JP5202303B2 - ダイカスト用Zn合金とその製造方法、ダイカスト合金用Al母合金 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカスト用Zn合金とその製造方法に関し、更に、その製造方法に用いられるダイカスト合金用Al母合金に関する。
亜鉛(Zn)合金は、優れた機械的性質と鋳造性を有し、薄肉で複雑な形状や精密な寸法が得られるため、アルミニウム(Al)合金に次いで、ダイカスト用の合金として広く利用されている。また、ダイカスト用Zn合金は、幅広い表面処理が可能で耐食性に優れ、融点が低いためにホットチャンバーでのダイカストが可能で、金型の価格が安くて済み、寿命も長くできるので経済的であるといった利点を兼ね備えている。このためダイカスト用Zn合金は、自動車関連部品、機械部品、建築金具、装飾品等に幅広く利用されている。
JIS化されているダイカスト用Zn合金として、ZnにAlとマグネシウム(Mg)を添加したダイカスト用Zn合金塊2種と、これに更に1mass%前後の銅(Cu)を添加したダイカスト用Zn合金塊1種がある。また、JIS化はされていないが、ダイカスト用Zn合金塊2種に3mass%前後のCuを添加した金型用合金3種も知られている。
一方、Zn合金は、Al合金やMg合金といった他のダイカスト合金や、樹脂材料などに比べて比重が大きいといった欠点がある。このため、自動車や機械等の軽量化による影響で、ダイカスト用Zn合金のシェアが圧迫されつつある。このような欠点を補うためには、なるべく薄肉のZn合金ダイカスト製品を製造し、軽量化することが必要となる。
また一方で、ダイカスト製品は、機械的強度や伸びを低下させる“巣”と呼ばれる空洞欠陥が内部に発生しやすい。また、空洞欠陥が製品の表面に発生することによる歩留りの低下や、製品薄肉部に発生した空洞欠陥によるフクレ欠陥を引起こす。Zn合金ダイカスト製品の場合、一般に1mm以下の厚さになると、空洞欠陥による表面異常が目立つようになり、また、流動性不足による湯ジワが発生し、生産性を低下させてしまう。そこで、特許文献1には、Al、Mgに加えて適量の希土類元素を添加することにより、製品化した際の空洞欠陥の発生を抑制し、薄肉化を可能にしたダイカスト用Zn合金が開示されている。
特開2005−89862号公報
このように希土類元素を添加したダイカスト用Zn合金は、ダイカスト時における溶湯の流動性(湯流れ性)に優れ、湯ジワなどの発生を抑制できるようになる。その結果、製造されたZn合金ダイカスト製品において、空洞欠陥が減少し、表面不良やフクレ欠陥が少なくなり、強度や伸び、ヤング率といった機械的特性も向上する。このため、薄肉化ができ、製品の軽量化も可能となる。
しかしながら、空洞欠陥の発生を抑制するために添加される希土類元素の添加量はわずかであり、ダイカスト用Zn合金を溶製する際に、そのZn溶湯中に添加した希土類元素が均一に分散せず、凝固した際に、希土類元素がZn合金中に偏析するといった問題を生じた。ダイカスト用Zn溶湯中に直接希土類元素を添加しても、希土類元素は溶解せずに偏析してしまう。即ち、希土類元素を添加した従来のダイカスト用Zn合金について任意の場所をEPMA測定すると、希土類元素が局所的に検出され、偏析していることが検出された。このように希土類元素が偏析すると、亜鉛溶湯の流動性、湯まわりが悪くなる。それによって、製品化した際に部分的に空洞欠陥の発生を十分に抑制できなくなり、均質なZn合金ダイカスト製品が得られなくなってしまう。
本発明の目的は、希土類元素が偏析せずに均一に分散したダイカスト用Zn合金とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、Zn合金を溶製する際に、希土類元素を3mass%以上10mass%未満含有するAl母合金をZn溶湯に添加すると、希土類元素がZn溶湯中に均一に分散し、凝固した際に、Zn合金中に希土類元素が偏析しなくなるという知見を得た。また、このAl母合金を添加して溶製したZn合金を凝固させて得たダイカスト用Zn合金は、結晶粒径が10μm以下であることが判明した。
本発明はかかる知見に基いて案出されたものである。本発明によれば、Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、1種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなり、結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする、ダイカスト用Zn合金が提供される。
また、本発明によれば、Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、1種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなり、金属間化合物の最大径が20μm以上の金属間化合物がないことを特徴とする、ダイカスト用Zn合金が提供される。
更に、Cu:0.5〜5mass%を含有しても良い。また、再度溶融して鋳造を凝固させた際に、表面の結晶粒径と内部の結晶粒径の差が10%以内となることが望ましい。
また、本発明によれば、1種または2種以上の希土類元素を3mass%以上10mass%未満含有し、残部がAlと不可避の不純物からなるAl母合金を添加して、Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなるZn合金を溶製し、凝固させることを特徴とする、ダイカスト用Zn合金の製造方法が提供される。
本発明によれば、希土類元素を3mass%以上10mass%未満含有するAl母合金を添加してZn合金を溶製することにより、希土類元素の均一な混合が可能となり、希土類元素を偏析させずにダイカスト用Zn合金を製造できるようになる。
実施例1のダイカスト用Zn合金のSEM写真 比較例3のダイカスト用Zn合金のSEM写真 実施例1〜3および比較例1〜3を示す表1
本発明のダイカスト用Zn合金における各組成成分の意義は以下の通りである。
Alは、ダイカスト時における溶湯の流動性を改善する。但し、ダイカスト用Zn合金はホットチャンバーが可能な合金であり、Alの含有量が増加すると、融点が高くなってホットチャンバーが困難になる場合があるので、Alの添加量は3〜5mass%が好ましい。
Mgは、粒間腐食を抑制させるために含有させる。含有量が少ないと抑制効果が低いが、多くなると、Zn合金ダイカスト製品の衝撃強度が低下する場合があるので、添加量は0.03〜0.06mass%が好ましい。
Cuを含有することは必須ではないが、Cuを添加することにより、より一層の強度向上を図ることができる。但し、添加量が多くなると、流動性や衝撃強度を低下させる場合があるので、Cuを添加する場合、その添加量は0.5〜5mass%の範囲である。
希土類元素は、ランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15元素であり、これら希土類元素の一種又は2種以上を添加することにより、空洞欠陥である“巣”の発生を抑制し、Zn合金ダイカスト製品の機械的特性を向上させることができる。希土類元素としては、例えばミッシュメタルを添加することが好ましい。なお、ミッシュメタルとは、希土類元素の1種以上を含む金属の集合体または合金であり、金属元素としては、La、セリウム(Ce)、ネオジウム(Nd)、プラセオジウム(Pr)等である。特に、Laは、15%、セリウム(Ce)は、45%以上であれば、空洞欠陥の発生をより確実に抑制できる。
希土類元素の含有量は、0.01〜0.5mass%であり、0.2mass%未満であることが好ましい。例えばミッシュメタルを添加する場合のように、2種以上の希土類元素を添加する場合は、それら2種以上の希土類元素(例えばミッシュメタル)の含有量の合計が、0.01〜0.5mass%であり、より好ましくは、それら2種以上の希土類元素(例えばミッシュメタル)の含有量の合計が、0.2mass%未満である。更に、それら2種以上の希土類元素(例えばミッシュメタル)の含有量の合計を0.01〜0.15mass%までの低含有量とすれば、空洞欠陥の減少効果とともに湯流れ性の改善も顕著である。希土類元素の含有量が0.2mass%以下とすることで、ダイカストに用いる合金インゴットを製造する時の溶解時間を短くすることができ好ましい。また、希土類元素の含有量が0.5mass%を超えると溶解時間が長くなるため、製造コストが増大して経済的な不利益が生じる。
以上の組成を有する本発明のダイカスト用Zn合金を製造するには、純度99%以上のZnを溶解炉で溶解し、そのZn溶湯にAl、例えばミッシュメタルなどの1種または2種以上の希土類元素を3mass%以上10mass%未満含有し、残部がAlと不可避の不純物からなるAl母合金、Mgを添加する。また、必要な場合はCuも添加する。なお、MgはAlやAl母合金を添加した後に添加することが好ましい。こうして、Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、更に、必要に応じて、Cu:0.5〜5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなるZn合金を溶製する。希土類元素を3mass%以上超え10mass%未満含有し、残部がAlと不可避の不純物からなるAl母合金を用いることにより、希土類元素の均一な混合が可能となる。特に、このAl母合金に含有される希土類元素として、La、Ceが合計50%以上であるミッシュメタルを用いれば、希土類元素の均一な混合がより容易となり、より偏析を抑制してダイカストZn合金を製造できるようになる。
希土類元素の含有量が3mass%未満であるAl母合金を添加してZn合金を溶製した場合は、それから製造されたダイカストZn合金において、合金内部と合金表面の結晶粒径の差が大きくなり、再度溶解して凝固させた際に、空洞欠陥を生じてしまう。
Zn合金を溶製する際に、希土類元素の含有量が3mass%以上10mass%未満のAl母合金を用いることにより、製造されたダイカストZn合金において、希土類元素を均一に分散させることができ、Znダイカスト合金中の結晶粒径が10μm以下になる。
一方、希土類元素の含有量が10mass%以上であるAl母合金を添加してZn合金を溶製した場合は、希土類元素が均一に混合されなくなり、それから製造されたダイカストZn合金において、希土類元素が組織内で偏析し、結晶粒径が10μmを超える金属間化合物が生成されてしまい、結晶粒径の小さい(5〜10μmの範囲の)ダイカストZn合金が製造できなくなる。
なお、Al母合金を製造する場合は、先ず、Alを1000℃以上まで昇温して完全に溶解させる。そのAl溶湯内にミッシュメタルなどの1種または2種以上の希土類元素を3mass%以上10mass%未満となるように添加する。溶湯の温度を1000℃以上に維持したまま、磁気攪拌を数時間行い、ミッシュメタルを添加する。その後、950℃に溶湯を冷却して鋳造を行い、希土類元素を添加したAl母合金とする。
そして、上記の要領で溶製したAl:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、更に、必要に応じて、Cu:0.5〜5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなるZn合金の溶湯を鋳型に流し込み、凝固させて鋳造することにより、本発明のダイカスト用Zn合金を製造することができる。こうして製造された本発明のダイカスト用Zn合金は、結晶粒径が20μmを超えるような金属間化合物が偏析せず、結晶粒径が10μm以下の範囲となり、再度溶融して凝固させた際においても、表面の結晶粒径と内部の結晶粒径の差が10%以内となる。なお、Cuを0.5〜5mass%添加することで、Zn合金の機械強度を向上することができる。
また、こうして製造された本発明のダイカスト用Zn合金を溶融させた溶湯は流動性(湯流れ性)に優れ、湯ジワなどの発生を抑制できるようになる。また、希土類元素が均一に分散していることにより、製造されたZn合金ダイカスト製品の全体において、空洞欠陥が減少し、表面不良やフクレ欠陥が少なくなり、強度や伸び、ヤング率といった機械的特性も向上する。このため、薄肉化ができ、製品の軽量化も可能となる。よって、製品の軽量化も可能となる。本発明のダイカスト用Zn合金を用いて製造されるZn合金ダイカスト製品は、例えば自動車関連部品、機械部品、建築金具、装飾品等に好適に利用される。
なお、ダイカスト成形する場合、原料を溶融させて鋳型に流し込んだ後、水をかけて急冷させる。そのため、製品表面は結晶粒径が小さくなり、一方、内部は急冷されないので、表面と同じように結晶粒径を小さくすることは困難である。本発明のダイカスト用Zn合金によれば、希土類元素を分散させたことで、ダイカスト成形された製品の内部まで結晶粒径を小さくすることができる。
(実施例1)
(1)Al母合金の製造
溶融炉においてAlを1t溶融しAl湯を得た。次いで、1000℃に至るまでAl湯の温度を昇温した。このAl湯にCe53%、La25%のミッシュメタル(希土類元素)を90Kgを投入し、攪拌、溶解し、Al母合金の組成を、Alが91mass%、ミッシュメタル(希土類元素)が9mass%とした。溶解を確認後、溶融炉から鋳型に湯温を950℃で注湯し、鋳造、冷却固化し、Al母合金を得た。
(2)ダイカスト用Zn合金の製造
溶融炉にてZnを2t、500℃にて溶融し、この中に、上記より得たAl母合金を約10Kg投入し、Al、Cu、Mgを順次添加し、攪拌し、溶解し、ミッシュメタル(希土類元素)の組成が0.05mass%となるダイカスト用Zn合金(ダイカスト製品)を製造した。この溶解に費やした時間は、約60分であった。溶解後は、溶製したZn合金を鋳型にて鋳造し、冷却後、鋳型からダイカスト用Zn合金を取り出した。
実施例1のダイカスト用Zn合金の断面におけるSEM写真を図1に示す。図1(a)は2200倍、図1(b)は1000倍である。実施例1のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を1000倍のSEM写真から測定したところ、粒径は5〜10μmとなり、結晶粒径は細かく揃っていた。また、得られたZn合金の断面SEM写真を画像解析し、引け巣の割合を求めたところ、引け巣割合は0.20%であり、最大径が1μm以上となる金属間化合物の生成も見られなかった。そのZn合金の断面をEPMAで組成分析を行ったところ、希土類元素の偏析は見られなかった。
この亜鉛合金の420℃における流動長をMIT法により測定したところ、流動長さは270mmであった。
(実施例2)
Al母合金中のミッシュメタルの添加量を調整した以外は、実施例1と同様に行った。実施例2のAl母合金の金属組成は、Alが97mass%、ミッシュメタルが3mass%であった。ダイカスト用Zn合金の組成は、実施例1と同様のものとした。
実施例2のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を1000倍のSEM写真から測定したところ、粒径は5〜10μmとなり、結晶粒径は細かく揃っていた。また、引け巣割合は0.15%であり、最大径が1μm以上となる金属間化合物の生成も見られなかった。そのZn合金の断面をEPMAで組成分析においても、希土類元素の偏析は見られなかった。
この亜鉛合金の420℃における流動長さは275mmであった。
(実施例3)
Al母合金中のミッシュメタルの添加量を調整した以外は、実施例1と同様に行った。実施例3のAl母合金の金属組成は、Alが94mass%、ミッシュメタルが6mass%であった。ダイカスト用Zn合金の組成は、実施例1と同様のものとした。
実施例3のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を1000倍のSEM写真から測定したところ、粒径は5〜10μmとなり、結晶粒径は細かく揃っていた。また、引け巣割合は0.11%であり、最大径が1μm以上となる金属間化合物の生成も見られなかった。そのZn合金の断面をEPMA測定したところ、希土類元素の偏析は見られなかった。
このZn合金の420℃での流動長さは275mmであった。
(比較例1)
ミッシュメタルを添加せずにダイカスト用Zn合金を作成した。ミッシュメタルが添加されていない以外は、ダイカスト用Zn合金の組成は、実施例1と同様のものとした。
比較例1のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を測定したところ、粒径は13〜20μmと10μm以上となる結晶が見られた。さらに引け巣割合は0.67%と高くなっていた。このZn合金の420℃での流動長さは290mmであった。
(比較例2)
Al母合金のミッシュメタル含有量を調整した以外は、実施例1と同様に行った。比較例2のAl母合金の金属組成は、Alが88mass%、ミッシュメタルが12mass%であった。ダイカスト用Zn合金の組成は、実施例1と同様のものとした。
比較例2のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を1000倍のSEM写真から測定したところ、粒径は12〜15μmと10μm以上となる結晶が見られた。また、引け巣割合は0.40%と高く、最大径が20μm以上となる金属間化合物の生成が見られた。このZn合金の420℃での流動長さは250mmと短い値となった。
(比較例3)
Al母合金のミッシュメタル含有量を調整した以外は、実施例1と同様に行った。比較例3のAl母合金の金属組成は、Alが90mass%、ミッシュメタルが10mass%であった。ダイカスト用Zn合金の組成は、実施例1と同様のものとした。
比較例3のダイカスト用Zn合金のSEM写真を図2に示す。図2(a)は2200倍、図2(b)は1000倍である。比較例3のダイカスト用Zn合金の断面において組織の結晶粒径を1000倍のSEM写真から測定したところ、粒径は5〜15μmと10μm以上となる結晶が見られ、引け巣割合は0.21%であった。
最大径が20μm以上となる金属間化合物の生成が見られた。このZn合金の420℃での流動長さは252mmと短い値となった。
また、図2(a)では白い箇所がみられる。その部分をEPMAによる組成分析の結果、Zn(約77.5mass%)、La(約15.0mass%)、Ce(約15.0mass%)の組成を持ち、希土類元素が偏析しており、金属間化合物を形成していることがわかった。その金属間化合物はZn合金中に分散して存在することが観測され、その最大径が約20μm以上となる大きな金属間化合物が存在することが確認された。
これら実施例と比較例から、ミッシュメタルを添加した合金とすることで、引け巣が減少したことが分かる。さらにAl母合金のミッシュメタル濃度を3mass%以上10mass%未満とすることで、金属間化合物の大きさが減少し、流動長が長くなった。
実施例1〜3および比較例1〜3のダイカスト用Zn合金を溶製する際に添加したAl母合金(比較例1はAl)のAl濃度とミッシュメタル濃度(MM濃度)、そのAl母合金を用いて製造したZn合金の結晶粒径と420℃における流動長、Zn合金中のミッシュメタル濃度、金属間化合物の最大径、引け巣割合を図3(表1)に示す。
本発明は、例えば自動車関連部品、機械部品、建築金具、装飾品等の製造分野に適用できる。

Claims (5)

  1. Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなり、結晶粒径が5〜10μmであることを特徴とする、ダイカスト用Zn合金。
  2. 更に、Cu:0.5〜5mass%を含有することを特徴とする、請求項1のダイカスト用Zn合金。
  3. Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなり、結晶粒径が20μm以上の金属間化合物がないことを特徴とする、ダイカスト用Zn合金。
  4. 更に、Cu:0.5〜5mass%を含有することを特徴とする、請求項3のダイカスト用Zn合金。
  5. 1種または2種以上の希土類元素を3mass%以上10mass%未満含有し、残部がAlと不可避の不純物からなるAl母合金を添加して、Al:3〜5mass%、Mg:0.03〜0.06mass%、一種又は2種以上の希土類元素:0.01〜0.5mass%を含有し、残部がZnと不可避の不純物からなるZn合金を溶製し、凝固させることを特徴とする、ダイカスト用Zn合金の製造方法。
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