前記特許文献1などに記載された従来の検査方法は、前記配線の接続端子部を配置した方向、言い換えると配線幅方向の位置ずれによる接続不良のみを検知する検査方法である。
しかしながら、前記液晶表示パネルの配線と前記ドライバICの配線を接続するときには、前記配線幅方向だけでなく、様々な方向への位置ずれが生じる。前記配線を接続するときに、たとえば、前記配線幅と垂直な方向への位置ずれが生じた場合、たとえば、接続面積の増加あるいは減少による導通不良を生じる可能性があるが、前記従来の検査方法では、このような不良が生じているか否かを判定することができないという問題があった。
また、前記液晶表示パネルの配線は、通常、接続用の端子領域の先が隣接する配線側に折れ曲がっている。そのため、前記配線幅と垂直な方向への位置ずれが生じた場合、ずれの量が大きいと、前記ドライバICの前記配線幅と垂直な方向の延長線上で、前記ドライバICの配線が、前記液晶表示パネルのあらかじめ定められた配線と隣接する配線と導通し、短絡する可能性もある。しかしながら、前記従来の検査方法では、このような不良が生じているか否かを判定することもできない。
そのため、たとえば、前記特許文献1に記載されたような検査方法で、位置ずれによる接続不良が生じているか否かを判定する方法を適用した場合でも、前記液晶表示パネルの動作検査をするときに、前記接続不良や短絡不良が生じている液晶表示パネルの動作検査を行うこともあり、必ずしも前記液晶表示パネルの動作検査の作業性をよくなるとは限らないという問題があった。
また、前記プリント回路板の配線と前記フレキシブル基板の配線を接続するときも、前記液晶表示パネルの配線と前記フレキシブル基板の配線を接続するとき程ではないが、高い位置精度が要求される。そして、接続時に位置ずれが生じることがある。
本発明の目的は、液晶表示パネルの配線とフレキシブル基板の配線を接続したときの位置ずれによる接続不良や短絡不良の判定を容易にすることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、プリント回路板の配線とフレキシブル基板の配線を接続したときの位置ずれによる接続不良や短絡不良の判定を容易にすることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、液晶表示パネルの動作検査の作業性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
本願において開示される発明の概略を説明すれば、以下の通りである。
(1)基板の表面に画像表示用の複数本の配線(以下、第1配線という)が設けられた表示パネルと、フィルム状の絶縁基板の表面に複数本の配線(以下、第2配線という)が設けられたフィルム状基板と、前記第2配線を介して前記第1配線と電気的に接続される配線が設けられたプリント回路板とを備える表示装置であって、前記表示パネルは、前記第1配線と前記第2配線を電気的に接続するときの位置ずれを判定する導電性の判定端子が設けられ、前記フィルム状基板は、前記判定端子と電気的に接続された判定電位供給配線と、前記判定電位供給配線と隣接しており、かつ、前記各第1配線および前記判定端子と電気的に絶縁された位置ずれ検知配線とが設けられており、前記表示パネルの判定端子は、前記位置ずれ検知配線と前記判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する表示装置である。
(2)前記手段(1)において、前記フィルム状基板の前記位置ずれ検知配線は、前記表示パネルと平面的に重なる領域内に、部分的に配線幅が広くなっている領域があり、前記表示パネルの判定端子の前記判定部は、前記位置ずれ検知配線の前記配線幅が広くなっている領域を平面的に囲む不連続な環状形状である表示装置である。
(3)前記手段(1)または手段(2)において、前記表示パネルの判定端子は、前記各第1配線とは電気的に独立している表示装置である。
(4)前記手段(1)または手段(2)において、前記表示パネルの判定端子は、前記各第1配線のいずれかの端部に設けられている表示装置である。
(5)前記手段(1)から手段(4)のいずれかにおいて、前記フィルム状基板の前記判定電位供給配線および前記位置ずれ検知配線は、前記プリント回路板に設けられた配線と電気的に接続されている表示装置である。
(6)前記手段(5)において、前記フィルム状基板を複数個備え、前記プリント回路板に設けられた配線のうち、前記各フィルム状基板の前記判定電位供給配線または前記位置ずれ検知配線と電気的に接続される配線は、共通配線である表示装置。
(7)前記手段(1)から手段(6)のいずれかにおいて、前記フィルム状基板には、半導体チップが実装されている表示装置である。
(8)基板の表面に画像表示用の複数本の配線(以下、第1配線という)が設けられた表示パネルと、フィルム状の絶縁基板の表面に複数本の配線(以下、第2配線という)が設けられたフィルム状基板と、前記第2配線を介して前記第1配線と電気的に接続される配線(以下、第3配線という)が設けられたプリント回路板とを備える表示装置であって、前記フィルム状基板は、前記第3配線と前記第2配線を電気的に接続するときの位置ずれを判定する導電性の判定端子が設けられ、前記プリント回路板は、前記判定端子と電気的に接続された判定電位供給配線と、前記第3配線および前記判定電位供給配線とは電気的に絶縁された位置ずれ検知端子とが設けられており、前記フィルム状基板の判定端子は、前記位置ずれ検知端子と前記判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する表示装置である。
(9)前記手段(8)において、前記フィルム状基板の判定端子の前記判定部は、前記位置ずれ検知端子を平面的に囲む環状形状であり、前記プリント回路板は、絶縁基板の表面および内部に2層以上の配線層を有し、前記位置ずれ検知端子は、前記絶縁基板の内部に設けられた配線層を介して、前記判定部の外部領域に設けられた配線と電気的に接続されている表示装置である。
(10)前記手段(8)または手段(9)において、前記プリント回路板の判定電位供給配線は、前記各第3配線とは電気的に独立している表示装置である。
(11)前記手段(8)または手段(9)において、前記プリント回路板の判定電位供給配線は、前記各第3配線のいずれかと共用している表示装置である。
(12)前記手段(8)から手段(11)のいずれかにおいて、前記フィルム状基板を複数個備え、前記プリント回路板に設けられた配線のうち、前記各フィルム状基板の前記判定電位供給配線または前記位置ずれ検知端子と電気的に接続される配線は、共通配線である表示装置である。
(13)前記手段(8)から手段(12)のいずれかにおいて、前記第2配線の前記第3配線との接続部、または前記フィルム状基板の判定端子の、前記プリント回路板の判定電位供給配線との接続部に、階段状の切り欠きが設けられている表示装置である。
(14)前記手段(13)において、前記階段状の切り欠きは、前記第2配線または前記判定端子の対向する2辺に設けられている表示装置である。
(15)前記手段(8)から手段(14)のいずれかにおいて、前記表示パネルは、前記第1配線と前記第2配線を電気的に接続するときの位置ずれを判定する導電性の判定端子が設けられ、前記フィルム状基板は、前記表示パネルの判定端子と電気的に接続された判定電位供給配線と、前記判定電位供給配線と隣接しており、かつ、前記各第1配線および前記判定端子と電気的に絶縁された位置ずれ検知配線とが設けられており、前記表示パネルの判定端子は、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線および前記判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する表示装置である。
(16)前記手段(15)において、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線は、前記表示パネルと平面的に重なる領域内に、部分的に配線幅が広くなっている領域があり、前記表示パネルの判定端子の前記判定部は、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線の前記配線幅が広くなっている領域を平面的に囲む不連続な環状形状である表示装置である。
(17)前記手段(15)または手段(16)において、前記表示パネルの判定端子は、前記各第1配線とは電気的に独立している表示装置である。
(18)前記手段(15)または手段(16)において、前記表示パネルの判定端子は、前記各第1配線のいずれかの端部に設けられている表示装置である。
(19)前記手段(15)から手段(18)のいずれかにおいて、前記フィルム状基板の判定端子は、前記フィルム基板の判定電位供給配線の端部に設けられている表示装置である。
(20)前記手段(15)から手段(19)のいずれかにおいて、前記プリント回路板は、前記絶縁基板の表面に前記プリント回路板の位置ずれ検知端子と電気的に接続され、かつ、前記フィルム基板の判定端子の前記判定部の外部領域に設けられた導体端子が設けられており、前記フィルム基板の位置ずれ検知配線は、前記プリント回路板の前記導体端子と電気的に接続されている表示装置である。
(21)前記手段(6)から手段(17)のいずれかにおいて、前記フィルム状基板には、半導体チップが実装されている表示装置である。
(22)前記手段(1)から手段(21)のいずれかにおいて、前記表示パネルは、液晶表示パネルである表示装置である。
(23)表示パネルに設けられた複数本の配線(以下、第1配線という)と、フィルム状基板の表面に設けられた複数本の配線(以下、第2配線という)とを電気的に接続したときの、前記第1配線と前記第2配線の位置ずれを検査する位置ずれ検査方法であって、前記フィルム状基板に、判定電位供給配線と、位置ずれ検知配線の2つの電気的に独立した配線を設け、前記表示パネルに、前記判定電位供給配線と電気的に接続し、前記位置ずれ検知配線と前記判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する導電性の判定端子を設けておき、第1配線と前記第2配線を電気的に接続した後、前記フィルム状基板の判定電位供給配線と前記位置ずれ検知配線の間の導通検査を行う位置ずれ検査方法である。
(24)プリント回路板に設けられた複数本の配線(以下、第3配線という)と、フィルム状基板の表面に設けられた複数本の配線(以下、第2配線という)とを電気的に接続したときの、前記第3配線と前記第2配線の位置ずれを検査する位置ずれ検査方法であって、前記プリント回路板に、判定電位供給配線と、位置ずれ検知端子の2つの電気的に独立した配線端子を設け、前記フィルム状基板の表面に、前記位置ずれ検知端子と前記判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する導電性の判定配線または判定端子を設けておき、前記第3配線と前記第2配線を電気的に接続した後、前記フィルム状基板の判定電位供給配線と前記位置ずれ検知配線の間の導通検査を行う位置ずれ検査方法である。
また、前記手段(1)から手段(24)のなかで、特に重要な部分を抽出して簡潔にまとめると、以下の通りである。
(25)端子部に複数本の配線が第1配線として設けられた表示パネルと、複数本の配線が第2配線として設けられたフィルム状基板を備える表示装置であって、前記表示パネルは、前記端子部に隣接して前記端子より幅広でかつ一部が除去された判定端子を有し、前記フィルム状基板に、前記第2の配線に隣接して形成された第3の配線と第4の配線を有し、前記第3の配線が前記判定端子と対向し、前記第4の配線が前記判定端子の前記除去部に対向する表示装置である。
(26)前記手段(25)において、前記第4の配線が前記判定端子の除去部を超えてずれた場合に、前記第3の配線と前記第4の配線が同電位になることにより位置ずれが検出できる構成となっている表示装置である。
(27)前記手段(25)または手段(26)において、前記判定端子の除去形状は、前記複数本の第1の配線が並設された方向のずれ、および該方向と直交する方向のずれの双方が判定できる表示装置である。
(28)前記手段(25)から手段(27)のいずれかにおいて、前記第3の配線と前記第4の配線は、プリント回路板に設けられた配線と電気的に接続している表示装置である。
本発明の表示装置は、前記手段(1)のように、前記表示パネルに判定端子が設けられ、前記フィルム状基板には判定電位供給配線と位置ずれ検知配線が設けられており、前記判定端子と前記判定電位供給配線が電気的に接続されている。このような構成であれば、前記表示装置を組み立てる工程において、前記表示パネルの第1配線と前記フィルム状基板の第2配線を電気的に接続した後、前記判定電位供給配線と前記位置ずれ検知配線の間の導通を検査することで、前記第1配線と前記第2配線の位置ずれを容易に判定することができる。そのため、前記第1配線と第2配線を電気的に接続した直後に、前記第1配線と第2配線の接続不良や短絡不良の検査をすることができ、前記各不良が発生している場合は、不良品として取り除いて修正できる。
また、前記表示パネルの判定端子が、前記手段(1)のように、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線と判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれを判定する判定部を有する形状であれば、たとえば、前記特許文献1に記載されたような前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線と判定電位供給配線の配置方向の位置ずれのみの検査に比べて、前記第1配線と第2配線の接続不良や短絡不良の検査精度が向上する。その結果、前記表示パネルの動作検査を行うときには、前記各不良が発生していないものだけを検査でき、前記表示パネルの動作検査の作業性を向上させることができる。
またこのとき、前記手段(2)のように、前記フィルム状基板の前記位置ずれ検知配線に配線幅が広くなっている領域を設け、前記表示パネルの判定端子の前記判定部を前記位置ずれ検知配線の前記配線幅が広くなっている領域を平面的に囲む不連続な環状形状にすることが好ましい。このようにすると、たとえば、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線と判定電位供給配線の配置方向と直交する方向、言い換えると前記各配線の延在方向の位置ずれに対して、前記位置ずれ検知配線の延長線方向と、その反対方向の位置ずれを判定することができる。また、不連続な環状形状にすることで、前記フィルム状基板の位置ずれ検知配線と判定電位供給配線の配置方向の位置ずれ、および前記配置方向と直交する方向の位置ずれだけでなく、前記各方向への位置ずれが同時に発生している場合でも位置ずれを検知できる。そのため、前記第1配線と第2配線の接続不良や短絡不良の検査精度がさらに向上し、前記表示パネルの動作検査の作業性をより向上させることができる。
またこのとき、前記表示パネルの判定端子は、前記手段(3)のように前記各第1配線とは電気的に独立した端子であってもよいし、前記手段(4)のように前記各第1配線のいずれかの端部に設けられていてもよい。
また、前記フィルム状基板の判定電位供給配線および位置ずれ検知配線は、前記手段(5)のように前記プリント回路板に設けられた配線と電気的に接続されていることが好ましい。前記フィルム状基板に設けられた判定電位供給配線および位置ずれ検知配線は、配線幅が非常に細い。また、前記フィルム状基板には前記第2配線が密に配置されている。そのため、前記フィルム状基板に導通検査用のプローブを接触させるパッドを設けることが難しい。一方、前記プリント回路板も、配線が密に形成されている領域はあるが、前記フィルム状基板に比べて、導通検査用のプローブを接触させる検査パッドを設けやすい。
また、前記表示装置は、通常、前記フィルム状基板を複数個備えているので、前記手段(5)のようにする場合、前記手段(6)のように前記各フィルム状基板の前記判定電位供給配線または前記位置ずれ検知配線と電気的に接続される配線は共通配線とすることが好ましい。前記手段(6)のようにする場合、たとえば、前記各フィルム状基板の位置ずれ検知配線と接続された配線を共通配線とし、前記各フィルム状基板の判定電位供給配線と接続された配線に、順番に判定電位を供給することで、前記フィルム状基板毎に位置ずれの判定を行うことができる。また、前記手段(6)のように一方の配線を共通配線とすることで、前記プリント回路板に設ける前記検査パッドの数を減らすことができるとともに、配線の引き回しが容易になる。
また、前記表示装置において、前記フィルム状基板は、前記表示パネル上に設けられた表示制御素子を駆動させるドライバICの一部品であり、通常、前記手段(7)のように前記フィルム状基板には駆動制御回路を有する半導体チップが実装されている。
なお、前記表示装置を組み立てるときには、前記表示パネルの第1配線と前記フィルム状基板の第2配線を電気的に接続する工程だけでなく、前記フィルム状基板の第2配線と前記プリント回路板の第3配線を電気的に接続する工程がある。そのため、前記フィルム状基板の第2配線と前記プリント回路板の第3配線を電気的に接続したときにも、前記第1配線と前記第2配線を電気的に接続したときと同様の位置ずれの検査(判定)を行えることが好ましい。このとき、前記表示装置は、たとえば、前記手段(8)のように、前記フィルム状基板に判定端子が設けられ、前記プリント回路板には判定電位供給配線と位置ずれ検知配線が設けられており、前記判定端子と前記判定電位供給配線が電気的に接続されていることが好ましい。このような構成であれば、前記表示装置を組み立てる工程において、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線を電気的に接続した後、前記プリント回路板の判定電位供給配線と位置ずれ検知配線の間の導通を検査することで、前記第3配線と前記第2配線の位置ずれを容易に判定することができる。そのため、前記第3配線と第2配線を電気的に接続した直後に、前記第3配線と第2配線の接続不良や短絡不良の検査をすることができ、前記各不良が発生している場合は、不良品として取り除いて修正できる。
またこのとき、前記手段(9)のように、前記フィルム状基板の判定端子の前記判定部が、前記位置ずれ検知端子を平面的に囲む環状形状にすることが好ましい。前記プリント回路板は、通常、絶縁基板の表面および内部に2層以上の配線層を有する。そのため、前記位置ずれ検知端子を、前記絶縁基板の内部に設けられた配線層を介して、前記判定部の外部領域に設けられた配線と電気的に接続させれば、前記フィルム状基板の判定端子を閉じた環状にすることができる。このようにすることで、あらゆる方向への位置ずれを検知でき、前記第3配線と第2配線の接続不良や短絡不良の検査精度が向上する。その結果、前記表示パネルの動作検査を行うときには、前記各不良が発生していないものだけを検査でき、前記表示パネルの動作検査の作業性を向上させることができる。
またこのとき、前記プリント回路板の判定電位供給配線は、前記手段(10)のように前記各第3配線とは電気的に独立した配線であってもよいし、前記手段(11)のように前記各第3配線のいずれかと共用していてもよい。
また、前記表示装置は、前述のように、通常、前記フィルム状基板を複数個備えている。そのため、たとえば、前記手段(8)のようにする場合、前記手段(12)のように前記プリント回路板の前記判定電位供給配線または前記位置ずれ検知端子は共通配線とすることが好ましい。前記手段(12)のようにする場合、たとえば、前記位置ずれ検知端子を共通配線とし、前記各フィルム状基板の判定端子と接続された判定電位供給配線に、順番に判定電位を供給することで、前記フィルム状基板毎に位置ずれの判定を行うことができる。また、前記手段(12)のように一方の配線を共通配線とすることで、前記プリント回路板に設ける前記検査パッドの数を減らすことができるとともに、配線の引き回しが容易になる。
また、前記フィルム状基板の第2配線または判定端子には、たとえば、前記手段(13)および手段(14)のように、階段状の切り欠きを設けてもよい。このようにすると、たとえば、前記階段状の切り欠き部分で見られる前記第3配線の端部の位置によって、前記第3配線と第2配線の位置ずれの有無、ずれている方向などを簡易的に検査することができる。そのため、たとえば、前記プリント回路板に前記位置ずれ検知端子が設けられていない場合でも、前記位置ずれによる接続不良や短絡不良が発生しているか否かを簡易的に検査、判定することができる。
また、前記表示装置を組み立てるときには、たとえば、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線を電気的に接続した後、前記フィルム状基板の第2配線と前記表示パネルの第1配線とを電気的に接続するのが一般的である。そのため、前記手段(8)のような構成の表示装置においては、たとえば、前記手段(15)のように、前記第1配線と前記第2配線を電気的に接続したときの位置ずれによる前記第1配線と前記第2配線の接続不良や短絡不良が発生しているか否かを検査、判定することができるような構成にしておくことが好ましい。前記手段(15)は、前記手段(1)と同等の構成であるため、前記第1破線と前記第2配線を電気的に接続した直後に、位置ずれによる前記第1配線と前記第2配線の接続不良や短絡不良が発生しているか否かを容易に検査、判定することができる。また、前記手段(15)は、前記手段(8)を前提とした構成であるため、前記表示パネルの動作検査を行うときには、前記第3配線と第2配線、および前記第1配線と第2配線が正常に接続されたものだけを検査でき、前記動作検査の作業効率が向上する。
また、前記手段(16)は、前記手段(2)と同等の構成である。そのため、前記手段(15)を前提として前記手段(16)の構成を適用することで、前記手段(1)を前提として前記手段(2)を適用した場合と同様の効果が得られる。またこのとき、前記表示パネルの判定端子は、前記手段(17)のように前記各第1配線とは電気的に独立した端子であってもよいし、前記手段(18)のように前記各第1配線のいずれかの端部に設けられていてもよい。
また、たとえば、前記手段(15)のように、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線の位置ずれの検査に加えて、前記フィルム状基板の第2配線と前記表示パネルの第1配線の位置ずれも検査できる構成にした場合、前記手段(19)のように、前記フィルム状基板の判定端子は、前記フィルム基板の判定電位供給配線の端部に設けられていることが好ましい。このようにすると、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線の位置ずれの検査で用いる前記プリント回路板の判定電位供給配線を、前記フィルム状基板の第2配線と前記表示パネルの第1配線の位置ずれの検査にも利用することができる。
またこのとき、前記手段(20)のように前記プリント回路板の位置ずれ検知端子と電気的に接続された導体端子に前記フィルム基板の位置ずれ検知配線を接続するとより好ましい。このようにすると、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線の位置ずれの検査で用いる前記プリント回路板の位置ずれ検知配線を、前記フィルム状基板の第2配線と前記表示パネルの第1配線の位置ずれの検査にも利用することができる。
また、前記表示装置において、前記フィルム状基板は、前記表示パネル上に設けられた表示制御素子を駆動させるドライバICの一部品であり、通常、前記手段(21)のように前記フィルム状基板には駆動制御回路を有する半導体チップが実装されている。
また、前記表示装置における表示パネルは、たとえば、前記手段(22)のように液晶表示パネルであるとする。なお、前記表示パネルは、前記液晶表示パネルに限らず、前記第1配線と前記フィルム状基板の第2配線が電気的に接続されている種々の表示装置で用いられているものであればどのような表示パネルであってもよい。
また、前記手段(1)から手段(7)、前記手段(15)から手段(22)のような構成の表示装置を組み立てるときの、前記表示パネルの第1配線と前記フィルム状基板の第2配線の位置ずれは、たとえば、前記手段(23)のような検査方法で検査すればよい。
また、前記手段(8)から手段(22)のような構成の表示装置を組み立てるときの、前記プリント回路板の第3配線と前記フィルム状基板の第2配線の位置ずれは、たとえば、前記手段(24)のような検査方法で検査すればよい。
なお、前記手段(1)から手段(24)は、本発明の具体的な構成例であり、これらの構成例のなかで、本発明において重要となる構成を抽出し、簡潔にまとめると、前記手段(25)から手段(28)のように表すことができる。なお、前記手段(25)から手段(28)において、前記第3の配線および第4の配線はそれぞれ、前記手段(1)から手段(24)における、前記フィルム状基板の判定電位供給配線および位置ずれ検知配線に相当する。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の表示装置では、表示パネルに、少なくとも、前記表示パネルに設けられた第1配線の配置方向と前記配置方向と直交する方向の2方向の位置ずれを判定する判定端子を設ける。このようにすることで、前記表示パネルの第1配線と、駆動用ドライバICなどのフィルム状基板に設けられた第2配線を電気的に接続したときの位置ずれによる接続不良や短絡不良の検査、判定を容易にするとともに、検査精度を向上させる。
また、前記第1配線と前記第2配線の接続不良や短絡不良の検査、判定と同様の方法で、前記フィルム状基板の第2配線とプリント回路板に設けられた第3配線を接続したときの位置ずれによる接続不良や短絡不良の検査、判定を容易にするとともに、検査精度を向上させる。
また、前記第1配線と第2配線、および前記第2配線と第3配線の接続不良や短絡不良の検査、判定を、前記第1配線と第2配線を接続した直後、および前記第2配線と第3配線を接続した直後に行えるようにすることで、前記表示パネルの動作検査の作業性を向上させる。
図1乃至図6は、本発明による実施例1の表示装置の概略構成を示す模式図であり、図1は液晶表示パネルおよびフィルム状基板、ならびにプリント回路板が接続された状態を示す平面図、図2は図1のA−A’線断面図、図3は液晶表示パネルおよびフィルム状基板、ならびにプリント回路板の接続方法を説明する分解図、図4は液晶表示パネルとフィルム状基板の接続部の拡大平面図、図5は図4のB−B’線断面図、図6は図4のC−C’線断面図である。
図1乃至図6において、1は液晶表示パネル、101は第1の基板、101Aは第1配線、101Bは判定端子、102は第2の基板、103はシール材、104は液晶材料、2はフィルム状基板、201は絶縁基板、202Aは第2配線、202Bは判定電位供給配線、202Cは位置ずれ検知配線、3はプリント回路板、301は絶縁基板、302Aは第3配線、302Bは判定電位供給配線、302Cは位置ずれ検知配線、4は半導体チップ、5は接続導体、6はACF、P1は判定電位入力パッド、P2は判定パッドである。
本実施例1の表示装置は、たとえば、図1に示すように、表示パネル1と、フィルム状基板2と、プリント回路板3とを備える。
前記表示パネル1は、たとえば、液晶表示パネルであり、図2に示すように、ガラス基板などの透明基板である第1の基板101および第2の基板102、ならびにシール材によって囲まれた空間に液晶材料104が封入されている。また、前記表示パネル1は、たとえば、図2および図3に示すように、前記第1の基板101の表面に第1配線101Aおよび判定端子101Bが設けられている。前記第1配線101Aは、たとえば、前記液晶材料104に電圧を印加するTFTなどの素子を形成する配線などの、前記表示パネル1で画像を表示する際に必要とされる配線であり、前記判定端子101Bは位置ずれ検査用に設けられた端子(配線)であるとする。
なお、前記表示パネル1として前記液晶表示パネルが用いられている場合、前記表示パネル1の構成のうち、前記判定端子101Bを除く他の構成は、従来の一般的な液晶表示パネルの構成と同様でよい。そのため、前記従来の一般的な液晶表示パネルと同様の構成でよい部分については、詳細な説明は省略する。また、前記判定端子101Bの構成などについては後述する。
前記フィルム状基板2は、たとえば、図2および図3に示すように、フィルム状の絶縁基板201の表面に第2配線202A、判定電位供給配線202B、位置ずれ検知配線202Cが設けられている。前記フィルム状基板2は、液晶駆動用のドライバICなどが実装されたTCP(Tape Carrier Package)あるいはCOF(Chip On Film)と呼ばれる半導体装置(パッケージ)で用いられる配線基板(インターポーザ)である。このとき、前記第2配線202Aは、図2に示したように、半導体チップ4の外部電極(図示しない)と接続導体5により電気的に接続されている。また、前記第2配線202Aは、図2乃至図5に示すように、前記表示パネル1の第1配線101Aと電気的に接続される。前記第2配線202Aと前記第1配線101Aは、たとえば、図2および図5に示したように、ACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電性フィルム)6を用いた非接触導通により電気的に接続される。また、前記第2配線202Aと前記第1配線101Aは、前記ACF6を用いる代わりに、金やはんだなどの接合材を用いて接合させて電気的に接続してもよい。
また、前記フィルム状基板2に設けられた前記判定電位供給配線202Bおよび前記位置ずれ検知配線202Cは、前記表示パネル1に設けられた前記判定端子101Bを利用して、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aを電気的に接続したときの位置ずれを検査するために用いる配線である。なお、本実施例1では、前記判定電位供給配線202Bおよび前記位置ずれ検知配線202Cは、図3に示したように、前記半導体チップ4の外部電極と電気的に接続されていない配線であり、前記位置ずれの検査のために設けた配線であるとする。また、前記判定電位供給配線202Bは、前記第2配線202Aと前記第1配線101Aと同じ方法で電気的に接続されており、たとえば、図4および図5に示すように、前記ACF6を用いた非接触導通により電気的に接続されている。
また、前記位置ずれ検知配線202Cは、図4乃至図6に示したように、前記表示パネル1の第1配線101Aおよび判定端子101Bとは電気的に接続されないようにする。このとき、前記判定端子101Bは、たとえば、図4に示すように、前記位置ずれ検知配線202Cの延長方向(+y方向)を通り、前記位置ずれ検知配線202Cの端部を平面的に囲むような形状の判定部を有するとする。
また、前記プリント回路板3は、たとえば、図2および図3に示すように、絶縁基板301の表面に第3配線302A、判定電位入力パッドP1と電気的に接続している配線302B、判定パッドP2と電気的に接続している位置ずれ検知配線302Cが設けられている。前記第3配線302Aは、前記フィルム状基板2の第2配線202Aと電気的に接続される配線であり、前記表示パネル1に画像を表示させる際に必要な配線であるとする。また、前記判定電位入力パッドP1と電気的に接続している判定電位供給配線302Bは、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bと電気的に接続される配線であるとする。また、前記判定パッドP2と電気的に接続している位置ずれ検知配線302Cは、前記フィルム状基板2の位置ずれ検知配線202Cと電気的に接続している配線であるとする。前記プリント回路板3に設けられた各配線302A,302B,302Cと、前記フィルム状基板2に設けられた各配線202A,202B,202Cとは、たとえば、図2に示すように、前記ACF6を用いた非接触導通により電気的に接続されている。また、前記プリント回路板3の各配線302A,302B,302Cと、前記フィルム状基板2の各配線202A,202B,202Cとは第2配線202Aは、前記ACF6を用いる代わりに、金やはんだなどの接合材を用いて接合させて電気的に接続してもよい。
また、前記プリント回路板3は、前記絶縁基板301の表面および内部に2層以上の配線層があり、前記第3配線302A、判定電位入力パッドP1と電気的に接続している判定電位供給配線302B、判定パッドP2と電気的に接続している位置ずれ検知配線302Cは、必要に応じて、前記絶縁基板301の内部配線層を経由し、前記絶縁基板301の表面のあらかじめ定められた位置に引き出されているとする。
図7乃至図10は、本実施例1の表示装置における位置ずれの検査方法を説明するための模式図であり、図7は配線の配線幅方向への位置ずれが生じた場合を示す平面図、図8は図7のD−D’線断面図、図9は配線の延在方向への位置ずれが生じた場合を示す平面図、図10は図9のE−E’線断面図である。
本実施例1の表示装置では、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aの接続部は、たとえば、図4に示したようになっており、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aが正しく接続されている。このとき、前記表示パネル1の判定端子101Bは、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bとは電気的に接続されているが、前記位置ずれ検知配線202Cとは電気的に絶縁された状態になっている。そのため、たとえば、図4に示したように、前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの間の導通を検査すると導通はない。その結果、位置ずれが生じていない、または許容範囲内と判定される。
なお、本実施例1の表示装置において、前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの導通を検査するときには、たとえば、図3に示したように前記プリント回路板3に設けた判定電位入力パッドP1と前記判定パッドP2に検査用のプローブを接触させて判定電位を入力して行う。このとき、前記判定電位入力パッドP1を複数のフィルム状基板2毎に設けておき、順番に判定電位を入力していくことで、前記フィルム状基板2毎に導通を検査することができる。
前記第1配線101Aと前記第2配線202Aを接続するときには、たとえば、光学観察などにより、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aが図4に示したような正しい位置関係になるように位置合わせを行う。しかしながら、接続する際の熱圧着などで圧力が加わったときに、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの接続部での配線幅方向(以下、単に配線幅方向という)、すなわち図4に示したx方向への位置ずれが生じることがある。このとき、前記配線幅方向(x方向)への位置ずれが大きいと、たとえば、図7および図8に示すように、前記フィルム状基板2の位置ずれ検知配線202Cが前記表示パネル1の判定端子101Bの判定部と重なる。この状態で前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの間の導通を検査すると、前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bの間で導通が生じて導通する。その結果、許容範囲を超えた位置ずれが生じていると判定される。
また、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aを接続するときは、たとえば、図7および図8に示した配線の配線幅方向(x方向)の位置ずれに限らず、たとえば、図9および図10に示すように、前記配線幅方向と直交するy方向(以下、延在方向という)への位置ずれが生じることもある。このとき、前記配線の延在方向(y方向)への位置ずれが大きいと、たとえば、図9および図10に示すように、前記フィルム状基板2の位置ずれ検知配線202Cが前記表示パネル1の判定端子101Bの判定部と重なる。この状態で前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの間の導通を検査すると、前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bの間で導通が生じて導通する。その結果、許容範囲を超えた位置ずれが生じていると判定される。
また、本実施例1の表示装置において、前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの導通を検査するときには、たとえば、図3に示したように前記プリント回路板3に設けた判定電位入力パッドP1と前記判定パッドP2に検査用のプローブを接触させて判定電位を入力して行う。このとき、前記判定電位入力パッドP1を複数のフィルム状基板2毎に設けておき、順番に判定電位を入力していくことで、前記フィルム状基板2毎に導通を検査することができる。
このように、本実施例1の表示装置では、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に、位置ずれによる接続不良や短絡不良が生じているか否かを容易に検査し、判定することができる。そのため、前記接続不良や短絡不良が生じているときには、その場で取り除き、修正することができる。その結果、前記表示パネル1の表示動作を検査するときには、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aが正しく接続されている表示パネル1のみを検査することができ、表示動作の検査の作業性が向上する。
図11および図12は、本実施例1の表示装置における表示パネルの判定端子とフィルム状基板の位置ずれ検知配線の関係を説明するための模式図であり、図11は前記判定端子と前記位置ずれ検知配線の平面的な位置関係を定義する平面図、図12は配線の接続に用いるACF6の接続特性曲線の一例を示す図である。
本実施例1の表示装置において、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aに、位置ずれによる接続不良や短絡不良が生じているか否かは、前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの間の導通の有無によって判定する。そのため、たとえば、図11に示すように、正しい位置関係で接続された状態での前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bの判定部の平面的な距離Δx,Δyをどのように設定するかで、判定結果の精度が変わってくる。そこで、前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bの判定部の平面的な距離Δx,Δyの設定方法の一例について簡単に説明する。
まず、たとえば、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aを接続したときの接続抵抗に関して、たとえば、図12に示すように、各第1配線101Aと前記第2配線202Aの接続部において要求される接続抵抗値のうち最も小さい値RLと、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの接続に用いる前記ACF6の接続特性から、最小接続面積Sminを決定する。そして、前記各配線101A,202Aの寸法と前記最小接続面積Smin、x方向およびy方向の最小接続長Mx,Myを求める。
次に、たとえば、図12に示すような前記ACF6の接続特性から、前記第1配線101Aと第2配線202Aの最小導体間隙Gを求める。
そして、前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bのx方向の距離Δxは、前記x方向の最小接続長Mxと最小導体間隙Gのうちの小さい方の値とする。また、前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bのy方向の距離Δyは、前記y方向の最小接続長Myとする。なお、前記最小接続長Mx,Myおよび最小導体間隙Gの他に、前記配線の設計上で制約がある場合は、その制約も考慮し、前記最小接続長Mx,Myおよび最小導体間隙Gの中で最小の値(寸法)を前記位置ずれ検知配線202Cと前記判定端子101Bの判定部の平面的な距離Δx,Δyとする。このようにすることで、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aで接続不良や短絡不良が生じる条件を、前記判定電位供給配線202Bと前記位置ずれ検知配線202Cの間の導通の有無に反映させることができ、精度の高い検査、判定が行える。
図13は、本実施例1の表示装置の変形例を説明するための模式図であり、表示パネルの判定端子とフィルム状基板の位置ずれ検知配線の形状の変形例を示す図である。
本実施例1の表示装置では、たとえば、図4に示したように、前記表示パネル1に設けた判定端子101Bの判定部を、前記フィルム状基板2に設けた位置ずれ検知配線202Cの先端部分を平面的に囲むような形状にすることにより、前記第1配線101Aおよび前記第2配線202Aの接続部の配線幅方向(x方向)の位置ずれだけでなく、前記配線幅方向と直交する配線の延在方向(y方向)の位置ずれも容易に検知することができる。
しかしながら、前記判定端子101Bの判定部が、図4に示したような形状である場合、前記配線の延在方向の位置ずれは、あらかじめ定められた位置から+y方向への位置ずれしか検知できない。
そこで、たとえば、図13に示すように、前記位置ずれ検知配線202Cの先端部の配線幅を広くし、前記判定端子101Bの判定部を、前記位置ずれ検知配線202Cの配線幅が広くなった領域を囲む不連続な環状形状にすることが好ましい。またこのとき、前記環状形状の開いた部分の距離が前記位置ずれ検知配線202Cの配線幅を広くした領域の配線幅よりも短くなるようにしておく。このようにすると、あらかじめ定められた位置から−y方向への位置ずれも検知できるようになり、位置ずれによる接続不良の検査精度が向上する。また、図13に示した例では、前記位置ずれ検知配線202Cの配線幅を広くした領域が矩形状であり、前記判定端子101Bの判定部も角部を有する環状形状であるが、これに限らず、たとえば、前記位置ずれ検知配線202Cの配線幅を広くした領域を円形状にし、前記判定端子101Bの判定部を前記位置ずれ検知配線202Cの円形状の領域と同心円状の環状形状をしてもよい。
以上説明したように、本実施例1の表示装置によれば、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの位置ずれの有無を検査し、接続不良や短絡不良が生じているか否かを容易に判定することができる。
また、前記表示パネル1の判定端子101Bの判定部を、前記フィルム状基板2の位置ずれ検知端子202Cの先端を囲むような形状にすることで、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの接続部の配線幅方向だけでなく、あらゆる方向への位置ずれの有無を検査することができる。
また、本実施例1の表示装置では、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に前記検査、判定ができる。そのため、接続不良や短絡不良が生じていると判定された場合は、その場で修正することができる。その結果、前記表示パネル1の表示動作の検査をするときには、前記接続不良や短絡不良が生じていないものだけを検査でき、前記表示動作の検査の作業性を向上させることができる。
また、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bおよび位置ずれ検知端子202Cを前記プリント回路板3の配線と接続しておくことで、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの位置ずれの有無の検査の作業性を向上させることができる。またこのとき、前記フィルム状基板2は複数個あるため、前記プリント回路板3の前記判定電位供給配線202Bと接続された配線、または前記位置ずれ検知配線202Cと接続された配線を共通配線とすることで、前記プリント回路板3の配線の引き回しを容易にするとともに、前記フィルム状基板2毎に位置ずれの有無を検査、判定することができる。
また、本実施例1では、前記表示パネル1の判定端子101Bを、前記第1配線101Aとは電気的に独立した、位置ずれの検査のための端子としたが、これに限らず、前記第1配線101Aの端部に、前記判定端子101Bの判定部と同様の形状の判定部を設けてもよい。この場合、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bは、前記判定部を有する第1配線101Aと電気的に接続される第2配線202Aとなる。
図14および図15は、本発明による実施例2の表示装置の概略構成を示す模式図であり、図14はフィルム状基板とプリント回路板の接続部の構成例を示す拡大平面図、図15は図14のF−F’線断面図である。
図14および図15において、P3は位置ずれ検知端子、302Dは内部配線である。
前記実施例1の表示装置は、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを電気的に接続したときの位置ずれの有無の検査、判定を容易にすることができ、その結果、前記表示パネル1の表示動作を検査するときの作業性を向上させることができる。しかしながら、前記フィルム状基板2の第2配線202Aは、前記実施例1で説明したように、前記プリント回路板3の第3配線302Aとも電気的に接続される。そのため、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを接続するときにも位置ずれにより接続不良や短絡不良が生じる可能性がある。そこで、本実施例2では、前記実施例1で説明した構成を前提とし、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを接続したときの位置ずれの有無を容易に検査することができる表示装置の構成例について説明する。
なお、本実施例2の表示装置における、前記表示パネル1および前記フィルム状基板2、ならびに前記プリント回路板3の基本的な構成は、前記実施例1の表示装置と同じでよいため、詳細な説明は省略する。
本実施例2の表示装置では、図14および図15に示すように、前記フィルム状基板2に設けられた前記判定電位供給配線202Bが、前記プリント回路板3に設けられた判定電位供給配線302Bと電気的に接続されている。このとき、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bは、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bとの接続部に、環状の判定部を有する。またこのとき、前記プリント回路板3の表面であり、かつ、前記環状の判定部の内部領域には、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bと電気的に絶縁された位置ずれ検知端子P3が設けられている。前記位置ずれ検知端子P3は、たとえば、図15に示すように、内部配線302Dを経由して、前記プリント回路板3に設けられた、前記判定パッドP2と電気的に接続されている。
また、前記フィルム状基板2の各配線202A,202B,202Cと、前記プリント回路板3の各配線302A,302B,302Cとはそれぞれ、たとえば、ACF6を用いた非接触導通により電気的に接続されているとする。なお、前記前記フィルム状基板2の各配線202A,202B,202Cと、前記プリント回路板3の各配線302A,302B,302Cとは、前記ACF6を用いた接続に限らず、たとえば、金やはんだなどの接合材によって接合されていてもよい。
このように、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bに環状の判定部を設け、前記プリント回路板3に位置ずれ検知端子P3を設けておくと、たとえば、前記フィルム状基板2の各配線202A,202B,202Cと、前記プリント回路板3の各配線302A,302B,302Cとを電気的に接続した後、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bと前記位置ずれ検知配線302C(位置ずれ検査端子P3)の導通を検査することで、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれの有無を検査、判定することができる。
またこのとき、前記プリント回路板3の位置ずれ検知端子P3と前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bの判定部との平面的な距離を、前記実施例1で説明したような方法で設定しておけば、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aで接続不良や短絡不良が生じる条件を、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bと前記位置ずれ検知配線302C(位置ずれ検査端子P3)の導通の有無に反映させることができ、精度の高い検査、判定が行える。
また、前記実施例1で説明したように、通常、前記フィルム状基板2は複数個ある。そのため、たとえば、図3に示したように、前記プリント回路板3の位置ずれ検知配線302Cを共通配線としておけば、前記プリント回路板3の配線の引き回しが容易になるとともに、前記フィルム状基板2毎の位置ずれの検査、判定を容易に行うことができる。
また、前記表示装置を組み立てるときには、前記フィルム状基板2の第2配線202Aと前記プリント回路板3の第3配線302Aを電気的に接続した後、前記フィルム状基板2の第2配線202Aと前記表示パネル1の第1配線101Aを電気的に接続する。そのため、本実施例2のように、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bに環状の判定部を設けておき、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bと前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bとを電気的に接続し、前記フィルム状基板2の位置ずれ検知配線202Cと前記プリント回路板3の位置ずれ検知配線302Cとを電気的に接続すれば、前記プリント回路板3に設けられた1組の判定電位供給配線302Bおよび位置ずれ検知配線302Cで、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれの検査、判定、および前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれの検査、判定を行うことができる。
以上説明したように、本実施例2の表示装置によれば、前記プリント回路板3の第3配線302Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に、前記第3配線302Aと前記第2配線202Aの位置ずれの有無を検査し、接続不良や短絡不良が生じているか否かを容易に判定することができる。
また、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bに、前記プリント回路板3の位置ずれ検知端子P3を囲むような環状形状の判定部を設けることで、前記第3配線302Aと前記第2配線202Aの接続部の配線幅方向だけでなく、あらゆる方向への位置ずれの有無を検査することができる。
また、本実施例2の表示装置では、前記プリント回路板3の第3配線302Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に前記検査、判定ができるとともに、前記表示パネル1の第1配線101Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを接続した直後に前記検査、判定ができる。そのため、それぞれの接続工程で接続不良や短絡不良が生じていると判定された場合は、その場で修正することができる。その結果、前記表示パネル1の表示動作の検査をするときには、前記接続不良や短絡不良が生じていないものだけを検査でき、前記表示動作の検査の作業性を向上させることができる。
また、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302B、または位置ずれ検知配線302Cを共通配線とすることで、前記プリント回路板3の配線の引き回しを容易にするとともに、前記フィルム状基板2毎に位置ずれの有無を検査、判定することができる。
また、本実施例2では、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bに環状の判定部を設けたが、これに限らず、前記フィルム状基板2に、前記判定電位供給配線202Bとは電気的に独立しており、かつ、前記プリント回路板3と電気的に接続される環状の判定端子を設けてもよい。
また、本実施例2では、前記プリント回路板3に設けた1組の判定電位供給配線302Bおよび位置ずれ検知配線302Cを、前記第3配線302Aと第2配線202Aの位置ずれの検査、および前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの位置ずれの検査を行う場合の構成例について説明したが、これに限らず、前記プリント回路板3に、前記第3配線302Aと第2配線202Aの位置ずれの検査を行うための判定電位供給配線および位置ずれ検知端子と、前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの位置ずれの検査を行うための判定電位供給配線および位置ずれ検知配線を個別に設けてもよい。
また、本実施例2では、前記実施例1で説明した構成を前提とした表示装置を例に挙げたが、これに限らず、たとえば、本実施例2で説明したような、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれの検査、判定のみが行えるような構成の表示装置であってもよい。
図16は、本発明による実施例3の表示装置の概略構成を示す模式図であり、フィルム状基板に設けられた判定電位供給配線の、前記プリント回路板の配線との接続部の構成例を示す模式図である。
前記実施例2では、前記フィルム状基板2に設けられた第2配線202Aと前記プリント回路板3の第3配線302Aを電気的に接続したときの、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれの有無の検査、判定を容易にする表示装置の構成例について説明した。しかしながら、前記実施例2で説明したような方法で位置ずれの有無を検査、判定する場合、前記プリント回路板3に前記位置ずれ検知端子P3を設ける必要がある。また、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの接続部は、一般に、前記実施例1で説明した前記第1配線101Aと前記第2配線202Aの接続部に比べて配線幅が広く、位置ずれに対する許容範囲が広い。そのため、位置ずれによる接続不良や短絡不良は比較的起こりにくい。
そこで、本実施例3では、前記実施例2のような導通検査を行う代わりに、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置関係を光学観察することで、位置ずれの有無を簡易的に検査、判定する方法について説明する。
なお、本実施例3では、前記実施例1および実施例2で説明した構成を前提とし、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを接続したときの位置ずれの有無を簡易的に検査、判定することができる表示装置の構成例について説明する。
なお、本実施例3の表示装置における、前記表示パネル1および前記フィルム状基板2、ならびに前記プリント回路板3の基本的な構成は、前記実施例1および実施例2の表示装置と同じでよいため、詳細な説明は省略する。ただし、本実施例3では、配線の接続部を観察して位置ずれの検査、判定をするため、前記プリント回路板3の第3配線302Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aは、たとえば、金やはんだなどの接合材を用いて電気的に接続することが好ましい。
本実施例3の表示装置では、図16に示すように、前記フィルム状基板2に設ける判定電位供給配線202Bに階段状の切り欠きSLを設ける。このとき、前記切り欠きSLは、図16に示すように、前記判定電位供給配線202Bの延在方向(y方向)に沿った対向する2つの辺に1つずつ設ける。またこのとき、前記切り欠きSLのx方向およびy方向へのステップ(段差)は、あらかじめ定められた値であればよい。また、前記階段状の切り欠きSLの段数は、前記ステップの値に基づき、対向する端部まで到達しない段数にする。また、前記2つの切り欠きSLは、基板平面内で点対称になるように設ける。
また、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bには、たとえば、図16に示すような前記環状の判定部が設けられていてもよい。
図17および図18は、本実施例3の表示装置における位置ずれの検査、判定方法を説明するための模式図であり、図17は正しく接続された第2配線と第3配線の平面的な位置関係を示す平面図、図18は位置ずれが生じている場合の第2配線と第3配線の平面的な位置関係を示す平面図である。
本実施例3の表示装置を組み立てるときには、前記実施例1および実施例2の表示装置と同様に、たとえば、まず、前記プリント回路板3の第3配線302Aと前記フィルム状基板2の第2配線202Aを電気的に接続する。このとき、前記第3配線302Aと前記第2配線202Aが正しく接続されれば、たとえば、図17に示すように、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bの延在方向(y方向)に沿った端面と、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bの延在方向(y方向)に沿った端面とが平面的に重なる。
しかしながら、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを電気的に接続するときには荷重するため、たとえば、配線幅方向(x方向)への位置ずれが生じることがある。このとき、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bと前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bの接続部は、たとえば、図18に示すようになる。そこで、光学観察などで前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bと前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bの接続部に位置ずれが生じていた場合、前記プリント回路板3の第3配線302Aの延在方向(y方向)に沿った端面が、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bに設けた前記階段状の切り欠きSLのどの部分を通っているか調べる。このとき、前記階段状の切り欠きSLのステップ(段差)が既知であれば、前記プリント回路板3の第3配線302Aの延在方向(y方向)に沿った端面が通る位置に基づき、どの方向にどれだけずれているかを簡易的に検査することができる。
また、このような方法で位置ずれを簡易的に検査、判定する場合、前記実施例2のように、判定電位を入力する導通検査を行わなくてもよいので、位置ずれの検査の作業性が向上する。
また、本実施例3のような構成の場合、前記フィルム状基板2の第2配線202Aと前記プリント回路板3の第3配線302Aが接合材で電気的に接続されていれば、前述のように簡易的な検査、判定をできる。しかしながら、たとえば、前記実施例1や実施例2で説明したように、前記ACF6で電気的に接続されている場合は、前述のような簡易的な検査、判定はできない。そのため、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを前記ACF6で電気的に接続する場合は、前記実施例2で説明したような検査を行うことが好ましい。
以上説明したように、本実施例3の表示装置によれば、前記フィルム状基板2の判定電位供給配線202Bの、前記プリント回路板3の判定電位供給配線302Bとの接続部に階段状の切り欠きSLを設けておくことで、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aを接続したときの位置ずれの有無を簡易的に検査、判定することができる。
また、本実施例3では、前記実施例1および実施例2で説明した構成を前提とする表示装置を例に挙げたが、これに限らず、たとえば、本実施例3で説明したような、前記第2配線202Aと前記第3配線302Aの位置ずれを簡易的に検査、判定するのみの構成の表示装置であってもよい。
以上、本発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
たとえば、前記実施例1から実施例3では、前記表示パネル1として液晶表示パネルを例に挙げたが、前記液晶表示パネルに限らず、基板上に画像表示用の配線が設けられた表示パネルであれば、前記実施例1から実施例3のような構成にすることで同様の効果が得られる。