JP7011196B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
(1) 光反射性材料を含有する被覆部材と、発光側の表面と、前記被覆部材の表面に対向し、該表面内に配置された光入射側の表面とを有する光透過部材と、前記光透過部材の光入射側表面において、外側の反射領域に囲まれた入射領域に結合し、前記被覆部材に一部が埋め込まれた光源部に、発光素子と、該発光素子の前記入射領域側に結合され、該発光素子に励起される波長変換部材と、を備える発光装置。
(2) 前記光透過部材は、前記発光側が凸曲面で、前記光入射側の少なくとも反射領域が略平坦な表面であり、前記入射領域の断面幅は、前記光入射側表面の半分以下である上記(1)に記載の発光装置。
(3) 光反射性材料を含有する被覆部材と、凸曲面の発光側の表面と、前記被覆部材の表面に対向し、該表面内に配置された光入射側の表面とを有する光透過部材と、前記光透過部材の光入射側表面において、略平坦な表面の反射領域に囲まれた内側の入射領域に結合し、前記被覆部材に一部が埋め込まれた光源部が設けられて、該光源部内に設けられた発光素子と、を備え、前記入射領域の断面幅は、前記光入射側表面の半分以下である発光装置。
(4) 前記発光装置は、前記光源部に、前記発光素子の前記入射領域側に結合され、前記発光素子に励起される波長変換部材をさらに備える上記(3)に記載の発光装置。
(5) 前記波長変換部材は、互いに対向する第1及び第2の主面を有する板状体であって、前記第2の主面に複数の前記発光素子が接合されており、前記入射領域に前記第1の主面が接合されている上記(1),(2),(4)のいずれか1つに記載の発光装置。
(6) 前記反射領域は、前記被覆部材の表面と離間された前記光透過部材表面に設けられる上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の発光装置。
(7) 前記発光装置は、前記光透過部材の光入射側の表面と前記被覆部材の表面とを接着させる透光性接着材を有し、前記入射領域及び反射領域は、前記透光性接着剤との界面に設けられる上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の発光装置。
(8) 前記光透過部材は、前記光源部上及び前記被覆部材表面に設けられ、前記反射領域は、前記光透過部材と前記被覆部材との界面である上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の発光装置。
(9) 前記入射領域は、前記反射領域より前記発光側に突出している上記(8)に記載の発光装置。
(10) 前記光透過部材の発光側の表面形状は、球面形状である上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の発光装置。
(11) 前記発光装置は、前記発光素子が実装される実装基板を有し、前記発光素子は、前記入射領域側の表面に対向する実装面側で、前記実装基板と電気的に接続される上記
(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の発光装置。
(12) 前記発光装置の光源部は、前記発光素子の入射領域側表面に結合して、発光素子により励起される波長変換部材を有し、前記被覆部材は、前記入射領域から、前記光源部の側面を覆って、前記実装基板の表面上にまで延在して設けられている上記(11)に記載の発光装置。
(13) 前記被覆部材が、前記発光素子及び前記波長変換部材の側面にそれぞれ接して設けられる上記(12)に記載の発光装置。
図1、2は、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の概略図であり、図1(a)は概略上面図の図1(b)のA-Aにおける概略断面図であり、図2は光源部周辺の概略断面図である。図1,2に示す例の発光装置100は、主として、発光素子10と、光透過部材20と、被覆部材30と、波長変換部材40と、実装基板50と、から構成される。基板50は、枠体55と、複数個(図中では2個)の発光素子10がフリップチップ実装された配線51を備えている。この波長変換部材40は、板状で互いに対向する第1および第2の面を有し、その第2の面が各発光素子10の裏面に接合されている。そして、光反射材料35を含有する被覆部材30が枠体55の内側に充填され、光源部の発光素子10と波長変換部材40は、第1の面を露出面として、被覆部材30に被覆されている。被覆部材30は、側面と第2の面の一部、さらに発光素子10の側面と、を連続して被覆する。これにより、発光素子10及び/又は波長変換部材40から出射された光は、光反射性の被覆部材30により発光側に反射、導光されて、波長変換部材40の第1の面から取り出され、この第1の面を主要な光取り出しの窓部すなわち発光面とする面発光型の光源となる。第1の面の形状、大きさでそれを光源とでき、この光源の上に、光源に対する光学素子として光透過部材20がその光入射側の一部領域の光入射領域80に接合されている。
本発明における光透過部材20、すなわち光学素子の径W、凸曲面の曲率半径rと、入射領域80の径Lとの関係について、以下にこれを詳述する。図3は、ここで検討する理論計算モデルの各発光装置の構造を示す概略断面図である。図3(A)に示す発光装置110は、一辺の長さLの正方形で厚さ100μmの直方体(板状)の光源部16を備える。また、光源部は、その上面のみを露出して、その側面及び底面を被覆部材31により被覆し、被覆部材31の反射率は100%とする。そして、図中の黒丸で示す光源部の上面の中心を曲率中心とする直径Rの半球状の光透過部材20aが、同一面の光源部及び被覆部材表面上に設けられている。光透過部材の直径R及び径Wは4mm(曲率半径2mm)とし、屈折率は1.537とする。この発光装置110は、上述の実施の形態1の発光装置100を想定している。また、図3(B)に示す発光装置120は、光透過部材20bと被覆部材32の表面との間に空隙86が設けられて、この両表面が互いに離間されているほかは、上述の発光装置110と同様である。より詳細には、光源部16より外側の光透過部材20bの平坦な表面(反射領域)に対向して、光源部の上面より下方に傾斜した傾斜面94があり、空隙86の空気の屈折率は1.000とする。この発光装置120は、後述する実施の形態2の発光装置200を想定している。
発光素子10は公知のもの、具体的には半導体発光素子を利用でき、特にGaN系半導体であれば、蛍光物質を効率良く励起できる短波長の可視光や紫外光が発光可能であるため好ましい。具体的な発光ピーク波長は240nm以上560nm以下、好ましくは380nm以上470nm以下である。なお、このほか、ZnSe系、InGaAs系、AlInGaP系半導体の発光素子でもよい。
半導体層による発光素子構造11は、図5に例示するように少なくとも第1導電型(n型)層2と第2導電型(p型)層3とにより構成され、更にその間に活性層3を有する構造が好ましい。また、電極構造は、一方の主面側に第1導電型、第2導電型の両電極6,7が設けられる同一面側電極構造が好ましいが、半導体層の各主面に対向して電極が各々設けられる対向電極構造でも良い。発光素子10の実装形態も、例えば上記同一面側電極構造では、電極形成面を実装面として、それに対向する基板1側を主な出射面とするフリップチップ実装が、その出射面と光透過部材20との光学的な接続上好ましい。この他、電極形成面側を主な出射面として、その上に透光性部材、波長変換部材を結合する実装、フェイスアップ実装、また配線構造を備えた透光性部材、波長変換部材にフリップチップ実装、上記対向電極構造で光透過部材と実装基板に接続すること、ができ、好ましくは発光素子と透光性部材、波長変換部材に配線、電極を備えない実施例の実装が良い。なお、半導体層11の成長基板1は、発光素子構造を構成しない場合には除去してもよく、成長基板が除去された半導体層に、支持基板、例えば導電性基板または別の透光性の部材・基板を接着した構造とすることもできる。この支持基板に透光性部材、波長変換部材20を用いることもでき、その他、ガラス、樹脂などの光透過性の部材により半導体層が接着・被覆されて、支持された構造の素子でもよい。成長基板の除去は、例えば支持体、装置又はサブマウントに実装又は保持して、剥離、研磨、若しくはLLO(Laser Lift Off)で実施できる。また、発光素子10は光反射構造を有することができ、具体的には、半導体層11の互いに対向する2つの主面の内、光取り出し側(出射面側)と対向する他方の主面を光反射側(図1における下側)とし、この光反射側の半導体層内や電極などに光反射構造を設けることができる。光反射構造の例として、半導体層内に多層膜反射層が設ける構造、あるいは半導体層の上にAg、Al等の光反射性の高い金属膜や誘電体多層膜を有する電極、反射層を設けた構造がある。
発光素子10の一例として、図5の窒化物半導体の発光素子10では、成長基板1であるC面サファイア基板の上に、第1の窒化物半導体層2であるn型半導体層、活性層3である発光層、第2の窒化物半導体層4であるp型半導体層が順にエピタキシャル成長されている。そして、n型層2の一部が露出されて第1の電極7であるn型パッド電極を形成し、p型層4のほぼ全面にITO等の透光性導電層5、第2の電極6であるp型パッド電極が形成されている。さらに、保護膜8をn型、p型パッド電極6,7の表面を露出し、半導体層を被覆して設けられる。なお、n型パッド電極7は、p型同様に透光性導電層を介して形成してもよい。成長基板1は、C面サファイアの他、R面、及びA面、スピネル
(MgAl2O4)のような絶縁性基板、また炭化珪素(6H、4H、3C)、Si、ZnS、ZnO、GaAs、GaNやAlN等の半導体の導電性基板がある。窒化物半導体の例としては、一般式がInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)の他、BやP、Asを混晶してもよい。また、n型、p型半導体層2,4は、単層、多層を特に限定されず、活性層3は単一(SQW)又は多重量子井戸構造(MQW)が好ましい。青色発光の素子構造11の例としては、サファイア基板上に、バッファ層などの窒化物半導体の下地層、例えば低温成長薄膜GaNとGaN層、を介して、n型半導体層として、例えばSiドープGaNのn型コンタクト層とGaN/InGaNのn型多層膜層が積層され、続いてInGaN/GaNのMQWの活性層、更にp型半導体層として、例えばMgドープのInGaN/AlGaNのp型多層膜層とMgドープGaNのp型コンタクト層が積層された構造がある。
図1の発光装置100は、光源部に発光素子10からの光により励起され、該入射光の少なくとも一部を波長変換可能な波長変換部材40を備える。光源部は発光素子、又はそれに接合する透光性部材を加えた構造で構成されてもよく、好ましくはその透光性部材に波長変換部材を用いる。本明細書では単に波長変換部材と記載している場合でも、波長変換機能に依らないときには透光性部材に置き換えて適用できる。これにより、光源部において発光素子10から出射された一次光が波長変換部材40で励起することで、発光素子10の発光波長とは異なった波長を持つ二次光が得られ、一次光と、波長変換された二次光の混色により、所望の色相を有する出射光を実現できる複合光源となる。この他、一次光で励起された二次光もしくはその副次的な光についてほぼその光だけを透過させる形態、例えば紫外線発光LEDの変換光(単色、混色光)、を発光する光源部、それを備えた発光装置であってもよい。
被覆部材30は、図1に示すように、光源部の一部と光透過部材の表面を被覆し、具体的には少なくとも発光素子を含む光源部を埋め込むように被覆して、加えて光透過部材の入射側表面まで延在して被覆する。さらに、光源部内の波長変換部材40の一部、具体的にはその側面を被覆し、そこから露出された光源部表面から出射面となり光透過部材へ入射する。被覆部材30の基材としては、樹脂材料であり、さらに透光性がよく、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物等を使用することが好ましいが、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等の透光性を有する絶縁樹脂組成物を用いることができる。また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等、耐候性に優れた封止部材も利用でき、このように透光性樹脂であると本発明における所望領域の被覆、その成形に適していが、ガラス、シリカゲル等の耐光性に優れた無機物を用いることもできる。さらに被覆部材30は、耐熱性の高い樹脂成形体とすると、光源部の発光素子や波長変換部材40の発熱に対応でき好ましい。実施の形態1では、被覆部材30を構成する基材となる樹脂にシリコーン樹脂を用いる。シリコーン樹脂は耐熱性、撥水性、電気絶縁性に優れる他、経年劣化しにくい利点を備える。さらにまた、被覆部材30表面を所望の形状、例えば図示する傾斜面、曲面の形状、として、反射領域の機能及び効果を高めて、指向性、色分布を制御し、また集光させることもでき、光透過部材の光学機能と適宜組み合わせることで、装置の発光特性を制御し得る。
光透過部材20は、発光素子10の第1の面または波長変換部材40の第1の面と接合されて光の取り出し効率を向上させることができる。光透過部材20は、少なくとも発光側の表面21と光入射側の表面とを有し、発光側の表面21は目的に応じて種々の形状に形成することができる。例えば、上述のように、発光側の表面21を凸曲面、球面(半球面)の凸レンズ形状とすることで、全方位角の光入射に対して均一な透過特性(臨界角)とでき、光を効率良く外部に取り出すことができる。また、球面に限らず、所望の曲率、凸レンズ形状、例えば砲弾型とすることで球面よりも光の放射角を小さくすることができる。このほか、凹曲面、凹レンズ形状とすることで光を拡散させてもよく、実施の形態4、図9で説明するように、所望の指向性とする光学素子としても良い。
一方、図1の発光装置100において、上記の発光素子10が実装される基板50は、少なくとも表面に素子の電極と接続される配線51を形成したものが利用でき、また外部接続用の配線52(図7,9)などが設けられても良い。基板の材料は、例として窒化アルミニウム(AlN)で構成され、単結晶、多結晶、焼結基板、他の材料としてアルミナ等のセラミック、ガラス、Si等の半金属あるいは金属基板、またそれらの積層体、複合体が使用でき、金属性、セラミックは放熱性が高いため好ましい。なお、基板50は配線が無くてもよく、例えば図5の素子で成長基板側を実装して素子の電極を装置の電極にワイヤー接続する形態、波長変換部材に配線を設けて接続する形態でもでもよい。また、図示する発光装置のように、被覆部材30が実装基板50の上に設けられる形態の他、実装基板50の外側側面も覆う形態でもよい。また実装基板50は、少なくともその表面が高反射性材料で構成されることが好ましい。図1,2に示すように、発光素子10は、導電性接着材60により配線51上に接着されて外部と電気的に接続される。導電性接着材60は、半田、Agペースト、Auバンプなどが利用できる。
図1に示す発光装置100は、枠体55を有し、被覆部材30の保持部材である。枠体55は、セラミックや樹脂などで形成することができる。光反射性の高いアルミナが好ましいが、表面に反射膜を形成すればこれに限らない。樹脂であれば、スクリーン印刷等を用いるほか、成形体を実装基板に接着してもよい。また、被覆部材30と同様に光反射性材料を用いるなどして、反射率を高くすると好ましい。また、上記添加部材同様に、枠体を目的に応じて着色してもよい。なお、この枠体は、被覆部材を充填又は成形後に、取り外すこともできる。また、枠体として、積層基板56、基材などでキャビティ構造を有する装置基体など、発光素子の実装基板に一体に形成されている形態でもよい。
発光素子10と波長変換部材40との界面には接着材15が介在されてもよく、これにより双方の部材を固着する。この接着材15は、発光素子10からの出射光を波長変換部材40側へと有効に導光でき、双方の部材を光学的に連結できる材質が好ましい。その材料としては上記各部材に用いられる樹脂材料が挙げられ、一例としてシリコーン樹脂などの透光性の接着材料を用いる。その他の各部材間、例えば実施の形態2(図7)における接着材55のように、光路上で同様な透光性の接着材を設けても良い。
図1に示される例の発光装置100の製造方法の一例として、図6を用いて以下に説明する。まず、図6(A)に示すように、基板58上または発光素子10に、バンプ60を形成し、それを介して発光素子10をフリップチップ実装する。この例ではサブマウント基板58上で、1つの発光装置に対応する領域に各々1個のLEDチップを並べて実装する(但し、LEDチップの個数は適宜変更できる)。次に、発光素子10の第1の面側(サファイア基板1裏面あるいは基板除去した場合であれば窒化物半導体11露出面)に、接着材であるシリコーン樹脂を塗布して、波長変換部材40を積層する。その後、そのシリコーン樹脂を熱硬化して、発光素子10と波長変換部材40とを接着する。さらに、発光素子10の周囲に所定の大きさ、形状の枠体57を立設させておく。ここでは、枠体57の高さは波長変換部材40の第1の面より低いが、略同じか高くしてもよい。
図7(a)は、本発明の実施の形態2に係る発光装置200の概略断面図であり、図7
(b)は、その光源周辺部を説明するための概略断面図である。発光装置200において、光透過部材20を除く他の構造については実施の形態1と実質上同様であり、したがって同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。この発光装置200は、直径R(=W)の半球状に予め成形された光透過部材20が透光性接着材28を介して波長変換部材40の第1の面に接着された構成となっている。この発光装置200では、光透過部材20の光入射側の表面に、径L2で接着材28と接合する入射領域82とその外側の反射領域92とが設けられている。反射領域92と被覆部材の表面93とは離間され、その間には空隙85が設けられており、反射領域92は光透過部材20の底面であり、空気との界面を成して反射させることができ、光の取り出し効率を向上させることができる。図4に示す上述の解析結果からわかるように、本実施の形態2における発光装置200は、実施の形態1の発光装置100より光の取り出し効率が高く、特に光源が大きい場合、光透過部材が小さく、装置が小型の場合において優れた構成となっている。なお、透光性接着材28は、接合する光透過部材20とほぼ同程度の屈折率を有する材料であることが好ましい。これは、光透過部材20と透光性接着材28との界面における光の反射を低減し、光結合効率を良好にするためであり、略同じ材料で構成すると、例えば略同じ樹脂で形成するとそれを容易に実現できる。
図8は、本発明の実施の形態3に係る発光装置の光源部周辺を説明するための概略断面図である。なお、ここで説明する発光装置の光源部周辺の構造は、他の実施の形態における発光装置の構成にも適用することができる。光透過部材の入射領域83は、凹凸構造を有し、光源部の発光素子10及び/又は波長変換部材40からの入射光が散乱され、また、戻り光を反射、散乱させることができ、反射領域90による反射機能を補い、発光面からの放出光の指向性を広くでき、また、輝度ムラや色ムラが低減されやすい。特に、1つの波長変換部材40に複数の発光素子10を搭載する場合には、各発光素子10の配置の影響やそれによる配光、輝度ムラ、色ムラの影響が大きく、それが低減されるので好ましい。また、凹凸面により、光結合効率のほか両部材の密着性の向上が期待される。また、このような凹凸構造は、波長変換部材の表面だけでなく、その発光素子側表面、さらに光路上にある各部材の表面に設けて同様な効果を得ることができ、特に光源部と光透過部材との境界領域、若しくは光源部内、例えば、基板1の半導体層11側表面に設けてもよく、実施例では詳述していないがそのような構造を用いている。波長変換部材の凹凸表面43などの凹凸構造は、研磨、ドライエッチング、ウエットエッチングなどにより設けることができ、不規則な凹凸構造のほか、規則的なパターンの凹凸構造も形成できる。
図9(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、本発明の実施の形態4に係る発光装置300、400、及び500の概略断面図である。本実施の形態4は、本発明に係る発光装置において、光透過部材20、その発光側表面の形状の変形例を示すものであって、各実施の形態に適用でき、また他の主要な構造については実施の形態1と実質上同様であるため、同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
(DA)のように、光透過部材20を扁平な形状とすることで、発光装置を小型化、薄型化できるが、表面21が半球面から変化することにより、光透過部材20の内面での光反射が増大する。しかしながら、本発明の発光装置は、光透過部材20の光入射側の表面の大部分を反射領域90が占めているため、そこで光透過部材内の光を反射、更には光反射材料35により散乱させることで、外部に効率良く取り出すことができる。なお、図では光透過部材20より、十分に断面幅広な被覆部材30となっているが、両方の端部が略同一となるように小さくできることはいうまでもない。また、発光装置300は、基板50上に、発光素子10と電気的に接続されたツェナーダイオードを有する。このように発光素子の電気的に保護する保護素子14は、図示するように被覆部材30内に埋設され、また光源部、反射領域から離間されていれば、他の主要構成部材に対し光学的に悪影響を与えることがなく、また発光装置、被覆部材の径を光透過部材の径と略等しくでき、すなわち光透過部材20より内側に、さらに反射領域90内に配置すれば、発光装置の小型化の支障にならず好ましい。
図10は、本発明の実施の形態5に係る発光装置600の概略断面図であり、発光素子10の実装形態を除く他の主な構造については実施の形態1と実質上同様であり、したがって同様の構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。本発明の発光装置において、光源部は光反射性の被覆部材30に被覆されて光透過部材に光結合されおり、その被覆形態、具体的には発光素子の実装形態、被覆部材の形態については種々の形態を取ることができる。図9の発光装置600はその例であり、基板50を有さず、被覆部材30が直方体形状、板状に成形されて、この成形体が光透過部材20と共に発光装置の表出面を構成している。発光素子10の各電極に接続された導電体61を備え、被覆部材30の裏面側に達して外部接続部が形成されている。この導電体61の延伸方向、露出位置、表面は適宜変更可能であり、例えば光透過部材20と同一面側でその外側に延伸され、露出されてもよい。導電体61は、図9に示すような柱状の形態のほか、層状の形態を組み合わせてもよい。このような発光装置600であれば、光源部の入射領域80を除いて発光素子10などの光源部を被覆部材30でほぼ完全に被包することができ、光源部の出射光が実装基板50、その導体配線等により吸収、損失されることを低減することができ、光源部からの光の取り出し効率を高めることができる。
実施例1~3の発光装置は、図7に示すような発光素子10、又は素子とそれに接合した波長変換部材40が被覆部材に側面を覆われて、露出された光源部の上面の出射面上に接着剤28を介してレンズ20を接着した構造である。具体的には、AlNのセラミックス基板50の配線51上に、発光素子10として約1mm×1mmの略正方形の青色LEDチップ1個を、バンプ60によりフリップチップ実装する。実施例1では、そのLED10の成長基板1であるサファイア基板表面の出射面が露出される状態に、その周囲に充填された被覆部材30でもってLEDチップの側面が被包されている。なお、被覆部材30は、粒径約270nmのTiO2の微粒子である光反射性材料35を約23重量パーセント濃度で含有するシリコーン樹脂である。また、実施例2及び3では、LED10の成長基板1上に、板状の波長変換部材40であるYAGの焼結体1枚を、シリコーン樹脂からなる透光性接着材15により接合する。そして、図示するように、波長変換部材40表面の出射面が露出される状態に、実施例1と同様に、被覆部材30で波長変換部材40の底面の一部および側面、LEDチップの側面等の表面が被包されている。なお、被覆部材30の表面は、図示するように光源部の出射面から連続する側面を這い上がるように表面が光源部付近で傾斜している。波長変換部材40の外形は、寸法が実施例2では約1.1mm×1.1mm、実施例3では約1.5mm×1.5mmの矩形状であり、厚みは約150μmである。そして、各実施例について、被覆部材の表面上において、発光素子10又は波長変換部材40の光源部の出射面を内包して、且つその略中心に光軸が位置するように、シリコーン樹脂からなる直径Rが約4mmの半球レンズ状の光透過部材20を、同じシリコーン樹脂からなる透光性接着材28によりその出射面にそれぞれ接合する。
次に、波長変換部材40の構成を変えて、光透過部材20の有無による発光効率への影響を以下に検証する。実施例4の発光装置は、実施例3と同様であり、実施例5,6の発光装置はそれぞれ、実施例4の波長変換部材40の構成のみ変更し、実施例5では、実施例4と同様のYAGの蛍光体をシリコーン樹脂に分散させたシートを用い、実施例6では、(Sr,Ba)2SiO4:Euのシリケートの蛍光体を実施例5と同様にシリコーン樹脂に分散させたシートである。なお、これらの樹脂のシートは、蛍光体を拡散した樹脂を、離型剤を塗布した板にスピンコートして硬化して、所定の大きさに切り出して作製する。これら実施例4~6の発光装置において、光透過部材20の有無による発光効率の差異を図11に示す。なお、実施例4,5,6の光透過部材20搭載後をそれぞれD,E,Fとし、光透過部材20搭載前をそれぞれd,e,fとして表記する。図11に示すように、いずれの実施例においても、光透過部材20を搭載することで、同じ色度の発光において高効率化でき、発光効率の向上が確認できる。
…第1の電極(n側パッド電極)、8…保護膜)、11…半導体素子構造、14…保護素子、15…接着材、16…発光部、20(20a~d)…光透過部材(21…発光側の表面、22,24,25…反射表面、23…発光表面)26…樹脂層、28…接着材、30~34…被覆部材、35…光反射性材料、40…光透過(波長変換)部材、50,58…実装基体・基材(51~52…配線パターン、55~57…枠体又は積層基板又は基材)、60…導電性接着材、61…導電体、71…ディスペンサ、72…上金型
Claims (8)
- 発光素子と、
板状で互いに対向する第1の面および第2の面を有し、前記第2の面が前記発光素子に接合され、前記第1の面からの平面視において前記発光素子を内包する波長変換部材と、
前記波長変換部材の前記第1の面を露出して、前記波長変換部材の側面及び前記第2の面の一部と、前記発光素子の側面と、を連続して被覆する光反射性の被覆部材と、
前記発光素子と電気的に接続された保護素子と、を備え、
前記保護素子は、前記発光素子及び前記波長変換部材と離隔し、前記波長変換部材の外側において前記被覆部材に埋設される発光装置。 - 前記発光素子と前記保護素子とを実装する基板を有する請求項1に記載の発光装置。
- 前記波長変換部材の厚みは10μm以上500μm以下である請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記波長変換部材は樹脂に蛍光体が拡散された樹脂シートである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光装置はさらに、前記被覆部材を保持する枠体を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記発光素子を複数備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記波長変換部材の前記第1の面に接合される光透過部材を備える請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記光透過部材と前記波長変換部材の前記第1の面とは、透光性接着剤を介して接合される請求項7に記載の発光装置。
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