JP5201111B2 - キャパシタとその製造方法、及び半導体装置 - Google Patents
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Description
このようなキャパシタとしては、これを回路内部に作製する内付けの場合、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸化窒化シリコン膜等の誘電体膜を、シリコン、金属、あるいは窒化チタン、窒化アルミ等からなる上下電極膜の間に挟んだ構造が多く採用されている。また、回路等に対して外付けで用いるものとしては、チタン酸バリウム等のセラミックス製の誘電体膜を備えた積層コンデンサ等のキャパシタが知られている。
なお、このようなキャパシタを作製するにあたり、特にその誘電体膜を形成するには、通常、スパッタ法やCVD法、レーザーアブレーション法等が用いられている。
このような背景から、キャパシタの誘電体膜の誘電率については、その面積と膜厚とを考慮すると、内部回路の場合には300以上、外付けの場合には1000以上であるのが好ましいとされている。
このキャパシタによれば、Pb(ZrxTiyMz)O3を主成分とする誘電体膜の誘電率が高くなり、したがってこれを備える装置の小型化が可能になる。
このようにすれば、このPb(ZrxTiyMz)O3を主成分とする誘電体膜の誘電率がより高くなる。
このようにすれば、Siが触媒として作用することで、誘電体膜形成時の焼成温度を低くすることができ、したがって例えば基体に他の半導体素子や配線等が形成されている場合に、これらへの熱的影響を少なくすることが可能になる。なお、金属シリケートとして添加されているSi量が0.1モル%未満になると、Siの触媒としての作用が良好に発揮されなくなり、10.0モル%を越えると、Pb(ZrxTiyMz)O3の量が相対的に減ることで誘電率が低下する。
このようにアモルファス相を有する相となっていることで、前記誘電体膜は比較的低温で焼成され形成されたものとなっている。したがって、例えば基体に他の半導体素子や配線等が形成されている場合に、これらへの熱的影響が少なくなっている。
このようにすれば、結晶相が第1電極と第2電極との間で不連続な状態に形成されていることから、誘電体膜が、その分極量と電圧との関係において強誘電体のようなヒステリシスを持たなくなる。したがって、その挙動が制御し易くなってこれを組み込んだ回路の設計が容易になり、またエネルギー損失も少なくなる。
このキャパシタの製造方法によれば、Pb(ZrxTiyMz)O3を主成分とする高誘電率の誘電体膜を形成することができ、これによってこの誘電体膜を有するキャパシタを備えた装置の小型化を図ることができる。
また、液状体を液滴吐出法によって配し、これを熱処理することで誘電体膜を形成しているので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることなどから、コストの低減化が可能になる。さらに、液状体を所望位置に配することでエッチングによるパターニングが不要になることから、エッチングに起因する誘電体膜のダメージがなくなる。
このようにすれば、第1電極上に液状体を配した際、第1電極の周辺の基体表面にフルオロアルキルシランからなる撥液部が形成されていることから、液状体が第1電極上からその周辺に濡れ広がることが防止される。したがって、第1電極上に所望形状の誘電体膜を容易に形成することが可能になる。
このようにすれば、例えば基体上に他の半導体素子や配線等を形成している場合に、これらへの熱的影響を少なくすることが可能になる。
このようにすれば、第1電極についても液状体を液滴吐出法によって配し、これを熱処理することで形成しているので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることなどから、コストの低減化が可能になる。
このようにすれば、第2電極についても液状体を液滴吐出法によって配し、これを熱処理することで形成しているので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることなどから、コストの低減化が可能になる。
このようにすれば、低抵抗で、酸化しにくく安定した金属膜からなる電極を形成することが可能になる。また、熱処理温度を400℃以下としているので、例えば基体に他の半導体素子や配線等を形成している場合に、これらへの熱的影響を少なくすることが可能になる。
この半導体装置によれば、高誘電率の誘電体膜を有したことで小型化されたキャパシタを備えることにより、半導体装置自体も小型化されたものとなる。
また、特に誘電体膜が液滴吐出法を用いて形成されている場合に、コストが低減化されたものとなる。
図1は、本発明のキャパシタの一実施形態を示す図であり、図1中符号1はキャパシタである。このキャパシタ1は、例えば図2に示す本発明の半導体装置の一実施形態となる半導体装置50において、従来の回路内部キャパシタに置き換えられるキャパシタ1aとして、さらに回路に対して外付けのキャパシタに置き換えられるキャパシタ1bとして用いられるものである。
誘電体膜3は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)にさらに別の金属を加えてなるPb(ZrxTiyMz)O3(ただし、MはNb、Ta、Vから選択された少なくとも一種であり、x+y+z=1)を、主成分として形成されたものである。この誘電体膜3は、その誘電率が例えばチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)に比べて高くなっており、したがってこれを有したキャパシタ1は、従来のものに比べて高容量化が可能となっており、また、従来のものと同等の容量に設計した場合にはその小型化が可能となっている。
このように、アモルファス相を有する相となっていることで、前記誘電体膜3は比較的低温で焼成され形成されたものとなっている。したがって、前述したように基体53上の他の半導体素子(CMOS等)や配線等への熱的影響が、少ないものとなっている。
また、本発明において液滴吐出法とは、液状体からなる液滴を所望のパターンに吐出することにより、基体上に所望のパターンを形成する方法であり、インクジェット法などの総称である。ただし、吐出する液状体(液滴)としては、印刷物に用いられる所謂インクではなく、デバイスを構成する各種材料物質を含む液状体であり、この材料物質として具体的には、導電物質または絶縁物質として機能し得る物質などが挙げられる。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
まず、図4(a)に示すように、前記の吐出ヘッド34を用いた液滴吐出法(インクジェット法)により、金属微粒子を含む液状体を基体53上(層間絶縁膜52上)の所望位置、すなわち埋め込み配線5上に配する。液状体中に含有させられる金属微粒子、すなわち第1電極2の形成材料となる金属微粒子は、白金、イリジウム、ルテニウム、金、銀等から選択された一種または複数種とされ、これら金属微粒子は分散媒に分散させられて液状体に調整される。金属微粒子の粒径としては、50nm以上0.1μm以下とするのが好ましく、このような範囲とすることにより、分散媒に分散しやすくなり、また吐出ヘッド34からの吐出性も良好となる。なお、金属微粒子については、その表面を有機物などでコーティングしておくことにより、分散媒中への分散性を高めておいてもよい。
ノニオン系表面張力調節材は、分散液の塗布対象物への濡れ性を良好にし、塗布した膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものとなる。このノニオン系表面張力調節材を添加して調製した金属微粒子分散液については、その粘度を1mPa・s以上50mPa・s以下にするのが好ましい。粘度が1mPa・s未満であると、液滴吐出ヘッド34のノズル周辺部が液状体の流出により汚れ易くなってしまい、また、粘度が50mPa・sを越えると、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなってしまうからである。
熱処理の条件としては、特に限定されることなく一般的な条件が採用可能である。例えば、熱処理雰囲気としては、大気中で行なってもよく、また、必要に応じて窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。熱処理温度としては、分散媒の沸点(蒸気圧)、圧力および金属微粒子の熱的挙動を考慮して適宜に決定されるが、特に400℃以下とするのが好ましい。400℃以下とすることにより、例えば基体53に他の半導体素子やAl配線、樹脂からなる保護層や絶縁層等を形成している場合に、これらへの熱的影響を十分に少なくすることができるからである。
また、ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないものの、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
次に、形成するPb(ZrxTiyMz)O3(ただし、MはNb、Ta、Vから選択された少なくとも一種であり、x+y+z=1)の前駆体材料として、この酸化物の各構成金属、すなわちPb、Zr、Ti、M(Nb、Ta、Vから選択された少なくとも一種)を含有する金属アルコキシドあるいは炭酸塩等の金属塩を、それぞれの金属元素ごとに用意する。また、これらとは別に、Siを例えば鉛シリケートとして用意する。そして、これら金属化合物を、前記Pb(ZrxTiyMz)O3中のZrとTiとMとの組成比が、0.2≦z/(x+y)≦0.9を満足し、かつx/y≦1.5を満足し、さらにPbのモル量と(Zr+Ti+M)のモル量(Zr、Ti、Mの合計モル量)との比が1:1となるように、混合する。また、鉛シリケートについても、鉛量が前記条件を損なわないようにして、Siが、最終的に得られる誘電他膜中にて0.1モル%以上10.0モル%以下の範囲で含有されるように、混合する。なお、このようにして混合された前駆体化合物に対して、液滴吐出法による吐出に適した物性を付与するべく、例えばアルコール類等の適宜な溶媒あるいは分散媒等を添加することにより、ゾル状の液状体に調製するのが好ましい。
次いで、所定温度で所定時間乾燥し、液状体中の液分を除去する。さらに、この乾燥後、大気雰囲気下において所定の高温(例えば400℃)で所定時間(例えば30分間)脱脂し、これによって金属に配位している有機成分を熱分解し、金属を酸化して金属酸化物にする。そして、このような塗布→乾燥→脱脂の各工程を所定回数繰り返し、金属酸化物を所望の厚さにする。
そこで、このような誘電体膜3の形成に先立ち、第1電極2を形成した基体53(層間絶縁膜52)の表面に例えばフルオロアルキルシランを用いた自己組織化膜を形成し、前記ゾル状の液状体に対する親和性が低い撥液部を形成しておいてもよい。
この撥液部を形成するには、例えば図5に示すように、基体53の表面、すなわち第1電極2の表面と露出した層間絶縁膜52の表面に、前記ゾル状の液状体に対して所定の接触角を持つようにしてフルオロアルキルシランなどからなる自己組織化膜1001を形成する。前記接触角は、20[deg]以上60[deg]以下であることが望ましい。
第1電極2および層間絶縁膜52の表面を処理するための有機分子膜は、これらに結合可能な第1の官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基等の基体の表面性を改質する、すなわち、表面エネルギーを制御する第2の官能基と、第1及び第2の官能基を互いに結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えたもので、前記の各表面に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
このようなフルオロアルキルシランとしては、例えばヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。なお、使用に際しては、一つの化合物(FAS)を単独で用いてもよく、2種以上の化合物(FAS)を併用してもよい。
また、このような気相からの形成法に代えて、液相から自己組織化膜1001を形成することも可能である。例えば、原料化合物を含む溶液中に基体を浸積し、洗浄、乾燥することで基体上に自己組織化膜1001を形成することができる。
なお、自己組織化膜1000を形成する前に、基体表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施しておくのが望ましい。
なお、誘電体膜3を所望形状、すなわち第1電極2のほぼ全面を覆うような形状にするためには、少なくとも前記第1電極2の周辺の層間絶縁膜52(基体53)表面に撥液部を形成しておけばよい。そして、第1電極2の表面については、必ずしもこれを撥液部とすることなく、例えば親液部(前記ゾル状の液状体に対する親和性が高い部分)にしてもよい。
このようにして誘電体膜3までを形成したら、続いてこの誘電体膜3上に、図4(d)に示すように第2電極4を形成する。この第2電極4の形成については、前記の第1電極2の形成法とほぼ同一の形成法によって行うことができる。すなわち、前記の吐出ヘッド34を用いた液滴吐出法(インクジェット法)により、金属微粒子を含む液状体を誘電体膜3上に配し、その後熱処理を施して金属微粒子を焼結することにより、第2電極4を形成する。そして、これによりキャパシタ1(1a、1b)を得る。
液状体中に含有させられる金属微粒子、すなわち第2電極4の形成材料となる金属微粒子としては、第1電極2の場合と同様、白金、イリジウム、ルテニウム、金、銀等から選択された一種または複数種が用いられる。また、熱処理についても、特に400℃以下で行うのが好ましい。
また、第1電極2、第2電極4については、その形成法として液滴吐出法を採用することなく、蒸着法やスパッタ法等を採用してこれらを形成するようにしてもよい。
このようにして第2電極4を形成したら、この第2電極4に接続する配線やこれらを覆う保護層、絶縁層を形成することにより、半導体装置50を得る。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
本実施例では、図4(a)〜(d)に示した製造方法に基づき、図1に示したキャパシタ1を製造した。
まず、基体53のポリイミドからなる層間絶縁膜52上の所定位置に、Ptの微粒子を分散させた液状体を前記吐出ヘッド34による液滴吐出法によって吐出し、さらにホットプレートにより300℃で30分間加熱処理を行うことにより、第1電極2を厚さ0.1μm程度に形成した。
次いで、前記吐出ヘッド34による液滴吐出法により、Pb(ZrxTiyNbz)O3(ただし、x+y+z=1、x/y=0.67)の前駆体化合物を含有する液状体を配した。前駆体化合物としては、各金属、すなわちPb、Zr、Ti、Nbそれぞれの金属アルコキシドを用い、これらをその金属のモル比が所定比となるようにして混合し、ゾル状の液状体に調製した。また、Siを添加する目的で鉛シリケートを用意し、この鉛シリケートをSi分が4モル%となるようにして前記液状体に添加した。
次いで、誘電体膜3上に、Ptの微粒子を分散させた液状体を液滴吐出法で吐出し、さらに熱処理することにより、第1電極2と同様にPt膜からなる第2電極4を厚さ0.1μm程度に形成し、キャパシタ1を得た。
(実験例1)
前記実施例において、主成分がPb(ZrxTiyNbz)O3(ただし、x+y+z=1、x/y=0.67)となる誘電体膜3を形成する際に用いる液状体として、(z/(x+y))が0から1まで変化するようにして前記金属アルコキシドの混合比を調整したものを用意した。なお、この液状体に鉛シリケートを4モル%添加しているのは、前記実施例通りである。
その後、これらを用いて複数種類の誘電体膜を形成し、形成した各誘電体膜の誘電率(ε)を調べた。得られた結果を、(z/(x+y))と誘電率(ε)との関係として図6に示す。
また、このとき、分極量Pは電圧の変化に対して線形的に変化し、強誘電体のようなヒステリシスが見られず、常誘電体特性を示した。これは、特に前記の結晶相が、第1電極2と第2電極4との間に連続した状態でなく不連続な状態で形成されていることによると考えられる。
なお、ZrとTiとのモル比については、x/y≦1.5であれば、得られた誘電体膜の誘電率にほとんど差が見られなかった。
前記実施例において、誘電体膜3の形成材料、すなわち鉛シリケートを4モル%添加したPb(ZrxTiyNbz)O3(x+y+z=1、z/(x+y)=0.6、x/y=0.67)形成用の液状体の、焼成温度と得られた誘電体膜3の誘電率との関係を調べた。得られた結果を図7に示す。
図7より、焼成温度を500℃にした場合に、高い誘電率が得られることが分かった。しかし、このような高温焼成によって得られた誘電体膜は、X線回折の結果からもペロブスカイト相が見られ、分極量Pと電圧との関係に強誘電体特有のヒステリシスが見られた。したがって、この誘電体膜をキャパシタに用いた場合、キャパシタの挙動が制御しにくくなり、またエネルギー損失も多くなるなどの点で好ましくないと考えられる。
よって、本発明においては、焼成温度を450℃以下とするのが好ましく、特に400〜450℃とするのが好ましい。このように焼成温度を制御することにより、得られる誘電体膜の誘電率を制御することができる。
前記実施例において、主成分がPb(ZrxTiyNbz)O3(ただし、x/y=0.67)となる誘電体膜3を形成する際に用いる液状体として、鉛シリケートとして添加するSiのモル比が0モル%から5モル%まで変化するようにして調整したものを用意した。その後、これらを用いて複数種類の誘電体膜を形成し、形成した各誘電体膜の誘電率(ε)を調べた。得られた結果を、シリケート添加量(モル%)と誘電率(ε)との関係として図8に示す。なお、(z/(x+y))=0.6となるように液状体を調整し、また、焼成温度は450℃とした。
このように、例えば1モル%という少量の添加でも誘電率が急激に変化することから、前述したように焼成時にSi(シリケート)が触媒として作用し、低温でも結晶相が得られるようになったと考えられる。
なお、前記のシリケート添加量の範囲では、得られた誘電体膜に分極量と電圧との関係でヒステリシスが見られなかった。したがって、このシリケート添加量の範囲では、結晶相が第1電極と第2電極との間に連続した状態でなく、不連続な状態で形成されていると考えられる。
また、シリケートを添加したものは、添加していないものと比べ、温度変化および周波数変化に対する誘電率の変化が小さく、−30〜+100℃の範囲、および1kHz〜1MHzの範囲でほぼ一定であった。
また、電極として白金(Pt)に代えてイリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、銀(Ag)を用いても、同様な結果が得られた。
また、より高い容量を得るため、電極膜と誘電体膜とを交互に積層することにより、キャパシタを形成するようにしてもよい。
また、特に液滴吐出法で形成することにより、同一平面上に異なるタイプのものを作り分けることができ、したがって、前述したような従来の回路内部のキャパシタや外付けのキャパシタとなるものを、容易にしかも低コストで作製することができる。
Claims (8)
- 誘電体膜を第1電極と第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタの製造方法において、
基体上に前記第1電極を形成する工程と、
Pb(ZrxTiyMz)O3(ただし、MはNb、Ta、Vから選択された少なくとも一種であり、x+y+z=1 )の前駆体化合物を含有する液状体を、液滴吐出法によって前記第1電極上に配する工程と、
前記前駆体化合物を含有する液状体を熱処理することにより、前記Pb(ZrxTiyMz)O3を含む前記誘電体膜を形成する工程と、を含み、
前記Pb(ZrxTiyMz)O3中のZrとTiとMとの組成比が、以下の式を満足するとともに、
前記液状体に鉛シリケートを、Siのモル比が1モル%以上5モル%以下添加されていることを特徴とするキャパシタの製造方法。
0.4 ≦ z/(x+y)≦ 0.8 および x/y≦1.5
- 前記前駆体化合物を含有する液状体を、液滴吐出法によって前記第1電極上に配する工
程の前に、前記基体及び前記第1電極の表面にフルオロアルキルシランを用いた自己組織
化膜を形成する工程、を含むことを特徴とする請求項1記載のキャパシタの製造方法。 - 前記基体及び前記第1電極の表面にフルオロアルキルシランを用いた自己組織化膜を形成
する工程の後に、前記第1電極の表面に形成されたフルオロアルキルシランに光を照射す
る工程、を含むことを特徴とする請求項2記載のキャパシタの製造方法。 - 前記液状体を熱処理することで前記誘電体膜を形成する工程において、前記熱処理の温
度を450℃以下とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のキャパシ
タの製造方法。 - 前記第1電極は、第1金属微粒子を第1分散媒に分散させた第1液状体を液滴吐出法に
よって前記基体上に配する工程と、
前記第1液状体を熱処理することで前記第1分散媒を除去する工程と、
前記第1金属微粒子を焼結する工程と、によって形成することを特徴とする請求項1〜4の
いずれか一項に記載のキャパシタの製造方法。 - 前記第2電極は、第2金属微粒子を第2分散媒に分散させた第2液状体を液滴吐出法に
よって前記基体上に配する工程と、
前記第2液状体を熱処理することで前記第2分散媒を除去する工程と、
前記第2金属微粒子を焼結する工程と、によって形成することを特徴とする請求項1〜5の
いずれか一項に記載のキャパシタの製造方法。 - 前記第1金属微粒子は、白金、イリジウム、ルテニウム、金、または銀の少なくと一種
からなる微粒子であり、
前記第1金属微粒子を焼結する熱処理温度を、400℃以下とすることを特徴とする請
求項5に記載のキャパシタの製造方法。 - 前記第2金属微粒子は、白金、イリジウム、ルテニウム、金、または銀の少なくと一種
からなる微粒子であり、
前記第2金属微粒子を焼結する熱処理温度を、400℃以下とすることを特徴とする請
求項6に記載のキャパシタの製造方法。
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