグラフである。 本発明の第4の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 本発明の第4の実施例の他の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 第4の実施例の温度補償型水晶発振器の発振振幅と可変容量素子の値の関係を示すグラフである。 本発明の第5の実施例の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 水晶発振器の発振周波数の温度特性の一例を示すグラフである。 従来の温度補償型水晶発振器のブロック図である。 一般的なコルピッツ型の水晶発振器の、水晶振動子の外付け容量の値と発振周波数との関係の例を示すグラフである。 従来の温度補償型水晶発振器及び水晶振動子の温度変化、並びに周波数偏差の変化を示すグラフである。
符号の説明
101 発振部
102 振幅測定部
103 温度補償部
104 発振周波数変更部
401 水晶振動子
402 インバータ
403 帰還抵抗
404、405、407 コンデンサ
406 可変容量ダイオード
1001 温度補償制御部
1002 補償電圧記憶部
1003 電圧発生部
1201 サーミスタ
1501、1502、1503、1601、1602、1603 固定容量
1504、1505、1506、1604、1605、1606 スイッチ
1507、1607 スイッチ制御信号
1901 温度特性
1902 補償特性
1903 補償後特性
2001 温度センサ
2201、2202 温度変化

Claims (9)

  1. 発振周波数及び出力信号の振幅が温度に依存して変化する水晶振動子を備え、所定の発振周波数制御信号を用いて前記発振周波数の変更が可能な発振器の発振周波数制御方法であって、
    前記振幅を測定する工程、
    前記振幅に基づき前記発振周波数制御信号を制御し、前記発振周波数を変更する工程を備え、
    前記発振器は、サーミスタを備えることにより、前記水晶振動子の温度変化による振幅の変動に前記サーミスタの温度変化による振幅の変動が加算され、前記振幅が温度に依存して変化する量を増加させていることを特徴とする発振周波数制御方法。
  2. 予め記憶された、前記振幅と前記周波数制御信号との対応情報に基づき前記発振周波数制御信号を制御する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の発振周波数制御方法。
  3. 前記発振周波数制御信号を用いて前記発振器が備える可変容量素子の静電容量を制御し、前記発振周波数を変更する工程を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の発振周波数制御方法。
  4. 接続される固定静電容量の個数を変更することにより前記静電容量の変更が可能な前記可変容量素子に対して、前記発振周波数制御信号を用いて前記個数を変更する工程を備えることを特徴とする請求項3記載の発振周波数制御方法。
  5. 発振周波数及び出力信号の振幅が温度に依存して変化する水晶振動子を備え、所定の発振周波数制御信号を用いて前記発振周波数の変更が可能な発振器であって、
    前記振幅を測定する振幅測定部と、
    前記振幅に基づき前記発振周波数制御信号を制御し、前記発振周波数を変更する温度補償部をさらに備え、
    前記発振器は、サーミスタを備えることにより、前記水晶振動子の温度変化による振幅の変動に前記サーミスタの温度変化による振幅の変動が加算され、前記振幅が温度に依存して変化する量を増加させていることを特徴とする発振器。
  6. 前記温度補償部は、前記振幅と前記周波数制御信号との対応情報を記憶し、前記対応情報に基づき前記発振周波数制御信号を制御することを特徴とする請求項5記載の発振器。
  7. 前記発振器は可変容量素子を備え、
    前記温度補償部は、前記発振周波数制御信号を用いて前記可変容量素子の静電容量を制御し、前記発振周波数を変更することを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の発振器。
  8. 前記可変容量素子は、接続される固定静電容量の個数を変更することにより前記静電容量の変更が可能であって、
    前記温度補償部は、前記発振周波数制御信号を用いて前記個数を変更することを特徴とする請求項7記載の発振器。
  9. 請求項5乃至8のいずれかに記載の発振器を備えることを特徴とする電子機器。
JP2007156926A 2007-06-14 2007-06-14 発振周波数制御方法及び発振器 Expired - Fee Related JP5205827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007156926A JP5205827B2 (ja) 2007-06-14 2007-06-14 発振周波数制御方法及び発振器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007156926A JP5205827B2 (ja) 2007-06-14 2007-06-14 発振周波数制御方法及び発振器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008311884A JP2008311884A (ja) 2008-12-25
JP5205827B2 true JP5205827B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=40239098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007156926A Expired - Fee Related JP5205827B2 (ja) 2007-06-14 2007-06-14 発振周波数制御方法及び発振器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5205827B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011155489A (ja) 2010-01-27 2011-08-11 Toshiba Corp 半導体集積回路装置および発振周波数較正方法
CN102439844B (zh) * 2010-08-06 2015-02-11 松下电器产业株式会社 振荡器
CN102739154B (zh) * 2011-04-06 2015-09-23 上海炬力集成电路设计有限公司 片上系统中的温度系数校正方法及片上系统
KR20140089774A (ko) 2013-01-07 2014-07-16 삼성전자주식회사 주파수 보상 장치 및 방법
JP6358053B2 (ja) * 2014-11-17 2018-07-18 株式会社大真空 発振器および該発振器の発振周波数調整方法
JP6467890B2 (ja) * 2014-11-28 2019-02-13 株式会社大真空 発振器
CN110572134B (zh) * 2019-09-12 2022-11-01 展讯通信(深圳)有限公司 振荡装置及电子设备

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0590954A (ja) * 1991-09-27 1993-04-09 Citizen Watch Co Ltd 温度補償型発振器
JP2626432B2 (ja) * 1992-12-07 1997-07-02 日本電気株式会社 発振回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008311884A (ja) 2008-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5205827B2 (ja) 発振周波数制御方法及び発振器
EP2157690B1 (en) Method, system and apparatus for accurate and stable LC-based reference oscillators
JP4670406B2 (ja) 温度補償型圧電発振器
JP2010130141A (ja) 電圧制御型温度補償圧電発振器
JP6587560B2 (ja) 恒温槽付水晶発振器
US9013244B2 (en) Oscillating device, oscillating element and electronic apparatus
US7583154B1 (en) Voltage controlled oscillator
JP2015528664A (ja) 高度に安定なlc発振器におけるlcタンク温度ヌルを制御する方法及び装置
US9231520B2 (en) Wien-bridge oscillator and circuit arrangement for regulating a detuning
JP6377192B2 (ja) 温度補償型水晶発振器
WO2015133472A1 (ja) 水晶発振器及び水晶発振器の製造方法
JP2008258710A (ja) 温度補償型圧電発振器およびその温度補償方法
CN112684824B (zh) 温度控制电路、振荡控制电路以及温度控制方法
JP5977197B2 (ja) 温度制御回路、恒温槽型圧電発振器、および温度制御方法
JP2013017074A (ja) 温度補償発振器および電子機器
JP5311545B2 (ja) 発振器
JP2002135051A (ja) 圧電発振器
JP2015056728A (ja) 発振器
RU2726170C1 (ru) Генератор с динамическим разогревом термостата ПАВ-резонатора
RU2300739C2 (ru) Способ компенсации аддитивной температурной погрешности датчика с вибрирующим элементом
JP2005347929A (ja) 温度補償水晶発振器およびその調整方法
JP6046993B2 (ja) 発振器
JP2017073728A (ja) 水晶発振器
JP2023103894A (ja) 発振回路および発振回路の温度補償方法
RU2333500C1 (ru) Способ компенсации температурной погрешности датчика с вибрирующим элементом

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20090513

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100513

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20110705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120710

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121203

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees