JP5205773B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
そして、このような発光装置を、薄型化及び小型化が要求される携帯電話やデジタルカメラなどのバックライト光源として適用できるように、例えば、下記特許文献1及び2に開示されるような薄型化及び小型化された線状光源装置が提案されている。
基板は、適当な機械的強度と絶縁性を有する材料であればどのような材料によって形成されていてもよい。例えば、BTレジン、ガラスエポキシ等のプラスチック、硝子、セラミック等からなる絶縁基板が挙げられる。通常、上面が平坦な略直方体形状を有している。絶縁基板上には、正電極及び負電極が所定の間隔をあけて形成されている。正電極及び負電極並びに導体配線は、Cuを主成分とする金属層とすることが好ましい。具体的には、Cu、NiおよびAgなどが積層された金属層が挙げられる。また、正電極及び負電極は、絶縁基板の裏面に形成された実装基板接続用の電極とスルーホール(図示せず)を介して接続されていることが好ましい。なお、基板は、単一層によって形成されていてもよいし、図1(b)に示すように、表面に導電膜によるパターンを備えた複数の層を接着剤等で貼り合せた積層基板を用いてもよい。
発光素子は、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる素子であればどのような半導体材料からなるものでもよい。例えば、基板上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体によって、活性層を含む積層構造が形成されたものが挙げられる。
発光層には、Si、Ge等のドナー不純物またはZn、Mg等のアクセプター不純物がドープされる場合もある。
特に、白色系の光を発光させるために、発光波長が400nm以上530nm以下に設定することが好ましく、420nm以上490nm以下に設定することがより好ましい。なお、蛍光体の種類を選択することにより、400nmより短い紫外域の波長の光を発光する発光素子を用いることもできる。
透光性部材は、少なくとも発光素子を被覆し、蛍光体を含む第1層と、この第1層上に形成された第2層とから構成される。なお、発光素子の電極が導電性ワイヤにて基板の電極と接続される場合、第1層は、発光素子とともに、好ましくは、その発光素子に接続される導電性ワイヤも被覆する。蛍光体を含む第1層を透光性部材の発光素子側に設けることにより、蛍光体が発光素子の極近くに分布することになり、蛍光体の光散乱によって第2層によるレンズ作用を最大限に発揮させることができ、所望の配光特性を得ることができるとともに、観察方向によって生じる色ムラを低減することができる。
本形態にかかる発光装置は、蛍光体を分散させた第1層の側面が発光装置の側面において露出している。そのため、第2層のレンズ特性に殆ど影響を与えることなく、色調を補正することができる。すなわち、第1層の側面を研磨する等して蛍光体を分散させた透光性部材の厚みを変化させれば、蛍光体の量も変化させることができる。
また、蛍光体を含む透光性部材の厚みを調整して、集合基板をダイシングすることにより、本実施形態の発光装置が得られる。これによって発光素子と蛍光体との発光強度比が変えられるため、色調の補正を行うことができる。一方で、第1層の側面を研磨して透光性部材の厚みを変化させても、第2層の形状は殆ど変化しないため、レンズ特性に影響を与えることなく、色調の補正が可能となる。ただし、実装面に垂直な方向における透光性部材の側面は、完全に平らである必要はなく、ある程度の曲率を有していてもよい。
なお、第2層には、そのレンズ作用を阻害しない程度であれば、蛍光体や拡散剤が分散されていてもよい。例えば、第2層に含まれる蛍光体の平均密度は、第1層に含まれる蛍光体の平均密度の1/10以下であることが好ましく、さらに1/100以下であることが好ましい。
リフレクタは、発光素子や蛍光体からの光を反射させ、所望の方向に取り出すために機能する。一対のリフレクタは、それぞれ、発光素子の側面に対面し、発光素子を挟んで基板の長手方向に配列される。一対のリフレクタは、いずれも、発光素子、さらに発光素子を被覆する蛍光体を含む第1層の下端部の外縁から、リフレクタの下端部の外縁が離間されるように配置されていることが好ましい。発光装置の長手方向に均一な強度の発光が得られるからである。さらに、山型の第一の層が一対のリフレクタ間の中心に配置されたとき、一方のリフレクタと他方のリフレクタとの間の距離L(図1(b)参照)は、基板の長手方向に測った第一の層の幅(裾の長さ)に対して、1.5から5.0倍であることが好ましい。発光面の全体に渡って均一な強度を得るために、発光部となる第1層を点光源に近づけ、発光部からの光をリフレクタで反射させる光学設計が容易となるためである。
図6(a)乃至図6(c)は、本形態の発光装置における基板の製造工程の概略について順を追って説明する断面図である。図7は、本形態の発光装置における基板の各構成部材を説明する斜視図である。本形態の発光装置における基板は、図7に示されるように、リフレクタ部20、第1ベース部30および第2ベース部40並びにそれらを接着する第1接着部材23および第2接着部材43から構成される。
以下、本形態の発光装置の製造方法について詳細に説明するが、本発明は、以下に説明する基板およびその製造方法に限定されるものではないことは言うまでもない。
1.基板の作製
基板は、複数の発光装置を一括して製造するため、複数の発光素子を搭載できるような大面積の集合基板とすることが好ましい。このような集合基板は、例えば、厚さが0.06mm以上2.0mm以下であり、それぞれ樹脂を主な材料とするリフレクタ部20、第1ベース部30及び第2ベース部40とが積層された積層体が挙げられる。
なお、この第1基材21に形成されるスリットの内面がリフレクタの傾斜面(反射面)に加工される。また、第1基材21の厚みは、リフレクタ高さに略一致する。
第1金属箔22及び第1接着部材23がそれぞれ形成された第1基材21に、スリットを形成し、スリット内面の傾斜面をリフレクタの反射面に加工する。この加工による形状および第1基材21のスリット内面の傾斜面が、発光装置に設けられるリフレクタとなる。そのため、これらは上述した形状および傾斜角で加工する。
まず、ガラスエポキシ樹脂からなる第3基材41に、上述したリフレクタ部20の形成と同様に、第3基材41の片面全面に第3金属箔42を形成し、第3金属箔42が形成されていないほうの第3基材41の裏面全面に第2接着部材43を配置する。そして、発光装置の長手方向の大きさに合わせて所定の間隔で複数のスリットを形成する。なお、本形態における第3基材41の厚みは、例えば、0.3mmとし、金属箔の厚みは、0.018mmとする。また、第2接着部材43の厚さは、0.05mmである。
図6(a)に示したように、リフレクタ部20、第1ベース部30及び第2ベース部40を貼り合せる。すなわち、リフレクタ部20と第1ベース部30との間に第1接着部材23、第1ベース部30と第2ベース部40との間に第2接着部材43を介在させて順に積層させた後、各接着部材にてリフレクタ部20、第1ベース部30及び第2ベース部40を接着する。なお、本形態における第1接着部材23および第2接着部材43は、図7に示したように、リフレクタ部20および第2ベース部40に形成されたスリットの形状および大きさに相応したスリットを有する粘着性シートである。この粘着性シートは、リフレクタ部20および第2ベース部40に形成されたスリットの位置に、粘着性シートのスリットが位置するように配置される。
最後に、図6(c)に示されるように、形成された金属層51の一部を、例えば、エッチングにより所定のパターンに除去して、リフレクタ及び配線(または電極)を形成することにより集合基板50を得る。エッチングにより除去される金属層51の一部は、後述のダイシングラインが通過するリフレクタの上面や、第2ベース部40のスリットにより露出された第1ベース部30の裏面側であることが好ましい。金属材料が無いことでダイシングが容易となり、ダイシングするときに金属層51の剥離がなくなるからである。また、金属材料から樹脂材料を露出させることにより、樹脂の透光性部材と樹脂材料の基板との剥離がなくなるからである。
上述したように作製された集合基板50上に、各発光素子の実装領域をマトリックス状に設定する。ここで、各発光素子の実装領域の両側に形成された正電極及び負電極は、集合基板50の配線に接続され、上述した第1ベース部30の貫通孔を介して、基板の裏面に形成された実装基板接続用の電極と接続する。
パッケージアッセンブリに形成された各負電極の所定の位置に、発光素子をダイボンディングした後、発光素子の電極とパッケージアッセンブリの電極とを導電性ワイヤにより電気的に接続する。
次に、発光素子の上に第1層を形成する。なお、本形態における製造方法においては、透光性部材における第1層と第2層を別工程にて形成するが、本発明は、このような形成方法による発光装置に限定されることはない。すなわち、基板への透光性部材の形成に併行して、第1層および第2層の機能分離が成されて同時に形成されるような方法によって形成することもできる。このような形成方法として、例えば、蛍光体の自重による沈降を利用したポッティング法や孔版印刷などを挙げることができる。
第1層は、所定量の蛍光体が第1透光性樹脂に分散されたものとして形成される。このような第1層は、予め所定量の蛍光体が分散された第1透光性樹脂の材料を、直線状に連続して配置する方法、所謂ライン塗布法で形成することが好ましい。ライン塗布法によれば、第1層を薄膜化できると共に、製造工程が簡易になるからである。また、ライン塗布法では表面張力を利用して第1層を形成できるため、導電性ワイヤと正電極及び負電極のパターンに沿って第1層を形成することができる。また、正電極及び負電極のパターンを適切に配置すれば、第1層の形成領域を発光素子の極めて近くのみに制限することができる。
第1層の材料をライン塗布した後、第1層の材料を硬化させる。第1層の材料が熱硬化性の樹脂であれば、常温でライン塗布した後、加熱して硬化させればよい。
次に、発光素子の上に形成された第1層の上に第2層を形成する。第2層の形成には、トランスファモールド、圧縮成形、射出成形などの方法を用いることができる。例えば、トランスファモールドの場合、上記第1層を形成したパッケージアッセンブリの上側と下側をトランスファモールド成型用金型で挟み、上側の金型とパッケージアセンブリとの間に形成された樹脂の注入口を通じて第2透光性樹脂を流し込む。このとき、第2透光性樹脂は、半溶性のペレットとして準備し、注入口から圧入しながら樹脂を溶かす。そして、金型内で短時間加熱して硬化させた後、金型を外してさらに加熱することにより、第2層が形成できる。
第2ベース部40のスリットの長手方向に想定されたダイシングラインに沿って、パッケージアセンブリをダイシングし、発光装置10の長手方向および短手方向の大きさに相当する所定長さおよび所定幅で切り出すことによって発光装置10を得る。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
まず、既に述べたような樹脂を主材料とする基材の積層により、発光素子の配置面に対する傾斜角αが45°であり、最表面に銀を有するリフレクタ12と、正電極16及び負電極17を形成した基板13を準備する。次に、この基板13上に、発光主波長が420nmから490nmである複数の発光素子をマトリックス状にダイボンドして、発光素子の電極と正電極16及び負電極17とをワイヤボンドした。
次いで、透明エポキシ樹脂を用いてトランスファモールドにて第2層15を成形した。なお、トランスファ硬化条件は、金型温度を150℃にして、5分間の制御である。さらに、金型から取り出して、追硬化を行った。追硬化条件は、周囲温度150℃のもと、4時間である。個々の発光装置で見たとき、第2層15の形状は、略直方体であり、基板13の長手方向および短手方向の大きさと略同じ大きさの発光面を発光装置10の正面に有する。
最後に、ダイシングにて、個片に切り分け、複数の発光装置10を得た。本実施例の発光装置10は、このダイシングによる切断面、すなわち、上記発光面に隣接する側面の一方を、外部の配線基板に対する実装面とする。
また、発光装置10の第1層は、その幅が最大で約3mm、高さが約0.25mmであり、第2層は、その幅が約3mm、高さHが約0.4mmである。
なお、比較例1として、実施例1の発光装置においてリフレクタを配置しない以外は、実質的に同様の発光装置を形成し、同様に配光特性を測定したその結果を図2中、破線で示す。さらに、比較例2乃至4として、リフレクタ12の下端部の間隔L、リフレクタ12の高さhおよびリフレクタ12の傾斜角αを以下の[表1]に示すように変更して、実施例1と同様に発光装置を形成して、その配光特性を測定する。比較例2乃至4の測定結果を、図3乃至図5中に、実施例1の配光特性を実線で、比較例2乃至4の配光特性をそれぞれ点線にて、実施例1の配光特性とともに同一グラフ上に示す。
図3によれば、比較例2は、実施例1と比較すると正面における光度の平坦性が若干悪くなることが分かる。
図4によれば、比較例3は、この程度の高さhまでは同じような正面光度の平坦性が得られる。しかし、リフレクタを高くすることにより発光部である第1層から透光性部材の上面(発光面)までの高さが高くなり、光の取り出しが悪くなることが分かる。
図5によれば、比較例4は、実施例1と比較すると正面における光度の平坦性が若干悪くなることが分かる。
その結果、実施例1と比較すると正面における光度の平坦性は若干劣るが、比較例1に比べて、正面において良好な平坦性が得られた。
その結果、実施例1と比較すると正面における光度の平坦性は若干劣るが、比較例1に比べて、正面において良好な平坦性が得られた。
11・・・発光素子
12・・・リフレクタ
13・・・基板
14・・・第1層
15・・・第2層
16・・・正電極
17・・・負電極
20・・・リフレクタ部
21・・・第1基材
31・・・第2基材
41・・・第3基材
22・・・第1金属箔
33・・・第2金属箔
42・・・第3金属箔
23・・・第1接着部材
43・・・第2接着部材
30・・・第1ベース部
32・・・導電性材料
40・・・第2ベース部
50・・・基板
51・・・金属層
Claims (8)
- 導体配線が施された基板と、その基板に配置された発光素子と、その発光素子を覆う透光性部材と、前記基板に設けられたリフレクタと、を備えた発光装置であって、
前記透光性部材は、前記発光素子の上に、蛍光体を含む第1層と、その第1層よりも透光性の高い第2層とを順に有しており、
前記第1層の一部を露出させた透光性部材の一対の側面が、前記基板の短手方向に対面されており、
前記リフレクタが、前記発光素子を挟んでそれぞれ前記基板の長手方向の端部に一対設けられ、前記第1層は、前記長手方向における下側端部が前記リフレクタから離間されており、
前記リフレクタの高さは前記第1層の高さより低く、かつ前記リフレクタの上部には前記第2層が配置され、前記第2層は、前記基板の長手方向および短手方向の大きさと略同じ大きさの発光面を有することを特徴とする発光装置。 - 前記リフレクタの表面は、前記基板表面に対して鋭角で傾斜する傾斜面を有する請求項1に記載の発光装置。
- 前記鋭角は、40°以上70°以下である請求項2に記載の発光装置。
- 前記第1層は、前記第2層の側に凸形状である請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記リフレクタの高さは、前記リフレクタ間の距離の1/28以上1/14以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光装置は、前記短手方向の側面の一方を実装面とする請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記第2層は、レンズを備える請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 一方のリフレクタと他方のリフレクタとの間の距離は、前記基板の長手方向における第1層の幅の1.5倍以上5.0倍以下である請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
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