JP2002054510A - エンジンの蒸気注入システム - Google Patents
エンジンの蒸気注入システムInfo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
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- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃費の上昇を抑えつつ年間を通してNOxを
低レベルに抑制でき、突始め等の機関調整を季節ごとに
行う必要がないエンジンの蒸気注入システムを提供す
る。 【解決手段】 エンジンの蒸気注入システムにおいて、
各気筒の給気ポートに連通する給気管7に接続され蒸気
発生源5からの蒸気を給気ポートに注入可能にする蒸気
ライン9と、蒸気ライン9に介装されバルブ開度調整信
号が入力されることによって蒸気の注入量を可変させる
流量調整弁11と、給気管7に供給される空気の湿度が
目標絶対湿度になるのに必要な水分量を演算し且つこの
必要な水分量を注入させるバルブ開度調整信号を流量調
整弁11へ出力する制御手段21とを設けた。
低レベルに抑制でき、突始め等の機関調整を季節ごとに
行う必要がないエンジンの蒸気注入システムを提供す
る。 【解決手段】 エンジンの蒸気注入システムにおいて、
各気筒の給気ポートに連通する給気管7に接続され蒸気
発生源5からの蒸気を給気ポートに注入可能にする蒸気
ライン9と、蒸気ライン9に介装されバルブ開度調整信
号が入力されることによって蒸気の注入量を可変させる
流量調整弁11と、給気管7に供給される空気の湿度が
目標絶対湿度になるのに必要な水分量を演算し且つこの
必要な水分量を注入させるバルブ開度調整信号を流量調
整弁11へ出力する制御手段21とを設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定置型発電設備
用、船舶推進装置用、船内発電設備用等に用いられるエ
ンジンの排気中のNOx濃度を低減するエンジンの蒸気
注入システムに関する。
用、船舶推進装置用、船内発電設備用等に用いられるエ
ンジンの排気中のNOx濃度を低減するエンジンの蒸気
注入システムに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気中には、燃料が高温で燃
焼するとき、空気中の窒素が酸化されてできるNOx
(窒素酸化物)が含まれる。xは、通常1又は2、つま
りNO(一酸化窒素)とNO2 (二酸化窒素)をいう。
混合気中のN2 (窒素ガス)はO2 (酸素ガス)と結合
(酸化)しにくい安定した気体であるが、混合気が高温
で燃焼するときには一部が酸化してNOとなって排出さ
れ、外気中でさらに酸化されてNO2 となる。このNO
2 は、刺激臭の強い有害な気体で、光化学スモッグの主
原因となるといわれている。NOxの発生は、燃焼温度
が最高になる理論空燃比付近で最も多く発生する。
焼するとき、空気中の窒素が酸化されてできるNOx
(窒素酸化物)が含まれる。xは、通常1又は2、つま
りNO(一酸化窒素)とNO2 (二酸化窒素)をいう。
混合気中のN2 (窒素ガス)はO2 (酸素ガス)と結合
(酸化)しにくい安定した気体であるが、混合気が高温
で燃焼するときには一部が酸化してNOとなって排出さ
れ、外気中でさらに酸化されてNO2 となる。このNO
2 は、刺激臭の強い有害な気体で、光化学スモッグの主
原因となるといわれている。NOxの発生は、燃焼温度
が最高になる理論空燃比付近で最も多く発生する。
【0003】従来、この排気中のNOx濃度を低減させ
るには、触媒コンバーターや、排気再循環方(EG
R)、点火時期遅延方等が採用される。触媒コンバータ
ーは、白金、パナジウム、銅、マンガン等の金属やその
酸化物を、ハニカム状の担持体に含ませたり、ペレット
状にし、この中に排気ガスを通すことにより、NOx等
の有害成分を化学反応によって無害化する。また、排気
再循環方は、排気ガスの一部を吸気中に戻し、排気ガス
に含まれるCO2 によって燃焼ガスの温度を下げ、窒素
の酸化反応を抑制する。これら触媒コンバーター、排気
再循環方は、ガソリン・エンジンに適する。大型のディ
ーゼルエンジンの場合では、アンモニウム又は尿素によ
る脱硝技術で対応すると、設備・メンテナンス費用の嵩
む問題がある。
るには、触媒コンバーターや、排気再循環方(EG
R)、点火時期遅延方等が採用される。触媒コンバータ
ーは、白金、パナジウム、銅、マンガン等の金属やその
酸化物を、ハニカム状の担持体に含ませたり、ペレット
状にし、この中に排気ガスを通すことにより、NOx等
の有害成分を化学反応によって無害化する。また、排気
再循環方は、排気ガスの一部を吸気中に戻し、排気ガス
に含まれるCO2 によって燃焼ガスの温度を下げ、窒素
の酸化反応を抑制する。これら触媒コンバーター、排気
再循環方は、ガソリン・エンジンに適する。大型のディ
ーゼルエンジンの場合では、アンモニウム又は尿素によ
る脱硝技術で対応すると、設備・メンテナンス費用の嵩
む問題がある。
【0004】このことから、ディーゼルエンジンの場合
には、燃料噴射時期(突始め)を調整することによりN
Ox濃度の低減が実現されている。すなわち、燃料噴射
時期を、燃焼室内の圧力が最高となる圧縮行程の後半、
ピストンの上死点近くに設定することにより、爆発力に
大きな影響を及ぼさない範囲で燃焼温度、圧力とを低下
させ、NOxの発生を低減させていた。
には、燃料噴射時期(突始め)を調整することによりN
Ox濃度の低減が実現されている。すなわち、燃料噴射
時期を、燃焼室内の圧力が最高となる圧縮行程の後半、
ピストンの上死点近くに設定することにより、爆発力に
大きな影響を及ぼさない範囲で燃焼温度、圧力とを低下
させ、NOxの発生を低減させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料噴
射時期(突始め)を調整することによりNOxを低減さ
せる方法は、夏場の絶対湿度が高い時期に、エンジン調
整して客先へ納めた場合、夏場は排ガス規制値内に収ま
るが、図8に示すように冬場の乾燥時には絶対湿度が低
くなり、排ガス規制値をクリアできない事態が生じ得
る。また、夏場と冬場においては燃焼最高圧力が変化す
るため、突始め等の機関調整を行わなければならない場
合がある。これは、季節によって図8に示したように絶
対湿度が変化するために生ずる調整であり、その都度エ
ンジンの停止が強いられ、調整工数が発生した。
射時期(突始め)を調整することによりNOxを低減さ
せる方法は、夏場の絶対湿度が高い時期に、エンジン調
整して客先へ納めた場合、夏場は排ガス規制値内に収ま
るが、図8に示すように冬場の乾燥時には絶対湿度が低
くなり、排ガス規制値をクリアできない事態が生じ得
る。また、夏場と冬場においては燃焼最高圧力が変化す
るため、突始め等の機関調整を行わなければならない場
合がある。これは、季節によって図8に示したように絶
対湿度が変化するために生ずる調整であり、その都度エ
ンジンの停止が強いられ、調整工数が発生した。
【0006】一方、ガスエンジンの場合、燃料に対する
空気の割合を多く、いわゆる希薄混合気を形成して燃焼
時の温度を下げることによりNOx生成を抑制する方法
がある。しかしながら、希薄混合気であるがために火炎
伝播の安定性に乏しく、極端な燃焼変動や失火を生じ易
い。また、燃焼空気中の絶対湿度がNOx生成に与える
影響はディーゼルと同じである。すなわち、同一のエン
ジン調整としても、夏場は排ガス規制内におさまるが、
冬場の乾燥時には絶対湿度が低くなり、排ガス規制値を
クリアできない自体が生じ得る。場合によっては、季節
または絶対湿度の変化に応じて、混合気中の燃料と空気
の比率を調整することが必要となる。より希薄な状態に
調整すると、燃焼不安定となったり、熱効率の低下を招
いたりする。
空気の割合を多く、いわゆる希薄混合気を形成して燃焼
時の温度を下げることによりNOx生成を抑制する方法
がある。しかしながら、希薄混合気であるがために火炎
伝播の安定性に乏しく、極端な燃焼変動や失火を生じ易
い。また、燃焼空気中の絶対湿度がNOx生成に与える
影響はディーゼルと同じである。すなわち、同一のエン
ジン調整としても、夏場は排ガス規制内におさまるが、
冬場の乾燥時には絶対湿度が低くなり、排ガス規制値を
クリアできない自体が生じ得る。場合によっては、季節
または絶対湿度の変化に応じて、混合気中の燃料と空気
の比率を調整することが必要となる。より希薄な状態に
調整すると、燃焼不安定となったり、熱効率の低下を招
いたりする。
【0007】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、燃費の低下は抑えつつ年間を通してNOxを低レベ
ルに抑制でき、突始め等の機関調整を季節ごとに行う必
要がないエンジンの蒸気注入システムを提供することを
目的とする。
で、燃費の低下は抑えつつ年間を通してNOxを低レベ
ルに抑制でき、突始め等の機関調整を季節ごとに行う必
要がないエンジンの蒸気注入システムを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る請求項1記載のエンジンの蒸気注入シス
テムは、エンジンの各気筒の給気ポートに連通する給気
管に接続され蒸気発生源からの蒸気を前記給気ポートに
注入可能にする蒸気ラインと、該蒸気ラインに介装され
バルブ開度調整信号が入力されることによって前記蒸気
の注入量を可変させる流量調整弁と、前記エンジン外部
の周囲環境を計測して得られる絶対湿度に基づき得られ
る吸入空気水分量と、前記エンジンに対して供給させる
目標絶対湿度を有する空気の目標水分量とを比較演算
し、前記給気管に供給される空気の湿度が前記目標絶対
湿度になるのに必要な水分量を演算しかつ該必要な水分
量に相当する蒸気を注入させる前記バルブ開度調整信号
を前記流量調整弁へ出力する制御手段とを具備したこと
を特徴とする。
の本発明に係る請求項1記載のエンジンの蒸気注入シス
テムは、エンジンの各気筒の給気ポートに連通する給気
管に接続され蒸気発生源からの蒸気を前記給気ポートに
注入可能にする蒸気ラインと、該蒸気ラインに介装され
バルブ開度調整信号が入力されることによって前記蒸気
の注入量を可変させる流量調整弁と、前記エンジン外部
の周囲環境を計測して得られる絶対湿度に基づき得られ
る吸入空気水分量と、前記エンジンに対して供給させる
目標絶対湿度を有する空気の目標水分量とを比較演算
し、前記給気管に供給される空気の湿度が前記目標絶対
湿度になるのに必要な水分量を演算しかつ該必要な水分
量に相当する蒸気を注入させる前記バルブ開度調整信号
を前記流量調整弁へ出力する制御手段とを具備したこと
を特徴とする。
【0009】このエンジンの蒸気注入システムでは、給
気管と蒸気発生源とが蒸気ラインによって接続され、こ
の蒸気ラインに流量調整弁が介装される。そして、目標
絶対湿度になるための必要な水分量が給気管に注入され
るように、この流量調整弁が制御手段によって制御され
る。従って、現状の絶対湿度に応じて、燃焼用空気中に
必要な水分量が注入され、年間の絶対湿度格差をなくす
ことが可能になる。これにより、常に、一定の絶対湿度
に相当する周囲条件でエンジンの運転が行えるようにな
り、年間を通してNOxを低レベルに抑制することがで
きるようになる。
気管と蒸気発生源とが蒸気ラインによって接続され、こ
の蒸気ラインに流量調整弁が介装される。そして、目標
絶対湿度になるための必要な水分量が給気管に注入され
るように、この流量調整弁が制御手段によって制御され
る。従って、現状の絶対湿度に応じて、燃焼用空気中に
必要な水分量が注入され、年間の絶対湿度格差をなくす
ことが可能になる。これにより、常に、一定の絶対湿度
に相当する周囲条件でエンジンの運転が行えるようにな
り、年間を通してNOxを低レベルに抑制することがで
きるようになる。
【0010】請求項2記載のエンジンの蒸気注入システ
ムは、前記供給管に空気冷却器が設けられ、該空気冷却
器によって冷却された空気が前記給気ポートに給気され
る請求項1記載のエンジンの蒸気注入システムにおい
て、前記蒸気ラインからの蒸気が、前記空気冷却器の給
気方向下流側に注入されることを特徴とする。
ムは、前記供給管に空気冷却器が設けられ、該空気冷却
器によって冷却された空気が前記給気ポートに給気され
る請求項1記載のエンジンの蒸気注入システムにおい
て、前記蒸気ラインからの蒸気が、前記空気冷却器の給
気方向下流側に注入されることを特徴とする。
【0011】このエンジンの蒸気注入システムでは、蒸
気ラインからの蒸気が、空気冷却器の給気方向下流側に
注入されるため、蒸気が、空気冷却器の給気方向上流側
に注入された場合に生じる、空気冷却器内での蒸気の一
部凝結が発生しない。これにより、注入蒸気が、燃焼用
空気の絶対湿度制御のために効果的に利用されることに
なり、また、凝結水がシリンダ内へ混入することによる
燃費の悪化が防止される。
気ラインからの蒸気が、空気冷却器の給気方向下流側に
注入されるため、蒸気が、空気冷却器の給気方向上流側
に注入された場合に生じる、空気冷却器内での蒸気の一
部凝結が発生しない。これにより、注入蒸気が、燃焼用
空気の絶対湿度制御のために効果的に利用されることに
なり、また、凝結水がシリンダ内へ混入することによる
燃費の悪化が防止される。
【0012】請求項3記載のエンジンの蒸気注入システ
ムは、絶対湿度、給気温度の周囲条件によってNOx値
を補正する係数が1になるように、前記制御手段によっ
て前記流量調整弁が制御されることを特徴とする。
ムは、絶対湿度、給気温度の周囲条件によってNOx値
を補正する係数が1になるように、前記制御手段によっ
て前記流量調整弁が制御されることを特徴とする。
【0013】このエンジンの蒸気注入システムでは、制
御手段により流量調整弁が制御され、絶対湿度、給気温
度の周囲条件によってNOx値を補正する係数が1(E
PA換算値が1)、すなわち、関東地方の5月程度の絶
対湿度及び気温に相当する一定の周囲条件での運転が可
能になる。
御手段により流量調整弁が制御され、絶対湿度、給気温
度の周囲条件によってNOx値を補正する係数が1(E
PA換算値が1)、すなわち、関東地方の5月程度の絶
対湿度及び気温に相当する一定の周囲条件での運転が可
能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るエンジンの蒸
気注入システムの好適な実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。図1は本発明に係る蒸気注入システムの
構成図、図2は制御手段による蒸気流量制御の処理手順
を示した流れ図、図3は蒸気注入と機関性能との関係を
表した相関図、図4は蒸気注入位置ごとの機関性能の比
較図、図5は蒸気注入によるNOxの低減率を示した相
関図、図6は蒸気注入の有無による年間NOxの格差を
示した比較図である。
気注入システムの好適な実施の形態を図面を参照して詳
細に説明する。図1は本発明に係る蒸気注入システムの
構成図、図2は制御手段による蒸気流量制御の処理手順
を示した流れ図、図3は蒸気注入と機関性能との関係を
表した相関図、図4は蒸気注入位置ごとの機関性能の比
較図、図5は蒸気注入によるNOxの低減率を示した相
関図、図6は蒸気注入の有無による年間NOxの格差を
示した比較図である。
【0015】例えば、コージェネレーションに使用され
るエンジン1の出力軸1aには発電機3が接続されてい
る。また、コージェネレーションや船舶用に使用される
エンジンは、しばしば排気ガスの熱を利用して蒸気を発
生させ、それを使用している。本実施の形態によるエン
ジンの蒸気注入システムにおいても、この蒸気発生源
(蒸気ボイラー5)が設けられていることを前提とす
る。なお、このように蒸気が容易に入手できないプラン
ト又は船舶の場合には、蒸気発生装置が単独で設けられ
てもよい。
るエンジン1の出力軸1aには発電機3が接続されてい
る。また、コージェネレーションや船舶用に使用される
エンジンは、しばしば排気ガスの熱を利用して蒸気を発
生させ、それを使用している。本実施の形態によるエン
ジンの蒸気注入システムにおいても、この蒸気発生源
(蒸気ボイラー5)が設けられていることを前提とす
る。なお、このように蒸気が容易に入手できないプラン
ト又は船舶の場合には、蒸気発生装置が単独で設けられ
てもよい。
【0016】エンジン1は、図示しない気筒の給気ポー
トに、給気管7が連結されている。この給気管7には図
示しない空気冷却器が設けられている。つまり、給気管
7には、空気冷却器によって冷却された空気が、給気ポ
ートに給気されるようになっている。
トに、給気管7が連結されている。この給気管7には図
示しない空気冷却器が設けられている。つまり、給気管
7には、空気冷却器によって冷却された空気が、給気ポ
ートに給気されるようになっている。
【0017】ここで、給気管7と蒸気ボイラー5とは、
蒸気ライン9によって接続されている。蒸気ライン9
は、給気管7に設けられた空気冷却器の排気側に接続さ
れている。従って、蒸気ライン9を介して蒸気ボイラー
5から送られた蒸気は、空気冷却器を通過することな
く、空気冷却器の給気方向下流側に注入され、給気ポー
トに注入される。
蒸気ライン9によって接続されている。蒸気ライン9
は、給気管7に設けられた空気冷却器の排気側に接続さ
れている。従って、蒸気ライン9を介して蒸気ボイラー
5から送られた蒸気は、空気冷却器を通過することな
く、空気冷却器の給気方向下流側に注入され、給気ポー
トに注入される。
【0018】この蒸気ライン9には流量調整弁11が介
装され、流量調整弁11は後述する制御手段からのバル
ブ開度調整信号が入力されることによって、蒸気の注入
量を可変可能にしている。
装され、流量調整弁11は後述する制御手段からのバル
ブ開度調整信号が入力されることによって、蒸気の注入
量を可変可能にしている。
【0019】また、流量調整弁11と蒸気ボイラー5と
の間には、蒸気流の上流側より、一次圧力調整弁13、
温度センサ15、圧力センサ17、蒸気流量計19とが
順次介装されている。このうち、温度センサ15、圧力
センサ17、蒸気流量計19は、後述の制御手段に接続
され、蒸気ライン9を流れる蒸気の温度、圧力、流量の
値を電気信号として出力するようになっている。
の間には、蒸気流の上流側より、一次圧力調整弁13、
温度センサ15、圧力センサ17、蒸気流量計19とが
順次介装されている。このうち、温度センサ15、圧力
センサ17、蒸気流量計19は、後述の制御手段に接続
され、蒸気ライン9を流れる蒸気の温度、圧力、流量の
値を電気信号として出力するようになっている。
【0020】制御手段は、入力信号を電気的に演算処理
するとともに、その演算結果を電気的な制御信号として
出力可能な例えばシーケンサー、マイクロコンピュータ
等からなる。この実施の形態では、制御手段がシーケン
サー21である場合を例に説明する。このシーケンサー
21には、上述の温度センサ15、圧力センサ17、蒸
気流量計19からの信号に加えて、給気管7の入口に設
けられた圧力センサ23からの給気圧力、エンジン1の
出力軸1aに設けられた回転センサ25からの機関回転
数が入力されるようになっている。
するとともに、その演算結果を電気的な制御信号として
出力可能な例えばシーケンサー、マイクロコンピュータ
等からなる。この実施の形態では、制御手段がシーケン
サー21である場合を例に説明する。このシーケンサー
21には、上述の温度センサ15、圧力センサ17、蒸
気流量計19からの信号に加えて、給気管7の入口に設
けられた圧力センサ23からの給気圧力、エンジン1の
出力軸1aに設けられた回転センサ25からの機関回転
数が入力されるようになっている。
【0021】また、シーケンサー21には、エンジン1
の周囲環境の状態を検出するための温度センサ27、相
対湿度センサ29、絶対圧力センサ(大気圧センサ)3
1が接続され、これらの周囲環境条件が検出されて入力
されるようになっている。
の周囲環境の状態を検出するための温度センサ27、相
対湿度センサ29、絶対圧力センサ(大気圧センサ)3
1が接続され、これらの周囲環境条件が検出されて入力
されるようになっている。
【0022】このエンジンの蒸気注入システムでは、蒸
気ボイラー5からの蒸気の一部をエンジン1の給気管7
に注入し、これによって燃焼用空気中の絶対湿度を制御
して、NOx値を制御する。
気ボイラー5からの蒸気の一部をエンジン1の給気管7
に注入し、これによって燃焼用空気中の絶対湿度を制御
して、NOx値を制御する。
【0023】この絶対湿度の制御は、図1に示すよう
に、シーケンサー21による演算と流量調整弁11の制
御とによって行われる。すなわち、シーケンサー21
は、温度センサ27、相対湿度センサ29、絶対圧力セ
ンサ31からの検出値に基づいて絶対湿度の演算33を
行う。また、温度センサ15、圧力センサ17、蒸気流
量計19からの検出値に基づいて蒸気流量の演算35を
行う。
に、シーケンサー21による演算と流量調整弁11の制
御とによって行われる。すなわち、シーケンサー21
は、温度センサ27、相対湿度センサ29、絶対圧力セ
ンサ31からの検出値に基づいて絶対湿度の演算33を
行う。また、温度センサ15、圧力センサ17、蒸気流
量計19からの検出値に基づいて蒸気流量の演算35を
行う。
【0024】そして、演算33により求めた絶対湿度
と、圧力センサ23、回転センサ25からの検出値に基
づいて乾き空気量を含めた吸入空気水分量の演算37を
行う。さらに、この吸入空気水分量の演算結果と、上述
した蒸気流量の演算結果に基づいて吸入空気水分量と目
標水分量との比較演算39を行う。この比較演算に基づ
いて注入に必要な水分量を求め、この必要な水分量を注
入するよう流量調整弁11へバルブ開度調整信号を出力
するようになっている。
と、圧力センサ23、回転センサ25からの検出値に基
づいて乾き空気量を含めた吸入空気水分量の演算37を
行う。さらに、この吸入空気水分量の演算結果と、上述
した蒸気流量の演算結果に基づいて吸入空気水分量と目
標水分量との比較演算39を行う。この比較演算に基づ
いて注入に必要な水分量を求め、この必要な水分量を注
入するよう流量調整弁11へバルブ開度調整信号を出力
するようになっている。
【0025】つまり、現状の絶対湿度に対応する吸入空
気水分量、及び目標絶対湿度に対応する目標水分量の演
算に基づき、給気管7に供給される空気の湿度が目標絶
対湿度になるのに必要な水分量を演算し、かつこの必要
な水分量を注入させるバルブ開度調整信号を流量調整弁
11へ出力するようになっている。
気水分量、及び目標絶対湿度に対応する目標水分量の演
算に基づき、給気管7に供給される空気の湿度が目標絶
対湿度になるのに必要な水分量を演算し、かつこの必要
な水分量を注入させるバルブ開度調整信号を流量調整弁
11へ出力するようになっている。
【0026】ここで、シーケンサー21による蒸気流量
制御の処理手順を図2を参照しながらさらに詳しく説明
する。まず、温度センサ27、相対湿度センサ29、絶
対圧力センサ31からの周囲条件の計測(st.1)に
より、現状の絶対湿度Xを演算する(st.3)。ま
た、絶対湿度Xと、圧力センサ23、回転センサ25か
らの給気圧力、機関回転数の計測(st.5)から、乾
き空気量Qdを予測演算する(st.7)。
制御の処理手順を図2を参照しながらさらに詳しく説明
する。まず、温度センサ27、相対湿度センサ29、絶
対圧力センサ31からの周囲条件の計測(st.1)に
より、現状の絶対湿度Xを演算する(st.3)。ま
た、絶対湿度Xと、圧力センサ23、回転センサ25か
らの給気圧力、機関回転数の計測(st.5)から、乾
き空気量Qdを予測演算する(st.7)。
【0027】この乾き空気量Qdから、現状の絶対湿度
に対する空気中の水分量Qd*Xを演算する(st.
9)。一方、目標絶対湿度Xtは手入力等により設定さ
れ(st.11)、この目標絶対湿度Xtと上記の乾き
空気量Qdとから目標絶対湿度に対する空気中の水分量
Qd*Xtが演算される(st.13)。この目標絶対
湿度に対する空気中の水分量Qd*Xtと、上記現状の
絶対湿度に対する空気中の水分量Qd*Xとから、必要
な水分(蒸気)量(Xt−X)*Qdが演算され(s
t.15)、この値に基づいて蒸気流量制御(st.1
7)が行われる。
に対する空気中の水分量Qd*Xを演算する(st.
9)。一方、目標絶対湿度Xtは手入力等により設定さ
れ(st.11)、この目標絶対湿度Xtと上記の乾き
空気量Qdとから目標絶対湿度に対する空気中の水分量
Qd*Xtが演算される(st.13)。この目標絶対
湿度に対する空気中の水分量Qd*Xtと、上記現状の
絶対湿度に対する空気中の水分量Qd*Xとから、必要
な水分(蒸気)量(Xt−X)*Qdが演算され(s
t.15)、この値に基づいて蒸気流量制御(st.1
7)が行われる。
【0028】従って、このエンジンの蒸気注入システム
では、表1に示す計測事項を事前に計測し、これをシー
ケンサー21による演算プログラムに入力させること
で、蒸気流量の制御が可能になる。また、陸用、船用等
の他機関の場合には、各負荷率(110、100、7
5、50、25%)において表1に示す計測事項を事前
に計測した上で、シーケンサー21による演算プログラ
ムを適宜修正することにより適用が可能になる。
では、表1に示す計測事項を事前に計測し、これをシー
ケンサー21による演算プログラムに入力させること
で、蒸気流量の制御が可能になる。また、陸用、船用等
の他機関の場合には、各負荷率(110、100、7
5、50、25%)において表1に示す計測事項を事前
に計測した上で、シーケンサー21による演算プログラ
ムを適宜修正することにより適用が可能になる。
【0029】
【表1】
【0030】次に、絶対湿度と機関性能との関係につい
て図3と図4を参照して説明する。絶対湿度を高める
と、燃費は殆ど変化がなく、排気温度は若干低下する。
スモークは若干上昇するも、ボッシュのインデックス値
0.3〜0.4は実用上問題ない。一方、NOxは図4
に示されるように蒸気量すなわち絶対湿度を高くするに
伴い低減する。
て図3と図4を参照して説明する。絶対湿度を高める
と、燃費は殆ど変化がなく、排気温度は若干低下する。
スモークは若干上昇するも、ボッシュのインデックス値
0.3〜0.4は実用上問題ない。一方、NOxは図4
に示されるように蒸気量すなわち絶対湿度を高くするに
伴い低減する。
【0031】一般に、NOxと燃料消費率にはトレード
オフの関係があって、NOxを低減すると燃料消費率が
悪化する。本システムによる蒸気注入では、上記説明の
如く、燃料消費率が殆ど悪化しないことが分かった。こ
のことは、本システムが経済的に有利であることを示し
ている。
オフの関係があって、NOxを低減すると燃料消費率が
悪化する。本システムによる蒸気注入では、上記説明の
如く、燃料消費率が殆ど悪化しないことが分かった。こ
のことは、本システムが経済的に有利であることを示し
ている。
【0032】次に、蒸気注入位置について図4を参照し
て説明する。空気冷却器(AC)の前に蒸気を注入した
場合、蒸気量を多く注入したにもかかわらず、NOxは
若干の低減だけで燃費は著しく悪化している。これは、
AC前後で温度が変化するため、AC前に注入された蒸
気がAC後で蒸気の一部が凝結して液体(水)になった
ものと思われる。そのため、蒸気ラインで計測した蒸気
量よりも実際にシリンダ内に注入される蒸気量が少ない
ので、NOxは若干の低減効果しかないと思われる。ま
た、燃費の著しい悪化の要因としては、凝結した水がシ
リンダ内へ混入したものと思われる。
て説明する。空気冷却器(AC)の前に蒸気を注入した
場合、蒸気量を多く注入したにもかかわらず、NOxは
若干の低減だけで燃費は著しく悪化している。これは、
AC前後で温度が変化するため、AC前に注入された蒸
気がAC後で蒸気の一部が凝結して液体(水)になった
ものと思われる。そのため、蒸気ラインで計測した蒸気
量よりも実際にシリンダ内に注入される蒸気量が少ない
ので、NOxは若干の低減効果しかないと思われる。ま
た、燃費の著しい悪化の要因としては、凝結した水がシ
リンダ内へ混入したものと思われる。
【0033】AC後と各シリンダ給気ポートに蒸気を注
入した場合について試験を実施した結果、どちらもほと
んど差がなく、蒸気量を多くするとNOx及び排気温度
は低減し、燃費、スモーク及び給気温度は上昇する傾向
になる。従って、これらの結果と、装置制御の容易性、
コスト面を考慮すると、AC後が蒸気注入位置として最
適となる。
入した場合について試験を実施した結果、どちらもほと
んど差がなく、蒸気量を多くするとNOx及び排気温度
は低減し、燃費、スモーク及び給気温度は上昇する傾向
になる。従って、これらの結果と、装置制御の容易性、
コスト面を考慮すると、AC後が蒸気注入位置として最
適となる。
【0034】次に、給気温度上昇が機関性能に与える影
響について説明する。給気温度だけを変更したとき、例
えば試験機(中型中速ディーゼルエンジン)において負
荷率100%時の乾き空気量は約6500kg/h、日
本各地における絶対湿度の季節格差の最大値は約0.0
1514kg/kgとなり、これを蒸気によって調整す
る場合に必要な蒸気量は約117kg/h(損失15%
を含む)であり、このときの給気温度上昇は約5℃にな
る。
響について説明する。給気温度だけを変更したとき、例
えば試験機(中型中速ディーゼルエンジン)において負
荷率100%時の乾き空気量は約6500kg/h、日
本各地における絶対湿度の季節格差の最大値は約0.0
1514kg/kgとなり、これを蒸気によって調整す
る場合に必要な蒸気量は約117kg/h(損失15%
を含む)であり、このときの給気温度上昇は約5℃にな
る。
【0035】給気温度5℃上昇が機関性能に与える影響
として、排気温度は給気温度1℃上昇当たり約1℃上昇
することから、排気温度は約5℃上昇する。Pmaxは
ほぼ同等となり、燃費、スモークはほぼ同等若しくはそ
れ以下になり、問題ないレベルと考えられる。従って、
図4における蒸気量の増加による燃費、スモークの悪化
は蒸気量の増加だけの影響を受け、蒸気量増加による給
気温度上昇の影響はほとんど受けていないと考えられ
る。
として、排気温度は給気温度1℃上昇当たり約1℃上昇
することから、排気温度は約5℃上昇する。Pmaxは
ほぼ同等となり、燃費、スモークはほぼ同等若しくはそ
れ以下になり、問題ないレベルと考えられる。従って、
図4における蒸気量の増加による燃費、スモークの悪化
は蒸気量の増加だけの影響を受け、蒸気量増加による給
気温度上昇の影響はほとんど受けていないと考えられ
る。
【0036】本システムは、上述したように、周囲環境
条件(大気圧、気温、相対湿度)から絶対湿度を求め、
機関回転数と給気圧力から正味平均有効圧力(負荷率)
に対する乾き空気量を推定し、これらの演算結果から機
関に吸入される水分量を演算する。次に、EPA(Envir
onmental Protection Agency) の周囲環境補正係数が1
になるように吸入水分量の不足分を、流量調整弁11の
制御によって蒸気によって注入する。この際の絶対湿
度、正味平均有効圧力、乾き空気量、温度・圧力補正蒸
気比重、EPA補正係数について説明する。
条件(大気圧、気温、相対湿度)から絶対湿度を求め、
機関回転数と給気圧力から正味平均有効圧力(負荷率)
に対する乾き空気量を推定し、これらの演算結果から機
関に吸入される水分量を演算する。次に、EPA(Envir
onmental Protection Agency) の周囲環境補正係数が1
になるように吸入水分量の不足分を、流量調整弁11の
制御によって蒸気によって注入する。この際の絶対湿
度、正味平均有効圧力、乾き空気量、温度・圧力補正蒸
気比重、EPA補正係数について説明する。
【0037】絶対湿度は、飽和水蒸気圧算出式 Ps(T)=7.60461*10-7・T4 −3.35
440*10-6・T3+2.21069*10-3・T2
+3.68942*10-2・T+0.624883と、
絶対湿度算出式 x=0.622*ψ*Ps(T)/(P−ψ*Ps
(T))とによって得られる。 但し、Ps(T):飽和水蒸気圧(kPa) P :大気圧(kPa) ψ :相対湿度 T :気温(℃) x :絶対湿度(kg/kg)である。
440*10-6・T3+2.21069*10-3・T2
+3.68942*10-2・T+0.624883と、
絶対湿度算出式 x=0.622*ψ*Ps(T)/(P−ψ*Ps
(T))とによって得られる。 但し、Ps(T):飽和水蒸気圧(kPa) P :大気圧(kPa) ψ :相対湿度 T :気温(℃) x :絶対湿度(kg/kg)である。
【0038】正味平均有効圧力は、機関性能データよ
り、陸用、舶用特性それぞれに対して給気圧力と正味平
均有効圧力の関係を3次近似式で求める。この関係は機
種や過給気マッチングなどの機関仕様によって異なる。
り、陸用、舶用特性それぞれに対して給気圧力と正味平
均有効圧力の関係を3次近似式で求める。この関係は機
種や過給気マッチングなどの機関仕様によって異なる。
【0039】乾き空気量は、正味平均有効圧力と同様、
機関性能データより、負荷率(正味平均有効圧力)に対
する乾き吸入空気量(正味平均有効圧力0.1MPa、
1回転当たりの乾き空気量、又は便宜上正味平均有効圧
力1kgf/cm2 を算式に用いてもよい)の関係を4
次近似式で求める。この関係は機種や過給気マッチング
などの機関仕様によって異なる。
機関性能データより、負荷率(正味平均有効圧力)に対
する乾き吸入空気量(正味平均有効圧力0.1MPa、
1回転当たりの乾き空気量、又は便宜上正味平均有効圧
力1kgf/cm2 を算式に用いてもよい)の関係を4
次近似式で求める。この関係は機種や過給気マッチング
などの機関仕様によって異なる。
【0040】温度・圧力補正蒸気比重は、蒸気重量流量
(kg/h)を求めるために、温度・圧力補正蒸気比重
を求める必要がある。シーケンサー21のプログラムを
考慮し、谷下の式を、第2項まで削除したものを使用す
ることができる。谷下の式(第1項のみの近似) V=47.06・T/P 但し、T:蒸気温度(k) P:蒸気圧力(kg/m2 ) V:蒸気比重(kg/m3 )である。
(kg/h)を求めるために、温度・圧力補正蒸気比重
を求める必要がある。シーケンサー21のプログラムを
考慮し、谷下の式を、第2項まで削除したものを使用す
ることができる。谷下の式(第1項のみの近似) V=47.06・T/P 但し、T:蒸気温度(k) P:蒸気圧力(kg/m2 ) V:蒸気比重(kg/m3 )である。
【0041】EPA補正係数は、絶対湿度、給気温度の
周囲条件によってNOx値を補正する係数Keが1、す
なわち、分母が1になるように蒸気量を注入する。 Ke=1/(1+16.45*(0.01071−X)
+0.00396*(T0 −29.4)) 但し、X:絶対湿度(kg/kg) T0 :給気温度(℃) Ke:EPA補正係数である。
周囲条件によってNOx値を補正する係数Keが1、す
なわち、分母が1になるように蒸気量を注入する。 Ke=1/(1+16.45*(0.01071−X)
+0.00396*(T0 −29.4)) 但し、X:絶対湿度(kg/kg) T0 :給気温度(℃) Ke:EPA補正係数である。
【0042】従って、本実施の形態によるエンジンの蒸
気注入システムによれば、給気管と蒸気発生源とが蒸気
ラインによって接続され、この蒸気ラインに流量調整弁
が介装され、目標絶対湿度になるための必要な水分量が
給気管に注入されるように、この流量調整弁が制御手段
によって制御されることにより、図5の実機による検証
データで示すように、通常運転時(蒸気注入なし)のN
Ox排出量に比べ、蒸気を注入することによってNOx
濃度を低減することが確認できる。
気注入システムによれば、給気管と蒸気発生源とが蒸気
ラインによって接続され、この蒸気ラインに流量調整弁
が介装され、目標絶対湿度になるための必要な水分量が
給気管に注入されるように、この流量調整弁が制御手段
によって制御されることにより、図5の実機による検証
データで示すように、通常運転時(蒸気注入なし)のN
Ox排出量に比べ、蒸気を注入することによってNOx
濃度を低減することが確認できる。
【0043】また、図6に示すように、本システムの設
けられていない同一実機を調整のみによって対策した場
合、年間のNOx変化が200ppmとなるが、本シス
テムを設けた同一実機であれば、年間のNOx変化が7
0ppmに改善できることが分かる。つまり、現状の絶
対湿度に応じて、燃焼用空気中に必要な水分量が注入さ
れ、年間の絶対湿度格差をなくすことが可能になる。こ
れにより、常に、一定の絶対湿度に相当する周囲条件で
エンジンの運転が行えるようになり、年間を通してNO
xを低レベルに抑制することができるようになる。
けられていない同一実機を調整のみによって対策した場
合、年間のNOx変化が200ppmとなるが、本シス
テムを設けた同一実機であれば、年間のNOx変化が7
0ppmに改善できることが分かる。つまり、現状の絶
対湿度に応じて、燃焼用空気中に必要な水分量が注入さ
れ、年間の絶対湿度格差をなくすことが可能になる。こ
れにより、常に、一定の絶対湿度に相当する周囲条件で
エンジンの運転が行えるようになり、年間を通してNO
xを低レベルに抑制することができるようになる。
【0044】
【実施例】次に、蒸気注入システムの作動を確認するた
め、表2に示す仕様の中型中速ディーゼルエンジンを用
いて、試験を実施した結果について説明する。
め、表2に示す仕様の中型中速ディーゼルエンジンを用
いて、試験を実施した結果について説明する。
【0045】
【表2】
【0046】注入した蒸気量をその時の大気状態(絶対
湿度)に加算し、絶対湿度に換算した値を用いて機関性
能について整理した結果を図7に示す。また蒸気注入な
しの場合に計測した機関性能データ(M75、M50)
についても絶対湿度で整理し、プロットしている。な
お、今回実施した試験における負荷率は陸舶50、75
%である。
湿度)に加算し、絶対湿度に換算した値を用いて機関性
能について整理した結果を図7に示す。また蒸気注入な
しの場合に計測した機関性能データ(M75、M50)
についても絶対湿度で整理し、プロットしている。な
お、今回実施した試験における負荷率は陸舶50、75
%である。
【0047】図7より、NOxについて蒸気注入なしの
機関性能データに若干のバラツキはあるけれども蒸気を
注入し絶対湿度を多くした場合でも、蒸気注入なしの絶
対湿度における機関性能データでも各負荷率におけるN
Oxはある関数の線上にのることを確認した。また、ス
モークについては蒸気の注入量を多くするほど、悪化す
る傾向になる。さらに、燃費については蒸気の注入量を
多くしてもほとんど変化しないことを確認した。
機関性能データに若干のバラツキはあるけれども蒸気を
注入し絶対湿度を多くした場合でも、蒸気注入なしの絶
対湿度における機関性能データでも各負荷率におけるN
Oxはある関数の線上にのることを確認した。また、ス
モークについては蒸気の注入量を多くするほど、悪化す
る傾向になる。さらに、燃費については蒸気の注入量を
多くしてもほとんど変化しないことを確認した。
【0048】これらの結果から、蒸気を注入することに
よってスモークは若干悪化するが、燃費は現状レベルに
抑えつつ、NOxは低減されることを確認した。従っ
て、蒸気流量を制御することによって、年間の絶対湿度
格差をなくすことが可能であることが分かった。よっ
て、本蒸気注入システムを用いれば年間を通して、NO
xを低レベルに保つことが可能であることを確認した。
よってスモークは若干悪化するが、燃費は現状レベルに
抑えつつ、NOxは低減されることを確認した。従っ
て、蒸気流量を制御することによって、年間の絶対湿度
格差をなくすことが可能であることが分かった。よっ
て、本蒸気注入システムを用いれば年間を通して、NO
xを低レベルに保つことが可能であることを確認した。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るエンジンの蒸気注入システムによれば、給気管と蒸気
発生源とを蒸気ラインによって接続し、この蒸気ライン
に流量調整弁を介装し、目標絶対湿度になるのに必要な
水分量が給気管に注入されるように、流量調整弁を制御
手段によって制御するので、燃焼用空気中の絶対湿度を
制御して、年間の絶対湿度格差をなくすことができ、常
に、一定の絶対湿度に相当する周囲条件でエンジンを運
転することができる。この結果、年間を通してNOxを
低レベルに抑制することができる。また、年間の絶対湿
度格差をなくせるので、突始め等の機関調整を季節ごと
に行う必要がなくなり、調整工数が発生せずかつ調整の
都度エンジンを停止する必要もなくなる。
るエンジンの蒸気注入システムによれば、給気管と蒸気
発生源とを蒸気ラインによって接続し、この蒸気ライン
に流量調整弁を介装し、目標絶対湿度になるのに必要な
水分量が給気管に注入されるように、流量調整弁を制御
手段によって制御するので、燃焼用空気中の絶対湿度を
制御して、年間の絶対湿度格差をなくすことができ、常
に、一定の絶対湿度に相当する周囲条件でエンジンを運
転することができる。この結果、年間を通してNOxを
低レベルに抑制することができる。また、年間の絶対湿
度格差をなくせるので、突始め等の機関調整を季節ごと
に行う必要がなくなり、調整工数が発生せずかつ調整の
都度エンジンを停止する必要もなくなる。
【図1】本発明に係る蒸気注入システムの構成図であ
る。
る。
【図2】制御手段による蒸気流量制御の処理手順を示し
た流れ図である。
た流れ図である。
【図3】蒸気注入と機関性能との関係を表した相関図で
ある。
ある。
【図4】蒸気注入位置ごとの機関性能の比較図である。
【図5】蒸気注入によるNOxの低減率を示した相関図
である。
である。
【図6】蒸気注入の有無による年間NOxの格差を示し
た比較図である。
た比較図である。
【図7】実施例における蒸気量と各機関性能との関係を
表した相関図である。
表した相関図である。
【図8】東京における月別絶対湿度の変化を示したグラ
フである。
フである。
7…給気管 5…蒸気ボイラー(蒸気発生源) 9…蒸気ライン 11…流量調整弁 21…シーケンサー(制御手段) Ke…係数 Qd*X…吸入空気水分量 Qd*Xt…目標水分量 Xt…目標絶対湿度 (Xt−X)*Qd…必要な水分量
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 25/02 E (72)発明者 小松 淳一 東京都大田区蒲田本町一丁目10番1号 株 式会社新潟鉄工所原動機カンパニー内 (72)発明者 木村 浩明 東京都大田区蒲田本町一丁目10番1号 株 式会社新潟鉄工所原動機カンパニー内 (72)発明者 坂上 健幸 東京都大田区蒲田本町一丁目10番1号 株 式会社新潟鉄工所原動機カンパニー内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA27 DA10 FA00 3G092 AA02 AB03 AB06 AB17 AC08 AC09 AC10 DE18S FA17 HA01Z HA05Z HB01Z HC01Z HE01Z HE09Z HG07Z HG08Z
Claims (3)
- 【請求項1】 エンジンの各気筒の給気ポートに連通す
る給気管に接続され蒸気発生源からの蒸気を前記給気ポ
ートに注入可能にする蒸気ラインと、 該蒸気ラインに介装されバルブ開度調整信号が入力され
ることによって前記蒸気の注入量を可変させる流量調整
弁と、 前記エンジン外部の周囲環境を計測して得られる絶対湿
度に基づき得られる吸入空気水分量と、前記エンジンに
対して供給させる目標絶対湿度を有する空気の目標水分
量とを比較演算し、前記給気管に供給される空気の湿度
が前記目標絶対湿度になるのに必要な水分量を演算しか
つ該必要な水分量に相当する蒸気を注入させる前記バル
ブ開度調整信号を前記流量調整弁へ出力する制御手段
と、 を具備したことを特徴とするエンジンの蒸気注入システ
ム。 - 【請求項2】 前記供給管に空気冷却器が設けられ、該
空気冷却器によって冷却された空気が前記給気ポートに
給気される請求項1記載のエンジンの蒸気注入システム
において、 前記蒸気ラインからの蒸気が、前記空気冷却器の給気方
向下流側に注入されることを特徴とするエンジンの蒸気
注入システム。 - 【請求項3】 絶対湿度、給気温度の周囲条件によって
NOx値を補正する係数が1になるように、前記制御手
段によって前記流量調整弁が制御されることを特徴とす
る請求項1又は請求項2記載のエンジンの蒸気注入シス
テム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245821A JP2002054510A (ja) | 2000-08-14 | 2000-08-14 | エンジンの蒸気注入システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000245821A JP2002054510A (ja) | 2000-08-14 | 2000-08-14 | エンジンの蒸気注入システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002054510A true JP2002054510A (ja) | 2002-02-20 |
Family
ID=18736270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000245821A Pending JP2002054510A (ja) | 2000-08-14 | 2000-08-14 | エンジンの蒸気注入システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002054510A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010096133A (ja) * | 2008-10-18 | 2010-04-30 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ディーゼル機関におけるNOx低減方法およびディーゼル機関 |
US8839747B2 (en) | 2011-12-07 | 2014-09-23 | Hyundai Motor Company | Composite power cycle engine |
JP2016089667A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社デンソー | 制御装置 |
CN115450772A (zh) * | 2022-09-27 | 2022-12-09 | 东风商用车有限公司 | 用于控制发动机NOx排放的装置及策略 |
-
2000
- 2000-08-14 JP JP2000245821A patent/JP2002054510A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010096133A (ja) * | 2008-10-18 | 2010-04-30 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | ディーゼル機関におけるNOx低減方法およびディーゼル機関 |
US8839747B2 (en) | 2011-12-07 | 2014-09-23 | Hyundai Motor Company | Composite power cycle engine |
JP2016089667A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社デンソー | 制御装置 |
CN115450772A (zh) * | 2022-09-27 | 2022-12-09 | 东风商用车有限公司 | 用于控制发动机NOx排放的装置及策略 |
CN115450772B (zh) * | 2022-09-27 | 2023-10-10 | 东风商用车有限公司 | 用于控制发动机NOx排放的策略 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040622 |