本発明の実施の形態に係る回胴式遊技機(以下、スロットマシン1)の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、スロットマシン1の概観について説明する。
スロットマシン1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1bとが設けられている。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。
フロントドア1bの中央には、正面側から見てリール3L,3C,3Rの手前側、即ち、リール3L,3C,3Rに重畳する位置に、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5の液晶表示部5aは、図柄表示領域4L,4C,4R及び演出表示領域23により構成されている。
図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、それぞれが対応するリールの前方に位置するように設けられている。図柄表示領域4L,4C,4Rは、各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成となっており、図柄表示領域4L,4C,4Rを透して、その背後に設けられている各リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となっている。また、演出表示領域23を含む液晶表示部5aでは、後述の副制御回路72により映像の表示が行われ、演出が実行される。
3つの図柄表示領域4L,4C,4Rのそれぞれには、その表示領域内における上段、中段及び下段のそれぞれの領域に1個の図柄が表示されることにより、対応するリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される(即ち、図柄表示領域4L,4C,4Rは、複数のリール毎にその表面に配された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成し、以下では「表示窓」と称す)。尚、表示窓は、必ずしも3つのリールのそれぞれに一対一で対応する構成である必要はなく、例えば1つの表示窓により各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を表示する構成を採用しても良い。
表示窓4L,4C,4Rには、上段、中段及び下段のうち予め定められた何れかをそれぞれ結ぶ擬似的なライン(以下、入賞判定ライン)が形成される。本実施の形態では、各表示窓4L,4C,4Rの中段を組み合わせてなるセンターライン8cと、各表示窓4L,4C,4Rの上段を組み合わせてなるトップライン8bと、各表示窓4L,4C,4Rの下段を組み合わせてなるボトムライン8dと、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段を組み合わせてなるクロスアップライン8aと、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段を組み合わせてなるクロスダウンライン8eの5つを入賞判定ラインとして設けている。
液晶表示装置5の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の左側には、決定・選択ボタン12が設けられている。遊技者は、この決定・選択ボタン12を押すことにより、液晶表示装置5の表示画面の切り替えに関する指示等の入力を行うことができる。
台座部10の右側には、遊技者の手により外部から放り込まれるメダルを受け入れるためのメダル投入口22が設けられている。基本的に、メダル投入口22に1枚のメダルが入れられると、今回の遊技において投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数)として「1」がカウントされる。そして、投入枚数が最大枚数(例えば3枚)に達した以降においてメダル投入口22に入れられたメダルは、予め定められた枚数(例えば50枚)を上限として、スロットマシン1内に預けることが可能となっている(いわゆるクレジット機能)。
また、台座部10の左側には、スロットマシン1内に預けられたメダルの中から投入する枚数を決定するための1−ベットボタン11及び最大ベットボタン13が設けられている。各ベットボタンが押されると、ベットボタンの種類に応じた数(即ち、1−ベットボタン11であれば1枚。最大ベットボタン13であれば3枚。)が投入枚数としてカウントされる。尚、メダル投入口22にメダルを入れること又はベットボタン11,13を押すことによりカウントされた投入枚数は、後に予め定められた図柄の組合せが表示されたか否かの判定(言い換えると、いわゆる入賞が成立したか否かの判定)を行う対象となる入賞判定ラインの決定などに反映される。
台座部10の中央には、7セグメントLEDから成る7セグ表示器18が設けられている。7セグ表示器18は、前述の投入枚数、入賞判定ラインに沿って予め定められた図柄の組合せが表示されたときに遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、スロットマシン1内に預けられている遊技者所有のメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などをデジタル表示する。
台座部10の前面部の左寄りには、スロットマシン1内に預けられているメダルを、正面下部に設けられたメダル払出口15から排出させるための精算ボタン14が設けられている。メダル払出口15から排出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
台座部10の前面部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられ、該当するリールの回転を停止させるためのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。例えば、左ストップボタン7Lが押されると、左リール3Lの回転が停止される。また、ストップボタン7L,7C,7Rの左側には、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。
以下では、3つのリールのすべてが回転しているときにこれらに対応する各ストップボタンの何れかが遊技者により押されるときを「第1停止操作」という。また、第1停止操作の次に行われ、3つのリールのうち2つが回転しているときにこれらに対応する各ストップボタンの何れかが遊技者により押されるときを「第2停止操作」という。さらにまた、第2停止操作の次に行われ、3つのリールのうち1つが回転しているときにこれに対応するストップボタンが遊技者により押されるときを「第3停止操作」という。
フロントドア1bの上部には、LEDからなるランプ101L,101Rが設けられている。また、フロントドア1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。本実施の形態のスロットマシン1では、前述の液晶表示装置5により行われる映像の表示、ランプ101L,101Rにより行われる所定の点灯及び消灯のパターン(以下、点消灯パターン)での光の出力、スピーカ21L,21Rにより行われる効果音や楽曲等の音の出力、或いはこれらの組合せによって、内部当籤役等に基づいた演出を行う。
次に、図2を参照して、スロットマシン1の各リール3L,3C,3Rの表面に配される図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がリールの回転方向に連続して配されている。より具体的には、後述のRAM33に設けられる図柄カウンタにより特定され得る、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各位置(即ち、図柄位置「0」〜「20」)に、赤7(図柄61)、青7(図柄62)、BAR(図柄63)、チェリー(図柄64)、ベル(図柄65)、スイカ(図柄66)、リプレイ(図柄67)及びブランク(図柄68)の何れかが配されている。尚、各リール3L,3C,3Rは、図中の矢印方向に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、表示窓4L,4C,4R内において、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がリールの回転に伴って変動する。
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含むスロットマシン1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム(例えば、後述の図22〜図31参照)、後述の内部抽籤テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図4〜図15参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM33には、後述の内部当籤役格納領域等の各種格納領域(例えば、後述の図16〜図21参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出(サンプリング)する。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、7セグ表示器18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器18による各種情報(払出枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能なメダル払出装置として機能するホッパー40の駆動を制御し、メダルの排出を制御する。
モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。本実施の形態では、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの表面に配された図柄1個分の回転が行われる構成となっている。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、最大ベットスイッチ13S、精算スイッチ14S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50及び払出完了信号回路51が接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により押し下げられたことを検出する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rが遊技者により押されたことを検出する。
1−ベットスイッチ11Sは1−ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。最大ベットスイッチ13Sは最大ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。メダルセンサ22Sは、遊技者によりメダル投入口22に放り込まれたメダルがセレクタ(図示せず)を通過することを検出する。尚、セレクタは、材質や形状などが適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22から放り込まれた適正なメダルを、大量のメダルを貯留可能な収容部を備えるホッパー40へ案内する通路を形成している。各ベットボタンが遊技者により押されたこと及びメダル投入口22に遊技者によりメダルが放り込まれることを投入操作という。
精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、払出枚数が所定枚数に達したか否かを検出する。
リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L,3C,3R毎に検出する。本実施の形態では、リールが一回転したことを示すリールインデックスが検出されてから、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールの回転方向における位置(リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度とも言える)を検出することが可能となっている。前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられるパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタにより16回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33に設けられる図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、リールの種別に応じて設けられ、リールインデックスが後述のリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。
また、本実施の形態のROM32には、上記図柄カウンタにより管理されるリールの回転方向における各位置と、当該各位置に配される図柄の種別を特定するデータ(以下、図柄コード)とが対応づけられたデータテーブル(以下、図柄配置テーブル)が記憶されている。具体的には、リールインデックスが検出されるときに、センターライン8c(より厳密には、各表示窓4L,4C,4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置する図柄を図柄位置「0」として、リールの回転方向に移動する順に、各図柄に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てると、図柄カウンタと図柄配置テーブルにより規定される図柄位置とが対応付けられることとなり、対応する表示窓の中段に位置する図柄の種別を各リールに応じて特定可能となる。尚、図柄カウンタ及び図柄配置テーブルは、所定の位置にある図柄を特定する図柄特定手段を構成する。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から副制御回路72への一方向通信が行われる構成となっている。そして、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出の内容の決定や実行などの各種処理を行う。副制御回路72には、その動作が制御される主要なアクチュエータとして、液晶表示装置5、スピーカ21L,21R及びランプ101L,101Rが接続されている。
副制御回路72のCPU(以下、サブCPU)は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、副制御回路72のROM(以下、サブROM)内に記憶された制御用プログラム等に従い、液晶表示装置5により行う映像の表示、スピーカ21L,21Rにより行う音の出力、ランプ101L,101Rにより行う光の出力を制御する。
以下では、図4〜図15を参照して、主制御回路71のROM32に記憶されている各種テーブルについて説明する。まず、図4を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
次に、図4を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述の入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定される予め定められた図柄の組合せと一致する場合に、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった所定の利益が遊技者に対して付与される(本実施の形態では、これらを含めて「入賞」と称す)。本実施の形態のスロットマシンでは、入賞に係る図柄の組合せとして複数種類の図柄の組合せが適用されている。図柄組合せテーブルは、入賞に係る図柄の組合せを示すデータと、入賞作動フラグ及び払出枚数とを規定する。
入賞作動フラグは、入賞判定ラインに対して表示された図柄の組合せの種別を特定するデータである。入賞作動フラグは、基本的に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータであり、後述の表示役格納領域に格納される。尚、入賞判定ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定される図柄の組合せの何れにも一致しない場合には、入賞作動フラグとして「ハズレ」が決定される。本実施の形態では、表示役格納領域に格納されるデータ(より具体的にいうならば、各入賞判定ラインに応じて特定された入賞作動フラグの論理和)を説明の便宜上「表示役」と称す。
払出枚数は、遊技者に対して払い出しを行うメダルの枚数を表すデータであり、その数値に基づいてホッパー40の駆動によるメダルの排出や、クレジットカウンタの加算が行われる。本実施の形態では、表示役として、チェリー、ベル及びスイカの何れかが決定されたとき、払出枚数として0を超える数値が決定され、メダルの払い出しが行われる。そして、本実施の形態では、投入枚数(1又は3の何れか)に応じて払出枚数が規定されている。例えば、表示役としてベルが決定されたときであれば、投入枚数が1(第1の量に相当する)であるとき払出枚数として15(予め定められた量に相当する)が決定される一方で、投入枚数が3(第2の量に相当する)であるとき払出枚数として9(予め定められた量より少ない量に相当する)が決定されるようになっており、投入枚数が少ない方がより多くのメダルの払い出しが行われるようになっている。チェリー、ベル及びスイカは、メダルの払い出しに係る第2の図柄の組合せに相当する。
また、表示役としてリプレイA又はリプレイBが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。再遊技の作動が行われると、そのときの投入枚数と同数のメダルが、次回において遊技者による投入操作に基づかずに自動的に投入されるようになり、遊技者は次回において所有するメダルを消費しなくて済むようになる。リプレイBは、再遊技の作動に係る第1の図柄の組合せに相当する。
次に、図5を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
本実施の形態では、表示役としてBBが決定されたとき、ビッグボーナス(以下、「BB」)遊技状態の作動が行われ、表示役としてMBが決定されたとき、ミドルボーナス(以下、「MB」)遊技状態の作動が行われる。ボーナス作動時テーブルは、BB遊技状態及びMB遊技状態(これらをまとめてボーナス遊技状態という)の作動が決定されたときにRAM33に格納されるデータとして、遊技状態フラグ及びボーナス終了枚数カウンタを規定する。
遊技状態フラグは、遊技状態を識別するためのデータであり、これに基づいて後述の内部抽籤テーブルの決定等が行われる。また、ボーナス終了枚数カウンタは、ボーナス遊技状態の作動中において遊技者に対して払い出されたメダルの総数を管理するためのデータである。例えば、表示役としてMBが決定されたときでは、MB遊技状態フラグがオンにセットされ、ボーナス終了枚数カウンタに270(特定の量に相当する)がセットされる。尚、本実施の形態では、払出枚数が決定される度にボーナス終了枚数カウンタの減算が行われ、0に更新されることを条件にボーナス遊技状態の作動が終了する。MB遊技状態は、遊技者にとって有利な状態に相当する。
次に、図6を参照して、内部抽籤テーブル等決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル等決定テーブルは、遊技状態に応じて、内部抽籤テーブル、抽籤回数及び内部当籤役決定テーブル(これらをまとめて内部抽籤テーブル等という)の種別を規定する。遊技状態は、選択する内部抽籤テーブル等の種別を識別するためのデータであり、後述の制御プログラムに従って、主制御回路71のCPU31により管理される。即ち、各遊技状態に応じて設けられた内部抽籤テーブル等を使い分けることによって、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
本実施の形態では、一般遊技状態、BB遊技状態及びMB遊技状態の各遊技状態が設けられており、それぞれに応じて内部抽籤テーブル等が規定されている。詳しくは後でフローチャートを参照して説明するが、前述の各遊技状態は、予め定められた条件が満たされることによって、他の遊技状態に移行する構成が採用されている。一般遊技状態において表示役としてBBが決定されると、BB遊技状態に移行する。また、一般遊技状態において表示役としてMBが決定されると、MB遊技状態に移行する。そして、BB遊技状態の作動及びMB遊技状態の作動が終了すると、一般遊技状態に移行する。
次に、図7〜図9を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて抽籤値を規定する。当籤番号は、後述の内部当籤役の決定に用いられるデータである。抽籤値は、これが割り当てられたデータ(即ち、内部抽籤テーブルでは当籤番号)が決定されるときの乱数値を規定したものであり、より具体的には、その個数を規定したものであるといえる。本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」の中から抽出される乱数値を、内部抽籤テーブルに規定されている当籤番号1を先頭とする各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁借り」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(即ち65536)」によって表すことができる。即ち、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、当籤確率が高く、これが割り当てられたデータが決定され易いといえる。前述の内部抽籤テーブル等決定テーブルにより規定されている抽籤回数は、各当籤番号について上記の桁借りが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
図7は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、一般遊技状態において選択される。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号6に応じた抽籤値を規定する。図8は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。BB遊技状態用内部抽籤テーブルは、BB遊技状態において選択される。BB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号3に応じた抽籤値を規定する。図9は、MB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。MB遊技状態用内部抽籤テーブルは、MB遊技状態において選択される。MB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1に応じた抽籤値を規定する。
BB遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号1〜当籤番号3に応じた抽籤値は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおけるそれと比べて相対的に大きい。尚、後述するが、当籤番号1〜当籤番号3は、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役に対応している。したがって、BB遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されることによって、メダルの払い出しが行われる機会を増大させることが可能となっている。
MB遊技状態用内部抽籤テーブルにおける当籤番号1に応じた抽籤値は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおけるそれと比べて相対的に大きい。尚、後述するが、MB遊技状態における当籤番号1は、リプレイBに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役に対応している。この当籤番号1に応じた抽籤値は「59578」に規定されており、約「1/1.1」の確率でそれが決定されるようになっている。
次に、図10及び図11を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、当籤番号に応じて内部当籤役を規定する。内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役は、入賞判定ラインに対してその表示を許容する図柄の組合せの種別を特定するデータである。内部当籤役を示すデータの構成は、前述の表示役の構成と同様に、基本的に各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータであり、後述の内部当籤役格納領域に格納される。尚、前述の当籤番号が決定されると、該当する内部当籤役が取得されることから、当籤番号の決定は内部当籤役の決定と等価であるといえる。
例えば、内部当籤役の内容が「ベル」である場合、ベルに係る図柄の組合せ(前述のベル−ベル−ベル)の表示が許容される。また、内部当籤役の内容が「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」である場合、リプレイBに係る図柄の組合せ(前述のBAR−リプレイ−リプレイ)の表示が許容され、且つ、メダルの払い出しに係る図柄の組合せすべての表示が許容される。また、後述するが、このように複数の図柄の組合せの表示が同時に許容される場合、基本的に、遊技者による停止操作の検出等に基づいて何れかが入賞判定ラインに表示される。また、当籤番号が「0」のとき、その内容は「ハズレ」となるが、これは何れの入賞に係る図柄の組合せの表示も許容されないことを示す。
図10は、通常内部当籤役決定テーブルを示す。通常内部当籤役決定テーブルは、一般遊技状態及びBB遊技状態において選択される。
通常内部当籤役決定テーブルは、内部当籤役として、当籤番号0に対してハズレを、当籤番号1に対してチェリーを、当籤番号2に対してベルを、当籤番号3に対してスイカを、当籤番号4に対してリプレイA+リプレイBを、当籤番号5に対してMBを、当籤番号6に対してBBをそれぞれ規定している。
図11は、特殊内部当籤役決定テーブルを示す。特殊内部当籤役決定テーブルは、MB遊技状態において参照される。
特殊内部当籤役決定テーブルは、内部当籤役として、当籤番号0に対してハズレを、当籤番号1に対してリプレイBをそれぞれ規定している。
このように、本実施の形態では、再遊技の作動に係る内部当籤役として、一般遊技状態においては再遊技の作動に係る2種類の図柄の組合せ(リプレイ−リプレイ−リプレイとBAR−リプレイ−リプレイ)の表示を許容する内部当籤役(リプレイA+リプレイB)が決定される一方で、MB遊技状態においては再遊技の作動に係る上記2種類の図柄の組合せのうち一方のみ(BAR−リプレイ−リプレイ)の表示を許容する内部当籤役(リプレイB)が決定される。
尚、後でフローチャート(図24)を参照して説明するが、MB遊技状態においては、抽出された乱数値にかかわらず、メダルの払い出しに係るすべての種類の図柄の組合せ(チェリー、ベル及びスイカ)の表示が許容されるように、内部当籤役が決定される。即ち、MB遊技状態において、当籤番号が0に決定されたときは内部当籤役として「チェリー+ベル+スイカ」が決定される一方で、当籤番号が1に決定されたときは内部当籤役として「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」が決定される。即ち、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容し、且つ、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が決定される。
次に、図12を参照して、リール停止初期設定テーブルについて説明する。
リール停止初期設定テーブルは、内部当籤役に応じて、停止テーブルを規定する。停止テーブルは、後述の「滑り駒数」の決定、即ち、リールの回転を停止する位置の決定に用いられる。
本実施の形態のスロットマシン1では、ストップボタンが押されたことが検出されると、検出されたときから規定時間(190msec)以内に、該当するリールの回転を停止するようにしている。遊技者からすれば、ストップボタンを押した後、上記規定時間以内でのリールの回転が行われた後でその停止が行われると、ストップボタンを押した際に所定の位置(例えば、表示窓の中段)にあった図柄が直ちに停止せず、下方に移動した後に停止するように見える。この現象はいわゆる「滑り」と呼ばれ、本実施の形態では、説明の便宜上、上記規定時間以内でのリールの回転に伴って移動可能な図柄の数を「滑り駒数」と称している。
滑り駒数の最大数は、リールの回転が継続可能な規定時間とリールの表面に配された図柄の個数(21個)との関係から定められる。本実施の形態では、基本的に、ストップスイッチ7Sにより信号が出力された後、190msec以内にその回転を停止させる制御が行われる。この場合における滑り駒数の最大値をX(Xは自然数)とすると、その数は「4」に定められる。したがって、この場合、ストップボタンが押されたことが検出されたときに所定の位置(例えば、表示窓の中段)にある図柄から4個先までの範囲内にある各図柄の何れかが、上記所定の位置に到達したときに、該当するリールの回転を停止することが可能となっている。
言い換えると、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(即ち、リールの回転の停止が開始される図柄位置であり、これを「停止開始位置」という)に、滑り駒数として規定されている数値を加算した図柄位置を、リールの回転が停止する図柄位置(これを「停止予定位置」という)として決定することが可能となっている。つまり、滑り駒数は、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止する迄の期間において、該当する表示窓の中段を通過する図柄の数であるともいえ、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから更新された図柄カウンタの値により把握される。
ここで、本実施の形態では、図柄「リプレイ」及び図柄「ベル」は、図2に示す通り、各リールの表面において、他の図柄が「X+1」個(即ち、5個)連続しない間隔で配されている。このような図柄から構成される図柄の組合せは、基本的に、各リールの停止開始位置にかかわらず、入賞判定ラインに表示されるようになる。つまり、前述したリプレイAに係る図柄の組合せやベルに係る図柄の組合せは、上記図柄「リプレイ」及び図柄「ベル」から構成されていることから、これらが許容される内部当籤役が決定されたときには、遊技者は、停止操作のタイミングをはかる必要は無い。
これに対して、例えば、左リール3Lの表面における図柄「BAR」のように、リールの表面において他の図柄がX+1個連続する間隔で配される図柄から構成される図柄の組合せ(例えば、リプレイBに係る図柄の組合せ)が遊技者に対して表示されるには、適切なタイミングでの停止操作を行うことが遊技者に要求され、停止操作に関する技量が要求される。逆に言えば、このような図柄の組合せは、その表示が許容される内部当籤役が決定されていても、遊技者は、停止操作を行うタイミング次第で、その表示を回避することが可能となる。
尚、本実施の形態のMB遊技状態では、特定のリール(3つのリールのうち少なくとも1つのリールであり、本実施の形態では左リール3Lのみを適用)について、ストップスイッチ7Sにより信号が出力された後、上記190msecよりも短い75msec以内にその回転を停止させる制御が行われる。この場合における滑り駒数の最大値をY(Yは自然数)とすると、その数は上記Xよりも小さい「1」に定められる。即ち、上記所定の数値範囲「0」〜「4」よりもその範囲が小さい予め定められた数値範囲「0」〜「1」のうちの何れかが滑り駒数として決定される。したがって、MB遊技状態では、特定のリールについては、他の遊技状態と比べて少ない数値が滑り駒数として決定されるようになっており、遊技者に対してより高い技量が求められる。また、滑り駒数が最大で「1」に規定されるリール以外の他のリール(本実施の形態では、中リール3C及び右リール3Rを適用)については、一般遊技状態と同様に、所定の数値範囲「0」〜「4」のうちの何れかが滑り駒数として決定される。
図13を参照して、停止テーブルについて説明する。
停止テーブルは、3つの各リール3L,3C,3Rの図柄位置(換言するならば停止開始位置)「0」〜「20」に応じて、停止データ用滑り駒数を規定する。
停止データ用滑り駒数とは、停止テーブルに基づいて決定される仮の滑り駒数である。具体的には、本実施の形態では、原則、停止テーブルに基づいて滑り駒数が決定されるが、この停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在する場合には、当該適切な滑り駒数に変更するようにしている(詳細は後述する)。
これによって、複数種類の入賞に係る図柄の組合せの表示が同時に許容される内部当籤役が決定された場合などにおいて、停止テーブルが規定する滑り駒数が仮に適切でなかったとしても、内部当籤役に基づいて最も適切な滑り駒数が決定されるようになる。但し、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在しない場合には、原則の通り、当該停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数に基づいてリールの回転が停止される。
図13は、停止テーブル「TBL99」を示す。これは、MB遊技状態において選択される。本実施の形態のMB遊技状態においては、当籤番号として0及び1の何れかが決定される可能性があるが、その何れが決定された場合についても、この停止テーブルTBL99が選択される。
停止テーブルTBL99が規定する左リール3Lの停止データ用滑り駒数は「0」又は「1」の何れかであり、前述したように、MB遊技状態においては、左リール3Lの滑り駒数が最大で「1」に規定されている。
停止テーブルTBL99が規定する停止データ用滑り駒数に基づいて決定される左リール3Lの停止予定位置は、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」、「9」、「10」、「11」、「13」、「14」、「15」、「16」、「18」及び「20」の何れかである。図2を参照すると、これらの停止予定位置にて左リール3Lの回転が停止される場合、左表示窓4Lの上段、中段及び下段の何れかにおいて、メダルの払い出しに係る図柄の組合せを構成する図柄、即ち、図柄「ベル」、図柄「スイカ」及び図柄「チェリー」の少なくとも何れか1つが表示される。
停止テーブルTBL99が規定する停止データ用滑り駒数に基づいて決定される中リール3Cの停止予定位置は、「0」、「3」、「5」、「9」、「13」、「15」及び「17」の何れかである。図2を参照すると、これらの停止予定位置にて中リール3Cの回転が停止される場合、中表示窓4Cの中段に図柄「ベル」又は図柄「スイカ」が表示される。
停止テーブルTBL99が規定する停止データ用滑り駒数に基づいて決定される右リール3Rの停止予定位置は、「0」、「5」、「10」、「14」、「17」及び「18」の何れかである。図2を参照すると、これらの停止予定位置にて右リール3Rの回転が停止される場合、右表示窓4Rの中段に図柄「ベル」又は図柄「スイカ」が表示される。
次に、図14を参照して、優先順位テーブルについて説明する。
優先順位テーブル及び後述の優先順序テーブルは、前述の停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数(即ち、停止データ用滑り駒数)の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索するために使用される。優先順位テーブルは、予め定められた優先順位(即ち、優先順位1〜3)に応じた引込データ及び優先引込順位データを規定する。
優先順位は、入賞に係る図柄の組合せの種別間(内部当籤役の種別間とも言える)で優先的に引き込みが行われる順位を規定するものである。停止開始位置から滑り駒数として予め定められた数値の範囲内にある各図柄を所定の入賞判定ライン上に表示させることをいわゆる「引き込み」と称す。
優先順位テーブルは、優先順位3に対して「小役(メダルの払い出しに係るもの)」、優先順位2に対して小役よりも遊技者にとっての有利さの度合いが高い「ボーナス(ボーナス遊技状態の作動に係るもの)」、優先順位1に対して「リプレイ(再遊技の作動に係るもの)」のそれぞれに対応する引込データを規定する。引込データは、1バイトからなるデータであり、その構成は、内部当籤役及び表示役の構成と同様である。優先引込順位データは、リールの表面に配された各図柄間における優先順位を相対的に評価するために用いられるデータであり、優先順位が高いほどその値が大きい。
次に、図15を参照して、優先順序テーブルについて説明する。
優先順序テーブルは、滑り駒数として予め定められた数値の範囲(即ち、基本的には0〜4であり、MB遊技状態における左リール3Lについては0〜1)の中から適用可能な数値を優先的に適用する順序(以下、優先順序)を規定するものである。詳細は後述するが、基本的に、この優先順序テーブルでは、優先順序が下位から上位までの順に各数値の検索を行っていき、検索の結果、優先順序「1」に対応する数値から優先的に適用されるようにしている。このテーブルは、優先順位が等しい滑り駒数が複数存在する場合を想定して設けられたものであり、このような場合では優先順序が上位のものが適用されるようになっている。
そして、本実施の形態における優先順序テーブルは、前述の停止データ用滑り駒数に基づいて、その優先順序を規定している。つまり、停止データ用滑り駒数に該当する数値が最も上位となるように優先順序が規定されており、この結果、停止データ用滑り駒数は他の滑り駒数よりも優先的に決定されるので、停止テーブルの開発の際に意図されていた図柄の表示が優先される。
以下では、図16〜図21を参照して、主制御回路71のRAM33に設けられる各種格納領域について説明する。まず、図16を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役格納領域は、1バイトのデータである内部当籤役を格納する。内部当籤役を示す1バイトのデータは、各ビットに対して、その表示が許容される図柄の組合せの種別が割り当てられている。ビット0はチェリーに、ビット1はベルに、ビット2はスイカに、ビット3はリプレイAに、ビット4はリプレイBに、ビット5はMBに、ビット6はBBにそれぞれ対応している(尚、ビット7は未使用)。例えば、内部当籤役格納領域に格納されているデータが「00010111B」であるとき、その内容は「リプレイB+スイカ+ベル+チェリー」となる。尚、内部当籤役格納領域に格納されるデータが0のとき、その内容はハズレとなる。尚、RAM33には、前述の入賞作動フラグが格納される表示役格納領域が設けられているが、その構成は上で述べた内部当籤役格納領域の構成と同じである。
次に、図17を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役としてMB又はBBが決定されたときは、持越役格納領域に格納される。持越役格納領域は、前述の内部当籤役格納領域の構成と対応しており、ビット5がMBに、ビット6がBBにそれぞれ対応している(尚、ビット0〜ビット4及びビット7は未使用)。
後述するが、持越役格納領域に格納されたMB又はBBは、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで保持される構成である。これは、いわゆる「持ち越し」と称されるものであり、本実施の形態では、持越役格納領域に格納されたMB又はBBを「持越役」と称す。
持越役格納領域にMB又はBBが格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納され、内部当籤役として決定されるようになる。これは、遊技者による停止操作が行われ、リール3L,3C,3Rの回転のそれぞれが停止した後、内部当籤役格納領域を初期化する一方、持越役格納領域を初期化しないようにすることにより実現される。
次に、図18を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。
遊技状態フラグ格納領域は、1バイトからなり、各ビットに対して固有の遊技状態が割り当てられている。ビット0はMB遊技状態に、ビット1はBB遊技状態にそれぞれ対応している(尚、ビット2〜ビット7は未使用)。例えば、遊技状態フラグ格納領域に格納されているデータが「00000001B」であるとき、その内容はMB遊技状態となる。尚、遊技状態フラグ格納領域に格納されているデータが0であるとき、その内容は一般遊技状態となる。
次に、図19を参照して、有効ストップボタン格納領域の構成について説明する。
有効ストップボタン格納領域は、1バイトからなり、各ビットに対して固有のストップボタンの種別が割り当てられている。ビット0は左ストップボタンに、ビット1は中ストップボタンに、ビット2は右ストップボタンにそれぞれ対応している(尚、ビット3〜ビット7は未使用)。具体的にいうと、有効ストップボタン格納領域には、停止操作を検出することが可能なストップボタンを有効ストップボタンとして、その種別(言い換えれば、定速回転中のリールに対応するストップボタンの種別)を識別可能なデータが格納される。
尚、RAM33には、上で述べた有効ストップボタン格納領域と同様の構成を有する作動ストップボタン格納領域が設けられている。作動ストップボタン格納領域は、有効ストップボタンに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタンの種別を識別可能なデータが格納される。
次に、図20を参照して、図柄格納領域の構成について説明する。
図柄格納領域には、各入賞判定ライン8a〜8eに位置する各リールの図柄を示すデータ(以下、図柄コードという)が格納される。例えば、センターライン8cであれば、左表示窓4Lの中段に位置する左リール3Lの図柄に係る図柄コードと、中表示窓4Cの中段に位置する中リール3Cの図柄に係る図柄コードと、右表示窓4Rの中段に位置する右リール3Rの図柄に係る図柄コードと、が格納される。
尚、ROM32には、図2に示す各リールの表面における図柄の配列をデータ化したものであり、各図柄位置に応じた図柄コードを規定する図柄配置テーブル(図示せず)が記憶されている。図柄コードは、1バイトのデータであり、赤7(図柄61)〜ブランク(図柄68)の8種の図柄に応じて、「1(00000001B)」〜「8(00001000B)」のそれぞれが割り当てられている。図20に示す格納例は、各リール3L,3C,3Rの図柄位置が「2」である場合のものである。
次に、図21を参照して、表示役予想格納領域の構成について説明する。
表示役予想格納領域は、リールの種別に応じた、左リール用表示役予想格納領域、中リール用表示役予想格納領域及び右リール用表示役予想格納領域を含んで構成される。各表示役格納領域には、対応するリールの各図柄位置「0」〜「20」に応じて決定された優先引込順位データが格納される。尚、図柄位置「20」の以下のアドレスには「0」〜「3」に応じた優先引込順位データをコピーして格納するためのアドレスが設けられており、各表示役予想格納領域はそれぞれ「21」+「4」バイトからなる。
本実施の形態では、表示役予想格納領域を参照することにより、前述の停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索する。優先引込順位データは、ビット3が「リプレイ」、ビット2が「ボーナス(MB及びBBを含む)」、ビット1が「小役(チェリー、ベル及びスイカを含む)」、ビット0が「停止可能」にそれぞれ対応している(尚、ビット4〜ビット7は未使用)。例えば、優先引込順位データが「00001011B(00BH)」のとき、その内容は「リプレイ+小役+停止可能」となる。
優先引込順位データは、その値が大きいほど優先順位が高く、当該優先引込順位データを参照することにより、リールの表面に配された各図柄間での優先順位の相対的な評価が可能となる。この結果、内部抽籤の結果をリールの回転を停止する位置の決定に適正に反映させることができるようになる。また、優先引込順位データとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。即ち、優先引込順位データとは、リールの表面に配される各図柄間の順位を示すものと言える。そして、後述するが、優先引込順位データは、内部当籤役に影響を受けて決定されるものである。尚、優先引込順位データの大きさが等しい図柄が複数存在する場合、前述の優先順序テーブルが規定する優先順序に従って1つの図柄が決定される。
次に、図22〜図31に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が実行するプログラムの内容について説明する。
先ず、図22を参照して、遊技メイン処理について説明する。初めに、CPU31は、遊技終了時初期化用の格納領域を指定して初期化する(ステップ(以下、「S」と略記する)1)。例えば、RAM33の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。次に、CPU31は、後で図23を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S2)。この処理は、遊技者により投入されたメダルを検出する投入操作検出手段及び開始操作を検出する開始操作検出手段を構成する。
次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S3)。次に、CPU31は、後で図24を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S4)。この処理は、開始操作の検出に基づいて抽籤により内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段を構成する。次に、CPU31は、後で図25を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(S5)。この処理では、決定された内部当籤役に基づく停止テーブルの決定や、各リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄についての優先引込順位データの決定等の処理が行われる。
次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S6)。スタートコマンドには、決定された内部当籤役等の各種データが含まれる。次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(S7)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、作動ストップボタン格納領域に「000H」を格納する。
尚、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(例えば、1.1173msecの周期)毎に定期的に発生させている割込処理によってパルスを出力することで、ステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転を開始する。そして、その後、この割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速に達するまで加速を行う。次に、CPU31は、リールの回転の定速待ちを行う(S8)。尚、リールの回転が定速に達すると、上記割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速で行われるよう維持する。上記割込処理により行われるリールの回転にかかる制御(開始、加速、定速等)は、リール回転手段を構成する。
次に、CPU31は、後で図29を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S9)。この処理は、停止操作の検出と内部当籤役と停止テーブル群とに基づいてリールの回転を停止するリール停止手段を構成する。次に、CPU31は、後で図27を参照して説明する表示役検索処理を行う(S10)。この処理は、全てのリールの回転が停止された結果、図柄表示手段により表示される図柄の組合せに基づいて、メダルの払出枚数など遊技者が獲得する利益を決定する入賞決定手段を構成する。次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(S11)。表示役コマンドには、決定された表示役などのデータが含まれる。
次に、CPU31は、メダルの払い出しを行う(S12)。具体的には、決定された払出枚数が格納された払出枚数カウンタの値をクレジットカウンタに加算する。そして、クレジットカウンタが最大値(例えば50)に達したときは、超えた分の数値に基づいて、ホッパー40の駆動を制御し、メダル払出口15からメダルを排出する。この処理は、遊技者に対してメダル等の遊技媒体を払い出す払出手段を構成する。次に、CPU31は、払出枚数カウンタに基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S13)。具体的には、ボーナス終了枚数カウンタが0を越える数値であるとき、当該カウンタから払出枚数として決定された数値を減算する。
次に、CPU31は、遊技状態フラグ格納領域を参照し、BB遊技状態又はMB遊技状態であるか否かを判別する(S14)。CPU31は、BB遊技状態又はMB遊技状態であると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行う(S15)。より具体的には、CPU31は、ボーナス終了枚数カウンタが0に更新されたか否かを判別し、0に更新されたと判別したときに、遊技状態フラグ格納領域をクリアする。この処理は、ボーナスゲームの作動を終了するボーナスゲーム終了手段を構成する。
CPU31は、S14においてBB遊技状態又はMB遊技状態ではないと判別したとき又はS15の後に、後で図31を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S16)。この処理は、ボーナスゲームの作動を行うボーナスゲーム作動手段を構成する。S17の処理が終了すると、S1に移る。
次に、図23を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S51)。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする(S52)。
CPU31は、S51において自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S53)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。
次に、CPU31は、MB遊技状態又はBB遊技状態であるか否かを判別する(S54)。CPU31は、MB遊技状態又はBB遊技状態であると判別したときには、投入最大値として1をセットする(S55)。即ち、MB遊技状態又はBB遊技状態では、基本的に、1枚のメダルを投入することによって一遊技を開始することが可能となっている。CPU31は、MB遊技状態又はBB遊技状態ではないと判別したときには、投入最大値として3をセットする(S56)。
CPU31は、S55の後又はS56の後に、メダルの通過が検出されたか否かを判別する(S57)。CPU31は、メダルの通過が検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S58)。CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算し、有効ラインカウンタに5を格納する(S59)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(S60)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。
CPU31は、S58において投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S61)。CPU31は、S57においてメダルの通過が検出されていないと判別したとき、S60の後又はS61の後に、メダルの通過途中であるか否かを判別する(S62)。CPU31は、メダルの通過途中ではないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(S63)。ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタが更新される。
CPU31は、S62においてメダルの通過途中であると判別したとき又はS63の後に、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S64)。投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、S57に移る。CPU31は、S64において投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したとき又はS52の後に、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(S65)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、S57に移り、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S66)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わず、メダルのメダル払出口15からの排出を促す。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図24を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル等決定テーブルを参照し、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブル、抽籤回数及び内部当籤役決定テーブルを決定する(S81)。次に、CPU31は、抽出された乱数値を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(S82)。以下では、判定用乱数値の加工を行う。
次に、CPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(S83)。次に、CPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S84)。次に、CPU31は、桁かりが生じたか否かを判別する(S85)。CPU31は、桁かりが生じていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S86)。次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S87)。CPU31は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S83に移り、抽籤回数は0であると判別したときには、当籤番号をリセットする(S88)。即ち、当籤番号は0となる。
CPU31は、S85において桁かりが行われたと判別したとき又はS88の後に、内部当籤役決定テーブルを参照し、当籤番号に基づいて内部当籤役を取得し、内部当籤役格納領域に格納する(S89)。例えば、MB遊技状態であり、当籤番号が1であれば、特殊内部当籤役決定テーブルを参照し、内部当籤役として「リプレイB」を取得する。
次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S90)。CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、内部当籤役格納領域のビット5又はビット6はオンであるか否かを判別する(S91)。即ち、内部当籤役としてBB又はMBが決定されたか否かが判明する。CPU31は、内部当籤役格納領域のビット5又はビット6はオンであると判別したときには、内部当籤役格納領域に格納されているデータを持越役格納領域に格納する(S92)。
CPU31は、S92の後、S91において内部当籤役格納領域のビット5又はビット6はオンではないと判別したとき、又は、S90において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域に格納されているデータと内部当籤役格納領域に格納されているデータとの論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S93)。
次に、CPU31は、MB遊技状態であるか否かを判別する(S94)。CPU31は、MB遊技状態ではないと判別したときには、内部抽籤処理を終了し、MB遊技状態であると判別したときには、内部当籤役格納領域のビット0〜ビット2をオンする(S95)。即ち、MB遊技状態では、抽出された乱数値にかかわらず、メダルの払い出しに係る図柄の組合せのすべて(チェリー、ベル及びスイカ)の表示を許容する内部当籤役が決定され、遊技者にとって有利な結果がもたらされるようになっている。したがって、MB遊技状態では、遊技者は基本的に停止操作のタイミングをはかることによって所望のメダルの払い出しに係る図柄の組合せを表示させることができる。尚、MB遊技状態において当籤番号1が決定されたときであれば、前述のS89において内部当籤役格納領域にデータ「00010000B(リプレイB)」が格納されているが、S95の処理を行うことによってそのデータが「00010111B(リプレイB+スイカ+ベル+チェリー)」に更新される。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図25を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、CPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、前述のS89において内部当籤役決定テーブルから取得された内部当籤役に基づいて停止テーブルを選択し、そのアドレスを格納する(S121)。この処理は、リールの回転が停止可能な位置を規定する複数の停止テーブルの何れかを内部当籤役に基づいて選択する停止テーブル選択手段を構成する。
次に、CPU31は、各図柄格納領域に回転中を示す識別子「0FFH(11111111B)」を格納する(S122)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納する(S123)。ストップボタン未作動カウンタは、停止操作が検出されていないストップボタンの数を管理するためのデータである。
次に、CPU31は、後で図26を参照して説明する表示役予想格納処理を行う(S124)。この処理は、複数のリールのそれぞれの表面に配された各図柄に応じて優先順位を決定する優先順位決定手段を構成する。この処理が終了すると、リール停止初期設定処理を終了する。
次に、図26を参照して、表示役予想格納処理について説明する。
初めに、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを検索回数として格納する(S141)。即ち、回転中のリールの数が検索回数として格納される。次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータとして「008H(00001000B)」をセットする(S142)。
次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータを右へローテートする(S143)。例えば、「008H(00001000B)」であれば、「004H(00000100B)」となる。次に、CPU31は、ストップボタンチェックデータと有効ストップボタン格納領域に格納されているデータとの論理積は0であるか否かを判別する(S144)。CPU31は、論理積は0であると判別したときには、S143に移り、論理積は0ではないと判別したときには、検索回数に応じた回数を実行したか否かを判別する(S145)。この処理では、RAM33に格納されている検索回数をレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを減算した結果、0になったか否かを判別するようにしている。即ち、RAM33に格納されている検索回数自体の減算はここでは行わない。S143〜S145の処理により、回転中のリールのうち、より左寄りのリールの種別が判明する。
CPU31は、S145において検索回数に応じた回数を実行していないと判別したときには、S143に移り、検索回数に応じた回数を実行したと判別したときには、ストップボタンチェックデータに基づいて検索対象リールを決定し、これに応じた表示役予想格納領域のアドレスを指定する(S146)。この処理の結果、ストップボタンチェックデータが「001H」、「002H」及び「004H」のとき、それぞれに応じて、検索対象リールとして左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rが決定され、それぞれに応じた表示役予想格納領域の先頭アドレス(即ち、図柄位置0のアドレス)がセットされる。次に、CPU31は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(S147)。
次に、CPU31は、図柄配置テーブル(図示せず)を参照し、図柄位置データに基づいて、図柄格納領域に図柄コードを格納する(S148)。例えば、検索対象リールが左リール3Lであり、図柄位置データが「0」ならば、左リール3Lの図柄位置「0」に対応する図柄「ベル」の図柄コードが左リール中段のアドレスに格納され、左リール3Lの図柄位置「1」に対応する図柄「リプレイ」の図柄コードが左リール上段のアドレスに格納され、また、左リール3Lの図柄位置「20」に対応する図柄「ブランク」の図柄コードが左リール下段のアドレスに格納される。
次に、CPU31は、後で図27を参照して説明する表示役検索処理を行う(S149)。この処理では、3つのリールのそれぞれの表面に配された各図柄に応じて、入賞判定ライン8a〜8eに沿って遊技者に対して表示され得る図柄の組合せの検索を行う。次に、CPU31は、後で図28を参照して説明する優先引込順位データ取得処理を行う(S150)。この処理では、3つのリールのそれぞれの表面に配された各図柄に応じて、上記表示役検索処理により特定された図柄の組合せと優先順位テーブルとに基づいて、優先引込順位データを決定する。
次に、CPU31は、優先引込順位データを表示役予想格納領域に格納する(S151)。例えば、表示役予想格納領域の現在のアドレスが図柄位置「0」に対応するアドレスであれば、このアドレスに優先引込順位データが格納される。次に、CPU31は、表示役予想格納領域のアドレス及び図柄位置データをそれぞれ1加算し、図柄チェック回数を1減算する(S152)。
次に、CPU31は、図柄チェック回数は0であるか否かを判別する(S153)。CPU31は、図柄チェック回数が0ではないと判別したときには、S148に移り、図柄チェック回数が0であると判別したときには、検索回数を1減算する(S154)。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(S155)。CPU31は、検索回数が0であると判別したときには、表示役予想格納処理を終了し、検索回数が0ではないと判別したときには、全図柄格納領域に回転中を示す識別子を格納する(S156)。即ち、次の検索対象リールの検索に移る前に、一旦、全てのリールを回転中としておく。
次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3であるか否かを判別する(S157)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは3であると判別したときには、S142に移り、ストップボタン未作動カウンタは3ではないと判別したときには、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S158)。次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて、図柄格納領域に図柄コードを格納する(S159)。即ち、S156において一旦全てのリールが回転中とされたことから、次の検索対象リールを特定する前に、この処理においてあらためて、その回転が既に停止されているリールについて、入賞判定ライン上に表示されている図柄の図柄コードを格納する。この処理が終了すると、S142に移る。
次に、図27を参照して、表示役検索処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域の先頭アドレスをセットする(S181)。即ち、センターラインに対応するアドレスがセットされる。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットする(S182)。即ち、赤チェリーに係る図柄の組合せに対応するアドレスがセットされる(図4参照)。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3個の図柄コードとを比較する(S183)。
次に、CPU31は、回転中を示す識別子を除いて一致するか否かを判別する(S184)。一致すると判別したときには、入賞作動フラグを取得する(S185)。例えば、図柄格納領域のセンターラインに対応するアドレスに「ベル−回転中−回転中」が格納されており、ベルに係る図柄の組合せ「ベル−ベル−ベル」との比較を行うとき、回転中を示す識別子を除いて一致することから、入賞作動フラグとしてベルが取得される。
次に、CPU31は、入賞作動フラグと、指定された表示役格納領域との論理和を表示役格納領域に格納する(S186)。即ち、S185において取得された入賞作動フラグが表示役格納領域において累積的に加算されていく。次に、CPU31は、検索回数は0であるか否かを判別する(S187)。CPU31は、検索回数は0であると判別したとき(即ち、全てのリールが停止しているとき)には、投入枚数に応じて、払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算する(S188)。
CPU31は、S184において回転中の識別子を除いて一致しないと判別したとき、S187において検索回数は0ではないと判別したとき又はS188の後に、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(S189)。即ち、現在のアドレスがベルに係る図柄の組合せに対応するアドレスであれば、スイカに係る図柄の組合せに対応するアドレスに進める。次に、CPU31は、エンドコードであるか否かを判別する(S191)。CPU31は、エンドコードではない、即ち、図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せについて検索を行っていないと判別したときには、S183に移る。
CPU31は、エンドコードであると判別したときには、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する(S191)。この処理では、RAM33に格納されている有効ラインカウンタをレジスタに予め転送しておき、当該レジスタを減算した結果、0になったか否かを判別するようにしている。即ち、RAM33に格納されている有効ラインカウンタ自体の減算はここでは行わない。CPU31は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したと判別したときには、表示役検索処理を終了し、有効ラインカウンタに応じた回数を実行してないと判別したときには、図柄格納領域のアドレスを更新する(S192)。即ち、センターライン→トップライン→ボトムライン→クロスダウンライン→クロスアップラインの順で更新される。この処理が終了すると、S182に移る。
次に、図28を参照して、優先引込順位データ取得処理について説明する。
初めに、CPU31は、検索対象リールは左リールであるか否かを判別する(S211)。検索対象リールは左リールではないと判別したときには、表示役格納領域のビット0をクリアする(S212)。つまり、左リール3Lの図柄の種別のみを問うチェリー(チェリー−ANY−ANY)に対応するビット0をクリアして中リール3C及び右リール3Rの優先引込順位データの決定に反映されないようにする。
CPU31は、S211において検索対象リールは左リールであると判別したとき又はS212の後に、内部当籤役格納領域と表示役格納領域との排他的論理和をとり、その結果と表示役格納領域との論理積をとる(S213)。この処理によって、表示役格納領域でのみオンとなるビットが有るか否かが判明し、このことから、表示役が内部当籤役に含まれるか否か、即ち、現在のチェック対象の図柄が、決定された内部当籤役を満足するものであるか否かが判明する。
次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(S214)。尚、論理積が0ではないとき、内部当籤役によって許容されない図柄の組合せが表示される虞があることが判明する。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、ストップボタン未作動カウンタは1であるか否かを判別する(S215)。即ち、回転中のリールが残り1つであるか否かが判明する。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタが1ではないと判別したときには、チェリーに対応するビットはオンであるか否かを判別する(S216)。
CPU31は、S215においてストップボタン未作動カウンタが1であると判別したとき又はS216においてチェリーに対応するビットはオンであると判別したときには、優先引込順位データとして0をセットする(S225)。優先引込順位データが「000H」であるとき、「停止禁止」として扱われる。
CPU31は、S214において論理積は0であると判別したとき又はS216において青チェリーに対応するビットはオンではないと判別したときには、優先順位テーブルの先頭アドレスをセットし、チェック回数として「3」、優先順位の初期値として「1」をセットする(S217)。即ち、優先順位テーブルの「リプレイ」に対応するアドレスがセットされる。次に、CPU31は、優先引込順位データの初期値として「0」をセットする(S218)。
次に、CPU31は、優先順位テーブルの現在のアドレスから引込データを取得し、内部当籤役格納領域、表示役格納領域及び引込データの論理積をとる(S219)。次に、CPU31は、論理積は0であるか否かを判別する(S220)。CPU31は、論理積は0ではないと判別したときには、優先順位テーブルを参照して優先引込順位データを取得し、優先引込順位データとの論理和を新たな優先引込順位データとしてセットする(S221)。例えば、優先引込順位データが「00001000B(優先順位1のリプレイ)」であり、優先順位テーブルから取得した優先引込順位データが「00000010B(優先順位3の小役)」であるとき、新たな優先引込順位データとして「00001010B(リプレイ+小役)」をセットする。
CPU31は、S220において論理積は0であると判別したとき又はS221の後に、チェック回数を1減算し、優先順位を1加算する(S222)。次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(S223)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、S219に移る。
CPU31は、チェック回数は0であると判別したときには、優先引込順位データを1加算する(S224)。例えば、優先引込順位データとして「00001010B(リプレイ+小役)」がセットされているとき、これに「1」が加算され、「00001011B(00BH)」となる。尚、優先順位1〜優先順位3の何れにも該当しないとき(いわゆるハズレ)、「000H」に「1」が加算され、「001H(停止可能)」となる。この処理が終了すると、優先引込順位データ取得処理を終了する。
次に、図29を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S241)。CPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、S241を繰り返す。CPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、有効ストップボタン格納領域の対応ビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する(S242)。尚、このとき、停止操作が検出されたときの図柄カウンタをセットする。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S243)。
次に、CPU31は、ストップボタンが押されたときの図柄カウンタ(言い換えるならば停止開始位置)と停止テーブルとに基づいて停止データ用滑り駒数を取得する(S244)。この処理は、複数のリールのそれぞれの表面に配された各図柄に応じて予め定められた数値の範囲0〜X(Xは自然数)の何れかを滑り駒数として規定する停止テーブルに基づいて滑り駒数を決定する滑り駒数決定手段を構成する。
次に、CPU31は、後で図29を参照して説明する優先引込制御処理を行う(S245)。この処理は、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われたときに図柄特定手段により特定される図柄から予め定められた範囲(例えば、最大滑り駒数「4コマ」の範囲)の図柄までの各図柄に応じた優先順位の比較を行う優先順位比較手段を構成する。
次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(S246)。リール停止コマンドには、有効ストップボタン、作動ストップボタン、停止開始位置及び停止予定位置などのデータが含まれる。
次に、CPU31は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、格納する(S247)。停止予定位置が格納されると、前述した一定周期毎の割込処理によって、ステッピングモータの駆動が制御され、当該停止予定位置に基づいてリールの回転が停止される。尚、滑り駒数と停止予定位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。
次に、CPU31は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(S248)。次に、CPU31は、図柄配置テーブル(図示せず)を参照し、図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に格納する(S249)。
次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(S250)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したときには、リール停止制御処理を終了し、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、前述の表示役予想格納処理を行う(S251)。この処理では、残りの回転中のリールの各図柄について優先引込順位データを決定する。この処理が終了すると、S241に移る。
次に、図30を参照して、優先引込制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、作動ストップボタンに応じて表示役予想格納領域のアドレスを選択し、図柄カウンタに基づいて加算する(S271)。例えば、作動ストップボタンが左ストップボタン7Lであり、且つ図柄カウンタ(言い換えるならば停止開始位置)が「10」であれば、左リール3Lに対応する表示役予想格納領域の図柄位置「10」のアドレスがセットされる。
次に、CPU31は、チェック回数として5をセットする(S272)。次に、CPU31は、MB遊技状態、且つ、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S273)。CPU31は、MB遊技状態、且つ、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したときには、チェック回数を2に変更する(S274)。
CPU31は、S274の後又はS273においてMB遊技状態であり、且つ、作動ストップボタンは左ストップボタンであることを満たさないと判別したときには、チェック回数の範囲内で最も大きい優先引込順位データを検索し、最優先フラグデータとしてセットする(S275)。次に、CPU31は、優先順序テーブルの先頭アドレスをセットし、優先順序の初期値として「5」をセットする(S276)。尚、MB遊技状態であり、且つ、作動ストップボタンは左ストップボタンであるときには、優先順序の初期値として「2」をセットする。次に、CPU31は、停止データ用滑り駒数に基づいて、優先順序テーブルのアドレスを加算する(S277)。
次に、CPU31は、現在の優先順序に応じた滑り駒数を取得する(S278)。次に、CPU31は、取得した滑り駒数をS321において指定した表示役予想格納領域のアドレスに加算し、優先引込順位データを取得する(S279)。次に、CPU31は、取得した優先引込順位データは最優先フラグデータを下回るか否かを判別する(S280)。CPU31は、最優先フラグデータを下回らないと判別したときには、滑り駒数を退避する(S281)。
CPU31は、S280において最優先フラグデータを下回ると判別したとき又はS281の後に、チェック回数を1減算し、優先順序を1減算する(S282)。次に、CPU31は、チェック回数は0であるか否かを判別する(S283)。CPU31は、チェック回数は0ではないと判別したときには、S278に移る。CPU31は、チェック回数は0であると判別したときには、退避されている滑り駒数を復帰する(S284)。この処理が終了すると、優先引込制御処理を終了する。
次に、図31を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はBB又はMBであるか否かを判別する(S301)。CPU31は、表示役はBB又はMBであると判別したときには、持越役格納領域をクリアする(S302)。次に、CPU31は、ボーナス作動時テーブルを参照し、表示役に基づいてボーナス作動時処理を行う(S303)。次に、CPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路72に対して送信する(S304)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
CPU31は、S301において表示役はBB又はMBではないと判別したときには、表示役はリプレイA又はリプレイBであるか否かを判別する(S305)。CPU31は、表示役はリプレイA又はリプレイBではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、表示役はリプレイA又はリプレイBであると判別したときには、MB遊技状態であるか否かを判別する(S306)。
CPU31は、MB遊技状態ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写する(S307)。これに対して、MB遊技状態であると判別したときには、自動投入カウンタに3を格納する(S308)。即ち、本実施の形態のMB遊技状態では、投入枚数の最大数が1枚(第1の量に相当する)に定められているが、リプレイの作動に係る図柄の組合せが表示されると、次回における投入枚数が3枚(第2の量に相当する)に決定される。S307又はS308の処理は、再遊技の作動を行う再遊技作動手段を構成する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
以下では、図32及び図33を参照して、MB遊技状態において内部当籤役として「チェリー+ベル+スイカ+リプレイB」が決定された場合における、前述の表示役予想格納処理、リール停止制御処理、優先引込制御処理などの内容について、具体例を挙げて説明する。図32及び図33は、停止テーブル及び表示役予想格納領域に格納されている優先引込順位データに基づいて各リールの回転が停止された場合に、遊技者に対して表示される図柄の組合せを示す。
以下では、初めに、図32を参照して、左リール3Lの停止開始位置が「10」である場合、より具体的に言うと、停止開始位置がリプレイBに係る図柄の組合せを構成する図柄「BAR」の表示を回避不可能な図柄位置である場合を「パターンA」として説明する。続いて、図33を参照して、左リール3Lの停止開始位置が「1」である場合、より具体的に言うと、停止開始位置がリプレイBに係る図柄の組合せを構成する図柄「BAR」の表示を回避可能な図柄位置である場合を「パターンB」として説明する。尚、パターンA及びパターンBともに、中リール3C及び右リール3Rの停止開始位置は「7」であるとする。
<パターンA>
(リール停止初期設定処理)
まず、3つのストップボタンの何れかが押される前に行われる処理について説明する。前述のリール停止初期設定処理(図25)では、MB遊技状態であることから、これに応じた停止テーブル(即ち、停止テーブルTBL99)を選択する。そして、表示役予想格納処理(図26)において、全てのリール3L,3C,3Rにおける21個の各図柄について優先引込順位データを決定し、表示役予想格納領域に格納する。
ここで、表示役予想格納処理の内容について、左リール3Lの図柄位置10について優先引込順位データを決定する場合を例に挙げて説明する。このとき、左表示窓4Lにおいては、中段に図柄位置10の図柄「ベル」が、上段に図柄位置11の図柄「赤7」が、下段に図柄位置9の図柄「スイカ」がそれぞれ表示されることとなる。したがって、入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示されることとなる図柄の組合せは次の通りとなる。
即ち、センターライン8cに沿って図柄の組合せ「ベル−回転中−回転中」が、トップライン8b及びクロスダウンライン8eに沿って図柄の組合せ「赤7−回転中−回転中」が、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aに沿って図柄の組合せ「スイカ−回転中−回転中」がそれぞれ表示されることとなる。
次に、表示役検索処理(図27)において、各入賞判定ラインに応じて、図柄組合せテーブル(図4)に規定されている図柄の組合せのうち、遊技者に対して表示される可能性のある図柄の組合せの検索が行われる。検索の結果、センターライン8cに沿って表示されることなる図柄の組合せ「ベル−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「ベル−ベル−ベル」であることから、入賞作動フラグとして「ベル」が取得される。また、トップライン8b及びクロスダウンライン8eのそれぞれに沿って表示されることなる図柄の組合せ「赤7−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「赤7−赤7−赤7」であることから、入賞作動フラグとして「BB」が取得される。また、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aのそれぞれに沿って表示されることなる図柄の組合せ「スイカ−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「スイカ−スイカ−スイカ」であることから、入賞作動フラグとして「スイカ」が取得される。したがって、これらの入賞作動フラグの論理和がとられる結果、表示役として「ベル+スイカ+BB」が決定される。
次いで、優先引込順位データ取得処理(図28)において、上記表示役と内部当籤役と優先順位テーブル(図14)とに基づいて、優先引込順位データの決定が行われる。この結果、上記表示役の内容である、ベル、スイカ及びBBのうち、BBについては、内部当籤役「チェリー+ベル+スイカ+リプレイB」によりその表示が許容されないことから、優先引込順位データは「00000011B=003H{小役(ベル+スイカ)+停止可能}」となる。したがって、上記優先引込順位データが表示役予想格納領域の図柄位置10のアドレスに格納される。尚、他の図柄位置についても、上記と同様にして、優先引込順位データの決定が行われる。
(第1停止操作)
図32の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理(図29)について説明する。左ストップボタン7Lが押されたことが検出され、その停止開始位置が「10」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「0」が取得される。
優先引込制御処理(図30)において、MB遊技状態では左リール3Lについての滑り駒数は「0」及び「1」の何れかに決定されることから、停止開始位置「10」を含む“2つ分”の図柄位置(即ち、図柄位置「10」及び図柄位置「11」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「00BH(リプレイ+ベル+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「11(即ち、停止開始位置10+滑り駒数1)」であるので、上記図柄位置「11」が停止予定位置として決定される。即ち、停止テーブルにより規定されている滑り駒数よりもより適切な滑り駒数が決定される。当該停止予定位置「11」にて左リール3Lの回転が停止される結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄「赤7」が、上段に図柄「BAR」が、下段に図柄「ベル」がそれぞれ表示される。
(第1停止操作後)
表示役予想格納処理において、回転中の中リール3C及び右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
このときの表示役予想格納処理の内容について、中リール3Cの図柄位置7について優先引込順位データを決定する場合を例に挙げて説明する。このとき、中表示窓4Cにおいては、中段に図柄位置7の図柄「ブランク」が、上段に図柄位置8の図柄「リプレイ」が、下段に図柄位置6の図柄「チェリー」がそれぞれ位置することとなる。したがって、入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示されることとなる図柄の組合せは次の通りとなる。
即ち、センターライン8cに沿って図柄の組合せ「赤7−ブランク−回転中」が、トップライン8bに沿って図柄の組合せ「BAR−リプレイ−回転中」が、ボトムライン8dに沿って図柄の組合せ「ベル−チェリー−回転中」が、クロスダウンライン8eに沿って図柄の組合せ「BAR−ブランク−回転中」が、クロスアップライン8aに沿って図柄の組合せ「ベル−ブランク−回転中」がそれぞれ表示されることとなる。
表示役検索処理において、センターライン8cに沿って表示されることなる図柄の組合せ「赤7−ブランク−回転中」と一致する図柄の組合せは存在しないことから、入賞作動フラグが「ハズレ」となる。これに対して、トップライン8bに沿って表示されることなる図柄の組合せ「BAR−リプレイ−回転中」と一致する図柄の組合せは、「BAR−リプレイ−リプレイ」であることから、入賞作動フラグとして「リプレイB」が取得される。
同様に、ボトムライン8dに沿って表示されることなる図柄の組合せ「ベル−チェリー−回転中」、クロスダウンライン8eに沿って表示されることなる図柄の組合せ「BAR−ブランク−回転中」及びクロスアップライン8aに沿って表示されることなる図柄の組合せ「ベル−ブランク−回転中」と一致する図柄の組合せは存在しないことから、入賞作動フラグが「ハズレ」となる。したがって、これらの入賞作動フラグの論理和がとられる結果、表示役として「リプレイB」が決定される。
次いで、優先引込順位データ取得処理が行われると、上記表示役の内容である、リプレイBは、内部当籤役「チェリー+ベル+スイカ+チェリー」によりその表示が許容されることから、優先引込順位データは「00001001B=009H(リプレイ+停止可能)」となる。この結果、上記優先引込順位データが表示役予想格納領域の図柄位置「7」のアドレスに格納される。尚、他の図柄位置についても、上記と同様にして、優先引込順位データの決定が行われる。
(第2停止操作)
図32の(2)を参照して、第2停止操作時について説明する。中ストップボタン7Cが押されたことが検出され、その停止開始位置が「7」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「2」が取得される。
優先引込制御処理において、停止開始位置「7」を含む“5つ分”の図柄位置(即ち、図柄位置「7」〜図柄位置「11」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「009H(リプレイ+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「7(即ち、停止開始位置7+滑り駒数0)」、「8(即ち、停止開始位置8+滑り駒数1)」及び「11(即ち、停止開始位置7+滑り駒数4)」である。これらに対応する滑り駒数のうち、優先順序テーブル(図15)を参照すると、滑り駒数「4」の優先順序の方が高いことから、上記図柄位置「11」が停止予定位置として決定される。この停止予定位置「11」にて中リール3Cの回転が停止される結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「チェリー」が、上段に図柄「リプレイ」が、下段に図柄「赤7」がそれぞれ表示される。
(第2停止操作後)
表示役予想格納処理において、回転中の右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
(第3停止操作)
図32の(3)を参照して、第3停止操作時について説明する。右ストップボタン7Rが押されたことが検出され、その停止開始位置が「7」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「3」が取得される。
優先引込制御処理において、停止開始位置「7」を含む“5つ分”の図柄位置(即ち、図柄位置「7」〜図柄位置「11」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「009H(リプレイ+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「7(即ち、停止開始位置7+滑り駒数0)」及び「11(即ち、停止開始位置7+滑り駒数4)」である。これらに対応する滑り駒数のうち、優先順序テーブルを参照すると、滑り駒数「0」の優先順序の方が高いことから、上記図柄位置「7」が停止予定位置として決定される。この停止予定位置「7」にて右リール3Rの回転が停止される結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「赤7」が、上段に図柄「リプレイ」が、下段に図柄「チェリー」がそれぞれ表示される。このようにして、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、トップライン8bに沿ってリプレイBに係る図柄の組合せ「BAR−リプレイ−リプレイ」が表示される。
したがって、MB遊技状態において内部当籤役として「チェリー+ベル+スイカ+リプレイB」が決定された場合、言い換えると、小役に係る図柄の組合せの表示及びリプレイBに係る図柄の組合せの表示が許容される内部当籤役が決定された場合であって、リプレイBに係る図柄の組合せを構成する図柄「BAR」が引き込み可能なタイミングで停止操作が行われたとき、リプレイBに係る図柄の組合せの表示が優先的に行われるようになっている。
<パターンB>
(リール停止初期設定処理)
まず、リール停止初期設定処理において、MB遊技状態であることから、停止テーブルTBL99を選択する。そして、前述したパターンAと同様に、表示役予想格納処理において、全てのリール3L,3C,3Rにおける21個の各図柄について優先引込順位データを決定し、表示役予想格納領域に格納する。
ここで、表示役予想格納処理の内容について、左リール3Lの図柄位置1について優先引込順位データを決定する場合を例に挙げて説明する。このとき、左表示窓4Lにおいては、中段に図柄位置1の図柄「リプレイ」が、上段に図柄位置2の図柄「青7」が、下段に図柄位置0の図柄「ベル」がそれぞれ表示されることとなる。したがって、入賞判定ライン8a〜8eに沿って表示されることとなる図柄の組合せは次の通りとなる。
即ち、センターライン8cに沿って図柄の組合せ「リプレイ−回転中−回転中」が、トップライン8b及びクロスダウンライン8eに沿って図柄の組合せ「青7−回転中−回転中」が、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aに沿って図柄の組合せ「ベル−回転中−回転中」がそれぞれ表示されることとなる。
次に、表示役検索処理において、各入賞判定ラインに応じて、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのうち、遊技者に対して表示される可能性のある図柄の組合せの検索が行われる。検索の結果、センターライン8cに沿って表示されることなる図柄の組合せ「リプレイ−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」であることから、入賞作動フラグとして「リプレイA」が取得される。また、トップライン8b及びクロスダウンライン8eのそれぞれに沿って表示されることなる図柄の組合せ「青7−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「青7−青7−青7」であることから、入賞作動フラグとして「MB」が取得される。また、ボトムライン8d及びクロスアップライン8aのそれぞれに沿って表示されることなる図柄の組合せ「ベル−回転中−回転中」と一致する図柄の組合せは、「ベル−ベル−ベル」であることから、入賞作動フラグとして「ベル」が取得される。したがって、これらの入賞作動フラグの論理和がとられる結果、表示役として「ベル+リプレイA+MB」が決定される。
次いで、優先引込順位データ取得処理において、上記表示役と内部当籤役と優先順位テーブルとに基づいて、優先引込順位データの決定が行われる。この結果、上記表示役の内容である、ベル、リプレイA及びMBのうち、リプレイA及びMBについては、内部当籤役「チェリー+ベル+スイカ+リプレイB」によりその表示が許容されないことから、優先引込順位データは「00000011B=003H{小役(ベル)+停止可能}」となる。したがって、上記優先引込順位データが表示役予想格納領域の図柄位置1のアドレスに格納される。尚、他の図柄位置についても、上記と同様にして、優先引込順位データの決定が行われる。
(第1停止操作)
図33の(1)を参照して、第1停止操作時のリール停止制御処理について説明する。左ストップボタン7Lが押されたことが検出され、その停止開始位置が「1」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「1」が取得される。
優先引込制御処理において、停止開始位置「1」を含む2つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「1」及び図柄位置「2」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「003H(ベル+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「1(即ち、停止開始位置1+滑り駒数0)」及び「2(即ち、停止開始位置1+滑り駒数1)」である。これらに対応する滑り駒数のうち、優先順序テーブルを参照すると、停止テーブルから取得された滑り駒数「1」の優先順序の方が高いことから、上記図柄位置「2」が停止予定位置として決定される。当該停止予定位置「2」にて左リール3Lの回転が停止される結果、左表示窓4Lにおいて、中段に図柄「青7」が、上段に図柄「ベル」が、下段に図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
(第1停止操作後)
表示役予想格納処理において、回転中の中リール3C及び右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
(第2停止操作)
図33の(2)を参照して、第2停止操作時について説明する。中ストップボタン7Cが押されたことが検出され、その停止開始位置が「7」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「2」が取得される。
優先引込制御処理において、停止開始位置「7」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「7」〜図柄位置「11」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「003H(ベル+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「8(即ち、停止開始位置7+滑り駒数1)」及び「9(即ち、停止開始位置7+滑り駒数2)」である。これらに対応する滑り駒数のうち、優先順序テーブルを参照すると、停止テーブルから取得された滑り駒数「2」の優先順序の方が高いことから、上記図柄位置「9」が停止予定位置として決定される。この停止予定位置「9」にて中リール3Cの回転が停止される結果、中表示窓4Cにおいて、中段に図柄「ベル」が、上段に図柄「赤7」が、下段に図柄「リプレイ」がそれぞれ表示される。
(第2停止操作後)
表示役予想格納処理において、回転中の右リール3Rについて、前述したように、優先引込順位データの決定が行われる。
(第3停止操作)
図33の(3)を参照して、第3停止操作時について説明する。右ストップボタン7Rが押されたことが検出され、その停止開始位置が「7」であることから、停止テーブルTBL99を参照することによって、停止データ用滑り駒数として「3」が取得される。
優先引込制御処理において、停止開始位置「7」を含む5つ分の図柄位置(即ち、図柄位置「7」〜図柄位置「11」)の優先引込順位データのうち最大の優先引込順位データが最優先フラグデータとしてセットされる。ここでは、「003H(ベル+停止可能)」が最優先フラグデータとして決定される。
ここで、最優先フラグデータを下回らない優先引込順位データが決定されている図柄位置は、「11(即ち、停止開始位置7+滑り駒数4)」のみであることから、上記図柄位置「11」が停止予定位置として決定される。この停止予定位置「11」にて右リール3Rの回転が停止される結果、右表示窓4Rにおいて、中段に図柄「チェリー」が、上段に図柄「リプレイ」が、下段に図柄「ベル」がそれぞれ表示される。このようにして、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転が停止される結果、クロスダウンライン8eに沿ってベルに係る図柄の組合せ「ベル−ベル−ベル」が表示される。
したがって、MB遊技状態において内部当籤役として「チェリー+ベル+スイカ+リプレイB」が決定された場合、言い換えると、小役に係る図柄の組合せの表示及びリプレイBに係る図柄の組合せの表示が許容される内部当籤役が決定された場合であって、リプレイBに係る図柄の組合せを構成する図柄が引き込み不可能なタイミングで停止操作が行われたとき、小役に係る図柄の組合せの表示が行われる。
以上説明したように、本実施の形態のスロットマシン1では、MB遊技状態において払い出されたメダルが270枚に達したことを条件にその作動を終了するようにしている。このMB遊技状態では、基本的に1枚のメダルを投入することにより抽籤が実行され、リプレイBに係る図柄の組合せ(BAR−リプレイ−リプレイ)の表示及び小役に係る図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)の表示を許容する内部当籤役「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」が決定されるようにしている。即ち、MB遊技状態では、上記内部当籤役「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」が決定された場合、遊技者による停止操作のタイミングに基づいて、リプレイBに係る図柄の組合せ及び小役に係る図柄の組合せの何れかを表示させることが可能となっている。
そして、MB遊技状態においてリプレイBに係る図柄の組合せが表示されたとき、そのときの投入枚数である1枚を超える3枚のメダルが、次回において自動的に投入されることにより再遊技の作動が行われる(図31のボーナス作動チェック処理のS308参照)。即ち、MB遊技状態では、基本的に、1枚のメダルが投入されることにより抽籤が実行されるが、リプレイBに係る図柄の組合せが表示されたときには、次回において、3枚のメダルが投入されることにより抽籤が実行される。
また、MB遊技状態において小役に係る図柄の組合せ、例えばベルに係る図柄の組合せが表示されたとき、投入枚数が1枚のときであれば、15枚のメダルが払い出される一方で、再遊技の作動によって投入枚数が3枚であるときであれば、9枚のメダルが払い出されるようにした。即ち、MB遊技状態では、再遊技の作動を経ずに小役に係る図柄の組合せが表示されたときに決定される払出枚数は、再遊技の作動を経て小役に係る図柄の組合せが表示されたときに決定される払出枚数と比べて多い。
このように、本実施の形態のスロットマシン1では、MB遊技状態において、再遊技の作動を経て小役に係る図柄の組合せが表示されたときに、遊技者が獲得可能なメダルの量(即ち、払出枚数と投入枚数との差、いわゆる純増枚数であり、ベルに係る図柄の組合せを例に挙げれば、9枚−1枚=8枚)は、再遊技の作動を経ずに小役に係る図柄の組合せが表示されたときにおけるそれ(ベルに係る図柄の組合せを例に挙げれば、15枚−1枚=14枚)と比べて少なくなる。この結果、270枚のメダルの払い出しが行われてMB遊技状態の作動が終了するまでにおける純増枚数の合計は、再遊技の作動を経て小役に係る図柄の組合せが表示されたとき(例えば、ベルに係る図柄の組合せを例に挙げると、270枚−270枚÷9枚×1枚=240枚)よりも、再遊技の作動を経ずに小役に係る図柄の組合せが表示されたとき(例えば、ベルに係る図柄の組合せを例に挙げると、270枚−270枚÷15枚×1枚=252枚)の方が多くなる。
即ち、遊技者は、MB遊技状態において、内部当籤役「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」が決定された場合、リプレイBに係る図柄の組合せの表示を回避して、例えばベルに係る図柄の組合せの表示が行われるように、停止操作を行うことができれば、より多くのメダルを獲得することが見込めるようになる。したがって、MB遊技状態において遊技者に対して払い出されるメダルの上限は一様(即ち、270枚)であるが、停止操作の技量等の遊技者の工夫次第によっては、獲得可能なメダル(即ち、前述の純増枚数)に差が生じるようにすることができることから、遊技者に技量等を発揮しようという動機付けを与え、遊技者が抱く期待に起伏を生じさせることが可能となる。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の回胴式遊技機が備える、リール、内部当籤役決定手段、リール回転手段、停止操作検出手段、リール停止手段、再遊技作動、払出手段、有利状態作動手段、有利状態終了手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
本実施の形態のスロットマシン1では、第1の図柄の組合せの表示及び第2の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役として「リプレイB+チェリー+ベル+スイカ」を採用したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、内部当籤役として「リプレイB+ベル」を採用するなど、メダルの払い出しに係る第2の図柄の組合せについて少なくとも1種類の図柄の組合せを採用するようにしても良い。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、遊技者にとって有利な状態として、乱数値を用いた抽籤の結果にかかわらず小役に係る複数種類の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が決定されるMB遊技状態を採用したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、本実施の形態におけるBB遊技状態などを適用するようにしても良い。尚、この場合においても、内部当籤役として「リプレイB+ベル」が決定される構成を採用する。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、第1に係る図柄の組合せとして、リプレイBに係る図柄の組合せを採用し、これを構成する図柄「BAR」が、3つのリールのうち1つ(即ち、左リール3L)の表面において他の図柄がX+1個連続するように配されているようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。2つ又は全てのリールの表面において他の図柄がX+1個連続するように配されている構成を採用するようにしても良い。
本実施の形態のスロットマシン1では、内部当籤役に基づいて停止テーブルを選択し、停止データ用滑り駒数を一旦決定した後、優先引込制御処理を実行することにより各リールの回転を停止させる位置を決定するようにしたが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、内部当籤役に基づいて停止テーブルを選択しない構成を採用し、優先引込制御処理のみを実行することにより各リールの回転を停止させる位置を決定するようにしても良い。
また、本実施の形態では、内部当籤役が決定されると、これに基づいて停止テーブルを決定し、当該停止テーブルに基づいてリールの回転を停止するようにしている。即ち、内部当籤役に「基づいて」とは、内部当籤役そのものであることに限らず、そのデータ等に加工等を施し、その結果(言い換えれば、そのデータ等から導き出されるデータ)をも含む概念である。同様に、開始操作の検出に「基づいて」とは、開始操作の検出が行われた直後であることに限らず、開始操作の検出が行われて所定の時間が経過するのを待った後であることなどをも含む。このように、他で使用される「基づいて」についても、上記と同様のことが言える場合がある。
また、本実施の形態において適用した、図1及び図2に示す装置構成、図3に示す回路構成及びその周辺装置、図4〜図15に示すテーブルの構成、図16〜図21に示すRAMの格納領域の構成、図22〜図31に示すフローチャートの構成などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のようなスロットマシンの他、複数種類の図柄がその表面に配された複数のリール及びこのリールの回転及びその停止の動作を液晶表示装置において映像により表示するビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。また、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。