JP5201800B2 - 電気二重層キャパシタ用電極材料、および電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電極材料、および電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、充電時における電極の膨張が抑制された電気二重層キャパシタ用電極材料、およびその製造方法に関するものである。
電気二重層キャパシタは、電極と電解液との界面に生じる電気二重層を蓄電原理とした大容量キャパシタとして知られている。このキャパシタの電極には、従来から石油コークス、石炭、ヤシ殻、フェノール系樹脂等を炭化処理した後に賦活処理を行って得られる活性炭が材料として使用されている。近年、キャパシタの大容量化を目的にアルカリ賦活処理した易黒鉛化性炭素(以下、「代替材料」)を電極材料にすることが提案されている。
代替材料は、従来から使用されている活性炭よりも比表面積が小さいが、キャパシタの充電により容量が増大する。これは、充電に伴った電解液のイオンが代替材料にインターカレートし、大容量化につながる新たな細孔が形成されるためと考えられている。また、従来から使用されている活性炭よりも細孔容積が小さく、高密度の電極を製造することができるので、キャパシタの単位体積あたりの静電容量を大きくすることが期待されている。しかし、代替材料を使用すれば大容量化を期待できるものの、充電時のインターカレートで代替材料が膨張し、電極自体の膨張を引き起こしてキャパシタの破損を誘発する。このため、代替材料の実用化は、非常に難しいとされている。
代替材料を実用化するべく、代替材料の膨張を緩和する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、難黒鉛化性炭素と易黒鉛化性炭素との混合物を炭化した後、賦活処理を行った電極材料が開示されている。この電極材料においては結晶性炭素と非晶質炭素が交じり合って、非晶質炭素が結晶性炭素の膨張を拘束するので、電極材料の膨張が抑えられるとされている。また、特許文献2には、難黒鉛化性炭素と易黒鉛化性炭素とで構成される複合繊維を炭化した電極材料が開示されている。このように、代替材料を実用化するための様々な技術が提案されており、代替材料の膨張を抑制可能な技術が切望されている。
特開2002−83748号公報 特開2005−294607号公報
上記事情に鑑み、本発明は、充電時の膨張が小さい電気二重層キャパシタ用電極材料、およびこの電極材料の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、第一炭素と、該第一炭素を内包する第二炭素とを有する電気二重層キャパシタ用電極材料であって、前記第二炭素に内包された空隙が存在することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料である。この電極材料によれば、第一炭素が充電により膨張することになるが、第二炭素内に空隙が存在しているので、第一炭素膨張の第二炭素への直接押圧が抑制される。また、第二炭素内の空隙は、第二炭素の第一炭素に向けての膨張先となる。これらの結果、電極材料全体の膨張が抑制される。
前記第二炭素が、電気二重層キャパシタの充電時において、前記第一炭素よりも低膨張率であると好適である。このような炭素の選択により、低膨張の第二炭素が第一炭素の膨張を抑制し、電極材料全体の膨張を抑制する。第一炭素が第二炭素よりも高い膨張率となる組み合わせは、易黒鉛化性炭素含有物を第一炭素とし、難黒鉛化性炭素含有物を第二炭素とする組み合わせが例示される。ここで、本発明において、「易黒鉛化性炭素」とは、絶対温度が3300K前後の高温処理により黒鉛に変換できる非黒鉛質炭素をいい、「難黒鉛化性炭素」とは、熱処理によっても黒鉛構造に至らない非晶質炭素をいう。
前記第二炭素内において、前記第一炭素が粉体ないし粉体凝集体であると良く、前記第一炭素が導電材と混合されていることが好適である。第一炭素が導電材と混合されていることで、電極材料自体が高い電気伝導性を発揮し、電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタの内部抵抗を低くできる。
また、本発明は、前記電気二重層キャパシタ用電極材料を備えた電気二重層キャパシタ用電極、およびこの電極を備えた電気二重層キャパシタである。
また本発明は、加熱により気化する気化性部材と第一炭素材料との混合体を調製する混合体製造工程と、前記混合体の表面に第二炭素材料を含有する被覆膜を形成する被覆膜形成工程と、前記被覆膜を形成した前記混合体の気化性部材を気化させる加熱工程とを有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法である。
前記混合体製造工程において、前記第一炭素材料に粉状の炭素材料を使用することが好適である。また、電極材料自体が高い電気伝導性を発揮して電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタの内部抵抗を低くするためには、前記混合体製造工程において調製する混合体に導電材を含有させると良い。
前記被服膜形成工程における第二炭素が電気二重層キャパシタの充電時において前記第一炭素よりも低膨張率であると、製造される電気二重層キャパシタ用電極材料の膨張抑制に好適である。この膨張抑制に好適な第一炭素と第二炭素の組み合わせとしては、難黒鉛化性炭素が易黒鉛化性炭素よりも低膨張率であるので、前記第一炭素が賦活化した易黒鉛化性炭素を含有し、前記第二炭素が賦活化した難黒鉛化性炭素を含有する組み合わせを例示することができる。
また、本発明は、前記電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法を使用して電気二重層キャパシタ用電極材料を製造する工程を有する電気二重層キャパシタ用電極の製造方法、およびこの方法を使用して電気二重層キャパシタ用電極を製造する工程を有する電気二重層キャパシタの製造方法である。
本発明の電極材料によれば、第一炭素を覆う第二炭素内の空隙が、第一炭素の膨張先となり、更に第二炭素の内側に向けての膨張先となるので、電極材料自体の膨張が抑制される。
本発明を実施形態に基づき以下に説明する。図1は、本実施形態の電気二重層キャパシタ用電極材料EMを説明するための断面模式図である。図示の電極材料EMは、膜状の第二炭素SCの内側に中空部が存在し、中空部に任意量の第一炭素FCおよび導電材CM、並びに空隙EAが存在する。即ち、任意量の第一炭素FCと導電材CMが第二炭素SCに内包充填された構成となっている。そして、第一炭素FCおよび導電材CMは、粉体乃至は粉体の凝集物となっている。
この電極材料EMの平均粒径は、任意に設定可能であり、特に限定されるものではないが、キャパシタ用塗布電極の塗布厚みは通常50μm程度であるので、平均粒径の上限値は、塗布厚み以下の40μmであると良い。一方、電極材料EM粒子内へのイオン移動を考慮すると電極材料EMの粒径が小さい程好ましいが、粒径が余りに小さいと、電極材料EMと集電板の結着性が悪くなり、また、電極材料EMの層が結着された集電板を実用的な強度とするためのバインダー量が増加するので、平均粒径の下限値は0.5μmであると良い。平均粒径は、1〜30μmであると好ましく、更に好ましくは、2〜20μmである。
なお、「平均粒径」とは、水に分散させた試料を、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて求められるメジアン径をいい、例えば、株式会社島津製作所製の「SALD−2000」を使用して測定できる。この平均粒径の意味は、本発明における全ての平均粒径に当てはまる。
第一炭素FCおよび第二炭素SCは、共に、電解液中のイオンを物理的に吸着して蓄電できる炭素材料を含んでいる。このような炭素材料であれば、特に限定されるものではなく、電極材料として知られている活性炭を使用すると良い。また、キャパシタの大容量化に適する賦活化した易黒鉛化性炭素や賦活化した難黒鉛化性炭素を炭素材料として例示できる。
キャパシタの充電時において、第二炭素SCが第一炭素FCよりも低膨張率となるように各炭素を選定することが、電極材料EMの膨張を抑制するのに適している。第一炭素FCの膨張率は、5〜100%であると良く、好ましくは10〜80%、より好ましくは20〜60%である。一方、第二炭素SCの膨張率は、通常5%以下、好ましくは4%以下、より好ましくは3%以下である。高膨張率の第一炭素FCと低膨張率の第二炭素SCの組合せは、例えば、第一炭素が賦活化した易黒鉛化性炭素を含有する炭素材料、第二炭素が賦活化した難黒鉛化性炭素を含有する炭素材料とする組合せであり、より大きな容量の炭素を第一炭素に含ませることで、キャパシタの大容量化を図ることができる。
導電材CMは、電極材料EMの電気抵抗値を低減する。この低減を実現するため、第一炭素FCよりも電気伝導性に優れた材料を導電材CMとして選択することになる。例えば、カーボンブラック、黒鉛、カーボンファイバーを選択する。
上記の通り、第二炭素SCの内側の中空部に第一炭素FCおよび導電材CMが充填されている。充填率は、10〜90%であると良く、好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30〜70%である。
第二炭素SC内における第一炭素FCの充填量を増加させるに伴って、電極材料EMの静電容量が増加することになるので、第一炭素FCの充填量は、所望の静電容量に応じて設定される。他方で、第二炭素SC内における導電材CMの充填量は、電極材料EMの電気抵抗値に大きく影響する。導電材CMを高充填とするほど、電気抵抗値が低下することになるので、電極材料EMの電気抵抗値を調整できる。第一炭素FCと導電材CMの比率は、所望の電極材料EMの容量、電気抵抗値に応じて設定される。
次に本実施形態の電極材料を製造するのに好適な方法を説明する。本方法は、気化性部材、第一炭素材料、および導電材の混合物粒子を調製する混合体製造工程と、混合物粒子の表面に被覆材膜を形成する被覆膜形成工程と、混合物粒子の気化性部材を気化させる加熱工程とを順に経る方法である。以下、工程毎に説明する。
先ず、混合体製造工程について説明する。この工程では、加熱により気化する気化性部材、第一炭素FC、および導電材CMを混合して、粒子状の混合体を製造する。気化性部材は、加熱により分解や揮発等する熱分解性の樹脂から選択されていると良く、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンが挙げられる。
第一炭素FCとなる材料の粒径は、0.05〜5μmであると良く、好ましくは、0.1〜3μm、更に好ましくは、0.5〜2μmである。
気化性部材等の混合においては、十分に混合するため、気化性部材を加熱溶融させつつ混合する。混合物が冷却すると、塊状の混合物が得られ、これを電極材料に応じた粒径にまで粉砕することにより、混合物粒子が得られる。
次に被覆膜形成工程および加熱工程を、図を参照しつつ説明する。図2は、被覆膜形成工程および加熱工程を説明するための図であり、図2(a)は、混合物粒子MP、図2(b)は、第二炭素材料を含有する膜SSが形成された混合物粒子MP、図2(c)は、本実施形態の電極材料EMをそれぞれ表している。
被覆膜形成工程では、図2(b)に示す如く、図2(a)に表わされる混合物粒子MPの表面に第二炭素材料を含有する被覆材SSの膜を形成する。被覆材SSは、第二炭素材料の他、混合物粒子MPとの接着性を高めるために、バインダーを含有する。被覆材SSがバインダー溶剤に分散されていても良い。第二炭素材料は、混合物粒子MP表面の被覆を容易に行える粉状物が選択される。また、バインダーとしては、加熱工程で炭化するカルボキシメチルセルロースや石炭または石油ピッチを使用することが好適である。このような被覆材SSと混合物粒子MPとを混合して、本工程が実行される。
なお、被覆膜形成工程における第二炭素材料とバインダーの比率は、被覆の観点から適宜設定されるべきものであるが、通常、第二炭素材料:バインダー=1:0.001〜0.1(重量比率)であると良く、好ましくは1:0.002〜0.08、より好ましくは1:0.005〜0.05である。
加熱工程では、図2(b)に示す粒子の加熱処理が行われ、このときの加熱温度は、気化性部材GMの熱分解や揮発により気化する温度に適宜設定される。例えば、気化性部材GMがポリスチレンである場合、800℃程度である。なお、加熱工程では、炭素の燃焼を防止するため、窒素等の不活性ガス中で加熱を行う。
気化性部材GMは、加熱により多孔質となった被覆材SSを通じて気化流出し、消失する。その結果、図2(c)に示す第二炭素SC内に空隙EAが形成された本実施形態の電極材料EMが得られる。
上記本実施形態の電極材料を使用して電気二重層キャパシタ用電極や電気二重層キャパシタを製造することが可能である。これらを公知の方法で製造できる。
電気二重層キャパシタ用電極は、例えば、電極材料、導電性付与剤、およびバインダー溶液を混練し、溶媒を添加してペーストを調製し、このペーストをアルミ箔等の集電板に塗布した後、溶媒を乾燥除去したものが挙げられる。
この電極に使用されるバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系高分子化合物や、カルボキシメチルセルロース、スチレン‐ブタジエンゴム、石油ピッチ、フェノール樹脂等を使用することができる。また、導電性付与剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを使用することができる。
電気二重層キャパシタは、一般的には、電極、電解液、およびセパレータを主要構成とし、一対の電極間にセパレータが配置した構造となっている。電解液を例示すれば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの有機溶剤にアミジン塩を溶解した電解液、過塩素酸の4級アンモニウム塩を溶解した電解液、4級アンモニウムやリチウムなどのアルカリ金属の四フッ化ホウ素塩や六フッ化リン塩を溶解した電解液、4級ホスホニウム塩を溶解した電解液などが挙げられる。また、セパレータを例示すれば、セルロース、ガラス繊維、又は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下の通り、第一炭素を使用して、実施例および比較例の電極材料を製造した。
[第一炭素]
ディレート石油コークスを窒素気流中800℃で2時間加熱処理を行い、得られた炭化物に質量比で3.0倍の水酸化カリウムを添加した。次いで、窒素気流中800℃で2時間賦活処理を行った後、水洗により残存カリウムを除去し、第一炭素を得た。
[実施例1]
(1)混合物粒子の製造
平均粒径1μmに粉砕した40gの第一炭素に、加熱により気化する気化性部材であるポリスチレン微粉を10g加え、ポリスチレンが気化しない温度(150℃)で加熱混合した後、冷却することで、ポリスチレン内に第一炭素が分散した塊状混合物を得た。この複合材料を平均粒径5μmに粉砕して混合物粒子を得た。
(2)第二炭素の被覆
フェノール樹脂を窒素気流中800℃で2時間加熱処理を行い、得られた炭化物に質量比で2.0倍の水酸化カリウムを添加した。次いで、窒素気流中800℃で2時間賦活処理を行った後、残存カリウムを水洗除去した。その後、平均粒子径1μmに粉砕し、これを第二炭素とした。混合物粒子50gと、10gの第二炭素とを混合し、3000rpmで攪拌しながら10gの2質量%カルボキシメチルセルロース水溶液を添加した後、乾燥して第二炭素で被覆された混合物粒子を得た。
(3)混合物粒子の熱処理
第二炭素で被覆された混合物粒子を窒素気流中、800℃で2時間熱処理して、内部のポリスチレンを気化させて、平均粒径が8μmの実施例1の電極材料を得た。
[実施例2]
実施例1の混合物粒子の製造において、40gの第一炭素に10gポリスチレン微粉を加えるだけでなく、3gのカーボンブラックを導電材として加えた。これ以外の操作は、実施例1と同様に行い、平均粒径が8μmの実施例2の電極材料を得た。
[実施例3]
実施例2の第二炭素の被覆において、10gの2質量%カルボキシメチルセルロース水溶液に替えて、10gの5質量%のコールタールピッチを含有するN‐メチルピロリドンを使用した。これ以外の操作は、実施例2と同様に行い、平均粒径が8μmの実施例3の電極材料を得た。
[比較例1]
粉砕して平均粒径を8μmに調整した第一炭素を比較例1の電極材料とした。
[比較例2]
実施例1で用いた第二炭素平均粒径8μに調整し、これを比較例2の電極材料とした。
上記実施例および比較例の電極材料の膨張、抵抗、および静電容量の評価を行った。この評価を、各材料を用いた電極を使用してキャパシタを組み立て、キャパシタを充電して行った。電極、キャパシタ、キャパシタの充電、および各評価方法の詳細は、以下の通りである。
(電極の作製)
実施例または比較例の電極材料80質量%、アセチレンブラック10質量%、およびポリテトラフルオロエチレン10質量%の混練物を粉砕し、一辺500μmの正方形開口の篩で篩い落とした粒粉を得た。この粒粉に、直径1インチの金型を使用して、500kg/cmの圧力を加えてプレス成形し、厚みが0.5mmの電極を作製した。
(キャパシタの組み立て)
真空条件下、200℃、1時間の条件で電極を乾燥した後、窒素ガスを流通させたグローブボックス内で電解液(テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートが1mol/Lのプロピレンカーボネート溶液)を電極に真空含浸した。
(膨張率測定用キャパシタの作製)
上記電極を使用して、図3に示すキャパシタを組み立てた。図示のキャパシタは、電解液を含浸させたセパレータを電極で挟み、電極を更にアルミニウム集電板で挟んだものである。
(抵抗および静電容量算出用キャパシタの作製)
上記電極を使用して、図4に示すキャパシタを組み立てた。図示のキャパシタは、電解液を含浸させたセパレータ(Celgard社製「セルガード♯3501」)を電極で挟み、電極をOリングで囲繞した後、更にアルミニウム集電板で挟んだものである。
(キャパシタの充電条件)
充放電装置(楠本化成株式会社製ETAC Ver4.4)の充放電端子をキャパシタのアルミニウム集電板に接続し、集電板間電圧が2.5Vになるまで40mAの定電流充電を行い、続けて、2.5Vの定電圧で30分間充電した。
(膨張率の算出)
上記キャパシタの充電を、膨張率測定用キャパシタの上面に900gの荷重をかけた状態で行った。そして、次式に基づいて算出した。
((充電後の電極の厚み)−(充電前の電極の厚み))/(充電前の電極の厚み)×100
(抵抗の算出)
充電後の上記抵抗算出用キャパシタの定電流放電(放電電流=0.010A)を行った。このとき、キャパシタ電圧(V、V)と放電時間(t、t)を測定し、次の2式からキャパシタの抵抗を算出した。
=(V−V)/(t−t)×t+V
R=(V−V)/I
R:抵抗(Ω)
:2.5V
:みなし電圧(V)
:2.0V
:1.0V
:キャパシタ電圧がVになった時の放電時間(sec)
:キャパシタ電圧がVになった時の放電時間(sec)
I:0.010A
(単位静電容量の算出)
充電後の上記静電容量算出用キャパシタの定電流放電(放電電流=0.010A)を行った。このとき、キャパシタ電圧(V、V)と放電時間(t、t)を測定し、下式からキャパシタの静電容量を算出し、キャパシタの静電容量をこれに使用した電極の総体積で除することで単位静電容量を算出した。
F(V−V)=−I(t−t
F:キャパシタの静電容量(F)
:2.0V
:1.0V
:キャパシタ電圧がVになった時の放電時間(sec)
:キャパシタ電圧がVになった時の放電時間(sec)
I:0.010A
実施例および比較例の電極材料の評価結果を次表1に示す。
Figure 0005201800
表1に示す通り、実施例1〜3の電極材料の膨張率は、第一炭素のみで構成されている比較例1の電極材料の膨張率よりも著しく低いことを確認することができ、第二炭素のみで構成されている比較例2の電極材料の膨張率との極端な差を認めることができない。また、実施例1〜3の電極材料の抵抗値は、比較例2の電極材料の抵抗値よりも低く、実施例2および3の電極材料は、比較例1と同程度の低い抵抗値であることを確認することができる。
本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタ用電極材料を説明するための断面模式図である。 本発明の実施形態に係る電気二重層キャパシタの製造方法を説明するための図である。 実施例における膨張率測定用電気二重層キャパシタを表す図である。 実施例における抵抗および静電容量算出用電気二重層キャパシタを表す図である。
符号の説明
EM 電極材料
FC 第一炭素
SC 第二炭素
EA 空隙
CM 導電材
GM 気化性部材
MP 混合物粒子

Claims (12)

  1. 第一炭素と、該第一炭素を内包する第二炭素とを有する電気二重層キャパシタ用電極材料であって、
    前記第一炭素が賦活化した易黒鉛化性炭素を含有し、前記第二炭素が賦活化した難黒鉛化性炭素を含有し、
    前記第二炭素に内包された空隙が存在することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料。
  2. 導電材が前記第二炭素に内包されている請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用電極材料。
  3. 前記第二炭素が、電気二重層キャパシタの充電時において前記第一炭素よりも低膨張率である請求項1または2に記載の電気二重層キャパシタ用電極材料。
  4. 前記第一炭素が粉体ないし粉体凝集体である請求項1〜のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極材料。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極材料を備えた電気二重層キャパシタ用電極。
  6. 請求項に記載の電極を備えた電気二重層キャパシタ。
  7. 加熱により気化する気化性部材と賦活化した易黒鉛化性炭素を含有する第一炭素材料との混合体を調製する混合体製造工程と、
    前記混合体の表面に賦活化した難黒鉛化性炭素を含有する第二炭素材料を含有する被覆膜を形成する被覆膜形成工程と、
    前記被覆膜を形成した前記混合体の気化性部材を気化させる加熱工程とを有することを特徴とする電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法。
  8. 前記混合体製造工程において、前記第一炭素材料に粉状の炭素材料を使用する請求項に記載の電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法。
  9. 前記混合体製造工程において調製する混合体に導電材を含有させる請求項またはに記載の電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法。
  10. 前記被覆膜形成工程における第二炭素が、電気二重層キャパシタの充電時において前記第一炭素よりも低膨張率である請求項7〜9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の方法を使用して電気二重層キャパシタ用電極材料を製造する工程を有する電気二重層キャパシタ用電極の製造方法。
  12. 請求項11に記載の方法を使用して電気二重層キャパシタ用電極を製造する工程を有する電気二重層キャパシタの製造方法。
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