JP5977197B2 - 温度制御回路、恒温槽型圧電発振器、および温度制御方法 - Google Patents

温度制御回路、恒温槽型圧電発振器、および温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度制御回路、恒温槽型圧電発振器、温度制御方法に関する。
携帯電話の基地局や伝送装置および測定器等の基準クロック源に用いられる水晶発振器では、周囲の温度変化に対して高い周波数安定度(周波数精度)が要求されている。
水晶発振器に用いられている水晶振動子(圧電振動子)は温度特性を有し、温度に対して出力周波数が変化してしまうため、その温度特性をキャンセルするような制御を行う必要がある。
この水晶振動子の温度特性をキャンセルするようにした発振器として、一般的に電圧制御水晶発振器(VCXO:Voltage Controlled X’TAL Oscillator)や、水晶振動子の温度特性を補正するための温度補償回路を有した温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated X’TAL Oscillator)、さらに、水晶振動子等の電子部品を一定温度に保たれた恒温槽内に収納した恒温槽型水晶発振器(OCXO:Oven Controlled X’TAL Oscillator)が知られている。
温度補償型水晶発振器では0.5ppm程度の高い周波数安定度が得られ、恒温槽型水晶発振器では0.5〜100ppbといった極めて高い周波数安定度が得られる。
また、温度補償型水晶発振器においては、半導体集積回路を用いることで水晶振動子以外の外付け部品は必要なく、出力周波数は半導体集積回路内の調整回路により簡単に調整可能となっている。
一方、恒温槽型水晶発振器においては温度検出回路として用いているサーミスタや、ヒータとして用いている抵抗などの外付け部品を有し(例えば特許文献1参照)、出力周波数や温度制御は外付け部品を用いて調整している(例えば特許文献2参照)。
特開2012−134910号公報 特開2012−257195号公報
従来の恒温槽型水晶発振器では、出力周波数や温度制御の調整は水晶の温度特性だけではなく、サーミスタやヒータなどの外付け部品を実装する配置や、これら外付け部品のバラツキや温度特性にも依存するため、出力周波数や温度制御の調整は、それらを考慮して個別に調整する必要がある。そのため、調整が複雑であり、調整に時間がかかるという問題があった。
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであり、出力周波数や温度制御の調整に関しては半導体集積回路を用いて、電気的に調整することによって、出力周波数や温度制御の調整を容易に行うことが可能な温度制御回路、恒温槽型圧電発振器、温度制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、温度変化により特性が変動する感温素子(例えば図1に示す、振動子SS)がパッケージ内に実装されたモジュールの温度制御回路であって、前記パッケージ内に実装された発熱回路(例えば図1に示す、発熱回路H)と、前記パッケージ内温度を検出するn個(n≧1 nは整数)の温度検出回路(例えば図1に示す、温度検出回路TS)と、前記温度検出回路の1つ以上の出力および前記パッケージ内の熱伝導特性に基づき前記発熱回路の発熱量を制御して前記感温素子の温度を調整する制御回路(例えば図1に示す、制御回路CC)と、を備え、前記制御回路は、前記発熱回路の消費電力を検出する消費電力検出回路(例えば図3に示す、消費電力検出回路PDC)を有し、前記消費電力と前記熱伝導特性とに基づき前記発熱量を制御することを特徴とする温度制御回路、である。
本発明の一態様は、温度変化により特性が変動する感温素子(例えば図1に示す、振動子SS)がパッケージ内に実装されたモジュールの温度制御回路であって、前記パッケージ内に実装された発熱回路(例えば図1に示す、発熱回路H)と、前記パッケージ内温度を検出するn個(n≧1 nは整数)の温度検出回路(例えば図1に示す、温度検出回路TS)と、前記温度検出回路の1つ以上の出力および前記パッケージ内の熱伝導特性に基づき前記発熱回路の発熱量を制御して前記感温素子の温度を調整する制御回路(例えば図1に示す、制御回路CC)と、を備え、前記温度検出回路を複数有し、前記制御回路は、前記温度検出回路の複数の検出信号の差分値を検出する温度差分検出回路(例えば図4に示す、温度差分検出回路TDIF)を備え、前記差分値と前記熱伝導特性とに基づき前記発熱量を制御することを特徴とする温度制御回路、である。
少なくとも1つの前記温度検出回路は、前記パッケージ内の前記発熱回路の近傍に配置されるものであってよい。
前記温度検出回路を複数有し、前記温度検出回路は、前記パッケージ内の前記発熱回路の近傍と前記パッケージ内の前記発熱回路から離れた位置とに配置されるものであってよい。
前記感温素子は振動子、発振子、および圧電素子のいずれかであって、前記感温素子を発振させる発振回路(例えば図1に示す、発振回路OSC)と、前記発振回路の発振周波数を出力する発振信号出力回路(例えば図1に示す、発振信号出力回路FO)と、を備えていてよい。
本発明の他の態様は、上記態様のうちのいずれかに記載の温度制御回路(例えば図1に示す、半導体集積回路IC)と、感温素子(例えば図1に示す、振動子SS)と、を含むことを特徴とする恒温槽型圧電発振器、である。
本発明の他の態様は、温度変化により特性が変動する感温素子と発熱回路と温度検出回路とがパッケージ内に実装されたモジュールにおいて、前記感温素子の温度を調整する温度制御方法であって、前記パッケージ内の熱伝導特性を取得するステップと、前記発熱回路の消費電力を検出するステップと、検出した消費電力と前記熱伝導特性とに基づき、前記温度検出回路の温度検出値に基づくパッケージ内温度と前記感温素子周囲の温度との温度差を算出するステップと、算出した前記温度差に基づき、前記感温素子の温度を調整するための、前記パッケージ内温度の目標温度を算出するステップと、前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも低い場合には前記発熱回路での消費電力を増加させ、前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも高い場合には前記発熱回路での消費電力を減少させるステップと、を備えることを特徴とする温度制御方法、である。
本発明の他の態様は、温度変化により特性が変動する感温素子と発熱回路と複数の温度検出回路とがパッケージ内に実装されたモジュールにおいて、前記感温素子の温度を調整する温度制御方法であって、前記パッケージ内の熱伝導特性を取得するステップと、前記複数の温度検出回路による温度検出値と前記熱伝導特性とに基づき、前記パッケージ周囲の環境温度を算出するステップと、前記環境温度からパッケージ内温度と前記感温素子周囲の温度差を算出するステップと、算出した前記温度差に基づき、前記感温素子の温度を調整するための、前記パッケージ内温度の目標温度を算出するステップと、前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも低い場合には前記発熱回路での消費電力を増加させ、前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも高い場合には前記発熱回路での消費電力を減少させるステップと、を備えることを特徴とする温度制御方法、である。
本発明の一態様によれば、出力周波数や温度制御に関しては電気的に調整することによって容易に行うことが可能なので、出力周波数や温度制御用の外付け部品が不要となり小型化を図ることができる。
本発明における恒温槽型圧電発振器の一例を示す概略構成図である。 本発明における制御回路の一例を示す概略構成図である。 本発明における消費電力検出回路を用いた調整回路の一例を示す概略構成図である。 本発明における温度差分検出回路を調整回路の一例を示す概略構成図である。 パッケージ、振動子、半導体集積回路で構成されるモジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示すモデル図(図5(a))および熱回路図(図5(b))である。 本発明における消費電力検出回路を用いて温度制御する半導体集積回路の一例を示す回路図である。 本発明における温度検出回路を2個とした場合のモジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示すモデル図(図7(a))および熱回路図(図7(b))である。 本発明における温度検出回路を2個以上とした場合のモジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示すモデル図(図8(a))および熱回路図(図8(b))である。 本発明における温度差分検出回路を用いて温度制御する半導体集積回路の一例を示す回路図である。 本発明における消費電力検出回路を用いて温度制御する温度制御調整シーケンスの一例を示すフローチャート図である。 本発明における温度差分検出回路を用いて温度制御する温度制御調整シーケンスの一例を示すフローチャート図である。 本発明における発振回路の一例を示す回路図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した恒温槽型圧電発振器1の一例を示すブロック図である。
図1における恒温槽型圧電発振器1は、同一パッケージPKG内に、半導体集積回路ICと、温度に対して周波数が変動する振動子SSと、を備える。半導体集積回路ICには発熱回路Hと、少なくとも1個以上の温度検出回路TSと、発熱回路Hの発熱量を制御する制御回路CCと、振動子SSを発振させるための発振回路OSCと、発振回路OSCからの信号を受けて所望の波形および振幅レベルを出力する発振信号出力回路FOと、を備える。なお、発振回路OSCは、内部および外部信号によって、当該発振回路OSCの発振器等価容量CLを変えることで出力周波数を調整する機能を有していてもよい。
制御回路CCは、温度検出回路TSが検出した温度データと、パッケージPKGと振動子SSと半導体集積回路ICのそれぞれと温度検出回路TSとの間の熱伝導特性と、に基づいて発熱回路Hの発熱量を制御する。
図2は、図1中の制御回路CCの一例を示すブロック図である。
制御回路CCは、図2に示すように、同一パッケージPKG内の半導体集積回路ICと振動子SSとの配置位置間の距離における熱伝導特性を反映して制御信号を調整する調整回路ACと、調整回路ACの出力に基づいて発熱回路Hへの制御信号を出力する制御信号出力回路CCOと、を備える。
図3は、調整回路ACの一例を示すブロック図であって、消費電力検出回路を用いた調整回路である。
図3に示すように、調整回路ACは、半導体集積回路ICの発熱回路Hにおける消費電力を検出する消費電力検出回路PDCと、消費電力検出回路PDCの出力に基づいて、制御信号出力回路CCOへの調整信号を出力する調整信号出力回路ACOと、を備える。
図4は、調整回路ACの他の例を示すブロック図であって、温度差分検出回路TDIFを用いた調整回路である。
つまり、図3に示す調整回路ACは、消費電力検出回路PDCを備え、消費電力検出回路PDCの出力信号に基づいて調整信号を生成するようにしているが、図4に示す調整回路ACは、消費電力検出回路PDCに代えて温度差分検出回路TDIFを設け、温度差分検出回路TDIFの出力に基づいて、制御信号出力回路CCOへの調整信号を生成するものである。
図4に示すように、調整回路ACは、温度差分検出回路TDIFと、温度差分検出回路TDIFの出力に基づいて制御信号出力回路CCOへの調整信号を出力する調整信号出力回路ACOと、を備える。温度差分検出回路TDIFは、半導体集積回路ICの発熱回路Hにおける発熱による半導体集積回路IC内部の温度勾配を、少なくとも2個以上の温度検出回路TSの出力電圧を基に温度差分を検出することによって取得する。
図5は、パッケージPKG、振動子SS、および半導体集積回路ICで構成され、図3に示す消費電力検出回路PDCを備えた調整回路ACを用いて、発振回路Hを制御するようにしたモジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示したものであり、図5(a)はモデル図、図5(b)は熱回路図である。
図5(a)に示すように、半導体集積回路ICとパッケージPKGの外部との間には熱抵抗θjaがある。また、半導体集積回路ICと振動子SSとの間には熱抵抗θjxがあり、振動子SSとパッケージPKGの外部との間には熱抵抗θxaが存在する。
また、図5(b)に示す半導体集積回路ICの発熱回路Hでの消費電力PWと、熱抵抗θja、θjx、θxaと、によってパッケージPKG内の半導体集積回路ICおよび振動子SSは、環境温度(パッケージPKGの外部の温度)Taよりも温度が上昇する。ここでは、半導体集積回路ICの温度をIC温度Tjとし、振動子SSの温度を振動子温度Txとする。
ここで、図5(b)より、IC温度Tjと振動子温度Txと環境温度Taとの間には、熱抵抗θja、θjx、θxaおよび消費電力PWを用いて次式(1)および(2)に示す関係式が成り立つ。
Figure 0005977197
(1)式および(2)式より環境温度Taを消去してIC温度Tjについて解くと、IC温度Tjは次式(3)で表すことができる。
Figure 0005977197
ここで、(3)式より、半導体集積回路ICのIC温度Tjと振動子SSの温度Txとは、熱抵抗θja、θjx、θxaおよび半導体集積回路ICの発熱回路Hの消費電力PWで表される温度差が生じることがわかる。
さらに(3)式の関係より、半導体集積回路IC内の温度を検出する温度検出回路TSで検出されたIC温度Tj、熱抵抗θja、θjx、θxa、および消費電力PWを実際の値に反映させ、上記の温度差、すなわちIC温度Tjと振動子SSの温度Txとの温度差(PW×(θja×θjx)/(θja+θjx+θxa))をオフセット量とし、このオフセット量だけ温度が変化するように半導体集積回路IC内で調整することで、振動子SSの温度Txを一定に保つことが可能となることがわかる。
また、(3)式において振動子SSの温度Txは定数として扱ってよく、温度検出回路TS等で振動子SSの温度Txを取得する必要はない。
なお、熱抵抗θja、θjx、θxaは、パッケージの構造やパッケージ内部の半導体集積回路ICおよび振動子SSの配置より熱伝導率を基に計算から取得してもよい。また、発熱回路Hでの発熱量として2つ以上の発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量それぞれについて、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICのIC温度Tj(温度検出回路TSで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図5(b)の熱回路図に基づいて計算から取得してもよい。
図6は、図3に示す消費電力検出回路PDCを含む調整回路ACにより、発熱回路Hを制御するようにした半導体集積回路ICの一例を示す回路図である。
図6において、発熱回路Hは、電源VDDおよびVSS接地間に、直列に接続されたPMOS素子(P型MOSFET)HPおよび抵抗素子HRを含んで構成される。
また、調整回路ACは、PMOS素子(P型MOSFET)PDCPによって発熱回路Hでの消費電流をカレントミラーによって検出することで消費電力PW相当の情報を得ることが可能な消費電力検出回路PDCと、電源電圧と熱抵抗θja、θjx、θxaとの関係を可変抵抗素子RACで調整することで温度差のオフセット量を補正する調整信号出力回路ACOと、を備える。調整信号出力回路ACOは、具体的には、可変抵抗素子RACを、電源電圧とPMOS素子HPおよびPMOS素子PDCPのカレントミラー比と熱抵抗の関係(θja×θjx)/(θja+θjx+θxa)の積に基づいて調整することにより、オフセット量を補正する。また前記可変抵抗素子RACの調整は半導体集積回路ICの記憶回路によって、モジュールに組立てた後でも、基盤に実装した後でも調整可能である。
この調整信号出力回路ACOはオペアンプOPAを有し、オペアンプOPAの「+入力」に振動子SSの設定温度相当のTx設定信号TxCTRLを入力し、「−入力」に消費電力検出回路PDCの出力信号を入力することで振動子SSを加熱するために必要な半導体集積回路ICの発熱量相当の信号が、調整回路ACからの調整信号として出力される。
この調整回路ACから出力される調整信号と温度検出回路TSの温度データとが等しくなるように、制御回路CCにて発熱回路Hを制御することで、振動子SSの温度を設定温度で一定に保つことが可能となる。つまり、図6に示すように、制御信号出力回路CCOに含まれるオペアンプOPCの「+入力」にオペアンプOPAの出力信号を入力し、オペアンプOPCの「−入力」にn個の温度検出回路TSの検出信号を入力し、オペアンプOPCの出力信号を、消費電力検出回路PDCのPMOS素子PDCPおよび発振回路HのPMOS素子HPのゲートに入力する。
なお、温度検出回路TSの検出信号としては、n個の温度検出回路TSの検出信号のうちの少なくとも1つの信号を用いれば良いが、複数の検出信号の平均値の演算結果や、複数の検出信号のうちのいずれかを代表値として選択した結果を温度検出回路の信号としても良い。
ここで、図6では、図3に示す消費電力検出回路PDCを含む調整回路ACにより、発熱回路Hを制御するようにした半導体集積回路ICの一例を示したが、図6に示す構成に限らず、以下のような別の構成も適用することができる。
すなわち、発熱回路HはPMOS素子HPの代わりにPNP素子を用いてもよい。
またオペアンプOPCの極性を変え、図6において電源VDDとVSSとを上下入れ換え、PMOS素子HPの代わりにNMOS素子やNPN素子を用いてもよい。
また、発熱回路Hにおいて、PMOS素子HPにより十分に発熱が可能であるならば抵抗素子HRを設けなくてもよい。
また、制御回路CCをアナログ回路で構成した場合について説明したが、デジタル回路で構成しても良い。
以上は、消費電力検出回路PDCを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御する場合の説明である。
次に、図4に示す、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御する場合について説明する。
図7は、パッケージPKG、振動子SS、半導体集積回路ICを備え、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御するようにしたモジュールにおいて、温度検出回路TSを2個備えた場合の、モジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示したものであって、図7(a)は熱的な結合を示すモデル図、図7(b)は熱回路図である。
図7(a)において、半導体集積回路IC内には発熱回路Hの近傍に配置された温度検出回路TS1と、発熱回路Hから離れた箇所に配置される温度検出回路TS2と、が内蔵されている。
図7(a)に示すように、半導体集積回路ICとパッケージPKGの外部との間には、熱抵抗θja1およびθja2があり、発熱回路H(温度検出回路TS1)と温度検出回路TS2との間には熱抵抗θicがあり、半導体集積回路ICと振動子SSとの間には熱抵抗θjxがあり、振動子SSとパッケージPKGの外部と間には熱抵抗θxaが存在する。
ここで半導体集積回路IC内において、熱抵抗θicの影響で発熱回路Hからの距離に応じた熱勾配が生じるため、温度検出回路TS1の配置位置における温度Tj1は温度検出回路TS2の配置位置における温度Tj2に比べて温度が高くなる。
図7(b)より、温度検出回路TS1、TS2により検出されるIC温度Tj1、Tj2と振動子温度Txと環境温度Taとの間には、熱抵抗θja1、θja2、θic、θjx、θxaおよび消費電力PWを用いて、次式(4)〜(6)に示す関係式が成り立つ。
Figure 0005977197
(5)式および(6)式より、環境温度Taを消去すると次式(7)に示す関係式が成り立つ。
Figure 0005977197
関係式(7)より、半導体集積回路ICの温度Tj1、Tj2と熱抵抗θja2、θicとの関係から環境温度Taを算出し、熱抵抗θjx、θxaとの関係より半導体集積回路ICと振動子SS間の温度差を算出して、上記の温度差を半導体集積回路IC内で補正するように半導体集積回路ICの温度Tj1を制御することで振動子SSの温度Txを一定に保つことが可能となることがわかる。
また、(7)式において振動子SSの温度Txは定数として扱ってよく、温度検出回路TS等で振動子SSの温度Txを取得する必要はない。
なお、熱抵抗θja1、θja2、θic、θjx、θxaは、パッケージの構造やパッケージ内部の半導体集積回路ICおよび振動子SSの配置より熱伝導率を基に計算から取得してもよい。また、発熱回路Hでの発熱量として2つ以上の発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量それぞれについて、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj1(温度検出回路TS1で検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj2(温度検出回路TS2で検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図7(b)の熱回路図に基づいた計算から取得してもよい。
また、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いた場合は(5)式〜(7)式からもわかるように熱抵抗θja1には無関係の関係式が成り立つため、熱抵抗θja2、θic、θjx、θxaにおいて、例えば、熱抵抗の比θja2/θic、θjx/θxaを取得しても良い。そのために発熱回路Hでの発熱量として1つの発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量について、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj1(温度検出回路TS1で検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj2(温度検出回路TS2で検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図7(b)の熱回路図に基づいた計算から取得してもよい。
次に、パッケージPKG、振動子SS、および半導体集積回路ICを備え、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御するようにしたモジュールにおいて、温度検出回路TSを2個以上とした場合について説明する。
図8は、パッケージPKG、振動子SS、および半導体集積回路ICを備え、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御するようにしたモジュールにおいて、温度検出回路TSを2個以上備えるモジュール内における熱抵抗を用いた熱的な結合を示したものであって、図8(a)はモデル図、図8(b)は熱回路図である。
図8において、半導体集積回路IC内には、発熱回路Hの近傍に配置された発熱回路H近傍の温度を検出するm個の温度検出回路TS1と発熱回路Hから離れた箇所に配置される発熱回路Hから離れた箇所の温度を検出するn個の温度検出回路TS2と、が内蔵されている。半導体集積回路ICとパッケージPKGの外部との間には、熱抵抗θja1およびθja21〜θja2nがあり、発熱回路H(温度検出回路TS1)と温度検出回路TS2との間には熱抵抗θic21〜θic2nがあり、半導体集積回路ICと振動子SSとの間には熱抵抗θjxがあり、振動子SSとパッケージPKGの外側との間には熱抵抗θxaが存在する。
ここで半導体集積回路IC内では、熱抵抗θic21〜θic2nの影響で発熱回路Hからの距離に応じた熱勾配が生じるため、温度検出回路TS11〜TS1mの配置位置における発熱回路H近傍のIC温度Tj11〜Tj1mは温度検出回路TS21〜TS2nの配置位置における、発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj21〜Tj2nに比べて温度が高くなる。
図8(b)よりIC温度Tj11〜Tj1m、Tj21〜Tj2nと振動子温度Txと環境温度Taの間には、熱抵抗θja1、θja21〜θja2n、θic21〜θic2n、θjx、θxaを用いて以下のような関係式(8)〜(10)が成り立つ。すなわち、基本的には前記(5)式および(6)式のような関係式が成り立つ。
計算の仕方としてはいろいろな手段がある。例えば、複数の温度検出回路で検出された複数の値の平均値を取得、あるいは複数の値のどれか一つを選択するなどがある。また組み合わせ方もいろいろある。以下はm=1、n=2とした場合の例を示す。
Figure 0005977197
(9)および(10)式から、環境温度Taの計算結果の平均をとって(8)式に代入しても良いし、(9)および(10)の環境温度Taの計算結果のどちらかを選択して(8)式に代入しても良い。
もしくは(10)式は、環境温度Taに関して解いているが、発熱回路H近傍の温度Tj11に関して解いても良い。
Figure 0005977197
(8)、(9)式、および(9)、(10)式から、発熱回路H近傍の温度Tj11に関して計算して、その計算結果の平均もしくはどちらかを選択して制御回路の入力としても良い。
そして、例えば、(9)式から、温度検出回路TS11、TS21で検出されたIC温度Tj11、Tj21、熱抵抗θja21、θic21に基づき環境温度Taを算出する。
そして、算出した環境温度Taを用いて(8)式から、半導体集積回路ICと振動子SSとの間の温度差を算出して、この温度差を半導体集積回路IC内で補正するように半導体集積回路ICの温度Tj1を制御することで、振動子SSの温度Txを一定に保つことが可能となる。
また、(11)式において振動子SSの温度Txは定数として扱ってよく、温度検出回路TS等で振動子SSの温度Txを取得する必要はない。なお、熱抵抗θja1、θja21〜θja2n、θic21〜θic2n、θjx、θxaは、パッケージの構造やパッケージ内部の半導体集積回路ICおよび振動子SSの配置より熱伝導率を基に計算から取得しても良い。また、発熱回路Hでの発熱量として、2つ以上の発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量それぞれについて、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj11〜Tj1m(温度検出回路TS11〜TS1mで検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj21〜Tj2n(温度検出回路TS21〜TS2nで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図8(b)の熱回路図に基づいた計算から取得してもよい。
また、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いた場合は(8)式〜(11)式からもわかるように熱抵抗θja1には無関係の関係式が成り立つため、熱抵抗θja21〜θja2n、θic21〜θic2n、θjx、θxaにおいて、例えば、熱抵抗の比θja21/θic21〜θja2n/θic2n、θjx/θxaを取得しても良い。そのために発熱回路Hでの発熱量として、1つの発熱量を条件設定し、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj11〜Tj1m(温度検出回路TS11〜TS1mで検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj21〜Tj2n(温度検出回路TS21〜TS2nで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図8(b)の熱回路図に基づいた計算から取得してもよい。
図9は、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いて、発熱回路Hを制御する半導体集積回路ICの一例を示す回路図である。
図9において、発熱回路HはPMOS素子HPと抵抗素子HRとを含んで構成される。
また調整回路ACは、発熱回路Hの近傍に配置された少なくともm=1以上の温度検出回路TS1と、発熱回路Hから離れた箇所に配置される少なくともn=1以上の温度検出回路TS2と、の温度差を検出する温度差分検出回路TDIFを備え、さらに熱抵抗θjx、θxaの関係を可変抵抗素子Rjx、Rxaで調整する調整信号出力回路ACOを備える。
さらに、温度差分検出回路TDIFは、オペアンプOPTDIFを備え、オペアンプOPTDIFの「+入力(正転入力側)」には、発熱回路Hから離れた箇所に配置される少なくともn=1以上の温度検出回路TS2(少なくとも1つの信号で良いが、複数の信号の平均値の結果や、複数の信号からどれかを選択した結果を信号としても良い)の出力信号を入力し、「−入力(反転入力側)」に発熱回路Hの近傍に配置された少なくともm=1以上の温度検出回路TS1(少なくとも1つの信号で良いが、複数の信号の平均値の結果や、複数の信号からどれかを選択した結果を信号としても良い)の出力信号を入力する。また、オペアンプOPTDIFの「−入力(反転入力側)」と温度検出回路TS1との間には可変抵抗Ricが介挿され、オペアンプOPTDIFの「−入力(反転入力側)」と出力端との間に可変抵抗Rja2が介挿されている。
そして、オペアンプOPTDIFが温度差分検出回路TDIFの出力となる。なお、温度差分検出回路TDIFの出力は、少なくとも1つの信号で良いが、複数の信号の平均値の結果や、複数の信号からどれかを代表値として選択した結果を信号としても良い。
調整信号出力回路ACOは、オペアンプOPAを備え、オペアンプOPAの「+入力(正転入力側)」に振動子SSの設定温度相当のTx設定信号TxCTRLを入力し、「−入力(反転入力側)」に温度差分検出回路TDIFの出力信号を入力することで、振動子SSを加熱するために必要な半導体集積回路ICの発熱量相当の信号が調整回路ACから出力される。なお、オペアンプOPAの「−入力(反転入力側)」には、可変抵抗Rxaを介して温度差分検出回路TDIFの出力信号が入力される。また、オペアンプOPSの「−入力(反転入力側)」と出力端との間には、可変抵抗Rjxが入力される。
この調整回路ACの出力信号と温度検出回路TS1(少なくとも1つの信号で良いが、複数の信号の平均値の結果や、複数の信号からどれかを選択した結果を信号としても良い)の信号が等しくなるように制御信号出力回路CCOにて制御することで振動子SSの温度を設定温度で一定に保つことが可能となる。すなわち、制御信号出力回路CCOは、オペアンプOPCを備え、「+入力(正転入力側)」に調整回路ACの出力信号が入力され、「−入力(反転入力側)」に温度検出回路TS1の検出信号が入力される。そして、オペアンプOPCの出力が、制御回路CCからの制御信号として、発熱回路HのPMOS素子HPのゲートに入力される。
なお、前記可変抵抗Ric、Rja2、Rxa、Rjxは、図7に示す熱的な結合を示すモデル図における、熱抵抗θic、θja2、θxa、θjxに基づいて設定すればよい。また前記可変抵抗Ric、Rja2、Rxa、Rjxの調整は半導体集積回路ICの記憶回路によって、モジュールに組立後でも基盤に実装後にも調整可能である。
図9に示す、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを有する半導体集積回路ICにおいて、以下のような別の構成も考えることができる。
すなわち、発熱回路HはPMOS素子HPの代わりにPNP素子を用いてもよい。
またオペアンプOPCの極性を変え、電源VDDとVSSを上下入れ換え、PMOS素子HPの代わりにNMOS素子やNPN素子を用いてもよい。
またPMOS素子HPにより十分に発熱が可能であるならば抵抗HRを設けなくてもよい。
また制御回路CCを、アナログ回路で構成した場合について説明したが、デジタル回路で構成しても良い。
図10は、図3に示す、消費電力検出回路PDCを用いて発熱回路Hの温度制御を行う場合の、温度制御調整シーケンスの一例を示すフローチャート図である。
図10を参照しながら、消費電力検出回路PDCを用いて温度制御を行う際の手順について説明する。
まず、振動子SSの温度を一定に制御するために、パッケージPKGの外部−半導体集積回路IC間、半導体集積回路IC−振動子SS間、振動子SS−パッケージPKGの外部間の熱伝導特性を取得する(ステップS100)。つまり、図5に示す、半導体集積回路ICとパッケージPKGの外部との間の熱抵抗θja、半導体集積回路ICと振動子SSとの間の熱抵抗θjx、振動子SSとパッケージPKGの外部との間の熱抵抗θxaを取得する。
これら熱伝導特性としての熱抵抗θja、θjx、θxaは、パッケージの構造やパッケージ内部の半導体集積回路ICおよび振動子SSの配置より熱伝導率を基に計算から取得してもよい。また、発熱回路Hでの発熱量として、2つ以上の発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量それぞれについて、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICのIC温度Tj(温度検出回路TSで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図5(b)の熱回路図に基づいて計算により取得すればよい。
次いで、取得した熱伝導特性(つまり、熱抵抗θja、θjx、θxa)と振動子SSの設定温度のデータとを図3に示す、調整回路ACにて設定する(ステップS101)。具体的には、図6に示す、調整信号出力回路ACOの可変抵抗素子RACを電源電圧とPMOS素子HPとPMOS素子PDCPのカレントミラー比と熱抵抗の関係(θja×θjx)/(θja+θjx+θxa)の積に基づいて設定し、振動子SSの設定温度データを振動子SSの設定温度相当のTx設定信号TxCTRLに入力することにより、設定する。
そして、温度制御のシーケンスとしてまず、発熱回路Hにおける消費電力PWを検出する(ステップS102)。具体的には、この消費電力PWは、図6に示す、消費電力検出回路PDCのPMOS素子PDCPによって発熱回路HのPMOS素子HPでの消費電流をカレントミラーすることにより、消費電力相当の情報を消費電流のカレントミラーされた電流値として検出する。
そして、消費電力PWの検出結果に基づいて、半導体集積回路ICと振動子SS間の温度差を算出し(ステップS103)、その結果より振動子SSの温度を一定に保つための半導体集積回路ICのIC設定温度を算出する(ステップS104)。すなわち、例えば、(3)式から、振動子SSの温度を一定に保つためのIC設定温度を演算する。この演算は、例えば、図示しない演算装置、或いは、ユーザが、電流値として検出した消費電力PWと、(3)式の各パラメータとから演算し、IC設定温度(Tj)として設定すればよい。
そして、IC設定温度よりIC温度が低い場合には、ステップS105からステップS106に移行して、発熱回路Hでの消費電力を増加させる。これによって、発熱回路Hの発熱量を増加し(ステップS107)、その結果、振動子SSの温度が上昇して一定温度に近づく。
またIC設定温度よりIC温度が高い場合には、ステップS105からステップS108をへてステップS109に移行し、発熱回路Hでの消費電力を減少させる。これによって、発熱回路Hの発熱量が減少し(ステップS110)、その結果、振動子SSの温度が低下して一定温度に近づく。一方、IC設定温度よりIC温度が低くもなく、高くもない場合には、ステップS105からステップS108を経てステップS102に戻る。つまり、発熱回路Hの発熱量の調整は行わない。
以上の、ステップS102からステップS110の処理を、半導体集積回路ICの温度に応じて繰り返し行うことにより、半導体集積回路ICの温度はIC設定温度と等しくなる温度で安定する。
図11は、図3に示す、温度差分検出回路TDIFを用いて発熱回路Hの温度制御を行う場合の、温度制御調整シーケンスの一例を示すフローチャート図である。図11を参照しながら、温度差分検出回路TDIFを用いて温度制御を行う際の手順について説明する。
まず、振動子SSの温度を一定に温度制御するために、パッケージPKGの外部−半導体集積回路IC間、半導体集積回路IC−振動子SS間、振動子SS−パッケージPKGの外部間の熱伝導特性を取得する(ステップS200)。
この熱伝導特性は、例えば、パッケージの構造やパッケージ内部の半導体集積回路ICおよび振動子SSの配置より熱伝導率を基に計算から取得しても良い。また、発熱回路Hでの発熱量として、2つ以上の発熱量を条件設定し、条件設定した発熱量それぞれについて、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj11〜Tj1m(温度検出回路TS11〜TS1mで検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj21〜Tj2n(温度検出回路TS21〜TS2nで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図8(b)の熱回路図に基づいた計算から取得する。
また、温度差分検出回路TDIFを備えた調整回路ACを用いた場合は前述のように熱抵抗θja1には無関係の関係式が成り立つため、熱抵抗θja21〜θja2n、θic21〜θic2n、θjx、θxaにおいて、例えば、熱抵抗の比θja21/θic21〜θja2n/θic2n、θjx/θxaを取得しても良い。そのために発熱回路Hでの発熱量として、1つの発熱量を条件設定し、発熱回路Hでの発熱量が条件設定した発熱量であるときの、半導体集積回路ICの発熱回路H近傍のIC温度Tj11〜Tj1m(温度検出回路TS11〜TS1mで検出)および発熱回路Hから離れた箇所の温度Tj21〜Tj2n(温度検出回路TS21〜TS2nで検出)と振動子SSの温度Tx(振動子SSの温度特性より算出(例えばATカットされた水晶振動子は3次の温度特性を有し、その発振周波数より温度を算出することは可能))をそれぞれ取得し、取得した各種情報を用いて図8(b)の熱回路図に基づいた計算から取得する。
そして、取得した熱伝導特性と振動子SSの設定温度のデータを調整回路ACにおいて設定する(ステップS201)。具体的には、図9に示す、可変抵抗Ric、Rja2、Rxa、Rjxを、取得した熱抵抗θic、θja2、θxa、θjxに基づいて設定する。
温度制御のシーケンスとしてはまず、半導体集積回路IC内の少なくとも2箇所以上の温度検出回路TSの温度を検出する(ステップS202)。温度検出回路TSの温度の検出結果すなわち、半導体集積回路IC内部の温度から環境温度Taを算出する(ステップS203)。環境温度Taから半導体集積回路ICと振動子SSとの間の温度差を算出し(ステップS204)、算出した温度差から振動子SSの温度を一定に保つための半導体集積回路ICのIC設定温度を算出する(ステップS205)。
次にIC設定温度よりIC温度が低い場合には、ステップS206からステップS207に移行し、発熱回路Hの消費電力を増加させる。これによって、振動子SSの温度が上昇して一定温度に近づく(ステップS208)。
また、IC温度がIC設定温度よりも高い場合には、ステップS206からステップS209を経てステップS210に移行し、発熱回路Hの消費電力を減少させる。これによって、発熱回路Hの発熱量が減少し(ステップS211)、振動子SSの温度が低下して一定温度に近づく。
以上のステップS202からS211の状態を半導体集積回路ICの温度に応じて繰り返し行い、半導体集積回路ICの温度はIC設定温度と等しくなる温度で安定する。
また、振動子SSは、発熱回路Hの発熱量を制御回路CCによって調整することで、振動子SSの温度に対する出力周波数の変化が最小となる温度(例えばATカットやSCカットされた水晶振動子におけるゼロ温度係数(ZTC:Zero Temperature Coefficient)点となる温度)に調整される。
また、振動子SSの出力周波数の調整は、図12に示す発振回路OSCに内蔵された容量C1およびC2の容量値を電気的に調整することで所望の出力周波数に調整することができる。
図12に示す発振回路OSCは、例えば、振動子SSと並列に、抵抗Rfbと反転信号を出力する増幅器Aとが接続されてなり、さらに、並列に接続された振動子SS、抵抗Rfb、増幅器Aの両端のそれぞれと接地との間に、可変容量C1およびC2が接続されてなる。
なお、上記実施形態では、制御回路CCを構成する各回路および発熱回路H、発振回路OSC、発振信号出力回路FOを半導体集積回路IC内にワンチップで構成する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば複数の半導体集積回路で構成したり、外付けとしても良い。
また、感温素子は、振動子に限らず、発振子、および圧電素子であってもよい。
上述のように、本発明によれば、出力周波数や温度制御に関しては電気的に調整することによって容易に行うことが可能なので、出力周波数や温度制御用の外付け部品が不要となり小型化を図ることができる。
SS 振動子
IC 半導体集積回路
OSC 発振回路
FO 発振信号出力回路
H 発熱回路
TS、TS1、TS2、TS11〜TS1m、TS21〜TS2n 温度検出回路
CC 制御回路
CCO 制御信号出力回路
AC 調整回路
ACO 調整信号出力回路
PDC 消費電力検出回路
TDIF 温度差分検出回路
θjx 半導体集積回路−振動子間の熱抵抗
θxa 振動子−パッケージ間の熱抵抗
θja、θja1、θja2、θja21〜θja2n 半導体集積回路−パッケージ間の熱抵抗
θic、θic21〜θic2n 発熱回路−温度検出回路TS2間の熱抵抗
Ta 環境温度
Tx 振動子温度
Tj、Tj1、Tj11〜Tj1m 発熱回路近傍の温度
Tj2、Tj21〜Tj2n 発熱回路から離れた箇所の温度
OPC、OPA、OPTDIF オペアンプ
HP 発熱用P型MOSFET
HR 発熱用抵抗
TxCTRL 振動子温度設定
RAC、Ric、Rja2、Rxa、Rjx、Rfb 抵抗
C1、C2 容量
A 増幅器

Claims (8)

  1. 温度変化により特性が変動する感温素子がパッケージ内に実装されたモジュールの温度制御回路であって、
    前記パッケージ内に実装された発熱回路と、
    前記パッケージ内温度を検出するn個(n≧1 nは整数)の温度検出回路と、
    前記温度検出回路の1つ以上の出力および前記パッケージ内の熱伝導特性に基づき前記発熱回路の発熱量を制御して前記感温素子の温度を調整する制御回路と、
    を備え
    前記制御回路は、前記発熱回路の消費電力を検出する消費電力検出回路を有し、前記消費電力と前記熱伝導特性とに基づき前記発熱量を制御することを特徴とする温度制御回路。
  2. 温度変化により特性が変動する感温素子がパッケージ内に実装されたモジュールの温度制御回路であって、
    前記パッケージ内に実装された発熱回路と、
    前記パッケージ内温度を検出するn個(n≧1 nは整数)の温度検出回路と、
    前記温度検出回路の1つ以上の出力および前記パッケージ内の熱伝導特性に基づき前記発熱回路の発熱量を制御して前記感温素子の温度を調整する制御回路と、
    を備え
    前記温度検出回路を複数有し、
    前記制御回路は、前記温度検出回路の複数の検出信号の差分値を検出する温度差分検出回路を備え、前記差分値と前記熱伝導特性とに基づき前記発熱量を制御することを特徴とする温度制御回路。
  3. 少なくとも1つの前記温度検出回路は、前記パッケージ内の前記発熱回路の近傍に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度制御回路。
  4. 前記温度検出回路を複数有し、
    前記温度検出回路は、前記パッケージ内の前記発熱回路の近傍と前記パッケージ内の前記発熱回路から離れた位置とに配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温度制御回路。
  5. 前記感温素子は振動子、発振子、および圧電素子のいずれかであって、
    前記感温素子を発振させる発振回路と、
    前記発振回路の発振周波数を出力する発振信号出力回路と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御回路。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の温度制御回路と、感温素子と、を含むことを特徴とする恒温槽型圧電発振器。
  7. 温度変化により特性が変動する感温素子と発熱回路と温度検出回路とがパッケージ内に
    実装されたモジュールにおいて、前記感温素子の温度を調整する温度制御方法であって、
    前記パッケージ内の熱伝導特性を取得するステップと、
    前記発熱回路の消費電力を検出するステップと、
    検出した消費電力と前記熱伝導特性とに基づき、前記温度検出回路の温度検出値に基づくパッケージ内温度と前記感温素子周囲の温度との温度差を算出するステップと、
    算出した前記温度差に基づき、前記感温素子の温度を調整するための、前記パッケージ内温度の目標温度を算出するステップと、
    前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも低い場合には前記発熱回路での消費電力を増加させ、
    前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも高い場合には前記発熱回路での消費電力を減少させるステップと、
    を備えることを特徴とする温度制御方法。
  8. 温度変化により特性が変動する感温素子と発熱回路と複数の温度検出回路とがパッケージ内に実装されたモジュールにおいて、前記感温素子の温度を調整する温度制御方法であって、
    前記パッケージ内の熱伝導特性を取得するステップと、
    前記複数の温度検出回路による温度検出値と前記熱伝導特性とに基づき、前記パッケージ周囲の環境温度を算出するステップと、
    前記環境温度からパッケージ内温度と前記感温素子周囲の温度差を算出するステップと、
    算出した前記温度差に基づき、前記感温素子の温度を調整するための、前記パッケージ内温度の目標温度を算出するステップと、
    前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも低い場合には前記発熱回路での消費電力を増加させ、
    前記パッケージ内温度が前記目標温度よりも高い場合には前記発熱回路での消費電力を減少させるステップと、
    を備えることを特徴とする温度制御方法。
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