JP5204614B2 - ディーゼル機関におけるNOx低減方法およびディーゼル機関 - Google Patents

ディーゼル機関におけるNOx低減方法およびディーゼル機関

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請求項に係る発明は、2サイクルまたは4サイクルの舶用または陸上用のディーゼル機関、ならびにそのようなディーゼル機関におけるNOx低減方法(排ガス中のNOx濃度の低減方法)に関するものである。
ディーゼル機関の排ガスにつきNOx濃度を低減する方法として、給気(4サイクル機関で燃焼室に送られる空気)または掃気(2サイクル機関で燃焼室に送られる空気)を加湿するものが知られている。たとえば下記の特許文献1には、スクラバーと呼ばれる冷却装置を用いて、掃気(または給気。以下も同様)を冷却するとともに加湿することが記載されている。図7は当該文献1に記載されたディーゼル機関の概要を示す系統図で、図中の符号1’が機関本体のシリンダ、9’が過給機、2’が掃気管、12’がスクラバーである。スクラバー12’は、掃気の流路に海水および淡水の各噴射手段を備え、それら各噴射手段に液滴分離手段が付設されたもので、各噴射手段より水を噴射して掃気を冷却および加湿し、機関内に入る液滴を液滴分離手段により除去する。
特表平8−511074号公報
特許文献1に記載の技術では、上記のようにスクラバーにて加湿することにより掃気(または給気。以下も同様)の相対湿度を100%にまで高めるが、それによるNOxの低減効果は十分なものとはいえない。効果が十分でないのは次のような理由によると考えられる。すなわち、
・ 排ガス中のNOx濃度を効率的に低減するには、掃気を冷却・加湿してディーゼル機関の燃焼温度を下げるだけではなく、加湿することによって掃気中の酸素分圧を顕著に低減することが必要である。しかし、酸素分圧の低減効果は掃気圧と飽和蒸気圧の比に依存するので、掃気圧が高い場合や掃気温度が低い場合には、酸素分圧を顕著には低減することができない。燃焼室に導入される前の掃気は、その圧力・温度の点で、それに対する加湿を行っても燃焼時の酸素分圧を大きく下げることはできず、したがってNOx濃度を効果的に低減することもできない。
・ 燃焼室に導入される前の掃気に対し飽和蒸気圧を超えて水滴を付加することは、それが蒸気とならず液滴のままシリンダ内に導入されてシリンダ内の摺動状態を悪化させる原因となる。そのため、シリンダに導入する前の掃気に一定量を超えて水分を付加することはできない。
請求項に係る発明は、上記のような課題を解決するために行ったもので、ディーゼル機関における効果的なNOx低減方法、およびそのためのディーゼル機関を提供するものである。
請求項に係る発明であるディーゼル機関におけるNOx低減方法は、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内で、給気または掃気を加湿することにより給気中または掃気中の酸素分圧を下げることを特徴とする。
この発明の方法によると、給気中または掃気中の酸素分圧を大幅に下げることができ、もってディーゼル機関における排ガス中のNOx濃度を効果的に低減することができる。給気中または掃気中の酸素分圧を大幅に下げられるのは、給気または掃気への加湿を、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内で行うからである。圧縮行程にある燃焼室内では内部のガスが圧縮されるにともなって高温になり、飽和蒸気圧が上昇するために給気または掃気の相対湿度が低下する。そのような状態にある燃焼室内のガスに加湿をするなら、それによって多量の水蒸気を付加することができ、結果として給気または掃気中の酸素分圧を大幅に下げることができる。給気または掃気中の酸素分圧がこのように低下すると、燃焼が緩慢になって機関の排ガス中のNOx量が顕著に低減される。
なお、この発明は、燃料が噴射される前の燃焼室内に加湿するものであり、燃料が噴射されて燃焼が始まった後に燃焼室内に冷却のために水分を加える技術とは、構成および作用効果において明確に相違する。
上記の発明はとくに、燃焼室内に導入する前においても給気または掃気を加湿し、燃焼室内に導入する前の当該加湿には海水および淡水を使用し、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内における上記加湿には淡水(清水)のみを使用することとするのが好ましい。
この場合、燃焼室内に導入する前の給気または掃気を加湿するとともに、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内における給気または掃気にも加湿する。前者の加湿によって給気または掃気の相対湿度を100%にしても、圧縮行程にある燃焼室内では、圧縮されるにともなって給気または掃気が高温になり相対湿度が低下するため、後者の加湿によってさらに多量の水蒸気を加えることができる。そのため、上記のようにすることにより給気または掃気中の酸素分圧を大幅に下げることができ、NOx濃度を顕著に低減できることとなる。
燃焼室内での後者の加湿を行うには、シリンダ内の摺動状態を良好に保つ点から、淡水を使用することがとくに推奨される。その加湿に淡水を使用するのであれば、燃焼室に導入する前の給気または掃気に対する前者の加湿についても淡水を使用する方が、設備がシンプルになり実施も容易である。しかし、ディーゼル機関が舶用のものである場合、淡水の使用は制限されるのが一般であり、淡水のみで全ての加湿を行うことは適切でない。その点、上記のように、燃焼室内における後者の加湿に淡水のみを使用するとともに前者の加湿には海水を含めて使用するのが好ましい。すなわち、淡水の使用量を抑制でき、舶用のディーゼル機関においても無理なくNOx濃度を低減することができる。なお、燃焼室内導入前の前者の加湿では、海水と淡水との使用順序等を適切にすること等によって機関内への塩分の進入を防止できる。
燃焼室内における上記加湿は、燃焼室に設けた水噴射弁により、上死点前90°から上死点までの間に水を噴射することによって行うのが適している。
上死点前90°から上死点までの間は、シリンダ内に導入された給気または掃気の圧力が上がり温度がかなり高くなっているため、飽和蒸気圧は相当に上昇している。飽和蒸気圧がそのようにきわめて高い状態にある燃焼室内に水を噴射して加湿するなら、とくに多量の水蒸気を付加することができ、酸素分圧の低減幅を大きくしてNOx濃度をとくに顕著に低減できることになる。
上記のディーゼル機関が、過給機付きの2サイクル機関であるなら、とくに有意義である。
かかる2サイクル機関の場合、4サイクル機関とは違って過給により事前に掃気が高圧にされているため、そのような掃気に加湿して一定量の水蒸気を付加しても、それによる相対湿度の上昇幅は大きくない。そのため、上記のように、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内で加湿を行うことの重要性が高い。つまり、2サイクル機関の場合、上記のように燃焼室内で加湿を行うか否かで、酸素分圧、ひいてはNOx濃度の低減度合いが大きく異なることとなる。
発明の方法は、燃焼室内に導入する前の給気または掃気を加湿するとともに、燃焼室内でも給気または掃気を加湿することとし、燃焼室内導入前の上記加湿には海水および淡水を使用し、燃焼室内における上記加湿には淡水のみを使用する。
この方法では、燃焼室内に導入する前の給気または掃気を加湿するとともに、燃焼室内でも給気または掃気を加湿する(燃焼室内での加湿の時期は、「圧縮行程にあって燃料が噴射される前」とは限らない)。前述のように、燃焼室内導入前の加湿のみによっては圧縮行程にある燃焼室内で給気または掃気の相対湿度が低下するため、燃焼室内に導入された後の、多少でも温度が上昇した給気または掃気に対して再度加湿するのである。これにより、給気または掃気中の酸素分圧を効果的に下げることができ、NOx濃度を顕著に低減することが可能になる。
またこの方法は、燃焼室内における加湿に淡水のみを使用するとともに、燃焼室内導入前の加湿には海水および淡水を使用するので、塩分の進入を防止してシリンダ内の摺動状態を良好に保ちながらも淡水の使用量を抑制でき、舶用のディーゼル機関においても無理なくNOx濃度を低減することができる。
燃焼室内導入前の上記加湿を、その時点での給気または掃気の相対湿度が100%になるように行い、燃焼室内における上記加湿は、燃焼室内導入前の上記加湿と同量または同量程度の水分が付加されるように行うとよい。
発明者らの調査によると、給気または掃気に対する上記二つの加湿による各水量を上記のように定めるのが、排ガスにおけるNOxの低減と燃費変化の観点から効果的である。
燃焼室内導入前の上記加湿には、給気または掃気の流路に海水および淡水の各噴射手段と各噴射手段に付設された液滴分離手段とを有するスクラバーを使用し、燃焼室内における上記加湿には、上記スクラバーに供給する淡水と共通の淡水を燃焼室内に噴射する水噴射弁を使用するのがよい。
上記のようなスクラバーを使用すると、上記各噴射手段によって給気または掃気を冷却しながら加湿し、過剰水分である液滴を液滴分離手段によって除去することができる。先に海水噴射手段により海水を噴射したうえ液滴分離手段を使用し、その後に淡水噴射手段によって淡水を噴射して液滴分離手段を用いるようにすると、スクラバーを出て燃焼室に向かう給気または掃気に海水の塩分が含まれないようにすることができる。
また、燃焼室内における加湿には水噴射弁を使用し、上記スクラバーに供給する淡水と共通の淡水を噴射するので、設備およびその使用がシンプルなものになる。
上記方法については、とくにつぎのような手順を採用するとよい。すなわち、
1) 給気または掃気についての最適酸素分圧を入力して設定し、
2) 設定されたその最適酸素分圧と別途検出される機関負荷とから、着火直前(燃料噴射直前)の燃焼室内空気が上記最適酸素分圧となるための必要総加湿量を演算し、
3) 上記で検出される機関負荷と設定された燃費とから、(演算により、または記憶した対応関係より)給気または掃気の質量流量を求めたうえ、
4) 燃焼室内への導入前の給気または掃気について検出される温度とそれに対応する飽和蒸気圧と上記質量流量とに基づいて、燃焼室内への導入前の給気または掃気における飽和蒸気量を演算し、
5) 上記2)の必要総加湿量と上記4)の飽和蒸気量との差に相当する水量を、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内に加湿する。
このようにすると、燃焼室内への導入前の加湿と燃焼室内における上記加湿とにより、燃焼室内における加湿量を上記2)にて演算する必要総加湿量にし、当該燃焼室での酸素分圧を上記1)にて設定した最適酸素分圧にすることができる。そしてそれにより、ディーゼル機関における排ガス中のNOx濃度の低減等について最大限の効果を得ることが可能になる。
上記1)で設定する最適酸素分圧は、NOx低減とともに燃費の悪化を最小限とする値に設定すると好ましい。
こうしてNOxの低減効果に対して燃費の悪化を最小限とすることができれば、環境面でもコストの面でもきわめて好ましい。このように、上記1)〜5)の手順をとる場合には、目標値とする酸素分圧を適切に設定することにより、NOx低減とともに種々の効果を得ることができ、その点でも有利である。
発明のディーゼル機関は、燃焼室に水噴射弁を有していて上記のNOx低減方法を行うものである。この機関によれば、上記それぞれの方法を実施して排ガス中のNOx濃度を効果的に低減することができる。
ディーゼル機関における発明のNOx低減方法によると、給気中または掃気中の酸素分圧を大幅に下げることができ、もってディーゼル機関における排ガス中のNOx濃度を効果的に低減することができる。
燃焼室内に導入する前にも給気または掃気を加湿し、燃焼室内導入前のその加湿には海水および淡水を使用するようにすれば、淡水の使用量を抑制でき、舶用のディーゼル機関においても無理なくNOx濃度を低減できる。
また、発明のディーゼル機関によれば、上記の方法等を実施して排ガス中のNOx濃度を効果的に低減することができる。
発明の実施に関する形態を図1〜図5に示す。図1は、発明によるディーゼル機関とその排気および掃気の流路を示す系統図であり、図2は、図1のディーゼル機関についてシリンダ1の上部付近を示す縦断面図である。図3・図4・図5のそれぞれは、ディーゼル機関の燃焼室圧力、燃焼室温度、および相対湿度についての線図であり、クランク角の変化にともなう各変化を示す。
図1に示すディーゼル機関は、過給機付きの舶用2サイクル機関である。シリンダ1とピストン31、排気弁4などに囲まれた燃焼室(図2の符号32)内で燃焼することにより発生した排気は、排気管3および排気出口管5を経由し、過給機タービン6を駆動したうえタービン排気出口管7より排出される。過給機タービン6は過給機ロータ軸8を介して過給機ブロア9を回転させるため、空気は当該過給機ブロア9で加圧され、ブロア出口管11を通って掃気管2に向かう。掃気管2に入った空気(掃気)は、シリンダ1の下部にある掃気ポート(図示省略)よりシリンダ1内に導入される。図2のように燃焼室32には燃料噴射弁33が設けられており、ピストン31が上昇して掃気が圧縮された燃焼室32内にその噴射弁33が燃料を噴射することにより、燃焼(爆発)を起こさせる。なお、図示の機関は多気筒であり、複数のシリンダ1が並んで配置されている。
図1・図2のディーゼル機関では、排気中のNOx濃度を低減する目的で、掃気中に加湿(水蒸気の付加)を行って当該掃気の酸素分圧を下げることとしている。加湿のための手段は2種類配置していて、一つは掃気管2に向かうブロア出口管11に設けたスクラバー(空気冷却器兼加湿器)12であり、もう一つは、燃焼室32に取り付けた水噴射弁30である。
スクラバー12は、掃気の通路であるブロア出口管11に、海水噴射手段と液滴分離手段、および清水(淡水)噴射手段と液滴分離手段(いずれも図示省略)を有するもので、各噴射手段によって掃気を冷却および加湿するとともに、過剰水分である液滴を液滴分離手段によって除去する。掃気は、ここでの加湿によって飽和湿り蒸気になるまで加湿される。
スクラバー12には、上記の各噴射手段と液滴分離手段のために図のように海水入口13と海水出口14、および清水入口15と清水出口16を設けている。海水を併用するために清水の使用量を抑制できるが、海水の噴射と液滴分離とを清水の噴射等よりも先に行うため、海水の塩分がシリンダ1内に入ることが避けられる。
上記のようにスクラバー12によって掃気中に加湿を行っても、その掃気は過給機ブロア9の作用で圧力を高められているため、加湿による相対湿度の上昇幅はあまり大きくならない。また掃気は、シリンダ1内に導入されたのちピストン31等の作用で圧縮され、温度上昇することにより飽和蒸気圧が高くなるため相対湿度が再び低下する。図示のディーゼル機関ではその点を考慮して、清水(淡水)を霧状に噴射する水噴射弁30を加湿手段として、燃焼室32を構成するシリンダカバー上に取り付けたのである。
つまり、加湿された掃気がシリンダ1内に導入されたとき、例えばクランク角度が上死点前180°程度にある時点ではその相対湿度が約100%であっても、ピストン圧縮行程により例えば上死点前90°程度からシリンダ1内のガスが高温になり、飽和蒸気圧が上昇することから相対湿度が低下する。そのことは、燃焼室圧力、燃焼室温度、および相対湿度の各変化を示す図3〜図5に示されるとおりである。
水噴射弁30は、燃焼室32内の相対湿度が低下するタイミングに合わせて、ピストン31が上昇する圧縮行程であって燃料が噴射される前の時期に燃焼室32内に清水を噴射する。単発的または連続的に、上死点前90°から上死点までの間に噴射するのがとくに有利である。そのように水噴射弁30を使用すると、シリンダ1内への導入前の掃気に比べて一層の加湿を行うことが可能となる。
図示のディーゼル機関では、以上のように燃焼室32の外と燃焼室32内とにおける両方の加湿を行うことにより、掃気における酸素分圧を大幅に低下させ、緩慢な燃焼を実現して排気中のNOx濃度を顕著に低減することができる。図では2サイクル機関について例示したが、4サイクルのディーゼル機関においても同様に、燃焼室内導入前と燃焼室内での圧縮行程においてそれぞれ給気に加湿することにより、酸素分圧の低下を経てNOxの効果的な低減を図ることができる。
図1・図2のディーゼル機関等において実施できる制御の一例を図6に示す。この例では、つぎのような手順によりスクラバーおよび燃焼室において加湿(水蒸気の付加)を行う。すなわち、
1) NOx低減に対し、燃費の悪化が最小限となるように掃気についての最適酸素分圧(最適酸素濃度)設定値を定め、それを目標値として総加湿量設定値演算器Aに入力し設定する。
2) 燃料ラック値または過給機回転数と主機回転数から機関(主機)の負荷を別途演算し、それを総加湿量設定値演算器Aに入力する。同演算器Aには、上記で求められる機関負荷と標準プリセット燃費とから求められる掃気質量流量についても入力し、最適酸素分圧と機関負荷等から、着火直前(燃料噴射直前)のシリンダ(燃焼室)内空気が1)で入力した最適酸素分圧設定値となる総加湿量設定値を演算させる。
3) プリセットされた過給機台数と過給機タービン流量無次元数、タービン前圧力、タービン前温度、2)で求めた機関負荷、機関負荷に応じた標準プリセット燃費からスクラバー前における掃気の質量流量を算出する。または、機関負荷に応じた掃気質量流量をあらかじめ保存させておき、それにより掃気の質量流量を算出する。
4) そうして算出した掃気の質量流量を飽和蒸気量演算器Bに入力するとともに、同演算器Bには、スクラバー出口での(つまり燃焼室内への導入前の)掃気について検出されるスクラバー出口温度とスクラバー出口圧力をも入力し、それらに基づいてスクラバー出口での掃気(その相対湿度は100%である)における飽和蒸気量を演算させる。なお、スクラバー出口圧力については、通常のディーゼル機関に装備されている掃気圧力検出器の出力信号を代用することにより、制御の簡略化が可能になる。
5) 総加湿量設定値演算器Aが演算した総加湿量設定値と、飽和蒸気量演算器Bが演算したスクラバー出口飽和蒸気量との差を加算機Cで求めてシリンダ水噴射量設定値とし、それを噴射期間演算器Dに入力する。同演算器Dが求める水噴射期間設定値と、別途検出するクランク角度とを噴射タイミング演算器Eに入力することにより適切な噴射タイミング(上死点前90°から上死点までの間の適切な時期)を演算させ、それを水噴射弁駆動指令として、燃焼室内の水噴射弁を駆動させる。
上記1)〜5)のようにすることにより、燃焼室内の酸素分圧を好ましいものにすることが可能になる。
発明の実施に関する形態を示す図であって、発明によるディーゼル機関とその排気および掃気の流路を示す系統図である。 図1のディーゼル機関について、シリンダ1の上部付近を示す縦断面図である。 クランク角の変化にともなう燃焼室圧力の変化を示す線図である。 クランク角の変化にともなう燃焼室温度の変化を示す線図である。 クランク角の変化にともなう燃焼室内相対湿度の変化を示す線図である。 図1のディーゼル機関等において実施できる制御を示す機能ブロック図である。 従来のディーゼル機関の概要を示す系統図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 掃気管
9 過給機ブロア
12 スクラバー(空気冷却器兼加湿器)
30 水噴射弁
31 ピストン
32 燃焼室

Claims (5)

  1. 圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内で、給気または掃気を加湿することにより給気中または掃気中の酸素分圧を下げること
    燃焼室内に導入する前においても給気または掃気を加湿し、燃焼室内への導入前の当該加湿には海水および淡水を使用し、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内における上記加湿には淡水のみを使用すること、
    および、
    給気または掃気についての最適酸素分圧を入力して設定し、
    設定されたその最適酸素分圧と別途検出される機関負荷とから、着火直前の燃焼室内空気が上記最適酸素分圧となるための必要総加湿量を演算し、
    上記で検出される機関負荷と設定された燃費とから、給気または掃気の質量流量を求めたうえ、
    燃焼室内への導入前の給気または掃気について検出される温度とそれに対応する飽和蒸気圧と上記質量流量とに基づいて、燃焼室内への導入前の給気または掃気における飽和蒸気量を演算し、
    上記の必要総加湿量と上記の飽和蒸気量との差に相当する水量を、圧縮行程にあって燃料が噴射される前の燃焼室内に加湿すること
    を特徴とするディーゼル機関におけるNOx低減方法。
  2. 燃焼室内導入前の上記加湿を、その時点での給気または掃気の相対湿度が100%になるように行い、燃焼室内における上記加湿は、燃焼室内導入前の上記加湿と同量程度の水分が付加されるように行うことを特徴とする請求項1に記載したディーゼル機関におけるNOx低減方法。
  3. 燃焼室内導入前の上記加湿には、給気または掃気の流路に海水および淡水の各噴射手段と各噴射手段に付設された液滴分離手段とを有するスクラバーを使用し、燃焼室内における上記加湿には、上記スクラバーに供給する淡水と共通の淡水を燃焼室内に噴射する水噴射弁を使用することを特徴とする請求項1に記載したディーゼル機関におけるNOx低減方法。
  4. 上記の最適酸素分圧が、NOx低減とともに燃費悪化を最小限とする値に設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したディーゼル機関におけるNOx低減方法。
  5. 燃焼室に水噴射弁を有していて、請求項1〜4のいずれかに記載のNOx低減方法を行うことを特徴とするディーゼル機関。
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