JP5205004B2 - 光ファイバ束および光ファイバ型コンバイナモジュールの作製方法 - Google Patents

光ファイバ束および光ファイバ型コンバイナモジュールの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、それぞれが光を伝搬させる複数の光ファイバが、1本の出力側光ファイバに接続されてなる光ファイバ型コンバイナモジュールを作製する方法に関するものである。
また本発明は、上述のような光ファイバ型コンバイナモジュールを構成するための光ファイバ束を作製する方法に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されているように、それぞれが光を伝搬させる複数の光ファイバが、1本の出力側光ファイバに接続されてなる光ファイバ型コンバイナモジュールが公知となっている。なお、そのようなモジュールは、光を入射させる方向を反対にすればスプリッタとして使用できるものであるが、本明細書ではそのような形態で使用されるものも、「光ファイバ型コンバイナモジュール」として扱うこととする。
その種の光ファイバ型コンバイナモジュールは、光ファイバ増幅器、カプラ(合波器)、上述のスプリッタ(分波器)、クラッド増幅レーザ等を含む広範囲な光応用分野で使われている。中でも光カプラは光の高出力化に寄与する技術であり、複数のレーザ光をファイバを介して合波することで、高出力のレーザ光が容易に得られることから、レーザ加工、レーザ加熱、レーザ露光装置等に広く用いられている。
ところで、最近では、露光装置などの産業用機器に必要な光出力は、どんどん高くなりつつあり、単一の半導体レーザ素子では、その必要出力を満たせない状況も認められる。また、そのようなレーザの高出力化に加えて、単位面積当たりの光出力すなわち輝度についても、産業用途における高機能化の流れに沿った高輝度化の要求がある。そこで、複数素子からのレーザ光を合波して高出力あるいは高輝度のモジュールを実現するために、上述のような光ファイバ型コンバイナモジュールを用いることも考えられている。
その種の光ファイバ型コンバイナモジュールにおいては、レーザ素子からの光を結合した1本の光ファイバをできるだけ狭いエリアに多数本集積することで、単位面積当たりの光出力を高めることができる。その場合、1本の光ファイバの断面積(ファイバ径)をより小さくすることで集積面積がより小さくなるので、1本当たりの光ファイバからの出力が同じとすると、輝度を高めることができる。
このように高輝度化の上では、1本の光ファイバの外径は細い方が好ましいが、通信で汎用的に用いられている光ファイバ(クラッド径125μm、樹脂被覆250μm)と比べてより細い光ファイバを適用すると、光ファイバが物理的に折れ等で壊れやすくなるので、取り扱いが難しくなるという問題が生じる。
すなわち、光ファイバは例えばガラス素線がシリコーン樹脂等で被覆された形になっているので、加工する際には、その被覆を剥く等の除去作業する必要があるが、光ファイバが細いと強度が低くなるので、その被覆除去作業において、切断等の破壊を招きやすい。また強度が低いと取扱性も悪くなるため、必然的に生産性の低下に繋がる。また、その被覆を除去した後、除去後の部分をアルコール等を含ませた無塵布等で拭き取り洗浄する作業が必要になるが、その作業において、被覆除去屑が引っかかりになって光ファイバが切断されてしまうことも実例として認められている。
図5と図6は、そのような被覆屑を分かりやすく示すものである。図5は、1本の素線状態の光ファイバ11に樹脂被覆12が施されている場合に発生する被覆屑12aを示し、図6は複数の光ファイバ11が並置されてなる光ファイバ群10において発生する被覆屑12aを示している。
また、それらの光ファイバを1本ずつ準備する工程も煩雑なものである。例えば、ファイバ溶融加工する際には加熱処理を行うが、その局所部(中間部)のみの被覆除去が必要となる(より詳しくその局所部とは、連続した1本の光ファイバを切断することなく、その中間部の一部被覆のみを除く部分を指す)。その中間部の被覆除去の方法として、硫酸等の溶液に浸して除去する方法や、専用ストリッパーを用いて除去する方法があるが、いずれも危険な溶剤を使用しなければならない、被覆除去カスが除去した境界に残る、といった問題が認められている。
上述のような問題を解決する技術として、特許文献2に記載されているものが知られている。この技術は複数の光ファイバからなる光ファイバ束を形成するに当たり、少なくとも2心の光ファイバ裸線を含む2枚の光ファイバテープ心線のそれぞれ一方の終端部の被覆を除去して光ファイバ裸線を露出させ、それぞれの光ファイバテープ心線の対応する上記光ファイバ裸線の端面を互いに融着接続して中間裸線部を有する1枚の光ファイバテープ心線を形成し、この中間裸線部の隣り合う2心以上の光ファイバ裸線を接触させ、この接触した光ファイバ裸線を互いに融着すると共に延伸して融着延伸部を形成する、というものである。
特表2002−506225号公報 特開平8−166521号公報
しかし、上記特許文献2に示された技術は、光ファイバを切断した後、再度融着接続するようにしているため、作製された光ファイバ束において各光ファイバに接続箇所が必ず存在し、その接続箇所はリボンファイバ型であることも影響して一定の損失を持つことになる。このような光ファイバ束から前述の光ファイバ型コンバイナモジュールを構成した場合は、各光ファイバにおける融着接続箇所の損失が和となって効いてくるため、損失が非常に大きくなるという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、融着接続箇所を持たない光ファイバ束を作製可能な方法を提供することを目的とする。
また本発明は、そのような光ファイバ束を用いることにより、損失を低く抑えることができる光ファイバ型コンバイナモジュールを作製可能な方法を提供することを目的とする。
本発明による光ファイバ束の作製方法は、n本(2≦n)の光ファイバの先端部が先細りのテーパー状となって集合している光ファイバ束を作製する方法において、
ガラス製の素線部が被覆に覆われてなる光ファイバn本からなる第1群の光ファイバと、同様の光ファイバn本からなる第2群の光ファイバとを用意し、
各群の光ファイバの先端部の被覆を除去し、
第1群のn本の光ファイバと第2群のn本の光ファイバの、被覆が除去された方の先端面同士を融着接続し、
この融着後のn本の光ファイバを、捻れの中央位置が前記融着接続の部分から外れた状態で、一端側が他端側に対して捻れるように回転させ、
捻り回転したn本の光ファイバを、前記捻れの中央位置近辺において加熱しながらその加熱部分をテーパー状に延伸し、
前記テーパー状となっている部分の中央位置近辺で光ファイバを切断し、
この切断後の、前記融着接続された部分を含まない方の光ファイバ群を、前記光ファイバ束とすることを特徴とするものである。
なお、上述した光ファイバの捻りは、具体的には例えば下記の通りにして行う。まず、融着後のn本の光ファイバの一端側を共通のクランプで保持し、反対の一端側を回転させ捻りを加える。具体的な手順は、図7を参照して説明すると、
(1)n本の光ファイバF(ここではn=2としている)がすべて平行になるように端を保持し、ぴんと張る。
(2)保持した端をA端、B端とすると、A端は固定する一方、B端は平行状態を保ったまま180°回転を加える。
(3)その状態からさらに180°、合計で360°回転させると、捻り位置が2箇所にできる。
(4)その状態でクランプしたまま延伸すると、捻り位置2箇所を支点として、それらの箇所間の光ファイバFはバランス良く密着するようになる。なお図7の(4)では、分かりやすくするために、2本の光ファイバFの中央部分に隙間を残して示しているが、実際にはこの部分において光ファイバFの側壁面同士は密着した状態になる。また、この図7の(4)に示す、光ファイバFの2つの捻り位置間の距離ΔDは、10mm以上であることが望ましい。
次に上記(4)の状態がセットできたら、光ファイバの捻りの中央位置と加熱装置の加熱部中心の位置が合わさるように位置調整して、それらの光ファイバの両端部をそれぞれクランプに固定する。その状態で加熱しながら両クランプを光ファイバ延伸方向に均等な力で引っ張ると、光ファイバの加熱部がテーパー状になってそれらが互いに溶融密着する。
次に、そのテーパー状となった部分の中央位置近辺で光ファイバを切断する。この切断方法としては一例として、ダイアモンド刃の先端をテーパー状部分の中央位置に当てて、ファイバ壁にクラックを入れ、延伸方向に引っ張ることで切断分離する方法が挙げられる。その際には、図7の(5)に概略図示するように、加熱装置加熱部中心とダイアモンド刃(カッター)の先端位置が同じになるように治具セットして加工する。カッターは、同図のY軸方向に移動可能で、加熱溶融加工が完了したあと、上方へ移動して加工対象光ファイバFと接触し、クラックを入れる。
なお、上述したように光ファイバを捻り回転させる際には、2つの捻り位置間距離の調整において、その距離を例えば10mm以上とするために、光ファイバの捩り回転量は略1回転(約360°)程度とし、引っ張りを与えることで光ファイバの2つの捻れ箇所の間の領域の形状(長さ・密着の程度)を調整することが望ましい。
また、上記被覆を除去する長さは、第1群の光ファイバと第2群の光ファイバとで互いに異なるものとすることが望ましい。
また、第1群の光ファイバと第2群の光ファイバの融着接続点が、上述した2つの捻り位置間にない状態でセットされることと、該融着接続点が、捻り中央位置から左右どちらかにあることを分かっておく必要がある。なぜなら、切断分離後、該融着接続点がある側のテーパーファイバ束は基本的にコンバイナモジュール部品としては使わないからである。
また、本発明による光ファイバ束の作製方法においてn>4の場合は、上記手順(2)〜(4)を行ったとき、光ファイバの本数が多いことから、捻りを加える作業時に光ファイバにたるみが入ると、捻り位置間の光ファイバがバランスよく密着しにくいという作業性上の問題がある。そこで、5本以上の光ファイバ束を作製する場合には、光ファイバ列を2次元方向に並べて積層した状態でセットし、(1)〜(4)の手順で作業することが特に好ましい。
他方、本発明による光ファイバ型コンバイナモジュールの作製方法は、それぞれが光を伝搬させる複数の光ファイバが、1本の出力側光ファイバに接続されてなる光ファイバ型コンバイナモジュールを作製する方法において、
上述した本発明の方法で作製された光ファイバ束の前記切断された先端面に有るファイバコア部分がすべて含まれる範囲を、該範囲よりも大径のコアを有する光ファイバに融着接続することを特徴とするものである。
本発明による光ファイバ束の作製方法は、捻り回転したn本の光ファイバを、融着接続の位置から外れた箇所において加熱しながらテーパー状に延伸し、テーパー状となっている部分のほぼ中央位置で光ファイバを切断し、この切断後の、融着接続された部分を含まない方の光ファイバ群を光ファイバ束とするようにしたものであるから、融着接続された部分を持たない光ファイバ束を作製可能となる。
なお、上記被覆を除去する長さを、第1群の光ファイバと第2群の光ファイバとで互いに異なるものとした場合は、被覆が除去されている部分の概略中央付近を加熱するようにすれば、光ファイバの融着接合部分は自然にこの加熱位置から外れることになるので、光ファイバの融着接合部分を細心の注意を払って見つけるような必要がなくなり、作業が容易化される。言い換えると、第1群の光ファイバと第2群の光ファイバとが融着接続された点(スプライス点)が、光ファイバ束作製工程の加熱プロセスにおいて、加熱中心からずれていることが性能を満たす上で重要と言える。それにより、伝搬ロスを抑えることで、出力の低下を避けることができるという効果が得られる。
また本発明による光ファイバ束の作製方法において、特に、n>4本の光ファイバを用いて光ファイバ束を作製する場合には、2次元方向に並べて積層した状態で前記(1)〜(4)の手順でセットすることで、テーパー状となるn本の光ファイバを、狭い範囲内で密着して整然と並ばせることが可能になる。
なお、上述のように延伸されてテーパー状となっている部分の中央位置近辺でn本の光ファイバを切断すると、それらの光ファイバは略最小径部(この部分は、当然、物理的強度が低いものとなる)で切断されて光ファイバ束を構成することになる。本発明による光ファイバ型コンバイナモジュールの作製方法は、上記のように切断された光ファイバ束の先端面に有るファイバコア部分がすべて含まれる範囲を、該範囲よりも大径のコアを有する別の光ファイバに融着接続するようにしたので、物理的強度が低い光ファイバ束の部分を上記別の光ファイバによって補強して強度を高めることができ、また光ファイバ束の端面が傷付いたり汚れたりしないようにこの別の光ファイバによって保護することも可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1および図2はそれぞれ、本発明の一実施形態により光ファイバ束を作製する方法の前半工程、後半工程を示すものである。まず図1(1)に示すように、周囲に樹脂被覆12が施された素線状態の光ファイバ11(コアおよびクラッドからなる)が複数、図示外の治具により等間隔で並置保持されてなる第1の光ファイバ群10が用意され、それらの先端部が切断された後、切断された側の端部の被覆12が所定長さだけ除去される。この被覆除去は、メカニカルストリッパー等を利用して行うことができる。
それとともに、同図(2)に示すように、同様に周囲に樹脂被覆22が施された素線状態の光ファイバ21が複数、図示外の治具により等間隔で並置保持されてなる第2の光ファイバ群20が用意され、それらの先端部が切断された後、切断された側の端部の被覆22が所定長さだけ除去される。この被覆22の除去長さは例えば5mmとされ、第1の光ファイバ群10の方の被覆12の除去長さ、例えば25mmより短く設定される。
なお、両光ファイバ群10、20の光ファイバ11、21としては、ファイバ外径が60μm程度であって、一般的な通信用光ファイバ(クラッド外径:125μm)よりも細いものが適用される。またそれらの光ファイバ11、21の並置間隔は1.0〜1.5mm程度とされる。また、そのように光ファイバ11、21を並置保持する治具としては、V字状の溝が複数並設されてなり、その各溝内に光ファイバを収めて保持する構造のものを好適に用いることができる。また、各光ファイバ群10、20の光ファイバの本数によっては、特にそのような治具は用いないで、作業者が手で光ファイバ11、21を並置保持するようにしても構わない。
次に同図(3)に示すように、両光ファイバ群10、20の光ファイバ11、21が拭き洗浄の後に向かい合わされ、光ファイバ11の先端と光ファイバ21の先端とが融着接続される。この融着接続箇所を、図中矢印Aで示す。この光ファイバの融着には、従来から公知の光ファイバ融着器を用いればよい。
次に、第1の光ファイバ群10の被覆12の部分が上述のように並んだまま治具に固定保持され、第2の光ファイバ群20の被覆22の部分が治具で挟持され、この第2の光ファイバ群20が第1の光ファイバ群10に対して360°捻り回転させられる。この回転以降の工程を図2に示す。同図(1)は、上記回転が終了した状態の光ファイバ11、21を示している。
なお同図では、各光ファイバ11、21の捻れ状態を明確化するために、光ファイバ11、21はそれぞれ2本ずつとして示してあるが、図1に示すように4本等、他の本数の場合も工程は全く同じようになされる。
ここに図示される通り、剥き出し状態になっている光ファイバ11、21が相対的に360°回転すると、捻れ交差位置が2箇所生じる。これらの捻れ交差位置間の距離は、6.0〜12.0mm程度となる。また、普通に光ファイバ11、21を相対回転させれば、これらの捻れ交差点位置間の中央部は、光ファイバ11、21の長さ30mm(=5+25)に亘る被覆無しの部分のほぼ中央位置となる。また、光ファイバ11、21の各被覆12、22が除去された範囲が前述のように互いに異なっているので、両者の融着接続箇所Aは、2箇所の捻れ交差点位置間の中央部から外れた状態となる。そして両光ファイバ群10、20を少し互いに離れる方向に引きながら相対回転させれば、それらの捻れ交差位置間では、光ファイバ11、21は隙間を空けずに集結した状態となる。
なお、第1の光ファイバ群10と第2の光ファイバ群20との相対回転角度は前述した360°に限られるものではなく、その他の角度が採用されてもよい。
次に同図(2)に示すように、上記2箇所の捻れ交差位置間の中央付近(ここでは、上述したようにそれぞれ複数の光ファイバ11、21が集結している)が水素ガスバーナーやセラミックヒーター等の加熱手段15により、1000〜1600℃の温度にて特定のプロファイルに従って加熱され、加熱とともに延伸される。以上のように光ファイバ11、21が加熱、延伸されると、それらはテーパー状に変形するが、光ファイバ11、21の融着接続箇所Aは、このテーパー状部分の中央位置から外れた状態となる。つまり、光ファイバ11、21の被覆無しの部分の長さがそれぞれ25mm、5mmと変えられているので、上記2箇所の捻れ交差位置の中央付近、つまり被覆無しの部分の中央付近を加熱するようにすれば、特に融着接続箇所Aを見つけ出さなくても、この融着接続箇所Aがテーパー状部分の中央位置から外れた状態となり、作業が容易なものとなる。
このとき、第1の光ファイバ群10と第2の光ファイバ群20が左右どちら側であるか、判別できるようにしておく必要がある。理由は、スプライス点が存在する側を知るためである。
次に同図(3)に示すように、上記テーパー状部分のほぼ中央位置つまり最細部が切断される。この切断は、例えば上記最細部の光ファイバ11、21にダイアモンド刃を当てて、円周に沿ってクラック傷を入れ、ダイアモンド刃を光ファイバ11、21から離した後、被覆12あるいは被覆22を固定している治具を外方(つまり上記延伸の方向)に微小量動かして、クラック傷が入っている部分にテンションを掛けることによりなされる。
この切断の後、融着接続箇所Aを含む方の光ファイバ21は捨てられ、融着接続箇所Aを含まない方の複数の光ファイバ11が、先端部がテーパー部となっている光ファイバ束として、光ファイバ型コンバイナモジュールを作製するために用いられる。
本例において、出力側光ファイバに60μm/125μm(:コア径/クラッド径)を用いた場合、光ファイバ束端面のコア部全エリアは、直径60μm以下になるようにテーパー加工されている。
図3は、この光ファイバ型コンバイナモジュールを示すものであり、該光ファイバ型コンバイナモジュールは、上述のようにして作製された複数の光ファイバ11からなる光ファイバ束が、大径の出力側光ファイバ30に接続されてなるものである。この出力側光ファイバ30として本例では、コア径が60μm、クラッド径が125μmのものが用いられており、それと上記光ファイバ束とは例えば放電融着によって接続される。なお、出力側光ファイバ30としては上記のものの他、コア径が105μm、クラッド径が125μmのもの等も適用可能である。いずれにしても、クラッド径が125μmの光ファイバは、その径を対象とするファイバコネクタ等の部品が標準品として広く普及していることから、既存のインターフェイスとの互換性が確保されるという点で好ましいものとなる。
図3に示す光ファイバ型コンバイナモジュールにおいては、複数の光ファイバ11の後端、つまり図示外の被覆12が残っている側の端面から該光ファイバ11にそれぞれレーザビーム等の光が入力され、それらの光ファイバ11を伝搬した光が、1本の出力側光ファイバ30に入射するようになる。したがってこの1本の出力側光ファイバ30からは、合波して高出力化した光が出力される。
以上説明した方法においては、融着接続される光ファイバ11、21は融着接続前は先端が開放された状態となっているので、被覆21、22を除去する際には、屑がまったく残らないように綺麗に洗浄仕上げすることができる。特に、複数の光ファイバが並んでいる場合は、光ファイバ間にあるゴミ・屑を取り除くことが困難になりがちであるが、上述の通り光ファイバ先端が開放されていることにより、光ファイバにダメージを与えることなく、ゴミ・屑を容易に取り除くことができる。つまり、そのようなゴミ・屑の引っ掛かりにより光ファイバ11、21が壊れる(切断される)危険を回避できる。
なお、以上説明したように、それぞれが被覆12、22を持つ光ファイバ11、21を複数並置保持して用いる代わりに、元より複数の光ファイバが共通の被覆中に並置保持されてなる、いわゆるテープファイバやリボンファイバを用いることも可能である。そうする場合も、光ファイバ型コンバイナモジュールを構成する光ファイバ束を作製する工程は、基本的に以上説明したのと同様にして行うことができる。ただしその場合は、光ファイバ同士の融着を、例えば特開昭63−194208号公報に記載がある市販のテープ(リボン)ファイバ融着器を用いて行うと便利である。すなわちそれを用いる場合は、テープ(リボン)ファイバの被覆を、剥ぎ屑を発生させずに剥がすことができる。
以下、上に説明したテープファイバを用いて光ファイバ束を作製する実施形態について、図4を参照して説明する。ここでは同図の(1)、(2)にそれぞれ正面図、側面図を示すように、コア11aがクラッド11bに覆われてなる光ファイバ11が複数本、テープ状の被覆40中に収められてなるテープファイバが用いられる。このようなテープファイバの場合で、第1群の光ファイバおよび、第2群の光ファイバの本数が7本になるケースにおいて、第1群、第2群の光ファイバ端の被覆をそれぞれ除去し、7本同士を融着接続する。その後、光ファイバを例えば2本、3本、2本に裂いて分割する。そして、裂いて分割したテープファイバを順に、2本テープファイバ43の上に3本テープファイバ42を乗せ、その上にもうひとつの2本テープファイバ41を乗せてクランプ保持する。その後、上述の手順(1)〜(4)で光ファイバをセットし、捻り回転、延伸、テーパー部での切断が行われると、7本の光ファイバ11からなる光ファイバ束が作製される。
このように複数の光ファイバ11を2次元方向に束ねてなる光ファイバ束にあっては、捻られた後にテーパー状に延伸された部分において、同図(3)に光軸と垂直な断面内の形状を示すように、狭い範囲内において7本の光ファイバ11が密着して整然と並ぶ状態になる。したがって、このような光ファイバ束を用いれば、1本の出力側光ファイバに対して、高度に出力が集中した複数本の光を入力させることが可能になる。
上の説明で7本としたのは、光ファイバ束側の各々のファイバ仕様がコア径33μm、クラッド径60μmとしたときに、コア径105μm、クラッド径125μmという仕様の出力側光ファイバに接続する構成において、テーパー率が65%程度で透過損が実用的なレベルに有るモジュールを見本にして光ファイバ束を構成する場合を例にしたためである。テーパー率68%で7本多段配置とすれば、ファイバコアエリアが出力側光ファイバのコア部で覆われる構成となる。なお図8に、テーパー率と透過損との依存性を表すデータ例を示す。
本発明の一実施形態による光ファイバ束の作製方法の一部工程を説明する図 上記光ファイバ束の作製方法の別の工程を説明する図 上記光ファイバ束から作製された光ファイバ型コンバイナモジュールの側面図 本発明の別の実施形態による光ファイバ束の作製方法の工程を説明する図 従来技術の問題を説明する図 従来技術の問題を説明する図 本発明の方法を説明する説明図 光ファイバのテーパー率と透過損との関係を示すグラフ
符号の説明
10、20 光ファイバ群
11、21 光ファイバ
12、22、40 被覆
15 加熱手段
30 出力側光ファイバ
41、42、43 テープファイバ

Claims (5)

  1. n本(2≦n)の光ファイバの先端部が先細りのテーパー状となって集合している光ファイバ束を作製する方法において、
    ガラス製の素線部が被覆に覆われてなる光ファイバn本からなる第1群の光ファイバと、同様の光ファイバn本からなる第2群の光ファイバとを用意し、
    各群の光ファイバの先端部の被覆を除去し、
    第1群のn本の光ファイバと第2群のn本の光ファイバの、被覆が除去された方の先端面同士を融着接続し、
    この融着後のn本の光ファイバを、捻れの中央位置が前記融着接続の部分から外れた状態で、一端側が他端側に対して捻れるように回転させ、
    捻り回転したn本の光ファイバを、前記捻れの中央位置近辺において加熱しながらその加熱部分をテーパー状に延伸し、
    前記テーパー状となっている部分の中央位置近辺で光ファイバを切断し、
    この切断後の、前記融着接続された部分を含まない方の光ファイバ群を、前記光ファイバ束とすることを特徴とする光ファイバ束の作製方法。
  2. 前記n本の光ファイバを捻り回転させる際に、それらの光ファイバに捻れ点が2箇所できるように略1回転させることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ束の作製方法。
  3. 前記被覆を除去する長さを、第1群の光ファイバと第2群の光ファイバとで互いに異なるものとすることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ束の作製方法。
  4. 前記第1群のn本の光ファイバと第2群のn本の光ファイバとを、2次元方向に並べて積層した状態で接合することを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の光ファイバ束の作製方法。
  5. それぞれが光を伝搬させる複数の光ファイバが、1本の出力側光ファイバに接続されてなる光ファイバ型コンバイナモジュールを作製する方法において、
    請求項1から4いずれか1項記載の方法で作製された光ファイバ束の前記切断された先端面に有る光ファイバコア部分がすべて含まれる範囲を、該範囲よりも大径のコアを有する光ファイバに融着接続することを特徴とする光ファイバ型コンバイナモジュールの作製方法。
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