JP5202904B2 - 壁面構造 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築物の耐震性を向上するための壁面構造に関する。
木造軸組工法は、土台や柱や梁などの部材を相互に締結して建物の骨格を構成しているが、部材同士の締結部は、建物の強度を維持する上で極めて重要な箇所であり、古くから様々な対策が講じられている。また締結部に作用する荷重を緩和するため、柱や梁などを斜めに結ぶ筋交いも広く使用されている。この筋交いを使用することで建物の剛性が向上するため、地震や強風などによる水平荷重に対する耐力が確保され、建物の損壊を防止できる。
耐震性の確保は、生命や財産を守る上で極めて重要であり、様々な技術開発が進められている。その中で筋交いに関連するものも提案されており、一例として下記特許文献が挙げられる。文献1は、筋交いと並行して制振装置を組み込んだ技術であり、また文献2は、筋交いを楕円形とした技術であり、最後の文献3は、筋交いにダンパを直列に接続した技術である。
特開2004−060397号公報 特開2002−327497号公報 特開2001−059359号公報
筋交いは、古くから使用されている原始的なものだが、耐震性の向上という点において極めて有効である。しかし最も単純なX字形の筋交いは、中央で二本の部材が交差するため、干渉部を切り欠くなどの対策が必要になる。しかし切り欠きを設けることで強度の低下は避けられない。また前記の特許文献1の技術は耐震のみならず、免震の観点からも優れているが、個人の住宅など小規模な建物では、建設費に制約がある場合が多く、本格的な耐震や免震構造が採用されることは少ない。
比較的規模の大きい地震は、最も揺れの大きい本震の後も、やや規模の小さい余震がしばらく続くことが多い。そのため、本震の際に建物が損壊しなかった場合でも、部材の締結部などが局地的に破壊されて強度が低下して、後の余震に耐えられずに損壊することがある。このような余震での損壊を防止するには、単なる強度の向上とは異なる対策を講じる必要がある。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、木造建築物の耐震性の向上のほか、余震の際の被害を軽減できる壁面構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、上下の横架材と、左右の柱とで構成される矩形状の枠体の中に嵌まり込む耐力板と、該耐力板を枠体に対して移動可能に保持する左右一対の固定具と、を備え、前記耐力板は、上下の横架材と隙間を設けて配置され、更に耐力板の上面と底面との中央に位置する胴部は、左右の柱の間隔と等しい横幅であり、且つ耐力板の上下両側面には、上下に進むにつれて柱から離隔する傾斜面が形成され、前記固定具は、耐力板の胴部および柱の側面に同心で埋め込まれる二本のラグスクリューと、該二本のラグスクリューに差し込まれるボルトと、からなり、一方のラグスクリューには、前記ボルトを挿通するための中孔が形成され、他方のラグスクリューには、前記ボルトと螺合するための雌ネジが形成されていることを特徴とする壁面構造である。
本発明において横架材は、土台や梁など、水平方向に敷設される部材を意味しており、また柱は垂直方向に延びていることを前提とする。そして、上下に間隔を空けて並ぶ二本の横架材と、両横架材を結ぶように直立する二本の柱とで構成される矩形状の空間を枠体と称して、この枠体の中に耐力板を組み込んで強度を向上する。なお枠体の高さや幅には制限がなく、建物の土台から屋根付近までを一気に結ぶ大形のものから、各階毎に分散する小形のものなど、自在に選択できる。
耐力板は、枠体の内部に組み込まれる木製の板であるが、枠体の内部を完全に塞ぐ単純な矩形状ではなく、枠体の角部との接触を回避した菱形に似た形状である。なおこれ以降、耐力板について、枠体の開口部を塞ぐ面を表面と規定し、また柱の側面に対向する端面を側面と規定する。そのほか耐力板の高さについては、上側の横架材の底面から下側の横架材の上面との間の距離よりも小さくして、双方の境目には隙間を確保する必要がある。これによって耐力板を組み込む際の作業性に優れ、且つ枠体の変形を抑制する機能を発揮できる。
胴部は、耐力板を据え付けた状態で上下方向に見て中央に位置する区画であり、この箇所では耐力板の横幅が二本の柱の距離と等しく、両側面がそれぞれの柱に接触する。ただし施工上の都合などから、胴部は必ずしも柱と密着させる必要はなく、最大5mm程度の隙間があっても構わない。そして胴部よりも上および下では、耐力板の外縁が斜めになっており、胴部から遠ざかるに連れて、柱との距離が増大する傾斜面が計四箇所に形成されている。なお胴部は、耐震性を十分に発揮できるよう、その高さを抑制すべきで、傾斜面の長さをできるだけ延ばすことが好ましい。また傾斜面は、単純な平面が最適だが、胴部から遠ざかるに連れて柱との距離が増大するという原則に従うならば、各種の曲面を採用してもよい。
このように構成することで、建物に水平荷重が作用して、枠体が平行四辺形状に変位した場合、耐力板の傾斜面が柱の側面と接触して、柱の傾斜に対抗する反力が発生するため、枠体の変形を一定限度内に抑制できる。さらに柱の傾斜が一段と大きくなった場合には、上下の横架材の間隔が狭くなるため、横架材と耐力板が接触して押し合う状態になり、横架材の移動が拘束される。そのため枠体の変形が抑制され、建物の損壊も防止できる。
固定具は、耐力板を枠体の内部に保持する機能を有しており、耐力板の左右両側で使用され、胴部と柱の境界を跨ぐように配置される。ただし固定具は、耐力板を移動不能に拘束するものではなく、その移動を許容する必要がある。これによって耐力板は、枠体の変形に応じて柔軟に移動できるため、傾斜面と柱との接触面積が増加して、枠体の変形を効率よく抑制できる。なお固定具の取り付け位置は、胴部に限定しているため、耐力板は半ば宙づりの状態で保持され、容易に移動できるが、地震時などでも耐力板が脱落しない強度を有する必要がある。
本発明において固定具は、耐力板の胴部および柱の側面に同心で埋め込まれる二本のラグスクリューと、該二本のラグスクリューに差し込まれるボルトと、からなり、一方のラグスクリュー(柱の側面に埋め込まれる方)には、ボルトを挿通するための中孔が形成され、他方のラグスクリュー(耐力板の胴部に埋め込まれる方)には、ボルトと螺合するための雌ネジが形成されている。このような固定具を用いることで、枠体が変形して傾斜面が柱に接触し始めると、その際の荷重に倣って耐力板が変位して、対向する傾斜面が他方の柱に接触して反力が発生する。そのため耐力板を介して柱に作用する荷重を効率よく分散できる。
固定具は、前記のように耐力板の変位をある程度許容する必要がある。しかし地震の際などに耐力板が脱落することは許されない。そこで本発明では、ボルトの弾性変形を利用して耐力板を変位可能に支持する。このボルトを保持するため、柱には、中空のラグスクリューを埋め込み、また耐力板には、雌ネジが形成されたラグスクリューを埋め込み、双方のラグスクリューを同軸に並べた後、柱側のラグスクリューからボルトを差し込んでいき、耐力板側のラグスクリューに螺合させることで、耐力板が固定される。この場合、耐力板は左右両側のボルトだけで固定されており、枠体が変形した際は、ボルトが弾性的に屈曲して、傾斜面が柱に接触して所定の耐震性を発揮する。なお耐力板は横架材によって挟み込まれているため、耐力板がボルトを中心として回転することはない。
なお本発明では、十分な耐震性を確保するため、耐力板の厚さは最低でも50mmは必要である。また耐力板の表面は何らの凹凸もない単純な平面が好ましいが、重量の軽減や作業時の取り扱い性を考慮して、一部をくり抜いてもよい。
請求項2記載の発明は、耐力板と上下の横架材との隙間は、1mmから10mmであることを特徴とする。耐力板と横架材との隙間は、耐力板の上面および底面から、対向する横架材までの間に形成され、このいずれの距離とも、1mmから10mmの範囲とすることで、施工時の作業性に優れ、しかも枠体が大きく変形した場合は、横架材を耐力板によって支持できる。
請求項3記載の発明は、傾斜面と柱との間には、緩衝材が挟み込まれていることを特徴とする。この緩衝材は、耐力板の傾斜面と柱の側面との間を埋め尽くすように挟み込んでもよいが、一部だけに限定して配置してもよい。なお緩衝材の材質については、ゴムや硬質のスポンジや金属製のバネなど、容積や想定される荷重などに応じて自在に選定できる。また緩衝材の据え付け方法に限定はなく、釘や接着材などを使用する。そのほか緩衝材は、計四箇所の傾斜面全てに配置するのが原則だが、問題がなければ一部を省略してもよい。
このように構成することで、枠体が変形した際、耐力板と柱との間で緩衝材が圧縮または引張されることでエネルギーが吸収され、衝撃の緩和と免震性が期待できる。また緩衝材の変形が極限に達した場合には、実質的に耐力板と柱が接触する状態になり、請求項1記載の発明のように、耐力板によって柱の傾斜を抑制する。
請求項1記載の発明のように、横架材と柱とで構成される枠体の中に、固定具を介して耐力板を組み込むことで、地震などによる水平荷重で柱が傾斜した際、柱の側面と耐力板の傾斜面が接触する。そのため柱は、耐力板からの反力を受けて傾斜の増加が食い止められるため、枠体の変形を一定の範囲内で抑制でき、建物の損壊を防止する。しかも一段と大きな水平荷重が作用して、柱の傾斜が極端に大きくなると、上下の横架材の間隔が狭くなるため、上側の横架材が耐力板に載る状態になる。これによって上側の横架材は、柱のみならず耐力板によっても支持され、一段と大きな垂直荷重に耐え抜き、建物の倒壊といった最悪の事態を回避できる。この耐力板の上に横架材を載せる機能は、本震で柱や梁などの締結部の強度が失われた後でも発揮できるため、余震の際にも建物の耐久性を維持できる。
このように本発明は、従来の筋交いの弱点である交差部での強度低下などの課題を一挙に解消できるほか、耐力板は単なる木製の板であり、所定の厚さと強度があれば素材の選定は自在であり、しかも固定具に特殊な部品を使用しないため、費用の増加を抑制でき、耐震構造の更なる普及が期待できる。
さらに本発明では、固定具を二本のラグスクリューとボルトで構成することで、ボルトの屈曲により耐力板を弾性的に支持できる。そのため、枠体が変形した場合でも、耐力板はボルトの屈曲によって独自に変位するするため、早い段階で傾斜面と柱が接触して、枠体の変形を抑止する。しかもボルトを取り付けるためのラグスクリューは、柱や耐力板の中に埋め込まれて移動不能に固定されるため、経年変形などの影響を受けることもない。
請求項2記載の発明により、横架材と耐力板との距離が適正に維持されて施工が容易な上、枠体が大きく変形した際には、耐力板の上面に横架材を載せる機能が確実に発揮される。
請求項3記載の発明のように、柱と耐力板との間に緩衝材を挟み込むことで、枠体に作用するエネルギーを吸収して免震性の効果を発揮する。そのため家具の転倒など、室内での被害を軽減できる上、建物に及ぶ被害も抑制できる。
図1は、本発明による壁面構造の概要を示しており、図1(A)は全体構成で、図1(B)は枠体31の一部を破断して描いている。枠体31は、水平方向に配置されている二本の横架材32,33と、この間を結ぶ二本の柱34,35で区画される矩形状の構造であり、この中に菱形に似た耐力板11が収容されている。なお横架材32,33は長尺であり、図ではその一部だけを描いているが、柱34,35については、二本の横架材32,33に挟まれた短尺である。また本発明は、矩形状の枠体31が構成されるならば、その大きさのほか、横架材32,33と柱34,35との接合部の構造などに制限はない。
耐力板11は、最も横幅の大きい中央部分を胴部12と称している。この胴部12は、図中の一端鎖線で挟まれた範囲であり、両側面が柱34,35と接触している。また胴部12よりも上および下では、耐力板11の側面が胴部12から離れるに連れて柱34,35から遠ざかる傾斜面13が計四箇所に形成されている。さらに傾斜面13と柱34,35とによって形成される三角形状の空間には、台形状のゴムを用いた緩衝材20が配置されており、枠体31が変形していない状態でも、緩衝材20は柱34,35と傾斜面13の両方に接触している。したがって枠体31が変形し始めると、緩衝材20も直ちに変形して衝撃を緩和する。なお緩衝材20は、接着材によって柱34,35と一体化しており、枠体31が変形した場合でも脱落することはない。
耐力板11を取り付けるための固定具は、図1(B)のように二本のラグスクリュー21,23とボルト27を一組として構成され、これが左右両側に使用されている。柱34,35に埋め込まれるラグスクリュー21は、ボルト27を挿通できる構造であり、対する耐力板11に埋め込まれるラグスクリュー23は、ボルト27を螺合できる構造であり、耐力板11を所定の位置に据え置いた際、双方のラグスクリュー21,23が同心となるよう設計されている。そのほか、耐力板11を持ち運ぶ際の作業性を考慮して、表面を部分的にくり抜いた吊り孔17を設けている。
図2は、図1に示す耐力板11などの形状を示しており、図2(A)は正面図で、図2(B)は中央部の縦断面図で、図2(C)は固定具周辺の拡大断面図である。なお図2(A)において、固定具だけは断面形状で描いている。図2(A)のように耐力板11の胴部12は、柱34,35と密着しているが、耐力板11の上面14および底面15は、横架材32,33との間に1mmから10mmの隙間がある。したがって枠体31が大きく変形した場合には、二本の横架材32,33の間の距離が縮まり、上側の横架材32が上面14に接触し、下側の横架材33が底面15に接触する。なお耐力板11は、左右両側の固定具によって、半ば宙に浮いた状態で保持されており、自由度が高く、枠体31とは異なる独自の変位も可能である。
図2(A)に示す寸法値は、実際に施工する場合の一例であり、柱の高さが2655mmの場合、傾斜面13の末端において、柱34,35との距離は11mmとなる。したがって実際の傾斜面13は、図よりも垂直に近いものとなる。また図2(B)のように耐力板11は、枠体31が変形した場合でも湾曲することなく、しかも枠体31の内部から離脱しないよう、十分な厚さを有する必要がある。なお枠体31の外側には、一般に外壁や断熱材などを取り付けるため、耐力板11や緩衝材20は、枠体31から突出しない厚さとなっている。そのほか固定具については、図2(C)のように、柱34の側面を貫くようにラグスクリュー21を埋め込んでおり、また耐力板11の側面には雌ネジを有するラグスクリュー23を埋め込んでおり、さらに双方を貫通するボルト27を差し込んでいる。ラグスクリュー21,23には、半径方向に突出する鋭利な凸条26が螺旋状に形成されており、これが木材の中に突き刺さることで強力な摩擦が発生する。なおラグスクリュー21,23の埋め込みに先立ち、所定の位置に下孔37を加工しておく必要がある。
図3は、固定具であるラグスクリュー21,23とボルト27の構成を示しており、図3(A)は斜視図で、図3(B)はボルト27が屈曲した状態の断面図である。この図では、左側のラグスクリュー21が柱34に埋設され、右側のラグスクリュー23が耐力板11に埋設される。左側のラグスクリュー21は、中心にボルト27を挿通するための中孔22が形成され、また一端に六角断面の頭部25が形成されている。この頭部25は、工具を掛けるために使用される。対になる右側のラグスクリュー23についても、一端に同様の頭部25が形成され、この中心には雌ネジ24が形成されている。ボルト27については、左側のラグスクリュー21から差し込んで、右側のラグスクリュー23の雌ネジ24に到達できる長さが確保されている。そしてボルト27を差し込んで締め上げると、互いの頭部25が密着して両ラグスクリュー21,23が一体化する。
図3(B)のように、両ラグスクリュー21,23を埋め込んだ後、ボルト27を差し込むことで、柱34と耐力板11との取り付けが完了する。柱34と耐力板11との境界では、双方の頭部25が接触しているが、ボルト27の半径方向に荷重が作用すると、双方のラグスクリュー21,23が一直線に並ばず、中央で折れ曲がった状態になる。このようにボルト27が屈曲することで、耐力板11の自在な変位が実現する。なおボルト27は、想定される荷重で塑性変形することのない強度を有している。
図4は、図3とは異なる構成の固定具を示しており、図4(A)は側面図で、図4(B)は中央部の縦断面図で、図4(C)はC−C断面図で、図4(D)はD−D断面図である。なお各図とも、固定具の周辺だけを抽出して描いている。この固定具は、柱34の側面に取り付けられた支持片41と連結ピン44を介して耐力板11を吊り下げている構造である。支持片41は、上下に長い直方体形状で、上下二箇所に雌ネジが形成されており、柱34の対面から打ち込まれる支持ボルト42によって固定される。また支持片41の中央には、円筒状のスリーブ43が打ち込まれており、このスリーブ43と耐力板11を貫通する連結ピン44を打ち込んでいる。
連結ピン44は汎用のボルトに類似した形状で、一端には六角の頭部を有し、他端には雄ネジが形成されており、ナット45を螺合することで、耐力板11を脱落不能に保持する。なお耐力板11の内部に支持片41を収容するため、耐力板11の側面を削った凹部36が形成されており、しかも連結ピン44やナット45についても、耐力板11に埋め込まれている。またスリーブ43は、支持片41と一体になっているため、支持片41と耐力板11が直接接触することはなく、耐力板11は、連結ピン44を中心として自在に回転でき、柱34の傾斜に対して柔軟に対応できる。
図5は、枠体31が変形した際の耐力板11などの挙動を示しており、図5(A)は中規模な変形で、図5(B)は大規模な変形である。図5(A)では、水平荷重によって上下の横架材32,33の位置がずれており、これに倣って柱34,35が傾斜して、枠体31が平行四辺形状になっている。この時、左右の柱34,35の傾斜は概ね等しいため、左右のラグスクリュー21,23の高さは同一となる。したがって、耐力板11自体が傾斜することはなく、水平状態を維持しながら右に移動する。その結果、対角にある左上と右下の緩衝材20が押圧され、左上の緩衝材20には、柱34を押し返す反力が発生する。
次に図5(B)のように枠体31の変形が大きくなると、緩衝材20は完全に圧縮されるため更なるエネルギーの吸収は難しくなる。ただし左上と右下の傾斜面13が実質的に柱34,35と接触した状態になり、しかも上下の横架材32,33との間の距離も短くなり、耐力板11が横架材32,33によって挟み込まれる。その結果、枠体31の変形を耐力板11の全体で受け止めることができ、枠体31の損壊を防止できる。
図6は、本発明の使用例を示す斜視図である。基礎コンクリートの上に土台を載せて、その上に柱を直立させていき、柱を結ぶように梁を載せていく木造軸組工法において、柱や梁などで囲まれる空間に耐力板11を設置することで、建物の耐震性が向上する。なお耐力板11は、全ての区画に組み込む必要はなく、角部に近い一部だけに限定しても問題はない。そのため他の区画では窓などを自在に設置できる。
本発明による壁面構造の概要を示しており、(A)は全体構成で、(B)は枠体の一部を破断して描いている。 図1に示す耐力板などの形状を示しており、(A)は正面図で、(B)は中央部の縦断面図で、(C)は固定具周辺の拡大断面図である。なお(A)において、固定具だけは断面形状で描いている。 固定具であるラグスクリューとボルトの構成を示しており、(A)は斜視図で、(B)はボルトが屈曲した状態の断面図である。 図3とは異なる構成の固定具を示しており、(A)は側面図で、(B)は中央部の縦断面図で、(C)はC−C断面図で、(D)はD−D断面図である。なお各図とも、固定具の周辺だけを抽出して描いている。 枠体が変形した際の耐力板などの挙動を示しており、(A)は中規模な変形で、(B)は大規模な変形である。 本発明の使用例を示す斜視図である。
11 耐力板
12 胴部
13 傾斜面
14 上面
15 底面
16 表面
17 吊り孔
20 緩衝材
21 ラグスクリュー(固定具)
22 中孔
23 ラグスクリュー(固定具)
24 雌ネジ
25 頭部
26 凸条
27 ボルト(固定具)
31 枠体
32 横架材(上側)
33 横架材(下側)
34 柱(左側)
35 柱(右側)
36 凹部
37 下孔
41 支持片(固定具)
42 支持ボルト(固定具)
43 スリーブ(固定具)
44 連結ピン(固定具)
45 ナット(固定具)

Claims (3)

  1. 上下の横架材(32、33)と、左右の柱(34、35)とで構成される矩形状の枠体(31)の中に嵌まり込む耐力板(11)と、該耐力板(11)を枠体(31)に対して移動可能に保持する左右一対の固定具と、を備え、
    前記耐力板(11)は、上下の横架材(32、33)と隙間を設けて配置され、更に耐力板(11)の上面(14)と底面(15)との中央に位置する胴部(12)は、左右の柱(34、35)の間隔と等しい横幅であり、且つ耐力板(11)の上下両側面には、上下に進むにつれて柱(34、35)から離隔する傾斜面(13)が形成され、
    前記固定具は、耐力板(11)の胴部(12)および柱(34、35)の側面に同心で埋め込まれる二本のラグスクリュー(21、23)と、該二本のラグスクリュー(21、23)に差し込まれるボルト(27)と、からなり、一方のラグスクリュー(21)には、前記ボルト(27)を挿通するための中孔(22)が形成され、他方のラグスクリュー(23)には、前記ボルト(27)と螺合するための雌ネジ(24)が形成されていることを特徴とする壁面構造。
  2. 耐力板(11)と上下の横架材(32、33)との隙間は、1mmから10mmであることを特徴とする請求項1記載の壁面構造。
  3. 前記傾斜面(13)と柱(34、35)との間には、緩衝材(20)が挟み込まれていることを特徴とする請求項1または2記載の壁面構造。
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